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1:777
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2022/10/01 (Sat) 22:05:45
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【教えて!ワタナベさん】英国トリプル安-仕組みと構造[R4/10/1]
https://www.youtube.com/watch?v=Ixge2aQlSUs
出演:渡邉哲也(経済評論家)
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2022/10/01 (Sat) 22:15:30
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史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14040247
金融緩和するとデフレになる理由
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14038579
倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14033162
1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14035981
銀行のバランスシートと銀行破綻
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14037261
MMTは機能しない!超緊縮論を唱える元大蔵官僚 野口悠紀雄
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14035472
三橋貴明には気をつけろ・・・「日本はこんなもんじゃない」という幻想」
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14003160
40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14007513
アメリカの政策金利はこれから 5%以上に上がって世界恐慌を引き起こす
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009793
金融緩和するとデフレになる理由
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14038579
倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
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1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14035981
▲△▽▼
ついに始まる世界金融恐慌
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009793
金融緩和や財政出動をするとこういう結果になる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/555.html
公共事業や量的緩和で経済は救えない _ 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/892.html
政府が事業者を救済しても無数のゾンビ企業を作るだけで、いずれ経営破綻する
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/554.html
政府主導の事業は必ず失敗する
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1415.html
何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1564.html
量的緩和はデフレの原因
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1128.html
デフレとインフレは簡単に入れ替わる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1473.html
インフレで起きる事
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1559.html
40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14007513
アメリカの政策金利はこれから 5%以上に上がって世界恐慌を引き起こす
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009793
40年間続いた「円高の時代」は既に2011年10月に「円安の時代」へとパラダイム・シフトしていた
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14004475
日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14010201
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3:777
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2022/10/01 (Sat) 22:27:36
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ドラッケンミラー氏: インフレを引き起こした政府の間違いは長期にわたって貧困層を苦しめる
2022年9月30日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28780
ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを率いたことで有名なスタンレー・ドラッケンミラー氏がCNBCのDelivering Alpha Investor Summitで、コロナ後にインフレを引き起こした政府と中央銀行の経済政策について語っている。
「インフレは一時的」
2021年、アメリカのインフレ率は既に中央銀行の目標値である2%を大きく超えて推移していたにもかかわらず、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長やバイデン政権は、何の根拠もなくそのインフレを一時的なものであると主張し、大規模な金融緩和と財政緩和を継続してきた。
「インフレは一時的」という馬鹿げた理論によって、5兆ドルの財政刺激と5兆ドルの量的緩和が行われた。
だが実際にはインフレの芽は2021年よりも前に既に存在していた。そして中央銀行の無責任もそれよりも以前に既に存在していた。
ドラッケンミラー氏は次のように述べている。
2020年秋の金融政策を覚えているだろうか? Fedはもはや経済を予想するのを止めた。
正確には2020年8月末だが、パウエル議長は中央銀行のスタンスを変更し、2%の物価目標を修正、コロナ流行によるロックダウンでインフレ率はデフレ側に動いたのだから、インフレ率が「一時的」に2%を超えて推移するとしても平均で2%になれば良いと主張した。インフレ率が上ぶれすることを実質的に中央銀行の目標としたのである。
しかし「一時的な上ぶれ」とはどのくらいの期間を意味しているのか? パウエル氏は「一時的とは長期間ではない」などの禅問答を繰り返しはぐらかした。要するに彼には自分の政策の結果インフレ率がどうなるか分からなかったのである。にもかかわらず紙幣印刷継続を表明してインフレ率上昇を支援した。
その後パウエル氏が目指した「一時的なインフレ率の上ぶれ」はどうなったか? アメリカのインフレ率のチャートを見ればすぐに分かる。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2022/09/2022-aug-us-cpi-growth-chart.png
ドラッケンミラー氏は次のように言っている。
Fedはすべてはデータ次第だと言い、インフレが白目をむいて倒れるのを待つと言った。それでどうなったか? 彼らが白目をむいて倒れた。
インフレがウクライナ情勢のせいだという政府と大手メディアの完全に間違った出鱈目をいまだに信じている人々に言っておくが、2020年8月の時点でパウエル議長は物価高騰の可能性を認識しており、しかも2%のインフレ目標の意味を変更して実質的にインフレの上ぶれを目指した金融緩和を行なった。彼らがインフレの原因なのである。
インフレ主義という妄想
だがそもそもインフレターゲットとは何だったのか? 何故政府はインフレを目指していたのか? いずれにせよ世界中の政府がインフレ目標を口実にばら撒きを行ない、そして実際にインフレが起こった。
おかしなことだがそれで人々は文句を言っている。ここに至って人々はようやく、インフレとは物価上昇のことだと気付いたらしい。彼らは辞書を持っていなかったのだろう。
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
だがそもそも政府と中央銀行は何を目指していたのか? ドラッケンミラー氏はそこに疑問を呈する。アメリカではインフレ率が1%台の時代に、それを2%にするために莫大な金額の紙幣印刷を行なってきた。それについてドラッケンミラー氏は次のように述べている。
Fedがインフレ率を1.7%から2%まで0.3%上げるために行なった無謀なギャンブルは、リスクリワード比を考えると、1ドル得るためのギャンブルに40ドル賭けたようなものだ。
そして彼らは負けた。だがそのギャンブルで本当に負けたのは誰か? インフレで苦しむアメリカの貧困層や中流階級だ。
そしてその経済に対する反動は本当に長期にわたって続くことになる。
インフレとは物価上昇のことだという、辞書を引けば誰でも分かるようなことさえ理解せずにインフレ政策を支持してきた馬鹿たちは自業自得だが、可哀想なのはインフレ政策を支持しなかったにもかかわらず馬鹿たちのお陰でインフレを食らった人々である。
筆者のような投資家はどのような状況でも金融市場を利用して利益を稼ぐことが出来るが、彼らにとってインフレはどうしようもない。多くの人が他人の政治的妄想のおかげで困窮してゆく。
経済は景気後退へ
いくら紙幣をばら撒いてもインフレにならないことだけが、つまりはデフレだけが頼りだったのに、そのデフレはもはや存在しない。そして中央銀行はインフレによって強力な金融引き締めを余儀なくされている。
ドラッケンミラー氏は次のように述べている。
これまで上げ相場を引き起こしていたすべての追い風は、無くなっただけではなく逆転している。
インフレ主義者の頼みの綱がデフレだったというのは、あまりにも皮肉な話ではないか。だが金融緩和を頼りに何十年も上昇してきた米国株はもう終わりである。
世界最大のヘッジファンド: 40年続いた米国株強気相場が崩壊する
実体経済はどうなるだろうか。ドラッケンミラー氏は次のように予想している。
2023年に景気後退に陥らないとすれば驚愕だ。タイミングは分からないが、2023年の末までには間違いなくそうなる。
これまでの資産価格がバブルになっている状態で莫大な量的緩和から量的引き締めに移行するという、この状況を引き起こした資金の大きな流れを考えると、経済が本当に深刻な状態になる可能性も排除できない。
わたしにとってのメインシナリオは2023年の末までに経済はハードランディングを迎えるというものだ。
ドラッケンミラー氏は株価についても陰鬱な予想を立てている。それについては以下の記事を参考にしてもらいたい。
ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
まあ政府の言うことを盲目的に信じて紙幣印刷を支持した馬鹿たちは、同じように金融庁を盲目的に信じてつみたてNISAで米国株を買い込んでいるだろうから、彼らには彼らに相応しい因果応報が待っているということになる。
2022年インフレ株価暴落は個人投資家が全員退場するまで続く
金融市場とは本当に素晴らしい場所である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28780
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4:777
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2022/10/12 (Wed) 06:37:24
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マイナード氏: アメリカは利上げを撤回するのではなく、撤回せざるを得なくなる
2022年10月9日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29410
Guggenheim Partnersのスコット・マイナード氏がCNBCのインタビューで、Fed(連邦準備制度)の緩和への方向転換を予想している。Fedが強烈な勢いで金融引き締めを行なっている最中になかなか勇気のある予想だ。
金融引き締めの出口
マイナード氏はまず、以前からの主張を繰り返している。
様々なFedの連銀総裁たちと話す機会があって明らかだと思ったのは、Fedは何かが壊れるまで引き締めを強行するだろうということだ。
マイナード氏によれば、中央銀行は金融引き締めを行うが、適切なところで止めることが出来ない。金融政策の効果が実体経済に現れるまでにはタイムラグがあるので、何か悪い兆候が出た時にはもう手遅れだということである。
これは同じく債券投資家であるジェフリー・ガンドラック氏も主張していたことである。
ガンドラック氏: 金融引き締めは株価を暴落させるまで行き過ぎかどうか分からない
今、アメリカは金融引き締めをやり過ぎているのだろうか。インフレ率はいまだ8%台である。
アメリカの8月インフレ率は8.2%、発表後に株価下落の理由
そして雇用統計も強いままである。
米雇用統計ショック、9月分公表で株価が急落した理由とインフレ見通し
世界経済の亀裂
しかしマイナード氏によれば、悪い兆候は既に出ているという。彼は次のように述べている。
だが世界のあらゆるところで経済に亀裂が入っている。一番大きなものはもちろんイギリスで起こったことだ。イングランド銀行は国債市場に介入して国債を買い支えなければならなかった。そうしなければ金融危機が連鎖的に起こっていただろう。
トラス首相率いるイギリスの新政権が発表したインフレ下におけるばら撒き政策によって、ポンドと英国債が暴落した件である。
サマーズ氏: イギリス新政権のインフレ対策で暴落したポンドは更に下落へ
他にもアメリカの金融引き締めによってドル円が高騰しており、日本政府が為替介入する一幕もあった。
サマーズ氏: 為替介入でドル円が急落したらドル円は買い場
インフレと金融引き締めの二重苦で、世界経済はかなり傷んでいるというのがマイナード氏の見方である。
Fedは方向転換するのか
だが今のところ、アメリカの金融政策が変わりそうな気配はない。雇用統計が強かったことから、市場は11月の会合で0.75%利上げを織り込んでいる。
マイナード氏は次のように続ける。
中央銀行家の話に耳を傾ければ、彼らはインフレの話ばかりしている。金融市場の状況には誰も注意を払っていない。
だがわたしの考えでは、それは彼らが金融市場の状況に反応しないということを意味しない。彼らは恐らく反応せざるを得ない状況に追い込まれる可能性が高い。何故ならば、金融市場が中央銀行に方向転換を強いるだろうからだ。そしてそれまで数週間(原文:weeks)しか時間がないだろう。
数週間とはなかなか具体的な予想ではないか。
しかし米国株が25%暴落しても、アメリカ経済が景気後退に陥っても、金融引き締めは止まる気配がない。
ついに景気後退入りした第2四半期アメリカGDP、通年の景気後退もほぼ確定か
パウエル議長も一貫してそのように言っている。この状況でアメリカが緩和に転換すると言っても、信じられない投資家が多いはずだ。
忍び寄る金融危機
ではマイナード氏はどういうシナリオを想定しているのか? 彼は次のように続ける。
歴史的には、金融危機は中央銀行が引き締めを行なっている時に起きるものだ。そしてそれは金融市場の非常に暗い片隅から現れる。
1987年には中央銀行の金融引き締めのために株式市場が崩壊した。だがブラックマンデーのようなことが起こるとは誰も予想していなかった。
ポール・チューダー・ジョーンズ氏を除けばということだろう。
マイナード氏は以下のように続ける。
同じことが(訳注:カリフォルニアの)オレンジ郡の突然の財政破綻にも言える。誰もそれを予想していなかった。
カリフォルニアのオレンジ郡は地方政府でありながら1994年に何とデリバティブ取引で多額の損失を出し財政破綻した。
マイナード氏は更に例を挙げる。
そしてもちろん1998年のLTCM(訳注:破綻したヘッジファンド)だ。当時もFedは利上げをしていた。
このヘッジファンドはオプションなどレバレッジのかかった巨額の取引をしていて、損失のためにすべてを売らなければならなくなった。最終的には中央銀行介入し、金利を下げることで市場を救済した。
LTCMは金融工学でもっとも重要な方程式であるブラックショールズ方程式を考案したノーベル賞受賞者などを擁したヘッジファンドで、市場全体に影響を及ぼすほどの巨額の資金を運用していた。
つまり、マイナード氏がFedは方向転換せざるを得ないと言う時、彼が想定しているのは経済成長率の低下や失業率の上昇ではない。予想できない何らかのショックが突然現れ、インフレ率がその時何処にあろうが中央銀行が緩和を再開しなければならなくなるということだ。
マイナード氏は次のように言う。
われわれはそうした状況に近づいていると思う。
結論
事実、イングランド銀行はそういう状況に追い込まれた。国債の暴落が止まらなくなったのでインフレ率が何処にあろうが国債の買い入れを余儀なくされた。
イギリスだけの問題であれば世界経済には影響を与えないかもしれない。だがイギリスが直面した問題に他の国も直面するようになるということをゾルタン・ポジャール氏も言っていた。(彼はそうなることをイングランド銀行の件よりも前に予想していた。)
ポジャール氏: 中央銀行は金利高騰か通貨下落かを選ぶことになる
投資家は「インフレが続く限り金融引き締めは続く」という前提を見直す必要があるかもしれない。マイナード氏は次のように締めくくる。
今の環境は金融危機にとって適切なものとなっている。恐らくFedはそうするだろうが、タカ派の主張を続ける限り、いずれ金融市場で何かが崩壊するだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29410
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5:777
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2022/10/16 (Sun) 09:48:14
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サマーズ氏: イギリスのばら撒きは危機創造のお手本、問題はまだ終わっていない
2022年10月15日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29747
アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergのインタビューで、イギリスのトラス政権の経済政策でポンドと英国債が急落した件について引き続き語っているので紹介したい。
イギリス新政権の混乱
日本でも円安が止まらないことが話題になっているが、イギリスではトラス新首相がクワーテング財務相とともにインフレ対策のばら撒き政策を発表し、ポンドと英国債が急落していた。
サマーズ氏: イギリス新政権のインフレ対策で暴落したポンドは更に下落へ
政策には法人減税や家庭の光熱費を補填することで価格に上限を設ける政策などが含まれており、当然財源などないことから金融市場が大荒れになったのである。ちなみにクワーテング氏は光熱費に上限を設ける政策では半年に600億ポンドが費やされると主張していた。
イギリスではインフレ率が10%に近づいている状況下で、半年でイギリスGDPの3%ほどがばら撒かれ、しかも彼らはそれが2年続くと主張している。国債が暴落したのも当然である。
ちなみに新政権はこの予算案を「ミニ予算」と呼んでいる。皮肉の本場であるイギリスの政治家は自分の予算案にもそれを惜しまないらしい。
この「ミニ予算」による混乱は、イングランド銀行が短期的に国債を買い支えることで問題が保留されている。買い入れ期限は今週金曜で、ベイリー総裁はその間にトラス新政権に方向転換を促した形だが、あろうことか英国債に放火した張本人であるところのクワーテング氏は、買い支え終了で問題が生じれば「ベイリー総裁の責任」だと言い放った。
クワーテング財務相を解任
結局この問題はどう進展したか? トラス首相はクワーテング財務相を解任した。イングランド銀行による緊急買い入れは金曜日で終了したが、来週から市場がどう動くかは不透明である。
トラス首相は市場の言葉を聞いたとして、法人減税を撤回したが、筆者の意見では問題はそこではない。サマーズ氏はどう考えているか? 彼は次のように述べている。
これは危機創造の見本のようなケースであり、恐らく危機対応の失敗の見本へと進化するだろう。
「ミニ予算」はまだ実行されていないが、国債が暴落した時点で危機は既に発生しており、しかもトラス政権はその対応にも失敗するだろうとサマーズ氏は言っているのである。
筆者の見解では最大の問題は明らかに半年でGDP3%に及ぶ光熱費への上限設定である。インフレで政府がこうした政策を持ち出して問題を引き起こすことは去年1月の記事で既に書いておいた。
インフレが制御不能になれば政府は価格統制を始める (2021/1/22)
残念ながら、すべて事前のシナリオ通りである。
サマーズ氏は危機がまだ終わっていないとして、次のように述べている。
現時点が野球で言えば9回中7回であるとすれば驚きだろう。
来週以降の動向
問題は来週以降どうなるかである。サマーズ氏はイングランド銀行が国債買い入れに期限を設定したのは失敗だったとして、次のように述べている。
軍事介入をする時には、いつまでに撤退するかを表明するべきではない。そうしてしまえば敵を調子付かせてしまうからだ。
だが恐らく期限を切らなければトラス氏は何も決断しなかっただろう。ここで再びいつものフレーズを言わなければならないが、馬鹿は殴られるまで理解しない。イングランド銀行が永久に国債を買い支えると言えば、トラス氏とクワーテング氏は「ミニ予算」を実行し、インフレ下で緩和を行ない続けて通貨安が止まらなくなっている何処かの国のようになっていただろう。
サマーズ氏: 為替介入でドル円が急落したらドル円は買い場
クワーテング氏の後任にはテリーザ・メイ政権で外相を務めたジェレミー・ハント氏が就任し、次のように比較的まともなことを言っている。
人々や市場が望んでいるもの、イギリスが今必要としているものは、安定だ。
金融市場をコントロールできる財務相はいない。だがわたしにできることは、われわれが自分たちの財政政策を賄えること、そして支出と課税の両方についていくらかの非常に難しい決断をしなければならないことを示すことだ。
ハント氏はこのように財政支出だけではなく政府の収入の方にも取り組むと表明している。
結論
だがハント氏の意向がそうだとしても、元々無茶苦茶な財政プランを示していたトラス首相が突如まともな経済政策を行ない始めるとは考えがたい。光熱費制限はどうなるのか。そもそもトラス氏の支持率は地を這っており、首相を続けられるのかも不透明である。
このように非常に混沌としているイギリスの状況だが、唯一の救いは意図的に自国通貨を暴落させた首相の支持率が低いことではないか。
何処かの国ではインフレに放火する政党が大きな支持を得たままでいる。イギリスと日本の民度の差だろう。
日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29747
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6:777
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2022/10/18 (Tue) 15:50:21
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2022年10月18日
イギリスが年金破綻のおそれ、デリバティブで巨額損失
イギリスは結構つらい事になっています
国債を海外投資家に依存した罠
米経済メディアBloombergなどによると英年金基金の債務主導投資(LDI)に関連したデリバティブ評価損が最大1500億ポンド(約25兆円)の可能性がある
損失額はJPモルガンの試算によるもので英年金基金はマージンコールに対応するため資産売却を進めています
マージンコールとは口座維持に必要な証拠金を割り込んだ時、金融機関から追加の入金を求められることで、必要額の75%を下回ると強制決済になります
例えば10万円を入金して2倍の20万円を何かに投資し、対象の指数が半額になったら含み損が10万円なので口座残高はゼロになります
実際は残高ゼロになるかなり前に追加入金を求められ、入金しなければ決済になり含み損は確定損になってしまう
投資初心者が必ず経験する道ですが、投資のプロである英年金基金がこんな事をやっていました
英年金基金の債務主導投資(LDI)評価損は1250億-1500億ポンドで、デリバティブ取引で巨額損失を出す恐れがある
損失のきっかけはトラス新政権の大規模減税策による金利上昇で、2倍から4倍のレバレッジをかけてLDI運用をしていた
LDIは金利スワップなどを用いて年金の積み立て不足を補うもので投機的ではないが、金利の急変動で見込んでいた利益が損失に変わったとみられる
英年金基金の運用は分からないが例えばイギリスが低金利で他国が高金利だと、高金利通貨に投資することで金利収入を得られます
これがある日イギリスの方が高金利になれば逆に毎日金利分を支払う事になり、レバレッジが4倍なら4倍の損失が毎日発生します
デリバティブ投資の多くは受け取る利益が僅かなのに、損失時に無限に損失が拡大する性質を持っています
デリバティブと海外投資家
例えば「毎日確実に100円を受け取れるが、万が一1ドル150円を超えたら100万円を支払う」のように、一見ありそうもない事を契約に書いてあります
ところが歴史的にこうした「ありそうもない事」は実は10年か20年に一度発生していて、その度に巨額損失で破綻する
イギリスの債務主導投資(LDI)は1・5兆ポンド(約250兆円)で、英国機関投資家全体の運用資産の4割も占めている
つまりイギリスの投資の4割は金利の急変動で損失を出している事になり、国家的な危機に発展しています
経緯を見ると首相候補に立候補したトラス氏が大規模減税を公約に当選し、英国債の市場価格が下落し国債金利が上昇した
イングランド銀行(中央銀行)は緊急国債買い入れを実施し、年金基金は資産を売却してマージンコールに対応し強制決済を防いだ
強制決済防止には3200億ポンド(3550億ドル)、約50兆円近くが必要で50兆円を入金しないと25兆円を失います
イングランド銀行は日銀のように国債を買い入れたが無限ではなく10月14日までに終了したようです
英国債の40%ほどを海外が保有しているとみられ従来中央銀行による国債買い入れはゼロ、中央銀行が国債を無限に買い取っている日本と構造が異なります
国債の海外保有率が高いと通貨下落は投資家の損失になるので、国債投げ売りから暴落の流れになりやすい
日本は円安になっても国債投げ売りは起こらず日銀がまた買い取るだけです
https://www.thutmosev.com/archives/89212864.html
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7:777
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2022/10/23 (Sun) 14:37:08
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アングル:生活費高騰の英国、追い詰められ性産業に走る女性ら
[ロンドン 18日 トムソン・ロイター財団] - オンラインでのセックスワーカーとして働くマーサさん(29)は、英国の生活費危機のために収入が減りつつあるという。生活費の急騰でバイシュンに走る女性が増え、競争が激化していることが一因だ。
オンラインでのセックスワーカーとして働くマーサさん(29)は、英国の生活費危機のために収入が減りつつあるという。生活費の急騰でバイシュンに走る女性が増え、競争が激化していることが一因だ。写真はショッピングバッグをぶら下げて歩く女性ら。英中部ボルトンで2021年12月撮影(2022年 ロイター/Phil Noble)
身元を伏せるため仮名を条件に取材に応じたマーサさんは「誰もが稼ぐのに必死で、少ない対価で多くのサービスを提供するようになっている」と語る。
「家計がさらに苦しくなれば、状況はさらに悪化すると心配している」とマーサさん。ここ数カ月で、収入は以前の1日250ポンド(約4万2000円)から150ポンドに減ったという。
マーサさんは昨年、人員整理で解雇された後にこの仕事を始めた。その後、小売業で販売アシスタントの仕事にも就いたが、出産に備えて貯金をしており、生活費が高くなった分を賄うために副収入が必要なのだと語る。
英国各地の慈善団体やセックスワーカーによる労働組合は、今年に入って性風俗業を開始・再開する人が増えていると報告している。同国では消費者物価指数(CPI)の上昇率が、主要7カ国(G7)で最高の前年比約10%に達するためだ。
バイシュン婦組合(ECP)では、6月に性風俗業を始めるための支援を求める相談者が30%も急増した。また慈善団体「ビヨンド・ザ・ストリーツ」によれば、性風俗業を再開・拡大する女性は増えているという。
女性セックスワーカーを支援する慈善団体「マンチェスター・アクション・オン・ストリート・ヘルス(MASH)」では、2021年12月から2022年4月にかけて新規の支援利用者が100人を超えた。四半期としては4年ぶり最多の数字だ。
性風俗業への参入者が増える一方、利用者の財布のひもが固くなればなるほど、従事者が不本意なサービスの提供を強いられる、あるいはより大きなリスクを取らざるを得なくなる恐れがあると支援活動家らは警告する。
「生活が苦しくなるほど、いつもならやりたくもないサービスを提供することになる」と、ECPの広報担当者ローラ・ワトソン氏は語る。
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お金のための性行為は英国では合法だが、支援団体は、バイシュン業への勧誘や手助けを禁じる法律によってセックスワーカーへの支援が阻害されており、性風俗業を始める人々をかえって危険にさらす可能性があると語る。
「誰にも相談することなく、初めて性風俗業に就くことになる――そのことが安全に及ぼす影響を強く懸念している」とワトソン氏は語る。
<副業としての性風俗業>
英国は世界第5位の経済大国だが、食料・エネルギー価格の上昇率は引き続き賃金上昇率を上回っており、今年の春、国内労働者の実質賃金の下落幅は2001年以降で最大となった。やむなく副業を探すようになった労働者は多い。
保険会社ロイヤル・ロンドンが最近行った調査によれば、英国では500万人以上の労働者が、高騰する生活費を賄うため副業を始めたという。
その中には性風俗業を選ぶ人もいる。就業時間が柔軟である上、一時的にせよ定期的にせよ、手っ取り早く副収入が得られるという魅力があるからだ。
ECPのワトソン氏は「多くの女性は他に仕事があるか失業手当の給付を受けており、収入を増やそうとしている」と語る。
「何とか最低限の生活費を賄おうと、街頭に立つ女性もいるだろう」とワトソン氏は言い、ECPネットワークの約70%は母親だと言葉を添えた。
ADVERTISEMENT
慈善団体「ヤング・ウィメンズ・トラスト」の調査では、生活費危機による影響は男性よりも女性の方が深刻であることが判明している。シングルマザーの約半数が過去1年のうちに食料品や生活必需品を購入できない状況を経験しており、若い母親の10人に3人は、子どもに食べさせるために自分の食事を抜いたことがあるという。
同団体のクレア・レインドープ最高経営責任者は、低料金の保育サービスや、いつもの仕事で残業を増やして収入増を図れるような就業機会に恵まれている女性は多くないと語る。
だが、ヨーク大学ビジネス社会学部の博士研究員であるテス・ハーマン氏によれば、性風俗業では労働者保護が手薄であり、インフレでもサービス対価を引き上げることは困難だという。
「公共料金も食料品も値上がりするが、賃金の多くは横ばいだ。不安定な職種やギグ・エコノミー(単発請負型経済)では特にそれが顕著だ」と同氏は分析する。
<低下する交渉力>
マーサさんは、デジタルコンテンツのサブスクリプション(サブスク、定額制)サービス、アダルトサイト、そしてツイッターで直接連絡してくる顧客向けに、成人向けコンテンツを制作している。
報道によれば、オンラインのセックスワーカーに顧客から支払われる金額は減少している。顧客からの支払いとしてはサブスク料金やペイ・パー・ビュー方式での支払いのほかに、直接依頼したコンテンツの対価をセックスワーカーに払う、あるいはチップを与えるといった形がある。
サブスクサービスでの成人向けコンテンツ制作者の中には、最近2カ月で収入が30%減少したという声もある。他方で、このサービスの透明性に関する報告書によれば、制作者用アカウントの申請は今年9月、前年比で20万件近く増加したという。
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労働組合「ユナイテッド・セックスワーカーズ」の広報担当者オードリー・カラドンナ氏は「パイが小さくなっているのに、取り合う労働者が増えれば、顧客に対する労働者側の交渉力は大幅に低下する」と語る。
性風俗業を始める人が直面するリスクについて、カラドンナ氏の見方はワトソン氏の懸念と同じだ。オンライン性風俗業の規制に向けた2つの新たな措置により、経験の浅いセックスワーカーがリスクの大きい仕事に向かうことになりかねないと同氏は指摘する。
1つは、決済事業者である米マスターカードが昨年、アダルトサイトに関するポリシーを厳格化したこと。もう1つは、英国のオンライン安全法案が、ウェブサイトから性的な広告を締め出す方向に動いていることだ。
カラドンナ氏によると「バイシュン行為で知られる地域で働く人が増えれば警察と接触する機会が増えるため、もっと孤立した地域で働かざるを得なくなる。そうなれば、支援から遠ざかる分だけ、危険性ははるかに高まる」という。
こうした懸念はあるものの、困難な状況下、性風俗業のおかげで経済的な安定が得られたとマーサさんは語る。
「この仕事がなければ切り抜けられないと思う」
(Beatrice Tridimas記者 翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/britain-economy-women-idJPKBN2RG0GN
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8:保守や右翼には馬鹿しかいない
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2023/01/08 (Sun) 05:38:44
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英国で看護師10万人が一斉スト“公的医療守るために賃上げを” インフレで生活苦、人手不足で現場激務「働く者が生きられぬ」
国際2023年1月5日
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イギリス国内でストライキをおこなう看護師たち(昨年12月15日)
イギリスでは現在、医療、鉄道、高速道路、空港、港湾、郵便、バスなどさまざまな公共サービス労働者が国内全土でストライキをおこなっている。2年以上もの間続いている新型コロナウイルスによる経済的疲弊、ウクライナ戦争の下でロシアからのガス供給ひっ迫によるエネルギー価格の暴騰、高インフレなどにより国民の生活費負担が急増している。こうしたなか、王立看護協会(RCN)は昨年12月から、106年の歴史上初めてストライキを実施している。医療現場では人手不足、物価高騰に賃上げが追いついておらず、実質賃金は2010年に比べ20%も下落している。こうした状況を変えるため、10万人をこえる看護師が行動し、国と直接対峙してインフレ率に対応した19%の賃上げや医療現場の救済を求めている。これに呼応するようにあらゆる公共サービス職員によるストが全国に急拡大している。
◇ ◇
記録的な物価の上昇が続くイギリスで昨年12月15日、国営の国民保険サービス(NHS)の看護専門職による労働組合「王立看護協会」(RCN)が、106年の歴史のなかで初となるストライキを決行した。看護師たちはそれぞれの病院前にピケを張り、国による公正な賃金の確保と、国民にストライキ支持を訴えている。こうした姿に道行くバスやタクシー労働者がクラクションを鳴らして応える姿も珍しくない。ピケに加わるNHS看護師も日に日に増えているという。
RCNは、世界最大の看護組合であり専門家団体だ。50万人近くの看護師、助産師、看護支援従事者、学生が協力して専門職の向上にとりくんでいる。今回のストについてRCNは、看護師たちが直面する「生活費の危機」がさらに悪化するなか、インフレ率を5%上回る19%の賃上げを政府に求めている。
NHSに所属している看護師たちは、低い給与を理由にその多くが離職しており、現場では深刻な人手不足と過重労働が続いている。昨年9月末時点で、英国内では常勤相当の看護師4万7496人が欠員し、欠員率は11・9%となっている。
新型コロナウイルス感染拡大のなか、英国内の医療従事者は人手不足による激務のなかで医療に貢献してきた。英国政府は医療従事者への感謝とねぎらいのため国民に拍手を呼びかけるなどしてきたが、賃金自体は一貫してインフレ率を下回っている。看護師たちの給料は現在、昨年と比べて実質約5000㍀(約83万円)も減少している。また、実質賃金は2010年以降20%も低下している。
エネルギー価格をはじめとした物価高騰が深刻化するなかで「1カ月分の給料がすべて家賃で消える」という看護師も少なくない。さらに職員の3人に1人が自宅の暖房代や家族の食費をまかなえていないという。
複数の国民保健サービスの病院を運営する国内各地の「NHSトラスト」は現在、その4分の1以上が、職員たちを飢えさせないためにフードバンクを運営している。また、自宅の光熱費を抑えるために職場に寝泊まりする看護師もいるという。
こうした状況を改善するべく昨年12月12日、RCN書記長兼最高経営責任者のパット・カレンは、スティーブ・バークレー保健長官と会談し、正式な賃金交渉の開始を求めた。だが保健長官は報酬について話し合うことを拒否したため、RCNは予定通り12月15日、ストに突入した。
RCNは今回のスト実施の理由について、「看護師や職員が燃え尽きてしまえば、患者の看護と安全に対する懸念が生じるため」だと説明している。RCNは、106年の歴史のなかで初めて踏み切った今回のストをめぐり「看護師は、ヘルスケアのなかでもっとも安全性を重視する職業であり、患者ケアにおいて重要な役割を担っている。にもかかわらず、国による投資不足が長年続き、看護師は依然として人手不足で、過小評価されている。政府は看護職を守り、患者ケアを守るために早急に行動する必要がある」と訴えている。
RCNは今回のキャンペーンで以下のことを目的としている。
▼看護専門職の給与は一貫してインフレ率を下回っており、生活費の危機によってその事実が悪化していることを認識するとともに、それを反映させ大幅に引き上げること。
▼看護職員が日々発揮している訓練、資格、技能、責任、経験を大切にすること。
▼看護師が魅力的でやりがいがある職業とみなされるようにし、何万もの未充足の看護師ポストの確保に取り組むこと。
▼インフレ率よりも5%高い賃上げを確保すること。
RCN側は、「この要求に対する政府の対応は、NHS以外で働く看護職員にも当然与えられるべきものである。看護職員が職場や部門に関係なく、同じように公平な賃金を受ける資格がある」としている。また、看護師の賃上げと患者の安全のために、自身の1日分の賃金をも顧みずストに立ち上がった看護師たちを支援するための「ストライキ基金」への寄付を呼びかけている。 こうした看護師たちの要求に対し、スコットランドでは、政府が平均7・5%の賃上げを提案し妥結を図った。しかしRCN側はこれを「圧倒的多数」で拒否しており、組合は新年にストライキの日程を発表する予定だ。
イギリスでは昨年12月20日、スコットランドを除くイングランド、北アイルランド、ウェールズで再びRCNのストライキがおこなわれた。最大10万人の看護スタッフが、何年にもわたって実質賃金が減り続けていることや、NHSにおける患者の安全が脅かされていることに抗議した。
RCN側は「首相は、看護スタッフが病院の外に立つ動機は何なのかを自問する必要がある。彼らは自分たちの懸念を聞いてもらうために、1日分の給料を犠牲にしている。彼らの決意は、個人的な苦難よりも、患者の安全とNHSの将来に対する懸念から生じている」と訴えた。
さらに「英国政府がストライキ終了から48時間以内に対応しない場合、2023年1月のさらなるストライキの日程を発表せざるを得なくなる」と警告。これに対し英国政府はまたも交渉に応じることはなかった。
ストライキに対しスナク首相は12月23日の声明で「本当に悲しいし、特にクリスマスの時期に、非常に多くの人々の生活に混乱が生じていることに失望している」とし、労働現場の要求に応じない構えを示した。
政府の姿勢を受けRCN側は、1月にも18日と19日にストライキを実施することを発表。今後の政府の対応次第では5月まで続くことを予告している。
看護師たちに呼応するように、昨年12月21日にはイングランドとウェールズで、1万人以上の救急隊が少なくとも9カ所でストをおこなった。救急隊は職場を離れてピケの列に加わり、賃金の引き上げとより良い労働条件、人員配置を要求した。
こうした現場の抗議に対し、政府は賃上げに対応せず、代わりに軍を救急現場動員するなど対応に追われている。運転手などの救急業務の一部を代行するため、事前の訓練などもおこない750人の軍人を待機させた。
政府が賃上げを拒否したことを受け、救急隊員たちは今年1月にも11日と23日にストを予告している。生命を脅かす「999番通報」や、もっとも重大な緊急電話には、引き続き対応する。
救急隊のストに関わっている労組の一つ「UNITE」の書記長は「このストライキは厳しい警告だ。私たちは政府から国民保険サービス(NHS)を救うために立ち上がっている。患者の命はすでに危険にさらされているが、政府は傍観者として座ったままで、危機を救う責任から逃げている」「閣僚たちは、膨大な数のNHS労働者の生活を守るという切実な必要性に対処できていない」と批判している。救急隊員によるストは28日にも予定されており、英国政府は軍の派遣を1200人に増員した。
NHSイングランドの最新データ(昨年12月20日現在)によると、昨年12月から看護師や救急隊員によるストライキが始まって以来、約3万5000件の手術と外来予約がキャンセルされているという。
空港や鉄道、郵便局でも ストの波が急拡大
公務員組合(UNISON)のクリスティーナ・マカネア書記長は組織のホームページで「NHS全域のストライキに政府は真剣に耳を傾けるべきだ。パンデミック時に国を救った勇敢なNHSスタッフが、現在のNHSの深刻な危機に注意を喚起するために、この困難な労働運動を起こしている。政府は我々と建設的な交渉をせずに責任を押しつけてくるだろう。しかし、給与や人員配置、そして最終的には患者のケアを改善するという私たちの目標をあきらめるつもりはない」とコメントした。
さらに全国でストライキをたたかう職員に対して「NHSの現状と、その結果引き起こされた今回の労働争議は、あなたたちのせいではない。今日の政府は、過去12年間の自身の行動に対する責任から目をそらしている。国民に安全で信頼できる一流の医療サービスを提供できなかっただけでなく、衰退させた。給与について話すことを拒否するだけでなく、まともで建設的な労使関係を築くことができないことも証明している。今は、私たちの行動が合法的で正しいものであることを忘れないでほしい。NHSの未来は、私たち全員のたたかいにかかっているし、たくさんの個人や組織から支援のメッセージが届いている。多くの国民が私たちを応援している」と訴えている。
UNISONは、教育、地方自治体、NHS、警察サービス、エネルギーの分野で公共サービスを提供する現場で130万人をこえるメンバーを擁する英国最大の組合だ。
英国全土のあらゆる公共サービスで連帯してたたかわれているストには、UNISONや、看護専門職の組合「RCN」、鉄道・海事・運輸組合「RMT」など、国内の大きな組織が一致し、インフレ率上昇に合わせた公正な賃金を支払うこと、職場環境改善や人員配置を国に求めている。
医療現場以外の公共サービス現場でも、年末年始にかけてストの波が急速に広がっている。
現在、ロンドンのヒースロー空港では、昨年12月23日から26日までと、同28日から31日までの期間に、英国出入国管理局のストライキが実施されている。日本にも影響があるため、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、この期間中に英国に入国する場合、入国審査カウンターでの待ち時間が通常よりも長くなる可能性があるとの注意喚起をおこなっている。
ヒースロー空港では入国審査官の約75%が組合員であるため、ストによって入国ゲートは大混雑が予想される。冬の休暇は空港が混雑する時期で、影響は数十万人に及ぶ見込みだ。政府は軍人600人以上を投入し、パスポート審査を代行するために訓練をおこなっている。
イギリス国内の空港や港湾で働いている国境警備隊職員、空港の手荷物取り扱い職員もストをたたかっている。公共商業サービス組合(PCS)は昨年12月23日、政府が賃金交渉を拒否し続ければ、争議行為がさらに激化すると警告した。PCSは、政府が今年国境警備隊職員に2%アップの給与を提示したがこれを拒否し、賃上げ10%を要求している。
クリスマスシーズンを通して鉄道労働者によるストライキも実施されている。その結果、車で移動する人が増えており、道路が通常よりもはるかに混雑する事態となっている。しかし同時に高速道路のメンテナンスや保安職員なども連帯してストライキをたたかっているため、今後かつてない混乱状況を招くことが予想されている。交通事故や道路の落下物などに対応する職員や、管制センターの職員が少なくなれば、交通規制や通行の再開を円滑におこなえなくなり、さらなる混乱を招くこととなる。
現在国内では道路の渋滞を避けるために、のべ何百マイルもの道路工事がストップし撤去されている。ストの影響はこうした他業種にも及んでいる。それでも大幅な渋滞は避けられず、すでに一部地域の道路では深刻な渋滞が発生している。
これらのストを組織している全国鉄道・海運・運輸労組(RMT)は、生活費の上昇に合わせて値上げを要求している。今月のストライキは、何百万人もの人々が家族や友人に会いに旅行したり、観光目的でイギリスを訪れたりする時期に実施される。鉄道会社は、イギリス全土のサービスが縮小され、一部の地域では完全に停止すると警告している。
郵便業務を担う「ロイヤルメール」もクリスマスイブからストに突入しており、クリスマスカードが届かない事態となっている。また、運転免許試験官たちも年末から年始にかけ毎週5日間ストをおこなう。そのため国内の運転免許試験場では試験や指導が受けられなくなるなどの影響が予想されている。
英「フィナンシャル・タイムズ」によると、多業種にわたるストの影響で、12月の労働損失日数は100万日をこえる見通しとなっている。サッチャー政権時の1989年以来33年ぶりの高水準だという。
300万人が光熱費払えず ウォームバンク設立も
英国内でこれほど公共サービス労働者の賃上げ要求が高まっている背景には、大幅な物価上昇による生活苦がある。英国内のインフレ率(前年同月比)は、昨年10月に市場予想(10・7%)を上回る11・1%をつけ、1981年10月以来、41年ぶりの高水準となった。エネルギーおよび食品価格の高騰が主因とされ、先進国でも最悪の事態となっている。英中央銀行・イングランド銀行は昨年11月末、統計開始以降最長の景気後退に直面していると指摘。「経済は非常に困難な2年間に見舞われる可能性がある」と警告した。
英国内の消費者物価は昨年1月から11月までで8・9%上昇したが、エネルギー価格においては46・3%も上昇している。うち電気は62・4%、ガスは73・5%、液体燃料(ガソリン・灯油など)は実に110・9%も価格が上昇している。こうした負担増に対しては、政府補助がもうけられているものの、電気ガス代が月に400㍀(約7万円)をこえる家庭も珍しくないという。
昨年10月1日には、政府がエネルギー価格の上限を80%引き上げ、平均エネルギー料金は年間3549㍀(約57万円)と暴騰している。さらに日常生活に必要な牛乳や植物油、パンやパスタなどの食品価格もじりじり上昇している。家計への圧迫を理由に、光熱費を滞納している人は、英国内で少なくとも300万人いるといわれる。
また、金利の急上昇がくり返されたことにより、住宅ローンの支払いが大幅に増加している人も急増している。さらに、家主が住宅ローンの請求額を増やしているため、賃貸料は過去最高の割合まで上昇している。
そのため英国内ではこの冬、「Heat or Eat」(食うか暖をとるか)といわれており、全国各地にフードバンクならぬ「Warm Bank(ウォームバンク)」の設立が急増している。ウォームバンクとは、電気代高騰のなかで自宅の暖房を使用する余裕がない場合に、無料で暖をとることができるスペースのことだ。現在、英国内の慈善団体や教会、コミュニティセンター、図書館、美術館、企業などが、計約3700ものウォームバンクを開設している。多くの施設が食事や温かい飲み物、インターネットアクセスを提供しており、ウェブサイトにマップを掲載して利用を呼びかけている。
英国内における物価高騰の主な原因は、ウクライナ戦争により、ガス価格が記録的な水準にまで上昇したことだ。
イギリスだけでなく、EUの平均家庭用電気料金も急激に上昇した。ヨーロッパはエネルギーの約34%をガスから得ており、ロシアはウクライナとの戦争が始まる前に、EUのガス輸入のうち40%を提供していた。しかしウクライナ侵攻後、ロシアは最大の輸出先である欧州への天然ガス輸出を大幅に削減した。主要パイプラインであるノルドストリームを通じた供給停止も加わり、今年秋時点で欧州への供給量は9割減少した。昨年1年で見ても前年比7割減となる見通しだ。
欧州全土でエネルギー価格が高騰し物価高が深刻化するなか、フランスでもストライキがたたかわれている。クリスマスの週末には、国内の列車の車掌の半数近くがストライキをおこなった。国立鉄道当局によると、昨年12月23日には予定されていた列車サービスの30%がキャンセルされ、週末にはさらに40%がキャンセルされた。
他にも、EU圏内ではイタリア、オーストリア、オランダなどの鉄道労働者が賃上げを求めたストライキをおこなっており、来年以降も断続的におこなわれる。ドイツでは昨年11月末から12月にかけて、医療従事者が生活費に見合った賃上げを求めたストをおこなっている。
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/25450
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9:保守や右翼には馬鹿しかいない
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2023/01/08 (Sun) 05:39:53
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電気代5倍になった英国 自国民への制裁ではないか? ガソリンも食料も高騰 「武器支援やめ停戦合意を促せ」
2022年4月20日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/23322
深刻なエネルギー危機が欧州を襲っている。新型コロナ・パンデミックを契機にして、原油や天然ガスの国際取引価格が高騰していた矢先にウクライナ危機が勃発。ロシアへの対抗措置としてアメリカが主導する西側諸国は対ロ制裁を強化したが、エネルギー輸出大国であるロシアに依存していた欧州各国では燃料費や電気料金の高騰に拍車がかかっている。制裁の代償は各国の人々の生活を圧迫し、飢餓や社会不安を生み出しており、世界各地で「ロシア制裁やウクライナへの武器支援をやめ、財政を国民生活のために回せ」「早期停戦させ、無益な代理戦争を長期化させるな」というデモや抗議行動が頻発している。エネルギーの大部分を海外に依存する日本にとっても対岸の火事ではない。
生産、加工、供給までグローバル化が進行した世界経済において、一つの国や地域の混乱や孤立が、世界全体の供給システムを麻痺させることを新型コロナ・パンデミックは教えた。ワクチンや医薬品の普及によって消費地である先進国の経済活動が再開しても、生産拠点であるアジアなどの途上国がパンデミックから復興しなければ、食料、エネルギー、機械、自動車、建築資材、医薬品に至るまで供給が滞り、価格が高騰する。限られた資源をめぐって各国の奪い合いが激化し、競争力の乏しい国ほど甚大な打撃を被っている。
対ロ制裁をめぐっても必然的に同じことが起きている。とくにロシアは世界有数のエネルギー供給国であり、その恩恵を受けてきた欧州にとって影響は甚大だ。
アメリカと並んで強硬に対ロ制裁の旗を振るイギリスのジョンソン政権は、EUから離脱しているため欧州各国に先行する形でロシアへの制裁措置をうち出した。イギリスは、ロシアの富豪が資産を蓄財する中心地でもあったため、英政府はロシアのプーチン政権に親しい120の企業や個人を対象にした資産凍結や渡航禁止を勧告し、ロシア国営エアロフロート航空の英国領空通過の拒否も決定。さらにロシアを国際決済システムSWIFT(国際銀行間通信協会)から締め出したほか、ロシア産原油や天然ガスの禁輸措置に踏み切った。
企業レベルでは、石油大手シェルがロシア産原油の購入停止を含む同国事業からの全面撤退を発表し、同社がコンソーシアムの一員として融資をおこなっていた、ロシア産天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」への関与も停止。サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からも手を引いた。
ところが、コロナ禍で停滞していた各国需要の回復によって原油・ガス価格が高騰していたところに、ロシア産原油や天然ガスの供給が滞ることへの懸念が価格をさらに押し上げ、英国における電力卸売り価格は1㍋㍗時当り250㍀(約4万円)以上に急騰【グラフ参照】。ガス価格も同様に1年前に比べて5倍以上の値上がりとなっている。これまで一般家庭で月額58㍀(当時のレートで9000円弱)程度だった電気代が、3月分から370㍀(約5万6000円)となった例もあるというから凄まじい負担増だ。
天然ガス価格の高騰によって、イギリスでは2021年以降、約30社の電力供給業者が廃業に追い込まれており、英ガス電力市場監督局(Ofgem)は3日、最も多くの世帯が利用する電気料金プランの上限価格を4月から54%引き上げ、年間1971㍀(32万4000円)にすることを発表した。上限が1277㍀であった前回(2021年10月~2022年3月)から約700㍀(11万500円)の増加である。
さらに10月の上限改定では再び50%引き上げることになっており、これによって平均的な世帯の電気料金は年間3000㍀(約49万円)にも達するとの見方もある。
年間49万円といえば、単純計算で1カ月の電気料金は4万円にのぼる。そのため政府は供給業者への融資でコスト増を5年間にわたって分散させるとともに、各世帯に地方税の150㍀(2万4000円)を払い戻す措置などを迫られている。
イギリス現地の報道によれば、ガソリン価格も、昨年3月中旬に1㍑当り1・24㍀(当時レートで186円)だったレギュラーガソリンが、同1・55㍀(240円)へと一気に15%も値上がりした。今後は2㍀(330円)をこえるとの予測も出ている。
燃料・光熱費だけでなく、一般的なスーパーに並ぶ食品価格も、食パンが約1・8倍、牛乳が1・3倍、チーズが1・2倍、オレンジジュースが1・2倍、インスタントコーヒーが1・4倍、コーンフレークが1・3倍と上昇(3月時点)。ウクライナ危機による小麦などの穀物類の高騰に加え、エネルギーはすべての製品製造や物流に不可欠であるため、食品を含む全分野での急速なインフレが避けられない事態となっている。
このためイギリス国内では急激な物価上昇に対する抗議デモがあいついでいる。ロンドンのダウニング・ストリートでは2日、「トーリー党(与党)は退陣せよ」「貧困をつくるな。電力価格を凍結せよ」などのプラカードを掲げて数千人が集まり、「月々の電気代が3倍になっている。私たちは暖房を消して生活しなければいけない」「賃金以外はすべて上昇しており、政府は早急な財政支援をすべきだ」「国民生活を守るために公的資金を使え」と要求した。燃料高騰によってコストが増大する宅配サービスの労働者のストライキなども起きており、ロシア制裁といいながら自国民の首を締め上げる政策への批判とともに、「求心力を失った政権の支持率回復のためにウクライナ危機を利用するな」という世論が増している。
ロンドンでは燃料や生活費高騰に抗議して数千人がデモ(2日)
イギリスではウクライナ危機以前からエネルギー高騰が続いていた。世界に先んじて1990年代から電力自由化に舵を切り、1999年以降には完全自由化して、家庭用を含めたすべての電力の購入先を自由に選択できるようになった。それまで独占的に電力供給をおこなっていた国営の中央電力公社を民営化し、市場原理を導入した結果、「ビッグ6」とよばれる電力大手6社の寡占状態がつくられ、これらの大手が市場価格の主導権を握ったため、燃料価格は民営化以前と比べて2倍以上も値上がりした。
さらに近年は、「脱炭素」を掲げて再エネ拡大を推進したことも電力価格を押し上げた。天候に左右される風力や太陽光発電には、悪天候時に備えるバックアップ電源として火力発電施設を維持しなければならない。コストのかかる再エネを導入しながら、これらのバックアップ電源や蓄電・送電システムを民間で維持管理するのは困難であるため、国家財政による補助と消費者への価格転嫁に頼らざるを得なくなって価格は上昇。また自国(北海)での化石燃料(天然ガスや原油)の生産量が年々減少するなかで、ロシアを含む他国からの輸入エネルギーに依存せざるを得なくなっていた。
イギリスは原油・天然ガスの10%をロシアに依存している程度だが、アメリカのバイデン政権とともに「ロシア経済の大動脈を断ち切る」(ジョンソン首相)と大見得を切って独自制裁に踏み切ったとたん、国内経済は史上かつてない甚大な打撃に見舞われている。
EUから離脱したことで周辺国との調整もなく、政治的思惑で独自制裁に突っ走ったことがかえって徒(あだ)となった格好だ。
全欧州にパイプライン 歴史的にロシアと相互依存
ロシアのガスの輸出量は世界1位(2020年の全世界輸出量の25%)、原油は2位(同12%)、石炭の輸出量は3位(同18%)となっている。さらに原子力産業においても国営ロスアトム社と子会社を合わせると、全世界の濃縮ウランの35%以上を供給しているエネルギー大国だ。
欧州におけるロシアからのエネルギー輸入量は、天然ガスが57%、原油が29%、石炭は50%(いずれも2020年)と依存度が高く、アメリカが叫ぶ「対ロ制裁」に呼応して禁輸すればたちまち燃料が枯渇してしまう関係にある。
とくにロシア産天然ガスへの依存度(2020年)では、ハンガリー、ラトビア、北マケドニア、モルドバは100%、チェコ85%、スロバキア75%、ブルガリア73%、フィンランド67%、セルビア55%、リトアニア50%、エストニア49%、ポーランド43%、イタリア40%、ギリシャ40%、オランダ36%、トルコ34%と高い。最大の輸入国であるドイツが30%、フランスは13%、イギリス12%をロシアに依存している。
欧州への天然ガス供給のためのパイプラインが敷設され始めたのは旧ソ連時代の1960年代からで、米ソ冷戦期にもかかわらずロシア(ソ連)と欧州各国はこの分野での相互依存関係を深めてきた。輸送が簡単な石油に比べ、天然ガスの輸送は難しく、液化天然ガス(LNG)を除いてほとんどは輸送コストが低いパイプラインで供給される。これに反対し続けたのがアメリカで、1981年当時レーガン政権はソ連と欧州西側諸国とのエネルギー依存関係を批判し、一貫してパイプラインの建設に反対した。
だが、冷戦後もパイプラインは網の目のように張り巡らされ、ロシアでの西シベリアの石油、ガス開発の進展と歩調をあわせるように輸出量は右肩上がりに増加【地図参照】。欧州に輸出される天然ガスの80%以上は、ソ連の一部であったウクライナを経由するルートで供給されていたが、ソ連崩壊とともにはじまるウクライナのあいつぐ政変によってそれが不安定化し、2008年の「オレンジ革命」や2014年にアメリカが関与したクーデター「マイダン革命」で親米政権が発足すると、ウクライナはNATO加盟へと傾斜するとともに、パイプラインの管理権(使用料決定権)をめぐってロシアとの対立が激化した。
それまでウクライナに対して格安で天然ガスを供給してきたロシアの天然ガス価格を市場価格にまで上昇させ、ウクライナからの輸入品への低関税措置を撤廃するなどの対抗措置をとった。最終的にウクライナへのロシア産天然ガスの供給は停止され、ウクライナは西側から天然ガスを逆輸入し、そのためにハンガリーへの供給量は40%減、フランス、イタリアも25%減となるなど欧州全体に大きな影響を与えた。
そこで進んだのが、ウクライナを介さずにロシアから欧州へ天然ガスを送るパイプラインの建設だった。その典型が、ドイツとロシアをバルト海を通じて直結する「ノルドストリーム」や黒海の海底パイプライン「サウスストリーム」だ。2011年11月8日に開通したノルドストリームの第1ラインは、西シベリアのガスを欧州に送る最短ルートであり、ウクライナやポーランド経由に比べて半分以下のコストで運搬できる。「脱原発」「脱炭素」を進めるドイツにとっては、安定的エネルギー源として天然ガスに依存せざるを得ず、工業大国ドイツの根底を支える不可欠な動力源となっている。
アメリカが強く建設に反対してきた第2ライン「ノルドストリーム2」は、ロシア制裁の圧力を受けて稼働直前に頓挫したが、すでに施設は完成しており、ドイツをはじめ欧州側としては将来的な稼働を諦めたわけではない。
自己矛盾に陥る米日欧 ルーブルは回復
「対ロ制裁」を声高に叫ぶ米国やEUだが、エネルギー分野においてはロシアへの依存度が高く、制裁の対象外としている。
ドイツのハーベック経済気候保護大臣は、「EUが直ちにロシアの天然ガス、原油、石炭の輸入禁止に踏み切った場合の影響は、自宅での肌寒さを我慢する程度では収まらない。次の冬(2022~2023年)の暖房用ガスが不足する他、経済活動が落ち込み、インフレがさらに悪化する。数十万人が失業し、多くの市民が通勤に使う車の燃料代、暖房費、電力料金などを払えなくなる」として、ガスや石油などの基幹エネルギーを制裁対象とすることに強く反対してきた。
フランスやイタリアなど天然ガスの対ロ依存度の高い国もエネルギー制裁には消極的で、バイデン政権やその代理人として振る舞うウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアを利する行為だ」と激しく非難している。
食料・燃料の値上げ、汚職の増加に抗議する数千人規模のデモ(3月15日、アルバニア・ティラナ)
だが、これまで「自国ファースト」で突っ走ってきたのは米国自身であり、それは今回のウクライナ危機においても、ミサイルなどの膨大な兵器や軍事資金の供与、さらには民間軍事会社や軍事顧問団まで派遣して対ロシア関係の緊張を煽り、早期停戦合意ではなく戦闘の長期化を図っていることにもあらわれている。
米国は各国に対して「踏み絵」を迫るように対ロ制裁への参加を呼びかけ、原油や天然ガスの輸入を全面的に禁じる一方、ガス価格が高騰する趨勢を見て自国のシェールガスの増産に踏み切って売り込みを開始。燃料不足にあえぐ欧州各国に対して高値で売りつける「ショック・ドクトリン」ビジネスに勤しんでいる。
欧州側からすれば安いロシア産を遮断し、高いシェールガスをアメリカから買わされる関係であり、ここに米欧の矛盾がある。
また、米エネルギー産業大手は、アジア向けの液化天然ガス(LNG)の輸出を、より高く売れる欧州向けに切り換えており、関係者の間では「米国から欧州にLNG船を一隻販売すれば100億~200億円規模の利益が稼げる」と語られるほど、ビジネスチャンスに抜け目がない。この火事場で誰がもうけているのかを見れば、このウクライナ危機の要因が見えてくる。
ところがアメリカ国内でもガスやガソリン価格は高騰しており、不足分を埋め合わせるために、これまで「ならず者国家」などといって制裁対象としてきたベネズエラやイランへの制裁措置を緩和して石油輸入に踏み切ることも俎上にのぼっており、背後からウクライナ危機を煽ってきたバイデン政権も、国内世論との間で自己矛盾に陥っている。
「ロシア許すまじ」の掛け声も虚しく、ルーブルの為替相場はすでにウクライナ戦争以前の水準まで回復しており、その影響はロシアというよりも、欧州をはじめ世界的な食料危機、エネルギー危機となって各国の人々の生活を圧迫しているのが実態だ。
とくに日本では、制裁を受けたルーブル以上の勢いで円安が進行し、すでに1㌦=129円台に突入した。だが、コロナ禍でインバウンドも消滅しているなかで、輸出産業でも半導体をはじめ部品の調達難、ガソリンをはじめとした燃料価格の高騰で生産力が落ち込んでいるため外貨は稼げず、デフレから脱却できていないため国内需要も回復していない。
原材料費や製造コストが高騰する一方で、価格転嫁できない「川上インフレ、川下デフレ」といわれる状態に陥り、中小企業の経営や労働者の生活を圧迫している。アメリカ主導の出口のない「対ロ制裁」の熱狂に身を委ねている場合ではなく、一刻も早く停戦交渉を前に進めることを呼びかけるとともに、近隣国との友好関係を再構築し、国内においては早急な減税措置や生活支援などの財政政策の転換が求められている。
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/23322
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10:保守や右翼には馬鹿しかいない
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2023/01/08 (Sun) 05:43:18
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2023年01月06日
各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している
インフレが起きると過去の借金が軽くなるので、各国政府は意図的に高インフレにしています
コロナ対策で各国政府債務が膨張
経済学者のラッセル・ネイピアは世界的な高インフレと高金利が15年から20年続き、自由経済から政府主導経済に移行すると主張している
根も葉もない事ではなく今現在世界はインフレで苦しみ、インフレ対策として各国政府は利上げをし日本も利上げ政策に転換しようとしている
2010年にリーマンショックが終わってから2020年に新型コロナが流行するまでの10年間が自由主義市場経済の時代だったがそれはもう終わった
新型コロナ流行で主要各国の経済活動が縮小し、税収が減少したのに各国政府は莫大なコロナ対策費や経済対策費、生活支援などを支出した
米トランプ政権は数か月で300兆円ものコロナ経済対策をしバイデン政権でも同じくらい支出、おかげで多くのアメリカ人は働くより高収入になりました
日本も矢継ぎ早にコロナ支援を決め総額100兆円を上回り、欧州や中国など多くの政府は財政支出を大幅に拡大した
後に残ったのは膨大な公的債務だが各国政府は民間や地方行政府の債務に付け替えたり、証券化のような手法で(日本以外は)国の借金ではないかのように偽装している
日本政府は反対に国の借金ではないものまで国の借金に含めて借金を偽装しているが、それは今回の本題ではありません
2022年に世界で火を噴いた高インフレはラッセル・ネイピアによればロシアのせいなどではなく、各国政府が積み上げた公的債務を返済するために意図的にやっている
世界の主要国はどの国も民間債務と政府債務の合計がGDP比250%以上になっているので、このままでは借金を返すため増税を繰り返す事になる
日本政府が証明したように借金を返すために増税すると、増税によって消費が縮小しGDPが縮小し、結局増税しなかった場合より財政悪化を招く
そこで各国政府はインフレ率を上げて政策金利はインフレ率より低く保つことによって、公的債務のGDP比を縮小しようとしている
各国はインフレで政府債務を減らそうとしている
日本の公的債務が1100兆円でGDPは550兆円なのでGDP比200%、例えばインフレ率を10%にしてゼロ金利のままにし名目GDPだけを10%成長させます
このモデルでは実質GDPはゼロ成長だが名目GDPが10%成長し公的債務は1100兆円のままなので、あら不思議公的債務のGDP比は182%に下がりました
これは非常に極端な想定ですがインフレ率を上げると政府債務が圧縮されるので、各国政府はインフレを警戒しているどころか「インフレ大歓迎」なのです
でもインフレは国民生活を悪化させるので政府や政治家は表向き困ったような顔をしてみせ、まるでインフレを防止しているかのように演技をします
日銀黒田総裁は記者会見で「インフレは良い事だ」とうっかり本当の事を言ってしまったが、彼は正直に事実を言っただけだと思います
インフレ誘導で公的債務を圧縮するには15年から20年かかるので、それまで高インフレ高金利時代が続くというのがラッセル・ネイピアの主張です
彼の主張では2020年以降の新型コロナ対策によって経済の主導権が中央銀行や自由市場から、各国政府の手に移った
どう移ったかはアメリカ政府が3年で600兆円以上を国民に配ったのを見ればわかり、日銀による国債買い入れや日本国債買取を見ても分かります
世界経済はもはや自由市場で動いてはおらず、この事が米中対立や東西陣営のブロック経済化を招いている疑いがあります
東西陣営やブロック経済は1991年に崩壊したが、世界は再び中ロイランなどと日米欧が対立する時代を迎えています
一般的に経済は自由なほど成長するが制限を加えるほど縮小するので、ブロック経済時代の成長率は自由主義時代より低くなるでしょう
第二次大戦前のブロック経済では米英仏の豊かな国が日独伊の「貧しい大国」を締め上げたが、今回締め上げられるのは中ロになるでしょう
日独伊が米英仏に噛みついたように、締め上げられた中ロやイランが何らかの戦いを挑んでくる可能性があります
https://www.thutmosev.com/archives/89761747.html
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11:777
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2023/06/19 (Mon) 10:53:40
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イギリス国民の57%がEU離脱を後悔し復帰を希望している
2023.06.18
https://www.thutmosev.com/archives/279333fr.html
EU離脱後のイギリスはうまくいっていない
関連動画が記事下にあります
こんな筈ではなかった?
イギリスでEU離脱国民投票が実施されたのは2016年6月23日で実際に離脱したのは2020年12月31日、離脱したイギリスは晴れ晴れとした気分で、もうEUに指図されず自由になったと思っていました
だが自由の代償も大きくそれまで非課税だったEUへの輸出に関税がかかり書類も必要になり、人の往来にもパスポートが必要など20世紀に戻ってしまいました
22年11月の世論調査によればEU離脱に反対する人は英国民の57%で賛成は43%、離脱投票に賛成票を投じた人の約19%が今はは後悔していると回答しました
離脱前の独仏伊とイギリスは同じ国の地方のような感覚で輸出に関税がかからず国境には検問所すらなかったので何もかも簡単でした
ブレグジット以前は他のEU諸国と同じように世界的な企業が存在していたが製造業のほとんどが撤退し金融サービス業でも他の国に拠点を移す企業が目立った
日産やホンダや他の多くのグルーバル企業がイギリスから出て行ってしまい、イギリスに残ったのはイギリス国内のローカル企業だけという寂しい状況になった
良い点もありロシアのウクライナ侵攻では欧州でイギリスだけが独自の立場をとり、ロシア制裁やウクライナ支援を主導していました
離脱前はドイツなどEUの他の国が受け入れた移民や難民が好き放題に入国していたが、今はイギリスが独自に入国させるかの判断をしています
年初のIMF予想で23年の成長率はG7でイギリスだけがマイナスで、最近の予想ではG20最下位のマイナス0.3%になっています
離脱された方のドイツはIMF予想でゼロ%、フランス0.7%と予測しているのでEUと比較してイギリス経済は好調ではない
ロンドンの金融街”シティ”は大英帝国時代から世界最大の金融市場だったが、国民投票以降ニューヨークやパリに抜かれてしまった
多くの投資会社や世界的な金融会社は大陸側のEU諸国やアメリカやアジアに移転し、イギリスの金融業は空洞化しました
そこに22年から23年にかけてインフレが襲いかかり23年1月ののインフレ率は10%超、食料品価格は1年間で18%も上昇しました
23年3月頃には病院や公務員が賃上げを求める大規模ストライキをやってより一層混乱し、経済低迷に拍車をかけた印象でした
イギリス経済不振の原因はEUではない?
実際のイギリスの物価はスーパーで売られている食品に関してはそれほど高くなく、肉は日本の半額くらいであらゆる物価がニューヨークよりは安い(現地取材の動画参考)
食料品に関しては今まで激安価格だったのがインフレで諸外国レベルになったという方が合っているかも知れないです
高騰したのは電気代でイギリスでは変動相場制みたいな料金体系で2020年に20(単位不明)だったのが22年最大時に556と28倍に上昇しました
イギリスは今まで電気も安くて月1万円程度だったが冬場は暖房に使って月5万になった例もあり、平均でも2倍から3倍になったようです
ロンドン名物のパブは夜間の電気代を払えない為に閉店する店があいつぎ、去年から500軒以上が閉店しロンドン最古の店も閉店しました
イギリスではリストラされたり待遇や収入を不満に思って離職する人が多いが、離職後に満足できる職場や収入を得る人は少ない
50代以上では早期退職してリタイア生活に入る人が多く、労働人口が減少し人手不足やインフレに拍車をかけています
イギリスはEUから離脱したのでEUから押し付けられた「移民ノルマ」を受け入れなくて良くなったが、そのせいで労働者が不足して新たに多くの外国人労働者を募集する変なことになっている
外国人の中には日本人もいて、ワーキングホリデーやイギリスに移住して就労した人の動画がユーチューブなどで見れる
最近のイギリスの若者には公共心や忍耐力がなく嫌ならすぐ仕事を辞めるが、これは世界的に同じ傾向かもしれません
多くの若者が自分の手を汚さずに指図だけする「良い仕事」以外拒否した結果、イギリスはどんどん空洞化し首相とロンドン市長すらインド人に交代した
結局イギリスの現在の苦境はEU離脱と関係なく、イギリス人が怠け者になったからだという指摘もでています
動画:ロンドンのスーパーを探索する在住日本人
https://www.youtube.com/watch?v=ED6BnmSfVNI
https://www.thutmosev.com/archives/279333fr.html