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OK食材・NG食材リスト | レクチンフリーについて | ゆるレクチンフリー生活
本ページでは、「レクチンフリーかどうか」という観点から、OK食材・NG食材のリストを記載しています。
https://plus-minus.casa/lectin-free/ok-ng-list
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実は「魚の干物」は健康や美容の敵である…魚を食べるなら「刺身、蒸す、煮る」の順に選ぶべき理由
ただしクサヤだけは「クサヤ・パラドックス」がある
笹井 恵里子
https://president.jp/articles/-/69105
特に「天日干し」は避けたほうがいい
魚は身体にいいからと、冷凍庫に干物を入れておく。忙しい時など、それを解凍して焼いて食べる。
健康にも良さそうな方法ではあるが、実は「干物」は健康や美容の敵であることをご存知だろうか。
全ての画像を見る(7枚)
https://president.jp/articles/photo/69105
管理栄養士で老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子氏がこう説明する。
「特に『天日干し』は避けたほうがいいでしょう。室内で空気を循環させて水分蒸発を促す『乾燥法』ならまだしも、天日干しでは魚の脂肪酸が紫外線によって酸化されてしまいます。その上、冷凍で保管では冷凍焼け(冷凍庫内で食材が乾燥・酸化すること)も起こすでしょう」
酸化とは「体がサビること」といわれる。例えば食べすぎ飲みすぎ、強いストレス、加齢による代謝異常などで活性酸素が大量に発生し、それが蓄積されると正常な細胞や遺伝子を傷つける。体内には活性酸素の害を防御するシステムがあるものの、あまりにも活性酸素が発生すると処理が追いつかなかったり、また年齢とともに活性酸素を処理する働きが低下していく。だから「抗酸化作用のある野菜や果物を食べましょう」とよくいわれるのだが、干物のような酸化したものを食べることはその真逆の行為だ。
製法や保存方法によって酸化の度合いは異なる
健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏は「天日乾燥は温度、酸素、紫外線によって酸化が進み、加工後にも酸化が進む」と指摘する。
「製法や保存方法によって酸化の度合いは異なりますが、一例として図Aは干物にした後の酸化具合の変化です。昔ながらの灰干製法(魚を特殊なフィルムに包み、火山灰の中で魚の水分を取る干物の製法)で干物を作れば脂肪酸の酸化が進みにくいといわれるものの、それでも本来、健康や美容に良い作用があるはずのオメガ3の酸化を完全に防ぐことができず、体に悪影響をおよぼします」
「乾燥法によるあじ開き干しの成分変化の相違」
https://president.jp/articles/photo/69105?pn=3
千葉本試研報、NO. 56,85-89,(2001)より「乾燥法によるあじ開き干しの成分変化の相違」千葉本試研報、NO. 56,85-89,(2001)より
オメガ3は、魚の「脂肪」に多く含まれる。さまざまな種類があるが、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(イコサペンタエン酸)については世界中で膨大な数の研究報告があり、老化予防の効果が特に強いとされる。
大まかにDHAは脳を活性化し、眼や髪の老化を防ぎ、EPAは血液を固まりにくくする作用があるため、血栓を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を予防する。
オメガ3が細胞を傷つける過酸化脂質に変わる
東邦大学名誉教授で平成横浜病院の東丸貴信医師もこう補足する。
「高血圧や加齢に伴って心臓の筋肉組織は硬くなっていきますが、心筋細胞や筋肉組織の働きをオメガ3が再び活性化させる作用があります。何らかの原因で血管に炎症が起きた場合も鎮める働きがあります。特に青魚は悪玉コレステロールの値を下げて、動脈硬化を予防するEPAを多く含むので積極的に取りたいですね」
東邦大学名誉教授で平成横浜病院の東丸貴信医師東邦大学名誉教授で平成横浜病院の東丸貴信医師
オメガ3は体内では作れず、食品から摂る必要があり、エゴマ油、アマニ油でも摂取できるが、魚で摂るのが圧倒的に効率がいい。例えばDHAが豊富な魚はクロマグロ、サンマ、ブリ、太刀魚、ニジマス、銀鮭、ウナギなどで、EPAを多く含むものはサンマ、クロマグロ、カタクチイワシ、太刀魚、ブリ、ニシンなどが挙げられる。
しかし、欠点としてオメガ3は非常に酸化しやすい。だから干物に含まれるオメガ3は、その作用が失われているといっていい。
「さらには体に良かったはずのオメガ3(DHAやEPA)が細胞を傷つける過酸化脂質に変わってしまうのです。今年3月、米国科学雑誌Current Biologyに過酸化脂質の蓄積が細胞死を起こす新たな仕組みが掲載されましたが、酸化した食品を食べ、それが蓄積されると、腸管組織を傷つけたり、動脈硬化などのリスクも高めてしまうことがわかりました。アジ、イワシ、ししゃもの酸化度を実態調査した研究では、イワシの酸化が著しく高いという結果。イワシに一価不飽和脂肪酸が多いためと考えられます」(望月氏)
健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏
ただしクサヤは干物にしたほうが良い
一価不飽和脂肪酸(オメガ9)とは、オリーブオイルにも多く含まれる良質の油で、血液中の悪玉コレステロールを下げる働きがあるといわれている。しかし実際は、同列に研究されていないだけで、イワシ以上に、前述したDHAやEPAが豊富なクロマグロやサンマなどのほうが酸化されている危険が高い。オメガ9よりオメガ3のほうが酸化しやすいからだ。ただし一つだけ例外がある。
「伊豆七島で親しまれている独特の干物、クサヤは干物にしたほうが良いんです。以前の食品分析では、天日で干すため過酸化脂質含有量の多い食品として知られていました。ですがクサヤ摂取者に対して意外と動脈硬化性疾患の報告が少ないことから、2001年にクサヤ・パラドックスとして調査が行われたのです。するとクサヤの生と焼いた状態では、過酸化脂質の量が大幅に違うことがわかりました」(望月氏)
クサヤは、生の状態では過酸化脂質は356μmolであったが、焼くことで49・8μmolに下がることが調査でわかっている。
https://president.jp/articles/photo/69105?pn=6
「クサヤ・パラドックスの研究」〔日本未病システム学会雑誌 7(1)2001.〕より「クサヤ・パラドックスの研究」〔日本未病システム学会雑誌 7(1)2001.〕より
「クサヤ菌に24時間漬けることで発酵が生じるので、その影響と考えられています。通常の干物は製造過程で過酸化脂質を生じさせ、動脈硬化や老化を促進するとされています」(望月氏)
缶詰であれば、EPAやDHAが酸化されていない
酸化に加えてもう一つ、干物のデメリットは塩分の多さだ。干す前に魚を塩水に漬けることが多いため、どうしても過剰な塩分摂取になってしまう。例えばマアジ(生)なら100グラムあたりの食塩相当量が0・3グラムだが、開いて干すと2グラムにも。
「干物の良さは、保存が利くこと。ビタミンDが多いことの2点のみ。けれども保存食であれば、サバ、イワシ、ツナなどの缶詰のほうがいいと思います。もちろんこちらも塩分は高いのですが、EPAやDHA(オメガ3)が酸化されていませんし、缶汁ごと野菜にかければ汁に流れ出たオメガ3も取ることができます。そういった食べ方なら、野菜には塩分排出を促すカリウムが豊富ですので、デメリットを消すこともできます」(望月氏)
同じようにどうしても干物が食べたいなら、レモン汁をかけるなど抗酸化成分を合わせて摂取すれば多少は緩和されるかもしれない。また金目鯛のような白身魚は脂質が少なく、オメガ3の効能がほとんどないかわりに酸化しにくいので、白身魚の干物を選ぶのもいいだろう。
栄養素を失わない調理法としてベストは刺身
調理法として、酸化と塩分過多の点から干物はお勧めできないが、フライもまた「糖化」という観点からNG。糖化とは、食品に含まれるタンパク質と糖質と結びついて劣化する反応のことで、その時、AGEという悪玉物質が発生する。
AGEは高温加熱による調理過程で生まれるのだが、多量に摂取すると、その一部が体内に蓄積し、悪影響をおよぼす。例えば肌が黄色っぽくくすんでくるのは、AGEが茶褐色の物質のため。肌の奥にAGEがたまれば、コラーゲン繊維の機能が低下し、硬い皮膚になったりシワができやすくなったりする。
「アジを例にすると、アジフライであれば衣がついているから酸化はしにくいですが、糖化はします。美容健康の観点から、栄養素を失わない調理法としてベストは刺身。二番目は蒸す(ホイル焼き)。次に煮る(味噌煮など)、四つ目が焼く、最後に揚げるの順です」(堀氏)
刺身の盛り合わせ写真=iStock.com/ahirao_photo※写真はイメージです
健康には質のいい油をフレッシュな状態で取ることが重要で、生の魚が一番。油というと何となく体に悪そうに感じるが、油は老化を防ぐために最も有効といってもいい。細胞膜やさまざまなホルモンの材料となり、体の内側はもちろん、皮膚や髪の毛のツヤ、ハリを保つために欠かせない。
「年齢を重ねるほど体から油が減り、老人性湿疹やシミなどにもつながりやすくなります。油不足は肌の新陳代謝の遅れやバリア機能の低下を招きます」(望月氏)
特にそれぞれの魚の旬の時期は脂肪がのる、つまりオメガ3が豊富に含まれる。今の時期であれば5月初旬に水揚げされる初ガツオがいいだろう。秋に南下する戻りガツオと比べるとオメガ3が少ないが、そのぶんさっぱりしておいしい。今晩のメニューにぜひ。
https://president.jp/articles/-/69105?page=3
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2021.11.01
実は健康に悪かった?魚の干物に関する賛否両論検証。
https://oliveoilyboy.com/risk-of-dried-fish/
数多ある食材の中でも、伝統的に食され体にもいいとされる魚類。足が早いのが難点ですが、干物という保存方法はそれを補う方法として長年親しまれてきました。その手軽さから常用している家庭も少なくないかと思います。私も素晴らしい技術と認識して利用してきましたが、本当に素晴らしいものか盲目的に信じてきただけではないかという疑念が上がりました。
油に関する内容はどうしても気になるワケです。その結果、今では控えるようになっていますが、そのあたりの干物に関する賛否両論を見てみます。
干物は体に良い:肯定派の意見
今、日本は世界でも有数の長寿国。そして魚の干物・直火で焼くなどは日本の伝統的料理であるという意見が多く、そもそも干物が体に悪いという認識もないため、それに対する科学的対抗論などはあまりみかけません。業者も含めほとんどが魚=オメガ3系=体にいいという短絡的なものです。
2018年再度調査をしてみましたが、あまり新しい情報は得られませんでした。意外なことは「干物 体にいい」で検索するとこのblogがTOPに躍り出ているくらいですかね。
結構羅列されているメリットとしては以下で、否定派の考えを覆すようなものは見つかりません。
・低脂肪、低カロリーの良質なたんぱく質が摂れる
・DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富
・カルシウムが豊富
・タウリンが豊富
・コラーゲンが豊富
・ビタミンAが豊富
何と比べてというところがポイントですが、要は生より干物や焼いた方が栄養価が高いと唱える説です。
干物は体に悪い:否定派の意見
2018年、新たに調べた肯定派のメリットでは「同じ量を食べるのに栄養素が2倍に増える」と謳っているケースが多いのですが、それを比較したときに思わぬ落とし穴があるんですね。
重量が同じ場合の比較表などが出てくるのですが、干物は当然水分が抜けてますから重量が少なくなるんですね。おやおや?仮に水分が抜けて重量が1/2になると普通1尾で同じ量と捉えると、実質2倍食べなくてはならなくなります。
それは栄養価が2倍になるとは言い難いのではないかと思います。
過酸化脂質(物質)が体に悪い
魚の油は健康増進に欠かせない反面、酸化されやすいという弱点があります。酸化とは、紫外線などで発生する「活性酸素」で、細胞や遺伝子が変質してしまう現象です。
特に魚の油が酸化した「過酸化脂質」は、動脈硬化を促進し、ガンの発生にも関係し、胃腸や膵臓、胆嚢に異常な負担をかけ、その結果、胃腸障害、膵機能障害、動脈硬化等々の悪さを働くようです。
日干しはすべてにおいて好ましいわけではなさそうです。
変性タンパク質が体に悪い
タンパク質は変性して違った構造式を持つ物質となり、人体にとって有害な物質(アンモニア系の物質など)となる場合も多いです。これにより魚に多く含まれるカルシウムも悪性のものとなるとの説もありますが、あまり深く言及しているものがなく真偽のほどはわかりません。
塩分が体に悪い
塩分は干物の大部分で採用される塩干しで必需品なので仕方ないとは思いますが、このような調査結果でも論じられているのですね。
恩恵を期待できるのは主に焼魚や煮魚で、体のためにはフライや干物、塩漬けは避けたほうがよい。
一般社団法人 日本生活習慣病予防協会
肯定派の方はこのあたりは、昔と違って現在市場に出回る干物のほとんどは、塩分を控えた「生干し」や「一夜干し」が主流であり影響は少ないと添えておられたりしています。
干物は傷みやすい魚を長期間保存する日本古来の知恵ですが、現代の栄養学からみると、お世辞にも健康によいとはいえないらしいです。肯定派に比べて圧倒的に否定派の意見が多数、医者も論じているケースが見つけられます。
同様のリスクがある食材
煮干し、カツオぶし、マグロぶし、魚の干物、ちりめんジャコ、めざし等。
いい干物はないのか?
だいぶ否定派が優勢な干物ですが、灰干しという方法は日干し干物の欠点がない方法のようです。
注目の干物作成方法、灰干しとは?
灰干しとは魚を和紙で包み、吸水性の高い火山灰の中に保存することで干物にする方法で、冷蔵庫のない江戸時代に用いられたようです。現代ではセロファンが使用され、火山灰の中に入れて放置する手法がメインで、火山灰に含まれるわずかな空気には触れるが、天日干しとの差は歴然で、かつ紫外線にも触れることがない為、生鮮な魚の持っている健康に役立つオイル類が殆ど過酸化脂質にならないメリットが挙げられます。
この灰干しについて調べるとやはりいくつかの生産者はそのメリットを謳っており、干物を食べるなら灰干しがよさそうです。火山灰を有効利用しようということでいくつかプロジェクトもあるようです。
*過去にはプロジェクトのLinkを貼っておりましたが、サイトが閉鎖されたようです。
2018年においても灰干しはAmazonなどでも扱いは非常に少ないんですよね。もっとアピールしてもいいように思うのですが。*2021年11月現在、Amazonで検索しても42件ほどしか見つかりませんね。
灰干しについてはより深く調べてみる必要がありそうです。
結論、どうするのか?
私はこの賛否両論から判断し、長期保存できる干物の使用はやめました。干物自体、新鮮なうちに食べきることのできない状況下で生み出された方法ですから保存方法が革新的に進歩した現代で無理に摂取することはないと考えました。干物にすることで旨みが増すとか、美味しいとかいう人に関しては干物が所謂嗜好品と化すのですから好みで食べればいいのではないかと思います。
基本的には、過酸化脂質の問題があっても毎日3食、干物ばかりを何十年にも渡って食べ続けるわけではありません。そんな心配をするより、DHAを多く摂るためにも刺身(刺身)を食べたり、煮物を食べたり、焼き魚を食べたりして、毎日の食生活の中に魚を取り入れることの方が大切だと捉えているためどうしても利便性を求める際は一夜干しを選択しています。また、低価格商品はなるべく避け、一流の干物(灰干しメイン)を選択するようにしています。
2018年上記の考え方を覆がえすものはない状態です。
まあ、生魚でも水銀含有率が、、など賛否がない食材はおよそ見つけられずその真実も不透明ですから結局はあなたが基準を以て判断していくしかないような気がします。
ですので私はあくまで自分の判断基準を公開しているに過ぎず、またこれからの学会での研究結果、書籍からのinput、はたまた栄養価を覆すほどの極上の旨みを備えたものの到来によっては干物を食べることもあるかも知れませんよ。念のため。
https://oliveoilyboy.com/risk-of-dried-fish/
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魚干物の酸化安定性
*川口 治子, 溝崎 久美子, 山口 直彦
抄録
〔目的〕いわし,あじなど赤身魚は高度不飽和脂肪酸であるEPA,DHAなどを含み大変酸化を受け易いと思われる。また,その干物は乾燥工程あるいは流通過程などでは急速な酸化の進行が危惧される。そこで私達は市販干物(あじ,いわし及びししゃも)の酸化度を実態調査すると共に,酸化度が著しく高かったいわしについて試作試験を行ったので報告する。
〔方法〕
1,干物は,それぞれ5点,豊橋及び岡崎市内で購入した。
2,いわし(鮮魚)は岡崎市中央市場で購入した。
3,いわし干物の試作は鮮魚をカテキン,トコフェロール及び味噌などの溶液に一定期間浸漬した後,乾燥した。
4,酸化度は酢酸-イソオクタン法で過酸化物質(POV)を測定した。
〔結果〕
1,市販干物のPOVをみると,あじでは,天日干しと表示してある1点のみ99と高い値を示したが,他4点の平均値は11.5±6.6であった。
次いでいわしは5点共にPOVは50以上と高く,その平均値は111.9±58.7を示した。
さらにししゃも5点の平均値は18.4±5.3であった。
これらの結果からいわし干物の酸化度が著しく高いことを知った。いわしの干物の試作試験の結果,
2,カテキン製剤(茶葉抽出物10%含有)0(対照区),0.1及び0.5%溶液にいわしを浸漬後,乾燥した干物を5℃,5日間保存し,そのPOVで比較すると,対照区:118,0.1%区:119及び0.5%区:69であった。
3,トコフェロ-ル製剤(トコフェロール8.5%含有)についても同様に試験し,5日目のPOVで比較した結果,対照区:160,0.1%区:157及び0.5%:100であった。
4,豆味噌の効力を測定した結果,7日目のPOVは対照区:217,1%区:76.6,3%区:79.0及び6%区85.6であった。
5,さらに,カテキン及びトコフェロール製剤と豆味噌との併用試験などを行っている。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/59/0/59_0_114/_article/-char/ja/
魚の保蔵時における脂質酸化と酸化促進成分
*山本 由喜子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/18/0/18_0_29/_article/-char/ja/
抄録
【目的】魚は多価不飽和脂肪酸のよい供給源であるが、脂質酸化を受けやすいためその保蔵には注意が必要である。特にイワシ等のいわゆる青魚は脂質酸化を受けやすいことが知られているが、その酸化促進にかかわる成分については十分解明されているとはいえない。本研究では、数種類の魚について保蔵時における脂質酸化の程度を測定し、それらの成分中、脂質と鉄について、酸化促進効果との関連を検討した。
【方法】青魚であるイワシ、サンマと白身魚であるカレイの、各可食部をすり身状にして冷蔵保存した。酸化の程度はロダン鉄法とTBA法により過酸化脂質量を測定して示した。酸化促進に関与する成分として、総脂質含量、脂肪酸組成、ヘム鉄と非ヘム鉄含量を測定した。また、各魚の脂質をFolch法で抽出して、魚油の冷蔵保存時についても脂質酸化の程度を測定した。さらに、100℃、170℃で加熱後についても酸化の程度を測定した。
【結果】3種類の魚の冷蔵時にはイワシが最も酸化を受けやすく、1日目でPOV, TBAが上昇した。次いでサンマ、カレイの順であった。魚油の冷蔵時における酸化速度は3種類とも魚肉全体よりも著しく遅く、5日目まで安定であった。その後、魚油の酸化が進行したが、その酸化速度はイワシ油が最も速く、次いでサンマ、カレイの順であった。総脂質含量、鉄含量(ヘム鉄、非ヘム鉄)、いずれもイワシ、サンマで多く、カレイは少なかった。多価不飽和脂肪酸の割合の差異は小さかった。また、イワシは加熱により非ヘム鉄が顕著に増加し、その後の冷凍保存では生よりも速く酸化が進行した。これらのことより、非ヘム鉄含量は、魚類の保蔵時における脂質酸化の亢進に大きく関与するものと考えられた。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/18/0/18_0_29/_article/-char/ja/
水産物における油脂の酸化とその防止
外 山 健 三
東京水産大学(東京都港区港南4丁目)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos1956/14/12/14_12_760/_pdf/-char/ja
油脂および油脂食品の酸化的劣化とその評価法に関する研究
藤 本 健 四郎
東北大学農学部応用生物化学科
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos1996/46/3/46_3_249/_pdf/-char/ja
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干物は体に良い悪い?健康や美容へ及ぼす影響とは
2023年7月19日
https://himono-kanbutu.com/kenko/
干物の健康効果や美容への影響を徹底解説!栄養素豊富な一方で、脂質酸化のリスクも。適切な摂取方法や調理法で、健康的な食生活を送りましょう。
干物がもたらす健康への影響: 賛否両論の真相
干物は、日本の食文化において欠かせない存在ですが、健康への影響については賛否両論があります。干物に含まれる栄養素が健康に良い効果をもたらす一方で、油分が酸化した過酸化脂質が体に悪影響を与えることが懸念されています。今回は、干物がもたらす健康への影響について調査し、その真相をお届けします。
干物全般の栄養素やカロリーの傾向は
干物全般には、魚を中心にさまざまな種類がありますが、一般的に高い栄養価と低カロリーが特徴です。干物の栄養素には、体に必要なビタミンやミネラルが豊富に含まれており、DHAやEPAといった健康に良い脂肪酸も多く含まれています。また、干物は主に魚を使用しているため、不飽和脂肪酸が多く含まれており、動脈硬化の予防や心臓病リスクの低減に効果があるとされています。
干物摂取の健康効果: 必須栄養素を豊富に含むアイテム
干物には、注目すべき健康効果がいくつかあります。まず、必須栄養素であるアミノ酸やビタミンB群が豊富に含まれており、筋肉の働きやエネルギー代謝の向上に貢献します。また、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸は、血液の流れを改善し、動脈硬化や心臓病のリスクを減らす効果が期待できます。さらに、干物はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富で、骨密度の維持や神経伝達の良好化に役立ちます。
過酸化脂質の健康リスク: 適切な調理法がカギ
干物の健康リスクとしては、過酸化脂質が最も懸念されています。油脂が酸素と反応し酸化する過程で過酸化脂質が生成され、これが体内に取り込まれると、細胞の老化を促進し、炎症や動脈硬化などの慢性病の原因となることがあります。適切な調理法がカギとなりますが、加熱の際は弱火でじっくり加熱し、あまり油が多く出ないように調理することが、過酸化脂質を抑制するポイントとなります。
魚の干物の脂質酸化: 原因と体への悪影響
魚の干物の脂質酸化は、魚の脂肪分が酸化し過酸化脂質が生成される現象で、その原因は、干物作りの過程や保存状態によるものです。過酸化脂質が体内に蓄積されると、細胞の働きが低下し、老化が進行します。また、心臓病や動脈硬化、糖尿病などのリスクが高まることが報告されています。適切な保存方法や調理方法を選ぶことで、脂質酸化を抑えることが可能です。
脂肪酸の酸化と細胞の老化: 体内での働き
脂肪酸の酸化は、体内での活性酸素の増加や細胞膜の損傷を引き起こし、細胞の老化が進行します。また、過酸化脂質は、血管内皮細胞の機能低下や動脈硬化の原因となります。酸化の防止方法としては、抗酸化作用のある食品の摂取やストレスや過労を避けることが効果的です。健康的な生活習慣と適切な栄養摂取により、酸化脂質による健康リスクを最小限に抑えることができます。
干物に含まれる過酸化脂質: 劣化した油の危険性
干物は日本の食卓に欠かせない食品の一つで、栄養価も高いことから人気です。しかし、干物には過酸化脂質という劣化した油が含まれることがあります。過酸化脂質は油が酸化し、細胞に悪影響を与える恐れがあります。これが体内で蓄積すると、動脈硬化や糖尿病などの病気の原因となる可能性があります。そのため、干物の摂取には注意が必要です。過酸化脂質は加熱によって量が減少することがあるので、調理方法にも工夫が必要です。また、保存方法や鮮度も過酸化脂質の量に影響しますので、購入時に注意しましょう。
干物摂取の注意点: 種類や調理法の選び方
干物の摂取には注意点がいくつかあります。まず、種類を選ぶ際には低脂肪である魚を選ぶことが望ましいです。また、調理法に関しては炭火焼きやオーブン焼きがオススメで、揚げ物などの油を使った調理は避けると良いでしょう。加熱時には油を使わないことで過酸化脂質の生成を抑えることができます。さらに、干物にも塩分が含まれているため、乾燥や塩分の調整が重要です。減塩タイプの干物を選び、適度な摂取量を守ることが大切です。
塩分とコレステロール: 干物のデメリットを抑える工夫
干物には塩分やコレステロールが多く含まれており、過剰摂取は健康に悪影響を与えることがあります。塩分は高血圧の原因となる場合がありますし、コレステロールも動脈硬化を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。しかし、工夫次第で干物のデメリットを抑えることができます。例えば、塩をたっぷりと使わずに保存された干物を選んだり、塩を軽く洗い流してから調理することで塩分を抑えることができます。また、低コレステロールの魚を選ぶことも効果的です。
無塩干物や低塩分商品: 健康志向の選択肢
健康志向の方には無塩干物や低塩分商品がおすすめです。これらの商品は塩分を抑えたり、無塩であったりすることで高血圧や動脈硬化のリスクを減らすことができます。そのため、毎日の食事に取り入れることが大切です。また、無塩干物や低塩分商品は味わいも豊富で、さまざまな料理で楽しむことができます。適切な調理方法と組み合わせることで、美味しく健康的な食生活を送ることができます。
日本人の食生活と干物: 消費量や栄養状況の分析
日本人の食生活において、魚は重要な栄養源となります。近年では魚の消費量は減少傾向にありますが、干物は依然として栄養価の高い食品として認識されています。干物にはDHAやEPAといった必須脂肪酸が含まれるため、適度な摂取は健康に良い影響を及ぼします。ただし、過剰摂取には注意が必要で、特に塩分やコレステロールには関心を持ち、適切な選択を行うことが大切です。
魚の摂取量と健康: DHAやEPAの効果を活かす
魚は健康に良い食材であり、DHAやEPAといった脂肪酸が豊富に含まれています。これらの脂肪酸には抗酸化作用や抗炎症作用があり、心血管疾患の予防にも役立ちます。しかし、摂取量には注意が必要で、適度な量でバランス良く摂取することが望ましいです。干物も魚の一部であり、適切な選択と調理方法を活用して、健康的な食生活を送りましょう。
他の魚料理との比較: 刺身や煮魚への影響
魚は私たちの食生活において重要な食材であり、日本人にはなじみの深い刺身や煮魚といった魚料理がたくさんあります。これらの料理は、栄養豊富で健康に良いとされるDHAやEPAをはじめとする脂肪酸をたっぷりと含んでいます。しかし、その調理方法によって魚の持つ栄養素や効果に大きな違いが生じることがあります。例えば、煮魚には水分が多く含まれるため、干物と比べて酸化の進行が遅く、酸化脂質の摂取を抑えられる点が利点です。一方、刺身は生のまま食べるため、鮮度と衛生面が重要になります。これらの違いを理解した上で、バラエティ豊かな魚料理を上手に取り入れることで、より健康的な食生活を送ることができます。
干物の正しい食べ方と管理方法: 健康を維持する秘訣
干物は、そのまま食べるだけでなく、さまざまな料理に利用できる万能な食材です。しかし、干物を上手に取り入れるためには、正しい食べ方と管理方法を心得ておくことが大切です。まずは、塩分が多い干物は適度な量を摂取し、過剰な塩分摂取を避けることが重要です。また、干物は脂質が多く含まれているため、バランス良くビタミンやミネラルを含んだ野菜や果物と一緒に食べることが望ましいです。さらに、保存方法にも気をつけましょう。密閉した容器に入れ、冷蔵庫で保存することで鮮度を維持することができます。これらのポイントを押さえることで、干物を賢く摂取し、健康を維持することが可能です。
過酸化脂質を抑える調理法: 蒸す、煮る、焼くの選び方
過酸化脂質は、脂質が酸素と反応して変化した物質で、体内に取り込むことで悪影響を及ぼすことがあります。干物を調理する際には、過酸化脂質の生成を抑えることが重要です。そのためには、蒸す、煮る、焼くといった調理法を上手に選びましょう。例えば、蒸す調理法は水分を保ちながら加熱するため、過酸化脂質の生成が抑えられます。焼く際には、遠赤外線を利用したグリルでじっくりと焼くことがおすすめです。また、煮る場合は、短時間で強火で煮るよりも、弱火でじっくりと煮込むことで過酸化脂質を抑えることができます。
干物の保存方法: 鮮度を維持し、酸化を避ける工夫
干物をうまく保存することで、鮮度を維持し、酸化を避けることができます。そのためには、まず、空気の影響を受けにくい密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。また、購入後はできるだけ早く食べるようにし、長期間の保存は避けることが望ましいです。さらに、食べる前には必要な分だけ取り出し、残りはすぐに冷蔵庫に戻すことで、鮮度を保つことができます。これらの方法により、美味しく安全な干物を楽しむことができます。
結論: 干物を賢く摂取し、健康的な食生活を送る方法
干物は美味しいだけでなく、栄養価も高く、健康に良い食材です。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、適切な食べ方や保存方法が重要です。また、脂質や塩分の摂取に注意し、バランスの良い食事を心がけましょう。さらに、過酸化脂質の生成を抑える調理法を選ぶことも大切です。このような工夫を行うことで、干物を賢く摂取し、健康的な食生活を送ることができます。
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魚油の風味劣化と抗酸化臭いのしない魚油を目指して
宮下 和夫
北海道大学大学院水産科学研究院
上村 麻梨子
北海道大学大学院水産科学研究院
柴田 阿子
北海道大学大学院水産科学研究院
Published: 2016-09-20
© 2016 公益社団法人日本農芸化学会
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=662
エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサン酸(DHA)といったn-3系(オメガ3系)多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取は,心筋梗塞などの冠動脈疾患に対する予防効果があると考えられている.これらのn-3系PUFAとアラキドン酸などのn-6系PUFAは,いずれも正常な生体機能維持に不可欠であるが,現代の食生活では両PUFAの摂取バランスが崩れ,多くの場合n-6系過多の状態となっている.したがって,このバランスを正常に保つために,魚油などからのEPAやDHAの直接摂取が推奨されている.しかし,魚油を食品素材として用いるには大きな問題がある.それは,極めて酸化されやすいという性質である.
脂質の酸化では,まず,OOH基を1個有する反応物(モノヒドロペルオキシド)が生成され,しばらく時間を経て,モノヒドロペルオキシドの分解,重合,酸化といった複雑な二次酸化反応が起きるとされてきた.しかし,最近の考え方としては,このような順を追った反応プロセスは,リノール酸メチルなどのモデル系では観察できるが,実際の脂質酸化では,モノヒドロペルオキシドの生成と二次酸化反応はほぼ同時に進行していく複雑なものとされている(1).特に,魚油の場合には,酸化のごく初期からさまざまな酸化物,特に低分子の揮発性成分が生成するため,風味劣化が顕著となる.
脂質酸化を防ぐ(抗酸化)には,酸化反応に中心的な役割を果たすフリーラジカルを不活性化することが重要である.フリーラジカルとは,不対電子をもつ原子や分子のことを言い,反応性が非常に高い.PUFAはまずフリーラジカルの攻撃を受け,自身がPUFAラジカルとなったあと,これに酸素が結合する.したがって,こうしたフリーラジカルに電子を供与し,非ラジカル化(不活性化)する働きのある化合物が抗酸化物質として知られている.魚油の抗酸化で最もよく用いられているものにローズマリー抽出物やトコフェロール類があり,いずれも電子供与能を有し,フリーラジカルを不活性化する.しかし,実際に,このような抗酸化剤を魚油に添加しても,風味劣化を完全に防止することはできない.魚油の利用が主としてカプセルに封入したサプリメントにとどまっているのはこのような事情による.
魚油の風味劣化についてはこれまでも多くの研究があり,EPAやDHAの酸化で生ずる低分子のアルデヒドやケトンなどが劣化の主因とされている.こうした低分子揮発成分の分析には,固相マイクロ抽出(SPME)法とガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)法の併用が一般に用いられる.SPME法とは,吸着性のあるファイバーに揮発性成分をトラップし,これをGCに導入して分析する方法である.SPME法により,高感度での揮発性成分の検出が可能となり,炭素数が5~10の不飽和アルデヒドあるいは不飽和ケトンが魚油の酸化劣化の主成分として報告されている(2, 3).
脂質酸化で生ずる低分子揮発成分の分析の基礎は,Frankelらのグループにより,1980年代に確立された(4).このとき,Frankelらは揮発性成分の分析法として,1)液相との平衡状態を保ったまま揮発性成分を含む気相を取り出す方法(Static headspace method:平衡ヘッドスペース法),2)揮発性成分を強制的に取り出す方法(Dynamic headspace method:動的ヘッドスペース法),3)酸化脂質を直接GCに導入する方法(Direct injection method)を比較している.3)の方法は,生成した酸化物を直接GC内で熱分解後,分析するもので,酸化物の分解機構の解析には適しているが,実際の脂質酸化で生成する揮発性成分を見ているわけではない.現在広く利用されているSPME法は2)に該当するが,Frankelらは,この方法の欠点として,揮発性成分の抽出・吸着・脱離過程で,炭素数4以下の低分子成分の減少と炭素数7~10の不飽和アルデヒドの濃縮を指摘している(5).Frankelらの主たる分析対象はリノール酸を多く含む植物油であり,この場合には,炭素数4以下の低分子成分の消失はあまり問題にならなかった.しかし,魚油の酸化物分析へのSPME法の適用の是非については考慮が必要となる.
一方,1)の方法は,揮発性成分を含む気相をそのままGCに導入するので,分析過程での特定成分の増減は少ない.ただ,この場合,感度が低いという欠点があった.しかし,最近の分析技術の発達により,感度の高い平衡ヘッドスペース法が活用できるようになった.そこで筆者らは,魚油と植物油の初期酸化について,平衡ヘッドスペース法とGC-MSを組み合わせた分析を行った(6).その結果,魚油の場合,酸化のごく初期からアクロレインが主成分として見いだされた.一方,大豆油などの植物油ではアクロレインの生成はほとんど見られず,EPAやDHAなどのように,二重結合を多数含むn-3系PUFAの酸化により,アクロレイン(2-propenal,図1)が先行して生ずることを明らかにした.アクロレインは4-hydroxy-2-nonenal(酸化油脂の毒性成分としてよく知られている)の約100倍の毒性を有し,その閾値は3.6 ppbで,揚げ油の不快臭の本体としても広く知られている.したがって,これまで不明であった魚油の酸化初期で見られる風味劣化は,アクロレインに起因するとも推測でき,その生成機構についての今後の検討が期待されている.
図1■α-トコフェロール存在下でのスフィンゴイド塩基とアクロレインとの反応による抗酸化物質の生成
仮にアクロレインが魚油の風味劣化の主因とすれば,その生成を防ぐことが最も重要である.抗酸化物質には,水素供与能があり,魚油中のEPAやDHAの酸化はある程度抑制できるが,反応物をゼロにすることは難しく,少量でもアクロレインのようなアルデヒドが残存すると風味劣化が起こってしまう.リノール酸を主体とする植物油の場合,反応物のレベルや生成物の閾値が高いので,抗酸化剤を添加すれば風味劣化はあまり問題にならない.しかし,リノール酸よりも酸化されやすいn-3系のα-リノレン酸が多いアマニ油では,魚油ほどではないにしろ,アクロレインが生成する(6)ため,食品に広く活用することは難しい.
それでは,魚油の風味劣化を抑制するにはどうしたらいいのか? この問題を解決するために注目したのがアルデヒドとアミノ化合物とのアミノカルボニル反応である.なぜなら,この反応により,風味劣化の主因となるアルデヒド類を除去でき,かつ,反応物の抗酸化活性も期待できるからである.これまで,アミノ酸,タンパク質,リン脂質のアミノ基と脂質酸化で生ずるアルデヒドとのアミノカルボニル反応物の抗酸化活性については多くの研究があったが(7),これらの反応物の抗酸化活性はそれほど強くなかった.これには,生成物の分子量や,脂質への溶解性などの化学的・物理的性質なども関係していると考え,魚油の酸化防止に最も適したアミノ化合物を探索したところ,スフィンゴイド塩基を見いだした(8).スフィンゴイド塩基はスフィンゴ脂質の構成成分であり,トコフェロールとともに魚油に添加することにより,アクロレインなどのアルデヒド類の生成を一定期間ほぼ完全に抑制できることを見いだした.その理由については現在検討中であるが,スフィンゴイド塩基とアクロレインとの反応により強力な抗酸化物質が生成されると推測している(図1).
Reference
1) K. M. Schaich: “Lipid Oxidation: Challenges in Food Systems: Challenges in elucidating lipid oxidation mechanisms: when, where, and how do products arise? ” ed. by A. Logan, U. Nienaber, X. Pan, AOCS Press, 2013.
2) G. Venkateshwarlu, M. B. Let, A. S. Meyer & C. Jacobsen: J. Agric. Food Chem., 52, 1635 (2004).
3) A. Dehaut, C. Himber, V. Mulak, T. Grard, F. Krzewinski, B. Le Fur & G. Duflos: J. Agric. Food Chem., 62, 8014 (2014).
4) E. N. Frankel: “Lipid Oxidation: Methods to determine extent of oxidation,” ed. by E. N. Frankel, The Oily Press, 1998.
5) J. M. Snyde, E. N. Frankel, E. Selke & K. Warner: J. Am. Oil Chem. Soc., 65, 1617 (1988).
6) A. Shibata, M. Uemura, M. Hosokawa & K. Miyashita: J. Am. Oil Chem., Soc., in press.
7) F. S. H. Lu, N. S. Nielsen, C. P. Baron & C. Jacobsen: Food Chem., 135, 288 (2012).
8) J. Shimajiri, M. Shiota, M. Hosokawa & K. Miyashita: J. Agric. Food Chem., 61, 7969 (2013).
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知っておきたい基礎知識
https://www.suisan.or.jp/html/kisochishiki.html
水産油脂
水産油脂とは、近年は生産量の多い魚油を指している。魚油は、原料となる魚(イワシ、サバ、スケソウダラ等)を煮熟し、煮汁の中から油を分離したものである。また、魚の肝臓だけを原料にして作られた油を肝油という。
魚油の用途は、古くから硬化してマーガリン、ショートニングの原料として使われ、最近では水産養殖魚の飼料に多くが使われている。更に魚油中の脂肪酸に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、血中コレステロールの増加抑制、発ガン予防、老化防止の効果等が報告されている。
油やけ
イワシやサバなどの脂肪含量の多い魚類の乾製品、塩蔵品、煮干などで、乾燥中および貯蔵中に脂質酸化が進んで、黄色ないし赤褐色に変化する現象をいう。
脂質の自動酸化により生じたカルボニル化合物が原因物質とされているが、着色物の化学構造は不明である。
油やけしたものは、色調の劣化のみならず味や香りなど風味の劣化も著しい。
酸化を防ぐ簡単な方法はなく、実際には酸化促進要因の除去と酸化反応を阻止する方法を組み合わせて、その効果を期待している。
即ち、1.酸素との接触を避けるため、ガス置換包装あるいは脱酸素剤を使用する。
2.抗酸化剤を使用して酸化反応を抑える。
エイコサペンタエン酸(EPA)
海産の生物に広く分布している。魚では青みの魚やマグロなどの脂質に多く含まれ、炭素数20で、二重結合が5つある不飽和脂肪酸である。マイワシでは日本海産はDHAより高い含量を示すことがある。
代謝物であるホルモン様な活性を示すエイコサノイド(プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン)はn-6系脂肪酸のアラキドン酸の代謝物とは生理活性が大きく異なる。EPAは血栓症の低減に効果が認められ、1990年に医薬品として認可された。
ドコサヘキサエン酸(DHA)
海産の生物にEPAと同様広く分布し、魚類には特に多く含まれる脂肪酸である。炭素数22で、二重結合が6つある不飽和脂肪酸である。
DHA摂取により血清コレステロールのうちHDLには影響は少なく、悪玉コレステロールとよばれるLDLは顕著に低下する。また血清トリグリセリドの低下作用が認められ、アトピー症状の改善等の報告もあり、調製粉乳、卵、水産加工食品等への添加が行われている。
なお二重結合が多く酸素と結合しやすい活性メチレン基を5つ有することから空気中では酸化劣化が著しく速い。
脂肪酸
脂肪酸の基本的な化学構造は、次のように示される。
CH3CH2CH2・・・COOH
末端にメチル基(CH3)を、一方の末端にカルボキシル(COOH)をもつ。このメチル基とカルボキシル基の間に炭化水素(CH2など)をゼロから複数個結合している。
炭素数が2から6のものを短鎖脂肪酸、8から10のものを中鎖脂肪酸、12以上のものを長鎖脂肪酸といっている。
炭素数2は酢酸(CH3COOH)、炭素数3はプロピオン酸(CH3CH2COOH)である。
天然の脂肪に含まれる脂肪酸は殆ど長鎖脂肪酸である。
脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がある。
飽和脂肪酸
脂肪酸の中で、二重結合をまったくもたないもの。食品には、炭素数4から20までのものが含まれている。よいエネルギー源となる。代表例がパルミチン酸とステアリン酸である。(食品の百科事典より)
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は、一個以上の二重結合(CH=CH)を含む。
高度不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸ともよばれるが、二重結合2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸といい、4~5以上のものを高度不飽和脂肪酸ということが多いが、明瞭な区別はされてない。魚油に多いエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがある。(食品の百科事典より)
不飽和脂肪酸の炭素と二重結合の位置の表わし方
不飽和脂肪酸中の炭素の位置および二重結合の位置を表わすのに二通りの方法がある。
カルボキシル基側を基点にする方法
カルボキシル基(COOH)の炭素を1位の炭素(1C)とし、メチル基側に向かって順次2位(2C)、3位(3C)、4位(4C)・・・・とし、メチル基の炭素をn位(nは総炭素数)として炭素の位置を表わす。
二重結合の位置は、△に炭素の位置数を示す。9位と10位の間にあれば△9と表わす。
例えば、リノール酸は18個の炭素と2個の二重結合をもっており、その二重結合は9Cと10Cの間および12Cと13Cの間にある。
18個の炭素と2個の二重結合は18:2と表わし、2個の二重結合の位置を△9,12と表わす。従ってリノール酸はC18:2△9,12と表示される。なお、C18:2(9,12)あるいは単に18:2(9,12)と表示することもある。
メチル基側を基点にする方法
メチル基の炭素に最も近い二重結合をもつ位置を数える。
例えば、リノール酸CH3(CH2)3CH2CH=CHCH2CH=CH(CH2)7COOHは、メチル基に最も近い二重結合がCH3から6番目のCにある。
CH3から6番目に二重結合をもつ脂肪酸をn-6(エヌマイナス6と読む)系不飽和脂肪酸という。また、これをω(オメガ)6系不飽和脂肪酸ともいわれる。
CH3から3番目に二重結合をもつ脂肪酸をn-3系不飽和脂肪酸という。また、ω3系不飽和脂肪酸ともいわれる。
共役二重結合
多価不飽和脂肪酸で、二重結合が飽和結合を一個挟んでいる、次の構造のものをいう。
-CH=CH-CH=CH-
通常の多価不飽和脂肪酸は、メチレン中断型といわれる構造で、次に示すような二重結合の間に2個の飽和結合をもっている。
-CH=CH-CH2-CH=CH
近年では、共役二重結合の機能が注目されている。例えば共役リノール酸は発ガン物質の生成を抑制するといわれ、その他、共役化したEPAやDHAはヒト培養ガン細胞に対して殺細胞作用を示すことが見出された。
天然には牛脂や乳に共役リノール酸が含まれている。
脂肪のどの部分が酸化されるか?
脂肪分子の中で実際に酸化を受けるのは、結合している不飽和脂肪酸である。
特殊な脂肪を除いて、通常の不飽和脂肪酸は次に示す構造をもっている。
-CH=CH-CH2-CH=CH-
ペンタジエン構造、メチレン中断型、ジビニルメタン型の二重結合配置とよばれる。
なお、ペンタとは数字の5の意で、ここでは炭素が5であることを示す。ジとは数字の2の意で、エンとは二重結合をもつ不飽和化合物の接尾語である。
酸化を受ける部分は、このペンタジエン構造のメチレン基(CH2)である。
CH2は活性メチレン基とよばれ、光や熱のエネルギーで容易に水素ラジカル(H・)を遊離しペンタジエンラジカル(分子全体では脂肪酸ラジカルL・)を生じる。Lは脂質LipidのLを示す。
ペンタジエンラジカルは活性酸素と結合し、不安定なペンタジエンヒドロペルオキシラジカル(脂肪酸ヒドロペルオキシラジカルLOO・)を生じる。
このラジカルは、他の不飽和脂肪酸のペンタジエンから水素原子を引き抜き、自身はペンタジエンヒドロペルオキシド(脂肪酸ヒドロペルオキサイドLOOH)になる。
LOOHは不安定で、-OOH周辺の化学結合を開裂させ自体の分解に導く。最終的にはアルデヒド類、アルコール類やカルボン酸などになる。
L・はLOOと反応して安定なダイマー(二量体)LOOLを生じると反応は終わる。
プロスタグランジン
体内で作られ、体の生理機能に関連する物質である。
リン脂質に結合した炭素数20の不飽和脂肪酸(エイコサポリエン酸)から生成される。その不飽和脂肪酸とは、アラキドン酸、ビスホモ-γ-リノレン酸およびエイコサペンタエン酸である。
リン脂質は、細胞膜を構成する成分であるので、生体内のあらゆる細胞に分布し、そこにはプロスタグランジンの前駆物質であるエイコサポリエン酸が存在する。従って、種々の臓器や体液中で広範囲にプロスタグランジンが生成されている。
プロスタグランジンは、単一の物質ではなく生理活性の異なる多種類の物質の総称である。
生理活性の主なものは、①平滑筋収縮作用、②血圧降下作用、③抗脂肪分解作用、④血小板凝集阻止作用などがある。
α-リノレン酸
食事から摂る植物給源のn-3系脂肪酸(α-リノレン酸)は有益であるが、α-リノレン酸(ALA)の摂取効果は、既成のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の場合に比べ低いことが指摘されている。これは既成の長鎖n-3脂肪酸が直接取り込まれるのに対して、ALAが同様の生理効果を発揮するには、鎖長延長と不飽和化による長鎖不飽和脂肪酸への交換が必要であるためとされている。
ALAの交換について、乳児や成人でDHAへの変換が遅く、経口投与ではALAはごく僅かな割合でEPAとDHAに変換されるが、EPAへの変換が多く、脳の発育のために脳組織へのDHAをALAから得ることは非効率であるといわれている。
構造脂質
天然の油脂より更に好ましい構造にするため、脂肪酸の部分を人工的に改質した油脂である。天然の油脂は、グリセロール骨格の1、2、3位に多種類の脂肪酸が結合した混合物である。構造脂質は、グリセロール骨格の特定の位置に、化学的あるいは生化学的手法により特定の脂肪酸を結合した脂質をいう。
グリセロール骨格の1、3位にステアリン酸を、2位にオレイン酸を結合した脂質は、カカオ脂の代用として最も早くから開発された。当初は口どけの良さなど物理的な特徴に注目があったが、最近では栄養・生理学的な観点からも見直され、各種の構造脂質が開発されるようになった。
これらの構造脂質は優れた物性を有するほか、グリセロール骨格の2位に結合した脂肪酸の機能性が注目されている。1、3位に中鎖脂肪酸が結合し、2位に機能性をもった長鎖脂肪酸が結合した構造脂質は、長鎖脂肪酸だけで構成される天然油脂に比べて、体内で早く加水分解され腸粘膜からの吸収が早いといわれている。術後の患者あるいは高齢者の栄養源として期待されている。
スクアレン
スクアレンは主に深海性サメの肝臓に多く含まれる油性成分である。普通の油脂(トリグリセリド)とは異なり分子内に酸素を含まず、炭素と水素だけでできているいわゆる炭化水素である。スクアレン分子の炭素数は30で、二重結合を6個も持っている。酸素を含まない炭化水素はトリグリセリドより比重は軽く、例えば大豆油は0.922~0.932(15℃)に対し0.858(20℃)である。
サメは魚にはある浮き袋を持たないためスクアレンを浮力確保のために利用しているとの説もある。ヒトでは1日800mg程度作られており、一部は皮脂の成分として存在する。しかし多くはコレステロールを合成するための中間体として使われるためスクアレンの形ではあまり残らない。スクアレンは動物だけでなくオリーブ油などにも少し含まれている。スクアレンは前述のように二重結合を6個持つことで融点は低く、-75℃でも極めて固まりにくい性質を持つ。しかし、酸化されやすいため二重結合を無くして(飽和化)、安定性を高めたものがスクワラン(融点-38℃)であり、低い温度でも滑らかさを保つ特徴を生かし化粧品などにも利用されている。
植物プランクトン
植物プランクトンは海表面を浮遊しながら二酸化炭素と水から光合成で有機物を作り出す目には見えないくらい小さな生物であり微細藻類とも呼ばれる。海洋では他の生物を支えるとても重要な生物で、陸上における植物のような役割である。植物プランクトンは栄養塩類などの条件が揃えば爆発的に増殖し、これにつれて動物プランクトンも餌の摂取が容易となるために大量に発生する。さらには動物プランクトンを餌とするイワシ、サンマ、サバなどの浮魚*には良好な環境となり成長が促進される。植物プランクトンの主な栄養塩類は窒素、リン、ケイ素であり、鉄などの微量な金属も必要であるが、鉄は海水には溶けにくく、海では不足しやすい金属である。例えばオホーツク海の流氷はアムール川から流れ着いたもので鉄の供給源となっており、豊かな海を支えている。
植物プランクトンの主要なものには珪藻、ラン藻、渦鞭毛藻などがある。魚に含まれる脂肪酸は元をたどればこれらの微細藻類由来であり、DHAは渦鞭毛藻、EPAは珪藻が主な供給源になっていると考えられる。なお、赤潮は植物プランクトンの異常な大量発生であり、栄養塩類が流入しやすい内湾や河口域で発生しやすい。
*うきうお:海面付近を生活圏とする魚種でイワシ、アジ、サバ、サンマ、ニシンなどは小型浮魚と呼ばれる。
動物プランクトン
動物プランクトンは、水の中に住む遊泳力があまりない動物の総称である。クラゲやオキアミなども含まれるが、ここでは小型魚の餌となるミリ単位の大きさのものに限定する。 動物プランクトンのなかで量も種類もずば抜けて多いのがカイアシ類(英語名コペポーダ)である。名前はボートのオール(櫂:かい)のような長い脚を持つことに由来する。
北の海では冬季の悪天候でかき混ぜられ栄養塩類が海面に供給され、春になると植物プランクトン(珪藻類)の発生する条件が揃うため爆発的に増殖する(春季植物プランクトンブルーム:spring phytoplankton bloom)。カイアシ類はこれから摂取した栄養を油分として体に貯蔵する。8月から冬にかけてカイアシ類の多くは水深500~2,000mに潜り、いわゆる休眠状態となる。その後は12月頃に産卵し、翌春の植物プランクトンの大発生に備えて生命をつなぐと考えられている。
マイワシやサンマなどは餌を求めて回遊するが、カイアシ類が海の表面付近に沢山いる時期にその海域に到着していなければ餌を十分に取れない。このタイミングの良し悪しが魚類(小型浮魚)の資源量の変動が大きい要因の一つとなっている。なお、サンマについてはカイアシ類のNeocalanus 属が主な餌で、サンマの油はこれに由来すると報告されている。
脂肪酸と融点
脂肪酸は酸の性質を持つカルボキシル基1個と炭素と水素からなる炭化水素部分からできている。炭化水素部分が大半を占めるので、脂肪酸の融点の高低には、この部分の長さと形が大きく影響する。理由は少し専門的になるが、融点は脂肪酸同士の接触面積の多少(ファンデルワールス力)により決まるからである。したがって、炭化水素部分が長くなると脂肪酸同士の接触面積も増すので融点は高くなる。
一方、炭化水素部分の形は炭素同士のつながり方で決まる。つながり方は2種類あり、一つは炭化水素部分が直線状である飽和結合、もう一つは曲がっている不飽和結合(二重結合ともいう)である。つながり方の大半が飽和結合だが、ここに不飽和結合があるとそこで曲がる。またその数が一つ、二つ、・・・と増えると曲がりがきつくなるだけでなくねじれも生じる。こうした折れ曲がった形では脂肪酸同士の接触面積は直線状より小さくなり融点は下がる。例えばつながっている炭素の数が同じ18であっても、不飽和結合の数が0個のステアリン酸、1個のオレイン酸、2個のリノール酸の融点は、それぞれ70℃、13℃、-5℃と異なっている。
不飽和脂肪酸のうちトランス脂肪酸について少し補足すると、不飽和結合にはシス型とトランス型の二つがあり、前述のつながり方の説明はシス型についてで、天然はほとんどがこのタイプである。トランス型はシス型に比べて曲がりがだいぶ少ないタイプである。トランス脂肪酸として代表的なエライジン酸は、炭素数が18、不飽和結合の数は一つであり上のオレイン酸と同じである。しかし、その融点はシス型のオレイン酸の13℃に対しトランス型のエライジン酸は43℃と30℃も高い。
脂肪酸組成
油脂は脂肪酸3個とグリセリン1個から構成され重量比では約9割が脂肪酸であるため、脂肪酸が油脂の性質を支配することになる。脂肪酸組成は油脂を構成する各々の脂肪酸の割合を示すもので(通常%表示)、これを調べることで油脂の性質を簡便に知ることができる。例えば大豆油やナタネ油などは、主な脂肪酸がリノール酸(融点-5℃)、オレイン酸(融点13℃)、リノレン酸(融点-11℃)であるため常温で液状である。一方、ラードは、オレイン酸が一番多いものの、パルミチン酸(融点63℃)とステアリン酸(融点70℃)を合わせるとオレイン酸に近い量になるため、常温で固体である。
油脂を構成する脂肪酸の種類の数に着目すると、少ない代表格は主要な脂肪酸が5つの大豆油である。これは植物が自分で脂肪酸を作ることができ、しかも必要なものだけであることに関係する。他の植物油脂も主要な構成脂肪酸の種類数は一般的に少ない。動物はリノール酸、リノレン酸など栄養学上必須の脂肪酸を自分で作ることができないため外から取る必要がある。動物は自分で作ったものと外から取ったものが体に共存するため、脂肪酸の種類は植物油脂よりだいぶ多く、0.5%程度以上含まれる脂肪酸の数はラードで10くらい、魚油では20くらいはある。
脂肪酸組成を調べることで油脂の種類を知ることもできる。前述のように植物は必要な脂肪酸をすべて自分で作るため、脂肪酸組成の変動は一般的に小さく、植物の種類毎に区別することは比較的容易である。一方、栽培環境(特に気温)に合わせて脂肪酸を作ることもある。例えば同じ品種の米でも、栽培地が北と南では北の方が融点の低いリノール酸の割合が高くなる。
動物油脂は餌の影響を受けること、また陸上動物では体の部位によっても脂肪酸組成が異なることが知られており、ラード、牛脂、鶏油などの区別はつくが、さらに細かくとなると難しい。魚油はDHAやEPAが主成分として含まれるため他の油脂との区別は容易であるが、魚の種類毎となると確実に区別することは一般的に難しい。
魚油の脂肪酸組成
魚油の脂肪酸組成の特徴は、DHA、EPAに代表される高度不飽和脂肪酸が多く含まれることが一番に挙げられる。これ以外にも脂肪酸の種類が大変多いことがある。脂肪酸組成」のところでも記載があるが、大豆油の主な脂肪酸の種類数は5つに対し魚油では量的に少ない脂肪酸まで含めると50くらいになる。これは魚が食べる餌に由来すると考えられている。
浮魚(「植物プランクトン」の項参照)は、動物プランクトンを餌としているが、動物プランクトンの餌は植物プランクトンである。したがって、浮魚の脂質は植物プランクトンが作ったものが元であり、動物プランクトンを経由してきていることになる。
植物プランクトンは全体としてみると脂肪酸組成の幅は大変広く、例えば脂肪酸の炭素数は12~30程度まであり、魚油の12~24をカバーしている。また植物プランクトンは陸上の植物に比べ不飽和度の高い脂肪酸が含まれており、珪藻ではEPAを貯蔵脂質として含む種があり、渦鞭毛藻、ハプト藻にはDHAを多く含む種がある。こうした植物プランクトンの脂肪酸組成の特徴からも、魚油との類似性に容易に気づくことができる。しかし、特定の植物プランクトンの脂肪酸組成が魚油に直接的に反映することはない。それは間に動物プランクトンが入っており、代表格であるカイアシ類の種類が多いことに加え、生息する海域や深さでも脂肪酸組成が変化するためである。
当協会では1980年代のマイワシ豊漁期の脂肪酸組成データを多数保有しており、DHAとEPAの関係をみると漁獲が太平洋側ではEPA>DHAであり日本海側ではDHA>EPAの傾向を示す。しかし、DHAとEPAがそのような関係にあっても、割合の変動はかなり大きく、逆の関係となるサンプルもある。したがって、マイワシではDHAとEPAに限ってみても脂肪酸組成の変化は大きい。
DHA・EPA以外の魚油に特徴的な脂肪酸(エイコセン酸とドコセン酸)
魚油の脂肪酸というとDHAやEPAに注目が集まるが、サンマではエイコセン酸とドコセン酸を合わせて45%程度含まれることもある。エイコセン酸とドコセン酸はそれぞれ炭素数が20と22で二重結合を一つ持つ構造をしている。
これらの脂肪酸はマイワシやサバにも含まれ、その合計値は多いもので、それぞれ15%、25%程度である。一方、少ないものでは、サンマ15%、マイワシ1%及びサバ11%程度である。ただし、サンマの15%は極めて稀で、多くは30%以上含まれる。このようにエイコセン酸とドコセン酸はサンマ、サバでは主要な脂肪酸であり、マイワシでも比較的多く含まれることがある。
エイコセン酸とドコセン酸は片方が多くてもう片方が少ないということはなく、両者は連動して増減する。こうした現象は餌の動物プランクトン(カイアシ類)に由来すると考えられる。カイアシ類は種類によってはワックスが脂質の主成分である。ワックスは脂肪酸と長鎖アルコールが結合したものであるが、カイアシ類のCalanus plumchrus にはエイコセン酸とドコセン酸と炭化水素部分が同じ構造の長鎖アルコールをそれぞれ38%及び32%と極めて高い値で含むものがある。これを摂取した魚はワックスを脂肪酸と長鎖アルコールに分解し、さらに長鎖アルコールは腸粘膜で酸化して脂肪酸に変えて吸収する。したがって、エイコセン酸とドコセン酸を多く含む魚は、上述のようなワックスを多く含むカイアシ類を主に餌にしていたものと考えられる。
魚油と魚の脂質
魚油は「水産油脂」で記載があるように、魚を原料に製造された油であるが、魚の脂質と厳密には同じではない。魚油の製造法では原料に油の一部が残るが、残りやすい油の成分はリン脂質である。魚のリン脂質にはDHAが多く含まれ脂肪酸組成中30~50%にもなるため魚の脂質と言うには、残されたリン脂質も取り出すことが必要となる。ただ、魚に含まれるリン脂質の量は1%弱とほぼ一定している。したがって魚に含まれる油の量が10%くらいまで多くなると、魚の脂質中のリン脂質の割合は小さくなり、魚油の製造法で得られた油との違いは小さくなる。なお、魚からほぼ完全に油を抽出するためには有機溶剤を使用する。
魚油の生産
魚油の主な原料はイワシ、アジ、サバ、ニシンなどの大量に漁獲される魚種である。しかし、国内はもちろん、世界的にも安定して大量に漁獲できる海域は無くなりつつある。国内では、量販店や水産加工場から出る魚の「あら」が主な原料である。工場での製造は、まず原料を加熱しタンパク質を凝固させ水分と油分を分離しやすくしたのち、スクリューコンベアーなどの装置で押し出しながら液汁をある程度除く。出てきた固形分は別の装置で圧搾し、乾燥して粉砕したものがフィッシュミール(魚粉)である。圧搾により生じた水分と油分の混じった液汁は、先の工程の液汁と合わせて遠心分離機により油分を取り出したものが魚油である。
世界の魚油の生産量は長期に渡って100万トン前後であったが、2014年、2015年と連続で80万トン台になり減少傾向である。今後も世界の漁獲量の伸びは期待できないことから、この傾向は変わらないとみられる。主要な生産国は南米のペルー、チリであるが、このところ両国の減少は顕著である。日本の魚油の生産は、大量に漁獲されたマイワシを主な原料に1978年からは生産量は毎年20万トンを超え1988年には最高の48万トンに達した。その後漁獲量が激減してからは原料不足となり6万トン程度の生産量が長く続いている。
魚油の用途
2013年~2015年における世界の魚油の消費量は80万トン台である。ちなみに2014年の消費量の上位国はノルウェー、チリ、日本の順であった。海産魚の成長にはDHAやEPAなどn-3系脂肪酸が必須の栄養素であり、魚油の多くは養魚飼料の原料として使用されている。ノルウェーやチリではサーモン、日本ではブリ、ウナギ、タイなどの養魚飼料の原料になっている。
「魚油の生産」で記載のように1980年代の日本ではマイワシが大量に漁獲され魚油の生産は年間40万トンを超えた年もあった。その多くはマーガリンなどの原料としてヨーロッパへ輸出された。魚油の利用は植物油脂より安価であったことが主な理由であるが、魚油を構成する脂肪酸の炭素数の範囲が広い(「魚油の脂肪酸組成」参照)ことから、硬化魚油(脂肪酸の不飽和結合を減らす加工処理をした魚油)を配合したマーガリンは、保存中に組織がザクザクになりにくいなど優れた性質を有することもあった。しかし、世界的に養魚飼料の需要が拡大するなかで漁獲量が伸びない状況が長く続き、魚油の価格は2000年代には大豆油やパーム油を上回り2015年には約3倍までに上昇した。こうした価格高騰や、硬化魚油には心臓疾患のリスクを高めるとされるトランス脂肪酸が多く含まれることから魚油の加工油脂への用途は激減した。
養魚飼料用の魚油については、価格高騰のためその配合割合を減らす研究開発が急ピッチで進み、サーモン養殖ではすでに実用化され大幅な低減が実現している。養魚用の用途に比べれば量的にかなり少ないが、DHA・EPAオイル用の原料魚油は高価格で取引されている。これを精製・濃縮した製品の販売量は欧米を中心に右肩上がりに拡大している。
植物油の精製
圧搾によって得られた原油にはさまざまな成分が含まれており、これらのうち融点の高い成分などは静置、遠心分離機、ろ過によって取り除くことができる。その他にも製品にするためには除去しておく必要がある成分があり、こうした操作を精製という。油脂の精製は物理的・化学的手法を用いて行われており、主な工程を記載する。
【脱ガム工程】
原油にはリン脂質やリポプロテイン、粘質物質等、水和して膨張する物質が含まれている。この様な物質はガム質と呼ばれ、油脂を加熱した際に劣化の原因となり、また乳化を助ける作用をする場合もあり水との分離を妨害する。脱ガム工程では水を加えて水和・沈殿させて除去するが、水の代わりに水蒸気を用いて水和させる場合もある。非水和性リン脂質の脱ガムには、リン酸やクエン酸を加えて除去する。
【脱酸工程】
原油中の遊離脂肪酸は加水分解を促進させ、さらに遊離脂肪酸を増加させる。また、遊離脂肪酸が増えると水分の溶解度がさらに高まるので、この連鎖を阻止させるためにも遊離脂肪酸を取り除く必要がある。遊離脂肪酸は水には溶けないが、アルカリを添加することにより脂肪酸のカルボキシル基と金属イオンが結合して石鹸を生成し、水溶性に変えることができる。反応後の石鹸分はアルカリフーツとして遠心分離機で除去し、さらに油脂を温水で洗浄して残りの石鹸分を取り除き乾燥させる。この工程により、残存するリン脂質や金属塩、着色成分なども除去される。
【脱色工程】
脱色工程では、油脂中に含まれるクロロフィル等の着色成分、脱酸時に生成した石鹸分、各種金属塩などが除去される。通常は油中に活性白土を添加することによりこれらの成分を吸着させるが、その他に活性炭を併用する。脱色工程は加熱して行うため酸素の存在下では油脂の酸化が促進されるので、通常は減圧下で行われる。
【脱ろう工程】
油脂を冷却させることにより、高融点のワックスやトリグリセリドなどを析出させて、その固形分をろ過などで分離する。油脂が冷蔵庫などの低温状態に置かれた場合の結晶化を防いだり、マヨネーズやドレッシングに含まれる油脂が低温によって結晶化し、乳化を阻害することが無いように予め除いておく必要がある。この処理を行った油脂はサラダ油であり天ぷら油と区別される。
【脱臭工程】
高温、高真空下で、水蒸気蒸留により揮発性物質を除去する。油脂中に含まれる、遊離脂肪酸、アルデヒド、アルコール、ケトンなどの揮発性物質が除かれほぼ無臭となる。香りを重視するオリーブ油やごま油にはこの処理は行わない。
トランス脂肪酸
不飽和脂肪酸の場合、炭素-炭素の二重結合により幾何異性体が生じる。図のように炭素原子のつながりがそれぞれ同じ方向に向かう場合をシス(cis)型、反対方向の場合はトランス(trans)型という(図では水素原子を目印にしてもシス型、トランス型を同様に区別できる)。自然界に存在する脂肪酸の多くはシス型でトランス型はあまり存在しないが、反芻動物の体脂や乳脂にトランス型が数%含まれていることが知られている。反芻動物の胃の中では微生物が共生しており、リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸に対して生物的水素添加が行われるために、トランス型が産生される。
トランス型の多くは、液体油脂を部分的に水素添加して、工業的に固体脂を生産する場合に生じる。液体植物油脂を固体脂に硬化する場合に、触媒の作用によって半数近くがトランス型に転換するという報告もある。
トランス脂肪酸は直線状の構造を持つため飽和脂肪酸に類似しており、同じ炭素数でもシス型の脂肪酸より融点が高くなる。また、トランス脂肪酸は飽和脂肪酸と同様に血中LDLコレステロールを増加させ心臓に害を及ぼすリスクを高めることが知られており、トランス脂肪酸については、欧米各国で摂取に対する規制が広がっている。
脂肪酸の種類とそのシス型・トランス型脂肪酸
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)
出典:トランス脂肪酸(農林水産省)(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/trans_fat.html)
エステル交換
トリグリセリドは、グリセリン1分子に脂肪酸3分子がエステル結合することにより構成されている。ある条件下でグリセリン(アルコール)や脂肪酸あるいは脂肪酸エステルを反応させることで、それまでとは異なる性質を持った脂肪酸エステルを構成することができる。これらの反応を総称してエステル交換と呼ぶ。エステル交換については、3つに分類することができる。1つ目のアシドリシスは脂肪酸をトリグリセリドに加えて反応させるもので、トリグリセリド内の脂肪酸を転換させることによりその物性を変えることができる。2つ目はトリグリセリドにアルコールを加えて反応させるもので、アルコーリシスと呼ばれる。メタノールやエタノールを加えることで脂肪酸メチルエステルや脂肪酸エチルエステルが産生される。また、グリセリンを加えた場合にはモノグリセリドやジグリセリドを作り出すことができる。3つ目は、トリグリセリド内の脂肪酸を他のトリグリセリドとの間で、脂肪酸の交換を引き起こさせるものである。この様な方法で脂肪酸の組み合わせを変えることを、油脂のエステル交換あるいはトランスエステル化と呼ぶ。
分別
脂質の主成分はトリグリセリドの混合物であり、結合している脂肪酸の種類によってそれぞれのトリグリセリドは融点をはじめ溶剤に対する溶解度などの性質が異なる。これらの性質を利用して純度を高める工程を分別と呼んでいる。温度を下げることによりトリグリセリドの結晶を析出させて分離させる分別結晶法や溶剤に対するトリグリセリドの溶解度の差を利用した溶剤分別法、蒸気圧の差を利用した蒸留法などがある。
油脂加工技術の利用(エステル交換と分別)
エステル交換と分別の油脂加工技術は特にチョコレート用の油脂で大きな成果を上げている。チョコレートは口に入れるとさっと溶ける性質があり、これは原料のカカオ脂に由来する。カカオ脂に特徴的なトリグリセリドは外側2個(1,3位)が飽和脂肪酸で、内側1個(2位)は不飽和脂肪酸のタイプであり、大量に製造できれば、チョコレート用の油脂となり得る。こうした構造を持つもののうち外側2個がステアリン酸で、内側はオレイン酸のタイプは効率的な製造が困難であったが、酵素を用いたエステル交換で可能となった。
エステル交換にはトリグリセリドの脂肪酸を他の脂肪酸に置換える技術があるが、化学反応ではトリグリセリドの外側と内側を区別できないため、求める油脂にはならない。ところが酵素には、外側と内側を識別できる性質ものがあり、これを用いてオレイン酸だけが結合するトリグリセリドにステアリン酸を加えて、エステル交換を行うと外側にステアリン酸がついた目的のトリグリセリドを多く含む油脂ができる。しかし、この生成物には他のタイプも含まれるため、さらに純度を上げる必要がある。
その方法として分別を用いる。分別はトリグリセリドの融点や溶剤への溶解度などの違いを利用する技術であるが、目的成分の含量がある程度高ければさらに純度を高めることは比較的容易である。例えば、カカオ脂は外側2個がパルミチン酸で、内側はオレイン酸のトリグリセリドも主成分であるが、このタイプはパーム油に30%程度含まれており、分別で純度を上げて目的とするトリグリセリドを主成分とする油脂が製造できる。
SDGs
SDGs17の目標
SDGs(エス・ディー・ジーズ)は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2015年9月の国連サミットで採択された。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標であり、人々の暮らしを保障しながら、世界を良くする目標として、17の大きな目標(ゴール)と、それらを達成するための具体的な169のターゲット、232の指標で構成されている。図はSDGsのロゴと17の目標に対応するアイコンである。
例えば、大きな目標14番(ゴール14)は「海の豊かさを守ろう」であり、「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」ことが掲げられ、達成するための具体的な10個のターゲット(14.1~14.7,14.a,14.b,14.c)とその指標が示されている。例として、水産資源に係るターゲット14.4と指標14.4.1を下に示した。
また、SDGsはいろいろな問題が根っこでつながっており、お互いの影響もあり、環境、経済、社会の3つをバランスよく成り立たせることも目指している。17のゴールもそれぞれ独立しているわけではなく、相互に関係しあい、複雑に絡み合っているため、別々の目標として取り組むべきものではないとされている。特徴として、従来の「ミレニアム開発目標(MDGs):2000年9月に国連ミレニアム・サミットで採択」が主に発展途上国の貧困解消を目標としていたのに対して、SDGsは先進国も対象となっている。
SDGsは①持続的な経済成長、②誰一人取り残されない世界の実現、③気候変動対策を中心とする環境保全という3つの側面を、バランスよく達成することを目指している。国際社会が連携して解決する環境問題として、国際社会の一員として、日本の役割と期待は大きいので、我が国としても積極的に対応することが求められている。
ターゲット
14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
By 2020, effectively regulate harvesting and end overfishing, illegal, unreported and unregulated fishing and destructive fishing practices and implement science-based management plans, in order to restore fish stocks in the shortest time feasible, at least to levels that can produce maximum sustainable yield as determined by their biological characteristics
指標
14.4.1 生物学的に持続可能なレベルの水産資源の割合
Proportion of fish stocks within biologically sustainable levels
<総務省仮訳による>
https://www.suisan.or.jp/html/kisochishiki.html
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2024/06/21 (Fri) 02:05:18
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2017 6月 健康診断前にサバ缶を食い続けたら・・・
十勝のきんちゃん 2017/06/14
https://www.youtube.com/watch?v=4f3s5F2pK4w&list=PL-AGmcCFt80lw4r5Jqy7U6cW91LZFP3z1&index=1
健康診断前の1ヵ月チョイ、中性脂肪改善させる効力があると言われる「サバ缶」を食べ続けました。4年連続数値悪化状態の俺、さて、健診結果は??
サバ缶を止めて健康診断を受けたら「こうなった!」結果発表~♪
十勝のきんちゃん 2019/02/01
https://www.youtube.com/watch?v=-nz2CTrhfOE
毎日サバ缶を止めて6ヶ月。普段通りの2週間に1缶程度の食生活に戻して健康診断を受けた結果が出ました。果たして結果は??
健康診断1か月前から毎日「黒酢」を飲み続けた結果・・・
十勝のきんちゃん 2019/07/26
https://www.youtube.com/watch?v=VTn-BjA9vbU
健康診断前の1ヵ月間、毎日「黒酢」を飲んで健康診断を受けた結果が出ました。今回はサバ缶を控えたのですがその結果が・・・
アマニ油をとり続けて挑んだ健康診断、結果は!?
十勝のきんちゃん 2020/02/21
https://www.youtube.com/watch?v=cUYYknDm_0w
健康診断前の3ヵ月間、毎日「アマニ油」を飲んで健康診断を受けた結果が出ました。その結果が・・・
健康診断チャレンジアイテム決定!サバ缶&アマニ油 VS 不摂生
十勝のきんちゃん 2020/04/24
https://www.youtube.com/watch?v=a2rJwyhnXac
次の健康診断はこれでチャレンジします!今回はどんな結果が出るかな?
健康診断結果発表 健康食品をとりつつ不摂生した結果・・・
十勝のきんちゃん 2020/07/24
https://www.youtube.com/watch?v=oyz87MNLRVs&list=PL-AGmcCFt80l2b5RmsRL_uw3tG_wlgpSX&index=8
健康診断の結果が出ました。体に良い事VS体に悪い事 結果は如何に!?
只今動画作成中です。今しばらくお待ち下さい。
健康診断結果発表の告知
十勝のきんちゃん 2021/03/02
https://www.youtube.com/watch?v=V54EF44CTvw&list=PL-AGmcCFt80l2b5RmsRL_uw3tG_wlgpSX&index=18
健康診断の結果が出ました。サバ缶&アマニ油&16時間ダイエットで挑んだ今回の結果は如何に!?
健康診断、体重激減!今回は何でチャレンジした?驚愕の告知!
十勝のきんちゃん 2021/07/27
https://www.youtube.com/watch?v=kc1KswMHIJk&list=PL-AGmcCFt80l2b5RmsRL_uw3tG_wlgpSX&index=20
健康診断の結果が出ました。
毎回健康診断ごとに色々な人体実験をしているのですが今回はなんと2ヶ月半もの間、サバ缶断ちをしました!それに変わってえごま油&16時間ダイエットで挑んだ結果なんと体重が激減・・・その結果は??
只今動画編集中です。もう少々お待ち下さいませ~(^^)/
健康診断結果発表~♪1年前から激減した体重、結果はどうなった?
十勝のきんちゃん 2021/07/30
https://www.youtube.com/watch?v=0CaLgXhz1PI&list=PL-AGmcCFt80l2b5RmsRL_uw3tG_wlgpSX&index=16
健康診断の結果が出ました。
毎回健康診断ごとに色々な人体実験をしているのですが今回はなんと2ヶ月半もの間、サバ缶断ちをしました!それに変わってえごま油&16時間ダイエットで挑んだ結果なんと体重が1年でマイナス13kgと激減・・・体重的には申し分ない状態でしたがサバ缶断ちがどう響くのか?注目のその結果は??
サバ缶の重要性が分かる動画です。皆さんご注目下さい!
緊急告知!今回はかなり手抜きで健康診断に挑んだが・・・3月4日(金)健康診断結果動画作成中!
十勝のきんちゃん 2022/03/01
https://www.youtube.com/watch?v=tNXsIF0-I3Q&list=PL-AGmcCFt80l2b5RmsRL_uw3tG_wlgpSX&index=32
健康診断の結果が出ました。
いつもより「なんとなく」って感じのグ~タラ体たらくぶり・・・(苦笑)その影響がどう出るか注目!
健康診断結果発表~♪手抜きダイエットとたまにサバ缶&アマニ油をとっただけ
十勝のきんちゃん 2022/03/04
https://www.youtube.com/watch?v=1bkja58jzS4&list=PL-AGmcCFt80l2b5RmsRL_uw3tG_wlgpSX&index=15
健康診断の結果が出ました。
毎回健康診断ごとに色々な人体実験をしております。今回はサバ缶&アマニ油&16時間ダイエットを実施したのですが、いつもより「なんとなく」って感じのグ~タラ体たらくぶり・・・(苦笑)その影響がどう出るか注目!
サバ缶のみで挑んだ健康診断結果発表~♪
十勝のきんちゃん 2022/07/22
https://www.youtube.com/watch?v=kEgwae9NeoE
健康診断の結果が出ました。
毎回、健康診断の度に何かやって受けていたのですが今回は基本に戻って「サバ缶」のみ1ヶ月半食べ続けて健康診断を受けてみました。
2年半継続していた16時間ダイエットは一旦中断、その結果健康診断当日には体重増!しかも前日には飲み会・・・その影響がどう出るか注目!
3ヶ月間「黒酢」をとり続けて健康診断を受けたら・・・
十勝のきんちゃん 2023/03/10
https://www.youtube.com/watch?v=j5gNz7cEvV4
今回は健康診断の結果発表です。
毎回健康診断の度に色々と試して受けているのですが今回は「黒酢」です。以前も一度チャレンジしてイマイチ効果が出なかった黒酢ですが、とり方が間違っているとの指摘がありました。って事で今回は健康診断3ヶ月前からほぼ毎日黒酢を摂取して健康診断に挑んだのですが・・・さて、リベンジなったのか?
16時間ダイエット、サバ缶、アマニ油を中止して挑んだ結果は「凶」と出るか「吉」と出るか?
サバ缶と永谷園のお茶漬け海苔で中性脂肪、悪玉コレステロールを撃退!
十勝のきんちゃん 2024/03/01
https://www.youtube.com/watch?v=NE0_sOJ67k4
今回もサバ缶簡単アレンジレシピです。
サバ缶は中性脂肪を減らし悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やしてくれる効果があると言われております。それに加え今回はごま油を使っているので無敵料理になります!
プラスパスタを美味しくするワンポイントもお伝えしますので是非ご覧ください。
サバ缶は一時凄いブームでしたよね~わたしもそれに肖って良い思いをさせていただきました。
サバ缶に禁断の調味料を使ったら「無敵君」が誕生した! (完全版)
十勝のきんちゃん 2024/06/07
https://www.youtube.com/watch?v=1hqgGZUlJ1Q
遂に「禁断の調味料」を使う!! マヨネーズ!・・・するととんでもないのが出来あがった!コレ、ズルいよぉ~(゚_゚;)
他にも色々とサバ缶のアレンジレシピを作成しております。
詳しくは再生リストの 「サバ缶動画」をご覧ください。
十勝のきんちゃん サバ缶動画
https://www.youtube.com/playlist?list=PL-AGmcCFt80lw4r5Jqy7U6cW91LZFP3z1
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2024/07/19 (Fri) 07:52:39
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サバを開くと「アニサキス200匹以上」全国的に食中毒増加 酢でしめても、よく噛んでも死滅しない…予防法を聞いた
長野放送
2023年12月4日
https://www.fnn.jp/articles/-/622523
衝撃の動画がSNSに公開され、話題になっている。それは、サバの内臓の表面などに寄生した200匹以上の「アニサキス」。撮影したのは宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野の教員らで、「アニサキス」について正しい知識を身につけてほしいと投稿した。アニサキスによる食中毒の原因となりやすいのはサバやアジ、サンマなどの刺し身だ。食中毒を防ぐポイントを聞いた。
200匹以上の寄生虫「アニサキス」
脂がのったサバ。
今が旬と言われている。
そのサバを使った宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野の実習。
実習(11月) 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
この記事の画像(12枚)
腹を開いたサバに専用の「ブラックライト」をあてると、細長い寄生虫が無数に浮かびあがってきた。
その正体は寄生虫「アニサキス」。
ブラックライトをあてる前 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野の田中美緒助教は、「X(旧ツイッター)に投稿したサバには200匹ほど寄生していました。内臓表面およびその周囲に多く見られました」と話す。
ブラックライトをあてると… 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
内臓表面に…時間が経つと身に移動も
サバに寄生していた幼虫は体長約2センチ、体幅0.5ミリ程度。
内臓表面に渦巻いている個体も確認されたという。
ちなみに、イルカやクジラの胃に寄生している成虫は10センチほどのものもあるという。
田中助教によると、多いものでは500匹以上のアニサキスの幼虫が寄生しているサバもあり、ほとんどが内臓にいるが、時間が経つと身(筋肉)に移動してくるものもあるという。
アニサキスの寄生虫 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
実習の様子をXに投稿するとたちまち話題に。再生回数は1850万回以上にのぼっている。
田中助教はアニサキスについて正しい知識を身につけてほしいと、この衝撃的な動画を投稿したという。
実習(11月)提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
全国的にアニサキス食中毒が増加
全国的にアニサキスによる食中毒は増加傾向だ。厚生労働省によると、2019年は336人、2020年は396人、2021年は354人、2022年は578人の患者が報告された。
田中助教によると、この数は食品衛生法に基づいて指定された医療機関から報告されたもので、実際には2000から3000症例のアニサキス食中毒が発生しているとみられるという。
長野県健康福祉部食品・生活衛生課によると、県内でも毎年、報告があり、2023年はこれまでに1件確認された。原因となった食品はしめサバと推定されている。
アニサキスの寄生虫 提供:長野県
胃の中をかみちぎられたような
長野県によると、主な原因食品はサバ、アジ、イカ、サケ、タイ、スズキ、カツオ、イワシ等の刺身。
潜伏期間は早いもので1時間、遅いもので36時間だが、約7割は8時間以内に発症するという。
症状は激しい胃痛や吐き気、嘔吐など。
実は筆者も数年前にアニサキス食中毒を経験した。原因食品はイワシの刺身とみられ、食べてから5~6時間で症状が…。数秒ごとに胃の中を噛みちぎられるような感覚の激痛が走り、のたうちまわった苦い記憶がよみがえる。
資料 アニサキス寄生虫
予防法 加熱・冷凍
では、どうすればアニサキスによる食中毒を防げるのだろうか。田中助教に聞いた。
ーー予防法は?
丸ごと1匹、内臓を処理していない状態からさばく場合は、新鮮なうちに可能な限り速やかに内臓を除去してください。時間が経つと内臓から筋肉に移るからです。
アニサキスは60℃で1分以上の加熱(70℃以上であれば瞬時)か、-20℃で24時間以上の冷凍で死滅します。家庭用の冷凍庫なら-18℃くらいですから48時間以上かかります。
刺身など加熱していない調理法のときは、調理中や食べる前によく視て確認してください。アニサキスライト専用のブラックライトがあれば役に立つかもしれません。
ブラックライトをあてると… 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
酢や塩、醤油に漬けると?
ただ、2023年に長野県で報告された原因食品は「しめサバ」と推定されている。(前述)
ーー酢でしめても死滅しない?
アニサキスは酢や塩、醤油に漬けても死滅しません。わさびなどでも同様です。
画像を加工 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
よく噛むとちぎれる?
ーーよく噛むとちぎれると聞いたことがあるが?
アニサキスの体表は硬く、また虫自体も細いので咀嚼によりちぎれて死滅することはまず無いと思われます
ブラックライトをあてると… 提供:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
市場関係者によると、国産のサバの代表「マサバ」は、秋から冬にかけて脂がのり、美味しいという。
田中助教は、サバを食べる機会が増えるとアニサキス食中毒が発生する可能性も増えるとして、注意を呼びかけている。
https://www.fnn.jp/articles/-/622523
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2024/09/09 (Mon) 19:07:52
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おおい