777投稿集 3877866


ドナテッロ(イタリア フィレンツェ 1386年 - 1466年12月13日)

1:777 :

2023/12/28 (Thu) 20:14:06

世界の名画・彫刻
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西洋美術史を流れで学ぶ(第7回) ~プロト・ルネサンス美術編~
https://irohani.art/study/4822/

西洋美術史を流れで学ぶ(第8回) ~初期ルネサンス編~
https://irohani.art/study/4896/

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ドナテッロ(Donatello、 1386年頃 - 1466年12月13日)
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ドナテッロ - YouTube
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2:777 :

2024/01/01 (Mon) 10:46:20

初期ルネサンス美術とは! 理想主義から写実主義へ
https://irohani.art/study/4896/

では、ここからはそんなルネサンス美術について紹介します。日本人にも人気が高い時代ですね。

ルネサンス期の美術は時代として14世紀末~15世紀半ばまでの「初期ルネサンス美術」と15世紀半ばから16世紀の「盛期ルネサンス」に分かれます。また場所としてイタリア以外の「北方ルネサンス」もあります。

今回は「初期ルネサンス」について、そして次回に「盛期ルネサンス」、次の次に「北方ルネサンス」を紹介しましょう。

初期ルネサンスを語るうえで押さえておきたいのは「国(君主)」「教会」のほか第三のパトロン「市民」が出てきたことです。これまでは基本的に教会のために描いた宗教画ばっかりだったんですね。だから要するに「嘘でもいいからかっこよく描くこと」が重視されていました。

「なんか派手で神話っぽい」ですし「平面的」ですし「表情は基本的に真顔(フォーマット)」だったんです。

それが「市民(ただし金持ちに限る)」のために描くので「現実世界と実在する人」で「立体的」で「表情豊かな感情表現」となりました。よりリアルになったんですね。これを写実主義といいます。今でいうと「やらせの多いテレビより、正直なYouTube」みたいな感じですね。


ブルネッレスキによって確立した「線遠近法」
そのうえでまずブルネッレスキについて紹介します。彼はもともと彫刻家でのちに建築家となった人です。彼の最大の功績は何と言っても「線遠近法」を確立したこと。彼はすべての建築物の輪郭がすべて地平線(目線の高さ)にある「消失点」に集約されることを発見しました。

線遠近法

上の画像でいうと、地平線(目線の高さ)が赤線で、青丸が消失点です。この青丸に向かって側道や道路の白線、電柱、交通標識などを収束させるように描くと遠近感を模写できることを発見したんですね。


人体把握・感情表現のリアリティを追求したドナテッロ
また彫刻家として人体把握や感情の表現に努めたのが天才・ドナテッロ。彼はブルネッレスキとも親交がありました。ブルネッレスキはドナテッロの彫った像のリアリティにびっくりして「キリストがそのへんの農夫に見えるわ……すご過ぎ……」と驚いたといいます。

マグダラのマリア
I, Sailko
,
CC BY-SA 3.0
, via Wikimedia Commons

上の作品は彼の晩期の傑作「マグダラのマリア」です。腕の筋肉の精密さ、何かを訴えかけるような表情はまさにルネサンスの精神性「写実主義」が分かると思います。


「空間性」「人体表現」「感情表現」を完成させたマザッチョ
ブルネッレスキの空間性や、ドナテッロの人体把握、感情表現を絵画に落とし込んだのがマザッチョです。間違いなく西洋美術史における大スターの1人です。

ちなみにマザッチョより100年前に写実性にチャレンジした画家はいました。それが前回、紹介したジョット・ディ・ボンドーネです。あらためて紹介しましょう。

ジョット・ディ・ボンドーネ
Giotto
, Public domain, via Wikimedia Commons

めっちゃ惜しいですよね。階段の遠近感の表現に関してジョットの苦労が見えるようで、私個人的にはこの絵を見るたびに「がんばれ!ジョットがんばれ!」と言いたくなります。

ジョット・ディ・ボンドーネ
Giotto
, Public domain, via Wikimedia Commons

またこの「聖フランチェスコの死」では悲しみが伝わります。「我らがフランチェスコ修道士が亡くなってしまった……」という辛い場面です。ただこれもまだちょっとぎこちないのは確かですね。

ではこのジョットから100年、マザッチョの絵を見てみましょう(めっちゃハードル上げてしまってマザッチョに申し訳ない)。

聖三位一体
Masaccio
, Public domain, via Wikimedia Commons

この「聖三位一体」では見事に消失点が設定されており、奥行きが出ているのがわかります。ちなみに当時「キリストを人よりも小っちゃく描くなんて罰当たりやぞ!」という声もあったようですが、ルネサンスではそれよりもリアリティが大事なんですね。

楽園追放
Masaccio
, Public domain, via Wikimedia Commons ※ 左が修復前、右が1980年代に行われた修復後の画像

またこれはアダムとイヴが楽園を追放される場面を書いた 「楽園追放」です。もうとんでもない後悔の念ですよね。「うわぁ~取り返しつかんことをやってしもうたぁ……」という声が聞こえてきそうです。

また男女の筋肉の表現、脇腹のつくりなども非常にリアルです。人体表現も写実性に富んでいます。この写実性、合理主義がルネサンス美術の特徴になります。

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