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リバタリアニズム、リベラリズム、アナキズムの違い

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2023/08/23 (Wed) 20:56:32

リバタリアンとは?リバタリアンの特徴やリバタリアンとリベラリズムの違いなど徹底解説 | SPITOPI
2021年02月09日
https://spitopi.com/blog/20181025154906.html

リバタリアンとはリバタリアニズムを信奉する「自由至上主義者・完全自由主義者」であり、「小さな政府と規制緩和・減税の支持+個人の自由・権利の拡大(社会共同体に対する不可侵な個人の優越)」に共感する人たちでもあります。

個人の自由を絶対化するリバタリアンの特徴・価値観(考え方)にはどのようなものがあるのでしょうか?リバタリアン(リバタリアニズム)とリベラリズム、アナキズムの違いなどと合わせて、リバタリアンについて徹底的に解説していきます。

1. リバタリアンとは?
リバタリアンとは?
リバタリアンとは自由主義の政治思想の一つである「リバタリアニズム(libertarianism)」に依拠・信奉する自由至上主義者のことです。

リバタリアニズム(libertarianism)は20世紀後半に、政治思想家のロバート・ノージックやマレー・ロスバードらによって提唱された「個人的(精神的)な自由+経済的な自由」を最大限に尊重する政治思想であり、「他者の自由・権利」を侵害しない限り、個人はあらゆることを行う自由があるという価値観に立脚しています。

1-1. リバタリアンは究極の個人主義者・自由主義者で国家による規制・干渉に反対する
リバタリアンは究極の個人主義者・自由主義者で国家による規制・干渉に反対する
リバタリアンは究極の個人主義者かつ自由主義者であり、国家権力であっても「個人の身体・生命・財産の自由」を強制的に侵害したり剥奪したりすることは許されないとして、明確な犯罪以外の理由によるあらゆる徴税・徴発・拘束などに反対する立場に立ちます。

個人の自由を最大限に守るため、政府・国家権力による「規制・干渉・再配分」を最大限に排除し、政府(国家)はその権限と役割を最小化させるべきとするのがリバタリアンの考え方なのです。

高所得のお金持ちからはより高い税金を取っても良く、それが社会的義務であるとする「福祉国家的・垂直的平等的な累進課税」にも強く反対します。

また、個人が同意したのであればバイシュン・麻薬・ギャンブルなどの不品行・不道徳とされる行為も自由化(合法化)されるべきであり、国家権力がそれらの行為を法律で禁止して処罰することに合理的根拠はなくむしろ個人の自由を不当に侵害しているから悪と考えるのがリバタリアニズムなのです。

2. リバタリアンの特徴・価値観について
リバタリアンの特徴・価値観について
リバタリアンの特徴・価値観には、どのようなものがあるのでしょうか?リバタリアンの特徴・価値観について分かりやすく紹介していきます。

2-1. 他者の自由・権利を明確に侵害しない限り、個人は何をしても良いと考えている
他者の自由・権利を明確に侵害しない限り、個人は何をしても良いと考えている
リバタリアンの典型的な特徴・価値観として、「他者の自由・権利を明確に侵害しない限り、個人は何をしても良いと考えている」ということが上げられます。

リバタリアニズムを掲げるリバタリアンにとって、「個人の自由権」は絶対的・不可侵なものであり、最大限に尊重されなければいけないと考えています。

リバタリアンにとって個人の自由が規制されても良いと言える理由はただ一つだけで、それは「自分の行為が他者の自由・権利を明確に侵害している場合」です。

他者が何かをやろうとしている時にそれを実力で妨害する行為、他者を殴打・脅迫・拘束・強姦したりして相手の身体・行動の自由を奪う行為、窃盗・強盗など他者の財産権を侵害する行為は、リバタリアンにとっても規制されるべき悪ですが、基本的に他者に危害を加えなければバイシュンでも大麻使用でも何をしても良いとする価値観があります。

2-2. 「みんな(社会)のため」という理由で、個人の自由を無理やりに規制することは許されない
「みんな(社会)のため」という理由で、個人の自由を無理やりに規制することは許されない
「みんな(社会)のため」という理由で、個人の自由を無理やりに規制することは許されないというのが、リバタリアンの典型的な価値観です。

リバタリアンは「みんなのためだからあなたが我慢しなさい」や「社会のために豊かなあなたが多く負担すべきです」といった共同体主義的(コミュニタリアニズム的)な価値観に真っ向から反対します。

リバタリアニズム(自由至上主義)では「自分が助けて上げたい個人」や「自分が貢献したい団体・慈善事業・社会」のために自発的な自己犠牲・自己負担を払うことには賛同しますが、「みんなのためだから・社会全体のためだから」という理由で個人に無理やり何らかの奉仕活動や寄付行為(多めの累進課税)をさせようとする強制には強く反対するのです。

2-3. 自由市場の競争原理の効率性と個人の私的所有権の正しさを強く信じている
自由市場の競争原理の効率性と個人の私的所有権の正しさを強く信じている
リバタリアンの分かりやすい特徴・価値観として、「自由市場の競争原理の効率性と個人の私的所有権の正しさを強く信じている」ということがあります。

リバタリアンは「自由市場主義者」であり、経済活動の自由を尊重して「公共事業・公務員の仕事増加」に反対しますが、特に政府の経済活動への規制・介入に反対する「自由放任主義(レッセ・フェール)」の立場を取ることが多くなっています。

政府が規制しない自由市場の競争原理がもっとも効率的で、市場競争の結果として手に入れた「個人の私的所有権・財産権」は絶対的なものとして守られなければならないとするのが、リバタリアンの特徴なのです。

2-4. 個人の自己責任と自律性を重視していて権力・他人の干渉を嫌う
個人の自己責任と自律性を重視していて権力・他人の干渉を嫌う
「個人の自己責任と自律性を重視していて権力・他人の干渉を嫌う」というのが、リバタリアンの特徴・価値観の一つになっています。

リバタリアンは基本的に自分の行為や判断の結果責任は自分個人で負わなければならないとする「個人主義的な自己責任原理」を重視しています。

私は自分の行為に対して自己責任を負うから、公権力や他人にもあれこれ指図されたくないというのがリバタリアンなのです。

個人は自律的・主体的に自分の人生を生きて、自分の選択・行為に対する自己責任を負うべきであり、その代わりに「権力・他人からも干渉や強制をされない」というのがリバタリアンの人間観・社会観になっています。

2-5. 国家権力といえども徴税・徴兵(徴発)・国民教育をする正当な権限はないと主張する
国家権力といえども徴税・徴兵(徴発)・国民教育をする正当な権限はないと主張する
リバタリアンの特徴・価値観として、「国家権力といえども徴税・徴兵(徴発)・国民教育をする正当な権限はないと主張する」ということが上げられます。

リバタリアンの最終的な目標は、アナキスト(無政府主義者)に近づく「国家(政府)の廃止」と言われることもありますが、それはリバタリアンが一般に「徴税・徴兵(徴発)・国民教育」をかなり嫌っているからです。

リバタリアンは個人の自由権や財産権を絶対的なものと前提するので、自発的な寄付以外の政府の強制的な徴税を「財産権の侵害」と考え、兵役義務などの政府の強制的な徴兵・徴発を「身体・行動の自由の侵害」と考えます。

「国民としての道徳・義務(自己犠牲)」を植え付けるような国民教育・国民統制にも、基本的に反対のスタンスを示すのです。

3. リバタリアン(リバタリアニズム)で想定されている最大限に尊重すべき「個人の自由・権利」
リバタリアン(リバタリアニズム)で想定されている最大限に尊重すべき「個人の自由・権利」
リバタリアン(リバタリアニズム)で想定されている最大限に尊重すべき「個人の自由・権利」には、どのようなものがあるのでしょうか?リバタリアン(リバタリアニズム)が絶対的に尊重すべきと考えている「個人の自由・権利」について解説していきます。

3-1. 個人の身体・行動の自由
個人の身体・行動の自由
リバタリアンは、「個人の身体・行動の自由」を最大限に尊重します。

リバタリアンは他人の自由や権利を侵害しない限り、個人は自由に行動できるという強い信念を持っています。

そのため、政府(公権力)といえども、個人の身体を拘束したり個人の行動の自由・選択権を奪ったりすることは許されないという考え方になり、徴兵・徴発(勤労奉仕の強制)にも基本的に反対します。

明らかな犯罪を原因とする逮捕・拘束以外には、個人の身体・行動の自由は絶対的に守られるとするのがリバタリアンなのです。

3-2. 個人の財産権・私的所有権
個人の財産権・私的所有権
リバタリアンは、「個人の財産権・私的所有権」を最大限に尊重します。

リバタリアンは市場原理の結果として得た「収入・財産」、あるいは先祖(親)から承継した結果としての「財産」に対する私的所有権を絶対的なものとして保護しようとします。

そのため、リバタリアンは政府(国家権力)による「徴税」にも反対の姿勢を示し、無政府主義的なスタンスで徴税する国家・政府のことを「合法的な強盗・盗人」と非難することもあります。

特に高所得者・資産家に高率の税金をかけようとする「累進課税」に強い抵抗感を示すことが多くなっています。

3-3. 個人の意思決定(自己選択権)と自生的秩序の尊重
個人の意思決定(自己選択権)と自生的秩序の尊重
リバタリアニズム(自由至上主義)の政治思想のエッセンスを一言で集約すると、「個人の意思決定(自己選択権)と自生的秩序の尊重」ということになります。

「個人が自由に行う意思決定+行動選択」に対して、政府(国家権力)といえども無理やりに干渉・強制したりすることは許されないという個人の自由を最大化する政治思想としての特徴がリバタリアニズムにはあるのです。

リバタリアニズムでは自由市場主義(自由競争原理)を尊重して、政府による市場への規制・介入や公共事業による景気対策に反対しますが、それはリバタリアンが「私企業・個人間の市場競争によって形成される自生的秩序」に効率性や正しさを感じているからなのです。

4. 「リバタリアン(リバタリアニズム)」と「リベラリズムをはじめとする各種の政治思想」の違い
「リバタリアン(リバタリアニズム)」と「リベラリズムをはじめとする各種の政治思想」の違い
「リバタリアン(リバタリアニズム)」と「リベラリズムをはじめとする各種の政治思想」には、どのような違いがあるのでしょうか?「リバタリアン(リバタリアニズム)」と「リベラリズム(一般的な自由主義)」の違いを中心にして、政治思想の内容や価値観の違いについて解説します。

4-1. リベラリズムは「個人の自由」だけではなく「自己責任だけではない社会的公正」を重視する
リベラリズムは「個人の自由」だけではなく「自己責任だけではない社会的公正」を重視する
リベラリズム(自由主義)には大きく分けて、19〜20世紀前半の市場主義的な「古典的リベラリズム」と20世紀以降の社会福祉も考慮する「リベラリズム(リベラル)」に分けられます。

アダム・スミスやジョン・ロックらの時代に言及された古典的リベラリズム(古典的自由主義)は、「個人の自由+小さな政府」を強調する思想であり、現代のリバタリアニズムに近いものになっています。

しかし、20世紀半ば以降の「リベラリズム(リベラル)」は、人権・社会保障・福祉国家にも配慮して一定の財の再配分や公共事業の必要性を認めるもので、個人の自由をほとんど無制限に認めるリバタリアンとは異なります。

リベラルは「個人の自己責任」だけではない「社会的公正・公共の福祉(結果としての一定の平等)」を重視する思想なので、必要があれば個人の自由をある程度まで制限するという違いがあります。

4-2. リベラリズムは「累進課税による財の再配分+社会的弱者の救済」を否定しない
リベラリズムは「累進課税による財の再配分+社会的弱者の救済」を否定しない
リバタリアニズムは国家権力による徴税に否定的な思想ですが、リベラリズムは社会的公正としての弱者救済・社会福祉にも配慮する思想であるため、「国家による徴税+徴税した税収の倫理的な再配分」に同意するという違いがあります。

リバタリアンは高所得者や資産家に高率の税金を掛ける「累進課税」に対して、「国家権力による合法的な強盗・収奪」として非難しますが、リベラルは社会的公正を実現するための「社会的責務+能力に応じた負担」として累進課税を肯定する違いがあるのです。

数十億円以上の資産を保有する富豪と生活費にも困ることがある貧困者ではあまりに格差が大きいので、「能力に応じた累進課税+財の再配分」は社会的公正の実現のために必要だとリベラリズム(リベラル)では考えます。

4-3. リベラリズムは結果としての最低限の実質的自由としての「社会権・生存権」を尊重する
リベラリズムは結果としての最低限の実質的自由としての「社会権・生存権」を尊重する
リバタリアンは究極的には「自由競争・自己責任の弱肉強食の原理(どれだけ格差が大きくなってどんなに貧困層が増えたとしてもすべては市場競争・所与の運命に従った自己責任である)」に行き着くことになりますが、リベラリズムはそこまで極端な自己責任を求める自由主義思想ではありません。

リベラリズムも政府の統制・介入に反対する自由主義思想の一つですが、リベラリズム(リベラル)は「国家権力(政府の統制)からの自由の最大化」だけではなく「国家権力の政策によって実現される最低限の自由・平等」を重視する思想なのです。

リバタリアンは個人が自由なら野垂れ死にしても自己責任と考えますが、リベラリストは最低限の自由・平等は国家権力が財の再分配も含めて「社会権・生存権」を保障することで実現すべきと考えます。

4-4. リバタリアニズムとアナキズム(無政府主義)は国家の縮小・廃止を目指す思想として似ている
リバタリアニズムとアナキズム(無政府主義)は国家の縮小・廃止を目指す思想として似ている
リバタリアニズム(自由至上主義)の思想的原点の一つは、政治思想家ロバート・ノージックの「アナーキー・国家・ユートピア(1974年)」にあるとされています。

ノージック自身が国家の規模と政府の役割を最小化して、個人と市場の自由を最大化すべきという「アナキスト(無政府主義者)」でしたが、リバタリアニズムとアナキズムは「国家の介入・干渉を嫌って個人の自由の最大化を目指す思想」として多くの共通点を持っています。

4-5. 「リバタリアン(リバタリアニズム)」と「保守主義・リベラリズム・社会主義・全体主義」の違い
「リバタリアン(リバタリアニズム)」と「保守主義・リベラリズム・社会主義・全体主義」の違い
政治思想のポジションは、リバタリアンの政治学者デイヴィッド・ノーランが作成した「ノーラン・チャート」で簡単に分類することができます。

このチャートでは「個人的自由(社会的自由)の高低」と「経済的自由の高低」を組み合わせることで、各政治思想のポジションの特徴を直感的に把握できます。

リバタリアニズム……個人的自由(社会的自由)が最も高い+経済的自由が最も高い
社会主義(左派リベラリズム)……個人的自由(社会的自由)がある程度高い+経済的自由が低い
保守主義……個人的自由(社会的自由)が低い+経済的自由が高い
全体主義・権威主義……個人的自由(社会的自由)が最も低い+経済的自由が最も低い
5. 個人重視のリバタリアンと共同体重視のコミュニタリアニストの価値観の対立
個人重視のリバタリアンと共同体重視のコミュニタリアニストの価値観の対立
「個人重視のリバタリアン」と「共同体重視のコミュニタリアニスト」の間には、どのような価値観の対立があるのでしょうか?リバタリアンの信念・価値観と対局にあるコミュニタリアニストは、リバタリアニズムにどのような批判をしているのでしょうか?

5-1. リバタリアンはコミュニタリアニストを個人の自由権・財産権の不当な侵害者として批判する
リバタリアンはコミュニタリアニストを個人の自由権・財産権の不当な侵害者として批判する
リバタリアン(自由至上主義者)は、社会全体のために公権力で「結果の平等(経済的な一定以上の平等配分)」を実現しようとするコミュニタリアニスト(共同体主義者)のことを、「個人の自由・私的所有権を不当に侵害する簒奪者」として非難します。

リバタリアンにとって自分で稼いだお金はあくまで自分のものであり、その収入・財産に対する私的所有権は、「政治的目的や個人間の平等実現という理由」があっても侵害することは許されないからです。

一方、コミュニタリアニストはいくら自分で稼いだお金であっても、社会インフラや社会構成員の購入行動・競争の勝敗などの恩恵を受けて稼いだお金であり、「完全な不可侵の私的所有権」などは存在せず、社会全体の福利厚生やみんなの平等のためにある程度まで徴税して再配分することは許されるとします。

5-2. コミュニタリアニストはリバタリアンを共同体に対する利己的なフリーライダーとして批判する
コミュニタリアニストはリバタリアンを共同体に対する利己的なフリーライダーとして批判する
コミュニタリアニストは個人の自由の最大化ばかりを主張して、社会共同体(みんな)のための再配分を考えないリバタリアンのことを、「利己主義のフリーライダー(ただ乗り者)」として非難します。

どんなお金持ちや権力者であっても、社会共同体(みんな)の支持・協力・競争参加があってその財産・影響力を獲得したのであって、私有財産の全てが「個人の能力・努力だけで勝ち得たもの」ではないからです。

コミュニタリアニストはリバタリアンに社会共同体の中でビジネスや仕事をしている以上、人並み以上に稼いだり財産を築いたのであれば、社会的責務としてその一部を人々(相対的・絶対的な弱者や貧困者)に再配分して還元することに賛成すべきと批判するのです。

6. リバタリアンの理想と目標について
リバタリアンの理想と目標について
リバタリアンが実現を目指している最終的な理想と目標はどのようなことなのでしょうか?「リバタリアンの理想・目標」について、分かりやすく整理していきます。

6-1. 政府(国家)は最小限の夜警国家で良く、将来的には国家・税は縮小して廃止することが望ましい
政府(国家)は最小限の夜警国家で良く、将来的には国家・税は縮小して廃止することが望ましい
リバタリアンの典型的な理想・目標は、政府(国家)は「警察(治安維持)・国防」といった最小限の役割を果たすだけの夜警国家で良いというもので、税金は安ければ安いほど良いというものです。

リバタリアンは国家・税を縮小していき廃止する無政府主義的な目標を持ち、その方が「個人の自由と自律・民間経済の可能性」が拡大すると考えています。

6-2. 社会の経済運営・福祉活動は「市場原理・慈善事業(フィランソロフィー)」に委ねるのが良い
社会の経済運営・福祉活動は「市場原理・慈善事業(フィランソロフィー)」に委ねるのが良い
リバタリアンは社会の経済運営は完全に市場の競争原理に任せるべきと考え、社会福祉においても政府は極力、保険料徴収などで介入しないほうが良いとします。

リバタリアンが理想とする社会は、「市場原理の競争のみで財が再配分される社会」であり、「余裕がある人の自発的な寄付行為+慈善事業(フィランソロフィー)で社会福祉が担われる社会」なのです。

6-3. 個人の自由権・財産権は不可侵であり、他者の自由を侵害しなければバイシュン・麻薬・愚行なども認めて良い
個人の自由権・財産権は不可侵であり、他者の自由を侵害しなければバイシュン・麻薬・愚行なども認めて良い
リバタリアンの理想・目標は、「個人の自由権・財産権」が完全に認められている完全自由主義の社会を建設することです。

リバタリアンの目指す自由至上主義の世界では、他者の自由や権利を侵害しない限りは、明らかに馬鹿げた無意味な「愚行」であっても愚行権を認めるべきであると考えられています。

例えば、現在多くの国で規制されているバイシュン・援助交際なども「被害者のいない犯罪」だから、双方が合意していて問題がないのであれば法的に認めるべきとします。

麻薬も他者に危害を加える向精神作用が強くなければ、麻薬使用で健康を壊しても個人の自己責任として認めるべきという極端に自由を尊重するビジョンを持っています。

まとめ
まとめ
リバタリアン(リバタリアニズム)について徹底的に解説しましたが、リバタリアンとは他人に危害を加えなければ個人はあらゆることをする自由があると考える「自由至上主義者(完全自由主義者)」のことです。

リバタリアニズムとリベラリズム(自由主義)には、「社会的公正+税による財の再配分(社会福祉的な再配分)」を認めるか否かの違いがありますが、リバタリアンは究極的には「市場主義者+自己責任主義者」としての特徴を持っています。

個人の自由を最大化して国家の役割(徴税・規制の権限)を縮小・消滅させようとするリバタリアン(自由至上主義者)について詳しく調べたい時には、この記事をぜひ参考にしてみて下さい。

https://spitopi.com/blog/20181025154906.html
2:777 :

2023/08/24 (Thu) 16:59:35

エリートは弱者保護(低所得者矢高齢者に対する保護) に激しい不公平感を抱いている
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14097937

“独立”する富裕層  政府による所得再分配は努力して金持ちになった人の金を盗む行為だから許せない
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/701.html

藤巻健史 _ 年収30億円富裕税で日本は平等に貧乏な国になる
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14084052

低金利政策や量的緩和政策は 貧困層から富裕層へと富を移転させる政策
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14099115

世代間格差は存在しない、格差は資本家階級と労働者階級の間にだけある
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14017544

紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14054383

「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14095196

コロナ禍の3ヶ月間で米国富裕層の資産62兆円増 背景に大規模金融緩和
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/161.html

新型コロナウイルス対策による経済の麻痺は富豪への資産集中を促進する
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/228.html

GDPが増えると物価が上がるので、労働者は毎年貧しくなる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1089.html

アメリカGDPのまやかし 富裕層以外はマイナス成長だった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/877.html

GDPの半分以上は企業所得、さらに個人所得の半分は富裕層
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/954.html

GDPとは国民の給料ではないので、国民が貧乏で金持ちが資産を独占しても数字の上では「豊かな国」に見える
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1570.html

中央銀行による金融緩和と政府による現金給付を紙幣印刷で無理矢理支えるために金融市場に膨大な資金を流し込めば、噴き上がるのは株式だけではない
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/332.html

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14042843
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/697.html

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い _ 貨幣価値が下がったから GDP も株価も名目値が上がっているだけ
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/391.html

アメリカの富裕層の税負担が貧困層より低い理由
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1093.html

国家を亡ぼす「狂った税制」
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/730.html

アメリカの闇 政治を金で買う超富裕層
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/634.html

アメリカのロビイストは政治家に「この法案を成立させたら何億ドル差し上げますよ」と働きかける
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/530.html

アナーキストが誰にも相手にされない理由 _ 一般大衆は自由であるよりも支配されることを望んでいる
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/737.html



3:777 :

2023/09/07 (Thu) 06:42:02

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【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ~経済学を変えた世紀の対決
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【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ・完結編~経済学を変えた世紀の対決~ケインズの遺したスタグフレーション
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史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051
4:777 :

2023/09/27 (Wed) 01:58:17

ジャニーズの性的虐待事件は日本だけの問題ではない! グローバリストの小児性愛、人身売買、悪魔崇拝についてジェームズ斉藤が解説!
2023.09.13 14:00 文=中村カタブツ君
https://tocana.jp/2023/09/post_256147_entry.html


【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

──日本ではジェームズさんが2年前に暴露していたジャニーズ事務所のペドがやっと問題視されるようになりましたね(笑)。

ジェームズ:ペドは日本だけでなく、世界的に根の深い問題なんですよ。なにしろいまアメリカでも『サウンド・オブ・フリーダム』という子供の人身売買を扱った映画が話題になっていまして、この間、ケネディ・ジュニア(アメリカ民主党の大統領候補の1人)の集会に言った時にも一番話題になっていましたね。「あの映画を見たか!」「やつらに人身売買をやめさせないといけない!」と言ってましたね。

──「やつら」というのはグローバリストたちですね。

ジェームズ:ペドのジェフリー・エプスタインのリストに載っていた人たちですね。 バラク・オバマ、ビル・クリントンとかです。ケネディ・ジュニアの支持者たちがなぜこれを問題にしていたのかというとアメリカでは4秒に1人、子供が消えているためです。子供たちは拉致されて売られているといわれています。もともとアメリカは黒人奴隷の国でビジネスに必要な労働力のための人身売買ネットワークが発達しています。そもそもアメリカは黒人奴隷という人身売買により建国され、その後のフロンティア開拓が猛スピードで進んだようなもので、リンカーン大統領の奴隷解放後も、奴隷貿易の流通インフラがそのまま現代の人身売買ネットワークに変わっただけです。つまり、アメリカ経済は人身売買なしでは語ることができないほど、「永遠の奴隷制」で成り立っています。そういう中で、特殊案件としてペド関係のネットワークもあります。どういう顧客かというとさきほど言ったようにエプスタインのケースのようにエリートでペド性癖がある人たちです。エリートにペドが多い理由はサタニズムです。

ジャニーズの性的虐待事件は日本だけの問題ではない! グローバリストの小児性愛、人身売買、悪魔崇拝についてジェームズ斉藤が解説!の画像2
ジェフリー・エプスタインの顧客リスト
──だから、そこなんですよ。ジェームズさんはよくサタニズム、悪魔崇拝と言いますが、日本人には理解しにくいんですよね、悪魔を崇拝するということが。子供を誘拐して性の対象にするとか、生贄にするとか考えられないんですよ。

ジェームズ:日本は一神教の国ではないですからね。欧米の人々は一神教のキリスト教を本気で信じています。もちろん熱心ではない人もいますが、彼らの生活の中にキリスト教が根付いていますから、誰の心にもあることはあるんです。

──無神論者の日本人でも「お天道様が見てる」と言われるとなんとなく襟を正すような感覚ですかね?

ジェームズ:そうです。そういう刷り込みが欧米人にもあるのですが、日本の神道と違うのは一神教はキリスト教を除き、戒律が厳しいんです。十戒が代表的ですよね。ただし、新約聖書では一応旧約聖書のモーゼの十戒を継承していますが、新約を母体とするキリスト教独自の戒律はなく、行動規範を示さないのでさまざまな宗派が生まれているのですが。とはいえ、聖書の中には数々の禁止事項が書かれています。それこそ男色は聖書で禁止されていますが、古代バビロンの頃のユダヤ人は肛門****ばかりやっていたので神が怒ったんです。それが聖書のソドムとゴモラの記述です。

──あれって肛門****で神は怒ったんですか!?

ジェームズ:そうです。ほかには子供の生贄があったり、それは全部神の怒りに触れます。

──でも、いまLGBTを世界的に広めようとしている人たちがいますよ。完全に悪魔的ですよね?

ジェームズ:ですから、LGBTがここまで広がるのはサタニズムと連動しているからだと言えるのです。

──そうか。LGBTはサタニズムなんですね。

ジェームズ:聖書で禁止していることをやろうとしているんですから、それはサタニズムです。日本ではそれを理解していない人があまりにも多いんですが(苦笑)。

 基本的にはサタニズムとは神の否定、つまりアンチゴッドで、いまはこれを堂々とやれるほど、サタニズムの影響力が強まっているんです。たとえば、昔のサタニズムはコミュニズムを隠れ蓑にしていました。コミュニズムと言うと宗教性がないように感じますが、コミュニズムは無神論なので神の存在を否定しています。神の存在を否定した時点でアンチゴッドですからバリバリのサタニズムです。ただ、そう認識できた人が多くなかったのです。いまの時代コミュニズムが存在理由を失って、コミュニズムの裏に隠れていたサタニズムがもろに表に出てきました。

──確かに極左の人たちってセックスのことを言い出すのが好きですよね。

ジェームズ:それはなぜかというと性の問題が神への反乱の第一歩だからです。

──ソドムとゴモラを作りたいんだ。

ジェームズ:いえ、ソドムとゴモラ以前の話で、アダムとイブが神に逆らったんです。彼らは禁断の果実を食べました。それはセックスをしてしまったということです。しかも、エデンの園に蛇がいて、イブに禁断の果実を渡す時に「この果実を食べればお前も神になれる」と言ったんです。これこそサタニズムの始まりです。「自分は神である」と思った瞬間にサタニストになります。聖書の最大の矛盾はサタンがいたからこそ、神が存在しているということです。これを正教の解釈に基づけて考えると神というのは人間に対して選択肢を与えていると。神側につくか、悪魔側につくかです。これはドストエフスキーの小説の重要なテーマでもあります。ドストエフスキーは「人間というのは常に誘惑にさらされていて、そこで神を選ぶか、悪魔を選ぶかは個人の選択である」と言っています。

──『罪と罰』とか。

ジェームズ:まさにそうです。主人公のラスコーリニコフという名前にしても、あれは「ラスコーリニキ」というロシア正教会の古儀式派の人たちのことを暗示しています。ラスコーリというのは「破壊」とか「分離」という意味で、当時、正教会を反キリスト的だと言って批判していました。

──あ、そうなんですか? 『罪と罰』って宗教を意識して読むものだったんですね。いまネットで調べてみたら、ラスコーリニコフが殺したお婆さんって「金貸し」だったんですね。ただの金持ちのお婆さんだと思ってました(苦笑)。

ジェームズ:「金貸し」だったということはユダヤ人です。実はドストエフスキーは近代反ユダヤ主義のルーツなのです。ドストエフスキーはゴリゴリの正教ナショナリストで、『カラマーゾフの兄弟』なんかを書いた理由も、ロシアが近い将来ユダヤに乗っ取られるだろうという予感があったからです。その後実際、ロシア革命が起こってロシアはユダヤに乗っ取られました。そして、現在、ドストエフスキーの予言が世界中で当たろうとしています。

──ということは人身売買もユダヤと関係があると。

ジェームズ:当然です。もともとユダヤの古い儀式にあるんです。それは旧約聖書にも載っていて、子供を生贄にする有名な話があります。アブラハムが息子のイサクを神の生贄にしようとした、あの話です。あれが書かれているということは、当時のユダヤでは生贄が普通だったんです。古い風習としてあったんです。これについて20世紀を代表するイギリスの歴史学者のアーノルド・トインビーという人は「ユダヤ人は化石民族だ」と言っています。化石民族の意味は文明が発達する以前の文化をいまの時代に継承しているということです。


──生きてる化石だと。

ジェームズ:子供の生贄の発想はブードゥー教などの原始的な宗教の発想で、それをいまに残しているんです。エジプト文明、ローマ文明など、世界文明は発展の途上で生贄は排除してきたのですが、ユダヤの特殊性はそういう文明から外れていることです。だから、化石民族なんです。前文明時代を継承、特に子供の生贄が重要な文化的ウエイトを占めるようになってしまったのです。

──でも、それを世界的な大企業の社長さんであったり、元大統領がやっているというのがよくわからないんですよね。

ジェームズ:たとえば、彼らは人類の人口は減らすべきだと言っていますよね? しかし、そこには人殺しを肯定する考え、つまり神の啓示である「汝、殺すことなかれ」というモーゼの十戒の教義にモロに逆らっていることになります。神に対する反逆、それってサタニズムですよね?

──サタニズムですね。

ジェームズ: サタニズムというのは実は古代からずっと続いているんです。 そしてペドというのは現在のサタニズムを理解するための重要なテーマであり、現在の世界そのものを裏から動かしていますので今後も折に触れて解説していきましょう。

https://tocana.jp/2023/09/post_256147_entry.html
5:777 :

2023/12/09 (Sat) 20:28:15

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6:777 :

2024/07/07 (Sun) 15:24:44

無敵の太陽
2024年07月06日
「極右」は意外と常識的だった / マスコミの偏向報道に注意せよ!
https://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68963421.html

「極右」の正体とマスコミの偽造

Marine Le Pen 843Africans in the Netherlands 355
(左 : マリーヌ・ル・ペン / 右 : ヨーロッパに住み着いた移民 )

   7月7日に決選投票が行われるフランスの国民議会(下院/定数577)選挙では、反移民を掲げる“極右(extrême droite)”政党の国民連合(RN)が第1党に躍進するかも知れないと言われている。マリーヌ・ル・ペン(Marion Anne Perrine Le Pen)が率いるこの野党は、左派や中道だけでなく、保守陣営からも毛嫌いされいるようだ。フランスの庶民から支援を受けているのに、主流メディアは「ファシスト」や「レイシスト」のレッテルを貼ってル・ペン達を貶めている。

  移民や難民を矢鱈と擁護する毎日新聞は、外人排斥の国民連合を憎んでいるのか、「脱悪魔化」を図って勢力を伸ばしている、と嫌みを述べていた。(岡大介 / 宮川裕章「フランス極右、躍進背景に『脱悪魔化』戦略 総選挙、過激主張控え」毎日新聞2024年7月1日)日本のマスコミは前々から、「反権力」を看板にし、「庶民の味方」を気取っている。だが、夜の料亭では自民党の幹部と親しく、「リベラル左翼」を演じる与党の応援団となっているのだ。岸田文雄とナベツネの関係を見れば明らかだろう。

  本来なら、移民の流入で苦しむ庶民を助ける論調を展開すべきなのに、日経新聞などは低賃金の労働者を求める財界に追随し、「差別はいけません!」と説教を垂れる。朝日新聞はベトナム人留学生をコキ使って30万分ほど配達させていたという。朝日の販売店で働くベトナム人の中には、原付バイクどころか電動アシストも無い自転車で配達を命じられていたのだ。(出井康博『移民クライシス』角川新書、2019年、p.25.) 朝日奨学会はベトナム人留学生を支援しているというが、実際は奨学金を与えてコキ使える労働者を確保しているんじゃないのか?

  時事通信社は治安が悪化したフランスを知っているのに、有色人種の移民に同情を寄せているから、実際上は「庶民の敵」でしかない。時事通信社の記事によれば、2022年における移民の数は約700万人へと達し、総人口の約10%を占めるというが、その大半は旧植民地のアルジェリアなど北アフリカ出身の外国人である。過去20年間で約250万人も増加したというから凄い。(ただ、過去50年間とか100年間に流入した非西歐系移民の数と混血児の数が明らかになっていないので、マスコミが伝える「移民の割合」というのは“まやかし”である。)

  北フアリカや中東アジアからの移民が増えれば、それに比例して現地白人との軋轢や犯罪件数も増えるから、先祖代々フランスで暮らすケルト系フランス人にとったら深刻な脅威に違いない。高学歴の日本人は日教組によってクルクルパー二されているので解らないが、どうしてフランスやドイツ、ネーデルラント、スウェーデンが「白人国家」であると“いけない”のか? 日本の会社員がニジェールやベニンに派遣されれば判るけど、“黒人だらけ”の村や部族社会なんて珍しくもない。普通の日本人はウガンダの国境を越えてルワンダ、さらにブルンジに進んでも、住民の“違い”なんて判らず、単に「黒人ばかりのアフリカだなぁ~」と思うくらいだ。言語や文化が違っていも、そんな区別に気づかない。

  しかし、時事通信社は西歐諸国がヨーロッパ人の社会だと気に食わないのだろう。日本のマスコミは何の説明も無く「ガリア人のフランス」を否定し、移民を嫌う者やその増加に反対する者を「差別主義者」として糾弾する。(いずれ主流メディアは「日系日本人の日本」を否定するだろう。「日本は日本人だけの国じゃない!」とね。まぁ、フジテレビだって今や「日本のテレビ局」じゃなく、外国人や帰化人の株主が支配する「無国籍放送局」となっているから。) 共同通信社の記事は「ミシェル」というパリ郊外に住む高校教師の発言を紹介していた。

 ミシェルさんは「フランスは移民のせいで騒がしくなった。静かな頃が良かった」と話し、小声で「フランス人というのは、私のような肌の色の人間のことだ」とささやいた。(「有権者、移民増に不安募る 極右躍進の背景―仏総選挙」時事通信 2024年07月03日)

 2023年の世論調査では、「フランスには外国人が多すぎる」という回答が全体の66%を占め、「自分の国にいる気がしない」と答えた人は64%だった。RN支持者に限ると、どちらも90%台となっている。それもそのはずで、パリ市内はアフリカやアジアからやって来た難民で溢れている。福祉目当ての難民は路上浮浪者となり、左翼に支えられたテント生活だ。道路を歩く一般市民にしたら、目を背けたくなる風景でしかない。簡易テントには水洗便所が無いから、路上の生活者は近くの道路か空き地で大便や小便を垂れ流す。糞尿の臭いが漂うパリなんて、200年前に戻ったみたいだ。愛国者のフランス人は不満を漏らすが、二階のベランダから便器を逆さにする人がいないだけマシだろう。

  ただし、これらの外人は非常に厄介だ。彼らは何らかの要因で火がつく。役人と揉めたり、警官に射殺されると、なりふり構わず怒り狂う。感情的になった移民や帰化人は暴力沙汰に走りやすい。普段から我慢を重ねてきた有色人種は、ここぞとばかりに路上に駐めてあったクルマを破壊しするし、商店に放火して品物を盗んだりする。日本では考えられないが、恒例行事のように放火暴動が起こっているのが現代のフランスだ。温和なフランス人でも「排外主義者」になってしまうだろう。

  今では、すっかり「営業保守」が板についた産経新聞も、国民連合(旧「国民戦線)を「極右」と呼んでいた。雑誌『正論』の影響もあって、保守派国民は産経新聞を「保守的メディア」と勘違いするが、この新聞社には左翼分子が結構潜んでいる。朝日新聞に採用されなかったから“仕方なく”産経に入った、という社員もいるから要注意だ。(産経新聞の「裏顔」については別の機会で述べたい。)

Jean Marie Le Pen 1(左 / ジャン・マリー・ルペン)
  フランスへ派遣された山口昌子(やまぐち・しょうこ)などは、「朝日新聞のパリ特派員」になってもおかしくない。自覚無き左翼分子みたいに、彼女は前々から国民戦線のジャン・マリー・ルペン(Jean-Marie Le Pen)や娘のマリーヌ・ルペンを「右翼」とか「極右」と呼んでいたのである。(山口昌子 「マリーヌ・ルペンの行方」『ふらんす』2018年5月号) 現在、パリ支局長を務める板東和正も、ジョルダン・バルデラ(Jordan Bardella)率いる国民連合を「極右」扱いだ。そして、「極右政党」の印象を読者に植え付けるため、ジャン・マリー・ル・ペンの「反ユダヤ主義」を持ち出す。

  国民戦線の初代党首を務めたルペン氏の父は反ユダヤ主義発言を繰り返した。ルペン氏は党首に就任後、イメージ刷新を図るために父を党指導部から追放したが、「ヘイトの党」のイメージは付きまとった。このためバルデラ氏は、反ユダヤ主義に反対するデモ行進に参加するなど党の人種差別的な印象を払拭する努力を続けている。(板東和正「フランス下院選で躍進予想の極右「国民連合」28歳バルデラ党首 SNS駆使で幅広い支持」産経新聞2024年6月28日)

  一般の日本人は「反ユダヤ主義」を耳にすれば、即座に「ネオナチ」を連想し、極悪非道の「差別主義者」と断定する。しかし、反ユダヤ主義は国民戦線だけの“売り”じゃない。千年以上も前からヨーロッパ全体に染み渡っている庶民感情だ。西歐世界を形成したゲルマン人やケルト人が、傲慢不遜の“異人種”を嫌っても、それは自然な感情である。それに、エジプト人やトルコ人に加え、アラブ人やペルシア人が嫌っていたことは秘密ではない。イスラエルに住むユダヤ人も人種差別論者で、彼らはアフリカ黒人を心から憎んでいる。ソマリアやエチオピアからの難民が侵入すれば、容赦なく門前払いにするし、難民申請をした者でも、色々な理屈を捏ねて“国外追放”だ。ユダヤ教のラビでも「黒ん坊」を「クシュ(kush / cush)」と呼んで蔑むし、青空市場オッちゃん達も、平気な顔で「ケダモノ」扱いである。

「右翼」の定義とは?

  ヨーロッパのみならず、アメリカや日本でも「右翼」と「左翼」の定義は曖昧だ。解釈する人によってまちまちで、役所による公式な定義も無い。それでも、歴史を振り返れば、ちょっとだけ解る。そもそも、「右翼」と「左翼」の名称は、フランス革命の三部会に遡る。議長席から見て「右側」に「旧体制(Ancien Régime)」の擁護者、つまり国王の権力を維持したい貴族や聖職者が坐り、「左側」には既存の体制を変革したい者、すなわち君主政を否定し、人民主体の共和政を樹立したい勢力が並んでいたから、「右翼」と「左翼」の名称が生まれたようだ。

  本来なら、フランスの「右翼政党」は王室の復活を望む組織であるはず。フランスには弱小勢力だが、「王党連合(Alliance Royale)」という政党があり、カトリック作家のイヴ・マリー・アデリーヌ(Yves-Marie Adeline Soret de Boisbrunet)が党首となっている。だが、この政党が「極右」と呼ばれてマスコミの話題にのぼることはない。歐米や日本のマスコミは、有色移民の排斥を訴える集団を「右翼」と称する。でも、革命によって誕生した共和政を肯定(支持)する政党を「右翼」と呼ぶのはおかしい。ARの党員なら、オルレアン公爵フィリップ(Louis Philippe Robert, duc d'Orléans)やギーズ公爵ジャン(Jean Pierre Clément Marie, duc de Guise)のような貴族を国家元首にしたいと望むはずなんだが、ジャン・マリー・ル・ペンや他の「右翼」議員達は、ブルボン王家の復活を求めたことはないし、政教分離の原則である「ライシテ(laïcité / 非宗教性)」を廃止すべし、と主張したこともなかった。

  では、日本人が思い描く「右翼(or極右)」とは何か? おそらく、国家主権を強調する国粋主義者とか軍国主義を掲げる保守勢力、外国人排斥を訴えるネオナチ集団、国家宗教を信奉する王政支持者、人民を弾圧するファシスト軍団といったイメージが大半だろう。特に我が国では、北方領土の奪還や皇室支持を熱烈に訴える「街宣右翼」が一般に知れ渡っているので、近寄りたくない“怖い集団”といったイメージが強い。

  しかも、反日思想に燃える学校教師が、アジアを侵掠した「軍国主義者」とか、自由を弾圧する「全体主義者」を「右翼」と教えているので、「日の丸」を掲げたくらいでも「右翼」認定だ。それなら、星条旗を掲げたアメリカ人は全員「右翼」となるはずなんだが、歐米人だと問題無し。イタリアでは共産主義者でも国旗を愛しているのに、我が国では「危ない人」なんだから、ミレニアム世代が反撥しても当然だ。

  現在の我々が使っている「右翼」と「左翼」という政治用語は、第20世紀初頭に定着した言葉であるらしい。「右翼」は国家の秩序や伝統、歴史、宗教などを重視する勢力で、君主政国家なら王室を支持する人々だ。共和政国家なら「保守義者」とか「権威主義者」と評される党派で、愛国心や言論の自由、家族の絆、信仰心、伝統文化、社会規範、民族の歴史などを大切にする。

  もちろん、どの国にも碌でなしやゴロツキ連中はいるから、白人であることだけが自慢の“愚連隊”や、下品を自覚しない“匪賊もどき”が存在する。スキンヘッドの“碌でなし”であれば「極右」と呼んでも構わないが、自国の民族性や文化を守ろうとする「良識派」まで「極右」と呼ぶのは間違いだろう。出稼移民や経済難民を嫌う点からみれば、上流階級の紳士淑女も「右翼」だ。三井、住友、岩崎などの旧財閥系家族や高級国民の御子息や御嬢様だって“排外主義者”のレイシストである。彼らは最初からアジア人とは付き合わないし、住む地域(警備会社に守られた高級住宅地)も違えば、通っていた学校(名門私立の特権校)だって別世界だ。つまり、“接触”する機会が無いから“差別主義者”と呼ばれないだけである。

  抽象的に論じると解りづらいが、「右翼」を参考にすれば「左翼」の正体が見えてくる。左翼政党だと人権や改革を掲げる社会主義者とか、移民難民を擁護する博愛主義者、国籍や性別で人を判断しない平等主義者といったイメージがあるけど、これらは左翼学者が一般人に刷り込んだ幻想である。

  フランス革命の時、人民(「庶民」とか「平民」)を代表する山岳派やジャコバン派などは、「民衆の味方」を装っていたが、実際は忌々しい貴族や聖職者を倒して、自分たちの天下にしようと画策した野心家だ。イポリット・テーヌ(Hyppolyte A. Taine)の『近代フランスの起源(Les Origines de la France contemporaine)』などを読めば判るけど、民衆を搾取・弾圧する支配者貴族というのは作り話で、たいていは地元の百姓を大切にする領主様だった。

  一方、平民を代表するフリをしていたロベスピエール(Maximilien Robespierre)やサン・ジュスト(Louis Antoine Léon de Saint-Just)などは、恐怖政治を引き起こした過激派であり、民衆を不幸に導くだけの悪党だった。昔のロベスピエールは人民蜂起の正当性を強調していたのに、ジャコバン・クラブの指導的理論家になると、民衆の蜂起は無政府主義的で制御不能となる暴動と見なしていた。あれだけ国民主権の憲法を云々していたのに、この法律家ときたら「****容疑者を逮捕するためなら、法令など不要だ」と言い出した。(マルク・ブゥロワゾ『ロベスピエール』遅塚忠躬 訳、白水社、1958年、p.81.) ということは、ロベスピエールが恣意的に「こいつは****分子だ!」と認定すれば、令状無しに逮捕できるという訳だ。彼の匙加減で「不逞の輩」と呼ばれるなんて恐ろしい。

Maxmilien Robespierre 1Saint Just 11Abbe Gregoire 11Joseph Fouche
(左 : マクシミリアン・ロベスピエール / サン・ジュスト / グレゴワール 神父 / 右 : ジョセフ・フーシェ )

  「人民の味方」には怪しい人物が本当に多い。例えば、ジャコバン派に与したアンリ・ジャン・バプティスト・グレゴワール(Henri Jean-Baptiste Grégore)神父は、ユダヤ人を擁護して権勢を得ようとする悪徳聖職者だった。ユダの金貨に敏感な聖職者というのは、今も昔も変わりがない。オラトリオ教団で聖職者を目指していたジョセフ・フーシェ(Joseph Fouché)も権力志向の野心家で、総裁政府時代には警察長官にまで昇り詰めていた。日本の教師は弁護士上がりの革命家を人民の為に戦った勇者と讃えるが、実際は人民の生活を不幸にし、社会秩序を破壊した逆賊でしかない。革命後のフランスは、頻繁に政体が変わり、戦争の度に国力が低下する有様だった。第二次世界大戦の時、アメリカ軍の兵卒は情けないフランス人を鼻で笑っていたものだ。

  フランス人はお得意の口論でフランスの「偉大さ(grandeur)」とか「デモクラシー」を自慢するが、フランスが“偉大”だったのは強力な支配者が君臨した時代ばかりだ。カール大帝やフィリップ・オーギュスト、フィリップ4世、アンリ4世、太陽王ルイ14世などを思い出せば判るだろう。大統領になったド・ゴール将軍も、国王並みの大統領制にして政治の安定を図った。元々、ヨーロッパは王国が普通で、王様を戴く君主政が似合っている。日本では社会主義者や共産主義者を排したフランコ将軍が不評で、人民を弾圧する“ファシスト”のレッテルを貼られて“****者”と呼ばれていたが、将軍のお陰でスペインは悲惨な政体から逃れることが出来たのだ。

Princess Leonor 111Princess Leonor 443Spain royal family 0032
(左 : レオノール王女 / 中央 : 軍服姿のレオノール王女 / 右 : フェリペ6世とレティシア妃 )

  フランコ将軍が亡くなった後、その遺言によりスペインは王政復古となったのは、ご存じの通り。共和政を守りたい左派陣営は、ブルボン家のファン・カルロス1世(Juan Carlos I)が王座に復帰したことで地団駄を踏んで悔しがったが、一般国民は王様が戻ってきたことで万々歳。正常なスペイン人で、フェリペ6世とレティシア妃を追放したいと望む者はいないだろう。日本人だって来日した国王夫妻を目にして喜んでいた。それに、成人に達したレオノール王女は庶民のヒロインだ。彼女は陸軍の士官学校に入り、その後に空軍や海軍の士官学校でも訓練を積むというから、一般国民は尊敬の眼差しを向けている。王族を抹殺したフランス人は、ロイヤル・ファミリーの巡幸に喜ぶイギリス人やスペイン人を眺めて羨んでいる。

左翼陣営を先導するユダヤ人

  日本の新聞やテレビが国民連合を「極右」と呼ぶのは、フランスの主流メディアがそう評するからで、日本人の特派員や編集者は深い考えも無く、ただ“惰性”的に「極右」と報じているだけだろう。しかし、フランスでの評判には“裏”がある。移民や難民を排斥する「保守派」が「極右」と呼ばれるのは、マスコミが左巻きのせいもあるが、政財界や教育界、ショウビズ界にユダヤ人がたくさん潜んでからだ。

  昔からヨーロッパ各地に住み着くユダヤ人は、キリスト教徒の地元民から毛嫌いされていた。ケットーに住む“賤民”が厭なら、さっさとイェルサレムに帰ればいいのに、愚痴をこぼしながらヨーロッパに居坐っている。ガリチア地方やロシアの田舎で「ポグロム」が起これば、ユダヤ人は大量虐殺の憂き目に遭うが、それは自分の国を持たなかった天罰だ。ワイマール時代に悦楽を享受したユダヤ人は、ナチスが台頭すると、その生活は一変した。ユダヤ人の血統に属する者は、大学教授だろうか裁判官だろうが、ドイツ国民の権利を剝奪され、国外追放か強制収容所送りだ。戦中・戦後に大勢のユダヤ人がドイツから脱出したが、ブリテンやアメリカ、オーストラリア、カナダの民衆は、穢らわしいユダヤ人を歓迎せず、船で期待を膨らませるユダヤ人は絶望で涙を流す。彼らは上陸を許されず、そのまま追い返されることもあった。

Frank Lautenberg 11( 左 / フランク・ラウテンバーグ )
  こうした辛い境遇に遭ったので、ユダヤ人は難民が苦労しないよう「世界人権宣言」や「難民条約」の草案に奮起した。つまり、将来、「難民」となった同胞が排斥されぬよう、手厚い受け容れ体制を整えたという訳だ。「HIAS(ヘブライ移民支援協会Hebrew Immigration Aid Society)」や「JOINT(米国ユダヤ共同配給委員会American Jewish Joint Distribution Committee)」といったユダヤ人団体は、色々な人脈や資金を使い、憐れな同胞を手助けし、豊かで快適な西歐諸国へ移住できるよう取り計らっていた。上院議員だったフランク・ラウテンバーグ(Frank R. Lautenberg)は、ソ連から逃げ出したユダヤ人が、アメリカへ入国できるよう法案を作成したが、西歐系アメリカ人にしたら大迷惑だ。なぜ、ソ連のユダヤ人は同胞が建国したイスラエルに向かわなかったのか? ちなみに、ラウテンバーグ議員は「United Jewish Appeal(ユダヤ人の慈善団体)」の元会長で、彼の両親はポーランドやロシアからのユダヤ移民であった。

  歐米諸国にタカるユダヤ人は、同胞の難民を門前払いにした西歐人を赦せない。祖先の悲惨な歴史を学ぶ現代のユダヤ人は、国家の門戸を閉鎖する者を「偏狭な国粋主義者(ナショナリスト)」と非難し、異民族を排斥する勢力を「白人至上主義者」とか「人種差別主義者」と蔑んで叩く。

  フランスにはロスチャイルド家の金融業者だけではなく、各業界にユダヤ人がウジャウジャいる。日本の一般国民は祖先の血統や素性まで調べないから、「フランスの著名人」と紹介されれば、素直に「フランス人」と思ってしまうが、大学教授や作家、評論家、知識人の中にはユダヤ系の人物が結構多い。

Jacques Attali 33Guy Sorman 11Claude Levi Strauss 1Michel Winock 11
(左 : ジャック・アタリ / ギ・ソルマン / クロード・レヴィ・シュトラウス / 右 : ミシェル・ウィノック )

  例えば、日本でも著書の翻訳が出ているジャック・アタリ(Jacques Attali)やエマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)、ギ・ソルマン(Guy Sorman)、クロード・レヴィ・シュトラウス(Claude Levi-Strauss)なら一般国民でも馴染みがあるだろう。読書家の学生ならチュニジア出身のユダヤ人作家アルベルト・メンミ(Albert Memmi)や哲学者のジュリアン・ベンダ(Julien Benda)、歴史家のミシェル・ウィノック(Michel Winock)、左翼陣営が持て囃すベルナルド・アンリ・レヴィー(Bernard-Henri Lévy)、移民問題でよくマスコミに登場するパトリック・ヴェイル(Patrick Weil)を知っているはず。社会学者のドミニク・シュナペール(Dominique Schnapper)は結婚で姓が変わったが、有名な政治学者であるレイモン・アロン(Raymond Aron)の娘だ。

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( 左 : ベルナルド・アンリ・レヴィー / パトリック・ヴェイル / レイモン・アロン / 右 : ドミニク・シュナペール )

  こうしたユダヤ人あるいはヨーロッパ人の家系に潜り込んだ半ユダヤ人は、多民族から成るフランス共和国に好意的で、様々な移民がもたらす異質な文化を歓迎する。彼らは多民族主義がフランス社会を豊かにし、世界中の人々を魅了すると思っているのだ。しかし、第三世界の文化や人種の多様性は、フランス社会を発展させるどころか、逆に混乱をもたらし、国家の衰退を招く。日本人が尊敬するのは王政時代に醸し出された文化や建築物で、アラブ人やアフリカ人が持ち込んだイスラム教やラップ音楽ではない。

  君主政のフランスを継承するフランス人は、先祖が守ってきたフランク王国のガリアを愛し、自然な感情でナショナリズムへと傾く。アルジェリアやモロッコ、トルコ、シリア、イラク、レバノンからやって来た移民にとって、クローヴィス1世やカール・マルテル、フィリップ美王、シャルル5世などは“外人の親玉”に過ぎない。宗教面でもガリカニスムどころか、ローマン・カトリック教会にも縁の無い人々だ。たとえ、カトリック信徒であっても、ギニア人とかスリランカ人といった異人種だと、フランスの教会に属するキリスト教徒ではない。ユダヤ人なんかは親がカトリックに改宗し、フランス語を流暢に話しても、所詮、「ユダヤ人」のままである。

  我々日本人がフランスの「ナショナリスト」について説明を受ける時、その講釈師となるのは、常に左派の知識人である。有名な愛国者のモーリス・バレス(Maurice Barrès)は「反ユダヤ主義の極右」と評されるし、「アクション・フランセーズ(Action Français)」は君主政の復活を目指すレイシストの組織だ。シャルル・モーラス(Charles Maurras)も反ユダヤ主義者のファシスト扱いである。アンドリュー・ナップとヴィンセント・ライトによれば、第三共和政の時代に生きるナショナリストは、フランスの病根としての「スケープゴート」を探していたそうだ。

Maurice Barres 11Charles MaurrasFrench Jews 2323
(左 : モーリス・バレス / 中央 : シャルル・モーラス / 右 : フランスのユダヤ人)

  シャルル・モーラスにとっては、ユダヤ人やフリーメイソン、プロテスタントであり、ヴィシー政権にとってはユダヤ人とフリーメイソン、国民戦線にとっては、北アフリカ移民やユダヤ人である。 (Andrew Knapp and Vincent Wright , The Government and Politics of France, 4th Edition, New York : Routledge, 2003, p12.)

  フランスの知識人にとって、民族主義や人種主義に基づくナショナリズムは、危険かつ唾棄すべき異端思想である。「コスモポリタン(グローバル浮浪者)」を理想とする政治学者は、「排除のナショナリズム(nationalisme d'exclusion)」とか、「アイデンイィティーを重視するナショナリズム(nationalisme identitaire)」、「過去に戻ろうとするナショナリズム(nationalisme de repli)」といった言葉を用いて“右翼政党”に惹かれないよう釘を刺す。そもそも、小学校から大学まで、教師のほとんどがブルボン王朝の否定派や政教分離派の「左翼」なんだから、保守派勢力は彼らの「敵」である。

  日本もそうだけど、ヨーロッパの「左翼」には“ポジティヴ”なイメージが多い。ヨシフ・スターリンや毛沢東の支配を見れば判るのに、「革新勢力」とか「人権」「平等主義」「進歩思想」「社会正義」などの言葉で飾られている。レオン・トロツキー(本名 : Lev Davidovich Bronstein)は未だにユダヤ人マルキストの英雄で、スターリンは嫌いだけど、トロツキーは大好きという知識人が多い。キューバの革命家であるチェ・ゲバラ(Ernesto Guevara)も妙に有名で、日本のロック・ミュージシャンでも、訳も知らずにゲバラの顔写真が印刷されたTシャツを着て喜んでいる。日本でも人気が高いジャン・ポール・サルトル(Jean-Paul Satre)なんかは、口先だけのユダヤ知識人なのに、進歩的文化人は矢鱈と褒めていた。シモーヌ・ド・ボーボワール(Simone de Beauvoir)なんてフェミニストの哲学者を気取っていたけど、私生活ではサルトルのパンツでも洗っていたのだろう。

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(左 : レオン・トロツキー / チェ・ゲバラ / ジャン・ポール・サルトル / 右 : シモーヌ・ド・ボーボワール )

  一方、保守政党や保守派団体には、“侮蔑的”な論評が多い。日本だと神道は未開部族が尊ぶ土俗宗教、あるいは低級なアニミズム(自然界の精霊を崇める信仰)であり、皇室は古代社会の遺物くらいの認識だ。敗戦後、学校教師が江戸城を「宮城」じゃなく「皇居」と呼ぶのは、縄文時代の「竪穴式住居」を生徒に連想させたいからだろう。封建主義は抑圧的で暗黒のイメージがあるけど、民主主義となれば明るく楽しい政治制度で、みんなが活き活きと暮らす理想社会だ。保守派国民と結び附くのは、好戦的な「軍国主義」で、「占領憲法を廃止せよ!」と叫んだら狂人扱いだ。その他にも「保守主義」といったら、社会の進歩を妨げる「因習維持」、女性を家庭に縛り付ける「男尊女卑」、不合理な慣習や悪弊に囚われた「伝統主義」、革新勢力に抵抗する「保守反動」、不平等社会を肯定する「権威主義」、外国人を差別する「民族主義(排外主義)」など、ネガティヴなイメージが纏わりつく。

  常識を有するカタギの人間に育てば、左翼陣営の主張や思想は“常識外れ”で“異常”と判る。しかし、蛸壺型の教師に感化された子供は、大人になっても赤い呪縛から逃れることはできない。サッカーのワールド・カップの時には、日の丸を振って日本代表チームを応援しているのに、卒業式だと担任教師が国旗掲揚や国歌斉唱に反対したりするんだから、中学生だって唖然とするだろう。広島県の世羅高校では、卒業式の国歌斉唱や国旗掲揚で揉めたそことがあり、文部省と教職員との板挟みになった校長が、自殺するという事件が起きてしまった。日本の教育界は本当に酷く、日教組の委員長を務めた槙枝元文(まきえだ・もとふみ)は、北鮮の金日成を崇めていたし、山梨県の教職員組合で権力を誇っていたのは民主党の輿石東だ。

  今では信じられないが、昭和時代だと社会党に“勢い”があって、「非武装中立」とか「国軍反対」など馬鹿げた主張を繰り返していた。昔、「憲法九条学者」と揶揄された土井たか子は、金日成の北朝鮮やチャウシェスクのルーマニアを賛美していたが、それなら社会党員は日本国籍を捨てて北鮮や東歐に移住すればよいのに、誰も日本から出て行かなかった。社会党には「女性の地位向上」を主張するフェミニストや、朝鮮人差別を糾弾する「人権派弁護士」なんかがいたけど、北鮮に攫われた女子供を救おうとする議員は皆無だった。土井委員長自らが、北鮮に内通する売国奴であったから、拉致被害者の家族は驚きを隠せない。たぶん、拉致被害者には「人権」とやらが無いのだろう。でも、社会党の議員は「弱者救済」が“売り”だったのにねぇ~。田辺誠や高沢寅男なんかは、「北鮮の代議士」と呼んでもおかしくない議員だった。

  アメリカの大学も左翼思想による“汚染”が非常に高く、ユダヤ人学者は左翼陣営の中核を成している。ある者は資本制経済に反対するし、別の者は階級逃走に執念を燃やしていた。それなら、故郷のイスラエルに移住すればいいのに、親子代々、欧米社会に住み着きながら西歐白人に怨みを抱くなんて、骨の髄まで精神がおかしい。日本人が憧れるアイヴィー・リーグは左翼の巣窟だ。政治学や社会学の分野には、黒人を利用するユダヤ人が盤踞するし、フランクフルト学派のユダヤ人は、単純なアメリカ人を洗脳し続けている。ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky)とかサウル・アリンスキー(Saul Alinsky)、スーザン・ソンターグ(Susan Sontag)、デボラ・リプシュタッド(Deborah Lipstadt)、アーサー・リープマン(Arthur Liebman)、ロバート・ウィストリッチ(Robert Wistrich)、フランチェス・フォックス・ピヴン(Frances Fox Piven)など、数えだしたらキリが無い。

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(左 : サウル・アリンスキー / スーザン・ソンターグ / フランチェス・フォックス・ピヴン / 右 : ロバート・ウィストリッチ )

  黒人にも極左分子やマルキストが結構多く、「エスニック研究」の学部は彼らのアジトだ。こうした分野には“優秀”な白人教授は寄りつかないから、ユダヤ・マネーに依存するヘンリー・ルイス・ゲイツ(Henry Louis Gates, Jr.)教授とか、トリニダード出身の社会主義者シリル・ライオネル・ロバート・ジェイムズ(Cyril Lionel Robert James)、極左マルキストのコーネル・ウェスト(Cornel Ronald West)教授みたいな奴ばかり。日本人には「アメリカ白人」に見えるウォード・チャーチル(Ward LeRoy Churchill)は、マスコギー族やチェロキー族の血が混じったインディオ系の白人極左だ。9/11同時多発テロの時には、テロリストを擁護する論評を発表して騒動を引き起こしていた。しかも、論文の剽窃問題や不正行為が発覚したので、チャーチルは勤務先のコロラド大学から解雇される破目になった。

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(左 : ヘンリー・ルイス・ゲイツ / コーネル・ウェスト / ウォード・チャーチル / 右 : シリル・ライオネル・ロバート・ジェイムズ )

  アメリカの教育界は狂っているので、極左の活動家や前科者でも大学に雇われ、学生を指導する教師になれる。例えば、元テロリストのバーナディーン・ドーン(Bernardine Rae Dohrn / 旧姓Ohrnstein)はその典型だ。彼女はユダヤ人の父親とスウェーデン人の母親との間に生まれた混血児。学生時代から札付きの左翼で、悪名高き「Revolutionary Youth Movement」にのめり込んだ。しかも、左翼ユダヤ人が集まる「SDS(Students for a Democratic Society)」にも属していたから、筋金入りの左翼と言えよう。また、ドーンはビル・エアーズ(William Charles Ayers)が率いる過激派組織「ウェザー・アンダーグラウンド(Weather Underground)」のメンバーとなり、FBIから「危険人物」と見なされていた。指名手配を受けたドーンは偽名を使いながらの逃亡犯となる。しかし、1969年に麻薬所持でシカゴ警察に捕まってしまい、有罪判決を受けて刑務所送りだ。

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(左 : バーナディーン・ドーン / 中央 : ビル・エアーズ夫妻と子供 / 右 : バーナディーン・ドーンとビル・エアーズ)

  左翼活動家には、金持ちの支援者や有力者に“コネ”を持つ人物がいる。服役後、ドーンはシャバに出ると法律事務所の「Sidley Austin」に就職できた。というのも、夫であるビル・エアーズの父親トマス・エアーズ(Thomas G. Ayers)が口利き役となっていたからだ。(トマスは電子部品を販売する「Commonwealth Edison」のCEOを務めた人物。一方、放蕩息子で碌でなしのビルは、シカゴで黒人を“オルグ”していたバラク・オバマの師匠だ。劣等生のオバマが書いたとされる自伝は、ビルが幽霊作家となって出版させた代物である。)

  ドーンは前科者なのでイリノイ州の法曹界には入れなかったが、ノースウェスタン大学に潜り込むことができ、ロー・スクールの准教授になれた。2010年、ドーンは「NewsClic India」のインタヴューを受けたが、その中で「真のテロリストはアメリカ政府よ!」と述べていた。日本人が聞けば「お前が言えた身分か!」と呆れてしまうが、ドーンはアメリカ社会を憎む極左分子だ。ピューリタン倫理に基づく社会や歴史を愚弄し、奴隷制や拝金主義にまみれた過去を糾弾する。自分が兇悪なゴロツキだったのに、「国家テロ」を咎める立場にあるのか? 郵便局強盗が銀行強盗を批判するようなものだ。

  教育界というか左翼業界には、こんな過激派や準テロリストが結構多いのに、マスコミの報道では“左翼議員”や“左翼知識人”に対する辛辣な批判は無い。日本の報道番組も酷く、上院議員のオバマが大統領選挙に出馬した時も、「準テロ組織と昵懇の赤い黒人」とか、「業績も無いのに法律雑誌の編集長になったズル学生」という批判すら無かった。

  ちなみに、「民族研究」の学科に進むのは、学力不足の劣等生が多く、白人への怨念を綴ればOKだ。恨み節を書けば“好成績”を取れるので、ヒスパニックや黒人のダメ学生でも“優等生”になれる。日本も同じで、一橋大学や早稲田大学で民族問題や移民支援を専攻する学生なんか、使い物にならないボンクラばかりだ。たとえ“学士様”になっても、三井物産とか住友商事、野村證券、トヨタ自動車、三菱UFJ銀行といった有名企業に採用されるとは思えない。大半は指導教授の“ポチ”に成り下がり、安月給の専任講師くらいだろう。確実な出世を望むなら、長老教授に尻尾を振るか、その娘婿になって教授に昇進するかだ。

  『紀要』に投稿した“クズ論文”なんか誰も読まないけど、それを何本か束ねて書籍にすれは、立派な“業績”になる。これなら漫画家の方がよっぽど偉い。実力が無いと『ヤング・ジャンプ』や『少年マガジン』に採用されないし、不人気だと即「連載中止」だ。でも、左翼教授には明石書店や未来社といった御用出版社が附いているから大丈夫。クズ本は授業の「教科書」となるし、購読者は抵抗できない学生ときている。指定文献の「民俗学入門」とか「国際政治学概論」は、新品だと4千円か5千円くらいするのに、ブックOFFに持って行くと「買取価格」が100円か50円となる。これじゃあ、ゼミの学生は泣けてくる。ラーメン屋のオヤジは税金を払いながら、新宿や渋谷の激戦区で毎日“競争”しているのに、目黒の駒場村では三流学者が研究費を貰いながの道楽三昧だ。インボイスで苦しむ自営業者は今こそ、プロレタリア革命を呼びかけよ! でも、東大の教授は同調しないだろう。意外と現状維持の“保守的”だったりして。

外人との共存は厭だ

  脱線したので元に戻す。「右翼」と評される保守派と違って、社会主義者や共産主義者に世間の批判が向かわないのは、小学校から大学まで、ほぼ左翼知識人で占領されているからだ。具体例を挙げて説明すると長くなるから省略するが、ポール・ホランダー(Paul Hollander)の『Political Pilgrims』やセイモア・マーティン・リプセット(Seymour Martin Lipset)の『Rebellion in the University』、ドナルド・アレクサンダー・ドーンズ(Donald Alexander Downs)の『Cornell'69』、デイヴィッド・ホロウィッツ(David Horowitz)&ジェイコブ・ラスキン(Jacob Laskin)の『One-Party Classroom』を読んだだけでも、アメリカの大学が如何に左傾化しているのかが判る。

  となれば、「移民反対」を掲げる政党は、どれもこれも「右翼政党」か「極右団体」と評されてしまうだろう。日本の大学は本当に異常で、移民問題を扱う教授だと、全体の90%から98%くらいが移民擁護派で、移民排斥を論じる教授なんて皆無に等しい。本来なら、50%くらいが“保守派”の教授で占められ、移民の輸入が如何に有害であるかを論ずるはずなのに、TVの報道番組に出てくるのは外人の支援者ばかりだ。

  自然科学の授業と違い、政治学や法学、社会学、教育学といった文系の授業では、教師の思想や趣味が紛れ込む。眼に見えないウイルスに感染したのと同じで、たとえ即座に発病しなくても、何年後かに発症するタイプもある。高校生や大学生といった初心(うぶ)な“畑”に、悪党が“毒麦”を蒔くようなものだ。****や****なら息子のチンチンを見て直ぐ判るけど、“悪魔の思想”だと旋毛(つむじ)を見ても判らない。一般家庭の親は教師を信頼しているから、素直に学費を払うし、関心があるのは「学校ランキング」だけである。左翼思想がどれほど有害なのか解らない。

  まぁ、ブラジャーを附けた男性教師が、ミニスカート姿で現れたり、顔や腕に刺青を彫った女性教師が、PTAの会議に出席すれば、保護者だって何かが“変”と気づくだろう。でも、謹厳実直なタイプだと判らない。それでも、我が子が通う小学校に「アジア人クラス」が誕生したり、同じクラスにアジア系の生徒が増えれば、学力低下を心配する親は次々と騒ぎ出す。給食にも異変が現れ、朝鮮のキムチとかベトナム料理のコムタム、フィリピン料理のシニガンが出てくれば、日本人の親は学校側に文句をつけるだろう。また、学校の運動会に朝鮮の民族舞踊が組み込まれれば、日系人の親は気分が悪くなる。自宅の近所に移民労働者の訓練センターが出来たら、町内会のオッちゃんオバちゃん達は大騒ぎだ。近隣住民が「極右の排外主義者」になっても不思議じゃない。

Africans in Europe 245Asian family 423


  一般の日本人は「多民族社会」と聞いてもピンとこないが、普段の生活で異民族が増えたら「右翼ナショナリスト」に変貌する人も多くなる。例えば、娘が友達と遊園地の水泳プールに行ったら、髭面のイラク人やトルコ人の男どもに言い寄られたり、体を触られたりすれば母親だけじゃなく父親も大激怒だ。(ドイツでは実際に発生した。) 高校生の女子生徒が満員電車の中でインド人やパキ人、ビルマ人に囲まれれば恐怖感を覚えるし、大学生の女性は席が空いていても、両隣が黒人やアラブ人だと坐らないことが多い。百貨店のエレベーターでも同じで、扉が開いた瞬間、黒人だけが乗っていると、無言で“スキップ”だ。澄ました顔でその場を立ち去る者もいる。

  もし、中学生が参加する陸上競技の全国大会で、黒人生徒がトップを占めれば、日系人の観客は国内大会とは思わない。甲子園の高校野球でも、出場選手の半分がアフリカ系で、アジア人が2割となれば、西宮で開催される“世界大会”だ。早稲田大学や明治大学でラグビー部に属していたOBも、後輩が“異人種”であれば衝撃を受ける。例えば、数年ぶりに母校の試合を見に行ったら、部員のほとんどがトンガ出身の南洋人とか、オーストラリア国籍のマオリ族だったりすると、母校への応援が冷めてしまう。

  普通の日本人は多民族社会が嫌いだ。例えば、地元の商店街を歩いていて、チャドルを着た親子連を見かければ、異様な様子に違和感を覚えるし、神社の近くにモスクが建設されれば不愉快になるだろう。モスクの周辺にはアラビア風の飲食店が出現するし、トルコ風焼肉店の前で中東アジア人が坐っていれば、日系日本人は避けて通る。店の看板も朝鮮語や****語で書かれていたり、アラビア語のポスターが貼ってあれば、「ここは日本なのか?」と疑ってしまうだろう。幼児を連れた母親は、腕や首に刺青を彫ったアジア人を目にすると、表情を硬化させて通り過ぎる。いくら「出身国の風習だ!」と言われても、ヤクザの刺青(和彫)と違いは無いから、旅館やサウナの経営者にとったら迷惑だ。

  フランスのRNやドイツのAfDを“極右” と呼んでいた日本の新聞記者は、移民を厭がるお客様(定期購読者)を「極右分子」と呼べるのか? 現実の世界では「まさか」の事件が起こりうる。もし、自分の娘が家に連れてきた“恋人”が、親と同じ歳か年上のクルド人で、スンニ派のイスラム教徒だったら、娘の父親はOKするのか? また、年頃で跡継ぎの長男が、フィリピン・パブで親しくなったフィリピン人酌婦を母親に紹介した時、 カタギの母親は水商売の外人を息子の嫁として認めないだろう。 亭主よりも大切な息子であれば、動揺した母親は「絶対に反対よ! あんな人とは直ぐ別れなさい!」と懇願するはずだ。

  普通の日本人はネオナチみたいな差別主義者じゃない。昔ながらの生活を求める凡人だ。ペットならゴールデン・レトリバーやノルウェーのフォレスト・キャットでもいい。しかし、家族となる息子の嫁とか娘の亭主は、アジア人とかアフリカ人では厭だ。綺麗事を並べる新聞社やテレビ局の重役も、私生活では「右翼」だったりする。パリやベルリンの特派員は「右翼政党の台頭」を報道するが、こうした御仁は日本に戻って上司の実態を取材すべきだ。NHKやTBS、朝日新聞や東京新聞の経営陣が、軒並み「右翼」だったら滑稽である。

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