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退職し東京から愛媛県 新居浜市 別子山地域の限界集落へ「移住失敗、もう限界」

1:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/26 (Thu) 13:24:35

退職し東京から愛媛県 新居浜市 別子山地域の限界集落へ「移住失敗、もう限界」 一家の絶望と希望


柳生の暮らし - YouTube
https://www.youtube.com/@user-cw3bj2bd8z/videos

【家族で田舎暮らし】東京から山奥の限界集落に移住してみた#1 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yWUuzg03XfA&t=85s

【移住失敗】色々ありすぎて引っ越すことになりました#31 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3kFE5k8EHmM




退職し東京から限界集落へ「移住失敗、もう限界」 一家の絶望と希望
加藤勇介2023年1月26日
https://www.asahi.com/articles/ASR1S0BMPR1KDIFI00M.html

 東京から四国地方の山間部の限界集落に一家で移住。小学生の娘と息子は豊かな自然と多様な生物に触れ、夫婦は古民家再生や自然農法での野菜づくりに取り組む。そして3人目の子宝に恵まれ、減少続きだった限界集落の人口が1人増えた。

 そんな魅力的な田舎のスローライフが紹介されていたYouTubeのチャンネルに、突如として衝撃的な動画が投稿された。

 「移住失敗」「もう限界、引っ越します」

夫婦共に小学校教員、コロナ禍の決断
 東京生まれ東京育ちの男性(34)は、1歳年下の妻と共に小学校教員。安定していた生活を送っていたが、コロナ禍が価値観を変えた。

 特に都内は行動制限が多く、子育て環境として大丈夫なのか不安が募った。

 職場でも学校行事が次々と中止になり、感染予防で調理実習もできない状況に。子どもたちが体験や学びをできないことに、教員の意義についても考えさせられた。

 「せめて自分の家族だけでも何かの体験をしたい。それを動画で発信することで、広い学びの場にできないか」

 移住を決めた2021年冬の時点では妻は第3子を妊娠中。移住すると世帯収入は3分の1ほどにまで減ってしまう。退職には抵抗があった。

 しかしコロナ禍に加え、物価高騰が起き始め、当時はロシアのウクライナ侵攻がささやかれる世界情勢の不安定さが背中を押した。やはり都心での今までの生活が良いとは思えない。

 「低エネルギーで、自分たちの生活を実感できる形をつくっていこう」と夫婦で話し合い、地域おこし協力隊に応募。東京都調布市から、縁もゆかりもない四国に移り住んだ。

 集落の人口は約100人、高齢化率は60%超にも達していた。期待の一方で「実際に住んだら大変な面もあるだろう」との覚悟はもちろんしていた。

「あの人、呼んでいないから」移住生活の影
 いざ移り住むと、集落では珍しい子どもがいるだけで近所の人からとても親切にしてもらえた。猟や釣りに誘われ、米の収穫や餅つき、炭焼き窯など東京ではできなかった様々な体験ができた。

 限界集落といえども、車で1時間あれば総合病院があり、何でもそろうイオンモールもある。生活で極端な不自由を感じることもなかった。

 耕作放棄地の草刈り、古民家再生、念願だった自然農……。YouTubeで取り組みを動画にすると、6千人ほどがチャンネル登録をして応援してくれた。

 想像以上に順調に滑り出した移住生活。しかし早くも1カ月後に「あれっ?」という出来事が起きた。

 順調な移住生活が一転、1年後には男性の心身が悲鳴を上げる状態になりました。記事後半では、男性の身に起こった出来事、限界集落から引っ越した後の生活、受け入れた自治体の見解を紹介します。

 集落では、地元の人たちと…
https://www.asahi.com/articles/ASR1S0BMPR1KDIFI00M.html




限界集落“移住失敗”報道にあがる「いきなり最高難度は無謀」との声。SNS上では“Uber Eatsも頼める”程よい田舎の地方都市探しが過熱
2023年1月27日
https://www.mag2.com/p/money/1276776

四国地方の山間部の限界集落に移住するも、その土地の顔役的な人物らとの関係が悪化したことがきっかけで、身に覚えのないうわさ話が出回るなどの嫌がらせを受け、最終的にその地域からの引っ越しを余儀なくされたという、いわゆる“移住失敗”談がここに来て大いに取沙汰されているようだ。

渦中の人物は、愛媛県新居浜市の別子山地域で2021年12月から約1年間、地域おこし協力隊員を務めた男性で、YouTube上で移住先での活動の様子を紹介していたのだが、22年12月には、引っ越しの原因となった地元団体とのトラブルなどを赤裸々に語る動画を公開。これが300万回以上の再生を記録するなどネット上で大きな話題となり、さらにそれを全国紙の朝日新聞が取り上げたことで、話がより拡散する展開となっている。



問題の動画内で男性は、市から課された任務の1つである「地域活動」に関して、顔役的な人物らが仕切る地元団体と対立したと語り、団体のメンバーから「われわれが地域の代表だから団体の活動以外は地域活動と認めない」「活動に協力しないなら協力隊を辞めてもらう」などと迫られたと告白。

しかし地元団体の代表は、地元紙の取材に対して「われわれの活動に参加しないのならば、団体に(男性は)必要ない」と言ったことは認めたものの、「協力隊を辞めてもらう」という発言は否定し、動画は「一方的な内容だ」だと主張。また地元自治体の担当者も、動画に関して「事実もあれば、詳細は控えるが歪曲されていると感じる点もある」と語るなど、移住者側と地元側の間には言い分の食い違いがあるようだ。

地方移住者にとにかく求められる“コミュ力”
65歳以上の高齢者が人口に占める割合が、50%を超えた集落のことを指す限界集落。2020年に総務省が公表した調査結果によると、全国には2万箇所の限界集落が存在するといい、2015年の前回調査と比べて1割ほど増えているとのこと。

さらに10年以内に集落が無人化する可能性があるとされるのが454集落、いずれ無人化する可能性があるとされるのは2,744集落にのぼるなど、事態は急ペースで深刻化している。


だが、その反面で都会に住む人々の間では、地方移住の成功例を取り上げたテレビ番組や、田舎暮らしをテーマとした出版物やネットコンテンツなどを見て掻き立てられるのか、地方でのスローライフに憧れるといった向きは多い。

今回話題となっている人物も、都内の小学校で教員を務めていたものの、コロナ禍で行動制限が多い都会暮らしに疑問を抱き、退職したうえで地域おこし協力隊に応募。妻子とともに移住してきたとのことだ。

地域おこし協力隊といえば、2009年度から総務省によって制度化されたもので、各地方自治体が募集を行い、地場産品の開発・販売・PRから農林水産業への従事、さらに地域住民の生活維持のための支援などに従事するもの。隊員の期間は1年~最長3年といったところだが、それ以上の活動継続も可能で、隊員期間中は自治体からの給与・賃金も発生し、住宅補助や活動に必要な経費も支給されるという。

そんな地元自治体によるバックアップもありつつの移住生活ということで、ただ単に住まいを移してゼロから地域生活を始めるといった者よりも、よほど地域に溶け込みやすいのかと思いきや、任期終了後に同じ地域に定住する割合は65%ほどに留まるようだ。

各種インフラや生活関連サービスが整っている都会と比べ、限界集落と呼ばれるような田舎での暮らしは、不便さを感じるシーンが多々あることとは想像に難くない。ただ、ネット上の反応をみると、地方への移住が失敗に終わることが多い大きな原因はそこではなく、やはり今回のような田舎独特の濃厚な人間関係の難しさによるところが大きいのでは、といった見方が大多数。

そのため移住する側の素養としては、とにもかくにも“コミュ力”の高さが求められるといった声も、多くあがっているところ。都会での人間関係に疲れて……というのも、田舎暮らしを始める動機としてはよく耳にするが、そういった人間は高い確率で失敗してしまうだろうというのだ。


いきなり限界集落は無謀
今回の“移住失敗”談に関しては、そういった田舎の“空気感”を少しでも知る向きからは「村社会あるある」「人がいなくなる地域にはいなくなるだけの理由がある」といった反応がほとんどなのだが、いっぽうで「地方へ移住するとしても、どうして限界集落へいきなり行った?」という声も。都会を離れ田舎での暮らしを始めるにしても、初手から最高難度である限界集落での生活というのは、どだい無理な話で無謀だというのだ。

実際、SNS上の田舎でのスローライフを漠然と夢見る層のなかでも、あまりにも田舎過ぎると今回のような失敗に陥るのは火を見るよりも明らかというわけで、どこか“程よい田舎”はないものかと情報交換も盛んに行われているようだ。


あくまで田舎暮らしなので、自然が多い環境というのはマストとして、だけど光回線が引けてUber Eatsが頼めるといった、都会的な生活サービスもそこそこ享受できる環境。それでいて、やはり町内会活動や消防団といった、田舎ほど活発になる煩わしい人間関係が存在しない土地というのが、理想として掲げる向きが多い模様。

「Uber Eatsが頼めるのはもはや都会」といった声もあるなかで、そういった条件に該当しそうということであがるのは、やはり地方の県庁所在地あたりということで、今回の話題に対しての反応でも、そういった場所を田舎暮らしの第一歩として、まずはお勧めするといった声は、かなり多くあがっている状況だ。


田舎暮らしがブームといわれて久しいなかで、同時に今回のようなガチの田舎ならではの失敗談を見聞きすることも増えたことで、地方移住よりも“地方都市移住”といった、いたって現実的なラインを目指す流れもできつつあるようだ。


2:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/26 (Thu) 13:36:52

【田舎暮らし】 地域おこし協力隊の”闇”を話します。(長野移住)
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14083245
3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/28 (Sat) 20:27:44

日本の田舎は原住民の民度が極端に低いので、ロシアのダーチャは真似できない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14016388

ヨソの土地へ移住を考えている方へ _ 田舎あるある集
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14016278

田舎の旧家では嫁は夫ではなく家の所有物だった
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14007840
4:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/29 (Sun) 03:35:53

北海道に移住するとこういう目に遭う
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14016282

北海道の最低市町村ランキング
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/588.html

札幌市民が白樺並木を嫌う理由 _ 北海道で猛威を振るうシラカバ花粉症
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/949.html

ヒグマ注意
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/573.html

キタキツネ物語の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/609.html



零下4℃以下になると水道管が凍結する
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14083326

寒冷地での水道管の凍結を防ぐには
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/524.html

蓼科や原村の冬は北海道と同じ位 寒い
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14082469

プロパンガスの高すぎる料金の謎
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/681.html

コストが安い暖房は? 優秀なコタツ、ファンヒーター
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/926.html

水道料金「月額2万円」時代へ? 値上げと地域格差拡大の背景
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/908.html

「地方より東京のほうが生活費がかかる」は幻想
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1031.html

「冬だけ生活保護でサバイバル」を認める、北海道の柔軟な公助の仕組み
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1088.html



厳寒が人体に与える影響
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/795.html

北海道民が教える「雪道の歩き方」5カ条
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/679.html

大雪の前に、どんな準備をしたらいいのか?気をつけるべきポイントは?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1127.html

ガソリンスタンドの押し売りが悪質化
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/745.html

怨霊注意 _ 雪道の怖さを伝える日本のCMが怖すぎて外国人をビビり散らしていた件
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/570.html

スノーモービルで原野をかっとばそう
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/577.html
5:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/02/08 (Wed) 17:39:22

“移住失敗”の村となった別子山、再び「よそ者」を受け入れるのに必要なこと
YouTube発「村八分にあう」と世間に認識された集落が歩むべき道を専門家に聞く
2023.2.8(水)
河合 達郎
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73833



「やばい」「嫌がらせ」。Google検索窓に「別子山」と打ち込むと、こんなワードがサジェストされる。愛媛県新居浜市の別子山(べっしやま)地域に移り住んだ地域おこし協力隊員が配信したYouTube動画が話題を呼び、この旧村地帯はいま、世間からそんなイメージを抱かれている。かつて銅山として栄えた別子山は、ここからどう立ち直るか。そもそもなぜ、こうしたトラブルが起きてしまったのか。農山村への移住に詳しい国学院大学の嵩和雄(かさみ・かずお)准教授に聞いた。(河合達郎:岐阜県本巣市地域おこし協力隊、フリーライター)

集落の草刈りのルール
――話題になった「移住失敗」をどうみましたか。

嵩和雄氏(以下、嵩氏):私は学生時代から約9年間、熊本県小国町に移住し、地域づくり活動に従事していました。当時住んでいた隣町で、集落の草刈りがあった日のことです。

 自分の自宅周辺から草刈りをしたところ、その後の飲み会で地域の人から怒られました。「集落の草刈りというのは共有部分をやるんだ」「自宅の周りは普段からやっておくもんだ」と。

 田舎には見えにくいルールがたくさんあります。地域にとっては当たり前のものでも、移住者にはわかりません。現代社会や都会的な価値観からすると、合理的でないと感じられるものもあるでしょう。

 例えば、移住者の新規就農時によくあるのが水利権の問題です。農業において水は死活問題で、かつては殺し合いが起きたほど重要な問題です。これは都会で暮らしている人には絶対にわからない価値観ですよね。土地は借りられたものの、水の話をきちんとしていなかった、という意思疎通の問題です。

 今回の件も、コミュニケーション不足、相互理解の欠如、といったことが根本にあるのではないでしょうか。


――それはどんなところに感じましたか。

「よくある話」がバズった理由
嵩氏:特定の人や団体との間でトラブルになっているように見受けられるからです。

 移住に失敗したという人の話の多くは、人間関係によるものです。ただ、人間関係トラブルは基本的に個人間の問題です。問題が表面化するまでの過程においては、どちらかが一方的に何かをした、ということはないと思います。


嵩和雄(かさみ・かずお)氏 国学院大学観光まちづくり学部 准教授/NPO法人ふるさと回帰支援センター理事。1972年生まれ。東洋大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学、修士(工学)。2001年に熊本県小国町に移住、(財)阿蘇地域振興デザインセンター、財団法人学びやの里で都市農村交流事業を実践、2009年に東京にUターン。同年よりNPO法人ふるさと回帰センター副事務局長として移住支援に携わり、2021年より国学院大学研究開発推進機構准教授、2022年4月より現職。
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 お互いのちょっとしたすれ違いや我慢が、臨界点を超えて出てきてしまったのでしょう。

 大前提ですが、今回、地元の方々が実際どうだったのかという話はこれまで一切出てきていません。YouTube配信や報道を通して私たちが得られる情報は、片方の当事者の視点ばかりです。この点は留意してみる必要があります。

 これまでやってきたことをいきなり否定されたらムカッとくるのが人間です。合理的だとか、費用対効果が高いとか、資本主義のものさしでは測れないものが田舎にはたくさんあります。


 そうやっていつのまにか掛け違い、人間関係に悩んだ協力隊員が辞めてしまうというのは「よくある話」です。協力隊に限らず、移住者がすぐに出て行ってしまうということも決して珍しくありません。

――「よくある話」がここまで反響を呼んだのはなぜだと考えられますか。

嵩氏:SNS上の反応を見ると「やっぱり田舎は……」というとらえ方が多いですよね。多くの方が、よくある話だということはわかっているのだと思います。

 今回印象的だったのはSNSの効果です。移住してYouTube配信する人も増えてはいますが、ポジティブな内容がほとんどです。今回も最初はそうでした。

 逆にネガティブな情報を、素性を明らかにして発信するというのはあまり見られません。当事者の一方の視点だけではどこまでが事実か明確ではありませんが、ここまで赤裸々に語られたということが大きかったのではないでしょうか。

 私が心配しているのは、別子山に限らず、過疎に悩む集落の今後のことです。こうしたトラブルが起きた地域では「もう協力隊もよそ者もいらない」というような感じになりかねません。これでは地域にとってマイナスにしかならない。この点は非常に危惧しているところです。

――「ここに移住すると村八分的な扱いを受ける」といったような認識が世間に広まってしまったということでしょうか。

嵩氏:外部の目線もそうですが、一番の懸念は内側の人たちの気持ちです。

 外から来た人が次々と出て行ってしまうと、そこで暮らしている人たちは「やっぱりうちの地域はダメか」となってしまいます。その地域に住み続けるということ自体に自信や誇りを失ってしまいます。

 それでも、地域はよそ者を受け入れ続ける意識をなくしてはならないと、私は思います。

 かつて調査に入った北陸のある集落で、移住者が大麻を栽培して摘発されたということがありました。ですが、その集落の自治会長はポジティブでした。その後も移住者の受け入れをやめず、むしろより熱心に、丁寧に受け入れをするようになったのです。

 内部では「もう受け入れはやめよう」といったような反発もあったでしょう。それでも、その自治会長は「移住者はひとくくりで悪く考えない方がいい。その移住者がそうだっただけだ」と言っていました。

 結果論かもしれませんが、移住者が増えている地域にはこうした寛容さが共通して見られるような気がします。

――今回の「これだから田舎は」とひとくくりに言ってしまう一部SNS上の言説と対になる考え方のように感じます。

嵩氏:移住者も一人ひとり違うわけです。「過激な村八分にあう地域」というとらえ方がされている今回のケースでも、たまたま今回の移住者と地域とが合わなかった、という要素が大きいとみています。

「集落の教科書」が持つ二つの意義
嵩氏:こうしたミスマッチを防ぐには、お互いに納得しつくしたうえで移住するということが不可欠です。そのためには、受け入れ地域の側が「ここに入ったらこういうルールがある」ということをきちんと伝えなければなりません。

 ルールを知らなければ、悪気がなくても破ってしまいます。それに対して地域住民が不満を募らせ、トラブルになるということも大いにあります。

 ですから、移住者が実際に移住する前に知っておかなければならない情報を、地域がどれだけ事前に提供できるかが重要なのです。

 最近では、地域で「集落の教科書」というものが作られるようになってきました。いいことばかりではなく、ネガティブな情報も含めた実情を伝えようというコンセプトのものです。京都府南丹市のNPO法人テダスが、地域住民と協力して作成したのが最初でした。

 いまでは『「集落の教科書」のつくり方』(NPO法人テダス事務局長・田畑昇悟著/農山漁村文化協会)という本まで出版されています。


 テダスと地域との取り組みの中でも、当初は、ネガティブな情報を出したら移住者が来なくなるのではないかという話があったそうです。

 ですが、実際に移住者が来てトラブルになるより、来る前に判断してトラブルを回避できた方が双方にとってメリットがあるでしょう。行政の情報発信はどうしても良いことしか話さない傾向がありますから、移住検討者にとっては貴重な判断材料になると思います。

――集落の教科書にはどのようなことが紹介されているのでしょうか。

嵩氏:例えば「ルールには濃さがある」ということが書かれています。一口にルールと言っても、強制力の強弱や認知度の高低には差があるという意味です。

 そしてこの中で、移住者が最も気を付けなければならないのが「強制力が強いのに、認知度は低い」というルールだと紹介されています。「集落の草刈りは共有部分から始めるもんだ」という、私が指摘されたルールがまさにこれでしょう。

 こうしたルールや風習は役場も教えてくれません。集落の側がこれを言語化、見える化することは、移住者とのトラブル回避に有効だと考えられます。

 私は、集落の教科書にはもう一つの意義があると思っています。それは、教科書作りを通じて、集落の人たちが地域の将来を考えるきっかけになるということです。

 日本全体の人口が減っていく中で「うちの村や集落だけが人を増やす」というのは非現実的です。であれば、少ない人口でこの先集落をどう維持していくのか。これは地域側がきちんと考えなければなりません。

 集落の教科書作りは、地域ルールを見直し、将来の集落のあり方を見直すツールとして役立つと思うのです。

「東京から来た若いもんが草切ってる」
――熊本県小国町での9年間のフィールドワークの中で、移住者と地域とのあり方で感じたことはありますか。

嵩氏:目に見えないものは評価されにくい、ということでしょうか。

 地域おこしは基本的に目に見えません。最初は私も「よくわかんないことやってるね」と見られていたようでした。

 それが変わったのは、水害が起きた時のことだったと思います。私が拠点にしていた施設が避難場所になり、そこで住民のサポートにあたりました。一生懸命やったことで「ちゃんとやるやつやな」とわかってもらえたような気がします。

 もう一つが草刈りです。廃線跡を活用するプロジェクトを立ち上げ、朝6時前から周辺の草刈りをしていました。すると周囲の方たちが「何か音がするけど何やってんだ?」「東京から来た若いもんが草切ってる」と。

 草刈りに限らず共同作業は大事ですね。草刈り自体もさることながら、作業の後のダラっとしたおしゃべりも、地域の方と同じ時間を過ごすという意味で重要だと感じます。


――総務省が発表した2022年の人口移動報告では、東京都の「転入超過」幅が3年ぶりに拡大しました。新型コロナによる地方回帰の動きから、再び東京一極集中の傾向へと逆回転し始めたことが明らかになりました。

嵩氏:驚きはありません。そもそも転入超過数が落ちていた要因は、東京から地方へ出ていく動きが加速したというより、地方から東京に入る動きが鈍ったという要素が大きかったからです。感染症の懸念が和らぎ、地方から東京に移り住む動きがまた戻ってきた結果です。


2022年の東京都への転入超過数は前年に比べ大幅に拡大した(総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2022年(令和4年)結果」https://www.stat.go.jp/data/idou/2022np/jissu/youyaku/index.html#a1より
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 ただ、東京から少し離れた場所に移り住むという傾向は、今後もそれほど収まらないのではないかとみています。リモートワークを含めて働き方が柔軟になったことや、東京の住宅価格が高騰しているということが理由です。

 これは「郊外」のとらえ方が広域化した、といえるでしょう。

「そんなことないですよ」と伝える役割
嵩氏:一方で、東京近郊の人気の高まりはあくまで「引越し」です。よりよい住環境を求めて移り住む「引越し」と、ライフスタイルごと変えようと農村部に移り住む「移住」とは切り離して考える必要があります。

――農山村への「移住」促進の狙いが込められた協力隊制度について、総務省は2026年度までに現役隊員1万人の達成を目指して中身を拡充しています。農山村でも人口減が避けられない中、そこで活動する協力隊の意義をどう考えますか。

嵩氏:地域おこし協力隊は自分たち自身が主役ではなく、あくまでもこの地域をなんとかしたいと頑張っている地域の人の活動をお手伝いすることが本来の趣旨だと思っています。

 協力隊に限らず、移住者としてよそ者が入ってくることによって、地元の人たちにとっては「ここに住み続けていいんだ」「私たちの地域が選ばれたんだ」と再認識する機会になります。

「ここはもうダメだ」というあきらめが広がろうとする地域に、実際に移り住んで「そんなことないですよ」と言い続ける人の存在は大きいし、今後はさらに重要になると思います。

 また総務省によると、協力隊員の約7割が20~30歳代です。隊員の子世代にとってのふるさとを作るという意義もあるでしょう。

 ただ、隊員数の拡大にあたっては、自治体と受け入れ地域との間で、どんな人を呼びたいのか、どんな活動をやって欲しいのかということをいままで以上にすり合わせる必要があると感じます。


 隣町でうまく行っているからとか、国から増やすように指示があるからという考えでは、地域への定着も望めません。地域側にも協力隊を入れることで、何かしらの変化が起こるということを覚悟する必要があります。

 現在6千人程度の隊員数を急速に拡大させようとすると、自治体に採用プレッシャーがかかり、ミスマッチに近い人まで受け入れざるを得なくなるということが起きかねません。

「おためし協力隊」や「協力隊インターン」といった制度を活用するなど、丁寧な受け入れを進めていく意識も重要だと思います。

 そして大切なのは、移住者にとっても、受け入れる地域にとっても、移住はあくまで「手段」であり、「目的」ではないということです。

 移住者にとっての目的を突き詰めて考えれば、移住によって自ら思い描く理想の人生を実現するということでしょう。

 一方で地域にとっては、移住者を受け入れることによって、理想の地域像を実現するということでしょう。

 移住者も地域も、それぞれのビジョンをはっきりさせることが重要です。お互いのビジョンをはっきりと示しあうことで、双方にとって不幸な移住を無くすことができるのではないかと思います。

6:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/02/15 (Wed) 15:00:20


2023年02月14日
過疎地の人ほど他地域から来る人を遠ざけている

田舎は都会より”民度”が高いか

某回転ずしチェーンへのいたずら動画を巡って民度の低下が話題になっていますが、一般的に問題行動を起こす人は都会に多いと考えられています

東京の人口は1000万人で田舎の人口が100人なら問題行動の人は東京に多いに決まっていますが、それは東京の総人口が多いからです

100人の東京都民を調査しても99人くらいは常識的な人の筈で、常識に欠ける行動を取る人の割合は1人か0人の筈です


ところが人口100人の過疎の村でそうした調査をもししたら、10人くらいは都会だったら批判されるような行動をしていると思います

過疎地に行って最初に気づくのは車の運転で一時停止しない割合が非常に高く、それでも他の車が通らないので事故が起きない

本人は自分の運転が正しいと信じきっていて、見通しのないカーブで大きくはみ出して高速走行してくるのも大抵はその地域に住む人です


毎日運転しているので道に慣れていて、今までずっと対向車は来なかったので停止できない速度で反対側(車線はないが)にはみ出しても危険運転をしている認識すらないでしょう


過疎地域では自宅の近所の道路を「自分の敷地」のように考えていて私物化するのは当たり前で、他の地域の人が利用すると攻撃的な言動をします

過疎の村に移住したら住民とトラブルになったような話が絶えないが、多くの場合移住者に問題はなく住民の過剰なまでの権利意識が原因と思われます


某N県の山間部に移住してきた人は「よそ者だから」という理由で電力会社が電柱を建てるのを拒否され、隣の自治体経由で引かざるを得なかったという

別なN県の村ではゴミ捨て場の利用を拒否され、ゴミ処理場か役場に自分で運び、別の県では神社や寺の支払いを拒否したら「村八分」にされた

まるで横溝正史の小説のような事が現代の日本のあちこちで起きていて、どのケースを見ても常識に欠ける村びとが権力者のようになっている


過疎の村のゴッドファザー

過疎の村には必ず”実力者”が存在し役場が何かをする時も実力者に依頼するので、移住者やよそ者は彼をゴッドファザーのように崇拝する必要がある

その村ではそれがルールなのだが都会や町から移住してきた人は尊重しないので、移住者と村びとが激突し険悪な事態になります

こうして日本各地に『いじめ村』が出現するが、そんな過疎地に限って人口減少が深刻で移住者の募集や移住促進をしていたりする


村びとが移住者に期待するのはゴッドファザーを恭しく崇拝し、集会や行事で進んで雑用をこなしお金を払う事だが他の地域の人にとっては嫌なだけです

都会で知らない人や親しくない人に何か用事があるとき、「すいません」とか「あの・・・」などと声をかけるが田舎では「おいコラ」「てめえ」で話しかける人が一定数存在します


その地域では住人全員が小学校以前からの知人とその妻、子どもなので知らない人への礼儀という文化がなく、初対面の人に「オイ!」「てめえ!」と話しかける人が居ます


もちろんそうでない人の方が多いが100人のうち数人がそうだったらその地域への印象は最悪で、困った事に「ゴッドファザー」や実力者にこのタイプが多い

全員が同級生や知人で自分より格下なので、そこでは「おい」と話しかけても良いが、他の地域の知らない人にも「おいお前!そこで何やってる」などとやります

この手の残念な村はいくら移住を促進しても絶対に移住者は来ないし、 仮に移住者が来たとしても現実を知ったらすぐ出ていくでしょう

https://www.thutmosev.com/archives/90009044.html
7:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/21 (Tue) 13:47:42

「すぐに“あらぬ噂”を流される」教員を辞め、収入は3分の1に…東京から“限界集落”へ移住したYouTuberが語る、田舎暮らしのリアル
YouTubeチャンネル『小さな村で暮らす』の柳生さんインタビュー#1
平田 裕介
https://bunshun.jp/articles/-/61076

「もう限界、引っ越します」

 2022年12月、そんな言葉が大きく打たれた動画がYouTubeで公開された。東京から四国の限界集落へ移り住んだ男性が、絶えない住民トラブル、持病の悪化、被災による住居の水没によって他の地域に引っ越すことになった経緯を伝えた動画は、350万回超も再生されて話題に。

 投稿したのは、YouTubeチャンネル『小さな村で暮らす』を運営する柳生明良氏(34)。そんな彼に、限界集落への移住を決めたきっかけや収支などを含めた東京と田舎の違い、移住後に起きた子供たちの変化、田舎ならではのストレスなどについて、話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)



柳生さん一家 現在住んでいる高知県大川村で撮影したもの 写真=本人提供
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https://bunshun.jp/articles/photo/61076?


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「これはえらいことになるな」と思った
――「もう限界、引っ越します」と宣言した動画がバズりにバズって柳生さん一家が注目されたわけですが、やはり反響は凄まじかったですか?

柳生明良(以下、柳生) まずは、コメントがすごかったです。10秒に1個コメントが来る感じでした。再生回数もそれまでは2万か3万だったのが、一気に10万、次の日には50万になって、そこから100万、200万と。

「これはえらいことになるな」と思ってたら、今度はTwitterでバズったり、ネットニュースにもなって。

――どのようなコメントが。

柳生 7割ぐらいが「大変でしたね」や「がんばれ」的なコメントで、2割が「自分も同じような目に遭いました」という気持ちを分かち合えそうな方々からのコメントで、残り1割が「自業自得だろ。お前がきちんと調べて移住しなかったからだろ」みたいな。

 意外とアンチ的なコメントが少なかったのには驚きましたね。「がんばれ」的な声が比較的多かったので、まだYouTubeを続けられるなと安心感を得たところはありました。

移住を決意する大きなきっかけは新型コロナウイルス
――柳生さんは2021年にご家族で四国の限界集落へ移住されましたが、以前から地方移住を考えていたのですか。

柳生 いま34歳ですが、結婚前から考えていました。東京で小学校の教員をしていたんですけど、満員電車に揺られて通勤するのが辛かったし、教育の現場が自分のやりたかった仕事とは違った形になっていくのを目の当たりにして。仕事の問題が田舎暮らしに直結するわけではないですけど、現実を変えたいきっかけになったのは間違いないです。

――漠然とした思いを抱えていたなか、移住を決意する大きなきっかけやタイミングとなったのは何だったのでしょうか。

柳生 新型コロナウイルスですね。特に2020年の4月から6月がつらくて。自粛でずっと家の中に箱詰めになって、公園に行っても子どもが遊べないように遊具がテープでグルグル巻きにされていたり、子どもと外にいると近所の人に白い目で見られたりするのに息苦しさを感じたんです。

 いつ通常に戻るかわからないし、こういう状況下ならば、ずっとあこがれていた田舎暮らしにチャレンジしてみようと。

 YouTubeで地域おこし協力隊の制度を知って、協力隊としてお給料を3年間いただきながら、その間に移住後もちゃんと生計を立てられるように基盤を築ければいいなと思って。2021年の3月に教師を辞めて、6月から移住に向けて動きました。


移住に対する職場での様々な反応
――パートナーも同じように移住を考えていたのでしょうか。

柳生 いえ、僕から移住を提案して「いいよ」という感じでした。子どもにも「引っ越そうと思うんだけど」と伝えて。当時、長女が小学2年生、長男が6歳で年長だったので、僕から移住の話をされても現実的に考えられなかったかもしれないですけど。でも、子どもたちも「引っ越ししたい」と言い出したので、悪い反応はなかったですね。

 長女は学校で人間関係に悩んでいるところもあったし、そこもふくめて一新できるならと、家族全員で前向きに移住を捉えていました。


――退職する際、上司や同僚の方などはどのような反応を。

柳生 教師を辞めたことと移住は、あまり関係がなくて。移住するしないの前に、自分でビジネスを起こしてお金を稼ぐ経験をしてみたかったんです。なので、「移住するから辞めたい」ではなく、ビジネスをしたくて辞めたい旨を伝えたんです。

 管理職の方々に直で呼ばれて、「辞めないでほしい」とも言われましたし、「教員をずっとやってきて、社会に出てこれから何ができるのか」と厳しいお言葉もいただきましたけど、「自分の人生なので自分で決めます」と退職して。管理職の方々の反応に関しては「頑張れ」よりも「無謀だな」という雰囲気でしたね。


 家族のいる同僚の先生は「リスクを取りすぎじゃない?」との反応でしたけど、子育てを終えた先生には「いいね、そういう人生。私も若いときにやればよかった」と言われました。「いいね」とおっしゃったその先生も「いまの教育現場はやりづらい」と昨年退職されて、いまは日本全国を旅して回ってます。そういった面でも、教育の現場から人が離れつつあるんだという実感を得ました。

田舎在住のYouTube動画をいろいろ見て
――「自分でビジネスを始めたい」と「移住したい」が重なったタイミングでもあったと。

柳生 そうですね。田舎の古民家で暮らすことに憧れていて、空き家を改修する田舎在住のYouTuberさんの動画をいろいろと見ていたんです。見ているうちに、自分でもこれならできるんじゃないかと。田舎での古民家を改修する動画を配信して登録者数を伸ばしながら、地域の人と協力して商品開発などができたらいいなって。

――「田舎への移住は難しい」といった声も少なくないゆえに、不安はありましたか。

柳生 厳しい現実を見聞きしていたんですけど、教員をやっていたので、コミュニケーション能力や礼儀正しさに自信があったんです。それもあって「できるな」と高をくくっていた部分はあります。


海か山か…悩みに悩んで決めた移住先
――地域おこし協力隊を募集している地域は多いですが、そのなかから四国の限界集落を選ぶ決定打となったものは。

柳生 全自治体をチェックしましたし、悩みに悩んで選びました。当初の候補は沖縄だったんですけど、夫婦そろってアウトドアやキャンプが好きなので、海か山かを考えたら山だろうと。そこから山を念頭に置いて探していたら、四国の集落が自分たちに合っているかなと。

 自然環境はもちろんですけど、3年の間で定住の準備を進めながら自分のやりたいビジネスにも取り掛かっていいフリーミッション型であると求人要項に書いてあったので。


 実際に問い合わせてみたら「YouTubeをやりたいなら、自由にやってください」とのことだったので、受けてみたら合格をいただいた、という流れですね。


――移住に掛かる経費などは、地域おこし協力隊がカバーしてくれるのですか。

柳生 自治体によって違いますけど、僕が移住した地域では引っ越し代を出してくれました。あと、住居も協力隊の任期である3年は無料で提供してくれましたね。

古民家を片付ける様子からYouTubeチャンネルをスタート
――2021年11月から四国での生活が始まりましたが、すぐYouTube活動に取り掛かったのでしょうか。

柳生 最初の1ヶ月は、僕の3ヶ月前に着任した先輩隊員の方に付いて公用車の使い方を教わったり、挨拶回りをしたりしました。それを終えてから、自分のやりたい旨を伝えて、地元の団体の仕事を手伝いながらYouTube活動を始めて。行政の方からも、そういったことを地域のPR活動の一環としてやってほしいと言われていましたので。

 それで、貸していただける古民家も見つかったので、そこを改修のために片付ける様子を撮ってYouTubeチャンネルをスタートして。そうしたら、2ヶ月くらいで登録者が1000人を越えたんです。3年で1000人いけばいいくらいに思っていたので、「やっぱり、田舎暮らしって需要があったんだな」と思いましたね。


――地域おこし協力隊の給与は、そうしたPR活動に対する報酬になると。

柳生 そうです。3年間そこに定住して、さらに独立・起業すれば100万円の補助金も出ます。さきほどもお話ししましたけど、その間にYouTuberとして基盤を固めておけばなんとかいけるなと考えたんです。


収入は減ったけれど、収支は東京よりもプラス
――東京と四国の集落を比べると支出はどちらのほうが低かったですか。

柳生 家計の支出でいったら、四国のほうが低かったですね。世帯収入でいったら、四国は東京の3分の1くらいになりました。妻も教員だった頃があって、その頃と比べたら給与の額面は10万円くらい違いましたね。

 お金に関しても下調べをしていて収入が下がるのは予想していましたが、住居費が掛からなかったので。あと、地域の方々からお野菜を分けていただいたり、シカとかイノシシのお肉を分けていただいたりするので、そういったところで下がった10万円分をカバーできていましたね。


 実際、収支は東京よりもプラスでした。我が家の場合は、月10万円くらい貯金できましたから。

――収支的にプラスでも、この部分だけは東京よりもお金が掛かったというものは何かありましたか。

柳生 車ですね。もともと車を持っていなかったので、中古のパジェロミニを15万円で買って。雪の降る地域だったので、四駆が必須条件だったんです。そのほかにも自動車税や任意保険が掛かりますね。ガソリン代は月に安くて8000円、高くて1万5000円。でも、車がないと、どうにもならないんで。

 水道は一律使い放題の1000円で、電気代も東京と変わらなかったけど、ガス代は高かったです。都市ガスじゃなく、プロパンになるので。

 医療費はうちは3番目の子の出産費用だけ掛かりましたけど、それも安かったです。妊娠中の妻のお腹の調子を見る検査が東京だと1万円近く掛かったけど、移住先では無料。教育費も無料でしたね。

保育園、小学校…田舎暮らしの教育事情
――教育の内容はいかがでしたか?

柳生 保育園はすごくよかったですね。うちの息子が入るまで、3人の保育士さんが1人の子どもを見てくれるのでかなり手厚いですし、地域の雇用も生み出していますから。ただ、子どもが少ないゆえにパパ友、ママ友のような親同士のつながりが生まれないのがデメリットではあるのかなと。

 あと、保育園以外の子育て支援は特になくて。学童クラブもないし、保育園も3歳からなので、3番目の子が生まれても預けられなかったんです。

 やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃん、家族内で子どもの面倒を見る文化だったんですね。なので、うちのような核家族はそのへんが厳しくなって、働いている親の負担が増えました。


――小学校はどうでしたか。

柳生 小学校は、1年生と2年生を1クラスといった具合に2学年を1クラスにまとめる複式学級だったんです。うちの娘は小2で転入だったんですけど、他に生徒がいなかったので複式学級にならず、マンツーマンの授業になったんです。

 マンツーマンで漢字や四則計算を丁寧に教えてもらえるので学力は上がるんですよ。東京にいた頃は勉強が苦手だったし、良くも悪くもクラスで目立った言動をとることもなかったので、置いてかれちゃうタイプだったんです。それが移住先の学校では1対1ですから、先生が「この子はここができてない」とみっちり取り組んでくれるので、テストの点数も50点、60点だったのが100点を取れるようになって。

 僕ら夫婦は学力向上に重きを置いていなかったですけど、自然に学力がついてきた感じです。

――そうなってくると自己肯定感も上がって、話し方や表情なども変わりそうですね。

柳生 自信はついたようですね。東京では能力が低い扱いでしたけど、移住先では先生から「手伝って」といろんなことをお願いされるし、1人しかいないから学級委員もやらなきゃいけない。いままでは「誰かがやってくれるからいいや」という感じでしたけど、人が少ないから「やる人、私しかいないじゃん」となって、主体性や責任感みたいなものが育まれたなと思います。

命をいただくことを目の当たりに
――食べ物の好き嫌いなどに変化はありましたか。


柳生 身近にイノシシやシカがいて、それを猟師さんが解体して、そのお肉をもらって僕が調理してみんなで食べることで、命をいただくことを目の当たりにして。それによって食に対しての思いが変わったのか、好き嫌いはなくなりましたね。当初は抵抗や衝撃があったようですけど。

 あと、娘は野菜が嫌いでしたけど普通に食べられるようになりました。お野菜をいただけることが多くて、「いつも優しくしてくれる、おじいちゃん、おばあちゃんが作った野菜だよ」と教えると、娘のなかで「食べたい」よりも「食べなきゃいけない」という気持ちが出てきたようで食べ出しましたね。


人間関係が狭くて濃密な田舎
――お子さんたちに関しては、人とのつながりがいろいろな変化を与えたようですね。田舎の良かった面を聞きましたが、「ちょっとなぁ」と感じる面はありましたか。

柳生 それでいうと“あらぬ噂”ですかね。ちょっとしたすれ違いが起きた途端、すぐに噂を流されたりとか。100人もいない集落だったので、誰かが私のことを悪く言っているのが子どもの耳にすぐ入って、子どもから「お父さん、○○さんに嫌われてるの?」なんて聞かれたりして。

 人間関係が狭くて濃密だけど、そこが弊害でもありました。これは移住した多くの方がおっしゃっていますね。

――コミュニケーションが密だからこそ、それにまつわるストレスは東京よりも大きいんですね。

柳生 たとえ知らない人であっても、絶対に挨拶だけはするようにはしていました。歩いて地域内を移動していて、誰かと会ったら常に声を出して「おはようございます!」「こんにちは!」「こんばんは!」って。まぁ、挨拶はどこにいても大事ではあるので。

 でも、2022年の4月あたり、移住して半年くらいで、そういったコミュニケーションなどのストレスからもうこの地域から離れたほうがいいんじゃないかと思うようになりました。(#2に続く)
8:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/21 (Tue) 13:50:41

「妻から『あなた、たぶん病気だよ』と」緊急搬送、自宅の火事、住民とのトラブル…“限界集落”に移住したYouTuberが明かす、移住失敗までの経緯
YouTubeチャンネル『小さな村で暮らす』の柳生さんインタビュー#2
平田 裕介
https://bunshun.jp/articles/-/61077

「もう限界、引っ越します」

 2022年12月、そんな言葉が大きく打たれた動画がYouTubeで公開された。東京から四国の限界集落へ移り住んだ男性が、絶えない住民トラブル、持病の悪化、被災による住居の水没によって他の地域に引っ越すことになった経緯を伝えた動画は、350万回超も再生されて話題に。

 投稿したのは、YouTubeチャンネル「小さな村で暮らす」を運営する柳生明良氏(34)。そんな彼に、破ってはならない田舎のルールや地元団体とのトラブル、再移住先での生活などについて、話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)



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◆◆◆

田舎特有の暗黙の了解
――2021年11月に四国の限界集落に移住するも、“あらぬ噂”を流されたりして2022年4月に「きついな」と感じたとのことですが、これはパートナーも同じように感じていたのですか。

柳生 夫婦間で意見は一致していました。それでも自然に恵まれていましたし、自分たちでそういう環境を望んで移住してきたわけですから。そこはとどまる要因にはなっていましたね。

――田舎特有の破っではいけないルールや暗黙の了解みたいなものはありましたか。

柳生 ありましたね。そういうものなんだなと思いましたけど、ものをもらったら必ずものを返すとか、遊びにいく時は手ぶらでは行かないとか。そういうルールは教えてもらいました。で、実際にそれをやるとよい形で関係性を維持できていましたから。

 なにかいただいたり、なにかお手伝いしていただいたら、東京のちょっと高級なお菓子を取り寄せてお返ししました。そこは感謝の意ですから当然ですけどね。

 これは挨拶の話になりますけど、引越した時も東京のお菓子を渡しました。20人分くらい用意して、ちょっと力のある方、お世話になるだろうなという方のお宅に直接うかがって渡しました。礼儀正しくしていると、いろいろよくしていただけるので。


高齢化が進んだ集落
――逆に柳生さんのほうでも、他の住民の方が困っていたら駆けつけたりしましたか。

柳生 台風が直撃したことがあって、土砂災害に遭った民家とかには一番に飛んでいって、片付けとかを率先してやってました。

――動画を拝見すると、お手伝いしてくれる方は年配者が多いような気がしました。

柳生 住民の60%が60歳以上で、メインになっているのが70代、80代の方々で。かなり高齢化が進んだ集落ではありました。30代、40代は、ほぼいなくて、その年代の方々は市街地のほうに移ってしまっていて。

――高齢化が進んでいても、住民のみなさんはお元気なのでしょうか。

柳生 山を歩いて生活してますから、もう足腰が違うんです。60代じゃまだ若い、70代はまだまだ労働力、80歳になっても畑仕事をやっているという感じで。

 みなさん、食に関しては畑や猟で自給自足されていて。作った野菜を売ったりもしていました。あと、地域内に市内の子どもたちを山村留学させる寮とか働き口も何ヶ所かあったので、そういったところで働いている方もいました。


「僕たちも田舎に染まってるな」
――東京にいた時と比べて柳生さんの中で何か変わった心境などはありましたか。

柳生 これは自身の問題になるのですが、自分を過信する、力を見誤ってしまうのではないかと危惧していました。どうしても東京にいたことで、情報感度が圧倒的に高くなってしまうんです。なので、YouTubeで予想よりも早く目標に到達してしまったりすると、凄まじい万能感みたいなものが溢れてくるんですよ。

 これが東京にいたら、僕なんかよりも上のすごい人たちがいっぱいいるから、そんなこと思いもしないんですけど。人の少ない地域にいると、そういったことで鼻高々になる危険性が出てくる。井の中の蛙以下になってしまわないようにと、それだけは気をつけていました。


 あと、他の住民のことを覗くまではいかないけど、気になってくるんですよね。「○○さんちの車がないけど、どこに行ってるんだろう」「たしか、今日は○○さんの家に行ってるよ。なんの話ししてんだろうね?」なんて会話を夫婦でしちゃっているんですよ。これには「僕たちも田舎に染まってるな」って。

――YouTubeをやっていることで何か言われたりすることは?

柳生 地元のある団体から、YouTubeが地域のPRになっていないと言われました。動画を見ても、この地域のことだとわからないという。

――そのあたりがYouTubeでも話していた移住失敗につながるわけですね。

柳生 自然に恵まれてはいますけど、突出したなにかがある地域ではないんです。だから、地域を取り上げるんじゃなくて、誰々が住んでいる、何々を作っている、といった感じでブランディングしないと埋もれてしまうなと考えたんです。

 そこでまずはYouTuberとして自分の影響力をつけて、「この人はいったいどこに住んでいるんだろう?」と興味を抱いてもらえるようにしてから「ここは〇〇です」と出したほうが、インパクトがあるだろうって。


――なるほど。

柳生 それを説明していたんですけど、そういった経営的な視点が折り合わなくて。それでその団体とすれ違いが起きるようになってしまいました。「こいつは自分のことしか考えてない」と捉えられてしまったようで、そこから「柳生が協力隊の仕事を放棄した」みたいな噂が広まるようになりましたね。

 それが2022年の4月か5月あたりです。YouTubeの収益化ができているのを行政の方も把握していて、ちょっと評価されていたんですけど。そういういざこざを筆頭に、いろいろとあって「これはきついかも」と。

 でも、僕の場合はあくまで一例で。もちろん向こうにも言い分があると思いますし、どちらが悪いとかではなく、合う合わないというところが大きかったと思います。


喘息による呼吸困難で緊急入院
――その後、ストレスから柳生さんは倒れて入院していますよね。

柳生 2022年10月に喘息による呼吸困難で倒れたんですけど、そこがストレスのピークでした。倒れる1ヶ月くらい前に不眠になって、1日1時間も眠れないような感じだったんです。それで「ああ、寝られそう」と思ったら赤ちゃんが泣きだして寝れなくなって、ついつい大きな声で怒ってしまったんです。上の子たちに対しても「疲れて眠くて仕方がないのに絡んでくる」と厄介者のように感じて、優しく相手することができなくなってしまって。

 そうしたら、妻から「あなた、たぶん病気だよ」と言われました。ちょっと自分でも調べてみたら「これはうつ病じゃん」と思って。家族と平穏に暮らしたくて移住したはずなのに、家族に迷惑をかけていたら本末転倒だなって。それで「もう限界、引っ越します」と。まずはお世話になっていた人たちに「ごめんなさい」と言って、その後に行政側の支所長にも話をしました。



――地域で仲良くされていた方々は、柳生さんの決断に対してどのような反応を。

柳生 「早く引っ越したほうがいいよ」という感じで、引き留められることはなかったです。住民の方からも以前辞めていった方たちもやはりトラブルが原因だったという話を聞いたので、私の前にいた元隊員の方に連絡を取って「なぜ地域を離れたか教えてもらってもいいですか?」と聞いてみたんです。

 いろいろ無理難題を押し付けられたり、地域内の対立構造があったがゆえに双方どちらの言うことが正しいのかわからなくなって病んでしまったと。田舎と都会というバックグラウンドの違いもあってか、やり方や考え方の溝を埋められず、だんだんと大きくなってしまって最後には取り返しがつかなくなるということはよくあるみたいです。

自宅が火事に巻き込まれて
――そして、とどめを刺すとばかりに柳生さんのご自宅は火事に巻き込まれてしまうんですよね。

柳生 あれは、次の移住先に引っ越す5日くらい前に起きたんです。家族そろって晩ごはんを食べていたら、別の方が暮らしている2階の部屋が火事になって。僕らはまったく気づいていなくて「今日は換気扇の吸い込みが悪くて、部屋のなかがモクモクしてるな」くらいにしか感じてなくて。

 お世話になっている方が気づいて、消防車を呼んだ後に電話してくれたんです。「柳生さん、火事だから出てきなさい!」と言われて飛び出したら「メチャクチャ燃えてるじゃん!」って。「CGかよ」ってくらいに燃えてましたね。地域の大多数の方や消防団の方が集まって消火してくれましたけど、家財道具もなにもかもビショビショになってしまって。

 火事に巻き込まれるなんて、目に見えない力で出ていくように動かされているんじゃないかって。精神的に出ていかなきゃいけないところまで追い詰められていたけど、物理的にもそうなると思いませんでしたから。

――火事に背中を押されて、再移住を決意したと。

柳生 家族全員で「住むところがないんだもん。引っ越さないとしょうがないね」って開き直りました。お焚き上げだなって。

移住がしやすい地域の条件は?
――前の集落を離れて、現在はどちらにお住まいに?

柳生 高知県の大川村です。お祭りなどイベントが何回かあったので、遊びに行くのも兼ねて2022年の9月あたりから下見をしていました。

 子どもが多いこともあって、保育園も給食費も無償で、無償の学童クラブもあったりと、子育てをめぐる環境がいいことも大きかったですね。


――人口は?

柳生 362人です。

――以前の限界集落が100人以下でしたが、ある程度の人口数も移住のしやすさに繋がりますか。

柳生 人口とパワーはイコールだとは思います。それなりに人口の多い地域に行ったほうが、僕のような経験をすることは少ないんじゃないかと。あと、人口が多くなくても移住者が定住している地域は、移住しやすい条件が揃っている証なので、そういったところで移住するのも無難ですね。

――大川村でも、地域おこし協力隊として活動を?

柳生 完全にフリーでやっていて、YouTubeの収益を頑張って立てていこうと開業届も出しています。

 今度は妻のほうが協力隊の隊員になっているんです。制度的には協力隊を使っていますけど、役場のほうで移住コーディネーターという役職を用意していただいて、移住や空き家に関する業務を役場の上司と連携して取り組んでいます。

 僕がYouTubeをやっていることは大川村の方々も知っていますので、ボンボン動画をアップすると警戒されてしまうかなと。なので、今度は慎重に進めていこうと考えています。妻を通じて、役場の推進課の課長さんや村長さんに許可をいただいて動画をやらせてもらっています。空き家も用意していただいたので、その片付けから再スタートしました。

それでも地方移住をやめなかった理由
――それなりに人口の多い地域に住んだほうがいいとのことですが、地方在住を考えてる人に「これだけは気をつけてほしい」というものがあれば教えてください。

柳生 一番大事なのは礼儀正しさだと思います。挨拶をする、ですね。どんな人間が来るのか、地域の人は気にします。僕も移住して住んでいる側になると、新しくやってくる人が気になりますから。しっかり礼儀正しく挨拶をして、自分がどんな人間かわかってもらうのが重要だと思います。

 これは私もYouTubeのコメントでいただいた指摘でもあるんですけど、最初から自己主張しないほうがいいのかなって。「自分はこの地域のここを変えたいんです」みたいなものを抱いていても、その地域には住んでいる人が大事にしてきた伝統や文化があるので。そういったところを侵害しないように、自分のやりたいことを実現していくというバランスも求められるんじゃないですかね。


――大変な思いをされたのに地方移住をやめなかったのは、なぜですか?

柳生 いま電気代やガス代が高騰していますけど、そうした経済面での不安ですね。お金の面で恐怖を覚えながら生活するのが一番のストレスで。「これからなんの値段が上がるんだろう?」って考えながら暮らすのは、ちょっとしんどいなって。

 薪風呂や釜戸でご飯を炊いたり、可能な限り自給自足をして、その魅力を発信して収入を得るのが、自分としては最も理にかなった生活なのかなって。ほんと、満員電車で通勤するのはもうこりごりなんで。



 柳生明良氏が移住していた自治体の担当者にも話を聞いたところ、「元地域おこし協力隊員がこのような動画を投稿したことや、ご本人と家族が移住を断念したことは残念に思っています。(動画の)内容については事実もありますが、事実を歪曲している部分もあると思います」と話す。



 今後はトラブルを防ぐために、地域おこし協力隊を募集する際は事前により具体的な業務内容を説明し、地域おこし協力隊員と地域の住民が直接の連絡や指示をすることは避けて、間に自治体が入ることを住民にも説明したという。
9:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/27 (Thu) 06:04:59

“移住失敗”YouTube投稿が380万再生 トラブルの原因は? 「地域おこし協力隊」当事者取材から浮上する制度の問題点
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https://news.yahoo.co.jp/articles/7b7b2a613828a1eef9c691dfadb4f514a5922252


“移住失敗”YouTube投稿が380万再生 トラブルの原因は?

 「地域おこし協力隊」として活動した男性の動画がYouTubeで380万回再生を超え、反響と共に大きな物議を醸している。

【映像】「もう限界、引っ越します」衝撃のYouTube投稿(動画あり)
https://www.youtube.com/watch?v=3kFE5k8EHmM&t=198s
https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p4705?utm_medium=web&utm_source=abematimes&utm_campaign=times_yahoo


 動画を投稿した柳生明良さん(34歳)は、都会から地方に移住し、夢だった田舎暮らしの日々を発信していた。移住先は愛媛県にある自然豊かな別子山地区。過疎化が進む人口約100人の村だった。

「いろいろ考え、離れることが最善策だと思いました。自分、地域の団体、行政の担当、三者すべてに思いのすれ違いがあり、住民トラブルが絶えませんでした」

動画を投稿した柳生明良さん(34歳)

 もともと東京で教員を務めていた柳生さん。田舎暮らしを夢見ていた中、コロナ禍をきっかけに一念発起。2021年11月、愛媛県の別子山地区に「地域おこし協力隊」の制度を使って移住したが、約1年で退任することになる。

 地域おこし協力隊とは2009年に国が始めた制度で、都市部から地方に移り住み、地域の魅力発信や活性化をサポートする取り組みだ。任期は1年から3年で、その間、給料や活動費として年間上限480万円(報償費等280万円+その他経費200万円)が国から支給され、現在も全国で6000人以上が活動している。本来なら地域を活性化させるはずの協力隊が、なぜトラブルになったのか。

柳生さんが「地域おこし協力隊」として活動した愛媛県別子山地区

 協力隊の仕事は、契約する自治体が設定できる。柳生さんの場合、活動の8割は自由にテーマを決めることができたため、古民家再生の動画づくりなど、地域のPR活動を行っていた。残りの2割は決められた地域活動に当てられたが、トラブルの発端はこの業務だった。

「別子山地域の未来を考える会の方々とトラブルになってしまった。協力隊の地域活動の2割は同会の仕事を手伝うことだった。だが、私が行政から受けた指示は『地域活動=未来を考える会の仕事ではない』と言われた。利益や雇用を生み出せている仕事ではなかったので、私としては続ける重要性やメリットをあまり感じなかった。私が『違った形で地域に貢献させてもらえないか』と言っても、団体からは『手伝わないならやめてもらう』『お前がいると次の協力隊が我々の言うことを聞かなくなる』と言われた」

 求められていた活動は何なのか。団体の代表を訪ねた。

 別子山地域の未来を考える会の和田輝世伸さんは「仕事がないと若者が住めない。若い人にいろいろやっていただきたい。そのために地域おこし協力隊の力が必要だ」と話す。

 メープルシロップが採れるカエデの栽培など、新たな特産品づくりに力を入れている別子山地域。しかし、取り組みを始めて約10年、いまだ採算の見通しは立っていない。

 先行きの見えない産業に疑問を感じ、活動から身を引いた柳生さん。そんな柳生さんに和田さんは「ある日突然来なくなってそれきりだ。できないことは『できない』と言ってくれればよかった。『これだったらできる』と提案して欲しかった。我々が書いている募集要項を見て来てもらっているから、とりあえず我々と一緒に仕事をやってもらうのが筋じゃないかと思う」と訴える。

 すれ違う両者。ニュース番組「ABEMA Prime」の取材に、地域おこし協力隊を管理する自治体は「団体が行うサトウカエデなどのサポートは契約上、必須ではなかった」とした上で、「団体の取り組みに限らず、少しでも地域活動をしてくれればいいと考えていた」と回答した。

 関係を修復できないまま、地域おこし協力隊を退任し、別子山を離れた柳生さん。「YouTubeでは、個人のプライバシーの問題に引っかかってしまって話せないこともたくさんあった」と明かす。

「何が起きたか、具体的なことは話せない。ただ、追い出されたのではなく、自分で決断して出ていった。私と妻の大人だけであれば残る選択肢もあったが、一部の人と人間関係が険悪になってしまった中で、子育てをしていくこと、妻も産後間もなかったのでケアしながら向き合っていく気力がなかった」

 動画では団体と疎遠になった後、嫌がらせめいたことが続いたと明かされている。

 これにネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「法に触れるなら、もう一回行政を通して法律的な処理をしたほうがいい。何か嫌がらせを感じても、別にその地域の人にとっては全く嫌がらせじゃない、普通のコミュニケーションだという可能性もある」と指摘する。その上で「客観的に見て問題があっても『まずは自分たちで問題を把握しよう』はできないだろう。自分たちの村のルールはずっとそれが当たり前だからだ。外部の人が来た時に、その当たり前とズレを感じる。この仕組みで日本全国がうまくいくのは無理だ。うまくいく地域はあっても、柳生さんみたいに苦労する人が今後も出てくると思う」と述べた。


■「2割の地域活動」をめぐる意見
「2割の地域活動」をめぐる3者の意見

 自治体との関係について、柳生さんは「直属の担当者との話し合いはあった。『必ずしもそれが地域活動ではないよ』というのは示されていた。私はその担当者の指示に従って動いていたので、そこは問題なかったと自分では思っている」と話す。

 YouTubeの動画の反響について柳生さんはどう受け止めているのか。

「YouTubeには約6000人の登録者がいて、その方々は応援してくれてコメントもくださっていた。そういった方々にどうして別子山で生活できなくなったか、伝えたかった。理由を説明しないといけないと思って公開した動画だった。あの動画を公開したときには、まさかこうなるとは思っていなかった。想像力がなかったことは深く反省している。新居浜市別子山はもちろんのこと、日本全国のすべての田舎がダメといった書き方をされたコメントもあって、それを印象付けたのが私の動画だ。そこは本当に申し訳ないと思う」

地方創生プロデューサーの寺本英仁氏

 柳生さんが公開した動画について、「別子山地域の未来を考える会」は「誇張された虚偽的な内容によって地域にネガティブな印象を与えたことに憤りを感じる」とコメント。自治体の担当者は「時系列や内容に歪曲された表現もある。公務員という立場で、このような動画を公開したのは残念」と述べた。

 これに柳生さんは「虚偽的な内容や歪曲された表現と話されているが、どこが虚偽的で歪曲されているのか、明確にされていない。僕からすると、自分に起きた事実を書いただけだ」と反論。「動画を公開したあと、行政の市長や管理職の方々とも話をした。その方々にも『おっしゃられていることは事実だから、これを消してという指示はできない』ということを言われている」と述べた。

 自治体職員時代に協力隊を活用した地域おこし活動をしていた、地方創生プロデューサーの寺本英仁氏は「8割と2割の話がどういう配分なのかよくわからない」と指摘する。

▲寺本氏が手掛けた事業

「もう一つは『誰に雇われているか』だ。地域おこし協力隊は、総務省から役場で事業が始まっていて、雇用主は役場になる思う。地域団体から業務を言われても、そこはちゃんと役場から『こういう内容で受け入れをしてください』と言わないと難しい。紙に書いて契約書で業務内容を確認するべきだ」

 寺本氏が手掛ける島根県邑南町の場合は、地域おこし協力隊事業を法人に委託契約し、業務内容とカリキュラムを決め、応募者に研修を受けてもらうという。

「役所の人間は異動がある。担当が変わったら、わけが分からなくなる。うちは12年くらい同じような法人で同じスキルを持った相談役がいる。ちゃんとルールさえ決めてやれば、田舎も都会も関係なく、僕はうまくいくと思う」

 その上で、寺本氏は「動画を公開したら影響力はかなりある。一方通行なので、その地域の人、自治体は厳しく思うだろう。地域おこし協力隊は公務員だ。だが、そういう教育を自治体もしているのかどうかだ。いきなり『公務員だから』と言われても、地域おこし協力隊の人からすると『えっ』となる。地域も反省すべきところはあるだろうが、動画を公開する前に自治体に相談されてもよかったのかなと思う」とコメント。

 ジャーナリストの堀潤氏は「カエデの育成などは行政の要件になかったわけだ。そもそも要件になかったことなのに、なんとなく地域の慣習でやるのは不幸だ」と指摘する。

「僕も地域おこし協力隊をいろいろ取材しているが、ちゃんとやっている地域は役所の人がすごくその人の人生を背負って一緒になって考えている。公の事業だから、本来は当事者間でこじれさせてはいけない」

(「ABEMA Prime」より)

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