-
1:777
:
2023/12/15 (Fri) 09:46:38
-
777投稿集
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14038024
世界の旅関係投稿集
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=16829923
▲△▽▼
-
2:777
:
2024/01/08 (Mon) 21:03:25
-
フィリピン駐在時代
南国愛おやじの南国移住 Living in tropical country
https://www.youtube.com/playlist?list=PL-EFW36d43iDWytPOUr9yl9H2BKpZp5DW
移住の為の準備/Preparation for migration
南国愛おやじの南国移住 Living in tropical country
https://www.youtube.com/playlist?list=PL-EFW36d43iBAHkuaaw_tIIHsV4IJuqvo
南国愛おやじの南国移住 Living in tropical country - YouTube
https://www.youtube.com/@nangokuai/playlists
https://www.youtube.com/@nangokuai/videos
-
3:777
:
2024/01/12 (Fri) 14:01:53
-
フィリピン入管で日本人逃亡者が優雅な逃亡生活
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14086717
フィリピン女性が男を狂わせる理由
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/143.html
フィリピン女性が男をメロメロにする理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/170.html
ドゥテルテ大統領はフィリピンの救世主である
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/226.html
-
4:777
:
2024/10/06 (Sun) 18:52:52
-
ボンボン・マルコス政権になっても一向に解決が見えないフィリピンの貧困の光景
2024.10.05
https://blackasia.net/?p=46369
日々流れてくるフィリピンの貧困の報道に接していると「ボンボン・マルコスに変わったところで何が変わったわけでもない。歴代の政権と同じくフィリピンの貧困は放置されたままだ」と私も感じる。私自身はまだ同国の投資に対しては懐疑的であり続けている。(鈴木傾城)
マルコス政権下におけるフィリピンの貧困
フィリピンの貧困層は減少しているということなのだが、それでも貧困水準以下の生活者は1,754万人も存在するとフィリピン統計局は述べている。あいかわらず、膨大な貧困層がフィリピンの国土を覆い尽くしている。
私がフィリピンをさまよっていた2000年代初頭から見ても、フィリピンはそれほど変わっていない。
ボンボン・マルコスが政権を握ったことにより、フィリピン社会に新たな風が吹くと期待する人もいるが、その風がどこへ向かうのかは見通せない。スラム街の貧困層には、マルコスの政治に対する不安が強まっている。
マルコス政権も、歴代の政権と同じく、経済成長と貧困対策を謳っている。マルコスは、とくに公共インフラ整備や社会保障制度の拡充を掲げているが、その実行過程には多くの課題がある。
たとえば、主要な政策のひとつである「ビルド・ビルド・ビルド」プロジェクトは、インフラ開発を通じて経済成長を促進することを目的としている。
ところが、このプロジェクトの多くは都市部に集中しており、地方の貧困層にはほとんど恩恵が届いていない。また、例のごとく、公共事業にかかわる腐敗問題や資金不足が、インフラ整備の遅延や効果の低下を引き起こしている。
貧困層の救済を目的とした現金給付プログラムも実施されているが、その配分には不公平が生じており、実際に必要としている人々に行き渡らないケースが多い。このような政策の実行不備が、結果として貧困層の生活改善を妨げている。
一方で、街頭の市場で売られる商品は高騰し、インフレ率の上昇により日用品や食料品の価格が急激に上がっている。労働者たちは賃金がほとんど上がらないまま、このインフレに対処しなければならず、まともな収入を得られないまま日々の生活に苦しんでいる。
農村地帯でも同様で、農民たちは収穫物の価格が安く買いたたかれ、まともな収益が得られない現状に直面している。マルコス政権は農業改革を掲げてはいるが、その実効性については疑問が残る。
フィリピンの貧困層は減少しているということなのだが、それでも貧困水準以下の生活者は1,754万人も存在するとフィリピン統計局は述べている。あいかわらず、膨大な貧困層がフィリピンの国土を覆い尽くしている。
むしろ、ひどくなっている貧困状況
マルコスの政策は、表向きには貧困層の救済を掲げているものの、実際に何がおこなわれているかは不透明である。
スラムの一角で、6人の子供を抱える母親がメディアで「政府が変わっても、私たちの生活は何も変わらない。水道も電気も不安定で、食べるものさえ足りない」と語っていたが、その言葉はフィリピンの貧困問題がいかに根深いかを物語っている。
フィリピンは子供がやたらと多い国なのだが、その子供の栄養失調率は30%を超えており、とくに農村地域ではその割合がさらに高い。フィリピンの農村地域では、貧困と栄養失調の問題が深刻であり、十分な食糧を得ることができず、必要な栄養素を満たせない子供たちが多数いる。
これにより、発育不良や健康問題が頻繁に発生しており、彼らの将来の可能性が狭められている。都市部でも貧困の影響は顕著で、スラム街に住む家庭は日々の食事や基礎的な生活インフラの確保に苦労している。
水道や電気といったインフラは不安定で、多くの家庭が安心して暮らせる環境を持たない。これらの状況は、とくに子供たちの健康や教育に深刻な影響を及ぼしており、長期的な社会的格差の拡大を助長している。
また、貧困は社会全体の治安にも影響を及ぼしている。生活の糧を得る手段が限られているため、犯罪に手を染めざるを得ない若者も多く、これがさらに社会不安を引き起こしている。
前ドゥテルテ大統領が、ドラッグの密売者《ディーラー》を殺しまくって問題になっていたが、それでも若者が次々とこの危険なビジネスに身を投じるのは、結局は貧困からきているのだ。
政府はこれらの問題に対して一部の支援策を講じているものの、資源の不足や効果的な配分の欠如が問題の根本的な解決を妨げている。
失業率は公式には4.5%と報告されているが、実際には非正規雇用や季節労働の多さから、その数値は信頼できないという。多くの人々が安定した職を持たず、日雇いの仕事で糊口《ここう》をしのいでいるのが実態である。
ボンボン・マルコス政権はこれらの問題に対し、社会保障制度の拡充やインフラ投資を進めると発表している。しかし、その多くは資金不足や官僚的な遅延により、実際の効果を発揮していない。
水道や電気といったインフラは不安定で、多くの家庭が安心して暮らせる環境を持たない。これらの状況は、とくに子供たちの健康や教育に深刻な影響を及ぼしており、長期的な社会的格差の拡大を助長している。
フィリピンの貧困は単なる統計上の数字ではない
フィリピンの多くのメディアが貧困とスラムを取り上げているが、そうしたメディアの映像を見ると、スラムの住民たちの苦しみがさらに鮮明に見えてくる。雨季には道路が冠水し、家々が水に浸かることは日常茶飯事だ。
昨今の凶悪化しているハリケーンはフィリピンでも猛威を振るっているが、フィリピンのスラム街ではしょっちゅう家が水没したり流されたりしている。それでも、政府の救援は届かない。そのため、貧困層はますます貧困化していく、
床の上に立てられた小さなベッドの上で寝るしかない子供たち、日々の食糧を得るためにゴミ捨て場でリサイクル可能なものを探し続ける青年たち。その姿は、単に物資の不足だけではなく、貧困層には希望なんかないことを意味している。
彼らは毎日、生きるために戦わなければならず、明日への展望など持つ余裕はない。彼らはリサイクル可能なプラスチックや金属片を収集し、それを業者に売りにいくことでわずかな金銭を得ているが、その金額では家族を養うことは到底できない。
多くの子供たちは学校に通わず、教育の機会を失ったまま成長していく。貧困家庭で育つ子供たちは、教育の機会を奪われ、成長しても安定した収入を得ることが難しい。彼らは将来の可能性を閉ざされ、貧困の連鎖から抜け出すことが非常に困難な状況にある。
結局、彼らはふたたび貧困に苦しむ家庭を築き、その子供たちも同じ道をたどることになる。これぞ典型的な「貧困の連鎖」である。フィリピンでは延々と貧困の連鎖が続いているのだ。
また、ゴミ捨て場での活動は衛生面でも非常に危険であり、多くの子供たちが病気にかかるリスクを負っている。彼らの姿は、フィリピンの貧困が単なる統計上の数字ではないことを、痛ましいまでに物語っている。
貧困層は、病気になっても医者にかかることなんかできない。薬は高価であり、そもそも医師の数が不足しているため、地方にいくほど適切な医療を受けることが困難になる。妊産婦の死亡率も高く、多くの女性が適切な産前・産後ケアを受けられずに命を落としている。
多くの子供たちは学校に通わず、教育の機会を失ったまま成長していく。貧困家庭で育つ子供たちは、教育の機会を奪われ、成長しても安定した収入を得ることが難しい。彼らは将来の可能性を閉ざされ、貧困の連鎖から抜け出すことが非常に困難な状況にある。
私自身はまだフィリピンの成長に対しては懐疑的
ボンボン・マルコスの政治がフィリピンの貧困問題を解決するのか、それともただ問題を先送りにするのか、現時点では、はっきりとした答えはない。
しかし、日々流れてくるフィリピンのスラム街の現実や、貧困の報道に接していると、「ボンボン・マルコスに変わったところで何が変わったわけでもない。歴代の政権と同じくフィリピンの貧困は放置されたままだ」と私も感じる。
貧困層にとって政治とは遠い存在であり、自分たちの声が届くことはないという感覚が強まっている。たとえば、スラム街に住む住民の多くは、政治家が訪れることもなく、自分たちの問題が議会で取り上げられることはないと感じている。
その結果、貧困層は政治に対して無力感を抱き、変化を期待することすらあきらめる。多くの住民は、政治家が自分たちの生活に直接的な影響を及ぼすとは考えておらず、選挙に参加することさえ無意味だと感じているのだ。
マルコス政権が掲げるインフラ整備や経済成長の恩恵は、都市部の裕福な層には届いても、もっとも困難な状況にある人々には届かない。たとえば、新しい道路や橋が建設されても、それは主に都市の中心部に限られている。
地方の農村部では依然として未舗装の道路が多く、住民は雨季になると移動さえままならない。
また、インフラ整備に伴う経済成長は、一部の大企業や富裕層に利益をもたらすだけで、スラム街の労働者や農村の農民にはその恩恵がほとんど感じられない。彼らは依然として低賃金の労働に従事し、生活の向上が見込めない状況にある。
これらの不平等は、経済成長が国全体に行き渡らないことを象徴しており、社会の格差をますます広げている。
この絶望的な状況を打破するに、ボンボン・マルコスはもっと人々の生活の質を向上させることが必要不可欠である。しかし、現実には政治的な意志が足りず、貧困層に直接届く施策が実行されていない。
フィリピンの貧困問題は今もなお生々しい現実であり続ける。最近、フィリピンへの投資も活発になってきているのだが、私自身はまだフィリピンに対しては懐疑的であり続けている。貧困層を一気に底上げする、何らかの高度成長と強力な貧困層支援がない限り、国全体の発展もまた限界に直面する。
ただ、私はフィリピンという国には強い思い入れもある。過去には貧困の女性ともかかわってきた。そのため、わずかではあってもいつかフィリピンに投資したいという気持ちもある。フィリピンのブレイクスルーをじっと待っている。
『ブラックアジア・フィリピン編 バイシュン地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B097KYDM4C/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=blackbook2tok-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B097KYDM4C&linkId=cf1b07fc8c593d48c2757417cd6f8118
https://blackasia.net/?p=46369
-
5:777
:
2024/10/13 (Sun) 19:24:48
-
TV Patrol: 8 katao, tiklo sa drug raid sa Pasig - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Cjp4OZjpFf4
とまらない覚醒剤汚染。フィリピンで覚醒剤は何と呼ばれているか知っているか?
2024.10.13
https://blackasia.net/?p=46497
前ドゥテルテ政権下では、約6,000人以上が薬物関連の取り締まりで命を落とし、数十万人のドラッグ使用者が逮捕された。ところが、現在も覚醒剤はフィリピンの各地で依然として流通している。残念ながら、現政権も現状を根底から変えることはできそうにない。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com
フィリピンでドラッグ摘発の報道が相次いでいる
2024年10月、フィリピンでドラッグ摘発の報道が相次いでいる。フィリピン麻薬取締局(PDEA)は、マニラのパサイ市にあるニノイ・アキノ国際空港(NAIA)で、大規模な覚醒剤(メタンフェタミン)の密輸品を押収した。
密輸品は一見無害な手作り絵画に巧妙に隠されていた。PDEAの捜査官たちがDHLの貨物倉庫でこれを発見したのは、偶然ではなく周到な調査による成果であった。この事件はフィリピン国内外に波紋を呼んでいる。
さらに、フィリピン南部のスールー島でも、ホロ市のおとり捜査によって覚醒剤の密売が発覚した。
フィリピン麻薬取締局バンサモロ地域局長によると、この作戦ではスールー島の有力者が、2,040万フィリピン・ペソ相当の覚醒剤を隠し持っていた。この役員が覚醒剤の密売にかかわっているというのは現地では誰もが知っていた。
かねてから監視対象とされていたのが、なぜか逮捕されないで放置されていた。フィリピンではよくあることだ。町の有力者や金持ちは何をやっても逮捕されない。しかし、最近になってようやくその違法行為が明るみに出され、この男は逮捕されることになったのだった。
これらの事件は、単なる一過性のものではない。
10月初旬にも、セブ市でおこなわれた捜査によって、2,000万ペソ相当の覚醒剤が押収され、マリア・クリスティーン・ゴンザレス・アバルケスという女性が逮捕された。この女性は、国内外の違法薬物取引に深くかかわっており、その裏には巨大な犯罪ネットワークが存在することが示唆されている。
また、マニラのトンド地区では、4人の容疑者が逮捕され、3,740万ペソ相当の覚醒剤が押収された。これらの事件は、フィリピン国内の覚醒剤の蔓延が依然として深刻であり、政府の厳しい麻薬取締政策にもかかわらず、その根絶には至っていない現状を浮き彫りにしている。
前大統領のドラッグ・ウォーは無意味だった?
フィリピンで覚醒剤は何と呼ばれているかご存じだろうか。「シャブ」と呼ばれている。もちろんこれは、日本人が覚醒剤の通称として使っている「シャブ」からきているのは間違いない。こういうところでも、アンダーグラウンドでのフィリピンと日本のつながりの深さがうかがい知れる。
フィリピンにおける「シャブ」の蔓延は、統計的に見ても驚異的な規模に達している。フィリピン政府は、ドゥテルテ前大統領の就任以降、いわゆる「ドラッグ・ウォー」を繰り広げてきた。
前ドゥテルテ政権下では、約6,000人以上が薬物関連の取り締まりで命を落とし、数十万人のドラッグ使用者が逮捕された。
ところが、この厳しい取り締まりにもかかわらず、覚醒剤はフィリピンの各地で依然として流通している。たとえば、セブ市だけでも、月に数億ペソ相当の覚醒剤が押収されているという報告がある。
特にフィリピンの南部地域では、麻薬取引が活発であり、スールー島やミンダナオ島では密輸ルートが確立されている。
PDEAのデータによれば、2023年にはフィリピン国内で押収されたシャブの総量は、約4トンに達し、その市場価値は推定で100億ペソ以上とされている。これは、フィリピンの薬物問題が単なる犯罪の問題を超え、社会全体に深刻な影響を及ぼしていることを示している。
フィリピンではスラムや貧困層のあいだでもシャブが普通に広がっている。失業率の高さや貧困問題が、シャブ使用の増加に拍車をかけている。仕事もなく、将来もなく、一生貧困から這い上がれないとなれば、誰もが自暴自棄になって、アルコールやドラッグに溺れて憂さを晴らそうとする。
覚醒剤の1グラムあたりの価格は、およそ300ペソ(約690円)とされている。フィリピンの貧困層にとっても手の届きやすい価格帯だ。この結果、シャブは若者や貧困層のあいだで広まり、フィリピン全土で使用が常態化している状況である。
驚くべきことに、刑務所内でのシャブの流通も問題視されている。
フィリピンの刑務所は受刑者の約3分の2が薬物関連犯罪で収監されているのだが、その中でシャブの密売がおこなわれているのだ。フィリピンの刑務所のずさんさやドラッグの蔓延は、私たちの想像を超えるものがある。
刑務所内でのドラッグの取引が防げないのは、法執行機関が腐敗しているからだ。多くの刑務所職員がワイロを受け取り、違法行為を黙認している。
「ドラッグデン」と呼ばれる使用場所が日常の一部に
「シャブ」の蔓延は、単にドラッグ問題として片づけられるものではない。それは、ドラッグ問題であると同時に、「貧困問題」でもあるのだ。
フィリピンの深刻すぎる貧困については、こちらにも書いた。(ブラックアジア:ボンボン・マルコス政権になっても一向に解決が見えないフィリピンの貧困の光景)
フィリピンは、東南アジアの中でも貧富の差が顕著な国であり、約25%の国民が貧困ライン以下で生活している。特に都市部のスラム地域では、失業率が高く、若者たちは将来への希望を持てず、現実逃避の手段としてシャブに手を出すことが多い。
こうした地域では、シャブの入手が非常に容易であり、「ドラッグデン」と呼ばれる使用場所が日常の一部となっている。
「ドラッグデン」とは、違法薬物の使用や取引がおこなわれる隠れた場所を指す言葉である。主に「シャブ」などの薬物が流通し、そこで集まる人々が密売や摂取をおこなう場所として機能している。
これらの場所は、フィリピンの貧困地域やスラム街に多く存在し、ドラッグデンは地域社会の一部として溶け込んでしまっているケースもある。
このフィリピンの薬物問題は、国内だけでなく国際的な問題にも発展している。シャブはフィリピン国内で製造されるだけでなく、国外からの密輸も頻繁におこなわれているからだ。
特に中国や他の東南アジア諸国との違法な薬物取引ルートが確立されており、この密輸ルートがフィリピンのシャブ問題をさらに悪化させている。
フィリピンのシャブ問題は、単なる国内の薬物問題ではなく、貧困、腐敗、国際犯罪という複数の要因が複雑に絡み合った社会問題だった。ドゥテルテ前大統領が不退転の決意でドラッグ・ウォーを進めたが、蔓延をとめることはできなかった。
フィリピンのドラッグ摘発の現場でYouTubeに上げられていた動画。これを見ても、フィリピンの貧困層がドラッグ密売に手を染めているのがわかる。
現政権も根底から変えることはできそうにない
フィリピンのシャブ問題が今後もさらに深刻化する兆候は、すでにいくつかのデータや事件からあきらかになっている。まず、政府の厳しい取り締まりにもかかわらず、シャブの流通は減少していない。むしろ、より巧妙な手法で密輸され、国内での使用が続いている。
2024年10月の密輸事件では、シャブが手作りの絵画に隠されていたが、これは従来の運び方とは一線を画すものであり、犯罪者たちがますます洗練された手段を用いていることを示唆している。
さらに、シャブの供給ルートは国内外でますます広がっている。中国や東南アジア諸国との密輸ルートが拡大しており、フィリピンはそのハブとして機能している可能性が高い。フィリピンは島国であり、政府の監視が行き届かない島や村が多く存在する。
このような国際的な薬物取引のネットワークが続く限り、フィリピン国内のドラッグ問題が解決に向かうことは期待できない。
そもそも、フィリピン政府内部の腐敗も、ドラッグ問題を深刻化させる一因となっている。ワイロが横行し、法執行機関が違法薬物取引を見逃している実態は、シャブの蔓延をとめるどころか、逆に加速させている。
たとえば、刑務所内でのドラッグの取引が黙認されている事実は、政府の取り締まり体制が脆弱であることを如実に物語っている。
そして、諸悪の根源として「貧困」がある。失業率や貧困率が高い状況が続く限り、人々がドラッグに依存する傾向は続くだろう。特に若者たちは将来の希望を失い、ドラッグに逃避し、野心ある若者はドラッグの密輸で成り上がろうとするので、薬物禍は広がるばかりだ。
ドラッグの蔓延がとまらないという事実は、フィリピン社会全体に深刻な影響を及ぼし続けている。犯罪率の上昇、家族の崩壊、刑務所の過密化など、ドラッグがもたらす負の連鎖は今後も続く可能性が高い。
残念ながら、ボンボン・マルコス現政権も、現状を根底から変えることはできそうにないのはわかる。
『ブラックアジア・フィリピン編 バイシュン地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B097KYDM4C/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=blackbook2tok-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B097KYDM4C&linkId=cf1b07fc8c593d48c2757417cd6f8118
https://blackasia.net/?p=46497
-
6:777
:
2024/10/17 (Thu) 15:20:14
-
フィリピンの貧困層のあいだでも糖尿病が増えているが、その改善は非常に難しい
2024.10.17
https://blackasia.net/?p=46570
私も長らく東南アジアの貧困地区に沈没していたせいか、ジャンクフードばかり食べ、飲むものも激甘なものばかりだ。東南アジアにいた人はわかると思うが、どこの国でも出てくる飲み物は異常なまでに甘い。私もそれに馴染んだ。フィリピンで糖尿病が増えるのもわかる。(鈴木傾城)
フィリピンの貧困層も糖尿病が増えている
フィリピンの貧困層において、糖尿病がじわじわと増加している。成人の7.5%が糖尿病を患っており、約430万人が糖尿病と診断されている。これにより、フィリピンは糖尿病の罹患率で世界的にも注目される国のひとつとなった。
さらに、糖尿病は2023年にフィリピンの死因の第5位に位置しており、死亡率は上昇傾向にある。この現象は単なる医療問題ではなく、深く根づいた社会的・経済的な要因に基づいている。
その理由はあきらかだ。食事は米やインスタント麺が圧倒的に多く、野菜や果物はほとんど見当たらない。栄養バランスは完全に崩れており、彼らの食生活は主に炭水化物に依存している。
米やインスタント麺は安価で腹持ちが良いため、多くの家庭で選ばれるが、それこそが糖尿病リスクを高める原因となっているのだ。
加えて、フィリピンではサトウキビの生産が盛んであるため、砂糖を使った料理やお菓子が非常に身近な存在だ。特に貧困層では、甘い飲み物やスナック菓子が安価で簡単に手に入るため、しばしばそれらに頼りすぎることになる。
特に暑い日が続くと、冷たいジュースを飲む習慣が根強く、これがさらに糖分の摂取を加速させる。飲み物は一見、身体に負担をかけないように思えるが、事実はその逆だ。糖尿病の増加は、こうした飲食文化の影響を強く受けている。
私も長らく東南アジアの貧困地区に沈没していたせいか、質の悪いジャンクフードが大好きになり、飲むものも激甘なものばかりだ。東南アジアにいた人はわかると思うが、どこの国でも出てくる飲み物は異常なまでに甘い。私もそれに馴染んでしまった。
そのため、私は東南アジアにしばらくいくと急激に太って、日本にいるとゆっくり痩せるような体質になっていた。フィリピンでも貧困層のあいだで糖尿病が増えているというのは、もう直感でもわかる。
特に暑い日が続くと、冷たいジュースを飲む習慣が根強く、これがさらに糖分の摂取を加速させる。飲み物は一見、身体に負担をかけないように思えるが、事実はその逆だ。糖尿病の増加は、こうした飲食文化の影響を強く受けている。
インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたタイ歓楽街での出会いと別れのリアル。『ブラックアジア タイ編』はこちらから
生き残ることに必死で、健康どころではない
暑い国はどこでもそうだが、人々は歩きたがらない。すぐに汗だくになるからだ。フィリピンの都市部でも運動不足は深刻な問題である。貧困層の多くは、短い距離でも乗り物を使うことが多く、暑さも相まって徒歩での移動は避けられがちだ。
こうしたライフスタイルが運動不足を助長し、糖尿病のリスクをさらに高める。
おまけに彼らの健康意識は低く、健康管理なんか人生で一度もしたことがないのではないか。血圧計や体重計といった基本的な機器も家庭にはない。生き残ることに必死で、健康どころではない。
そのため、糖尿病の兆候があっても気づかないまま、病状が進行してしまうことが少なくない。病気が深刻になったらどうするのか。貧困層はもちろん高額な医療費が負担できず、最初から病院にいこうともしない。
そのため、糖尿病の治療や予防のための定期的な検診や薬の処方を受けることができないし、早期なら助かった病気も発見が遅れたために死亡してしまうケースが頻発している。
こうした複数の要因が絡み合い、フィリピンの貧困層における糖尿病の急増を引き起こしている。
日本人はまだ相対的貧困が多いので、健康のためにオーガニックな食品だとか、たんぱく質を増やすとかそういうことをいってられるが、本当の意味の貧困層はそんな選択肢はないのだ。ジャンクだろうが何だろうが、買えるものを食べて生き残るしかない。
パグパグという悲惨な食べ物すらもある。(ブラックアジア:フィリピンの極貧層だけが食べる新料理「パグパグ」の正体を知りたいか?)
食事の偏り、食材の低品質、糖分の過多、運動不足、そして医療へのアクセスの欠如が、すべて絡み合って、フィリピンにおける貧困層に、深刻な健康危機をもたらしているのだ。その結果として、糖尿病の増加がある。
食事の偏り、食材の低品質、糖分の過多、運動不足、そして医療へのアクセスの欠如が、すべて絡み合って、フィリピンにおける貧困層に、深刻な健康危機をもたらしているのだ。その結果として、糖尿病の増加がある。
約979万人が最低限の食生活すら送れていない
フィリピンの貧困率は2023年時点で22.4%、つまり約2,524万人が貧困状態にある。2022年には貧困率は18.1%であったがボンボン・マルコス政権でも状況は改善されることはないだろう。
フィリピンでは5人家族が最低限の生活を送るためには、月収が約1万3,797ペソ(約4万円)必要とされるが、現実には多くの家庭がこの収入に達していない。
食生活のデータを見ると、フィリピンの国民の8.7%、約979万人が最低限の食生活すら送れていない。だから貧困家庭では安価で簡単に手に入るスナック菓子を食べて飢えをしのぎ、野菜や果物の摂取が極端に少なくなるのだ。
加えて、フィリピンの2,600万世帯中、1,940万世帯が貯金をしていないというデータもある。
つまり、多くの家庭が予期せぬ医療費や生活費の急増に対応できず、糖尿病のような慢性的な疾患に対する長期的な治療や予防に十分な資金を割くことができないという現実がある。
また、乳幼児の死亡率も高く、1.2%の赤ちゃんが生後1ヶ月以内に亡くなるという事実が示すように、貧困層の家庭では子供の健康問題が早期に発生している。
5歳までに亡くなる子供は6.2%に達し、貧困による栄養不良や医療アクセスの不足が深刻な影響を与えている。このような環境下では、糖尿病だけでなく、その他の健康問題も頻発し、家庭全体にさらなる負担をかける。
フィリピンのスラム街では、衛生環境が劣悪であるため、下痢や感染症が頻発している。先日もフィリピンで巨大台風が襲いかかって、台風が去ったあとも各地のスラムは道路が河のようになったままだった。そこで子供たちはプールのように遊んでいた。そのあと、感染症が多発するのは間違いない。
フィリピンの学習貧困率もまた90.9%と非常に高く、子供たちが基本的な文章理解すらできない状況もある。教育へのアクセスが限られていることは、健康に関する知識の普及も阻まれているということを意味する。
結果として糖尿病の予防や早期治療がおこなわれないまま、放置される状況が続いている。こうした社会的・経済的な要因が、糖尿病の増加を加速させている。
現代社会は「貧困層こそ糖尿病になる」時代
フィリピンでは甘い飲み物が「リフレッシュメント」として非常に人気がある。日常的に摂取される甘い飲み物は、安価で、特に若者に好まれている。この甘い飲み物が日々の食事に組み込まれている。
コカコーラやペプシもよく飲まれている。それこそ、食事のときに米のご飯にコカコーラが一緒に飲まれるくらいだ。多くの家庭では、米をコカコーラで食べることがごく普通の光景である。
そういえば、私が現地で知り合った女性も、一緒に食事にいったときに普通の食事をコカコーラで流し込んでいた。米のない家庭は、コカコーラとスナックで夕食を終わらせたりする。
「そんな食生活では長生きできない」とか「健康を害する」とかいわれても、それしか選択肢がないのだから改善のしようがない。
悪いことに、昨今ではフィリピンでも食品の価格が高騰し、特に野菜や果物といった栄養価の高い食品が貧困層に届きにくくなっている。これに対して、炭酸飲料やスナック菓子は大量生産されているため、安価であり、家庭の夕食をまかなう手段として選ばれてしまう。
そう考えると、単に健康教育を広めるだけでは解決できない構造的な問題であるというのがわかるだろう。この状況を改善するには、短期的には経済支援や食品価格の安定化、長期的には持続的な高度成長での貧困の解消が必要となる。
しかし、そのどちらもフィリピンの長年の課題であり、歴代の政権がことごとく失敗してきた課題でもある。そう考えると、貧困層の糖尿病は今後もさらに増えていくのが理解できるはずだ。
私自身は、フィリピンで糖尿病が増えている現象には驚きではない。現代社会は「貧困層こそ糖尿病になる」時代なのだ。
https://blackasia.net/?p=46570
-
7:777
:
2024/11/02 (Sat) 16:31:51
-
ドゥテルテ元大統領。暗殺部隊を指揮して1万2,000人を殺したダーティー・ヒーロー
2024.10.31
https://blackasia.net/?p=46814
ドゥテルテ氏は、ドラッグが社会に及ぼす悪影響を懸念し、その撲滅を目指した。彼の意図は国民の安全を守ることにあった。 悪人をかたっぱしから抹殺するのは問題だったが、逆にそれが一部の市民からは支持を得ていた点も事実である。「正義の殺人」は悪だったのか?(鈴木傾城)
職務に復帰するなら、ふたたび同じことをする
2024年10月28日。ロドリゴ・ドゥテルテ前フィリピン大統領が議会の公聴会に出席したのだが、ここでドゥテルテ氏は、ドラッグ密売者を殺戮するための「暗殺部隊」の存在を認めた。
「弁解も謝罪もしない。信じようと信じまいと、私は違法薬物問題に妥協せず、国のために最善を尽くし、やるべきことをやった」
この発言は、同国の政治と司法制度の根幹を揺るがす重大な告白となった。長年にわたり噂されてきたダバオ市での超法規的殺害の実態が、当事者ドゥテルテ氏本人の口からあきらかにされたのは衝撃だった。
ドゥテルテ氏は、ダバオ市長時代に「ギャング」で構成される暗殺部隊を組織し、犯罪者の排除に利用していたことを認めた。さらに大統領就任後も、ドラッグ取引関係者の殺害を公然と奨励。その結果、公称で6,000人(実際は約1万2,000人)以上もの市民が法的手続きを経ずに命を奪われた。
当時、これは「ドラッグ・ウォー」と呼ばれた。このときのフィリピンの情勢については、こちらでも取り上げている。(ブラックアジア:(閲覧注意)フィリピン麻薬戦争。これが現場の血まみれ殺害光景だ)
このドゥテルテ氏の告白に、「警察や裁判所を通じた適正な手続きを経ずに、一部の権力者の判断で人命が左右される状況は、法治国家の根幹を揺るがすものだ」と国際刑事裁判所が激しく批判している。
しかし、国際社会からの批判にもかかわらず、ドゥテルテ氏の強権的手法は一定の支持を得てきた。犯罪やドラッグ問題に対する市民の不満や不安が、法の支配よりも即効性のある暴力的手段を容認させる土壌となっていた。
「また職務に復帰するなら、ふたたび同じことをする」
ドゥテルテ氏がこのように述べたとき、公聴会では拍手が湧き上がったのだった。
少なくとも1万2,000人が殺害されたと推測
ドゥテルテ政権下での「ドラッグ・ウォー」の犠牲者数について、正確な把握は困難だが、複数の調査結果から推計が可能だ。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、2016年7月から2022年3月までのあいだに、少なくとも1万2,000人が殺害されたと推測している。
フィリピン政府の公式発表では、2016年7月から2022年5月までの死者数は6,252人である。しかし、この数字には警察の関与しない殺害事件は含まれておらず、実際の犠牲者数はさらに多いというのが人権団体の報告だ。
特に注目すべきは、警察による「正当防衛」を理由とした殺害の多さだ。
政府発表によると、警察の麻薬取締作戦(アンチ・ドラッグ・オペレーション)で殺害された容疑者の数は、2016年7月から2022年5月までのあいだで3,968人に上る。これは全体の約63%を占めており、警察による過剰な武力行使の実態を示唆している。
一方、ダバオ市での殺害についても、具体的な数字があきらかになっている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査によると、1998年から2008年のあいだに、ダバオ市で1,020人から1,040人が殺害または失踪したとされる。
この数字は、ドゥテルテ氏がダバオ市長を務めていた時期と重なっており、ダバオ暗殺部隊(ダバオ・デス・スクワッド)の活動実態を裏づけるものだ。ちなみに、この暗殺部隊は現地では「忍者部隊」とも呼ばれていた。
法の手続きを経ない殺害としては、すさまじく多い死者数だ。たしかに状況を見ると国際的な人権基準から大きく逸脱しており、フィリピンの民主主義と法治国家としての在り方に重大な疑問が投げかけてもしかたがない結果であったともいえる。
しかし、多くの市民が治安回復のために、こうした剛腕を求めていたという事実もまた重い。
「私だけが法的・道徳的に全責任を負う」
ドゥテルテ前大統領が認めた「暗殺部隊」の実態は、フィリピン社会に深い影を落としている。彼の証言によれば、この部隊は警察官で構成されていたのではない。ドゥテルテ氏はかかわった警察官を守るためにそれを強調している。
「ダバオ・デス・スクワッドは、警察官ではなくギャングで構成されていた。警察官で構成されていない。彼らはギャングだった。なぜなら、ドラッグ容疑者を殺した場合に、警察官が停職になるリスクを冒したくなかったからだ」
これは、法執行機関の外部に、半ば公認の暴力装置が存在していたことを意味する。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「標的となった死者の中には、軽犯罪容疑者やドラッグ依存者の他に、路上の子供たちもいた」と述べる。彼らは事前に作成されたリストに基づいて選ばれ、多くの場合、公共の場で銃撃されていた。
公聴会の上院議員は「暗殺部隊の存在は、フィリピンの司法制度への信頼を大きく損なうものだ。適正な法的手続きを経ずに、一部の人間の判断で生死が決められる状況は、法の支配を根底から覆す」と激しく批判したが、ドゥテルテ氏は毅然として自らの「政策」を弁護した。
「たしかにドラッグ・ウォーは完璧なものではなかった」
「これについては、私だけが法的・道徳的に全責任を負う」
ドゥテルテ氏はそう述べている。人権団体は、警察が殺害現場の基本的な捜査手順さえ怠っていたケースを指摘している。これは、超法規的な手段への依存が、正規の法執行プロセスを形骸化させていた証左でもあったと指摘する。
「容疑者を殺すべきだ、というのは受け入れられない。なぜなら、私たちには適正手続きがあるからだ」と上院議員もドゥテルテ氏を批判した。
ドゥテルテ氏が現れて「汚い仕事」をやったのだ
ドゥテルテ前大統領の暗殺部隊に関する告白は、フィリピンのドラッグ問題と法執行の在り方に大きな一石を投じた。ドゥテルテ氏の強権的な手法は、結局は長期的には深刻な人権侵害と法治国家の危機をもたらしたというのが公聴会の意見でもあった。
しかし、実際にこのドラッグ・ウォーはどのように評価したらいいのだろうか。
ドゥテルテ氏の剛腕はたしかに死体の山を築いて、中には無実の人々や子供も含まれていた。この点については擁護できない点もある。だが、一方でドゥテルテ氏の剛腕に感謝し、擁護する市民の声は依然として大きい。
それを理解するには、フィリピンのドラッグ蔓延の深刻さを認識する必要があるのかもしれない。フィリピンでは300万人以上ものドラッグ依存者がいて、メス(覚醒剤)のような深刻なドラッグが子供たちのあいだでも広がっていた。
ドゥテルテ氏は、ドラッグが社会に及ぼす悪影響を懸念し、その撲滅を目指した。彼の意図は国民の安全を守ることにあった。 悪人をかたっぱしから抹殺するのは問題だったが、逆にそれが一部の市民からは支持を得ていた点も事実である。
今もフィリピンではドラッグの蔓延がとまらないのだ。スラムにもドラッグ依存者が集まって売買したり使用したりする場があり、子供たちがドラッグを売っている。(ブラックアジア:とまらない覚醒剤汚染。フィリピンで覚醒剤は何と呼ばれているか知っているか?)
ドラッグの密売人やドラッグによる治安悪化に苦しんでいた人々にとって、強硬な姿勢は魅力的に映ったはずだ。誰でもいいから、そして「どんな手段でもいいから」、こうした犯罪を消し去ってほしいと彼らは願っていた。
そこに、ドゥテルテ氏が現れて、誰もが見て見ぬフリをしていた「汚い仕事」をやってくれたのだった。ドゥテルテ氏が国民の一部からは強烈に支持されているのは、そうした「正義の悪」が評価されているからでもある。
公聴会は「深刻な人権侵害と法治国家の危機をもたらした」とドゥテルテ氏を責めているのだが、私はふと中南米の悲惨な状況を思い浮かべた。
そこではドラッグ・カルテルが誕生して、警察や司法や政府さえも凌駕する権力を持ち、悪が社会を覆い尽くしている。この中南米の状況を見ていると、ドゥテルテ氏はある意味、国を救ったダーティー・ヒーローのように見える人がいても当然のようにも思える。
ドゥテルテ元大統領は、暗殺部隊を指揮して1万2,000人を殺したダーティー・ヒーローであった。
https://blackasia.net/?p=46814