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70年代に登場してから現在まで対ソ連/ロシア戦争を続けるネオコンの背景

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2022/09/21 (Wed) 12:19:09

777投稿集一覧
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伊藤貫の真剣な雑談
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TOCANA ジェームズ斉藤が斬る! 国際ニュース裏情報
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山中泉 _ 崩壊するアメリカ
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渡辺惣樹『虚像のロシア革命』『ネオコンとは何か? 』
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やまたつ カナダ人ニュース - YouTube
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《櫻井ジャーナル》
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ネオコンとはトロツキスト共産主義のこと
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アメリカの共産主義者の実態はユダヤ移民
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帝政ロシアから大量のユダヤ移民がアメリカに逃げてきて共産主義者になっていった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1214.html

「ロシア革命」を実行したユダヤ人とそれを支援したユダヤ人
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1025.html

ロシア革命を支援したユダヤ金融資本
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ウォール街と戦った共産主義者 ルーズベルト大統領
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アメリカとマルクス - 内田樹の研究室
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アメリカの民主党と共和党には大きな差がなく、いずれもスポンサーは巨大資本や富豪
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2022.09.19XML
70年代に登場してから現在まで対ソ連/ロシア戦争を続けるネオコンの背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209190000/

 ウクライナを戦場にしてアメリカ/NATOとロシアが戦争を始めている。第2次世界大戦でナチスが率いるドイツ軍に軍事侵攻されて甚大な被害をこうむったソ連は立ち直れないままミハイル・ゴルバチョフからボリス・エリツィンにかけての時代に崩れ、消滅した。そこからネオコンはアメリカが「唯一の超大国」になったと考え、世界制覇プランを作成している。本ブログで繰り返し書いてきた1992年2月にアメリカの国防総省で作成された「DPG草案」、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。

 アメリカ、つまり巨大金融資本を中心とする支配システムへ服従しない国や体制を倒すだけでなく、潜在的なライバルを潰すとしている。その潜在的ライバルには旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、南西アジアが想定され、エネルギー資源の支配も重要視されている。(The New York Times, March 8, 1992)

 このドクトリンが作成された当時、アメリカはロシアを属国にしたと認識、手始めにユーゴスラビアの解体を始める。その次のターゲットとして彼らは中国を想定。「東アジア重視」だ。

 このプランを危険だと考える人は政府の内部にもいた。例えばジョージ・H・W・ブッシュ大統領、ブレント・スコウクロフト国家安全保障補佐官、ジェームズ・ベーカー国務長官だが、ブッシュ政権は1期で終わる。

 ビル・クリントン時代の1998年4月、アメリカ上院はNATOの拡大を承認したが、​「封じ込め政策」で有名なジョージ・ケナンはそうした政策はロシアを新たな冷戦に向かわせると警告​している。ケナンは反コミュニストの外交官として有名だが、その彼でも危険だと感じたのだ。また​ヘンリー・キッシンジャーは今年5月にスイスのダボスで開かれたWEF(世界経済フォーラム)の年次総会で、ロシアとウクライナとの特別な関係を指摘、平和を実現するためにドンバスやクリミアを割譲して戦争を終結させるべきだと語っている​。

 アメリカでソ連の崩壊を目指すプロジェクトが始まったのは1970年代の後半だった。ひとつの節目は1972年の大統領選挙。ベトナム戦争の敗北を受け、この年の選挙ではジョン・F・ケネディに近く、戦争反対を明確にしていたジョージ・マクガバン上院議員が民主党の候補者に選ばれ、支配層に激震が走る。

 ニクソン大統領は1972年の2月に中国との国交を正常化、中国を唯一の正当な政府と認め、台湾の独立を支持しないと表明、大きな実績を作った。

 片や民主党の内部ではヘンリー・ジャクソン上院議員を中心に反マクガバンのグループがCDM(民主党多数派連合)を組織して自党候補の足を引っ張る。ジャクソン議員のオフィスには若い頃のリチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツ、エリオット・エイブラムズ、ダグラス・フェイス、エイブラム・シュルスキーなど後にネオコンの中核グループを形成する人々が在籍していた。

 結局、共和党のリチャード・ニクソンが再選され、1973年1月にパリでこの政権は和平協定に調印した。そしてデタント(緊張緩和)を打ち出すが、マクガバンを潰した勢力はデタントを容認できない。そうした中、発覚したのがウォーターゲート事件である。ニクソンは1974年8月に失脚し、FBIとの関係が深いジェラルド・フォードが副大統領から昇格した。

 フォード政権でデタント派は粛清され、好戦派が台頭する。特に重要な意味を持つと考えられているのは国防長官とCIA長官の交代で、国防長官はジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルドへ、CIA長官はウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへ交代している。リチャード・チェイニーやポール・ウォルフォウィッツなど後にネオコンと呼ばれるグループも表舞台へ出てきた。粛清を主導したのはラムズフェルドとチェイニーだと言われている。

 1976年の選挙ではデイビッド・ロックフェラーとズビグネフ・ブレジンスキーが目をつけたジミー・カーターが勝利、国家安全保障補佐官に就任したブレジンスキーはアフガニスタンへソ連軍を引きずり込む秘密工作を始めた。

 1979年7月にアメリカとイスラエルの情報機関に関係していた人びとがエルサレムに集まり、「国際テロリズム」に関する会議を開いている。「国際テロリズム」というタグをソ連につけて攻撃しようというのだ。

 この会議にはイスラエルから軍の情報機関で長官を務めた4名を含む多くの軍や情報機関の関係者が参加、アメリカからはジョージ・H・W・ブッシュ元CIA長官(後の大統領)やレイ・クライン元CIA副長官など情報機関の関係者が参加していた。

 会議の席上、クラインは「テロの原因」を抑圧された人々の怒りでなく、ソ連政府の政策、あるいはその陰謀にあると主張しているが、実際のところ、テロの大半はCIAとイギリスのMI6(SIS)を中心に組織されたネットワークの破壊工作機関が実行している。

 1980年の大統領選挙で勝利したロナルド・レーガンは1982年の6月7日にローマ教皇庁の図書館で教皇ヨハネ・パウロ2世とふたりきりで50分にわたって会談する。

 ヨハネ・パウロ2世の母国はポーランド。教皇になる前、つまり1978年10月までの名前はカロル・ユゼフ・ボイティワだ。ウォーターゲート事件に関する報道で有名になったカール・バーンスタインによると、レーガンと教皇は大半の時間をソ連の東ヨーロッパ支配の問題に費やし、ソ連を早急に解体するための秘密工作を実行することで合意したという。(Carl Bernstein, “The Holy Alliance,” TIME, Feb. 24, 1992)

 この秘密工作はヨハネ・パウロ2世でなければ実行できなかったであろう。好戦派にとって都合の良いことに、その前の教皇、ヨハネ・パウロ1世は1978年8月に選ばれたものの、翌月に急死している。病死とされているが、その当時から他殺説が噂され、今でも消えていない。この延長線上にソ連解体プロジェクトの「ハンマー作戦」はある。この作戦でソ連の情報捜査機関KGBの幹部が買収されたと言われている。

 ブレジンスキーは大学で教えている当時からCIAとの関係が深いと言われ、その教え子にはマデリン・オルブライトやバラク・オバマがいる。オルブライトはヒラリー・クリントンやビクトリア・ヌランドと親しく、ビル・クリントン政権で国務長官としてユーゴスラビアへの先制攻撃を実現させた。イラクに対する「経済制裁」で多くのイラクの子どもが死んでいることを問われ、それだけの価値があると言ったことでも知られている。

 このオルブライトはチェコスロバキアの出身だが、ヌランドは父方の祖父母がウクライナからの移民である。ズビグネフ・ブレジンスキーはポーランドの生まれで、一族の出身地であるブゼザニは現在、ウクライナに含まれている。

 ウクライナを舞台としたアメリカ/NATOの対ロシア戦争でポーランドが重要な拠点になっているが、​今年2月22日、アメリカ大使としてポーランドに着任した人物はズビグネフ・ブレジンスキーの息子であるマーク・ブレジンスキー​だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209190000/



イギリスの支配層がロシアを制圧する戦略を立てたのは19世紀と見られるが、1904年にはハルフォード・マッキンダーという地理学者がその戦略をまとめ、「歴史における地理的要件」というタイトルで発表している。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論に基づく。途中からアメリカが引き継いだということだろう。

 第2次世界大戦後、アメリカはヨーロッパを支配する仕組みとしてNATOを組織したが、ソ連が消滅した後、1998年4月にアメリカ上院はNATOの拡大を承認した。

 その直後に​ケナンはそうした政策がロシアを新たな冷戦に向かわせると警告​、今年5月にスイスのダボスで開かれた​WEF(世界経済フォーラム)の年次総会でヘンリー・キッシンジャーは平和を実現するためにドンバスやクリミアを割譲するべきだと語り​、ウクライナとロシアの特別な関係に目を向けるべきだとも主張している。

 ジョー・バイデン米大統領、ボリス・ジョンソン前英首相、リズ・トラス現英首相、アンナレーナ・ベアボック独外相を含む欧米の好戦派は経済や外交、そして戦争の結果を無視してロシアを軍事的に屈服させようとしている。トランス状態になっているようだ。エクスタシーの領域に入っているのかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209210000/
2:777 :

2022/09/21 (Wed) 12:21:03

FBIはネオコンの手先
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日本は軍事大国 _ 射程1000キロの弾道ミサイルと巡航ミサイルを2000発以上保有
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3:777 :

2022/09/21 (Wed) 12:25:53

伊藤貫 Terror Tuesday『オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した』
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【伊藤貫の真剣な雑談】第5回「米露関係破綻の原因は何か?」[桜R4/3/31] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mARfK3-Crkg

【伊藤貫の真剣な雑談】第6回 伊藤貫×水島総特別対談「ウクライナ危機の深層~危険なネオコンの思い上がりと戦後保守の愛国ゴッコ」[桜R4/5/14] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Ehf-NodXCYM

【伊藤貫の真剣な雑談】第7回「文明の衝突とロシア国家哲学」[桜R4/6/25] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=vd1jg5gcE3s
4:777 :

2022/09/23 (Fri) 02:35:18

2022.09.23XML
米英がルビコンを渡って1年半、ウクライナが合意を守らず、露国は交渉を断念
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209230000/

 キエフのウォロディミル・ゼレンスキー政権はあらゆる合意に違反、交渉で問題を解決する上の回帰不能点を超えているとロシア議会の外交委員会で委員長を務めるレアニード・スルツキーは語っているが、ジョー・バイデンは2021年1月、アメリカ大統領に就任した直後に「ルビコン」を渡っている。それでも話し合いによる解決を模索していたのがロシアのウラジミル・プーチン政権だ。

 イギリスの私的権力が世界制覇を実現するためにロシアを制圧しようと考えたのは19世紀で、その計画をまとめたのがハルフォード・マッキンダー。1904年に「歴史における地理的要件」というタイトルでプランを発表している。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論に基づく。今でも米英支配層の基本戦略だ。こうした米英の私的権力がゼレンスキーを操っている。

 マッキンダーの戦略はイギリスの海軍力を生かし、ユーラシア大陸の周辺部を支配して内陸部を締め上げていくというもの。戦略上、スエズ運河が重要な意味を持つことは言うまでもなく、サウジアラビアやイスラエルを建国させた。東端の日本で「明治維新」を仕掛けたのも、そうした戦略に基づいているはずだ。日本の軍事力や工業力を向上させ、大陸を侵略するように米英が焚きつけた理由もそこにある。

 米英の私的権力はソ連が消滅した1991年12月に勝利を確信、ロシアを属国化して旧ソ連圏の解体を開始。その先には彼らが潜在的なライバルとみなすヨーロッパや東アジアへの攻撃、そしてエネルギー資源の支配に取り掛かった。アメリカの国防総省が1992年2月に作成した「DPG草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)」はそのための計画である。

 そのドクトリンに基づいてネオコン系シンクタンクPNACは「アメリカ国防の再構築」を作成して2000年に発表。その報告書に基づいてジョージ・W・ブッシュ政権は政策を策定。その政策を打ち出す上で好都合な出来事が引き起こされたのは2001年9月11日である。

 その出来事を利用してブッシュ政権はアフガニスタやイラクを先制攻撃し、バラク・オバマ政権が2010年8月に承認したPSD-11に基づいて「アラブの春」と呼ばれる体制転覆プロジェクトを始めたと言われている。そのプロジェクの一環として2011年春から攻撃されたのがリビアとシリアだ。そうした攻撃の傭兵としてムスリム同胞団やサラフィ主義者が使われたが、この手法はオバマの師匠にあたるズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代に始めている。

 2004年から05年にかけてアメリカの私的権力はウクライナで政権を乗っ取る。「オレンジ革命」だ。ウクライナの東部地方と南部地方を地盤とし、ロシアとの関係が深いビクトル・ヤヌコビッチを排除して新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領の座に据えたのだ。

 ユシチェンコの政策で国の富は欧米の巨大資本へ流れて行き、その手先になった一握りのウクライナ人が「オリガルヒ」と呼ばれる富豪を生む一方、大多数の庶民は貧困化した。

 そうした現実を見たウクライナ国民は2010年の大統領選挙でヤヌコビッチを選ぶ。この段階になると合法を装うことが困難になり、事実上の軍事クーデターで政権を転覆させ、現在の体制を築いたのである。そのクーデター体制を拒否したドンバス(ドネツクやルガンスク)の住民は武装蜂起し、内戦が始まった。ゼレンスキーもクーデター体制の人間だ。

 このクーデターは2013年11月から14年2月にかけて実行されたが、主力はNATOの訓練を受けたネオ・ナチのメンバーだった。そのネオ・ナチを操っていたのはアメリカのバラク・オバマ政権である。ヤヌコビッチ大統領は殺害されなかったものの、政権は倒された。

 クーデターから間もない3月16日、クリミアではロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施されて95%以上が賛成。そのときの投票率は80%を超えている。オデッサでは反クーデター派の住民がネオ・ナチに虐殺され、ドネツクとルガンスクでは2014年5月11日に住民投票が実施されている。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われた。

 その結果、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かなかった。そして戦闘が始まり、ドンバスの住民はクーデター軍からの攻撃で殺されるが、西側ではそうした現実が無視される。

 2014年のクーデターはウクライナをEUやNATOの支配下に置くことが目的だったはずだが、ヒラリー・クリントンが2016年の大統領選挙でドナルド・トランプに負けてしまい、足踏みした。そこでCIA、FBI、司法省などがトランプ外しを画策、2020年の選挙ではオバマ政権で副大統領だったバイデンが当選、21年3月にはABCニュースのインタビューでロシアの大統領を人殺し呼ばわりした。ここからバイデン政権はロシアに対する経済戦争や軍事的な挑発を強めていく。

 そして​今年1月、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官やNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務局長はロシア政府のNATO拡大を止めろという要求を拒否​し、ウクライナのNATO加盟に文句を言うなとする姿勢を示した。EUの外務安全保障政策上級代表を務める​ジョセップ・ボレルも自分たちの行うことにロシアは口をはさむなと発言​。ストルテンベルグはウクライナをめぐり、NATOはロシアとの軍事衝突に備えなけらばならないとも口にしている。

 そして2月にクーデター政権の部隊によるドンバスへの攻撃が激しくなり、2月24日にロシア軍はウクライナでの軍事作戦を開始したわけだ。

 イギリスの外務大臣だった​リズ・トラスは2月27日、ロシア軍をウクライナで止められなければNATO軍と戦うことになる可能性があると発言​、プーチン大統領は国防大臣と参謀総長に対し、核兵器部隊を特別戦闘任務につかせるように命令したと伝えられている。

 そして9月13日、ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官とNATOのアナス・ラスムセン前事務総長は​「キエフ安全保障協定」の草案を発表​する。ちなみに、イェルマークは映画プロデューサーで、2010年の大統領選挙ではアルセニー・ヤツェニュク陣営にいた人物。ヤツェニュクはビクトリア・ヌランドに目をかけられていた。

 この協定案では軍需産業への投資、兵器輸送、同盟国からの情報活動の支援、徹底した軍事訓練、EUやNATOの一員として合同軍事演習に参加するといったことを勧告している。ウクライナを事実上、NATOの戦争マシーンに組み込むということであり、ロシアに対する宣戦布告に等しい内容だった。

 米英は自分たちを特別の存在だと考えているのかもしれないが、ロシアも回帰不能点を超えた。本ブログでも何度か指摘したが、ロシア軍は森の木が葉を落とす季節、おそらく10月になってから新たな攻撃を開始すると見られていた。ステップ(大草原)が広がる北東部ハリコフ州からロシア軍が撤退したのはその準備だと言われている。プーチン大統領は部分的な動員(動員可能総数の1.2%)を実施すると9月21日に発表したが、これも準備の一環だろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209230000/
5:777 :

2022/09/24 (Sat) 08:06:04

2022.09.24XML
ドンバスなどがロシアと一体化する前に米/NATOが軍事攻勢を強める可能性も
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209230000/

 ドンバス(ドネツクやルガンスク)のほか、ヘルソンやザポリージャで9月23日から27日にかけてロシアと一体になることを問う住民投票が実施される。そうした中、キエフのウォロディミル・ゼレンスキー政権(アメリカ/NATO)は戦闘部隊をハリコフ州の周辺へ集結させているようだが、大規模な攻勢を計画しているのではないかと推測する人もいる。犠牲を厭わずステップ(大草原)へ突入するのだろうか?

 ウクライナの東部や南部はソ連時代にロシアから編入された地域で、ロシア語を話す住民が多く、文化的にもロシアに近い。そこで1991年12月にソ連が消滅して以来、ロシアへの復帰の願う人が多かったようだが、その願いはこれまで叶わなかった。それが今回の住民投票で実現しそうだ。

 1990年代にロシアは欧米の強大な私的権力に支配されたが、ウクライナも同じ状況だった。そうした従属体制をひっくり返しかけたのが2004年の大統領選挙。ビクトル・ヤヌコビッチが当選しそうになったのだが、それを西側はひっくり返すために反ヤヌコビッチの宣伝と運動を展開した。「オレンジ革命」である。結局、新自由主義者のビクトル・ユシチェンコが大統領に就任した。

 しかし、ユシチェンコの新自由主義的な政策で国の富は欧米の巨大資本へ流れて行き、その手先になった一握りのウクライナ人が「オリガルヒ」と呼ばれる富豪になる一方、大多数の庶民は貧困化した。そこでウクライナの有権者は2010年の選挙でヤヌコビッチを大統領に選んだのだが、これは欧米、特に米英の私的権力は受け入れられない。

 そこで、2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ米大統領はネオ・ナチを使ったクーデターでヤヌコビッチ政権を倒す。東部や南部の住民は反発。いち早く動いたクリミアはロシアでは住民投票を経てロシアの保護下に入り、通常の生活を取り戻せたが、オデッサでは住民がネオ・ナチに虐殺され、ドンバスでは戦闘が続いている。

 ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相に限らず、西側の政府や有力メディアはゼレンスキー政権を「自由と民主主義」の象徴に祭り上げ、その体制を勝利させるためにロシアと戦うと主張する。

 しかし、キエフのクーデター体制は選挙で選ばれた政権をナチズムの影響を受けている集団を使ったクーデターで成立、その後、ロシア語を話す住民を弾圧、ドンバスに住む人びとを殺害してきた。そして現在、ゼレンスキー政権は言論を統制、「国賊狩り」を展開しながら兵器や戦闘員の供給を受け、ロシア/ドンバス軍と戦っている。

 住民投票の結果が出た後、ロシア軍は本格的な戦闘を始める可能性がある。おそらく南部が中心になるだろうが、その前にアメリカ/NATOは攻勢を強めるかもしれない。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209230000/
6:777 :

2022/09/26 (Mon) 06:09:10

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米国の政策で経済破綻寸前の欧州で人びとの不満が高まる中、イタリアで総選挙
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209260000/

 9月25日にイタリアでは総選挙の投票が行われているが、欧米支配層にとって好ましくない結果が出そうな雲行きになっている。そこで欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は投票日の直前、「我々には道具がある」と発言し、注目された。自分たちにとって良くない結果が出たなら、その「道具」を使い、「好ましい方向」へ軌道修正させるということだが、これは内政干渉にほかならない。選挙が欧米支配層にとって好ましくない結果になりそうな原因はアメリカやイギリスの支配層が推進している対ロシア戦争にある。

 1991年12月にソ連が消滅した直後、アメリカの国防総省を支配していたネオコンは「DPG草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)」という形で世界制覇プロジェクトを作成した。アメリカが唯一の超大国になったという認識から他国に配慮することなく単独で行動できる時代になったと考え、潜在的なライバルを潰し、自分たちへの従属度が低い政権や体制を破壊し、エネルギー資源を支配しようというのである。

 そのプロジェクトに従ってネオコン系シンクタンクPNACは「アメリカ国防の再構築」を作成して2000年に発表、その報告書に基づいてジョージ・W・ブッシュ政権は政策を策定。そして2001年9月11日、その政策を打ち出す上で好都合な出来事が引き起こされた。

 世界制覇まであと一歩だとネオコンは考えたかもしれないが、そうした展開にはならなかった。21世紀に入るとウラジミル・プーチンを中心とする勢力がロシアを曲がりなりにも再独立させてしまい、ネオコンが描いた世界制覇プロジェクトは破綻したのだ。

 しかし、ネオコンは軌道修正することなく世界制覇を実現しようともがく。そうした中、2004年から05年にかけてアメリカの私的権力はウクライナで「オレンジ革命」を仕掛け、ウクライナの東部地方と南部地方を地盤とし、ロシアとの関係が深いビクトル・ヤヌコビッチを排除した。

 そして大統領の座に据えたのが新自由主義者のビクトル・ユシチェンコだが、ユシチェンコの政策で国の富は欧米の巨大資本へ流れて行き、その手先になった一握りのウクライナ人が「オリガルヒ」と呼ばれる富豪を生む。大多数の庶民は貧困化した。

 そこで有権者は2010年の大統領選挙ではヤヌコビッチを選ぶのだが、これを西側の支配層は認めない。そこで2013年11月から14年2月にかけての時期にネオ・ナチを使ったクーデターを行い、再びヤヌコビッチを排除。そして作られたのが現在の体制だが、ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民はクーデターを拒否。ドンバス(ドネツクやルガンスク)の住民は武装蜂起し、内戦が始まった。

 2014年からもアメリカ/NATOはクーデター体制を支援、内戦を後押しするだけでなく、軍事力を増強させてドンバスを粉砕する準備を進めてきた。今年3月に総攻撃をかける計画だったとも言われているのだが、その直前にロシア軍が動き、西側の計算は狂った。

 イタリアの総選挙で欧米支配層にとって好ましくない結果が出そうな雲行きになった最大の原因は、欧米支配層が始めた「経済制裁」によってEU諸国はエネルギー危機に陥り、経済が破綻寸前になり、庶民が苦境に陥ったからである。各国のエリートはジョー・バイデン政権の命令に従っているが、国民の怒りは爆発寸前である。

 それに対し、ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相(同盟90/緑の党)は8月31日から9月2日にかけてプラハで開かれた「​フォーラム2000​」で、​「ドイツの有権者がどのように考えようとも、私はウクライナの人びとを支援する」と発言​したが、実際のところ、人びとを支援するのではなく、ロシアとの戦争を継続するということだ。

 2014年のクーデターでネオコンはロシアとEUを潰そうとした可能性が高い。ロシアからEUというマーケットを奪い、EUからロシアというエネルギー資源の供給源を断つという計画だったようだが、この計算は狂った。ロシアは中国へ接近、エネルギー資源を必要としている中国もロシアとの関係を強めることになる。その頃、アメリカに対する不信感を中国も強めていた。

 そして現在、ロシアと中国は「戦略的同盟国」になり、この2カ国を中心として多くの国が集まり始めている。9月15日から16日にかけてサマルカンドでSCO(上海合作組織)の首脳会議が開かれ、中国、ロシア、インド、パキスタンを含むメンバー8カ国のほか、ベラルーシ、イラン、トルコ、モンゴルなども参加した。イランは正式メンバーになる手続きが進んでいるほか、ベラルーシ、トルコも加盟に興味を示し、サウジアラビア、バーレーン、カタールも公式に加盟を申請している。

 ジョー・バイデンは大統領に就任して間もない昨年3月、ABCの番組でジョージ・ステファノプロスのインタビューを受け、その中で​ロシアのウラジミル・プーチン大統領は「人殺し」かと聞かれて「その通り」と答えている​。

 その後、バイデン政権はロシアに対する経済戦争を展開、軍事的な挑発を続けた。ステファノプロスはビル・クリントン政権で広報担当大統領補佐官を務めた人物で、決してバイデンの敵ではない。バイデンが副大統領を務めたバラク・オバマ政権(2009年1月から17年1月)はロシアとの関係を悪化させ、それをバイデン政権は引き継いだと言えるだろうが、世界の国々はアメリカの敗北を予想しているようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209260000/
7:777 :

2022/10/02 (Sun) 05:33:16


2022.10.01XML
ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャがロシアに統合され、新段階へ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210010000/

 ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャをロシアと一体化させることが9月30日に決まった。9月23日から27日にかけてロシアと一体になることを問う住民投票が実施され、賛成に投票した人は投票総数のうちドネツクで99%、ルガンスクで98%、ザポリージャで93%、ヘルソンで87%に達した。この結果を受けての条約締結だ。新たにロシア領となった地域が攻撃された場合、それはロシアに対する攻撃になる。

 今回、ロシアへ併合された地域を含むウクライナの東部と南部は元々ロシア領だった。ロシア革命後にロシアからウクライナへ一方的に割譲されたのである。そこで住民の大半はロシア語を話し、宗教や文化はロシアに近い。その地域を地盤にしていた政治家がビクトル・ヤヌコビッチだった。

 このヤヌコビッチが大統領になることを阻止するため、アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権は2004年から05年にかけて反ヤヌコビッチ工作を実行した。いわゆる「オレンジ革命」だ。そして新自由主義者のビクトル・ユシチェンコがウクライナの大統領に就任する。

 ユシチェンコの政策によって国の富は欧米の巨大資本へ流れて行き、その手先になった一握りのウクライナ人が「オリガルヒ」と呼ばれる富豪になり、その一方で大多数の庶民は貧困化した。

 新自由主義の正体を知った有権者は2010年の大統領選挙ではヤヌコビッチを選ぶのだが、西側の支配層は認めない。そこで2013年11月から14年2月にかけての時期にバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターを実施、再びヤヌコビッチを排除した。オバマは選挙キャンペーン中「チェンジ」を叫んでいたが、ウクライナに対する姿勢に変化はなかった。

 ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民はクーデターを拒否し、クリミアはいち早く住民投票を経てロシアと統合、ドンバス(ドネツクやルガンスク)の住民は2014年5月11日にドネツクとルガンスクでも住民投票が実施した。

 ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、その結果、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かなかった。キエフのクーデター体制は軍の戦車部隊をドンバスへ突入させ、戦闘がはじまるわけだ。

 2014年からアメリカ/NATOはクーデター体制を支援、内戦を後押しするだけでなく、軍事力を増強させてドンバスを粉砕する準備を進めてきた。今年3月に総攻撃をかける計画だったとも言われている。その直前にロシア軍が動き、今回の併合だ。

 現在のキエフ体制を支持するということは、まず憲法の規定を無視して実施された軍事クーデター、反クーデター派住民の虐殺、ロシア語を話す住民への弾圧などを容認することを意味する。憲法を守る必要はなく、軍事力の住民に対する行使を認め、基本的人権を無視するというわけだ。

 クーデター体制のウォロディミル・ゼレンスキー政権はNATOへの加盟を申請するようだが、ウラジミル・プーチン大統領が4地域の併合を決断した理由は、話し合いでNATOの加盟問題を解決できないと見切りをつけたからにほかならない。ジョー・バイデン政権もNATOもロシア政府の要求に耳を傾けようとしなかった。

 ウクライナ軍として戦わせる相当数の兵士をNATO加盟国で軍事訓練し、最新兵器を扱えるようにしている。さらに作戦の指揮をNATOが取り始めたようだ。ハリコフへの攻撃にはイギリスで訓練を受けていた部隊が投入されたという。​すでにNATO軍とロシア軍との戦いへ移行している​とアメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターは分析している。

 9月13日にはアンドリー・イェルマーク・ウクライナ大統領府長官とアナス・ラスムセンNATO前事務総長が​「キエフ安全保障協定」の草案​を発表、その中で軍需産業への投資、兵器輸送、同盟国からの情報活動の支援、徹底した軍事訓練、EUやNATOの一員として合同軍事演習に参加するといったことを勧告している。

 ウクライナを事実上、NATOの戦争マシーンに組み込むということだが、アメリカの統合参謀本部は「ウクライナ司令部」を創設するという。こうした動きに対抗する形でロシア側は戦争態勢を強化しつつある。

 そうした中、9月26日と27日にロシアからEUへ天然ガスを運ぶために建設されたふたつのパイプライン、​「ノード・ストリーム1(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」から天然ガスが流出していることが判明​した。爆破されたことは間違いないようだ。ドイツが受けるダメージは計り知れない。

 爆破された場所はいずれもボーンホルム島の近く。NATOが今年6月5日から17日にかけて7000名規模の軍事演習をバルト海で実施した。艦船45隻、航空機75機が参加した。その演習の一環としてボーンホルム島の近くで無人の潜航艇による機雷探索技術の実験も行われている。

 9月上旬には水面化の様子を調べられる機器を搭載したヘリコプターMH-60Rがボーンホルム島の近くを数日にわたって飛行、その下で今回の爆破はあった。

 そして9月27日、ノルウェーからポーランドへ天然ガスを運ぶパイプライン「バルチック・パイプ」が稼働を始めている。輸送可能量はノードストリームの1割程度にすぎないが、ポーランドの需要は賄えると見られている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210010000/
8:777 :

2022/10/02 (Sun) 05:35:16

2022.09.30XML
10月21日、「ウクライナ東部がロシア領になった後の世界」について
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209300000/

 ドンバス(ドネツクやルガンスク)、ザポリージャ、ヘルソンで9月23日から27日にかけてロシアと一体になることの是非を問う住民投票が実施され、賛成に投票した人は投票総数のうちドネツクで99%、ルガンスクで98%、ザポリージャで93%、ヘルソンで87%に達したと発表されています。

 ウクライナの東部や南部はロシア革命後、ロシアからウクライナへ一方的に併合された地域で、住民の大半はロシア語を話すというだけでなく、文化的にも宗教的にもロシアに近いことが知られています。ソ連が消滅する直前の1991年8月にウクライナは独立を宣言しましたが、東部や南部の住民はウクライナからの独立を求めました。

 この願いは受け入れられず、2014年2月を迎えます。当時のアメリカ大統領バラク・オバマはNATOの訓練を受けていたネオ・ナチを使い、ロシアとの友好的な関係を望んでいたビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的に倒しました。そこでキエフに出現したクーデター体制が現在のウォロディミル・ゼレンスキー政権に続きます。

 このクーデターを東部や南部の住民は拒否、クーデターから間もない3月16日にクリミアではロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施されました。投票率は80%を超え、95%以上が賛成しています。この段階でキエフの状況を住民は知っていました。

 南部の重要な港湾都市であるオデッサでも住民が反クーデターの活動を始めましたが、5月2日にネオ・ナチを中心とする集団がそうした住民を虐殺しています。

 その日、オデッサではサッカーの試合が予定されていて、フーリガンを含むファンが列車で到着、街に出ます。フーリンガンの中にはナチズムの信奉者もいましたが、その一団をネオ・ナチの中核組織である「右派セクター」が挑発、フーリガンを反クーデター派の住民が活動の拠点にしていた広場へと誘導していき、住民を会館の中へと誘導します。

 その中で、つまり外部から見えない場所で虐殺を行われました。西側のメディアは50名弱の住民が殺されたと伝えましたが、現場にいた住民の話によると、虐殺は地下室を中心に行われ、犠牲者の数は120名から130名に達し、遺体は運び去られたといいます。

 オデッサの虐殺にはクーデターに批判的な住民に対する見せしめという意味もあったでしょうが、それでもドネツクとルガンスクでは2014年5月11日に住民投票が実施されました。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われ、ドネツクでは89%が自治に賛成、ルガンスクでは96%が独立に賛成しています。

 この結果を受け、両地域の住民はロシア政府の支援を求めましたが、ロシア政府は動きません。そして戦闘が始まり、アメリカ/NATOは兵器を提供し、戦闘員を訓練、さらに特殊部隊や傭兵会社の戦闘員を送り込みます。その一方で内務省に親衛隊を組織しました。

 親衛隊の中核になった「アゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)」は2014年3月に右派セクターが中心になって組織されています。このアゾフが拠点にしていた都市がドネツク州のマリウポリで、今年4月、ロシア軍によって解放されるまでアゾフに支配され、塗炭の苦しみを経験させられることになりました。この都市だけでなく、キエフ政権が送り込んだ武装勢力に占領されていた地域は同じ状況で、占領されていない場所でもアメリカ/NATOが供給する兵器によって住民は殺されてきたのです。今回の住民投票にはその結果が現れています。

 今後、ドンバス、ザポリージャ、ヘルソンをロシアは自国領をみなすことになるでしょう。アメリカやその属国が承認するかどうかは関係がありません。友好国への攻撃とは違い、ロシア領への攻撃には厳しく対応するはずです。アメリカ領への攻撃もありうるでしょう。

 ジョー・バイデン政権は誕生した直後に「ルビコン」を渡りましたが、ウラジミル・プーチン政権は話し合いでの解決を模索してきました。ここにきてプーチン政権は話し合いが無理だと認識したようで、軍事力だけでなくあらゆる手段を使った戦争での勝利を目指すことになる可能性が高いでしょう。

 そのロシアは中国と戦略的な同盟関係にありますが、この2カ国の周りに世界の国々が集まり始めています。その中にはイランやシリアだけでなく、インド、サウジアラビア、バーレーン、カタール、中央アジア、東南アジア、アフリカ、ラテン・アメリカも含まれています。世界はロシアと中国が勝利すると分析、日米欧は孤立しているとも言えるでしょう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209300000/
9:777 :

2022/10/05 (Wed) 09:11:09

2022.10.05XML
露軍が「国土防衛戦」に備えて兵器をウクライナとの国境近くへ移動させている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210050000/

 9月の中旬にNATOが表面に出てきた。たとえば9月13日にアンドリー・イェルマーク・ウクライナ大統領府長官とアナス・ラスムセンNATO前事務総長が「キエフ安全保障協定」の草案を発表、アメリカの統合参謀本部は「ウクライナ司令部」を創設するとしている。アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターは分析しているように、ウクライナを舞台とした戦闘はNATO軍とロシア軍との戦いという様相を強めている。

 アメリカ/NATOは2014年2月のクーデターより前からネオ・ナチを軍事訓練していたが、クーデター後にもNATO加盟国で戦闘員を訓練してきた。その一方で大量の兵器を供給、NATO各国の兵器が足りなくなっているとも言われている。それだけジョー・バイデン政権は必死だということだ。

 バイデンが副大統領を務めていた​バラク・オバマ政権はウクライナのクーデター体制をテコ入れするためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込み​、​傭兵会社「アカデミー(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名をウクライナ東部の制圧作戦に参加させた​と伝えられた。また​CIAは2015年からウクライナの特殊部隊員をアメリカ南部で訓練​しているという。

 ル・フィガロ紙の特派員、ジョージ・マルブルノはウクライナでの取材を終えて帰国した後、アメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)が戦闘に参加している事実を伝えている。

 クーデター体制の中核はネオコン/ネオ・ナチで、この体制を嫌う軍人や治安機関のメンバーは少なくなかったと言われている。オバマ政権としてもウクライナ軍を信頼しきれなかったようで、2014年3月には内務省に親衛隊を設置した。その新たな戦闘部隊で中心的な役割を果たすようになるのは同年5月に創設されたアゾフ大隊(後にアゾフ特殊作戦分遣隊)だ。

 親衛隊の戦闘員を集めるためにネオ・ナチのネットワークが使われ、ブラジル、クロアチア、スペイン、アメリカ、フランス、ギリシャ、イタリア、スロバキア、チェコ、スカンジナビア諸国、イギリス、そしてロシアから集めたと言われている。

 ところで、アゾフ大隊の中核になったのはネオ・ナチの「右派セクター」。そのドミトロ・ヤロシュは2007年からNATOの秘密部隊ネットワークに参加している。その時にアメリカのNATO大使を務めていた人物がビクトリア・ヌランドだ。

 この年の5月にウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議でヤロシュは議長を務め、2014年3月に発表した声明の中で、彼はチェチェンやシリアでロシアと戦ったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)などイスラム系の武装集団への支援を表明した。そして2021年11月、ヤロシュはウクライナ軍参謀長の顧問に就任した。軍をネオ・ナチがコントロールする態勢ができたと言える。

 アゾフ特殊作戦分遣隊はマリウポリを占領、活動の拠点にしたが、今年5月にロシア軍との戦いで敗北、この段階で親衛隊は事実上、崩壊した。ウクライナ軍も壊滅状態で、ウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシア政府と停戦に向けて話し合いを始める環境になっていた。そうした状況のため、​4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相が乗り込み、停戦交渉を止めている​。

 ​4月21日にはウクライナの南部にあるミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組に登場、「全ての裏切り者を処刑する」と語った​。そうした処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているともいう。ロシアとの戦争に反対する者は殺すと脅したわけだ。

 4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。ここでもペロシは戦火を拡大させるために動いている。

 ​ジョンソン英首相は8月24日にもキエフを訪問、ロシアとの和平交渉を進める時間的な余裕はないと釘を刺す​。ロシアと戦い続けろと命じたわけだが、すでにウクライナの軍や親衛隊は戦争の継続が難しいほど大きなダメージを受けていた。ウクライナへ兵器を供給しても戦闘員が足りない。特殊部隊を送り込み、一般の戦闘員はウクライナの外で集めるだけでなく、情報の提供や指揮という形でNATOが戦闘に深く関与せざるをえない。そうしたことが実際、起こっているわけだ。

 そうした動きにロシア側も対応し、ウラジミル・プーチン大統領は部分的な動員を実施すると9月21日に発表。9月23日から27日にかけて、ドンバス(ドネツクやルガンスク)、ヘルソン、ザポリージャではロシアと一体になることを問う住民投票が実施され、賛成に投票した人は投票総数のうちドネツクで99%、ルガンスクで98%、ザポリージャで93%、ヘルソンで87%に達した。この結果を受け、ロシア議会も併合を承認した。今後、ドンバス、ヘルソン、ザポリージャをロシア政府は自国領として対応することになる。

 それに対し、ウクライナ北東部のハリコフ州でゼレンスキー政権が送り込んだ戦闘部隊が支配地域を広げた。その前にロシア軍が撤退、現地軍やチェチェン人部隊が守っていただけのようだが、そうした状況を利用しての攻撃だったかもしれない。リマンからもロシア/ドンバス軍は撤退したようだが、その際、航空兵力からの攻撃を受けたと現地から報道されている。アメリカ/NATOが提供した航空兵力が前線に届き、ロシアの防空システムは機能しなかったということになるだろう。

 ウクライナの東部地域はステップ(大草原)のため、隠れることが困難だと考えられている。ロシア軍はミサイルなどで攻撃していると言われているが、少なくともハリコフ周辺ではロシア軍が制空権を握っていると言えないようだ。

 そうした中、9月26日と27日にロシアからEUへ天然ガスを運ぶために建設されたふたつのパイプライン、​「ノード・ストリーム1(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」から天然ガスが流出​していることが判明した。爆破されたことは間違いないようだ。ドイツが受けるダメージは計り知れない。

 アメリカ/NATOはNATO加盟国で軍事訓練を実施してきた部隊を温存していたが、ハリコフへの攻撃にはイギリスで訓練を受けていた部隊が投入されたと言われている。今後、アメリカ/NATOが前面に出てくる可能性が高い。

 バイデン政権は11月に行われる中間選挙の前に「ロシアを追い詰めている」という演出をしようと必死だろうが、ドンバス、ヘルソン、ザポリージャのロシアへの併合が決まった段階でロシア軍は新たな軍事作戦を始めると見られている。

 そのためか、ロシア軍の西部軍管区の司令官が交代になり、​ロシア国内ではウクライナとの国境近くへ大量の兵器が輸送されている​。10月には大きな動きがあるかもしれない。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210050000/
10:777 :

2022/10/06 (Thu) 06:26:20

2022.10.06XML
ロシア軍が新ステージに入る直前、元CIA長官が「我々は勝っている」と宣伝行脚
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210060000/

 アメリカのジョー・バイデン大統領は10月4日、ウクライナに対する新たに6億2500万ドル相当の新たな軍事支援を約束した。その中に含まれているHIMARS(高機動ロケット砲システム)はクリミアを攻撃することが可能だとローラ・クーパー副国防次官補は説明している。現在、アメリカやカリブ海諸国はハリケーン・イアンで大きな被害を受けているが、そうしたことよりウクライナでの戦争継続をバイデン政権は優先している。

 ドンバス(ドネツクやルガンスク)、ヘルソン、ザポリージャの一部にするための手続きは9月30日に終了、​ロシア国内ではウクライナとの国境近くへ大量の兵器が輸送されている様子が目撃されている​。ロシア軍のウクライナにおける軍事作戦は新しいステージへ入るが、それに合わせるかのように、ロシア軍の西部軍管区司令官が交代になった。ウラジミル・プーチン大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表。近日中に20万人以上の戦闘員を新たに投入、戦力はこれまでの倍になるとされている。

 今回の併合はロシア人から見るとソ連に奪われた領土を取り返しただけのこと。ウクライナの東部や南部の住民はソ連が消滅した直後からロシアへの復帰を主張、クリミアは2014年に実現したが、ドンバスではクーデター政権への従属を拒否、そして祖国復帰を目指して戦闘せざるをえなくなっていた。その思いが今回、実現したわけである。





 バイデンは大統領に就任した直後からロシアを露骨に敵視する政策を打ち出し、経済戦争を仕掛けるだけでなく軍事的な挑発を繰り返した。今年に入ってから軍事作戦を実行する動きが見られたのだが、実際に作戦が始動する前、2月24日にロシア軍がウクライナに対する軍事作戦を開始した。

 ​イギリスの外務大臣だったリズ・トラスは2月27日、ロシア軍をウクライナで止められなければNATO軍と戦うことになる可能性があると発言​した。NATO軍とロシア軍が直接軍事衝突すれば核戦争へエスカレートする可能性がある。そこでロシアのウラジミル・プーチン大統領は国防大臣と参謀総長に対し、核兵器部隊を特別戦闘任務につかせるように命令したと伝えられている。核戦争で脅したのはトラスであり、プーチンではない。

 西側の有力メディアは「ダビデとゴリアテ」的なストーリーでウクライナ側が勝っているように宣伝していたが、当初からウクライナ軍が劣勢であることは明確で、ウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシア政府と話し合いを始めている。それを潰したのはクーデター以後CIAの下部機関と化しているSBU(ウクライナ保安庁)。

 例えば、ルガンスクのボロディミル・ストルク市長は3月1日に誘拐され、拷問された上で胸を撃たれて死亡。3月5日にはロシアと交渉していたチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上でSBUの隊員に射殺されている。3月7日にはゴストメル市長だったのユーリ・プライリプコの死体が発見され、11名の市長が行方不明だとも言われた。ゼレンスキー政権は3月19日に11の野党を禁止、政府の政策を支持する放送局以外のメディアは消えた。そこまでしなければならなかったのは、ウクライナ国民がロシアとの戦闘を望んでいなかったからだろう。

 当初からキエフ政権の親衛隊は住宅地に陣地を築き、住民を人質にして戦闘を続けたが、4月に入るとそれも限界に近づく。親衛隊の中核的な存在だった「アゾフ特殊作戦分遣隊(通称、アゾフ大隊)」はマリウポリを占領していたが、5月に敗北。この段階で親衛隊は事実上崩壊kウクライナ軍も壊滅状態で、ゼレンスキー政権はロシア政府と停戦に向けて話し合いを始める環境になっていた。

 そうした流れの中、​4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相が乗り込み、停戦交渉を止め​、4月21日にはウクライナの南部にあるミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組に登場、「​全ての裏切り者を処刑する​」と語った。ロシアとの戦争に反対する者は殺すと脅したわけだ。キムにとって「裏切り者」とはゼレンスキーの政策に同意しない人びとである。4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。ジョンソン英首相は8月24日にもキエフを訪問、ロシアとの和平交渉を進める時間的な余裕はないと釘を刺している。

 兵器を供給し、戦闘を継続しろと命令せれても戦闘員がいなければ不可能。こうしたことを見越していたのか、アメリカ政府はNATO加盟国で戦闘員を訓練、高性能兵器を扱えるようにしていた。アメリカやイギリスなどは自国の特殊部隊をウクライナへ送り込んでいると報じられている。

 9月に入るとNATO諸国で訓練を受けた戦闘員が投入されたが、旧日本軍のような突撃戦法のため、多くの犠牲者を出している。ウクライナで徴兵するだけでなく、中東やNATO加盟国から傭兵を連れてきているようだ。

 そして9月13日、ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官とNATOのアナス・ラスムセン前事務総長は「​キエフ安全保障協定​」の草案を発表する。ちなみに、イェルマークは映画プロデューサーで、2010年の大統領選挙ではアルセニー・ヤツェニュク陣営にいた人物。ヤツェニュクはビクトリア・ヌランドに目をかけられていた。

 この協定案では軍需産業への投資、兵器輸送、同盟国からの情報活動の支援、徹底した軍事訓練、EUやNATOの一員として合同軍事演習に参加するといったことを勧告している。ウクライナを事実上、NATOの戦争マシーンに組み込むということだ。

 これまでアメリカをはじめとする西側の国々は自国の惨状を顧みず、ウクライナに対して膨大な支援を行ってきた。この支援は効果があり、「キエフ政権は勝っている」ことにしなければならない。11月の中間選挙より前にロシア軍が勝っているという話が広まるとバイデン政権を担いでいるネオコンのような好戦派は壊滅的な状況に陥る。

 そうした状況の中、アメリカ中央軍やISAF(国際治安支援部隊)の司令官、そしてCIA長官を務めたデイビッド・ペトレイアスは欧米のメディアに登場、「プーチンは絶望的な状況にある」と主張、核兵器が使用される可能性があると人びとを脅し、そうなればアメリカ軍が登場してロシア軍をウクライナから追い払うと宣伝している。(例えば​ココ​や​ココ​)

 ペトレイアスはネオコンの一派で、ISW(戦争研究所)を創設したキンバリー・ケイガンと親しい。キンバリーの夫はフレデリック・ケイガン、その兄はロバート・ケイガン、その妻はビクトリア・ヌランド。いずれもネオコンの中核グループに属している。

 ネオコンを含むアメリカの好戦派は1980年代にラテン・アメリカで巨大資本の利権を守るための秘密工作に参加していた。コカイン取引でそうした工作の資金を調達し、私腹を肥やしている。

 そうした工作では目障りな人物を殺していた。いわゆる「汚い戦争」だ。例えば、CIAの手先だった軍人や警官を利用して1980年3月にカトリックのオスカル・ロメロ大司教を暗殺、その年の12月にはカトリックの修道女ら4名を惨殺している。

 そのために組織されたのがアメリカの軍事顧問団によって組織された「死の部隊」。その部隊を訓練していたのはアメリカの軍事顧問団。その中心的な存在だったアメリカの軍人がジェームズ・スティール大佐。

 その当時、少将だったペトレイアスはスティールの行っていることを見て感銘を受け、後に中央軍司令官となったペトレイアスはスティールをイラクへ呼び寄せ、そこで中東版「死の部隊」を編成させた。ふたつの死の部隊にディック・チェイニーも関係している。

 こうしたネオコンはとりあえず11月の中間選挙を乗り越えなければならないが、これから始まる冬をアメリカやEUが乗り切れるかどうかわからない。一か八かの賭けに出る可能性もあるだろう。彼らは絶望的な状況に陥っている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210060000/
11:777 :

2022/10/24 (Mon) 15:53:54

2022.10.23
西側の言論統制が世界に戦乱を広げている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210230000/

NATO軍とロシア軍

 アメリカでは11月8日に中間選挙が予定されているが、ジョー・バイデン政権の政策で経済は崩壊に直面していることもあり、上院でも下院でも民主党が敗北する可能性は高い。民主党と共和党はスポンサーが同じで、いずれも外交や軍事に関する政策はネオコンが支配してきた。政局に変化があるかもしれないが、政治に変化はないだろう。

 バイデン政権はバラク・オバマ政権の反ロシア政策を引き継ぎ、ウクライナでは今年2月にロシア軍が軍事作戦を始める事態になった。4月から5月にかけての時期にウクライナの軍やドンバス(ドネツクとルガンスク)を占領していた親衛隊は壊滅したが、そこからアメリカ/NATOは高性能兵器を供給したり兵士を訓練するだけでなく、衛星写真など機密情報を提供、通信システムを使わせている。

 アンドリー・イェルマーク・ウクライナ大統領府長官とアナス・ラスムセンNATO前事務総長は9月13日に「キエフ安全保障協定」の草案を発表、アメリカの統合参謀本部は「ウクライナ司令部」を創設するとしているが、すでに作戦はNATO軍が作成、指揮しているようだ。その指揮に基づき、最前線では訓練が不十分なウクライナ兵が無謀な突撃作戦を強いられている。

 アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターはウクライナを舞台とした戦闘がウクライナ軍とロシア軍との戦いからNATO軍とロシア軍との戦いへ変化していると指摘しているが、これは事実だと見られている。

 ドンバス周辺はステップ(大草原)で、大きな都市は少ない。ステップの中に帯状に伸びる林が存在、キエフ政権が送り込んだ戦闘部隊はそこに隠れているようだが、冬になると葉が落ちて隠れられなくな理、地面が凍結して車両が動きやすくなる。そこでロシア軍は冬、おそらく11月に大規模な攻撃を始めると言われている。

 ロシアではドンバス、ヘルソン、ザポリージャをロシアの一部にするための手続きが終了、ウラジミル・プーチン大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表した。義勇兵も含め、新たに30万人程度の戦闘員が投入されるようだ。ウクライナとの国境近くへ大量の兵器をロシア軍が輸送している様子も目撃されている。

欧米の言論統制

 ロシア軍がウクライナに対する軍事作戦を始めたのは今年2月24日だが、短期的に見ても戦乱の始まりはオバマ政権がネオ・ナチを使って実行した2013年11月から14年2月にかけてのクーデター。これによって、東部や南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的に倒したのだ。

 しかし、このクーデターを東部や南部の住民は拒否、キエフの状況を知って危機感を募らせたクリミアの住民は2014年3月16日にロシアと統合を問う住民投票を実施した。80%を超える住民が投票に参加して95%以上が加盟に賛成している。キエフの状況やクリミアの歴史を考えれば妥当な結果だと言えるだろう。オデッサでは反クーデター派の住民が警官と連携したネオ・ナチの集団に虐殺され、ドンバスでは抵抗運動が武装蜂起へ発展、内乱になったのである。

 ドンバス以外の地域でもクーデターに反対する人は少なくないようで、ウクライナの軍や親衛隊が崩壊状態になった4月から国民を脅している。キエフのクーデター体制が支配している場所で住民はウォロディミル・ゼレンスキー政権(アメリカ/NATO)が望むことしか話せないということだ。

 アメリカの情報機関は1948年頃から「モッキンバード」と呼ばれる情報操作プロジェクトを始めた。CIAでこのプロジェクトを担当していたのはコード・メイヤー。実際の活動はアレン・ダレス、ダレスの側近だったフランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムが指揮していた。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 ダレス、ウィズナー、ヘルムズはCIAの幹部で、フィリップ・グラハムは第2次世界大戦中、アメリカ陸軍の情報部に所属、中国で国民党を支援する活動に従事していた。ヘルムズはその時の仲間のひとり。

 グラハムはジョン・F・ケネディ大統領の友人だったが、大統領が暗殺される3カ月前に急死、妻のキャサリーンが社主を引き継いだ。

 キャサリーンの下でワシントン・ポスト紙は「ウォーターゲート事件」を暴いたが、その取材で中心的な役割を果たしたカール・バーンスタインは1977年に同紙を辞め、「CIAとメディア」というタイトルでCIAが有力メディアへ食い込んでいる実態を明らかにする記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したという。これはCIA高官の話だ。ニューズウィーク誌の編集者だったマルコム・ミュアは責任ある立場にある全記者と緊密な関係をCIAは維持していたと思うと述べたとしている。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 1970年代の半ば、CIAが有力メディアを情報操作のために使っていることはフランク・チャーチ上院議員を委員長とする情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会でも明らかにされた。ただ、CIAからの圧力で記者、編集者、発行人、あるいは放送局の重役から事情を聞いていない。

 CIAのメディア支配はアメリカ国内に留まらず、例えば、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だった​ウド・ウルフコテ​は2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。

 ウルフコテによると、CIAに買収されたジャーナリストは人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開し、ロシアとの戦争へと導いて引き返すことのできないところまで来ていると彼は警鐘を鳴らしていた。実際、バイデンは大統領に就任した直後、一線を超えた。

 西側の有力メディアはCIAのコントロール下にあり、記者個人が自分の意思で活動できるメディア内における余地は1980年代から急速に狭まっているのだが、インターネットの発達でメディア外で活動することが可能になり、欧米支配層にとって都合の悪い情報を伝えるジャーナリストが出現、そうしたジャーナリストを支配層は封じ込めようと必死だ。

 内部告発を公表する活動をしてきたウィキリークスの象徴的な存在だと言えるジュリアン・アッサンジは2019年4月11日、ロンドンのエクアドル大使館でロンドン警視庁の捜査官に逮捕され、それ以降、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。逮捕の1カ月前、3月11日にIMFはエクアドルに対して42億ドルの融資を実施すると発表していた。

 西側の支配者にとってウィキリークスは都合の悪い存在。それまで通りに活動を続けさせると、2020年以降の出来事にも大きな影響を及ぼした可能性がある。

住民投票

 今年9月23日から27日にかけて、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャをロシアと一体化させることの是非を問う住民投票が実施され、賛成に投票した人は投票総数のうちドネツクで99%、ルガンスクで98%、ザポリージャで93%、ヘルソンで87%に達した。

 クリミアのケースと同様、歴史的な経緯を考えると妥当な結果だが、その投票の公正さを示すため、国外から監視員が入っている。西側の有力メディアは公正さを否定するためのプロパガンダ、あるいは誹謗中傷を展開するのだが、西側から入った監視員の存在は欧米支配層にとって許し難い存在だろう。欧州議会のナタリー・ルイゾー議員はEUのジョセップ・ボレル外務安全保障政策上級代表(外相)に対し、国際監視団に参加した全員に個人的な制裁を課すよう求めている。

 ルイゾー議員が特に憎悪している相手はイギリス人ジャーナリストのバネッサ・ビーリー。カナダ人ジャーナリストのエバ・バートレットと同じようにビーリーも国際監視団に入っていた。

 ドンバスの取材ではフランス人ジャーナリストの​アンヌ-ロール・ボネル​も有名だ。2014年のクーデター後、マリウポリを含むドンバスの一部はネオ・ナチに占領され、住民は厳しい状況に陥った。その実態を調べるために彼女は2015年年1月に現地へ入って住民を取材、その映像は「ドンバス」というタイトルで2016年に公開されている。ボネルもビーリーやバートレットと同じようにネオ・ナチから脅され、ジャーナリストとしての仕事を失った。

 やはりドンバスへ入り、ウクライナ軍が市民を砲撃して殺害、産婦人科病院を攻撃、港へ機雷を敷設、穀物倉庫を爆破している実態を伝えていたドイツ人ジャーナリストのアリーナ・リップをドイツ当局はそうした行為を違法だとして起訴している。彼女は帰国すると懲役3年を言い渡される可能性がある。

 CIAのプロジェクトだけでなく、アメリカではメディアの資本集中を推進するなど言論統制を強めてきたが、イギリスには「DSMA通告(以前はDA通告、D通告と呼ばれた)」の制度があり、安全保障に関係すると見なされた情報の報道をしないように要請できる。

 アメリカとイギリスはメディア支配の強化策として「BAP(英米後継世代プロジェクト)」も存在している。ロナルド・レーガン米大統領は1983年にメディア界へ大きな影響力を持つ富豪を呼び、軍事や治安問題で一緒に仕事のできる「後継世代」について話し合い、BAPはつくられた。その特徴は仕組みの中に編集者や記者を入れ、「支配者の仲間」という意識を植え付けようとしていることにある。これは成功したようだ。

 西側有力メディアの腐敗は西側の支配層内部でも問題になっているようで、ローマ教皇フランシスコはイタリアの日刊紙「コリエーレ・デラ・セラ」のインタビューでウクライナで戦闘が始まった原因について、​ロシアの玄関先でNATOが吠えたことにあるのではないかと語った​。

シリアにおける西側の嘘

 ビーリーとバートレットはシリアでも西側有力メディアの嘘を暴いている。2011年春にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟、イギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビ、パイプライン利権が絡んだカタール、そして隣国のトルコなどがシリアへの侵略戦争を開始、それを正当化するために西側の有力メディアは偽情報を流した。その偽情報をビーリーやバートレットは明らかにした。

 偽情報を流す仕組みの中に「SCD(シリア市民防衛、通称「白いヘルメット」)」が組み込まれている。ジェームズ・ル・ムズリエなる人物が2013年3月にトルコで編成した団体で、その活動目的は医療行為だとされた。

 公開された映像からそのメンバーは医療行為の訓練を受けていないと指摘する人もいたが、それ以上に重大な事実はSCDメンバーがアル・カイダ系武装集団と重複していることを示す動画や写真も存在することである。アル・カイダ系武装集団が撤退した後の建造物ではSCDと隣り合わせで活動していたことを示す証拠をビーリーやバートレットらによって確認されたのである。

 シリア政府を悪魔化するため、西側の有力メディアは偽情報を流していた。当初、西側の有力メディアは現地の情報源としてシリア系イギリス人のダニー・デイエムなる人物を使っていたが、これが「やらせ」だということが発覚する。撮影スタッフと演出の打ち合わせをしている場面が2013年3月にインターネット上へ流出し、中継はフィクションだということが明らかになったのだ。

 シリアに対する侵略戦争が始まってから約1年後に引き起こされたホムスにおける虐殺も宣伝に使われたが、これも西側の「報道」が嘘だと判明している。例えばメルキト東方典礼カトリック教会の修道院長を務めていたフィリップ・トルニョル・クロはホムスでの住民虐殺事件を調べるために現地へ入って調査、西側の宣伝が嘘だという結論に達した。「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている」と報告している。

 西側の有力メディアは今も変化していない。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210230000/
12:777 :

2022/10/25 (Tue) 18:58:34


2022.10.25XML
ネオコンの世界制覇プランを無謀で大義がないと統合参謀本部は考えている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210240000/

 ロシア軍がウクライナでの新たな軍事作戦の準備を進める中、キエフ政権やネオコンは核攻撃やダムの爆破を口にしてロシアを牽制、ルーマニアで軍事演習しているアメリカの第101空挺師団が軍事介入するという話をアメリカの有力メディアは流している。

 現在、ネオコンの宣伝マンを務めているデイビッド・ペトレイアスはアメリカ中央軍やISAF(国際治安支援部隊)の司令官、そしてCIA長官を務めた人物。欧米のメディアに登場して「プーチンは絶望的な状況にある」と主張、核兵器が使用される可能性があると人びとを脅す一方、アメリカ軍が登場してロシア軍をウクライナから追い払うと宣伝している。(例えば​ココ​や​ココ​)

 ペトレイアスはネオコンの一派で、ISW(戦争研究所)を創設したキンバリー・ケイガンと親しい。キンバリーの夫はフレデリック・ケイガン、その兄はロバート・ケイガン、その妻はビクトリア・ヌランド。いずれもネオコンの中核グループに属している。

 10月22日にペトレイアスはレクスプレス誌のインタビューで、ロシア軍がウクライナでアクションを起こせば、NATO軍としてでなくアメリカ主導軍として反撃すると語った。NATOの内部に彼の思い通りに動かない国が存在しているということだろう。

 ネオコンは2002年頃から統合参謀本部と対立している。その前年の9月11日、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された直後からだ。

 この攻撃は「9/11」とも呼ばれているが、それ以来、アメリカは国外で侵略戦争を本格的に開始、国内では憲法の機能が停止、ファシズム化が進む。攻撃の直後にジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をしないまま「アル・カイダ」が実行したと断定、その「アル・カイダ」を指揮しているオサマ・ビン・ラディンを匿っているという口実でアフガニスタンに対する攻撃を開始、国内では「愛国者法(USA PATRIOT Act/Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001)」が制定され、事実上、アメリカ憲法は機能を停止させられたのだ。

 そしてブッシュ政権は2003年3月19日、イラクに対する先制攻撃を宣言、アメリカ主導軍によってサダム・フセイン体制は破壊されたが、この軍事作戦で殺されたイラク人は100万人程度とも言われている。例えば、アメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から06年7月までに約65万人のイラク人が殺され、イギリスのORBによると、07年夏までに94万6000名から112万人が死亡、またNGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたと推測している。

 ​ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官​によると、9/11の10日ほど後にドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていた。そこに載っていた国はイラク、シリア、イラン、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン。ラムズフェルド国防長官は2001年12月に統合参謀本部のグレゴリー・ニューボルド作戦部長をオフィスに呼びつけ、イラク侵攻作戦について報告させているのだが、9/11とイラクが無関係であることは当時から明確だった。

 ブッシュ政権は2002年にイラクを攻撃する予定だったと言われているが、戦争に「大義」がなく、無謀だとして統合参謀本部が反対したという。そこで翌年にずれ込んだようである。

 こうした背広組と制服組の対立を正面から最初に取り上げたのは2002年7月28日付けのワシントン・ポスト紙に掲載されたトーマス・リックスの記事。軍の幹部が軍事侵攻に反対していることを人びとに知らせたわけだが、その少し前、7月5日付けのニューヨーク・タイムズ紙ではアメリカの対イラク軍事作戦の内容が報道され、7月10日付けの同紙にはそれを補足する情報が載っている。

 そこで、ドナルド・ラムズフェルド長官は7月12日付けのペンタゴン幹部宛てのメモで、リークを止めるように命令しているのだが、その内容までがロサンゼルス・タイムズ紙に掲載されてしまった。背広組と制服組との対立はそれほど深刻だということだ。

 イラク侵攻作戦を開始する前、エリック・シンセキ陸軍参謀総長が議会でラムズフェルドの戦略を批判、グレグ・ニューボルド海兵隊中将も2002年10月に統合参謀本部の作戦部長を辞している。

 ニューボルド中将は2006年4月、タイム誌に「イラクが間違いだった理由」を書き(Greg Newbold, “Why Iraq Was a Mistake”, TIME, April 9, 2006)、その直前にはアンソニー・ジニー元中央軍司令官もテレビのインタビューで国防長官を批判、同年3月にはポール・イートン少将、4月に入るとジョン・バチステ少将、チャールズ・スワンナック少将、ジョン・リッグス少将もラムズフェルド長官を批判している。

 ​軍の抵抗​を考え、バラク・オバマ大統領は2010年8月にPSD-11を承認してムスリム同胞団を使った体制転覆作戦が始動、「アラブの春」につながったと言われている。シリアに対する侵略戦争もその一環。この戦術はオバマの師にあたるズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代に始めたものだ。その時に「アル・カイダ」というCIAの「ムジャヒディン(ジハード傭兵)」登録システムが作られた。

 ウクライナのネオ・ナチを率いているひとりで、昨年11月からバレリー・ザルジニー軍最高司令官の顧問を務めているドミトロ・ヤロシュは2007年5月にウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議で議長を務めている。

 クーデター直後の2014年3月にヤロシュは声明を発表、チェチェンやシリアでロシアと戦ったサラフィ主義者などイスラム系の武装集団への支援を表明した。現在、ウクライナにはこうした背景を持つ戦闘員が入っていると言われている。

 アメリカのCBSはロシア軍がNATOを攻撃した場合、ルーマニアで軍事演習しているアメリカの第101空挺師団が軍事介入すると「報道」していたが、この部隊は軽武装で、ロシア軍と正面からぶつかる能力はない。アメリカやその属国に対するイメージ戦略だと考えられている。

 米英の情報機関や特殊部隊、ネオ・ナチ、ジハード傭兵はロシア軍とすでに戦っている。アメリカ/NATOは兵器を供給衛星写真を含む軍事情報をキエフ軍へ提供、兵士を訓練、作戦を指揮しているようだが、アメリカの統合参謀本部はウクライナでロシア軍とアメリカ軍が軍事衝突する事態を避けようとしている。NATOの内部でもネオコンと一線を画す動きがあるようだ。

 アメリカにはふたつの戦闘システムが存在する。ひとつは正規軍であり、もうひとつはCIAと特殊部隊だ。ベトナム戦争の特定の地域の農民を皆殺しにする「フェニックス・プログラム」をCIAと特殊部隊は実行している。1968年3月に引き起こされたミ・ライ(ソンミ村)事件もフェニックス・プログラムの一環だった。

 この作戦は1967年6月にICEXとしてスタート、ウィリアム・コルビーが68年から71年まで指揮していた。そのコルビーはフランク・チャーチ上院議員が委員長を務める「情報活動に関する政府による作戦を調査する特別委員会」でCIA長官としてCIAが行なっていた秘密工作の一端を明らかにした。

 その際、コルビーは公聴会で「1968年8月から1971年5月までの間にフェニックス・プログラムで2万0587名のベトナム人が殺され、そのほかに2万8978名が投獄された」とも証言している。こうした虐殺を南ベトナム民族解放戦線が行ったように見せかけることも工作の重要な要素だったという。(Tom O’Neill, “Chaos,” William Heinemann, 2019)

 なお、コルビーは1996年の春にカヌーで出かけたまま行方不明になり、数日後に遺体が発見されている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210240000/
13:777 :

2022/11/01 (Tue) 06:28:13


2022.10.31
黒海艦隊の基地が無人機や無人艇で攻撃され、ロシア政府は穀物取引の合意を停止
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210310000/

 クリミアのセバストポリはロシア海軍の黒海艦隊が拠点にしている基地がある。10月29日の早朝、そのセバストポリをキエフ政権が9機のUAV(無人機)と7隻の無人艦による攻撃を受け、UAVは全て撃墜、無人艦も破壊したとロシア政府は発表した。その発表によると、攻撃を実行したのはウクライナの第73海軍特殊作戦センター隊員だが、その隊員を訓練したのはオチャコフにいるイギリスの専門家だという。この攻撃を受け、ロシア政府はウクライナの穀物を船で輸出できることを決めた合意を停止すると発表した。

 9月26日から27日にノード・ストリームとノード・ストリーム2から天然ガスの流出が発見されたが、ロシア国防省はこれらのパイプラインを破壊したのはイギリス海軍だとも10月29日に発表している。

 ​10月8日にはクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(ケルチ橋)で爆破事件​があり、自動車用道路の桁ふたつが落下、ディーゼル燃料を運んでいた列車7両に引火した。当初、トラックに積まれていた爆発物による自爆テロだと見られていたが、トラックはダミーで、橋に爆弾が仕掛けられていたという情報もある。

 実際、トラックにはプラスチック爆弾が仕掛けられていたようだが、それだけでなく橋に爆弾が仕掛けられていたとする情報が事実なら、そのトラックが通過するタイミングで橋が爆破されたということになるだろう。その時に列車の電子システムが乗っ取られ、列車を停止させる信号が出たとする証言がある。

 爆弾テロを実行したのはウクライナのSBU(ウクライナ保安庁)だとロシア政府は主張しているが、​計画したのはイギリスの対外情報機関MI6(SIS)だという情報​も流れている。また爆弾の運搬に穀物の輸送船が使われたとも言われている。破壊工作の容疑者を逮捕する映像をロシアは公表しているが、それを見ると捜査官は放射性物質の有無を調べているようだった。

 MI6はイギリスの金融界、通称「シティ」との関係が深く、アメリカの情報機関CIAの教師的な存在でもある。イギリスは19世紀から世界を制覇するためにロシアを制圧しようとしてきたが、その中心にも金融資本が存在している。

 世界制覇を目指す長期戦略をまとめ、1904年に発表した学者がハルフォード・マッキンダー。今では「地政学の父」と呼ばれている。この戦略をアメリカの支配層が踏襲、ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。

 その戦略が考えられた当時、ビクトリア女王の助言者としてイギリスを動かしていたグループが存在する。その中心的な存在はセシル・ローズで、そのほかローズのスポンサーだったネイサン・ロスチャイルド、ローズの親友で霊的な世界に関心を持っていたウィリアム・ステッド、そして女王の相談相手として知られているレジナルド・ブレットが含まれていた。アルフレッド・ミルナーやウィンストン・チャーチルはその後継者だが、現在でもイギリスやアメリカを動かしているのはローズ人脈だと言われている。その人脈にイギリス首相やアメリカ大統領の系譜は動かされているということだ。

 ローズは優生学の信奉者として知られ、アングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考えていた。こうした優生学的な思想を彼は1877年に書いた「信仰告白」で明らかにしている。それによると、優秀なアングロ・サクソンが支配地域を広げることは義務だというが、それは「劣等人類」と見なされた人びとの殺戮につながる。

 ローズが「信仰告白」を書く13年前、トーマス・ハクスリーを中心として「Xクラブ」が作られている。その中には支配階級の優越性を主張する社会ダーウィン主義を提唱したハーバート・スペンサー、チャールズ・ダーウィンの親友だったジョセフ・フッカー、このダーウィンのいとこであるジョン・ラボックも含まれていた。彼らの思想の根底には優生学やの人口論があった。

 人口削減を主張する人は今も少なくない。例えば、CNNを創設したテッド・ターナーやマイクロソフトの創設者のビル・ゲーツ。ターナーによると、地球の環境問題を引き起こしている主な原因は多すぎる人口にあり、環境問題を解決するには人口を減らさなければならない。

 ターナーは1996年、「理想的」な人口は今より95%削減した2億2500万人から3億人だと語り、2008年にはテンプル大学で世界の人口を20億人、現在の約3割まで減らすとしていた。

 ビル・ゲーツはパンデミック騒動を仕掛けたひとりだが、2010年2月、TEDでの講演でワクチンの開発、健康管理、医療サービスで人口を10~15%減らせると語っている。彼にとって「ワクチン」は人口を減らす道具のようだ。実際、「COVID-19ワクチン」は深刻な副作用があり、人類の存続にとって重要な精子や卵子にダメージを与えるという報告もある。

 ローズ人脈は明治維新を仕掛け、サウジアラビアやイスラエルを作った。イスラエルが「建国」される際、​1948年にシオニストはパレスチナ人が使っていた飲料の井戸に毒物や病原体を入れたとことを示す文書が存在する​とイスラエルのハーレツ紙が伝えている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210310000/

14:777 :

2022/11/08 (Tue) 13:37:31

2022.11.08XML
米国で中間選挙が終わって冬が深まると欧米社会の経済危機は深まり、露軍が攻勢
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202211070000/

 アメリカでは11月8日に中間選挙の投票があり、その結果で内政だけでなく、外交や軍事に関する政策に大きな変化があるかもしれない。冬の到来はアメリカに従属する政策を進めてきたEU諸国の社会生活に深刻な影響を及ぼすことは不可避だ。

 冬になるとウクライナ東部のステップ(大草原)では地面が凍結、木々の葉が落ちるわけだが、ロシア軍はそれを待っていた。そのタイミングに合わせて兵器をドンバス(ドネツクやルガンスク)の周辺へ兵器を移動させ、動員した兵士を訓練してきた。さまざまなことが動き出す可能性が高いのだが、いずれもジョー・バイデン政権にとって都合は良くない。そうした中、​アメリカ軍の原子力潜水艦「ロード・アイランド」がスペインのジブラルタル港から離れて地中海へ入り、黒海へ向かっている​という。

 アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターも指摘していたが、​すでにウクライナでドンバス/ロシア軍と戦っているのは事実上、NATO軍​である。

 ウォロディミル・ゼレンスキー政権は18歳から60歳の男子が出国することを禁じ、動員の対象にしているが、兵器はアメリカ/NATOが投入しているが、訓練が不十分なまま最前線へ出されているため、ロシア軍のミサイルや航空兵力による攻撃で多くの戦死者が出ている。アメリカ政府はウクライナの外で「アル・カイダ方式」を使って傭兵を集めるしかないだろう。

 早い段階からアメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)が戦闘に参加していると伝えられているほか、ポーランドの正規軍やシリアのアル・タンフにあるアメリカ軍の基地で訓練を受けたダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)の戦闘員がウクライナへ送り込まれているともいう。アメリカ陸軍第10特殊部隊グループはドイツで訓練の準備を秘密裏に進めているとも言われていた。アメリカの統合参謀本部は「ウクライナ司令部」を創設するとしているが、すでに戦闘の指揮はNATOが行うようになったとも言われている。

 短期的に見ると、ウクライナでの戦闘は2010年から始まる。この年の1月から2月にかけて行われた大統領選挙で東部や南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチが勝利、7月にヒラリー・クリントン国務長官(当時)はキエフへ乗り込み、ヤヌコビッチに対してロシアとの関係を断ち切ってアメリカへ従属するように求めたが、拒否。そこからバラク・オバマ政権のクーデター計画が始まったと言われている。オバマ政権は2013年11月にクーデターを始動させ、14年2月にヤヌコビッチの排除に成功した。その時、クーデターの実行部隊として使ったのがネオ・ナチだ。

 このクーデターを現場で指揮していたのがビクトリア・ヌランド国務次官補(当時)。2014年2月上旬、クーデターが山場を迎える直前に彼女は電話でジェオフリー・パイアット米国大使に対し、「次期政権」の閣僚人事について話している。その中でヌランドは混乱を話し合いで解決しようとしていた「EUなんか、クソくらえ」と口にしたのだ。

 ヌランドは父方の祖父母がウクライナからの移民だが、現国務長官のアントニー・ブリンケンの父方の祖父もウクライナ出身。ヌランドもブリンケンもユダヤ系だ。ちなみに、アメリカの反ロシア戦略で重要な役割を果たしたズビグネフ・ブレジンスキーはポーランドの生まれだが、一族の出身地ブゼザニは現在、ウクライナに含まれている。オバマはブレジンスキーの教え子だ。

 オバマ政権で副大統領だったジョー・バイデンもクーデターに関与していたが、その副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていた人物がジェイク・サリバン。現在、国家安全保障担当大統領補佐官として好戦的な政策を推進している。エール大学出身なので、おそらく在学中にCIAからリクルートされたのだろう。大学時代、ローズ奨学生としてイギリスのオックスフォード大学へ留学している。

 2009年にオバマ政権へ上級顧問として参加、中東から北アフリカにかけての地域で実行された体制転覆工作にも加わったマイケル・マクフォールもローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学している。2012年1月にロシア駐在大使として赴任したが、この年の3月にはロシアで大統領選挙が行われ、ウラジミル・プーチンが当選している。この選挙で反プーチンの工作をマクフォールは指揮、「ロシアのリセット」を目論んだ。ちなみに、ヒラリー・クリントンの夫、ビル・クリントンもローズ奨学生としてオックスフォード大学へ留学している。

 このオックスフォード大学にある学生結社「ブリングドン・クラブ」が現在の好戦的な政策に関係していることは本ブログでも書いた。例えばボリス・ジョンソン、デイビッド・キャメロン、ジョージ・オズボーン、トニー・ブレアといった後の政治家、そして金融界に君臨しているナット・ロスチャイルド、あるいはポーランドのラデク・シコルスキー元外務大臣、ロシアを第1次世界戦争へ引き込む上で重要な役割を果たしたフェリックス・ユスポフもメンバーだった。

 ローズ奨学生はオックスフォード大学の大学院生に与えられ、学費を支払うローズ・トラストは1902年にセシル・ローズの意志で創設された。ローズ奨学制度の人脈がセシル・ローズの戦略と無関係だとは考えられない。

 ローズが優生学を信奉、アングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考えていたことは本ブログでも何度か触れた。彼は1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に書いた『信仰告白』を書いが、その中で彼はアングロ・サクソンは最も優秀な人種であり、その居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いことだと主張している。領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務であり、領土の拡大はアングロ・サクソンが増えることを意味するとしている。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877)

 こうした考えをローズは彼のスポンサーだったナサニエル・ド・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット、アルフレッド・ミルナー、ロバート・ガスコン-セシル、アーチボルド・プリムローズたちへ説明したとされている。その後、プリムローズの甥にあたるアーサー・バルフォアもローズのグループへ入った。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013)

 ここからローズ人脈が始まり、現在も世界に小さからぬ影響を及ぼしていると考える人もいる。ハルフォード・マッキンダーという地理学者が1904年に「歴史における地理的要件」というタイトルで発表したユーラシア大陸の海岸線を支配して内陸部を締め上げ、ロシアを征服するという長期戦略はローズたちの戦略でもある。

 その影響を受けていた「封じ込め政策」のジョージ・ケナン、あるいは軍事クーデターや空爆を指揮してきたヘンリー・キッシンジャーでさえ反対する好戦的な軍事作戦をローズ人脈は推進してきたが、「汚い爆弾(放射能爆弾)」を爆発させ、その責任をロシアになすりつけ、ロシア征服に結びつけようという作戦はロシア側に漏れ、公表された。ローズ人脈は追い詰められているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202211070000/
15:777 :

2022/11/12 (Sat) 20:41:01

【伊藤貫の真剣な雑談】 第10回 伊藤貫×水島総特別対談「価値判断力を喪失しネオコンに追従する日本は来年にも亡国の危機に直面する!」[桜R4/11/12] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=vfLEnp53ioE
16:777 :

2022/11/16 (Wed) 12:54:13

【東京ホンマもん教室】少なすぎ! 「39兆円の経済対策」の欺瞞を暴く(11月12日 放送分) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=FF3dDRu70-o

2022/11/12
ゲストは3年ぶりに帰国した国際政治アナリスト・伊藤貫
ロシア・ウクライナ戦争について日本のメディアが報じない驚愕の真実を明らかにする。
17:777 :

2022/11/22 (Tue) 08:19:44



2022.11.22XML
ロシアの制圧に執念を燃やすネオコンの歴史的な背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202211220000/

 アメリカ​統合参謀本部(JCS)のマーク・ミリー議長はウクライナ軍がロシア軍に勝利できないかもしれないとした​上で、​ウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシアとの交渉を始めるべきだと発言​している。​4月の段階でロシア政府との交渉を始めようとしたキエフ政権に戦闘の継続を命じたのはイギリスのボリス・ジョンソン首相​だった。現在、​ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官など対ロシア戦争を推進してきたグループはミリー議長の意見に反対していると伝えられている​。

 過去を振り返ると、勿論、軍にも好戦的な勢力が存在していた。JCSが1949年に作成した研究報告にはソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという記載があり、水爆実験を成功させた後、1954年に戦略空軍総司令部(SAC)は600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約60000万人を殺すという計画を立てる。

 1957年に作成された「ドロップショット作戦」は実戦を想定していたようだが、それでは300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊することになっていた。沖縄の軍事基地化はこの作戦と無縁でないはずだ。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

 アメリカが必要なICBMを準備でき、しかもソ連が準備できていないタイミングで先制核攻撃をすると考えた好戦派の中には統合参謀本部議長だったライマン・レムニッツァーや空軍参謀長だったカーティス・ルメイが含まれる。レムニッツァーはイギリスの貴族を信奉している人物で、ルメイは第2次世界大戦の終盤、日本に対する空爆を指揮していた。​この好戦派は1963年後半に先制攻撃する計画を立てた​が、邪魔者がいた。大統領だったジョン・F・ケネディだ。ケネディは1963年11月22日に暗殺された。

 しかし、反ロシア/ソ連感情が強く、ファシストを支援してきた勢力は外交を司る国務省を巣窟としてきた。そこで反ファシストで反帝国主義のフランクリン・ルーズベルトは大統領として国際会議に出席する場合、同行させたのは基本的に軍人で、文民は個人的にルーズベルトが信頼していたハリー・ホプキンスだけだったという。(Susan Butler, “Roosevelt And Stalin,” Alfred A. Knopf, 2015)

 アメリカの国務省には「リガ・グループ」とも呼ばれる反コミュニスト、反ソ連の一派がロシア革命の直後から存在していた。ラトビアのリガ、ドイツのベルリン、そしてポーランドのワルシャワの領事館へ赴任していた外交官たちがその中心で、メンバーの中には「封じ込め政策」で有名なジョージ・ケナンや駐日大使を務めたJPモルガン人脈のジョセフ・グルーも含まれていた。そのケナンより反ロシア感情が強く、好戦的なグループがネオコンにほかならない。

 この一派もケナンやズビグネフ・ブレジンスキーと同じように、イギリスで19世紀に作られた長期戦略に従って動いている。ユーラシア大陸の周辺部を海軍力で支配、内陸部を締め上げていくというもので、最終的にはロシアを制圧し、世界の覇者になろうとしている。その根源にはアングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考える優生学思想がある。

 優生学の創始者とされているフランシス・ゴールトンは『種の起源』で知られているチャールズ・ダーウィンの従兄弟にあたる。ダーウィンはトーマス・マルサスの『人口論』から影響を受け、「自然淘汰」を主張していた。ダーウィンの仮説とアングロ・サクソン信仰が結びつくと侵略、殺戮、略奪、支配を正当化する「理屈」になる。この「理屈」を信奉していたひとりがセシル・ローズだ。

 ローズは南部アフリカの侵略で重要な役割を果たし、そこで産出される金やダイヤモンドなどの資源を略奪して巨万の富を築いた。1877年6月にフリーメーソンへ入会した彼はその直後、『信仰告白』を書いている。

 その中で彼はアングロ・サクソンは最も優秀な人種であり、その居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いことだと主張した。領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務であり、領土の拡大はアングロ・サクソンが増えることを意味するというのだ。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877)

 このローズを中心に支配グループが形成されるが、その中にはナサニエル・ド・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット、アルフレッド・ミルナー、ロバート・ガスコン-セシル、アーチボルド・プリムローズらが含まれる。その後、プリムローズの甥にあたるアーサー・バルフォアもローズのグループへ入ったという。このグループから始まる「ローズ人脈」は現在も機能している。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013)

 ローズ以降この人脈はアルフレッド・ミルナーを中心に活動し、ミルナーはシンクタンクのRIIA(王立国際問題研究所)を創設した。タイムズ紙も1912年ころからミルナーが管理するようになり、22年にはオーナーになった。(Carroll Quigley, “The Anglo-American Establishment”, Books in Focus, 1981)

 RIIAは形式上、1919年5月にパリのホテルで開かれたイギリスとアメリカの専門家が集まった会議で組織されている。イギリスからの出席者はミルナー・グループが大半で、アメリカ側はJPモルガン系の人たち。カーネギー財団もミルナー・グループと関係は緊密だ。

 ところで優生学はアメリカの支配層に広まり、イギリス以上に社会へ大きな影響を与えることになる。支援者の中心はカーネギー財団、ロックフェラー財団、そしてマリー・ハリマンで、優生学に基づく法律も作られた。

 優生学の信奉者はアングロ・サクソンだけでなく、ドイツ系や北方系の人種が優秀だと主張、劣等な種を「淘汰」するべきだと考える。そうした考えに引き寄せられたひとりがアドルフ・ヒトラーであり、ウクライナのネオ・ナチもその神話を信奉している。アメリカやイギリスの支配層とネオ・ナチが結びつくのは必然だと言えるだろう。現在、こうしたイギリスの長期戦略を推進している中心にはネオコンが存在。ところで、「ユダヤ」に目を奪われていると重要な事実が見えなくなる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202211220000/
18:777 :

2022/11/25 (Fri) 04:55:44

【桜無門関】馬渕睦夫×水島総 第45回「ウクライナで成功しなかったネオコンは次の戦場を求めている」[桜R4/11/24]
https://www.youtube.com/watch?v=HhMgeSgpv3o

馬渕睦夫 _ ウクライナやイタリアで失敗したディープステートの次の一手は?
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14049994

【桜無門関】馬渕睦夫×水島総 第43回「ウクライナも、台湾も、トランプも、そして安倍も...世界の裏面史はグローバリストvs.ナショナリストの謀略の歴史」[桜R4/8/25]
https://www.youtube.com/watch?v=-h9qkdc0aLc


ポーランドにミサイルを落としてしらを切るウクライナ
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14064737
19:777 :

2022/11/28 (Mon) 03:24:29

2022.11.28XML
「覇権に執着するアメリカの下で人類は存続できるか」
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202211280000/

 本ブログでは繰り返し書いてきましたが、アメリカを中心とする支配システムが揺らいでいます。それにもかかわらずアメリカの支配層は世界制覇計画に執着、障害になっているロシアや中国を倒そうとしているのですが、その足掻きによって人類は存続の危機に瀕しています。その状態が今後どうなるかを考えてみたいと思います。

 1991年12月にソ連が消滅した時点で旧ソ連圏はアメリカに征服され、中国はすでにエリート層がアメリカの支配層に取り込まれていました。そうした状況を一変させたのウラジミル・プーチンを中心とするロシアのグループです。

 1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいて世界制覇プロジェクトをスタートさせましたが、それに合わせてWEF(世界経済フォーラム)のクラウス・シュワブは「明日のグローバル・リーダー」プログラムを開始、1993年から若手指導者を選び始めます。

 最初の年に選ばれた指導者候補にはイギリスのトニー・ブレア、ドイツのアンゲラ・メルケル、フランスのニコラ・サルコジ、ポルトガルのジョゼ・マヌエル・バローゾ、そしてロシアのプーチンが含まれていました。プーチンがロシアの大統領になれたのはそのためですが、実権を握ったプーチンはロシアを曲がりなりにも独立させます。

 プーチンがロシアの大統領になった頃からイスラエルやアメリカはロシアの隣国であるジョージアへの工作を始めます。イスラエルの軍事会社がジョージアへ無人機(ドローン)、暗視装置、防空システム、ミサイル、砲弾などを提供すると同時に軍事訓練を実施、アメリカの軍事会社も訓練に参加しています。

 そして2008年8月7日、北京の夏季オリンピック開催に合わせてジョージアは南オセチアを奇襲攻撃しますが、ロシア軍の反撃で惨敗しました。アメリカ/NATOはロシア軍を弱体化させたと信じていたようですが、その時点で立て直されていました。

 その間、2004年から05年にかけてジョージ・W・ブッシュ政権はウクライナで東部や南部を支持基盤にするビクトル・ヤヌコビッチを「オレンジ革命」で排除しますが、アメリカが樹立させた政権の新自由主義的な政策で貧困化した国民は2010年の1月から2月にかけて行われた大統領選挙で再びヤヌコビッチを当選させます。

 ウクライナの東部や南部は歴史的にロシアとの関係が深く、住民の多くはロシア語を話します。ヤヌコビッチの支持基盤に含まれるクリミアでは住民の75%、ドンバスでは住民の90%がヤヌコビッチに投票しました。

 2010年7月にヒラリー・クリントン国務長官(当時)がキエフへ乗り込み、ヤヌコビッチに対してロシアとの関係を断ち切ってアメリカへ従属するように求めますが、拒否されます。そこでオバマ政権はクーデターを計画、2013年11月に始動させ、14年2月にヤヌコビッチの排除に成功しました。その時、クーデターの実行部隊として使ったのがネオ・ナチです。

 しかし、東部や南部の人びとはクーデターを拒否、クリミアはロシアと一体化することに成功、ドンバスでは住民が武装蜂起しました。そこへはネオ・ナチ体制に従属することを拒否した軍人や治安機関のメンバーなどが合流したと言われています。

 当初、ロシア政府は話し合いでの解決を目指し、ドンバスを保護することをロシアを受け入れていません。そうした姿勢は事態を悪化させるだけだと批判したアメリカ政府の元高官もいました。今年11月25日にはウラジミル・プーチン露大統領も兵士の母親との会合で、早くドンバスを併合していれば市民の犠牲者は少なくて済んだと後悔していると語っています。アメリカ/NATOと話し合いで物事を解決することは不可能だと悟ったのでしょう。

 ウクライナに対する軍事作戦をロシアは今年2月24日に始めたのですが、これはアメリカ/NATOがウォロディミル・ゼレンスキーを利用して東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)を攻撃する直前のことだったと見られています。

 4月から5月にかけての時期にウクライナの軍や親衛隊は壊滅しましたが、イギリス政府やアメリカ政府は戦闘を継続させるために兵器を大量に供給、ウクライナ兵を訓練して最新兵器をあつかえるようにし、軍事情報を提供、さらに自国の情報機関や特殊部隊のメンバーをウクライナで活動させています。

 戦闘にNATO軍の部隊が出てきているわけではありませんが、作戦の指揮をNATOが行うなど関わりを強めていきました。そうしなければ戦闘を維持できないからです。

 ロシアがウクライナに対する軍事作戦を始めた2月24日以降も地上部隊の主体はドンバス軍、チェチェン軍、ワーグナー・グループで、ロシア軍はミサイルや航空兵力による攻撃が中心だったようで、そのミサイル攻撃も徹底したものではありませんでした。生産能力の問題ではありません。

 9月21日、ウラジミル・プーチン大統領は部分的な動員を実施すると発表、ドンバス、ザポリージャ、ヘルソンでは9月23日から27日にかけてロシアと一体になることの是非を問う住民投票が実施されました。賛成に投票した人は投票総数のうちドネツクで99%、ルガンスクで98%、ザポリージャで93%、ヘルソンで87%に達しています。

 そして今年10月8日、ロシア国防省はドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソンでの軍事作戦をロシア軍の中でエース的な存在だと言われるセルゲイ・スロビキン大将が統括指揮者に据え、また西部軍管区司令官をロマン・ビアルニコフ中将へ交代、チェチェン軍を率いているラムザン・カディロフは上級大将の称号を与えました。ロシア軍は軍事的に何もしていないとプーチン大統領はそれまで語っていましたが、動き始めたようです。

 現在、ロシア軍はウクライナで冬が本格化するのを待っています。ステップと呼ばれる大草原が凍結して戦闘車両の走行が容易になり、木々の葉が落ちてウクライナ軍が隠れにくくなるからです。

 それに合わせてロシア政府は部分的動員を実施、すでに約8万人はドンバス(ドネツクやルガンスク)入りし、そのうち5万人は戦闘に参加しているとされています。訓練中の約32万人も新作戦が始まる前には合流するはずで、大量の兵器がドンバス周辺へ運ばれる様子がインターネットにアップされていますが、それを見るとT-90M戦車や防空システムS-400が含まれています。

 一方、​アメリカ統合参謀本部のマーク・ミリー議長は冬季に予想されるロシア軍の攻勢を懸念​しているようで、ウクライナ軍がロシア軍に勝利することはないかもしれないと9日にニューヨークの経済クラブで発言、冬が本格化する前にロシアとの交渉を始めるべきだと語りました。ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官などオフィスで戦争ごっこをしている感覚の好戦派はミリー議長の意見に反対しているようですが、結局、時間稼ぎのために話し合いを始めるかもしれません。

 西側から兵器と資金が送られてくるシステムが一種の利権になっているウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシアとの戦闘を継続させたい。本腰を入れ始めたロシアに太刀打ちできないことを認識し始めたらしいゼレンスキー大統領としては、NATO軍かアメリカ軍を戦場へ引き摺り出したいでしょう。

 そうした中、11月15日にウクライナからS-300防空システム用の5V55Kミサイル2機がポーランドのプシェボドフへ飛来、2名が死亡したとされています。このミサイルの射程距離は75キロメートルにすぎず、ロシア軍が****した可能性はゼロに近いのですが、APはロシア軍が****したと伝えました。ロシアがNATO加盟国のポーランドをミサイル攻撃したとなるとNATO軍はロシア軍と戦う義務が生じ、核戦争になる可能性が出てきます。

 この話を伝えたのはAPのジェームズ・ラポータ記者ですが、ことの重大さから編集会議で討議されました。別の情報源に確認する必要はないかという意見を述べた編集者もいましたが、その必要はないということになり、「報道」したわけです。

 その討議の中でバネッサ・ゲーラ編集者はロシアのミサイルが国境を超えてNATO加盟国に着弾してふたりが死んだのだとポーランドやアメリカ情報機関の高官が話していると強調、アメリカの情報機関幹部が間違うとは思えないと語っています。

 すぐにミサイルの話は間違いだと判明してラポータは解雇されましたが、ゲーラを含む編集者は問題にされず、嘘をついた情報機関の高官も責任を問われていないようです。事実を明らかにして逮捕され、アメリカで懲役124年が言い渡される可能性があるウィキリークスのジュリアン・アッサンジとは全く違った扱いをされています。

 ミサイルがどこから****されたかを熟知しているはずの​ミリー統合参謀本部議長は11月16日、ペンタゴンで開かれた記者会見で冬が来る前にロシアとの交渉を始めるべきだと再び発言​しました。ウクライナでの戦乱を仕掛けたホワイトハウスの好戦派はロシアを壊滅させたがっていますが、統合参謀本部には相手にされなかったようです。

 アメリカやイギリスは19世紀からロシアを敵視、領土を征服しようと目論んできました。その長期戦略にEUやNATOは従っているのですが、ヨーロッパ諸国に住む人びとはそうした米英支配層の戦略に反対し始めました。イギリス支配層は戦略の一環として明治維新を仕掛け、その流れから日本は逃れられず、中国やロシアと戦争する準備を進めています。

櫻井春彦
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202211280000/
20:777 :

2022/12/01 (Thu) 12:46:46

 12月16日午後7時から東京琉球館で「覇権に執着するアメリカの下で人類は存続できるか」というテーマで話しますが、すでに予約が一杯になったそうです。ありがとうございます。

 ここにきて日本は戦争準備を急ピッチで進めていますが、その背景にはアメリカ支配層の覇権計画があります。アメリカの支配層が覇権に執着していることを認めたくない人が日本には多いようですが、これは否定できません。第2次世界大戦後にアメリカの好戦派はソ連に対する先制核攻撃を計画したことは本ブログでも繰り返し書いてきました。これを理解しなければ沖縄の軍事基地化は理解できません。この計画に立ちはだかったジョン・F・ケネディ大統領は暗殺されました。

 アメリカはアングロ・サクソン系国のひとつですが、同じイギリスは世界制覇プランを19世紀に立て、これは現在も生きています。そのプランの中心にいたセシル・ローズは優生学の信奉者で、アングロ・サクソンを最も優秀な人種だと考え、帝国主義的な侵略を正当化していました。

 19世紀における最大の経済国は中国(清)であり、その制圧を狙ってアヘン戦争を始めて勝利しますが、占領するだけの戦力はありませんでした。そこで目をつけたのが日本であり、明治維新につながったことも本ブログで繰り返し書いてきました。その明治体制、つまり天皇制官僚システムは現在も生きています。

 ここで言う「イギリス」や「アメリカ」は実際のところ「シティ」や「ウォール街」、つまり米英金融資本で、国際機関の幹部や各国のエリートを飴と鞭で支配、コントロールしています。

 支配のネットワークはロシアや中国にも及んでいますが、それでもロシアは自立度を高めてきました。アメリカの電子情報機関NSAの機密資料を外部へ持ち出し、内部告発したエドワード・スノーデンは結果としてロシアで生活することになりますが、告発当時、イギリスの元MI5(防諜機関)幹部は、スノーデンをアメリカの情報機関から守れるのはロシアだけだと言っていました。スノーデンは2013年5月に香港でジャーナリストのグレン・グリーンウォルドへその資料を渡し他のですが、中国は彼を守りきれないということです。

 ウクライナを制圧してロシア征服を実現しようとしていたアメリカ/NATOの好戦派(セシル・ローズ人脈とも言われている)はその計画に失敗し、中国へ矛先を向けつつあるように見えます。日本は1995年にアメリカの戦争マシーンに組み込まれ、対中国戦争(必然的に対ロシア戦争にもなります)の最前線に立たされようとしています。アメリカや日本の軍事戦略を「防衛」や「反撃」という視点から考えることは根本的に間違っているのです。

櫻井春彦
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202212010001/
21:777 :

2022/12/13 (Tue) 16:28:43

【討論】世界はどうなっている?どうなるか?[桜R4/12/13]
まさにホンモノの議論を展開していきます!
https://www.youtube.com/watch?v=ovoNmdLe794

パネリスト:
 伊藤貫 (国際政治アナリスト)※スカイプ出演
 川口マーン惠美(作家)
 マックス・フォン・シュラー小林(元米海兵隊・歴史研究家)
 用田和仁(元陸上自衛隊西部方面総監 陸将)
 矢野義昭(元陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補)
司会:水島総
22:777 :

2022/12/14 (Wed) 11:32:49

2022.12.14XML
米英やキエフ政権がウクライナでの戦闘に執着する歴史的な背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202212140000/

 ウクライナの戦乱はイギリスやアメリカの支配者、つまり明治維新から現在に至るまで日本に強い影響力を及ぼしている勢力によって引き起こされた。

 彼らの長期戦略が始まったのはアヘン戦争の頃、中期的には1991年12月のソ連消滅、あるいは2001年9月11日の出来事、そして短期的には2013年11月から14年2月にかけてキエフで実行されたネオ・ナチのクーデターだ。クーデター後、ドンバスやクリミアを制圧するために戦力を増強するが、​そのための時間稼ぎがミンスク合意​だった。

 アメリカやイギリスの支配層がウクライナを征服しようとしている理由のベースには19世紀から続く世界制覇戦略がある。ユーラシア大陸の周辺部を支配して内陸を締め上げ、ロシアを征服しようとしているのだが、そのロシアの喉元にナイフを突きつけるためにウクライナを支配する必要がある。

 アメリカの支配層内でソ連/ロシアを征服しようという意思が最も強いのはネオコンだろう。そのネオコンは1991年12月にソ連が消滅した直後、世界制覇計画を「DPG(国防計画指針)草案」という形で作成した。

 当時の国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。いずれもネオコンの中核グループに属している。ウォルフォウィッツが草案作成の中心だったことから1992年のDPGは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 ネオコンは手始めに旧ソ連圏への侵略を始めようとするが、ビル・クリントン政権は動かず、動かないクリントン大統領はスキャンダルで攻撃された。クリントン政権が戦争へ舵を切るのは1997年1月に国務長官がクリストファー・ウォーレンからマデリーン・オルブライトへ交代してからである。オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。師弟とも好戦的である。

 ソ連時代からアメリカ政府にはソ連やロシアを強く敵視する人物がいる。例えばポーランド生まれのズビグネフ・ブレジンスキー、チェコスロバキア生まれのマデリーン・オルブライト、父方の祖父母がウクライナからの移民であるビクトリア・ヌランド、父方の祖父がウクライナ出身のアントニー・ブリンケンなどだ。

 1998年4月にアメリカ上院はNATOの拡大を承認、99年3月にNATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。軍事侵略だ。その際、スロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の自宅を破壊しただけでなく、中国大使館も爆撃しているが、状況から考えて誤爆ではない。

 ネオコンが主導権を握っているとは言えるだろうが、ウォーレンのような人物もいた。つまりネオコンが好き勝手にできる状態だとは言えなかった。その状態を大きく変える出来事が起こるのは2001年9月11日のことである。

 その日、ニューヨークの世界貿易センター(WTC)とバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、ジョージ・W・ブッシュ大統領は詳しい調査が行われる前にオサマ・ビン・ラディンが率いる「アル・カイダ」の犯行だと断定、ビン・ラディンを匿っているとしてアフガニスタンを攻撃した。

 攻撃直後にオサマ・ビン・ラディンは9月11日の攻撃に自分たちは関与していないと主張、9月16日にはカタールのテレビ局、アル・ジャジーラに送った声明の中で、やはり自分たちが実行したのではないとしているが、西側では問題にされなかった。

 ブッシュは大統領に就任して以来、ネオコンの戦略通りに中国脅威論を叫んだが、彼の財布とも呼ばれていたエンロンの破綻が不可避という不安も抱えていた。その不安も2001年9月11日に消える。この日、航空機が激突したツインタワーだけでなく、攻撃を受けていない7号館も爆破解体のように崩壊、そこに保管されていた金塊、エンロンや国防総省の使途不明金に関する捜査資料は消えてしまったのだ。

 ブッシュは2000年の選挙で大統領に選ばれたのだが、ネオコンに担がれていた。この選挙では正体不明の「選挙監視員」による投票妨害が報告され、バタフライ型投票用紙などが原因になった混乱があった。実際の投票数と出口調査の結果が違うとも指摘された。不正選挙だったと言われているのは、そうした出来事のためだ。

 しかし、選挙の前にも疑惑を招く出来事があった。2000年の選挙は共和党のブッシュと民主党のアル・ゴアが争ったが、その前年には出馬を否定していたジョン・F・ケネディ・ジュニア、つまりJFKの息子が有権者から最も支持されていた。そのケネディ・ジュニアが飛行機事故で死亡したのだ。

 もしケネディ・ジュニアが立候補した場合、民主党と共和党以外の候補者が大統領になる可能性もあったが、彼は1999年7月16日に不可解な飛行機事故で死亡している。ケネディが乗っていたパイパー・サラトガが墜落、本人だけでなく妻のキャロラインや義理の姉にあたるローレン・ベッセッテが死亡したのだ。

 もし彼が大統領に選ばれたなら、2大政党という事実上の1党****体制が揺らぎ、巨大資本にとって不都合な政策が打ち出されたかもしれないが、それ以上に重要だったのはケネディ大統領の暗殺に関する情報が公開されてしまう可能性。これは支配階級にとって悪夢以外の何物でもないはずだ。

 本人の操縦技術に問題があったとは考えられず、しかも飛行位置から考えてパイパー機は自動操縦で飛んでいた可能性が高い。この飛行機は緊急時に位置を通報するELTが搭載されていたが、墜落現場の特定までに5日間を要した。時間がかかりすぎている。しかも搭載されていたボイス・レコーダーには何も記録されていないという。

 2000年の選挙には政治姿勢がネオコンと正反対のメル・カーナハン元ミズーリ州知事も立候補していたが、その年の10月16日にやはり飛行機事故で死亡している。対立候補はブッシュ政権で司法長官を務めたジョン・アシュクロフトだが、選挙ではカーナハンの妻が当選した。

 ミズリー州では1976年の選挙前でも民主党の上院議員候補が飛行機事故で死んでいる。ジェリー・リットンだ。その結果、当選したのが共和党のジョン・ダンフォースだった。

 2002年の中間選挙ではミネソタ州選出の上院議員、ポール・ウェルストンがやはり飛行機事故で死んでいる。ウェルストンもブッシュ政権と対立する考え方の人物で、イラク攻撃にも反対した可能性が高い。この当時の民主党には戦争に反対する議員がいた。

 ウェルストンの場合、悪天候が原因だったと報道されているが、彼が乗っていた航空機の飛行高度では5マイル(約8キロメートル)先まで見えたと言われ、しかも防氷装置がついていた。

 2001年9月11日の出来事で主導権を握ったネオコンは侵略戦争を始めるが、統合参謀本部との対立で正規軍を使った侵略は止め、アル・カイダ系武装集団やネオ・ナチなどを傭兵として使い始めた。ウクライナでのクーデターはその一環だ。バラク・オバマはジョージ・W・ブッシュから本質的には「チェンジ」していない。

 歴史的にアメリカやイギリスの私的権力はドイツを潜在的なライバルとして警戒、ロシアとドイツを戦わせて共倒れにしようとしてきたと言えるだろう。

 ところがドイツとロシアは天然ガスの取り引きで関係を強めていた。その天然ガスを運ぶパイプラインがウクライナを通過している。ウクライナを支配できれば、ロシアからドイツへの天然ガス輸送をコントロールできるわけだ。

 ドイツとロシアはウクライナを迂回するパイプラインも建設した。バルト海経由の「ノード・ストリーム」と「ノード・ストリーム2」だ。このふたつのパイプラインが9月26日に爆破された。

 ガスの圧力低下をガスプロムが異常アラームで知った1分後、イギリスの首相だったリズ・トラスはiPhoneでアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官へ「やった」というテキストのメッセージを送っている。トラスは10月25日に突如辞任、10月29日にロシア国防省はノード・ストリームを破壊したのはイギリス海軍だと発表した。

 アメリカ、イギリス、NATOなどはウクライナにロシアと戦わせようとしてきた。本ブログでも繰り返し書いているように、そうした西側に操られたキエフ政権は無謀な玉砕攻撃を実行、多くの男性が戦死している。富裕層は国外で優雅な生活を楽しんでいるようだが、庶民は厳しい状況だ。45歳以上の男性が最前線へ送り込まれているということは、それだけ若者が死んでいるということだろう。

 ウクライナ軍/親衛隊の敗北が決定的になっていた4月5日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は自分たちが大きなイスラエルになると宣言している。「イスラエルになる」という意味が明確でないが、「ユダヤ人の国」と解釈することもできる。

 そうした国を作るためには、パレスチナでそうだったように、ウクライナを「空き地」にする必要があるだろう。豊かな空き地がなければ移住させることができない。

 キエフでのクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権が倒された翌月の2014年3月16日、​ヨーロッパ系ユダヤ人のアシュケナージは黒海やカスピ海の北側にあったハザールにいた人びと​であり、ウクライナへ帰還させるという話があるとする記事がイスラエルの新聞、タイムズ・オブ・イスラエル紙に掲載された。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202212140000/
23:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/01 (Sun) 12:00:28

2022年12月30日
ウクライナは廃墟になってもいい ? / 米国メディアを支配する者 (後編)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/

共和党も賛成するウクライナ支援
Ukraine 6653Zelensky 2344

  かつてアメリカ社会は「自由主義の砦」と思われていた。しかし、冷戦が終わって第21世紀になると、全体主義の悪霊はアメリカに引っ越したようだ。近年のアメリカでは「GAFA」と呼ばれるビッグ・テックがメディアを席巻し、反対意見を表明することが難しくなっている。Googleが親会社となるYouTubeでは、NGワードの監視が厳しく、ちょっとでも規則に違反すれば即「配信停止」か「アカウントの凍結」となってしまう。Googleの検索エンジンも巧妙に制禦されており、不都合な情報は最初から削除されている。でも、一般の使用者はそれに気づかない。TwitterやFacebook(Meta)も同じで、FBIやCIAとツルんで言論統制だ。

  対露戦が始まったウクライナにも、西側の諜報機関や宣伝会社が入り込み、様々な情報統制を構築していた。遠い日本に住む我々は、実際に何が起こっているのか判らないから、アメリカの主流メディアが伝える「戦争報道」という材料で判断しているのが現状だ。しかし、こんな現地取材は非常に怪しく、検証せずに鵜呑みにしたら、バイデン政権や軍需産業、金融業者、エネルギー産業、各種ロビーストの思う壺だ。たとえ、PBSやニューヨーク・タイムズ紙が伝える“報道”でも、ウクライナのPR会社(宣伝情報代理店 / public relations firm)が“拵えた”偽情報なのかも知れないし、あるいは“真実と嘘をごちゃ混ぜにした”誘導操作という場合もある。

  紛争が始まる前から、ウクライナには西側のPR会社が乗り込んでいた。現地の情報に飢える歐米や日本の一般人は、西側にとって“都合のいい情報”が流されているとは思わない。NBC の「Meet the Press」やCBSの「Face the Nation」といった政治討論番組では、有名な評論家や御用学者が登場し、難しい専門用語や政治理論を交えて軍事戦略を語るから、一般国民はコロッと騙される。とりわけ、日本の庶民は軍事・外政に疎いので、まさか“世論誘導の情報”とは思わない。NHKのニュース番組を観みたり、池上彰の解説を聞けば、子供のように「そうだよねぇ~」と信じてしまう。

Nicky Reazzoni & George Blizzard(左 : ニッキー・リガゾーニ / 右 : ジョージナ・ブリザード)
  ところが、英米の戦時プロパガンダは極めて巧妙だ。密かに張り巡らされた巨大ネットワークを稼働させ、多数の違った放送局がシナリオ通りの報道を垂れ流す。特に、最近はPR会社の演出が極めて効果的だ。洗剤や化粧品を売り込むような塩梅で、政治ネタを調理する。例えば、ブリテンに拠点をもつ「PR Neywork」は、ウクライナの外務省と提携し、ロシアや戦況に関する情報を流していた。この宣伝会社は2005年、ニッキー・リガゾーニ(Nicky Regazzoni)とジョージナ・ブリザード(Georgina Blizzard)という二人の女性によって創設され、現在では380万ドルの手数料を稼ぐ会社になっている。

  ウクライナのプロパガンダ・マシーンには、PR業界の大御所たるフランシス・インガム(Francis Ingham)も深く関わっていた。彼は「Public Relations and Communications Association(PRCA)」というヨーロッパ最大の広告組合で15年間も統括ディレクターを務めた人物だ。この組織は色々な広告会社やコンサルタント会社を束ねる元締的な組織である。そして、PRCAは各企業を代表するロビイストの役割も担っているそうだ。英国で隠然たる権力を誇るインガムは、かつて保守党のアドヴァイザーを務めたこともあるから、政界のブローカーになっているのだろう。

  何しろ、老舗の保守系シンクタンクである「ボウ・グループ(The Bow Group)」で事務局長を務めていたくらいだから、ボリス・ジョンソンからの依頼だって受けていたのかも知れないぞ。辞任する前、ジョンソン首相は二度もウクライナへ赴き、ゼレンスキーに支援を約束していたから、英国の諜報機関が暗躍していてもおかしくはない。「ノルドストリーム」や「クリミア大橋」の爆破だって、MI6が手助けしていたとも考えられるのだ。だいたい、どうして橋の爆破直後に、炎上する橋を描いた巨大切手が展示されたのか? この看板を制作した業者は、どうやって事前に橋の爆破を知ることができたのか? ウクライナ政府の役人は答えるべきだ。

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(左 : 巨大な切手の前で記念写真を撮るウクライナ国民 / 右 : キエフを電撃訪問したボリス・ジョンソン首相 )

  話を戻す。今でも政府との太いパイプを有するインガムは、ブリテン政府のプロパガンダ機関と連携しているようだ。彼のような熟練の宣伝マンは、ウクライナ紛争を扇動する政治プロパガンダに打ってつけで、ロシア政府も彼をブラックリストに載せているくらい。もっとも、インガム自身は“危険人物”に列せられたことを喜んでいる。

Francis Ingham 1(左 / フランシス・インガム)
  以前、ブリテン政府は一般国民や諸外国とのコミュニケーションを模索し、その効果を評価するために「Government Communication Service Strategy and Evaluation Council」という評議会を設置したが、インガムはここに属していた。インガムの経歴はこれだけじゃなく、彼は世界各国で広報活動を展開するPR企業の「International Communications Consultancy Organisation」で経営者を務めていたし、英国の枢密院から“お墨付き”をもらったPR機関「Chartered Institute of Public Relations」で所長を任されていた、というから本当に凄い。(Dan Cohen, 'Ukraine's Propaganda War : International PR Firms, DC Lobbyists and CIA Cutouts', Mint Press News, March 22, 2022.)

  情報鎖国の日本に住む我々には、ウクライナ紛争の実態なんて全く判らない。宣伝業界の専門誌『PR Week』が匿名の情報源から得た話によれば、ウクライナで活動する宣伝組織は150社くらいあるそうだ。巷のオッちゃんやオバちゃん達は、フジテレビの耄碌ジジイである木村太郎や、道化師まがいの学者藝人、中村逸郎・筑波大学名誉教授の話を聞いて頷いているけど、我々はロシアがどのくらいのミサイルを貯蔵し、如何なる種類の兵器を隠しているのか判らない。防衛研究所の専門家だって、歐米からもらった情報で解説しているだけ。プーチン大統領に関しては、健康不安説やクーデタ計画が云々されたけど、頭脳明晰なプーチンは、何年も前から英米の攻撃を予測し、有事に備えての軍備を整えていた。それゆえ、ロシアが易々と英米に屈服するとは思えない。

  だいたい、ゾロアスターの善悪二元論じゃあるまいし、ウクライナを「善の被害者」と規定し、ロシアを「悪の侵略者」と決めつけるのは単純すぎる。常識的に考えれば、「バイデン政権が対露戦争を仕掛けた」と判断するのが妥当だ。ところが、CNNやワシントン・ポスト紙といった主流メディアは、ウクライナ紛争を「ジハード(聖戦)」のように扱っている。だが、実質的にはウクライナを利用した「NATOの代理戦争」じゃないか !

  それにもし、ウクライナ軍が占領地を奪還したら、歐米や日本に逃れてきた避難民は帰国するのか? 日本にやって来たウクライナ人は腹を決めたようで、複雑怪奇な日本語を学んで、日本に定住しようと考えている。確かに、戦争で瓦礫と化した祖国に帰っても、明るい未来は無いから、「日本の方がマシ」と判断したのかも知れない。少なくとも、幼い子供を抱える母親は、「安全な日本」での生活を選んでしまうだろう。

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(左 : ウクライナを脱出したウクライナ人の親子 / 右 : 家族に従ってウクライナを離れる少女)

  おそらく、ネオコンの背後にいる闇組織は、どんなにウクライナが荒廃しようとも、絶対に停戦を認めず、際限なく武器や傭兵を供給して戦争の継続を強行するつもりだ。明らかに、「操り人形」たるウォロデミル・ゼレンスキーに主導権は無い。一方、ゼレンスキーにとっても安易な妥協は命取りとなる。なぜなら、もしロシアと和平を結べば、国内で積もり積もった不満が一挙に爆発し、世論の怒りはゼレンスキーに集中するだろう。それなら、建前でも「徹底抗戦」を呼びかけ、自分の延命措置を図る方が悧巧だ。ゼレンスキーは「クリミア半島も奪還する」と息巻いていたが、そんなのはほぼ不可能。出来ないと判っていても、それを口にすることで戦争指導者の面子を保っている。

  「木偶の坊」としか思えないゼレンスキーは、急遽、クリスマス前にアメリカ合衆国へ渡航した。というよりも、米国から連行されてたのかも知れない。来年の1月から議会で共和党がうるさくなるので、その前に支援金を決めてしまおう、という魂胆なんだろう。脚本通り、ゼレンスキーは連邦議会に赴き、「お涙頂戴」の演説を披露。さすが、一流のPR会社が用意しただけあって、ゼレンスキーのスピーチは洗練されていた。感動する者までいたから大したものだ。しかし、彼の背後に控えるカマラ・ハリスとナンシー・ペロシの映像は醜かった。民衆党の副大統領と下院議長は、寄せ書きが記されたウクライナ国旗を靡かせ、アメリカ国民に「正義の戦争」をアピールしたが、正常なアメリカ人であれば侮蔑の感情しか湧かないし、全体主義と化したワシントンに寒気を感じるはずだ。

  前世紀のアメリカでは、フィンランドかネーデルラントからヨーロッパ人のサンタクロースがやって来たが、今じゃ、髭面のユダヤ人が道化師のように現れ、大金をせびりに来る。これじゃあ、小学生の子供だって「What's going on ?!(どうなってんの?)」と訊きたくなるじゃないか。一家の大黒柱たる父親だって、あんな猿芝居を目にしたら税金を払うのが馬鹿らしくなる。ゼレンスキーは単なる役者にすぎない。政界に入る前、彼はSMの女王みたいな格好をして銭を稼いでいた。しかし、大統領になるとハイヒールを脱ぎ捨て、愛国心に燃えるリーダーに早変わり。しかも、このユダヤ人は、髭を生やして“男らしさ”を強調し、厳しい戦況に苦悩する“指導者”を演じていた。

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(左と中央 : 皮のレオタードを纏う藝人時代のゼレンスキー / 右 : 大統領になったゼレンスキー )

  ゼレンスキーを迎えた連邦議会は、反露好戦の雰囲気に包まれ、まるでソ連か****で開かれた共産党大会のような集会だった。俳優大統領のゼレンスキーが台本通りのスピーチを終えると、アメリカの代議士はスタンディング・オーヴェイション(standing ovations)を以て大絶賛。小林幸子の演歌ショーじゃあるまいし、大多数の議員が拍手喝采なんて茶番だ。国内が犯罪と分裂で滅茶苦茶なのに、ウクライナへ巨額の財政支援をプレゼントなんてふざけている。でも、上院や下院の議員どもは知らん顔。彼らはウクライナへの軍事支援や経済援助を含めた総合法案(omnibus bill)を通過させ、「総額約1兆7千億ドルの公金を使うからね !」と決めたそうだ。(Steve Holland, Dan Peleschuk and Olena Harmash, 'U.S. House approves Ukraine aid including arms after Zelenskiy visit', Reuters, December 24, 2022. / Alexandra Hutzler, Allison Pecorin, and Trish Turner, 'Senate passes $1.7T spending bill, including Ukraine aid, getting one step closer to averting shutdown', ABC News, December 23, 2022. )

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(左 : ウクライナ国旗を掲げるハリスとペロシ / 右 : ペロシ議長に国旗を渡すゼレンスキー大統領)

  とりあえず、ウクライナやNATOには450億ドルのギフトが送られるそうだが、民衆党の支持者や一般のアメリカ国民は正気なのか? 日本のお歳暮は、海苔や鮭の切り身くらいだぞ ! まぁ、所詮「公金」は「他人の銭」だから、歌舞伎役者のように贔屓筋にバラ撒いても何ら痛くない。上院では修正案が提出されたが、賛成68票、反対29票で可決された。下院でも税金のクリスマス・プレゼントは承認されたようで、賛成225、反対201票の裁決で通過したという。

  上下両院で注目すべきは、共和党の裏切者がいたことだ。民衆党に協力した上院議員は18名もいた。 (Anna Skinner, 'Full List of Republican Senators Who Voted to Pass $1.7T Omnibus Bill,' Newsweek, December 22, 2022.) リストの中には大物議員が混じっている。

  ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell)、ロイ・ブラント(Roy Blunt)、ジョン・ブーズマン(John Boozman)、 シェリー・カピト(Shelley Capito)、スーザン・コリンズ(Susan Collins)、ジョン・コーニン(John Cornyn)、トム・コットン(Tom Cotton)、リンゼイ・グラム(Lindsey Graham)、ジム・インフォフ(Jim Inhofe)、ジェリー・モラン(Jerry Moran)、リサ・マコウスキー(Lisa Murkowski)、ロブ・ポートマン(Rob Portman)、ミット・ロムニー(Mitt Romney)、マイク・ラウンズ(Mike Rounds)、リチャード・シェルビー(Richard Shelby)、ジョン・スーン(John Thune)、ロジャー・ウィッカー(Roger Wicker)、トッド・ヤング(Todd Young)

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(左 : ミッチ・マコーネル / スーザン・コリンズ / ジョン・ブーズマン / 右 : リサ・マコウスキー)

  民衆党に協力した共和党の下院員は以下の9名。(Virginia Aabram, 'Here are the House Republicans who voted with Democrats on $1.7 trillion omnibus bill’, Washington Examiner, December 23, 2022.)
  
  リズ・チェイニー(Liz Cheney)、ロドニー・デイヴィス(Rodney Davis)、アダム・キンジンガー(Adam Kinzinger)、ブライアン・フィッツパトリック(Britan Fitzpatrick)、ジェイミー・ヘレーラ・ボイトラー(Jaime Herrera Beutler)、クリス・ジェイコブズ(Chris Jacobs)、ジョン・カートコ(John Katko)、スティーヴ・モマック(Steve Momack)

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(左 : リズ・チェイニー / アダム・キンジンガー / ジェイミー・ヘレーラ・ボイトラー / 右 : ブライアン・フィッツパトリック)

  米国の共和党には、ちょっとだけ主流派とメディアに刃向かう議員がいたようで、ゼレンスキーの演説が終わっても拍手せず、みんなが立ち上がったのに椅子に坐ったままの議員がいたという。民衆党の支援団体である主要メディアは、「極右」の共和党員7名を忌々しく思っていたので、あたかも叛逆者のように扱っていた。椅子から立ち上がらなかった下院議員というのは次の七名だ。(James Bickerton, 'Full List of Republicans Who Sat During Zelensky's Speech', Newsweek, December 22, 2022.)

  マット・ゲーツ(Matt Gaetz)、ローレン・ボバート(Lauren Boebert)、アンドリュー・クライド(Andrew Clyde)、ダイアナ・ハーシュバーガー(Diana Harshbarger)、ウォーレン・デイヴィッドソン(Warren Davidson)、マイケル・クラウド(Michael Cloud)、ジム・ジョーダン(Jim Jordan)

Matt Gaetz 1Andrew Clyde 1Diana Harshbarger 1Michael Cloud 1
(左 : マット・ゲーツ / アンドリュー・クライド / ダイアナ・ハーシュバーガー / 右 : マイケル・クラウド )

  日本のマスコミは米国のプロパガンダを和訳しているだけで、ウクライナ紛争がどんな動機で開始され、誰が利益を得ているのかを報道する気配はない。小学校の授業じゃあるまいし、「可哀想なウクライナをみんなで助けましょう」なんてアホすぎる。支援した金や武器は何処に横流し、となったのか? 以前に述べた通り、ウクライナは「使い捨ての駒」に過ぎない。バイデン政権を作った闇組織にとったら、ウクライナ人の命なんてモルモット以下。武器商人から見れば、ウクライナはハイテク兵器の見本市である。衛星画像を凝視するペンタゴンの高級将校は、「ウォー・ゲーム」の実写版に興味津々だ。しかも、色々な兵器が使用され、大勢の兵卒が死亡すれば、その実験データは膨大な量にのぼる。不謹慎と思われるが、このビッグ・データは宝の山だ。一般的に人体実験は禁止されているけど、外国であれば「OK !」となる。

戦争ビジネスで儲ける投資会社

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(左 : 「戦争難民」となったウクライナ人 / 右 : ゼレンスキーを迎えるバイデン )

  今、我々日本人は驚異的な戦争スペクタクルを体験している。というのも、信じられない「喜劇」を肉眼で見ているからだ。何しろ、ボケ老人のジョー・バイデンがアメリカの大統領で、コメディアンのゼレンスキーがウクライナの大統領なんだから、「本当に現実の世界で起こっている惨劇なのか?」と疑いたくなる。

  でも、ロシア征伐には旨い汁や甘い蜜がいっぱいだ。歐米の大資本家は、なぜロシアを攻撃するのか? どうして、プーチンを心の底から憎むのか? それは、ロシアの大地に豊富な資源が眠っているからだ。もし、頑固なプーチン政権を倒せば、歐米の国際企業はロシアの石油やガスを掠奪できるし、場合によったら「ロシアの分割」も夢じゃない。サダム・フセインを抹殺して、イラクの分割に成功したアメリカなら、ロシアの解体だって出来るだろう。

Douglas McGregor 2(左 / ダグラス・マクグレガー)
  日本では「奮闘するウクライナ軍」とか「劣勢のロシア軍」といった報道がなされているが、ウクライナにはどれくらいの傭兵が投入されているのか判らない。米国からパトリオット・ミサイルやハイマースが提供されているものの、実質的なウクライナ軍がどれくらい残っているのか疑問である。米国陸軍の元大佐であるダグラス・マクグレガー(Douglas MacGregor)は、主要メディアの願望を斥け、ウクライナの勝利に関しては懐疑的だ。

  マスコミに媚びないマクグレガー大佐は、ウクライナ陸軍を率いるヴァレリー・ザルズニー将軍(General Valery Zaluzhny)の意見を紹介していた。この将軍によると、ウクライナ軍は迫り来るロシア軍の殺戮に耐えられないそうだ。(Douglas MacGregor, 'Washington Is Prolonging Ukraine's Suffering, The American Conservative, December 20, 2022.) ザルズニー将軍は300輛の戦車や700輛の装甲車を求めていたが、本当に欲しいの実戦部隊の兵員、つまり新しい軍隊であるという。おそらく、ウクライナ軍は壊滅的ダメージを受け、ほとんど残っていないのかも知れない。実際にウクライナ軍を指揮しているのは、英米から派遣された軍事顧問団であろう。また、ハイテク兵器を扱っているのも西側の軍人か傭兵と推測できる。

  日本には傭兵部隊の情報がほとんど伝わってこないが、ウクライナ軍にはかなりの傭兵が投入されているはずだ。たとえ「ウクライナ国民」と称する戦闘員でも、外国から派遣された傭兵の場合もあるし、ゼレンスキーが気前よく国籍を与えれば、即座に「ウクライナ兵」に豹変できる。例えば、「民間軍事会社」と称する「Constellis」は、実質的には傭兵派遣会社だ。一般の日本国民、もしかすると国会議員でも、この警備会社を聞いたことがないかも知れない。だが、この会社の前身は、あの有名な「ブラックウォーター(Blackwater)」である。「ブラックウォータ」は評判が悪くなったせいか、2009年に「アカデミー(Academi)」と改名し、2011年には「トリプル・キャノピー」という警備会社に併合された。そして、この「トリプル・キャノピー(Triple Canopy)」は「コンステリス・グループ(Constellis Group)」の子会社だ。

  そして、2016年には巨大な国際企業で個人投資の顧問をする「アポロ・グローバル・マネージメント(Apollo Global Mamagement)」が「コンステリス」を10億ドルで買収した。この吸収合併には投資会社の「フォルテ・キャピタル・グループ(Forte Capital Group)」や「マンハッタン・パートナーズ(Manhattan Partners)」も加わっていた。「コンステリス」のCEOを務めていたジェイソン・デヨンカー(Jason DeYonker)は、「フォルテ・キャピタル」の創業者である。「コンステリス」の社長を務めていたのは、「マンハッタン・パートナーズ」の共同創設者であるディーン・ボサッキ(Dean Bosacki)だ。「マンハッタン・パートナーズ」を開業した時、ボサッキの相棒だったのは、「ウォルナット・グループ(Walnutr Group)」にいたパトリック・マクブライド(Patrick McBride)である。

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(左 : ジェイソン・デヨンカ / 中央 : ディーン・ボサッキ / 右 : パトリック・マクブライド )

  親会社となった「アポロ・グローバル・マネージメント」を創業したのは、これまたユダヤ人の金融業者や投資家だった。創設者にしてCEOとなったレオン・ブラック(Leon David Black)は、ポーランドからやって来たユダヤ移民の息子である。元々、彼は投資会社の「ドレクセル・バーナム・ランバート(Drexel Burnham Lambert)」で企業合併を担当する筆頭マネージャーであった。

  特筆すべきは、このレオンが悪名高い「ジャンクボンドの帝王(Junk Bond King)」であるマイケル・ミルケン(Michale Robert Milken)の腹心であったことだ。悪徳ユダヤ商人の典型たるミルケンは、インサイダー取引や脱税、恐喝、詐欺など繰り返し、98件の罪状で起訴され、数件の犯罪で有罪となった。このユダヤ人には2億ドルの罰金刑が科せられ、10年の懲役刑が言い渡された。しかし、10年の「お勤め」は2年に減刑され、22ヶ月の服役で釈放となった。出所後は、図々しくも「慈善家」となって様々なイベントに参加し、「FasterCures」というシンクタンクまで作っていた。

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(左 : レオン・ブラック / 中央 : マイケル・ミルケン / 右 : ジェフリー・エプシュタイン )

  ユダヤ人というのは、意外なところで色々な人物と繋がっているものだ。大企業の経営者となったレオン・ブラックは、“節税(脱税?)”を目論む大富豪らしく、デブラ(Debra Black)夫人と共に財団を創っていた。しかし、ブラック夫妻の財団たる「Debra and Leon Black Family Foundation」には、性犯罪者のユダヤ人、あのジェフリー・エプシュタイン(Jeffrey Epstein)が絡んでいた。拘留中に「自殺」したエプシュタインは、この財団に雇われ、5千万ドルの報酬を受け取る理事になっていたのだ。

Leon & Debra Black 111Jeffrey Epstein & Leon Black
(左 : レオン・ブラックとデブラ夫人  / 右 : ジェフリー・エプシュタインとレオン・ブラック )

  公開された資料によれば、レオンはエプシュタインに税金や資産の運営に関するアドヴァイスを受け、2012年から2017年の間に1億5千800万ドルの報酬を支払っていた。さらに、レオンはエプシュタインの財団にも貢献したそうで、1千万ドルを寄付していたというのだ。(Bob Bahr, 'Financial Titan Is Latest Epstein Casualty', The Atlanta Jewish Times, March 25, 2022.) もう呆れてしまうけど、ユダヤ人の悪党どもは、金持ちの同胞とツルんで私腹を肥やしている。

  ついでに言うと、「ドレクセル」は元々、フィラデルフィアの「ドレクセル・ファイアーストーン(Drexel Firestone)」という投資会社で、1971年に「バーナム(Burnham)」と合併して「ドレクセル・バーナム」と改名した。さらに1976年、ベルギーの「Groupe Bruxelle Lambert」と合併して「ドレクセル・バーナム・ランバート」と改名したそうだ。

  諺通り「類は群れる」のか、ユダヤ人は同胞を誘って商売に精を出す。レオン・ブラックと一緒に「アポロ」を創設したのは、「ドレクセル」で同僚だったマルク・ローワン(Marc Rowan)とジョシュア・ハリス(Joshua Harris)であった。マルクはユダヤ教の活動にも熱心で、「National Jewish Outreach Program」という団体の役員になっている。ハリスの方はデイヴィッド・ブリッツァー(David S. Blitzer)と組んで「Harris Blitzer Sports & Entertainment」というスポーツや娯楽ビジネスを手掛ける会社を作っていた。また、ハリスはアイスホッケー・チームを買収し、「ニュージャージ・デヴィルス(New Jersaey Devils)」のオーナーになっている。

Marc Rowan 111Joshua Harris 11David Blitzer 33
(左 : マルク・ローワン / 中央 : ジョシュア・ハリス / 右 : デイヴィッド・ブリッツァー )

  一般の日本人は口に出さないが、戦争というのは利潤の高い流血ビジネスだ。ちょっと不謹慎な言い方になるけど、対露戦争を仕掛けた連中は、総合格闘技団体「UFC」を傘下に収めるスポーツ・プロモーターの「Zuffa」と同じだ。「Zuffa」の創業者たるフランク・フェルティタ3世(Frank Joseph Fertitta Ⅲ)や弟のロレンツォ・フェルティタ(Lorenzo Joseph Fertitta)は、自らオクタゴン(リング)にのぼって闘うことはせず、白人や黒人、あるいは南米人の選手を闘わせて大儲けする。

Dana White & Fertitta brothers 1UFC fighting 543
(<左側>ロレンツォ・フェルティタ <中央>デーナ・ホワイト <右側>フランク・フェルティタ3世 / 右 : UFCの壮絶な試合)

必死に闘う選手との契約や団体の運営は、 社長であるデーナ・ホワイト(Dana White)に丸投げだ。「Zuffa」の重役や株主は、出資の見返りに大金を得るだけ。リング上の選手が血塗れになったり、足の骨を折っても、興行主には関係無い。チケットを買った観客も選手の生命には無頓着である。傍観者でしかない野次馬は、殴り合いの激戦と流血の死闘を望んでいるし、失神KOとなれば大興奮だ。ついでに言うと、ラスヴェガスの賭博業者も、UFCの試合をギャンブルにして大儲けしている。

  とにかく、 兵器の製造や軍隊の装備に投資をすれば、膨大な利益を手にすることができるので、金融業者やヘッジファンドが軍需産業に投資をしたり、傭兵会社を買収したりするのだ。この美味しいビジネスを拡大・継続するためには、大手メディアの協力が必要なんだが、主流メディアの経営者もインナー・サークルのメンバーなので全面的に戦争を支援する。日本の知識人は「ウクライナ頑張れ !」と声援を口にしているが、一番哀れなのはウクライナ国民であろう。バイデン政権の策略がなければ、今でもウクライナ系国民とロシア系国民は、平穏に暮らしていたはずだ。ロシアの攻撃により、国内のインフラが破壊されたウクライナ国民は、冬の寒さに震えているけど、将来の不安にも震えているに違いない。

  「対岸の火事」を見ている日本人も、やがて銭をむしり取られる日が来るだろう。もしかすると、アメリカやEU議会から「ウクライナ復興支援」の要請が来るかも知れない。かつて、総理大臣になった海部俊樹は「日本は米国のATMじゃないぞ」と呟いたが、岸田総理もバイデンのATMになりそうだ。ただし、「聞く耳」を持つキッシーなら喜んで払うかもね。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/
24:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/06 (Fri) 21:16:29

2023年01月06日
CIAの偽情報と利用される主流メディア
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html

豊かな全体主義になるアメリカ
Media control 43Angela Merkel & President Putin 44


  年が明けた2023年の1月、米国の連邦議会では、多数派を獲得した共和党(GOP)が主導権を握り、同党のリーダーを務めるケヴィン・マッカーシー(Kevin McCarthy)が新たな下院議長に選ばれるはずだった。ところが、共和党の保守派グループ「フリーダム・コーカス(Freedom Caucus)」が****してしまい、マッカーシー議員が必要とする過半数(218票)を取れなかったのだ。民衆党の下院リーダーであるハキーム・ジェフリーズ(Hakeem Jeffries)議員でも212票を取ったのに、共和党のマッカーシー議員は、たったの208票だった。こんな事態は164年ぶりの混乱で、議長選出のために11回も投票を繰り返すなんて異常だ。現時点では、まだ決まっていないので、マッカーシーがどんな譲歩をするのか分からない。

  共和党内部には色々な不満があって、マッカーシー議員だと裏でエスタブリッシュメントや民衆党側と妥協するんじゃないか、といった懸念がある。本来なら、マッカーシーが先頭を切って反バイデン政権の急先鋒となり、ナンシー・ペロシと激突してもおかしくはなかった。ところが、マッカーシーはペロシ陣営を激しく糾弾せず、マスコミを味方にした民衆党はやりたい放題。クリスマス・ツリーがへし折れるほど、願い事の法案をぶら下げて膨大な歳出を謀った。もしかすると、マッカーシーは下院議長になっても、グローバリスト勢力に打撃を与えず、適当な「ガス抜き」で幕引きにする虞(おそれ)がある。

Jim Jordan 1Kevin McCarthy 324Hakeem Jeffries 122
(左 : ジム・ジョーダン / 中央 : ケヴィン・マッカーシー / 右 : ハキーム・ジェフリーズ )

  これではトランプ支持派や保守派議員にとったら、煮え切らないフラストレーションが溜まる一方だ。共和党下院指導者にはマッカーシーのみならず、テーブルの下で民衆党と手を結ぶ“裏切者”が少なくない。前任者のジョン・ベイナー(John Boehner)やポール・ライアン(Paul Ryan)を見れば判るじゃないか。マッカーシーの前任者だったエリック・カンター(Eric Cantor)は、もっと胡散臭かった。「保守派」というが、その正体は「ユダヤ教の保守派」で、民衆党から出馬してもおかしくない人物だ。彼がナンシー・ペロシを批判したのは、イスラエルと敵対する“****者”のシリア大統領アサドと面会したからで、カンターにとってはイスラエルの国益こそが第一。心の底では「アメリカ・セカンド」が信条なのかもしれないぞ。

Paul Ryan 11John Boehner 1Eric Cantor 1
(左 : ポール・ライアン / 中央 : ジョン・ベイナー / 右 : 「AIPAC」の席で演説するエリック・カンター)

  「フリーダム・コーカス」を実質的に率いるジム・ジョーダン(James D. Jordan)下院議員は、たぶん、裏取引でマッカーシーの支持に廻ると思うが、新たな下院議長がどれほど辛辣に民衆党を攻撃できるかは未知数だ。バイデンを操る闇組織は、豊富な資金と人脈で他の共和党員を籠絡するし、既に「仲間」となっている共和党議員は、陰でバイデン政権の協力者となるだろう。ウクライナ紛争は何年も前から計画されている謀略だから、陣笠議員の批判で妨害されることはない。ドナルド・トランプの再選だって危ないんだから、ティー・パーティーの議員なんて“芥子粒(けしつぶ)”程度の存在だ。

八百長と陰謀だったミンスク合意

  これから共和党主導の下院議員が発足するけど、欲求不満の共和党がどれほど民衆党を叩けるのか判らない。ただし、CBSやABC、CNNといった主要メディアが、劣勢となった民衆党を助け、共和党を攻撃することは充分予想できる。大手メディアの情報操作は、以前から保守派言論人によって批判されてきたが、ウクライナ紛争が始まってからも様々な情報隠蔽や大衆扇動がなされてきた。歐米諸国と同様に、我が国でも一般国民は、ロシア軍が邪悪な野心を持って一方的にウクライナへ侵攻したと思っている。もちろん、伝統的にロシアは侵略行為を繰り返してきたので、日本人がロシアを非難するのも当然だ。しかし、テレビや新聞の戦争報道には、心理戦や諜報戦が混じっているから迂闊に信用できない。

  そもそも、ウクライナ紛争は根本的に怪しい。段々と明らかになってきたが、アメリカ政府とブリテン政府が強引にNATOの拡大をすることで、ロシア政府の危機感とウクライナ国民の対立を煽っていたのだ。西側が創り出すイメージとは違い、プーチンは意外と穏健で、危険な冒険を好まず、非常に用心深い。ただし、相手の真意を見切った時は別で、「話し合いは無理で、武力解決しかない !」と悟れば果敢な行動に出る。それに、ロシア軍の将兵も「国家存亡の危機」と認識しているから、徹底抗戦を貫くだろう。

  アメリカのロシア専門家の何割かは、NATOの東方拡大に反対で、この拡張はモスクワを神経質にさせる政策と解っていた。CIA長官のウィリアム・バーンズ(William Burns)は、ブッシュ政権の頃から解っており、コンドリーザ・ライス国務長官に対し、ウクライナのNATO加盟はレッドラインを超えることになる、と警告していたのだ。

  駐ソ大使を務めていたジャック・マトロック(Jack F. Matlock, Jr.)も、ウクライナやグルジアのNATO加盟は危険と解っていたという。それゆえ、マトロックはその危機を避けることは可能だったし、予測することも充分できた、と答えている。(Jack F. Matlock, Jr., 'I was there : NATO and the origins of the Ukraine crisis', Responsible Statecraft, February 15, 2022.) この外政官によれば、NATOはロシアに不拡大を約束していたという。対露強硬派のリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)もウクライナのNATO加盟や東方拡大には慎重で、この方針はモスクワにとって非常にデリケートな問題だ、と述べていた。

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(左 : ウィリアム・バーンズ / コンドリーザ・ライス / ジャック・マトロック / 右 : リチャード・ホルブルック )

  おそらく、大半のロシア専門家はNATOの東方拡大を懸念していたはずだ。ロシアへの挑発を危険と見なす専門家は他にもいる。例えば、駐ソ大使を務めたロバート・シュトラウス(Robert Schwarz Strauss)は、ロシアの焦燥感を理解していた。ソ連崩壊後、ロシアが気にしていたのは、共産主義体制の瓦解ではなく、軍事的勢力圏の縮小だった。NATOの脅威がウクライナにまで迫っていたんだから、軍人じゃなくても心配になる。国務次官補になったトマス・ナイルズ(Thomas Niles)もNATOの東方拡大には懸念を示していた。ロシアとウクライナの軍事バランスを考えれば当然だ。

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(左 : ロバート・シュトラウス / 中央 : トマス・ナイルズ / 右 : 「大統領」を演じるジョー・バイデン )

  しかし、バイデン政権は敢えて危険を犯した。なぜか? それはプーチン大統領が、オルガルヒ達の利権を取り上げたからだ。こうした米国の本音に気づけば、普通の、日本人でもロシアが踏み込んだ乾坤一擲の侵攻を理解できるだろう。ジョー・バイデンを操っている連中は、プーチン政権を打倒するため、民族対立が燻るウクライナを利用し、対露戦争の口実に使ったと考えられる。

  西側の報道ではプーチンが「悪の****者」になっているけど、元KGB局員のプーチンは意外と冷静だ。彼はロシアの経済発展を第一に望むから、非合理的な領土拡張には乗り出さない。ただ、NATOの圧力に屈してしまうと、ロシアのタカ派が台頭するから、本当にクーデタが起こる可能性も出てくる。俯瞰的に考察すれば、ウクライナでの戦争を計画し、それを望んだのはバイデン政権の方だろう。そして、あのボケ老人を操る闇組織が、最大の戦争利得者となっているはずだ。

  我々には真の黒幕が誰なのか全く判らない。だが、こうした英米の謀略はドイツやフランス、イタリアなどの西側諸国、特に一般の中流家庭に負担を強いる結果となっている。エネルギー価格が安定せず、原油価格が1バーレル当たり、また100ドル程度に高騰すれば、庶民の不満が爆発するだろう。今年は暖冬というが、やはりベルリンやハノーヴァー、アムステルダムなどは北緯53度くらいに位置するからとても寒い。これは樺太の北部と同じ緯度となる。もし、こんな地域で「暖房を節約して下さい !」と呼びかけたら暴動が起こるぞ。御用学者の経済予測は度々外れるし、戦争が長期化すれば、半年後ですらどうなるか判らない。

  ウクライナ紛争に嫌気が差した西歐諸国を代表し、それとなく批判を口にしたのはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)だ。この元首相は「Die Zeit」紙のインタヴューを受けた時、2014年のミンスク合意(Minsker Abkommen)が「策略」であることを明らかにした。(Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, 'HattenSie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?', Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

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( 左 : アンゲラ・メルケル / 右 : メルケルと仲良しのプーチン大統領 )

  メルケルの告白によれば、ミンスク合意はウクライナを強化するための「時間稼ぎ」であったという。つまり、アメリカ、ブリテン、フランスなどの西側諸国が、意図的にプーチンを騙したのだ。なぜなら、NATO諸国がウクライナ軍を訓練し、高度な兵器を使いこなすには、時間と訓練が必要だったからである。西側の連中がプーチンと交渉し、東部地域での自治を認めるような態度は、最初から嘘だった。となれば、戦争前、プーチンが英米の嘘を非難したのも頷けよう。しかし、英米を中心とする主流メディアは、この詐欺行為を知っていたのに追及せず、盛んにロシアの軍事侵攻だけを取り上げていた。おそらく、米国の大手メディアは合衆国政府と“共犯(グル)”なんだろう。

  これは筆者の推測なんだが、メルケルが西側の秘密を暴露したのは、英米の対露政策に“楔(くさび)”を打つためなりかも知れない。つまり、バイデン政権やネオコンに異議を唱える勢力の代表として、メルケルが衝撃の告白を述べたという訳だ。対露戦を仕組んだグループにも、様々な勢力がいるから、利益の分け前に不満を持つ者がいても不思議じゃない。メルケルの行動には必ず「狙い」がある。彼女は「善意」や「正義」で動かない。インタヴュー記事の反応を計算した上での暴露だ。

  ついでに言うと、政界のパトロンどもは、聡明な女を神輿に担いで利益を得ようとする。長期政権を築き、世界的な知名度を得たメルケルと、英国の首相となったマーガレット・サッチャーは何となく似ている。両者とも権力闘争に興味が無かった元化学者で、異例の出世を遂げた女性の政治家だ。

  東ドツイ出身のメルケルは、青年共産主義者グループ(FDJ)に属していたが、どちらかと言えば、イデオロギーに囚われない科学者で、合理的な利益を選ぶ現実主義者だ。東ドイツ出身のギュンター・クラウス(Günther Kraus)を師匠に持ち、ヘルムート・コール(Helmut Kohl)の後釜になったが、キリスト教の保守政党(CDU)を左翼政党に変えるまでの実力者になった。おそらく、メルケルにはロシア側と気脈を通ずる「ケツ持ち」がいるんだろう。メルケル内閣で副首相を務めたシグマー・ガブリエル(Sigmar Gabriel)によると、プーチンはメルケルを非常に尊敬していたそうだ。ひっとしたら、東ドイツで諜報機関に属していたプーチンは、メルケルがひた隠しにする「人脈」と「裏の顔」を知っているんじゃないか? 今回の暴露はロシア側からの依頼かも知れないぞ。

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(左 : 東ドイツ時代のメルケル / 中央 : 化学者時代のマーガレット・ロバーツ / 右 : 首相になったマーガレット・サッチャー )

  保守派の大御所だったマーガレット・サッチャー(結婚前の名前 / Margaret Hilda Roberts)も、中流階級出身の化学者で、教育大臣を経てブリテンの首相にまで登り詰めた。左翼陣営から「牛乳簒奪者(Milk Snatcher)」と蔑まれた女が、いつの間にか「鋼鉄の女(Iron Lady)」と呼ばれ、みんなから畏怖される宰相になった。これは驚くべき出世である。(サッチャーは教育大臣の頃、7歳以上の子供に配給された無料ミルク・プログラムを廃止したので、これが左翼の怒りを誘発していた。)

Victor Rothschild 20043(左 / ヴィクター・ロスチャイルド)
  しかし、サッチヤーの支持母体はユダヤ人で、地元の選挙区「フィンチリー」には頼りになるユダヤ人コミュニティーがあった。ジャーナリストのロバート・フィルポットは、彼女を「名誉ユダヤ人」と呼んだくらいだ。(Robert Philpot『Margaret Thatcher : The HonorayJew』) しかも、最大のパトロンが第三代のロスチャイルド男爵だから、偉大なるサッチャー首相も「イギリス人の顔をした神輿」なのかも知れない。興味深いことに、このユダヤ人男爵たるヴィクター・ロスチャイルド(Nathaniel Mayer Victor Rothschild)がソ連のスパイ容疑を受けた時、熱心に擁護したのはサッチャー首相だった。(当時、BBCも議会での討論を放送していた。「ケンブリッジ・ファイヴ」とロスチャイルドに関しては説明が長くなるので、別の機会で述べたい。)

主流メディアを利用したCIA

  諜報機関がマスコミを利用することはよくある。「ワシントン・ポスト」紙や「ニューヨーク・タイムズ」、BBC、「ザ・タイムズ」、「ル・モンド」などが政治プロパガンダを流すことは普通だ。また、新聞記者やテレビ局の制作者にも共犯者はいるし、他の社員が気づかない「秘密のモグラ(草)」が居たりする。

Frank Snepp 22(左 / フランク・スネップ)
  以前、元CIA局員だったフランク・スネップ(Frank Snepp)が、回顧録『Decent Interval』を書いてCIAのスタンズフィールド・ターナー(Stansfield Turner)長官と揉めた事は有名だ。CIAの上級分析官であるスネップは、ベトナム戦争中、情報操作のために大手メディアのジャーナリストを利用したそうだ。先ず、スネップは影響力を持つ名物記者に近づき、彼らが欲しがるようなネタを提供したという。時には、コンチネンタル・ホテルに誘って親睦を深めたそうだ。スクープ記事を書きたいジャーナリストは、政府の高級官僚とかペンタゴンの軍人、党幹部の政治家と付き合いたがるから、ちょっと親切にしてやればホイホイ引っ掛かる。

  スネップの手口は巧妙で、一般人に広めたい「偽情報」や「世論操作の必要」がある場合、真実と嘘の情報を巧みに混ぜ合わせ、馴染みのジャーナリストに渡したそうだ。しかし、そう単純でもない記者どもは、必ず「裏取り」をしようとする。それゆえ、スネップは予め「根回し」をしていた。極秘ネタを渡す前、スネップはアメリカの同盟国であるブリテンやオーストラリア、ニュージーランドなどの大使館や外政官に協力を求め、「真実みたいな情報」に仕立て上げていたのだ。

  それを知らぬ記者達は、特ダネのダブルチェックをすべく、こうした外交筋に接触する。スネップの情報が正しいかどうかを確かめたいジャーナリストは、大使館の書記とか参事官に探りを入れ、同じ情報を得る事ができれば、安心して「スクープ記事」を世間に流す。利用されたとも知らないジャーナリストは、“極秘の情報源”を得たと大喜び。一般の読者も特集記事や独占取材に感動するから、利用された九官鳥は益々「人気者」となってゆく。「馬鹿とハサミは使いよう」と言うけど本当だ。

  1983年にインタヴューを受けたスネップは、彼のために動いてくれた「便利な馬鹿(usuful idiots)」を何名か挙げていた。例えば、『New Yorker』誌のロバート・シャプレン(Robert Modell Shaplen)や『Los Angeles Times』紙のキーズ・ビーチ(Keyes Beech)、『New York Times』のマルコム・ブラウン(Malcolm Browne)、『Newsweek』誌のメイナード・パーカー(Maynard Parker)などである。

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(左 : ロバート・シャプレン / キーズ・ビーチ / マルコム・ブラウン / 右 : メイナード・パーカー )

  日本では「戦略家」とか「地政学の専門家」あるいは「国際政治学者」と名乗る知識人は、インターネットサイトだけの弱小メディアを馬鹿にしているが、主流メディアでも信頼できない記事は案外多い。確かに、有名ブランドのメディアは“まっとう”な記事を心掛けているから、胡散臭いネタを掲載することは滅多にないが、その知名度を利用されて、八百長記事とか提灯記事を拡散することはある。しかも、たった数パーセントだからタチが悪い。譬えが悪いけど、もし、コカインと片栗粉や薄力粉をごちゃ混ぜにして袋に入れたら、一般人は見分けがつかないので、それを料理に使うこともあるだろう。政治報道だって同じだ。頭に入れる情報も、よく注意しないと危険である。

  アメリカの変質は驚くほど急速で、第21世紀になると國體(こくたい)が別物になってしまった。かつて、アメリカは「自由主義の砦」と思われていたが、今や「豊かな全体主義国家」のように見えてしまう。なるほど、一般のアメリカ人は「言論の自由」を持っているようだ。しかし、本音を口にすれば地位や名誉を失う破目になる。「言論の自由」は「自殺の自由」に近く、ビルの屋上から飛び降りることを覚悟すれば、どんな爆弾発言も躊躇なく可能だ。でも、現実的には、失言で失業というケースが多い。

  例えば、CNNのリック・サンチェス(Rick Sanchez)は「Daily Show」の司会を務めるユダヤ人のジョン・スチュアート(Jon Stewart)を「頑固者(bigot)」と呼んでしまった。さらに、彼は「ユダヤ人がテレビ業界を仕切っている」と発言したから一巻の終わりだ。サンチェスはCNNをクビになった。メディアのユダヤ人支配なんて公然の秘密なんだが、それを堂々と言えば自殺行為だ。ちょっと口を滑らせただけのサンチェスは、自ら墓穴を掘ることになった。

  オバマ政権時代、著名人のグレン・ベック(Glenn Beck)は、ジョージ・ソロスを冠番組で取り上げ、フェビア協会やマルクス主義、社会主義と絡めながら、この大富豪を批判した。すると、泣く子も黙るユダヤ人団体、あの「名誉毀損反対同盟(ADL)」から猛抗議が来てしまい、FOXテレビの重役達は震え上がった。そこで、経営陣は直ちにベックを馘首(クビ)。保守派の視聴者からは好評だったのに、ユダヤ人を恐れるFOXテレビは、人気番組の司会者を降板させ、トカゲの尻尾切りを断行した。

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(左 : リック・サンチェス / 中央 : ジョン・スチュアート / 右 : グレン・ベック)

  CBSで花形キャスターだったシェリル・アトキソン(Sharyl Attkisson)、そして今は独立系ジャーナリストになったララ・ローガン(Lara Rogan)も、CBSを辞めてから、主流メディアの偏向報道やフェイク・ニューズを批判し始めた。さすがに、局員時代だと業界の秘密や恥部は公表できないから、便所の中だけで「報道の自由」を行使する。もし、内部情報を世間にリークすれば、高給取りの地位は即座に吹っ飛ぶ。大手メディアの取材記者やアンカーマンは、「嘘」と判っていても報道を続けるしかない。たとえバレそうになっても、紳士淑女の態度で沈黙を守り続ける。

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(左 : ジョージ・ソロス / 中央 : シェリル・アトキソン / 右 : ララ・ローガン )

  たぶん一部の良識的なテレビ局員は、トランプ大統領に関する偏向報道やネガティヴ・キャンペーンに、何らかの「躊躇い」を持っていたのだろう。が、自分の生活を考えれば本社の方針に従った方が得である。人気キャスターになれば尚更だ。閑静な郊外に豪邸を建てることができるし、広大な牧場まで持てるのだ。NBCのワイドショー「TODAY」に出演するアル・ロカー(Al Roker)やケイティー・クーリック(Katie Couric)が暮らすマンハッタン島のイースト・サイドの物件、あるいはABCの「Good Morning America」で司会を務めるロビン・ロバーツ(Robin Roberts)やマイケル・ストラハン(Michael Strahan)が、お住まいになる素晴らしい豪邸を見れば判るじゃないか。アホな視聴者のために自分の経歴を台無しにするメディア人はいないだろう。左翼偏向でも偽情報でも、政治家や大富豪と組んだ方が悧巧だ。

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(左 : アル・ロカー / ケイティー・クーリック / ロビン・ロバーツ / 右 : マイケル・ストラハン)

  アメリカは銭を有する者が幸せになる国である。お金があってこその「自由」だ。貧乏になっても「自由」がいいとは思わない。「社会の木鐸」を掲げて豊かになるリベラル派は「勝ち組」で、エスタブリッシュメントに刃向かって貧乏クジを引く保守派は「負け組」だ。情報を統制する者、つまり民衆の精神を掌握する階級が、無知な大衆を支配する。知能が低く、判断力に欠け、低所得の者ほど、刹那的で臆病になるから、諦めムードの一般人は自ら進んで支配層に靡く。大富豪がデモクラシー(大衆が主体の政治体制)を称讃する理由はここにある。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html
25:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/08 (Sun) 05:25:03

2023.01.08XML
第2次世界大戦の終盤から始まる米英情報機関による対ロシア/ソ連戦争
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202301080000/

 ロシア軍が新たな軍事作戦を始める時期を見計らっているのに対し、アメリカ/NATOは天然ガスのパイプライン「ノードストリーム」やクリミア橋(ケルチ橋)を爆破、ロシア領内へ深く入った場所にあるディアギレボ基地とエンゲルス基地を攻撃するなど破壊活動を活発化させている。

 ディアギレボ基地やエンゲルス基地の攻撃には一種の巡航ミサイルが使われた。1970年代にソ連で製造された偵察用ドローンのTu-141へ新しい誘導システムを取り付けたもので、アメリカの衛星に誘導さたと見られている。基地攻撃をアメリカ政府が許可した可能性は高い。

 ウクライナとの国境からディアギレボ基地は450キロメートル、エンゲルス基地は550キロメートルある。それだけの距離を改造ドローンが飛行したとは考えにくく、国境を越えた攻撃にともなうリスクをアメリカ政府が冒すとも思えない。以前から潜入していたエージェント、いわゆる「スリーパー」による攻撃だろう。ジャーナリストの​ジャック・マーフィー​も、CIAはNATO加盟国の情報機関を利用し、ロシアで破壊活動を続けていると書いている。

 全てのNATO加盟国に破壊活動を目的とする秘密部隊が存在することは本ブログでも繰り返し書いてきた。その秘密部隊はアメリカのCIAとイギリスのMI6を中心にネットワークを作っている。アメリカやイギリスの巨大資本にとって都合の悪い個人や組織を潰し、支配システムを守り、強化しようというわけだ。

 このネットワークの中で最も活発に動いてきたのは、イタリアのグラディオ。その存在自体が秘密にされていたが、1972年2月にイタリア北東部の森に設置していた兵器庫を子供が偶然見つけ、捜査が始まった。

 その翌月、ペテアノ近くの森で不審な自動車が見つかる。その自動車をカラビニエッリ(準軍事警察)の捜査官が調べはじめたところ爆発、3名が死亡した。その2日後に匿名の電話が警察にあり、「赤い旅団の犯行だ」と告げたが、勿論、これは嘘だった。

 そうしたこともあり、捜査は途中で止まる。その事実にフェリチェ・カッソン判事が気づいたのは1984年のことだ。判事は捜査の再開、捜査の過程で引き起こされた爆破事件で使われた爆薬がアメリカ/NATO軍が使うプラスチック爆弾C4だということが明らかになり、イタリアの情報機関SIDが事件に関係したことも判明した。なお、SIDは1977年に国内を担当するSISDEと国外を担当するSISMIに分割され、情報の分析を担当するCESISが創設されていた。

 ジュリオ・アンドレオッチ首相は1990年7月、SISMIの公文書保管庫の捜査を許可、その保管庫でグラディオという秘密部隊が存在していることを示す文書をカッソン判事は見つけた。

 証拠が出てきた以上、アンドレオッチ首相はグラディオの存在を認めざるをえない。そして1990年10月、首相は報告書を公表し、この組織が活動中だということも認めた。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

 アンドレオッティ内閣の報告書によると、グラディオが正式な組織に昇格したのは1956年。幹部はイギリスの情報機関で訓練を受け、軍事行動に必要な武器弾薬は139カ所の保管場所に隠されていた。そのひとつが偶然、見つかってしまったわけだ。

 秘密工作を実行するのは独立した部隊で、主要グループの数は40。これらを統括していたのはサルディニア島を拠点としていたCIAで、活動資金を提供していたのもCIAだという。サルディニアの基地が設置されたのは1963年のことだ。

 イタリア政府がこの報告書を提出すると、NATOの広報担当はそうした種類の組織の存在を否定するのだが、翌日には別のスポークスパーソンが前の発言を撤回し、NATOはこうした種類の話にはコメントしないと言い直している。(Philip Willan, “Puppetmasters,” Constable, 1991)

 報告書が出た後、ギリシャのアンドレア・パパンドレウ元首相もNATOの秘密部隊が自国にも存在したことを確認、ドイツでは秘密部隊にナチスの親衛隊に所属していた人間が参加していることも判明した。またオランダやルクセンブルグでは首相が、またノルウェーでは国防大臣が、トルコでは軍の幹部がそれぞれ秘密部隊の存在を認めている。

 スペインの場合、「グラディオは国家だった」と1980年代の前半に国防大臣を務めたアルベルト・オリアルトは言っている。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

 このネットワークの起源は1944年に編成された「ジェドバラ」。ドイツ軍の主力は1943年1月にスターリングラードでの戦いでソ連軍に降伏、事実上、戦争の帰趨は決していた。イギリスとアメリカがヨーロッパでの戦争に介入してくるのは事実上、それからだ。

 その流れの中でジェドバラは作られたのだが、目的はレジスタンス対策。レジスタンスの主力はコミュニストだった。イギリスはアメリカを巻き込み、ソ連とレジスタンスに対する戦争を始めたのだ。

 大戦後にOSSが廃止されると分析担当者は国務省へ、諜報/防諜担当者は陸軍省へ所属することになる。ゲリラ戦部隊のジェドバラの一部メンバーは軍へ移動してグリーン・ベレーをはじめとする特殊部隊の創設に関わった。(William Colby, “Honorable Men”, Simon and Schuster, 1978)

 ジェドバラ人脈は大戦後、 アメリカのOPCにつながる。この機関は1950年10月にCIAへ吸収され、翌年1月にはアレン・ダレスがOPCとOSOを統括する副長官としてCIAへ乗り込んできた。1952年8月にはOPCが中心になり、CIAの内部に「計画局」が設置される。その存在は秘密にされたが、1970年代に存在と活動が明らかになって非難の声が巻き起こると、73年3月に「作戦局」へ名称が変更された。その後、これはすでに書いたことだが、2005年10月に「NCS(国家秘密局)」へ衣替えし、15年3月に再び「作戦局」へ戻っている。ベトナム戦争で住民を大量殺戮した「フェニックス・プログラム」もこの人脈が実行している。

 この作戦を始めたのはNSC(国家安全保障会議)のメンバーでCIAの分析官だったロバート・コマー。コマーはCIAの分析官で、秘密工作を東南アジアで始めることになる。1967年5月に彼はDEPCORDS(民間工作と革命的開発支援担当のMACV副官)としてサイゴン入りし、6月には彼の提案に基づいてMACVとCIAの合同プログラム「ICEX(情報の調整と利用)」を始動させた。

 ICEXはすぐに「フェニックス・プログラム」へ名称を変更。この作戦に参加していた将校や下士官は合わせて126名、殺人部隊は軍の特殊部隊から引き抜いて編成され、命令はCIAから出ていた。

 秘密工作の実働チームとして動いていたのは、CIAが1967年7月に組織した傭兵部隊のPRU(地域偵察部隊)。フェニックスは「ベトコンの村システムの基盤を崩壊させるため、注意深く計画されたプログラム」だ。

 1968年3月にMACV司令官はウィリアム・ウエストモーランド将軍からクレイトン・エイブラムズ将軍へ交代、その月にソンミ村のミ・ライ地区とミ・ケ地区で農民が虐殺されている。いわゆる「ソンミ事件」だが、これはフェニックス・プログラムの一環だった。

 こうしたアメリカ/NATOの秘密部隊ネットワークが対ロシア戦争を始めたということだ。その中心には米英両国の情報機関、つまりCIAとMI6が存在しているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202301080000/
26:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/03 (Fri) 05:38:14

【討論】桜国防戦略会議:米国の世界支配体制の終焉と最新軍事情勢[桜R5/3/2]
https://www.youtube.com/watch?v=Qgbjk-ny2SA

◆桜国防戦略会議:米国の世界支配体制の終焉と最新軍事情勢

パネリスト:
 川口マーン惠美(作家) ※スカイプ出演
 マックス・フォン・シュラー小林(元米海兵隊・歴史研究家)
 用田和仁(元陸上自衛隊西部方面総監 陸将)
 山口敬之(ジャーナリスト)
 矢野義昭(元陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補)
 ロバート・D・エリドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表)
司会:水島総
27:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/03 (Fri) 08:10:14

ロシア軍が北海道に侵攻、ウラジオストクが中国領に… 岸田政権が欠く“ウクライナ戦争後”の国家戦略=ジェームズ斉藤
2023.03.02
https://tocana.jp/2023/03/post_247703_entry.html

【連載 :某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】


ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ):いまアメリカ国内ではウクライナ戦争後について真剣に話し合っています。日本はいまだにウクライナ戦争がいつ終わるのかなどといったことしか考えていませんが、他国はもうウクライナ戦争後のことを検討しているのです。

──それはウクライナの復興利権ということですか?

ジェームズ:いえ、復興利権はアメリカが、もっと言えばバイデン関係者が持っていくことはほぼ決まっています。そうではなく、ウクライナ戦争後のロシアをどうするか、です。アメリカはいまロシアが分断すると読んでいます。読んでいるということは、「分断を画策している」ということですが、ロシアはもともと89の地域に分かれる、細かな少数民族の集合体です。この集合体を内部分裂させてロシアの崩壊を目指しています。特に少数民族が率いるタタールスタンとか、シベリアではヤクート、ヤクーツクなどの少数民族のエリアを独立に導きます。彼らは完全にモンゴル系ですから、独立意識を刺激して内部崩壊に向かわせます。また、最近言われ始めているのがトルコとポーランドがロシア領内に入っていく可能性と、シベリアに中国が入っていく可能性です。

──すでに周辺諸国は戦争で傷ついたロシアを餌にしようと企んでいると。

ジェームズ:そうです。国際政治はジャングルの猛獣のような掟で動いており、腹をすかしたタカ、ライオン、トラ、ハイエナ等が、サヨナキドリ(ウクライナを象徴する動物)を相手に手こずっているクマをほふろうと虎視眈々と狙っています。ところが、その現実を日本人は見ようとしません。本来であれば、日本は北方領土問題を抱えているんです。戦後のドサクサにまぎれて侵攻を狙うのが普通の感覚ではないでしょうか? 

──いやぁ、どうでしょう。日本人の思考では「侵攻」という発想はないと思います。

ジェームズ:もちろん、それはわかりますが、他国は動きますよ。間違いなく中国は動きます。ウラジオストクが中国にとられてしまう可能性だって低くないんですよ。

──う~ん。そうですけど。

ジェームズ:もちろん民間レベルであまり乗り気になれないのはわかります。しかし、ロシアが北海道に侵攻してきたらどうするんですか?

──その時は当然戦うべきだと思います。

ジェームズ:ですよね。アメリカがロシアの分断を狙えば、先にロシアが北海道を狙って動く可能性だってあるんですよ。なぜ、それに備えようとしないのですか? 加えて、北海道を巡る攻防に備えることは日本のいろんな矛盾を解決できるチャンスでもあるんです。たとえば、自衛隊を国軍化する動きです。安倍政権の時に一時加速しましたが、いま国内では停滞しています。ところが、アメリカはいま自衛隊に血を流してもらいたいと言っているんです。CSISの台湾有事に関する戦争シミュレーションでは日米ともに数千人規模で兵士が死ぬと書いてあったはずです。

・アメリカは台湾有事の発生を望んでいる!? 年内に下院議長が中国を挑発… 米共和党の思惑とは?(ジェームズ斉藤)

──あれは戦争で自衛隊員が死ぬことも考えろという、アメリカ側からのメッセージなんですよね。

ジェームズ:そうですよ。しかし、台湾有事を現実的に考えると自衛隊が動く場面というのは本当に来るのでしょうか? 中国が台湾だけを攻めて、与那国や尖閣に一切手を出さなければ、専守防衛の自衛隊が動くことはできません。いくら頑張っても介入するチャンスがないんですよ。しかし、ロシアが北海道に入ってきたら、それはもう日本侵略です。千島列島と南樺太はロシアと日本の間の条約では日本の領土です。確かにサンフランシスコ平和条約には千島列島と南樺太を放棄すると書いてあります。しかし、ロシアはサンフランシスコ平和条約に調印していません。調印していなければ効力を持ちませんので、日本とロシア間の条約とは1905年のポーツマス条約になります。国際法では現在の日本国は大日本帝国の正式な継承国となりますので、1905年当時の領土区分は今でも有効となります。つまり、千島列島と南樺太は日本のものなのです。

──現在は不当に占拠されているんですね。


ジェームズ:そうです。そしてウクライナ戦争後、もしも、アメリカの工作が成功して、ロシアが内部分裂、独立運動が盛んになれば、千島列島と南樺太を奪還する最大のチャンスが訪れます。そのチャンスについて、国民レベルで考えろとまではいいませんが、首脳レベルでも考えられず、「平和条約締結を目指す」とはどういうことですか? 何度も言いますが、アメリカはいまウクライナ戦争後を見据えています。内部分裂を画策できると踏んでいるんですよ。しかし、日本は岸田さんが安倍政権のロシア政策のままなのでこういうことを考えることすらできないでいるんです。

──岸田さんが考えないのは仕方ないとしても、外務省も外務省ですね。

ジェームズ:彼らも岸田さんと同じで、国家戦略などなく、外交のための外交をやっているだけなのです。

──財務省と同じで、外務省も岸田さんを省益のためだけに動かしているですね。

ジェームズ:外務省は交渉の場に座るための外交ごっこをしているだけです。彼らの最も愚かな行為の典型は、1956年の日ソ共同宣言でロシアと外交関係を回復してしまったことです。外交関係を回復すると大使館を設置できるんです。当然、ロシアは麻布にロシア大使館を作ったのですが、すぐに対日謀略組織の拠点になりました。

──僕らは世界と外交を結ぶことがいいことだと叩き込まれてきましたが、外交を結ぶことのデメリットってあるんですね。

ジェームズ:多くの日本人は忘れていますが、外交官は本来、諜報員です。特にロシアの外交は諜報機関が主導していますから、大使館や領事館はすべて謀略機関です。彼らは敵国内のさまざまな場所にスパイを配置して、敵国家の意思決定そのものをコントロールする謀略を「業務内容の90%」として行っている、国際社会の中でも特殊な組織なんです。つまり、ロシアは最初から対日謀略組織を作りたいから日ソ共同宣言にサインしていたのです。トモダチになりたいとか、友好関係を築きたいなんて少しも思っていません。というよりも、世界の外交は基本的に謀略のためのものです。日本はそこをまったくわかっていません。ですから、日本の外務省は世界中でバカにされるのです。日本の評価が世界的に低いのは彼らがあまりにも外交を知らないからです。

──なぜ、そんなことになってしまったんですか? 誰か教える人はいないんですか?

ジェームズ:そこで問題になってくるのが外務省の国外研修です。アメリカ担当ならアメリカへ、ロシア担当ならロシアに研修に行ってしまうんですよ。外務省ではこれをアメリカン・スクール、ロシア・スクールなどと言うのですが、これは明らかにおかしいのです。なぜなら、これからその国で日本の国益のために交渉しようという人間を、その国の人間に教育してもらってどうするのですか? アメリカのためや、ロシアのために働く二重スパイを作っているようなものじゃないですか?

──そうですね。そうなりますよね。

ジェームズ:日本の外務省内は、アメリカ帰りの二重スパイや、ロシア帰りの二重スパイばかりです。しかもですよ、彼らは留学中に全員がハニートラップなどにあって、何らかの弱味を必ず握られてしまっています。

──聞いていると日本の国益ってことを外務省はわかっていないようですね。まずは日本の国益とはこうだって叩き込んでから、外国に行かせないとマズいですよね?


ジェームズ:一応、外務省でもそういう思考をする人はいます。それが先日、話した市川氏や故・岡崎久彦氏、秋葉氏です。岡崎氏は安倍政権で安倍さんと親しかった人で、安倍政権に働きかけて2013年に国家安全保障局というのを作ったんです。岡崎氏は『戦略的思考とは何か』という本も書いています。彼らは語学研修による○○○・スクールという垣根を越えて戦略的に考えるということをやろうとしてきた勢力です。安保派は自衛隊とも仲がいいんですが、外務省という巨大な組織の中ではごく一部なので、なかなか力が発揮できないでいます。

──ただ、この前の記事にもありましたが、菅さん派ですよね。安保派って。

ジェームズ:彼らは外務省の常識から外れていたので非主流派だったんですが、その非主流派をうまくまとめることができたのが菅さんです。

──ということは岸田政権には安保派はついていないと。

ジェームズ:ついていませんし、外務省全体で「岸田ではダメだ」という意見になっています。岸田さんが財務省しか相手にせず、財務省のための政治しかしないからです。

──ということはダメな外務省すら相手にしていないからあんなコメントをしてしまうんですね、北方領土の日に。

ジェームズ:外務省の条約局は条約を守るということが生きがいになっている人たちなのであんな原稿になった可能性もありますが、もしかしたら外務省の総意として、わざとああいうコメントを仕込んだ可能性もあります。

 ともかく、菅さんの一つだけ評価できるところは安倍さんのロシア政策を継承しなかったことです。彼はロシアにはかなり冷たい態度を取っています。そこは安全保障派閥からレクチャーされている可能性があります。

──わかりました。今後の岸田政権の外交政策はまったく期待できないし、ヘタすれば日本の首を絞める可能性すらあるということですね。

ジェームズ:はっきり言って極東はもともとロシアの侵略行為によって領土を取られています。私は帝国主義を助長するつまりなどまったくないのですが、南樺太には液化天然ガス(LNG)の拠点があるので日本にとっても大事なところです。しかも、ポーツマス条約で言えば、南樺太は日本国内です。国内問題であれば自衛隊を派遣することは何の問題もありません。派兵でもなければ、侵略でもないのです。国内の駐屯地の移動にしかならないのです。

──考えてみればロシアがクリミアに軍を送っているんですから、日本が南樺太に自衛隊を送るのもそれほど問題ないはずなんですよね。

ジェームズ:まさにその通りです。ロシア自身がロシア流の国際法のアプローチでウクライナに侵攻しているのですから、日本も同じことをしていいはずなんです。少なくともロシアに対しては、それが通用します。しかも、いまの国際世論であれば、南樺太に“移動”しても日本を責める勢力はほとんどいないと思います。中国、韓国、北朝鮮ぐらいです。しかし、中国、北朝鮮は敵ですから責められても痛くも痒くもありません。同盟国であるアメリカが非難しなければ問題ないですし、アメリカは非難しないと思います。

──いろんな選択肢がある中で、一番ダメなことをやっているのが岸田政権だということですね。

ジェームズ:その通りです。逆に中国の後押しをしている形になってしまっています。もしも、いまロシアが崩壊したら中国だけが得をします。ウラジオストクが中国領になる脅威を本気で考えてください。ウラジオストクはロシア語で「東方制圧」と意味です。つまり、ロシアの対日侵略拠点として1856年の創市以来、日本海の対岸に存在し続けてます。もしも、これが中国領になったら、東シナ海を経由せずとも日本海から対日侵略を実現できることになります。いまのロシア問題は、日露戦争前夜のような状況に近づいています。このような国難の時をどのようにして乗り越えることができるのか?がいまの日本人に与えられた課題です。この解決のためには国際標準のインテリジェンス思考を一刻も早く身につけて、あらゆる意味での日本の危機的状況を改善する道を探すべきなのです。 そのためのインテリジェンス思考を私もメルマガで発信していきます。
28:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/04 (Sat) 05:16:49

米国政府は侵略の手先としてウクライナではネオナチ、 コソボでは 麻薬業者を使う
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14091899
29:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/20 (Mon) 02:22:53

2023.03.20XML
米国政府は20年前の3月20日にイラク侵略を始め、戦乱を世界へ拡大してきた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303200000/

 アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃したのは2003年3月20日早朝のこと。今から20年前のことだ。

 作戦に参加したのは事前にクウェートへ送り込まれていたアメリカ軍兵士24万8000人、イギリス軍兵士4万5000人、オーストラリア軍兵士2000人、ポーランドの特殊部隊GROMの隊員194名、そしてクルドの武装集団ペシュメルガから7万人だという。ここでもポーランドはアングロ・サクソンの補完国として動いている。なおGROMはアメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォースとイギリスのSAS(特殊空挺部隊)が1990年台に組織、訓練した軍事組織だ。

 イラクが「大量破壊兵器」を保有しているとアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権は主張していたが、これは嘘だった。2001年9月11日に実行されたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃(9/11)にも無関係。そこで統合参謀本部の内部にはイラクへの軍事作戦に反対する声が存在、実施時期が半年から1年延びたと言われている。

 イラクのサダム・フセイン体制を破壊することは1980年代からネオコンが計画していたこと。フセイン政権を倒して親イスラエル体制を樹立してイランとシリアを分断、それぞれを破壊しようと考えていた。

 欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていた。9/11から10日ほど後には統合参謀本部で見た攻撃予定国のリストにはイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランが載っていたという。(​3月​、​10月​)

 ネオコンは1992年2月、ソ連が消滅した直後に国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成している。作成の中心がポール・ウォルフォウィッツ国防次官だったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。このドクトリンをベースにしてネオコン系シンクタンクPNACは2000年に「アメリカ国防の再構築」を発表、それに基づき、ジョージ・W・ブッシュ政権は軍事政策を作成している。

 CIAは2002年に対イラク工作を始めているが、その年の11月に中東全域のCIA支局長がロンドンのアメリカ大使館に集められ、IOG(イラク作戦グループ)から対イラク戦争は決定済みであり、嫌なら辞めろと脅されたという。(James Risen, “State of War,” Free Press, 2006)

 大量破壊兵器に関する偽情報をコリン・パウエル国務長官は国連で主張している。パウエルは2003年2月、国連でサダム・フセイン政権が間違いなく生物兵器を開発、生産能力もあると発言しているのだ。パウエルの次官だったシャルロット・ビアーズは「マディソン街の女王」と呼ばれる人物で、大手広告会社の会長兼CEOを務めていた。

 ビアーズの手法は単純化と浅薄化。イメージが問題なのであり、詳しく丁寧には説明しない。イラクへの先制攻撃をアメリカ政府は「イラクの自由作戦」と命名したが、これもビアーズのアドバイスに従ってのことだという。ブッシュ大統領が「この戦争は平和のため」と発言したのも彼女のアドバイスによる。(Alexander Cockburn & Jeffrey St. Clair, “End Times”, CounterPunch, 2007)

 イラクに軍事侵攻したアメリカ軍は破壊と殺戮を繰り広げ、捕虜に対する拷問も明らかになっている。戦争で死亡したイラク人の数を西側の政府やメディアは小さく見積もっているが、アメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から06年7月までに約65万人のイラク人が殺されたとされている。またイギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人、NGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。

 イギリスのトニー・ブレア政権は戦争を支援している。​2015年10月に判明したコリン・パウエルの書いたメモによると、2002年3月28日にブレア首相はパウエルに対し、アメリカの軍事行動に加わると書き送っている。​CIAの動きを見てもブッシュ政権は2002年の段階でイラクを攻撃しようとしていたように見えるが、実行しなかった。統合参謀本部の内部に反対意見があったからだと言われている。イラクへの軍事侵攻に「大義」がなく作戦が無謀だと反対していたというのだ。

 そうした中、ブレア首相はブッシュ大統領に助け船を出す。2002年9月にブレア政権は「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書、いわゆる「9月文書」を作成している。これは有力メディアにリークされ、サン紙は「破滅から45分のイギリス人」というセンセーショナルなタイトルの記事を掲載している。

 この報告書をパウエル国務長官は絶賛したが、大学院生の論文を無断引用した代物。別に執筆者がいるとも噂されているが、信頼できるものではなかった。その文書をイギリス政府はイラクの脅威を強調するため改竄する。

 2003年5月にBBCの記者だったアンドリュー・ギリガンはラジオ番組で「9月文書」を取り上げ、内容が粉飾されていると語る。サンデー・オン・メール紙で彼はアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したと主張した。

 ギリガンが「45分話」を語った直後、デイビッド・ケリーが情報源だということをブレア政権は突き止める。ケリーは国防省で生物兵器防衛部門の責任者を務める専門家で、イギリスの情報機関から尋問を受けている。

 ケリーの名前は7月9日にリークされ、7月15に地下要塞に彼は外務特別委員会へ呼び出される。そして7月17日に変死した。公式発表では手首の傷からの大量出血や鎮痛剤の注入が原因で、自殺だとされているのだが、手首の傷は小さく、死に至るほど出血したとは考えにくい。

 ケリーと親しい言語学者のマイ・ペダーソンによると、ケリーは古傷のため、右手でブリーフケースを持ったりドアを開けたりすることができなかった。右肘に障害があったのだ。(Miles Goslett, “An Inconvenient Death,” Head of Zeus, 2018)

 ステーキを切ることもできなかったとも言われ、その右手で左手の手首を切ったという主張には無理がある。救急救命士のバネッサ・ハントによると、ケリーの左の手首には乾いた血がこびりついているだけで傷は見えなかったという。ハントの同僚であるデイビッド・バートレットはケリーの服についていた血痕は、ジーンズの膝についていた直径4分の1インチ(6ミリメートル)程度のものだけだったと証言している。(前掲書)

 しかも手首を切ったとされるナイフから指紋が検出されていない。死体の横には錠剤が入った瓶が転がっていたのだが、その瓶からもケリーの指紋は検出されていない。

 また、最初に発見されたときには木によりかかっていたとされているが、救急救命士と救急隊員は仰向けになっていたと証言、ふたりの救急関係者が現場へ到着したとき、ふたりの警官だけでなく「第3の男」の男がいたともしている。これ以外にもケリーの死には謎が多い。

 ケリーはイラクの大量破壊兵器がないとブレア首相に説明していたのだが、そのブレアは偽情報で世論を戦争へと誘導しようとしていた。それに恐怖したケリーはギリガンに事実を伝え、それから間もなく死亡した。その後、BBCはブレア政権から激しく攻撃された。執行役員会会長とBBC会長は辞任に追い込まれ、ギリガンもBBCを離れることになる。現在のBBCはそうしたトラブルに巻き込まれることはなさそうだ。

 ブッシュ大統領は2003年の一般教書演説の中でサダム・フセインがアフリカから相当量のウラニウムを入手しようとしていると主張しているが、イラクがニジェールからイエローケーキを購入することで合意したという覚書を調査したジョセフ・ウィルソン元駐ガボン大使は大統領の発言が事実に反すると2003年7月6日付けニューヨーク・タイムズ紙に書いている。

 IAEA(国際原子力機関)もその文書を入手、文書をチェックしたところ、基礎的な事実関係を間違えている稚拙な代物で、すぐに偽物だと見抜いている。

 ウィルソンの告発記事が出た8日後、 ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ロバート・ノバクはコラムの中で、ウィルソンの妻であるバレリー・ウィルソン(通称、バベリー・プレイム)がCIAの非公然オフィサーだという事実を暴露した。

 アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃した後、中東から北アフリカにかけての地域は戦乱で破壊され、人びとは塗炭を舐めさせられている。ネオコンは戦乱をウクライナへも飛び火させ、現在、東アジアの破壊を目論んでいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303200000/
30:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/21 (Tue) 02:17:06

2023.03.21XML
米英の時代が終焉の時を迎えていることを示す習近平国家主席のロシア訪問
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303210000/

 中国の習近平国家主席が3月20日、モスクワに到着した。22日までロシアを訪問、両国の関係が強化されていることを世界に示す。​中国政府は2月24日にウクライナ危機への立場を発表している​が、アメリカは和平を拒否している。

 その立場とは、すべての国の主権尊重、冷戦的な精神構造の放棄、敵対行為の終了、和平交渉の再開、人道危機の解決、市民と捕虜の保護、原発の安全維持、戦略的リスクの軽減、穀物輸出の促進、一方的制裁の中止、製造や供給の安全維持、紛争後の復興促進。​この提案やウクライナでの和平実現をアメリカ政府は拒否している。​

 ウクライナの戦乱は短期的に見ても2010年の1月から2月にかけて実施された大統領選挙から始まる。この選挙でウクライナの東部と南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチが勝利、それを嫌ったバラク・オバマ政権がクーデタを計画、13年11月から実行に移したのだ。

 クーデターは暴力的なもので、NATOの訓練を受けたネオ・ナチが利用された。ネオ・ナチのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手にしながら石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出している。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像もインターネット上に流れていた。

 ユーロマイダンでは2月中旬から無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われた。西側ではこの狙撃はヤヌコビッチ政権が実行したと宣伝されたが、2月25日にキエフ入りして事態を調べた​エストニアのウルマス・パエト外相はその翌日、逆のことを報告していた。​

 2017年11月にはイタリアのドキュメント番組の中で3人のジョージア人が自分たちはユーロマイダンで狙撃したチームに参加していたと証言している。この3人は治安部隊のメンバーとしてジョージアから送り込まれたのだが、警官隊と抗議活動参加者、双方を手当たり次第に撃つよう命じられたとしている。(​その1​や​その2​)

 この3人も狙撃の指揮者はクーデター派の幹部だったアンドレイ・パルビーだと語っているが、パルビーが狙撃手と見られる人びとが建物から出てくる様子を撮影した写真も存在する。

 2014年5月2日にはオデッサで反クーデター派の死因を虐殺する出来事もあった。その日、オデッサではサッカーの試合が予定されていて、フーリガンを含むファンが列車で到着、街に出るのだが、その一団をネオ・ナチの中核組織である「右派セクター」が挑発、ファンの集団を反クーデター派の住民が2月から活動の拠点にしていた広場へと誘導していく。

 一方、ネオ・ナチのメンバーは広場に集まっていた住民に暴漢が迫っていると伝え、労働組合会館へ避難するように説得、女性や子どもを中心に住民は建物の中へ逃げ込んだ。その建物の中でネオ・ナチのグループは住民を虐殺、上の階へ逃げた人びとを焼き殺すため、放火した。屋上へ逃げられないようドアはロックされ、外へ逃げた住民は撲殺されたようだ。この時、会館の外で撮影された少なからぬ映像が存在、内部の無残な様子も撮影されている。

 この時に50名近くの住民が殺されたと伝えられているが、これは地上階で確認された死体の数にすぎない。地下室で惨殺された人を加えると120名から130名になると現地では言われていた。

 5月9日にはクーデター軍がマリウポリの市内へ戦車を突入させ、 住民を殺しているが、その様子も携帯電話で撮影され、世界へ流された。5月11日にはドンバスで自治(ドネツク)や独立(ルガンスク)の是非を問う住民投票が実施され、ドネツクでは89%が賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が賛成(投票率75%)している。この結果を受けてドンバスの住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は助けなかった。

 デレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りした6月2日にクーデター政権はルガンスクの住宅街を空爆、住民を殺しているが、その様子を撮影した映像もインターネット上にアップロードされていた。OSCE(欧州安保協力機構)も空爆があったことを認めている。

 後にマリウポリはネオ・ナチを主体とするアゾフ特殊作戦分遣隊(通称、アゾフ大隊、あるいはアゾフ連隊)が拠点にしている。この武装勢力は内務省に設置された親衛隊の中核で、住民にとっては占領軍にほかならない。

 アメリカのバラク・オバマ政権がネオ・ナチを利用してウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒してロシアに「チェックメイト」を宣言した当時、中国はアメリカの影響下にあると日本やアメリカなどでは信じる人が少なくなかった。「カネ儲けさせておけば中国人は言いなりになる」と言う人もいた。

 しかし、こうした見方は間違っていた。ビジネスやアカデミーの世界はアメリカ支配層に支配されているが、政治の世界に食い込むことができなかったのだ。共産党の体制は盤石だった。2014年にはウクライナのクーデターと同時に香港で「佔領行動(雨傘運動)」と呼ばれる反中国政府の運動が実行されたが、中国の体制は揺るがない。この反政府運動はアメリカのCIAとイギリスのMI6が黒幕だと言われているが、そうした背景を中国政府もわかったはずだ。その後、パイプライン、道路、鉄道などでロシアと中国は結びつきを強め、戦略的同盟関係を結ぶことになった。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303210000/
31:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/22 (Wed) 07:18:38



2023.03.22XML
中露会談で生じた衝撃波が世界へ広がる中、岸田首相はウクライナを電撃訪問
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303220000/

 インドを訪問していた岸田文雄首相はその足でウクライナへ向かったという。キエフでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会うのだろうが、すでにウクライナは国として機能していない。

 2004年から05年にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権が仕掛けた「オレンジ革命」で大統領の座を奪取したビクトル・ユシチェンコは新自由主義的な政策を推進して経済を破壊、そうした政策への反発から2010年の大統領選挙で選ばれたビクトル・ヤヌコビッチは13年11月から14年2月にかけての時期に行われたネオ・ナチのクーデターで排除され、経済の崩壊は続いた。クーデターを仕掛けたのはバラク・オバマ政権だ。

 ヤヌコビッチの支持基盤で、7割以上がロシア語を話す東部や南部では住民が憲法を無視したクーデターによる一方的な体制転覆を認めず、クーデター体制を拒否、内戦に発展する。当初、反クーデター軍が優勢だったが、ドイツやフランスが仲介する形で停戦が決まった。「ミンスク合意」だが、当事者だった​アンゲラ・メルケル​元独首相は昨年12月7日、ツァイトのインタビューでこの合意はウクライナの戦力を増強するための時間稼ぎに過ぎなかったと語っている。メルケルと同じようにミンスク合意の当事者だった​フランソワ・オランド​元仏大統領もその事実を認めた。

 キエフのクーデター体制はミンスク合意を守ろうとしなかったが、ドイツもフランスも平和を求めていなかった。勿論、アメリカもだ。戦力を増強するための時間が欲しかっただけである。つまりミンスク合意で平和が訪れるはずはなかった。

 ​反ヤヌコビッチ政権のクーデターが計画されていると2013年11月20日にウクライナ議会で議員として警告​した​オレグ・ツァロフは22年2月19日に緊急アピール「大虐殺が準備されている」を出している​。ゼレンスキー大統領がごく近い将来、ドンバスで軍事作戦を開始すると警鐘を鳴らしたのだ。

 その作戦にはロシア語系住民を狙った「民族浄化」が含まれ、キエフ政権の軍や親衛隊はドンバス(ドネツクやルガンスク)で自分たちに従わない住民を虐殺しようとしていると主張、SBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行するともしていた。

 ツァロフがアピールを出した3日後にロシアのウラジミル・プーチン大統領がドンバスの独立を承認、2月24日にロシア軍はウクライナを巡航ミサイルなどによる攻撃を開始、航空基地や​生物兵器研究開発施設を破壊​したと言われている。

 攻撃の際、ロシア軍は部隊を派遣して重要文書を回収している。そうした文書の中には、ゼレンスキーが1月18日に出した指示に基づいて親衛隊の​ニコライ・バラン上級大将が1月22日に攻撃の指令書へ署名、ドンバスを攻撃する準備が始まっていた​ことを示すものが含まれていた。2月中に準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたという。

 その攻撃計画が始動する直前にロシア軍が動いたことになる。住民をウクライナの親衛隊は人質のとり、脱出を図った人などを殺傷しているが、少なからぬ住民がロシア軍の救出され、アゾフ大隊などクーデター体制側の残虐行為を証言している。

 ロシア軍が攻撃を始めて間もない段階でゼレンスキー政権はロシア政府と停戦交渉を始めるが、アメリカやイギリスの命令で話し合いの道は断たれた。

 停戦交渉を仲介したイスラエルの首相だった​ナフタリ・ベネットのインタビュー​が今年2月4日に公開されている。ベネットによると、話し合いで双方は妥協に応じ、停戦は実現しそうだった。ゼレンスキー大統領はNATOへの加盟を諦めるとしたようだ。

 2022年3月5日にベネットはモスクワでプーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた。その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。​ウクライナの治安機関SBUがゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのはその3月5日だ​。SBUはCIAの下部機関だと見られている。

 4月に入ると西側の有力メディアはロシア軍がブチャで住民を虐殺したと宣伝し始める。マクサー・テクノロジーズなる会社から提供された写真を持ち出され、3月19日に死体が路上に存在していたと主張しているが、その後の分析で事実でないことが確認されている。(この件については本ブログでも何度か書いているので、今回は割愛する。)

 そうした中、​4月9日にボリス・ジョンソン英首相はキエフへ乗り込んでロシアとの停戦交渉を止めるように命令​。4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めている。

 その後、アメリカ/NATOはウクライナへ武器弾薬を供給、兵士を訓練して戦闘を継続させたが、ウクライナ軍は「玉砕攻撃」を強いられた兵士は戦死者の山を築く。昨年11月30日に欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長はウクライナの将校(将兵?)10万人以上が戦死したと語ったが、アメリカで2月に報道された情報によると、ウクライナ側の戦死者や負傷が原因で死亡した兵士の数は約26万人に達し、負傷者や障害者は約25万人、行方不明8万人、捕虜3万人だと推測されている。

 ロシア側の戦死者は1万人余りだとみられているが、 部分的動員で集めた30万人から40万人は訓練の終盤で、まだ大半は戦線に投入されていない。そうした中、3月20日に中国の習近平国家主席がモスクワを訪問、22日までロシアに滞在する。その際、習近平は和平案を提示、ウラジミル・プーチン露大統領は興味を示したようだが、ジョー・バイデン政権は和平を拒否した。

 中国とロシアの首脳会談がモスクワで行われている最中の21日に岸田首相はキエフを訪問したわけだ。G7の首脳で岸田首相だけがウクライナを訪れていないので突如訪問したということではないだろう。バイデン政権の指示があった可能性が高い。

 モスクワで中国とロシアの首脳がウクライナの和平だけを話し合ったとは思えない。ウクライナの問題はアメリカをはじめとするアングロ・サクソンの支配層が19世紀から維持している世界戦略の中から生まれたのである。ロシアを征服することが最終的な目標だが、中国もアヘン戦争以来、狙われている。

 習近平は東アジアでの戦争を想定、最新型の防空システムや極超音速ミサイル(マッハ12)のキンジャールについても議論されたと推測する人もいる。日本が軍事力を急ピッチで増強していることが刺激になっているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303220000/
32:保守保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/30 (Thu) 04:50:17


2023.03.30XML
パイプラインに対する破壊工作の真相を調べる必要はないと判断した国連安保理
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303300000/

 ロシアとドイツがバルト海に建設した2本のパイプライン「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」が2022年9月26日から27日にかけての間に破壊され、天然ガスが流出した。

 瞬間的に大きな穴が空いたと見られ、1カ所あたりの爆発エネルギーはTNTに換算して100キログラム以上だとされている。パイプの構造から考えて事故でそうしたことが起こる可能性は小さく、当初から爆破工作だと推測されていた。

 この天然ガス流出について調査するように求める決議をロシアと中国は国連の安全保障理事会に求めたが、賛成したのはロシア、中国、ブラジルの3カ国にすぎず、アルバニア、イギリス、ガボン、ガーナ、マルタ、モザンビーク、アラブ首長国連邦、アメリカ、フランス、スイス、エクアドル、日本は棄権した。

 国際的に大きな影響を及ぼした破壊工作が行われた可能性が高いにもかかわらず、真相を明らかにする必要はないと12カ国は考えたわけである。状況から考え、実行国はアメリカ、あるいはその従属国だと考えられているが、棄権した国々もそう判断したのだろう。

 破壊直後、ポーランドで国防大臣や外務大臣を務めたラデク・シコルスキーは「ありがとう、アメリカ」と書き込み、その後、ノードストリームの破壊はプーチンの策略の余地を狭めるとも書いた。ロシアはバルブを締めれば天然ガスを止められるが、緩めれば再稼働できる。そうした状況ではロシアがEUへプレッシャーをかけられるわけで、そのことをシコルスキーは理解していた。

 ロシアとヨーロッパは天然ガスを通じて関係を深めていた。輸送はパイプラインで行われ、その多くはウクライナを経由していたことから、アメリカの支配層はロシアとヨーロッパを分断するためにウクライナを完全な属国にしようとする。そこでバラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけてウクライナでネオ・ナチを使い、クーデターを実行したわけだ。

 しかし、ウクライナを迂回するため、ロシアとドイツはバルト海を経由する2本のパイプライン「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」を建設した。

 NS1は2010年4月に建設が始まり、11年11月から天然ガスの供給が始められる。ウクライナの体制がクーデターで変わった後の2015年6月にガスプロムとロイヤル・ダッチ・シェルは共同でNS2の建設を開始、18年1月にドイツはNS2の建設を承認、21年9月にパイプラインは完成した。

 アメリカやポーランドはNS1やNS2の建設や稼働に強く反対し、ドナルド・トランプ政権下の2020年7月には国務長官のマイク・ポンペオがNS2を止めるためにあらゆることを実行すると発言。2021年1月に大統領がジョー・バイデンに交代しても状況に変化はなく、22年1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官はロシアがウクライナを侵略したらNS2を止めると発言している。2月7日にはジョー・バイデン大統領がNS2を終わらせると主張し、アメリカはそうしたことができると記者に約束した。

 2022年2月24日にロシア軍はウクライナに対する軍事作戦を開始、アメリカ政府の圧力でEUは新パイプラインの稼働を断念。アメリカはさらにNS1も止めさせようとした。

 パイプラインが爆破された1分後にイギリスの首相だったリズ・トラスはiPhoneでアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官へ「やった」というテキストのメッセージを送ったと伝えられている。携帯電話がハッキングされたようだ。

 その当時、イギリスの閣僚が使っていた電話がハッキングされていたことを疑わせるできごとがあった。イギリスの​ベン・ウォレス国防相​は10月18日、アメリカの国務省や情報機関の高官と会うために同国を秘密裏に訪問しているのだ。

 閣僚が使う通信手段はセキュリティーの信頼度が高いはずで、通常なら電話で済ませるはずなのだが、本人が出向いた。そこで通信のセキュリティーに不安があったと考える人もいたが、その推測は正しかったようだ。その直後、「ジョーカーDPR」と名乗るハッカー・チームがウクライナ軍の指揮統制プログラムにハッキングしたと主張している。

 そして今年2月8日、調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​はアメリカ海軍のダイバーがノルウェーの手を借りてノードストリームを破壊したとする記事を発表した。

 ハーシュによると、アメリカのジョー・バイデン大統領は2021年後半にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成、その中には統合参謀本部、CIA、国務省、そして財務省の代表が参加している。12月にはどのような工作を実行するか話し合ったという。そして2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申している。

 2022年1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官は、ロシアがウクライナを侵略したらノード・ストリーム2を止めると発言、2月7日にはバイデン大統領がノード・ストリーム2を終わらせると主張、記者に実行を約束した。こうした発言の背後には爆破計画があったわけだ。

 爆破計画の拠点として選ばれたのはノルウェー。イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長の母国だ。ハーシュによると、3月にはサリバンのチームに属すメンバーがノルウェーの情報機関に接触、爆弾を仕掛けるために最適な場所を聞き、ボルンホルム島の近くに決まった。

 プラスチック爆弾のC4が使われたが、仕掛けるためにはロシアを欺くためにカムフラージュが必要。そこで利用されたのがNATO軍の軍事演習「​BALTOPS22​」だ。その際にボーンホルム島の近くで無人の機雷処理用の潜航艇を使った訓練が行われた。

 ハーシュの記事が発表される4日前、 ジョー・バイデン大統領の命令で中国から飛来した気球をF-22戦闘機が高度1万8000メートルで破壊された。アメリカ政府はその時点でハーシュの取材内容を知っていただろう。西側の有力メディアはバルーンの破壊に熱狂することになる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303300000/
33:保守保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/31 (Fri) 14:51:41

2023年03月31日
禁断の兵器をプレゼント / 戦争の泥沼化を望む米国 (後編)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68926310.html

兵器供給と米国の策略

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(左 : 対ロシア戦での勝利を誓うゼレンスキー大統領 / 右 : 戦争で故郷を離れたウクライナ人親子)

  令和の日本人は、驚愕の世紀に生きている。二つの世界大戦が起こった第20世紀には、毛沢東やヨシフ・スターリン、ウラジミール・レーニンといった巨悪に加え、ちょっと劣っているが、アドルフ・ヒトラー、フランクリン・F・ローズヴェルト、ウィンストン・チャーチルといった中級の悪党が鎬を削っていた。その他にも歴史に残る人物は多く、シャルル・ド=ゴール将軍やフランシスコ・フランコ将軍、ドワイト・アイゼンハワー将軍といった軍人政治家も、非常に印象深い。

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(左 : アドルフ・ヒトラー / ドワイト・アイゼンハワー / シャルル・ド=ゴール / 右 : フランシスコ・フランコ)

  ところが、第二次冷戦となりうる「ロシア対ウクライナ戦争」では、堂々と操り人形が国家の首脳になっている。いくら何でも、ウクライナの“国家元首”がゼレンスキーで、アメリカの“戦争指導者”がバイデンなんて、通常では有り得ない。まるで魔夜峰央(まや・みねお)*の漫画みたいだ。しかし、実際の戦場となっているウクライナでは、日々流血の殺戮が繰り返され、その修羅場には様々な兵器が投入されている。 (*註 / 魔夜峰央はギャグ漫画『パタリロ』の作者。)


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(左 : 合衆国大統領になった痴呆老人 / コメディアン時代のゼレンスキー / 「大統領」を演じたゼレンスキー / 右 : 最高司令官になってしまったゼレンスキー )

  最近では、ドイツの主力戦車「レオパルト2(Leopard 2 MBT)」が18輛供給され、いずれ112輛に増えるそうだ。(Matthias Gebauer,‘Deutsche Leopard-Panzer in der Ukraine angekommen,’Der Spiegel, 27 März 2023.) 既に、英米側は自走多連装ロケット砲の「HIMARS」を供給し、ドイツ製の歩兵装甲車「Marder」も渡している。

   歐米の報道によれば、劣勢のウクライナ軍を補強するため、ブリテン政府は劣化ウラン弾を提供しようと考えているそうだ。というのも、地上戦ではロシア軍が優勢で、ウクライナ軍は崩壊に等しく、傭兵部隊が追加されても劣勢なのかも知れない。西側メディアの報道とは違い、要塞化された東部地域には、なかなか侵攻できないし、砲弾や物量でも窮地に立たされている。それゆえ、劣化ウラン弾の供給は頼もしい。もし、ロシア軍の戦車に対して劣化ウラン弾を使用するとなれば、ロシア兵にとっては深刻な脅威となる。なぜならば、比重が大きい劣化ウランは、戦車の装甲を容易に貫通するからだ。(戦車の装甲には、Slpoed ArmourとかChobham Armour、Rolled Homogeneous Armour、Explosive Reactive Armour Tileなど色々とあるが、ここでは説明を省略する。)

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(左 : 使用前の劣化ウラン弾 / 右 : ****された劣化ウラン弾)

  「劣化ウラン」と聞けば、「古くなって脆くなった物質」と思ってしまうが、英語で言えば「depleted uranium」で、世間からは非難囂々の原料である。この「劣化ウラン」はU-235同位体存在比が、天然ウランよりも低いから「減損したウラン」と呼ばれているだけ。それに、劣化ウランの比重は「18.9」と、かなりのヘビー級。鉄の比重が「7.9」なので、倍近い重さだ。また、劣化ウラン弾は命中した時に「セルフ・シャープニング(自己先鋭化)現象」を起こすので、タングステン合金弾と同じく恐ろしい破壊力をもつ。そのうえ、装甲を貫く時、高熱を発生するから焼夷効果は凄まじい。もし、劣化ウラン弾が装甲を貫き、戦車内で激しく燃焼すれば、操縦している軍人は丸焦げだ。

  劣化ウラン弾は戦車や装甲車を破壊するだけでなく、使用された地域の環境にも影響を及ぼす。劣化ウラン弾が標的に命中し、戦車の中で燃焼すると、微粉末の煙となるから、もし、戦車の残骸に地元民や子供が近づけば、その粉末を肺に取り込むことになる。劣化ウランは放射線を出すU-238が主体となっているから、体内に入ってしまえば内部被曝となる。アルファ線を出しながら崩壊するのがウランであり、万が一、ウラン酸化物が肺に吸収されれば、それはやがて細胞内に浸透し、遺伝子や染色体に異常をもたらす。劣化ウランの被爆は発癌性を高めてしまうから、白血病やリンパ癌、悪性腫瘍を引き起こす原因となる。

  兵器開発の科学者じゃなくても、劣化ウラン弾の被害は理解できる。第一、この兵器を使ったアメリカ軍に被害が出ているんだから皮肉な話だ。1991年に勃発した第一次ペルシア湾岸戦争では、約310トンの劣化ウラン弾が使用されたという。しかし、2003年の第二次湾岸戦争では、約1千から2千トンが使われたというのだ。(Sydney Young,‘Depleted Uranium , Devastated Health : Military Operations and Environmental Injustice in the Middle East,' Harvard International Review, 22 September 2021.) ちなみに、ウラン238の半減期は44億7千万年くらいと言われているから、気が遠くなるような時間である。

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(左 : 劣化ウラン弾を使用する軍隊 / 右 : 劣化ウラン弾で破壊された戦車 )

  合衆国の退役軍人省(U.S. Department of Veterans Affairs)によれば、味方による誤爆で劣化ウラン弾の被害を受けた軍人には、腎臓障害や骨粗鬆症などの弊害がみられるそうだ。化学兵器の使用は本当に危険で、誤って有毒物質に晒された軍人には、血液の病気を発生する者もいる。また、帰還後にもうけた赤ん坊に奇形児が出てしまい、不幸の連鎖が起こっていた。(筆者は奇形児を撮した写真を持っているが、あまりにも酷いので掲載できない。たぶん、婦人科の医者や化学兵器の専門家なら、サンプル写真を見せてくれるかも。ただし、女性は事前に覚悟した方がいい。)もちろん、当初、膨大な賠償請求を恐れた国防総省は、奇形児の誕生と化学兵器との関係を否定していた。

  とにかく、ウクライナ軍が英国から提供される劣化ウラン弾を使用すれば、ロシア軍にとっては「戦術核による攻撃」と等しくなる。これは絶対に容認できない「禁断の兵器」だろう。バイデンと違って、有能な国家指導者のプーチンは、ウクライナ軍による劣化ウラン弾の使用に釘を刺していた。もし、英国がウクライナに提供すれば、モスクワ政府は必ず“反応”せざるを得なくなるぞ、と脅している。そして、プーチンはベラルーシに戦術核を配備するつもりだと述べていた。核・生物・化学兵器からの防御を担当する国防省のイゴール・キリロフ(Igor Kirillov)将軍も、英米に対して睨みを利かせている。劣化ウラン弾の使用は「ネガティヴな結果」をもたらすぞ、と警告していた。おそらく、「もし使ったら、こちらも報復するから、ウクライナ政府は覚悟しろよ!」という意味だろう。

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(左 : イゴール・キリロフ将軍 / 中央 : プーチン大統領 / 右 : アイスクリーム好きのお爺ちゃん )

  さすがに、最終兵器の「爆弾の皇帝(Tasr Bomba / 爆発力50メガトン)」は使わないと思うけど、場合によっては、戦術核の使用も考えられる。米国のネオコンは核戦争を望んでいるので、わざとロシア領内にミサイルを打ち込み、戦争のエスカレーションを謀っている。ブリンケンやヴィクトリア・ヌーランド達は、モスクワの強硬派を刺戟して、核戦争に持ち込みたいのだろう。

  日本でも色々な憶測が飛び交っているが、英米はウクライナでの代理戦争を長期化させたいようだ。戦力が相当落ちたウクライナ軍に、英米は傭兵部隊や軍事顧問団を派遣して、ボロボロのウクライナ軍を支えている。こうなると、一体どっちらが戦争の当事者なのか判らない。本当に実現するのかどうか分からないけど、米国はF-16戦闘機の提供まで考えているという。事実、米軍はウクライナ軍のパイロット2名をアリゾナ州の空軍基地に招いて訓練するそうだ。(Zachary Cohen, Aaron Pellish, ‘U.S. evaluating Ukrainian pilots for possible F-16 training,’CNN, March 6, 2023.)

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(左 : F-16戦闘機 / 右 : Mig-29戦闘機)

  でも、米国製の戦闘機を提供したからといって、実際に効果が現れるとは限らない。なぜなら、パイロットの訓練には数年の月日が求められるからだ。そもそも、ウクライナ空軍はロシア製の戦闘機に馴れている。Mig-29(Fulcrum)戦闘機やSu-24(Fencer)、Su-25(Frogfoot)、Su-27(Flanker)といったスホーイ戦闘機で訓練されたパイロットがほとんど。ところが、今度は「アメリカ製のF-16戦闘機を操縦するように」と命じられたから、さぁ大変。コクピットの作りや装置の種類、機体の性能までが違うから、慣れるまでに相当な時間がかかる。

   脳天気なバイデンは3ヶ月から6ヶ月の訓練期間で大丈夫と思っているが、そんな短期間では到底無理。アメリカ人の教官がいくら頑張っても、年内の実戦投入は絶望的だろう。ウクライナ人のパイロットが、祖国の訓練で身につけた「筋肉の記憶(muscle memory)」は、短期間で別の種類に変換できない。陸軍や海軍の士官でも、使い慣れた戦車や戦闘機に乗り込む方が効果的だ。もし、外国の兵器を使うとなれば、ベテランの軍人でも俊敏な反応はできないし、自分の技能を発揮できない場合もある。ボクサーやレスラーだって、毎日の訓練で基本的な動きを身体で覚え、それを土台にして様々な技に磨きをかけるものだ。(Jennifer Andersson, 'Practice makes perfect: Muscle memory makes for greater results,’U.S. Army, October 3, 2012を参照。) 体に染みつくほどの練習を重ねるから、相手の攻撃を喰らっても即座に反応できるし、次の動きが無意識に出てくる。

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(左 : Su-27戦闘機 / 右 : Su-30戦闘機)

  バイデン政権はあと10名ほどウクライナ人を呼び寄せ、F-16の飛行訓練を行うつもりであるという。とすれば、彼が和平の道を模索しているとは思えない。もしかすると、来年まで戦闘を長引かせるのかも。戦闘の状況次第でロシアとの停戦協定も視野に入れているんだろうが、ネオコンの連中はプーチン政権が揺らぐまで、ロシアを懲罰するつもりだ。そもそも、彼らにはウクライナへの配慮は無く、ゼレンスキーに従う国民は「使い捨ての手駒」程度。何人死んでもお構いなし。

  バイデン政権を操る闇の組織が、シナリオを幾つ用意しているのか、どんな計画で戦争を進めるのか、全く判らない。だが、ウクライナ人の悲劇が更に酷くなるのは確かだ。たとえ、ロシア軍から領土を奪還したとしても、国内の荒廃や将来への影響は甚大なものとなる。復興作業には何年もかかるし、その費用は天文学的数字となるだろう。しかも、多くの戦闘員が亡くなったから、父親を失った家庭も増えている。となれば、残された子供の人生は明るくない。それに、戦闘で負傷した将兵は、福祉に依存する身体障碍者となるから、祖国再興の支柱ではなく、国家にのしかかる重荷となるだろう。若くで優秀なウクライナ人は墓場で眠っているか、歐米諸国にトンズラというのが現状だ。日本へ逃れてきたウクライナ難民や徴兵に応じなかったウクライナ留学生も、祖国への帰還をためらってしまうだろう。さて、ゼレンスキーのもとで働くウクライナ人はどれほど残っているのか?

  戦場となったウクライナは本当に憐れだ。オルガルヒの野望を叶えるために、ウクライナ国民は民族紛争を利用され、軍需産業の餌食になった。ウクライナの正規兵や予備役兵は、対ロシア戦のモルモット。国土は新兵器の実演販売所となり、喜んでいるのは外国のバイヤーだ。もし、ここで劣化ウラン弾が使われたら、ロシア軍は必ず報復するだろう。そうなれば、ウクライナの大地は色々な有害物質で汚染される。それに、ロシア軍が生物兵器を使うことも有り得るし、英米の傭兵部隊がロシア軍の仕業に見せかけて、ウクライナにウイルスを撒き散らす謀略戦だって考えられるのだ。

  ちなみに、放射能や疫病で汚染された小麦は売り物にならないから、こっそりと乾燥パスタや小麦粉に加工して、日本に輸出されるかも。日本国民は心配になるだろうが、有害食品で病気になっても大丈夫。ファイザーやモデルナ社が、ちゃんと治療薬を開発してくれるから。もしかすると、既に用意していたりして。でも、ビックリするほどの高値かもよ。

  ポーランドやドイツ、アメリカに逃れたウクライナ人は、多少の不便はあっても、ある意味ラッキーだ。しかし、日本へ向かったウクライナ人の心境は複雑となる。たとえ、祖国がロシアに勝利しても笑顔になれないと思う。もし、テレビの映像を通し、瓦礫と化した故郷の街並みや、放射能で汚染された土地、インフラが破壊され、生活水準が低下した都市部を目にして、「やっと戦争が終わった! さっさと荷物をまとめて日本とサヨナラだ。みんなで懐かしい我が家に帰りましょう !」と思うのか? 特に、幼い子供を抱える母親は、祖国での苦労を予想するから、異国の日本に留まった方が「得策」と考えてしまうだろう。ウクライナ人の小学生だって、日本の学校で英語を一生懸命勉強した方がいい、と計算するはずだ。もし、何らかの奨学金を得ることができれば、アメリカへ留学できるし、外資系企業に勤めれば歐米諸国に移住できる。当分の間、安全な日本で暮らした方が「得」、と考えるウクライナ人がていも不思議じゃない。

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(写真 / 祖国から脱出したウクライナ難民)

  一方、「ウクライナ支援」に熱心な日本は、搾取されるだけのATM国家になっている。(こうした構図は海部俊樹総理の頃から全く変わっていないけど、一般国民はこれに気づかない。) 岸田総理とゼレンスキー大統領が合意して発表された、「特別なグローバル・パートナーシップに関する共同声明」によれば、昨年来、着々と進められてきた総額約16億ドルの人道・財政支援に加え、約55億ドルの追加財政支援が決定されたそうだ。(外務省のホームページで「日・ウクライナ首脳会談」を参照。)

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(左 : 岸田首相とゼレンスキー大統領 / 右 : ロシア軍の攻撃で破壊されたウクライナの街 )

 日本政府のプレゼントはこれだけじゃない。今後、総額71億ドルの支援が実行される予定で、電力、地雷処理、農業などの分野でウクライナを支えていくという。さらに、エネルギー分野などへ支援がなされるようで、新たな二国間無償支援が約束され、4.7億ドルが供与されるそうだ。また、NATOの信託基金を通じた殺傷性のない装備品支援に3千万ドルを拠出することをも決定された。

  もう、羨ましくなるほどの支援である。とても重税で日本人を苦しめる首相と同じ政治家とは思えない。巷の庶民は低所得に喘ぎ、食費を切り詰めて物価高に備えている。自然破壊の太陽光パネルが日本各地に設置され、国民は毎日毎日、憂鬱な光景を目にしているのに、政府はクリーン・エネルギーに夢中だ。

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(左 : 物価高騰で安い食材を求める日本の庶民 / 右 : 困窮化する日本の高齢者)

  でも、一般国民は再エネ賦課金とエネルギー価格の高騰で、悪夢の中を彷徨(さまよ)っている。五月の鯉幟(こいのぼり)は姿を消しているのに、自宅の電気代は鰻(うなぎ)登り。庶民は自動車通勤から自転車通勤に鞍替えし、雨の日でも頑張っている。一家の大黒柱たる父親は、晩酌のウィスキーすら諦め、ノンアルコールのビールで我慢。それなのに、岸田総理は消費増税に意欲満々だ。貧困化を促進する経済政策で結婚する若者が減ってしまい、更なる少子化が加速しているというが、政府はその人口減をアジア移民で埋めようと考えている。岸田内閣は****人の土地買収を防止する気配が全く無いどころか、むしろ、****人の邪魔をせず、林芳正や河野太郎、公明党を優遇し、北京政府に色目を使っている。

  ウクライナでは血腥い侵掠戦争が続いているが、 日本では****人による静かな侵掠が大胆に進んでいる。ロシア人は「武力制圧」で押し切り、****人は「戦わずして勝つ」のが基本らしい。日本人は「長い物に巻かれろ!」という精神で、「誰が一番長いのか」を測っている。でも、長いロープが首に巻き付いたら怖いのにねぇ~。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68926310.html
34:保守保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/04 (Tue) 05:56:28



2023.04.04XML
日本に中露との戦争を準備させているのは米国を支配する私的権力
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304040000/

 東アジアでの軍事的な緊張が急速に高まっているが、そうした状況を作り出しているのはネオコンをはじめとするアメリカの好戦派にほかならない。岸田文雄、菅義偉、安倍晋三、野田佳彦、菅直人・・・いずれの内閣ともネオコンの操り人形にすぎない。日本の政治家に焦点を合わせた議論は無意味だ。

 日本は中国やロシアと戦争する準備を進めているが、それはアメリカの支配層から命令されてのこと。アメリカ政府も背後の強大な私的権力に操られている。その私的権力は19世紀に作成した世界制覇計画に基づいて動いてきた。「軍産複合体の利益」の利益は副産物にすぎない。





 日本は明治維新以来、イギリスとアメリカの私的権力、より具体的に言うならば米英金融資本に支配されてきた。その支配システムが天皇制官僚体制であり、この構図は第2次世界大戦の前も後も基本的に変化していない。明治体制が続いているのだ。

 勿論、そうした流れの中にも波はある。直近の波は1991年12月にソ連が消滅した時に始まった。その波の性格は1992年2月に国防総省で作成されたDPG(国防計画指針)草案に書かれている。

 20世紀の前半からアメリカの国務省はファシストの巣窟だったが、その背後には金融資本が存在していた。ナチスの資金源がウォール街やシティ、つまりアメリカやイギリスの金融資本だということは本ブログでも繰り返し書いてきた通り。

 近代ヨーロッパは南北アメリカ大陸、アフリカ、アジア、オーストラリアなどから資源、財宝、知識を略奪して始まった。

 まず、11世紀から15世紀にかけて中東を軍事侵略(十字軍)、財宝や知識を手に入れ、スペインやポルトガルは15世紀になると世界各地で略奪を開始する。1521年にはエルナン・コルテスが武力でアステカ王国(現在のメキシコ周辺)を滅ぼして莫大な金銀を奪い、それ以降、金、銀、エメラルドなどを略奪、先住民を使って鉱山を開発した。

 そうして手に入れた財宝を海賊に奪わせていたのがイギリス。14世紀から16世紀にかけて起こったルネサンスはそうした略奪と殺戮の上に成り立っている。

 インドへの侵略と略奪で大儲けしたイギリスは中国(清)に手を伸ばすが、経済力では太刀打ちできない。そこで中国にアヘンを売りつけ、1839年から42年にかけて「アヘン戦争」を仕掛けた。1856年から60年にかけては「第2次アヘン戦争(アロー戦争)」。この戦争でイギリスが手に入れた香港はその後、秘密工作や麻薬取引の拠点になる。犯罪都市になったとも言える。

 こうした戦争でイギリスは勝利したものの、征服はできなかった。戦力が足りなかったからだ。そこで目をつけたのが侵略拠点としての日本列島であり、傭兵としての日本人だ。イギリスは長州と薩摩を利用して徳川体制を倒す。これが明治維新であり、天皇制官僚体制の始まりだ。

 こうした仕組みを揺るがす出来事が1932年にアメリカで起こる。巨大資本の意向通りに動かないニューディール派のフランクリン・ルーズベルト(FDR)が大統領に選ばれたのだ。そこでウォール街の大物たちがクーデターを計画したことは本ブログでも繰り返し書いてきた。FDRの立場は反ファシズム、そして反帝国主義でもあり、そのために帝国主義者のウィンストン・チャーチルとは関係が良くなかった。

 ウォール街やシティはナチスへ資金を提供、ナチスが実権を握るとドイツとロシアとの関係は悪化する。1941年5月にはアドルフ・ヒトラーの忠実な部下だったルドルフ・ヘスが単身飛行機でスコットランドへ飛んび、イギリス政府と何らかの話し合いを持つ。ドイツ軍がソ連に対する侵攻作戦を始めたのはその翌月だ。この侵攻作戦はバルバロッサ作戦と呼ばれているが、この時に東へ向かったドイツ兵は約300万人、西部戦線に残ったドイツ軍は90万人だけだと言われている。

 これだけの作戦を実行するためには半年から1年の準備期間が必要であり、1940年夏から41年初頭から準備を始めていたと推測できる。その時期、つまり1940年9月7日から41年5月11日にかけてドイツ軍はロンドンを空襲していた。4万人から4万3000名のロンドン市民が死亡したという。ドイツ軍によるロンドン空襲は陽動作戦と考えることができる。

 ソ連の外交官や情報機関は1941年1月の段階でドイツ軍がその年の6月からソ連侵攻作戦を始めるとクレムリンに警告していたが、ヨシフ・スターリンは動かなかった。ロシア革命以降、ソ連軍とドイツ軍の関係は良く、スターリンはその関係を警戒していたとも言われている。

 実際、ドイツ軍は1941年6月にソ連に対する軍事侵略を開始、7月にはレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)を包囲、9月にはモスクワまで80キロメートルの地点まで迫った。イギリスは動かない。

 アドルフ・ヒトラーは10月3日、ソ連軍は敗北して再び立ち上がることはないとベルリンで語り、またチャーチル英首相の軍事首席補佐官を務めていたヘイスティングス・イスメイは3週間以内にモスクワは陥落すると推測していた。(Susan Butler, “Roosevelt And Stalin,” Alfred A. Knopf, 2015)

 1941年12月に日本軍はマレー半島と真珠湾を奇襲攻撃してイギリスだけでなくアメリカとも戦争を始めるが、その翌月、1942年1月にドイツ軍はモスクワでソ連軍に降伏する。この段階でドイツの敗北は決定的だった。アメリカが参戦しなくてもヨーロッパではドイツが敗北し、ソ連が勝利することは確定的だった。

 ドイツ軍は1942年8月にスターリングラード市内へ突入して市街戦が始まる。当初はドイツ軍が優勢に見えたが、11月になるとソ連軍が猛反撃に転じ、ドイツ軍25万人はソ連軍に完全包囲された。そして1943年1月にドイツ軍は降伏。その月にFDRとチャーチルはモロッコのカサブランカで協議、シチリア島上陸作戦が決まる。この作戦は1943年7月に実行されるが、これは対ソ連戦の始まりだ。ハリウッド映画で有名なノルマンディー上陸作戦(オーバーロード作戦)は1944年6月になってからである。

 この年の11月にアメリカでは大統領選挙があり、FDRが勝利した。すでにドイツの敗北は決定的であり、必然的に日本の敗北も視野に入っていた。戦争終結後にもFDRが大統領を務めるということは、ウォール街とファシズムとの関係が追及される。

 金融資本にとって危機的な状況だと言えるが、こうした事態にはならなかった。FDRが1945年4月12日に急死したからだ。中心人物を失ったニューディール派の影響力は急速に弱まり、「赤狩り」もあってホワイトハウスの政策が帝国主義に戻る。

 ドイツはFDRが死亡した翌月の1945年5月に降伏、チャーチルをすぐにソ連への奇襲攻撃を目論み、JPS(合同作戦本部)に対して作戦を立案を命令、5月22日に提出された案が「アンシンカブル作戦」だ。

 その作戦によると、攻撃を始めるのは1945年7月1日。アメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団で「第3次世界大戦」を始める想定になっていた。この作戦は発動しなかったのは、参謀本部が5月31日に計画を拒否したからである。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

 この作戦を無用にした別の理由が7月16日にニューメキシコ州のトリニティ実験場で実施されたプルトニウム原爆の爆発実験。この実験の成功で原爆製造への道が開け、正規軍による奇襲攻撃の必要がなくなったのである。爆発実験の実施日は当初、7月18日と21日の間とされていたが、ハリー・トルーマン大統領の意向でポツダム会談が始まる前日に行われた。

 トリニティでの実験成功を受けてトルーマン大統領は原子爆弾の投下を7月24日に許可。そして26日にアメリカ、イギリス、中国はポツダム宣言を発表、8月6日に広島へウラン型を投下、その3日後に長崎へプルトニウム型を落としている。

 原子爆弾の研究開発プロジェクトはマンハッタン計画と呼ばれているが、その計画を統括していた陸軍のレスニー・グルーブス少将(当時)は1944年、同計画に参加していたポーランドの物理学者ジョセフ・ロートブラットに対し、その計画は最初からソ連との対決が意図されていると語ったという。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017)

 8月6日に広島へ原爆を投下しなければならない理由もあった。1945年2月、クリミアのヤルタ近くで開かれたアメリカ、イギリス、ソ連の首脳による話し合いでソ連の参戦が決まっていたのだ。ドイツが降伏し、ヨーロッパでの戦争が終結してから2カ月から3カ月後にソ連が日本に宣戦布告するという取り決めがあった。

 この時のアメリカ大統領はルーズベルト。ソ連が参戦して中国東北部へ軍事侵攻、そのまま居座る事態をトルーマン政権は避けたい。中国を国民党に支配させようとしていたからだ。ソ連に撤退させる「何か」が必要だった。

 ナチスによるソ連征服が失敗し、大戦は終結、チャーチルは1946年3月にアメリカのフルトンで「鉄のカーテン演説」を行い、「冷戦」の幕開けを宣言した。公開されたFBIの文書によると、チャーチルは1947年にアメリカのスタイルズ・ブリッジス上院議員に対し、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得してほしいと求めている。(Daniel Bates, “Winston Churchill’s ‘bid to nuke Russia’ to win Cold War - uncovered in secret FBI files,” Daily Mail, 8 November 2014)

 このチャーチルを「最初のネオコン」と呼ぶ人もいるが、ネオコンは1992年2月にDPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇計画を作成した。「唯一の超大国」になったアメリカは他国に配慮することなく単独で好き勝手に行動できる時代が来たと考えたのだ。

 そのドクトリンは第1の目的を「新たなライバル」の出現を阻止することだとしている。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、東南アジアにアメリカを敵視する勢力が現れることを許さないというわけだ。言うまでもなく、日本がアメリカのライバルになることも許されない。その上でアメリカの戦争マシーンの一部になるということだ。

 その時の国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツだ。そのウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから、DPGは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 そのドクトリンに基づき、ジョセイフ・ナイは1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表した。日本に対し、アメリカの戦争マシーンの一部になれという命令だろうが、当時の日本にはその道を歩こうとしない政治家もいたようだ。

 そうした中、 1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)た。その10日後には警察庁の國松孝次長官が狙撃されている。8月には日本航空123便の墜落に自衛隊が関与していることを示唆する大きな記事がアメリカ軍の準機関紙とみなされているスターズ・アンド・ストライプ紙に掲載された。

 結局、日本は戦争への道を歩み始め、自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島にも作り、23年には石垣島でも完成させた。

 アメリカの国防総省系シンクタンク​「RANDコーポレーション」が昨年に発表した報告書​によると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけ。その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにする。そしてASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたという。

 岸田政権は昨年12月16日に「国家安全保障戦略(NSS)」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の軍事関連3文書を閣議決定し、2023年度から5年間の軍事費を現行計画の1.5倍以上にあたる43兆円に増額し、「敵基地攻撃能力」を保有することを明らかにした。日本政府が言う「敵基地」には軍事基地のほか工業地帯やインフラも含まれている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304040000/
35:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/14 (Fri) 09:06:56

2023.04.14XML
ウクライナでアメリカ/NATOの敗北が決定的になる中、宣伝機関で必死の反撃
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304140000/

 ジョー・バイデン政権は軍事情報の漏洩に狼狽しているようで、​NSC(国家安全保障会議)戦略広報調整官のジョン・F・カービーは4月10日の記者会見で、正当性が文書されていない文書を公にするべきでないと発言​した。







 どうやら漏れた文書は本物のようだ。本物の情報だとするならば、内部にリークした人物がいるわけだが、その人物を守る勢力が存在しているのだろう。目的もあるだろう。つまり権力層の内部で抗争が始まった可能性がある。

 例えば、内部告発を支援する活動をしてきたウィキリークスの象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジの場合、オーストラリア人でヨーロッパで活動していたにもかかわらず、アメリカ政府はイギリスの司法システムを使って逮捕、拘束、「1917年スパイ活動法」で起訴した。アメリカへ引き渡された場合、彼は懲役175年が言い渡される可能性がある。

 そのほか、イラクのアブ・グレイブ刑務所でCIAが行った拷問を告発したジャニス・カルピンスキー所長は停職になり、准将から大佐へ降格になった。同じように拷問を明らかにしたCIAの分析官だったジョン・キリアクは懲役30カ月の判決を受けている。NSAの監視システムに関する情報を明らかにしたエドワード・スノーデンはロシアから出られない状態にある。

 ここにきてリークされた軍事情報によると、ウクライナの防空能力は5月23日までに壊滅的な状況になるようだ。防空システムの中心的な存在はSA-10(S-300P)とSA-11(Buk)だが、SA-11は3月31日までに使い果たし、SA-10は5月2日までになくなると分析されている。そのほかの防空システム、例えばSA-3(S-125)、SA-12(S-300V)、アメリカとノルウェーが開発したNASAAM、ドイツ、スイス、イタリアで開発されたIRIS-Tは数量が限られている。スティンガーやアベンジャーなどは近距離用で、ロシア軍機には無力だ。つまり6000メートル以上の高度を飛行するロシア軍機に対する防空能力はないと判断されている。

 日本のマスコミはウクライナの戦況についてウクライナ側の発表を垂れ流してきたが、アメリカ軍はそうした情報を評価していない。信頼していないのだ。ウクライナの政府、軍、情報機関はアメリカに対しても正確な情報を伝えてこなかったのだろう。

 そのウクライナ政府からも事実が漏れ始めた。例えば、​バディム・プリスタイコ英国駐在大使はイギリスのイクスプレス紙に対し、当初から自軍の損害を明らかにしない方針だとしたうえで、死傷者数は身の毛のよだつ数字だと語った​。

 ウクライナ軍が1日に****する砲弾の数は約7700発、ロシア軍はその3倍だとウクライナ軍当局者が話しているとも伝えられている。ウクライナ軍の戦死者数は十数万人から二十数万人、ロシア軍の約10倍以上だと推計されていた。そのロシア軍はまだ動員した兵士を事実上、投入していない。

 このままロシア軍と戦闘を続けてもウクライナやその後ろ盾であるアメリカ/NATOの置かれた状況は悪くなるだけであり、止め時だと考えても不思議ではないが、ネオコンは抵抗している。

 ネオコンの中にはビクトリア・ヌランド国務次官やアントニー・ブリンケン国務長官も含まれている。ヌランドは2014年2月のウクライナにおけるクーデターで中心的な役割を果たした人物で、父方の祖父母がウクライナからの移民。ブリンケンの場合、父方の祖父がウクライナ出身だ。ちなみにポーランド駐在大使を務めているマーク・ブレジンスキーの父親はアメリカの反ロシア戦略で重要な役割を果たしたズビグネフ・ブレジンスキー。この人物はポーランドの生まれだが、一族の出身地ブゼザニは現在、ウクライナに含まれている。

 国家安全保障担当大統領補佐官のジェイク・サリバンは2014年当時、ジョー・バイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官だった。エール大学時代、ローズ奨学生としてイギリスのオックスフォード大学へ留学している。

 2009年にバラク・オバマ政権へ上級顧問として参加、中東から北アフリカにかけての地域で実行された体制転覆工作にも加わり、2012年にはロシアの大統領選挙に介入して反プーチンの工作を指揮したマイケル・マクフォールもローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学した。

 ちなみに、ヒラリー・クリントンの夫、ビル・クリントンもローズ奨学生だ。

 ウクライナでの戦乱でロシアを疲弊させ、世界制覇を実現しようとしていたネオコンはウクライナでの敗北を認められないのだろう。認めたならアメリカでの権力抗争に敗れることになりかねない。

 ​ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は読売新聞に対し、ドンバスでの戦況は「良くない」と認め​、​APに対し、バフムート(アルチョモフスク)で負けたならロシアに「妥協」しなければならないだろうと語っている​。

 そのバフムートをロシアのワーグナー・グループは事実上、制圧したとされている。アメリカのネオコン、イギリス政府やポーランド政府、そしてウクライナの治安機関SBUなどはゼレンスキーが敗北を認めることを容認できないはずだ。

 そうした中、​兵士の首を切っている場面だとする映像が流された。実際のところは不明だが、ワーグナー・グループがウクライナ軍の捕虜を殺害したと説明されている​。

 ロシア軍が介入した直後にウクライナ軍の敗北は決定的だったことは本ブログでも繰り返し書いてきたが、昨年5月頃には捕虜になったロシア軍を射殺する映像をインターネット上に流すウクライナ兵がいた。

 そうした行為はネオ・ナチ(親衛隊)によると見られているが、彼らは住民やロシア兵を殺害するだけでない。ロシア軍の捕虜になったウクライナ兵によると、退却しようとするウクライナ兵も殺されていた。

 アメリカ、イギリス、フランスなどは一部のイスラム国と連携してシリアやイランに対する軍事侵攻を2011年春に始めた。その手先になった武装集団はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が中心だ。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月に倒され、カダフィ自身は惨殺された。その後、アメリカ/NATOは戦闘員と武器/兵器をシリアへ移動させるのだが、その際にNATO/アメリカがアル・カイダ系武装集団と連携していることが明確になった。

 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにバラク・オバマ政権は軍事援助を強化するが、​アメリカ軍の情報機関DIAはそれを危険だと考え、2012年8月にホワイトハウスへ報告書を提出した​。2012年当時のDIA局長はマイケル・フリン中将だ。

 その報告書はオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告、この警告は2014年にダーイッシュという形で現実なった。この武装勢力は同年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧する。

 この新たな武装集団は残虐さを演出、2014年8月には12年11月から行方不明になっていたアメリカ人のジェームズ・フォーリーの首を切る映像をダーイッシュは公開した。実際に殺したのかどうかは不明だが、そうした演出をしたことは確かだ。アメリカ/NATO軍の軍事介入が必要だと欧米の人びとに印象付けることが目的だったとする見方もある。

 2014年8月にフリンがDIA局長を解任され、 15年2月には国防長官をチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長をマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代させた。デンプシーが退任した5日後、9月30日にロシアはシリア政府の要請で軍事介入、アメリカの手先として活動していたジハード傭兵を敗走させた。ロシア軍の介入がなければ、オバマ政権はアサド政権を倒し、リビアのような無法地帯にするつもりだったのだろう。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304140000/
36:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/23 (Sun) 09:53:06

2023.04.23XML
敗北を見えなくするため、ネオコンはウクライナでの戦乱を継続させる
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304230000/

 シリアに続き、ウクライナでもネオコンはロシアに敗北した。その事実を誤魔化すために戦闘の継続は有効なのだろう。そのためにアメリカ政府はウクライナのクーデター政権に対する軍事支援を継続しようとしているが、その結果、戦場になった国の人びとは破壊と殺戮の犠牲になる。

 2010年の大統領選挙で選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領をアメリカのバラク・オバマ政権が2014年2月、ネオ・ナチを使って排除したところからウクライナでの戦乱は始まる。

 そのクーデターは2013年11月からキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で始まった抗議集会から始まるが、当初は「カーニバル」的なイベントにすぎず、問題はないように見えた。様相が一変するのは年明け後。ネオ・ナチが前面に出てきたのだ。

 ネオ・ナチのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手に石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出してくる。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像がインターネット上に流れた。

 ユーロマイダンでは2月中旬から無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われた。西側ではこの狙撃はヤヌコビッチ政権が実行したと宣伝されたが、2月25日にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相はその翌日、逆のことを報告している。バイデン政権を後ろ盾とするネオ・ナチが周辺国の兵士の協力を得て実行したということだ。

 7割以上の有権者がヤヌコビッチを支持していたウクライナの東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施された。投票率は80%を超え、95%以上が賛成する。

 その一方、オデッサでは反クーデター派の住民がネオ・ナチに虐殺される。そうした中、5月11日にドネツクとルガンスクでも住民投票が実施された。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かない。そして戦闘が始まった。クリミアやドンバス(ドネツクとルガンスク)を制圧できなかったのはアメリカ/NATOにとって大きな誤算だった。

 当時、軍や治安機関にもネオ・ナチ体制を許するメンバーは存在、ドンバスの反クーデター軍へ合流したと言われている。そうしたこともあり、ドンバスでの戦闘は反クーデター軍が優勢だった。

 そこでドイツやフランスが仲介するかたちで成立したのがミンスク合意だが、キエフのクーデター政権は守らない。アメリカ支配層のやり口を知っている人びとはこの合意について時間稼ぎに過ぎないと言っていたが、その推測は正しかった。アンゲラ・メルケル元独首相は昨年12月7日にツァイトのインタビューで認め、その直後に​フランソワ・オランド元仏大統領​はメルケルの発言を事実だと語っている。

 それから8年、アメリカ/NATOはクーデター体制の軍事力を増強、ソレダルでは岩塩の採掘場を利用して全長200キロメートルという「地下要塞」が築かれたが、同じようの要塞はドンバスの周辺に広がっているようだ。ドンバスへ軍事侵攻して住民を虐殺し始めればロシア軍が介入、それを迎え撃つための地下要塞だと推測する人もいる。

 この推測が正しいなら、相当数のロシア軍がドンバスで足止めを食うことになり、クリミアが攻撃されても兵力を割けないということも想定できる。2014年にクーデターがあった直後、ウラジミル・プーチン大統領の側近のひとりはアメリカ/NATOがドンバスを攻撃した後、クリミアへ軍事侵攻するとテレビの討論番組で語っていた。

 ウクライナ軍は昨年3月にドンバスへの軍事侵攻を始める予定だったと言われているが、その直前にロシア軍が動く。地上部隊を投入するのではなく、ミサイルを打ち込んだのだ。地上では現地部隊のほか、チェチェンの義勇軍や傭兵会社ワグナー・グループが主に使われている。

 ドンバスを攻撃するために集結していたウクライナの軍や親衛隊はミサイル攻撃で大きなダメージを受け、要塞化された拠点も陥落していった。

 親衛隊の中核だったアゾフ特殊作戦分遣隊(通称、アゾフ大隊あるいはアゾフ連隊)が拠点にしていたマリウポリもそうした要塞のある場所だったが、ロシア軍か介入した翌月になると親衛隊の人質になっていた住民が解放され始め、実態を証言、それを現地に入っていたジャーナリストが伝える。(例えば​ココ​や​ココ​や​ココ​や​ココ​)

 その前から、脱出した市民がマリウポリにおけるアゾフ大隊の残虐行為を証言、映像をツイッターに載せていた人もいた。その人のアカウントをツイッターは削除したが、一部の映像はインターネット上に残っている。

 フリーランスのジャーナリストのほか、フランスの有力メディアTF1やRFI、あるいはロシアやイタリア人の記者とマウリポリへ入ったとしている。その結果、西側の有力メディアが流す「報道」が偽情報、あるいは作り話だということが明らかになっていく。ウクライナのクーデター体制を支援している西側の私的権力はそうした情報をインターネット上から必死に消してきたが、人びとの気をくすべてを消し去ることはできない。

 西側の有力メディアがどのように情報を改竄するかの具体例も明らかにされた。例えば、昨年3月9日にマリウポリの産婦人科病院が破壊された攻撃の場合、西側メディアはロシア軍が実行したと宣伝してた。

 その宣伝でアイコン的に使われた​マリアナ・ビシェイエルスカヤはその後、報道の裏側について語っている​。彼女は3月6日、市内で最も近代的な産婦人科病院へ入院したが、間もなくウクライナ軍が病院を完全に占拠、患者やスタッフは追い出されてしまう。彼女は近くの小さな産院へ移動した。最初に病院には大きな太陽パネルが設置され、電気を使うことができたので、それが目的だろうと彼女は推測している。

 そして9日に大きな爆発が2度あり、爆風で彼女も怪我をした。2度目の爆発があった後、地下室へ避難するが、その時にヘルメットを被った兵士のような人物が近づいてきた。のちにAPの記者だとわかる。そこから記者は彼女に密着して撮影を始めた。彼女は「何が起こったのかわからない」が、「空爆はなかった」と話したという。

 つまりロシア軍の空爆ではなかったということだが、APだけでなく西側の有力メディアはロシア軍の攻撃で産婦人科病院が破壊され、母親と乳児が死傷しているというストーリーにされてしまった。

 問題の病院から患者やスタッフがウクライナ軍に追い出されたことはマリウポリから脱出した市民も異口同音に語っている。その部隊はおそらくアゾフ連隊だろう。脱出した市民によると、脱出しようとした市民をネオ・ナチは銃撃、少なからぬ人が死傷したという。また市民の居住空間に入り込み、ロシア軍の攻撃を避けようとしてきたともしている。

 ドイツの雑誌​「シュピーゲル」はマリウポリのアゾフスタル製鉄所から脱出した住民のひとり、ナタリア・ウスマノバの証言を3分間の映像付きで5月2日に伝えたのだが、すぐに削除​する。ショルツ内閣や米英の政権にとって都合の悪い事実、つまり残虐なウクライナの占領軍からロシア軍が救い出してくれたと話しているからだ。(​ノーカット映像​)

 こうした住民の証言を利用し、固有名詞を入れ替えて話を逆にし、ロシア軍を悪者にする「報道」を続けている西側の有力メディアはまだ存在するようだ。

 2014年のクーデターで内戦をウクライナで始め、 アメリカ/NATO軍とロシア軍を衝突させようとしてきたのはネオコンにほかならない。そのネオコンは遅くとも1992年初めにはアメリカの国防総省を制圧、2001年9月11日の出来事で圧倒的な力を持った。

 統合参謀本部は支配しきれていないようだが、国務省やCIAは影響下にあり、宣伝機関として有力メディアも支配している。その有力メディアとも関係するが、多くのシンクタンクも支配されている。そうした仕組みによって人びとに幻影を見せ、彼らは世界を戦乱で破壊しようとしているのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304230000/
37:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/28 (Fri) 10:16:55

『ウクライナ戦争をどうみるか』 著・塩原俊彦
書評・テレビ評2023年4月27日
https://www.chosyu-journal.jp/review/26455

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 ウクライナ戦争を一刻も早く停戦させ、和平へと進むことを、世界の大多数の人々が願っている。だがこの間、欧米・日本の政府やメディアが吹聴する「ウクライナを侵略したプーチンがすべて悪い」「極悪非道なロシアをやっつけなければ、ウクライナがかわいそう」という大量の宣伝が「民主勢力」の一部をも巻き込み、そんな真っ当な思いを攪乱し、戦争を長期化させる役割を担ってきた。



 著者はロシア経済の専門家(元高知大学准教授)として、これまで『ウクライナ・ゲート』などロシア・ウクライナ問題に迫る多くの書物を著してきた。そこに見るのは、一局面の現象をそれに至った経緯から切りとってプーチン一人を「極悪人」に祭り上げ、問題をはぐらかす西側政府・メディアのやり方を批判し、問題を多方面から歴史的に分析し探求する姿勢である。



 本書は「“情報リテラシー”の視点から読み解くロシア・ウクライナの実態」の副題に見るように虚実飛び交うロシア・ウクライナ双方の情報戦に分け入り、最新の情報をもとに、停戦・和平への道筋を探っている。とくに、第二次世界大戦での「大本営発表」のウソを身に染みて体験した日本人の心情に働きかけるように、戦争に付き物の意図的で不正確な情報(ディスインフォメーション)を見抜く力を培うよう呼びかける一冊となっている。



停戦・和平拒む情報操作



 著者は、マスメディアが意図的にウソをついている代表的な事例として、ウクライナ戦争が昨年のロシアの侵攻から突然始まったものであるかのように口を揃え、その発端となった2014年春の「マイダン革命」(クーデター)とその後のウクライナ東部の戦闘にはまったくふれず隠していることをあげている。



 このクーデターには、アメリカのヌーランド(当時・国務省次官補)やバイデン(当時・副大統領)親子らが直接かかわっていた。実際には、アメリカのネオコンが直接介入したウクライナ戦争は9年間続いているのだ。ロシアのウクライナ侵攻はその一局面の戦闘に過ぎない。著者はウクライナ戦争をめぐるウソと真実を見極めるうえで、オリバー・ストーン監督のドキュメンタリー映画『ウクライナ・オン・ファイヤー』をBBCの2014年当時の報道番組を合わせ見るよう勧めている。こうした経緯を遡れば、アメリカは冷戦下からソ連邦内のナショナリズムを扇動し、冷戦崩壊後も「民主主義の輸出」によるグルジア(ジョージア)の「バラ革命」(03年)やウクライナの「オレンジ革命」(04年)を引き起こしてきたこととの関連や、ウクライナ軍がNATO軍の代理としてロシア軍とたたかっていることがはっきり見えてくる。



 本書では、ロシアのウクライナ侵攻以後の新しい情報として、2014年のミンスク合意についてのメルケル元独首相が「ウクライナに時間を与えるための試みだった。また、ウクライナはより強く出るためにその時間を利用した」と証言したことや、米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュの「ノルドストリーム爆破はバイデンが命令を下した」という記事をめぐる各メディアの反応などもとりあげ、問題の所在を探っている。



 また、日本を含む西側メディアが一方的に流すウクライナからの報道をそのまま信じることはできないこと、ゼレンスキーの発言にはかずかずのウソがあることを、具体的にあばいている。アムネスティ・インターナショナルがウクライナ軍が病院や学校や住民の居住地に拠点をもうけて、一般市民をロシア側の攻撃の危険にさらしていることを批判したが、病院へのミサイル攻撃、子どもの犠牲をとりあげて受信者の感情を高ぶらせたり、大学教授を使って繰り返し同じことを注入するやり方そのものが、古くからの「情報操作の法則」にそったものであることについても論理的に展開している。



 また、ゼレンスキー政府が「ダーティ・ボム」(放射性拡散装置)を使って「ロシアが戦術核兵器を使用した」とでっちあげ、核戦争を引き寄せようとしていること、欧米側が支援する武器の横流し(盗まれて売却されている)や成人男性の出国禁止にみられる戦争忌避者への弾圧などをとりあげ、西側メディアからは伝わらないウクライナ政府の腐敗やゼレンスキーの強権政治・****体制を浮き彫りにしている。



 このような、西側メディアの意図的なウソをはらむ一面的な報道への批判、考察を「ロシア寄り」「ウクライナをロシアに売り渡すもの」とする非難は当たらないだろう。本書では、プーチンが「非軍事化」「非ナチ化」の目的を成し遂げない限り、ウクライナ戦争から簡単に手を引かない事情についても、ウクライナへの民族主義的な「復讐心」とかかわって論じている。



 また、たとえばマリウポリでのウクライナ兵捕虜の爆殺がアメリカの支援ミサイルによるものというロシアの報道など、ロシア側のウソと思われる素材も検証・分析している。さらにロシアや海外の経済学者の論文から、西側の経済制裁や戦時経済がロシアの経済不振を深刻化させ、兵員不足にも苦しんでいる事情をも明らかにしている。



 ロシアのウクライナ侵攻から1年余を経て、欧米諸国でNATO・政府のウクライナ軍事支援に反対し、停戦と和平を求めるデモが勢いを増している。著者はその一方で、アメリカのネオコンと英独仏のウクライナ対応の差異をあげつつも、西側には「ウクライナをめぐる過去の経緯を踏まえたうえでどう対処すべきかを道徳的に判断できるような指導者」が見受けられないと指摘する。アメリカにすり寄ることで利権を得ようとする小粒の「政治屋」に成り下がっているというのだ。



 だが、世界的に見れば、欧米諸国が主導した国連での「ロシア軍の完全、即時、無条件の撤退」を求める声明に賛同した国は3分の1にも満たない。こうした世界の現実についても、マスコミは意図的に報じないでいる。本書はその意味で、マスコミの情報操作をはねのけ、平和を実現する原動力がどこにあるのかを示唆するものとなっている。    



 (花伝社発行、四六判 ・254㌻、1700円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/26455
38:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/03 (Wed) 07:45:21

2023.05.03XML
ネオコンを後ろ盾とするネオナチがオデッサで反クーデター派住民を虐殺して9年
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305030000/

 ウクライナの戦乱はバラク・オバマ政権がネオ・ナチを利用して実行したクーデターから始まる。ネオ・ナチのメンバーがNATO諸国で軍事訓練を受けていたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。

 平和を望むなら憲法を粉砕するクーデターを認めてはならず、クーデター体制を承認してはならなかったが、クーデターを仕掛けたアメリカ、そしてその従属国はクーデターを受け入れた。クーデター体制を拒否する東部や南部の人びとに残された道はロシアに保護を求めるか、抵抗を始めるしかなかったのだ。

 オバマ政権がクーデターで民主的に選ばれた政権を倒したのは、民主的な手段で傀儡政権を樹立できないと判断したからだろう。ソ連が消滅した後、アメリカをはじめとする西側の強大な私的権力はウクライナでも新自由主義的な政策を推進、そうした私的権力の手先がオリガルヒと呼ばれる富豪になる一方、大多数の庶民が貧困化した。

 そうした状況に対するウクライナ国民の不満は膨らむ。そして2010年の大統領選挙で東部地域や南部地域を支持基盤にするビクトル・ヤヌコビッチが当選したのだが、それをオバマ政権は嫌った。自分たちに都合の悪い政権にアメリカの私的権力は「****者」とか「全体主義」といったタグをつける。


 7割以上の有権者がヤヌコビッチを支持していたウクライナの東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない2014年3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施され、95%以上が賛成する。投票率は80%を超えていた。

 ドネツクとルガンスクでも5月11日に住民投票が実施された。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かない。

 そうした動きを阻止するためにアメリカ政府も動く。まず4月12日にはジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、22日には副大統領を務めていたジョー・バイデン現大統領もキエフを訪れた。バイデンの訪問に会わせるようにしてキエフのクーデター政権は黒海に面した港湾都市オデッサでの工作を話し合っている。

 会議に出席したのは大統領代行、内相代行、SBU(治安機関)長官代行、そしてネオ・ナチの中心的な存在だったアンドレイ・パルビー。オブザーバーとしてドニエプロペトロフスクの知事になるイゴール・コロモイスキーも出席している。ちなみにコロモイスキーはウクライナのほかイスラエルとキプロスの国籍を持ち、スイスをビジネスの基盤にしている。

 会議を受け、パルビーは4月29日に数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチへ渡している。そのグループが5月2日にオデッサで住民を虐殺したのだ。武力衝突ではない。

 虐殺は5月2日午前8時に「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。「サッカー・ファン」にはネオ・ナチが少なくないという。


 広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導されている。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいる。

 その後、外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になる。 その様子は撮影され、インターネット上に流れた。建物へ向かって銃撃する人物も撮られているが、その中にはパルビーから防弾チョッキを受け取った人物も含まれている。(建物内部の惨状も映像に記録されているが、本ブログでは掲載しない。)

 建物の中は火の海になる。焼き殺された人は少なくないが、地下室で殴り殺されたり射殺された人もいた。その際、屋上へ出るためのドアはロックされていたとする情報もある。会館の中で48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられたが、現地の人の話では多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名に達するという。虐殺の詳しい調査をキエフのクーデター政権が拒否しているので、事件の詳細は今でも明確でない。その後、オデッサはネオ・ナチに占領された。

 オデッサの虐殺から1週間後の5月9日、クーデター政権は戦車部隊をドンバスへ突入させた。この日はソ連がドイツに勝ったことを祝う記念日で、ドンバスの住民も街に出て祝っていた。その際、住民が素手で戦車に立ち向かう様子が撮影されている。そしてドンバスで内戦が始まるのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305030000/
39:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/06 (Sat) 08:32:40

2023.05.05XML
停戦合意を壊し、ゼレンスキーを窮地に追い込んだのはバイデン政権のネオコン
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305050001/

 ​クレムリンが2機のドローン(無人機)に攻撃を受けた直後にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はフィンランドを訪問​、5月3日にはフィンランドのほかスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの首相と会談した。記者会見で彼はウクライナがウラジミル・プーチン露大統領やモスクワを攻撃したとするロシア側の主張を否定した。

 ロシアのトリー・ペスコフ大統領報道官は5月4日、攻撃目標を決めたのはアメリカ政府であり、ウクライナ政府は命令を実行しただけだと語り、アナトリー・アントノフ駐米露大使は「もしドローン(無人機)がホワイトハウス、議会、あるいは国防総省に突入した場合、アメリカ人はどのように反応するだろうか?」と問いかけ、「罰は厳しく、避けられない。」と語っている。適切と思われる場所と時期に報復する権利を留保するとペスコフは宣言した。

 昨年2月24日にロシア軍がウクライナの軍事基地や生物化学兵器の研究開発施設を巡航ミサイルなどで攻撃し始めた直後、イスラエルの首相だったナフタリ・ベネットはアメリカと調整しながら停戦交渉の仲介に乗り出した。

 ​3月5日にベネットはモスクワでプーチンと数時間にわたって会談、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた​。その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。​ウクライナの治安機関SBU(事実上CIAの下部機関)のメンバーがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのはその3月5日​だ。

 ベネットによると、​恐怖から掩蔽壕に隠れていたゼレンスキーはロシア政府がゼレンスキーを殺害しないと保証したことを確認した2時間後にゼレンスキーはオフィスで「私は恐れない」と宣言した​という。


 アンドレイ・パルビーと同じようにウクライナのネオ・ナチを率いてきたドミトロ・ヤロシュはウクライナ軍最高司令官の顧問。この人物はドロボビチ教育大学でワシル・イワニシン教授の教えを受けているが、この教授はKUN(ウクライナ・ナショナリスト会議)の指導者グループに所属していた。

 KUNを組織したのはOUN-B(ステパン・バンデラ派)の人脈で、その指導者はバンデラの側近だったヤロスラフ・ステツコ。その妻にあたるスラワがKUNを率いていたが、ヤロスラフが1986年に死亡してからOUN-Bの指導者にもなった。スラワは1991年に西ドイツからウクライナへ帰国している。

 スワラは2003年に死亡、イワニシンは2007年に死亡する。イワニシンの後継者に選ばれたのがヤロシュ。そのタイミングで彼はNATOの秘密部隊ネットワークに参加したと言われている。2007年5月にウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議で議長を務めた。

 ジハード主義者とはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする人びと。「原理主義者」と言われることもあるが、イスラムの思想に傾倒しているとは言えない。

 NATOの秘密部隊は第2次世界大戦の終盤にアメリカとイギリスの情報機関が組織したゲリラ戦部隊「ジェドバラ」を源流とする。大戦中、西ヨーロッパでドイツ軍と戦っていたのはレジスタンス。その主力はコミュニスト。ジェドバラはレジスタンス対策で作られたのだ。その人脈は大戦後も生き続け、西側連合秘密委員会(CCWUまたはWUCC)が統括していた。

 大戦後、アメリカの情報機関OSSは解散になるが、やはり人脈は生き続けて極秘の破壊工作機関OPCになる。OPCで活動した重要人物のひとり、ジェームズ・バーナムはネオコンが誕生する際に重要や役割を果たした。1952年にはその機関が核にしてCIA内部に「計画局」が設置された。その後、この秘密工作部門は肥大化、CIAを事実上乗っ取る。

 その一方、アメリカやイギリスの支配層は1949年4月、ヨーロッパを支配するためにNATO(北大西洋条約機構)を創設した。創設時の参加国はアメリカとカナダの北米2カ国に加え、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクの欧州10カ国だ。

 NATOの初代事務総長に就任したヘイスティング・ライオネル・イスメイはウィンストン・チャーチルの側近で、NATO創設の目的について「ソ連をヨーロッパから締め出し、アメリカを引き入れ、ドイツを押さえつける」ことにあると公言している。ヨーロッパですでに作られていた破壊工作部隊はNATOの秘密部隊として活動し始めた。

 秘密部隊は全てのNATO加盟国で設置され、それぞれ固有の名称がつけられている。イタリアのグラディオは有名だ。こうした秘密部隊は活動すべてが米英の情報機関、つまりCIAとMI6がコントロール、各国政府の指揮下にはない。

 ウクライナの軍事組織に大きな影響力を持つヤロシュが所属していると言われているNATOの秘密部隊は各国政府の指揮下にはなく、ゼレンスキーが指揮しているわけでもない。米英情報機関の命令で動くということだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305050001/
40:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/10 (Wed) 10:15:20

特番 『伊藤貫先生再登場!欧米の単純な”ウクライナ分析”と 情緒的な日本人』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
2022/11/19
https://www.youtube.com/watch?v=Hyrx9u2a6lw
41:777 :

2023/05/27 (Sat) 09:08:35

2023.05.26XML
ウクライナで敗れたネオコンは戦争に活路を求める
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305260001/

 東アジアでの軍事的な緊張を高めているジョー・バイデン政権から中国問題の中心人物が離れようとしていることに注目する人がいる。ウェンディ・シャーマン国務副長官が今年の夏に退任すると伝えられているが、それにとどまらずNSC(国家安全保障会議)で中国担当シニアディレクターを務めてきたローラ・ローゼンバーガー、そして国務副次官補として中国と台湾の問題を担当するリック・ウォーターズも退任するようだ。

 バイデン政権における軍事戦略の責任者はジェイク・サリバン国家安全保障補佐官だろう。つまりサリバンの立てた戦略が失敗、アメリカの支配システム崩壊を早めているだけでなく、彼自身の立場も危うくしている。

 第2次世界大戦後、アメリカでは金融資本と結びついたシオニスト、つまり米英の帝国主義者が国際戦略を動かしてきた。ネオコンもその中から現れたと言える。ウィンストン・チャーチルが「最初のネオコン」と呼ばれる一因はそこにあるのだろう。

 ウクライナを戦乱の中へ投げ込んだものネオコンだ。2010年の大統領選挙で東部や南部を支持基盤にするビクトル・ヤヌコビッチが当選、それを嫌ったアメリカのバラク・オバマ政権は2013年11月にクーデターを始動させ、14年2月にヤヌコビッチ大統領の排除に成功した。ウクライナの東部や南部では7割以上がロシア語を話し、東方正教会の信徒が多く、ヨーロッパ志向の強い西部とは違う。西部は歴史的にナチズムとの関係も深い。

 年が明けるとネオ・ナチが前面に出て暴力的な様相を強め、そのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手に石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出してくる。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像がインターネット上に流れた。

 そうした展開の中、EUは混乱を話し合いで解決しようとしたが、これに怒ったのがアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補。ウクライナ駐在アメリカ大使のジェオフリー・パイアットに対し、電話で「EUなんかくそくらえ」と口にしている。

 ヌランドは副大統領だったジョー・バイデンや彼の国家安全保障補佐官を務めていたサリバンと連絡をとりあっていた。この3名がウクライナにおけるクーデター工作の中核グループだったということだ。このグループは現政権でも健在。そこにアントニー・ブリンケン国務長官が加わっている。

 ユーロマイダンでは2月中旬から無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われた。西側ではこの狙撃はヤヌコビッチ政権が実行したと宣伝されたが、2月25日にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相はその翌日、逆のことを報告している。バイデン政権を後ろ盾とするネオ・ナチが周辺国の兵士の協力を得て実行したということだ。

 ヤヌコビッチを支持していた東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施されて95%以上が賛成(投票率は80%以上)する。オデッサでは反クーデター派の住民をネオ・ナチが虐殺、東部のドンバスでは内戦が始まった。

 バイデン、ヌランド、サリバン、ブリンケンを含むネオコンのグループ、その背後にいる金融資本はバイデン政権誕生の直後に「ルビコン」を渡った。撤退は許されないのだが、彼らはロシアや中国を簡単に倒せると信じていたようだ。西側の有力メディアはその前提でストーリーを組み立てていたのだが、現実は違った。見通しの間違いを取り繕うために嘘をついてきたが、それも限界に達している。

 軍事的に重要な場所だということもあり、ウクライナ軍とロシア軍はバフムート(アルチョモフスク)で数カ月に渡り、激しい戦闘を繰り広げてきた。ロシア側は傭兵会社とされるワグナー・グループの部隊が戦ってきたが、その会社を率いるエフゲニー・プリゴジンは5月20日、バフムートの「解放」を宣言、25日から部隊を撤退させると発表した。

 その際、プリゴジンはセルゲイ・スロビキン上級大将とミハイル・ミジンチェフ上級大将に謝意を表している。スロビキンは昨年10月、ドンバス、ヘルソン、ザポリージャの統合司令官に任命された軍人であり、ミジンチェフはネオ・ナチのアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊やアゾフ連隊とも言われる)が占領していたマリウポリの解放作戦を指揮していた。

 そこで、反クーデター派の住民を人質にし、暴行を働き、虐殺していたネオ・ナチを支持してきた人びとにミジンチェフは嫌われている。5月4日からワグナー・グループの副司令官に就任しているが、実際の司令官はミジンチェフだったのではないかという見方もある。

 バフムートでアメリカ/NATOが操るウクライナ軍がロシア軍に敗北したわけだが、これはウクライナ全体の戦闘でもアメリカ/NATOが敗れたことを意味する。

 すでにイギリスが提供した巡航ミサイル「ストーム・シャドー」による攻撃を開始しているが、撃墜されているようだ。被害が聞こえてこない。バイデン政権はウクライナに対するF-16戦闘機の供給を容認したが、5月21日のインタビューでサリバンはクリミアに対する攻撃を容認する発言をし、ロシア側の反発を招いた。

 5月25日にはアメリカ/NATOがウクライナへ供給した3隻の無人艇が天然ガスをハンガリーやトルコへ運んでいる「トルコ・ストリーム」を警備していたロシアの艦船を攻撃、1隻の無人艇が衝突したようだが、爆発しなかったようだ。

 この攻撃を実行するためにはロシアの艦船がどこにいるかをリアルタイムで知る必要がある。その情報をウクライナへ提供してたとみられているのがアメリカのドローン「RQ-4(グローバルホーク)」。攻撃当時、近くを飛行していた。同じ頃、バルト海ではアメリカのB-1爆撃機2機がロシア領空付近を飛行し、ロシア戦闘機に迎撃されている。

 昨年9月26日から27日にかけての間に天然ガスを運ぶ2本のパイプライン「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」が破壊され、天然ガスが流出した。ロシアとドイツがバルト海に建設したものだ。

 調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュはアメリカ海軍のダイバーがノルウェーの手を借りて実行したと書いている​。彼によると、アメリカのバイデン大統領は2021年後半にサリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成した。その中には統合参謀本部、CIA、国務省、そして財務省の代表が参加している。12月にはどのような工作を実行するか話し合い、2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申したという。

 こうした中、注目されているのがNATOの軍事演習「​エア・ディフェンダー23​」。6月12日から23日まで実施されるNATO史上最大の空軍展開演習で、25カ国から最大1万人が参加、派遣される航空機は220機に達するという。敗北を容認できなネオコンが正気だとは思わない方が良い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305260001/
42:777 :

2023/06/01 (Thu) 18:10:51

【討論】ウクライナと世界の行方が視えて来た[桜R5/6/1]
https://www.youtube.com/watch?v=p3vjWMge6Ig

パネリスト :
 ジェイソン・モーガン(歴史学者・麗澤大学国際学部准教授)
 マックス・フォン・シュラー小林(元米海兵隊・歴史研究家)
 用田和仁(元陸上自衛隊西部方面総監 陸将)
 山口敬之(ジャーナリスト)
 ロバート・D・エルドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表)
司会 :水島総
43:777 :

2023/06/05 (Mon) 09:48:46

2023.06.05XML
COVID-19騒動と同様、西側メディアは****でも宣伝機関に徹していた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306050000/

 中国では1989年4月15日から6月4日までの期間、新自由主義を支持する学生らが中国政府に対する抗議活動を天安門広場で行っている。この活動を指揮していたのはジーン・シャープで、背後にはジョージ・ソロスもいたとされている。学生たちと結びついていた趙紫陽の後ろ盾は鄧小平だ。

 その趙紫陽は1984年にロナルド・レーガン米大統領とホワイトハウスで会談、新自由主義化を推進したのだが、この政策は深刻なインフレを招き、社会は不安定化して胡耀邦や趙紫陽は窮地に陥った。胡耀邦は1987年1月に総書記を辞任せざるをえなくなる。

 そうした中、1988年に新自由主義の教祖的な存在であるミルトン・フリードマンは妻を伴って再び中国を訪問、趙紫陽や江沢民と会談しているが、中国政府はその年に「経済改革」を実施した。労働者などからの不満に答えるかたちで軌道修正したと言えるだろう。

 こうした軌道修正に学生は反発。そうした中、1989年4月15日に胡耀邦は死亡した。その死を切っ掛けに天安門広場で大規模な抗議活動が始まり、5月に戒厳令が敷かれることになる。

 1989年1月にはジョージ・H・W・ブッシュがアメリカ大統領となっている。この出来事も中国で反政府活動が激しくなる大きな要因だ。大統領に就任した直後にブッシュはイギリスのマーガレット・サッチャー首相とソ連を崩壊させることで合意している。

 ネオコンが台頭したジェラルド・フォード政権時代の1976年1月から77年1月にかけてブッシュはCIA長官を、また81年1月から89年1月まで務めている。副大統領時代にイランやニカラグアに対する秘密工作でも重要な役割を果たしたが、エール大学時代にCIAからリクルートされたと言われている。

 エール大学でCIAのリクルート担当はボート部のコーチを務めていたアレン・ウォルツだと言われているが、そのウォルツとブッシュは親しかった。しかもブッシュの父親であるプレスコットは銀行家から上院議員へ転身した人物だ。

 ウォール街時代、プレスコットはナチスへ資金を流す役割を負っていたひとりで、ウォール街の弁護士だったアレン・ダレスと親しい。言うまでもなく、ダレスはOSSからCIAまで秘密工作を指揮していた人物である。ブッシュはカリブ海で活動した後、1974年から75年まで中国駐在特命全権公使(連絡事務所長)を務めている。

 大学時代にジョージ・H・W・ブッシュと親しかったジェームズ・リリーは1951年にCIA入りしたと言われているが、そのリリーをブッシュ大統領は中国駐在アメリカ大使に据えた。リリーは中国山東省の青島生まれで中国語は堪能だ。

 1980年代にソ連共産党の書記長を務めていたミハイル・ゴルバチョフはニコライ・ブハーリンを研究していたグループに属し、西側の「民主主義」を信じていた人物。そのゴルバチョフをブッシュやサッチャーは1991年7月にロンドンで開催されたG7首脳会談へ呼び出し、そこで新自由主義の導入を求めている。その要求を拒否したところでゴルバチョフの失脚を西側は決めたのだろう。

 そして1991年8月にソ連では「クーデター未遂」があり、それが切っ掛けになってゴルバチョフは実権を失う。そして西側支配層の操り人形だったボリス・エリツィンが実権を握り、ソ連を解体へと導くことになるわけだ。エリツィンは12月にベラルーシのベロベーシで勝手にソ連の解体を決めた。

 この出来事と並行する形で中国の反政府活動は激しくなった。西側の政府や有力メディアは6月4日に軍隊が学生らに発砲して数百名を殺したと主張している。広場から引き上げる戦車をクローズアップした写真を使い、「広場へ入ろうとする戦車を止める英雄」を作り上げているが、この写真が撮影されたのは6月5日のことだ。

 西側では6月4日に軍隊が学生らに発砲して数百名が殺されたとされているのだが、これを裏付ける証拠はなく、逆に広場での虐殺を否定する証言や証拠写真がある。

 例えば、当日に天安門広場での抗議活動を取材していたワシントン・ポスト紙のジェイ・マシューズは問題になった日に広場で誰も死んでいないとしている。広場に派遣された治安部隊は学生が平和的に引き上げることを許していたという。(Jay Mathews, “The Myth of Tiananmen And the Price of a Passive Press,” Columbia Journalism Reviews, June 4, 2010)

 学生の指導グループに属していた吾爾開希は学生200名が殺されたと主張しているが、マシューズによると、虐殺があったとされる数時間前に吾爾開希らは広場を離れていたことが確認されている。北京ホテルから広場の真ん中で兵士が学生を撃つのを見たと主張するBBCの記者もいたが、記者がいた場所から広場の中心部は見えないことも判明している。(Jay Mathews, “The Myth of Tiananmen And the Price of a Passive Press,” Columbia Journalism Reviews, June 4, 2010)

 西側の有力メディアは2017年12月、天安門広場で装甲兵員輸送車の銃撃によって1万人以上の市民が殺されたという話を伝えた。北京駐在のイギリス大使だったアラン・ドナルドが1989年6月5日にロンドンへ送った電信を見たというAFPの話を流したのだ。

 しかし、これはドナルド大使自身が目撃したのではなく、「信頼できる情報源」の話の引用。その情報源が誰かは明らかにされていないが、そのほかの虐殺話は学生のリーダーから出ていた。当時、イギリスやアメリカは学生指導者と緊密な関係にあった。ドナルド大使の話も学生指導者から出たことが推測できる。

 また、内部告発を支援しているウィキリークスが公表した北京のアメリカ大使館が出した1989年7月12日付けの通信文によると、広場へ入った兵士が手にしていたのは棍棒だけで群集への一斉射撃はなかったとチリの2等書記官だったカルロス・ギャロは話している。銃撃があったのは広場から少し離れた場所だったという。(WikiLeaks, “LATIN AMERICAN DIPLOMAT EYEWITNESS ACCOUNT O JUNE 3-4 EVENTS ON TIANANMEN SQUARE”)

 イギリスのデイリー・テレグラム紙が2011年6月4日に伝えた記事によると、BBCの北京特派員だったジェームズ・マイルズは2009年に天安門広場で虐殺はなかったと認めている。軍隊が広場へ入ったときに抗議活動の参加者はまだいたが、治安部隊と学生側が話し合った後、広場から立ち去ることが許されたという。マイルズも天安門広場で虐殺はなかったと話している。(The Daily Telegraph, 4 June 2011)

 治安部隊とデモ隊が激しく衝突したのは広場から8キロメートル近く離れている木樨地站で、黒焦げになった複数の治安部隊員の死体が撮影されている。このデモ隊は反自由主義を主張していたともいう。

 吾爾開希をはじめとする反政府活動の学生指導者たちはイエローバード作戦(黄雀行動)と呼ばれる逃走ルートを使い、香港とフランスを経由してアメリカへ逃れた。このルートを運営していたのは米英の情報機関、つまりCIAとMI6だ。吾爾開希はハーバード大学で学んだ後、台湾へ渡って独立運動に参加、つまり台湾で軍事的な緊張を高める仕事を始めた。

 先日、NHKはニュース番組の中でCOVID-19を取り上げた際、「ワクチン」の危険性を訴える遺族の発言を「編集」、「ワクチン」でなくウイルスによって死んだと語っているように伝えていた。

 こうした手法はウクライナでの戦闘でロシアを中傷するために使っている方法と基本的に同じだ。こうした偽情報の流布は1990年代から激しくなり、2011年春のシリアやリビアへの軍事侵略以降、事実を探し出すことが困難になったが、「****」でもそうした偽情報の流布があったわけだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306050000/
44:777 :

2023/06/11 (Sun) 08:05:47

2023.06.11XML
同盟国の離反で孤立する米国だが、その米国にへばりつくしか脳がない日本
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306110000/

 アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が6月6日にサウジアラビアを訪問、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談した際に撮影された写真が話題になっている。ブリンケンの後ろにアメリカの国旗が飾られていないのだ。





 サウジアラビアはアメリカの支配体制にとって重要な国だった。石油支配のパートナーであり、ドル体制を維持する仕組みの重要な役割を果たしてきたのだ。そのサウジアラビアがアメリカから離れ、ロシア、中国、イラン、シリアなどとの関係を強めていることはアメリカの支配システムを揺るがす事態だ。いや、アメリカの支配システムが揺らいでいるのでサウジアラビアはアメリカから離れ始めたのだろう。

 1991年12月にソ連が消滅するとアメリカの支配層、特にネオコンのような好戦派は冷戦に勝ったアメリカは「唯一の超大国」になったと考え、他国を配慮することなく自らの都合だけで好き勝手に行動できる時代が来たと浮かれた。そして1992年2月には国防総省のDPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇プランが作成された。

 ネオコンは1990年代からこのプランに基づいて動き始めるが、まだ国内に抵抗はあった。そうした抵抗を一掃したのが2001年9月11日の出来事だ。その出来事を利用してネオコンは国内を収容所化、国外で侵略戦争を始める。手始めに行われたのがイラクへの侵略戦争だった。

 しかし、その一方で世界は多極化へ向かい始める。本性を表したアメリカに愛想をつかしたのかもしれないが、アメリカの衰退を世界が認識したこともあるだろう。

 イスラエルやアメリカの軍事的な支援を受けていたジョージアが2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃するが、ロシア軍の反撃で惨敗している。この軍事衝突でロシア軍の強さを世界は知った。

 その翌月には大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが連邦倒産法の適用を申請、世界を震撼させた。いわゆる「リーマン・ショック」だが、破綻していたのはこの会社だけでなく、金融システム全体だった。つまり米英金融資本の時代が終焉を迎えようとしていることを隠しきれなくなった。

 それ以上にアメリカ帝国の衰退を世界に印象付けたのはシリアでの戦闘だろう。アメリカはイスラエルやサウジアラビアという同盟国のほかにイギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビ、さらにカタールやトルコと手を組み、2011年3月から軍事侵攻を始めたのだ。

 その手先に使われたのがムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とする戦闘員。その戦闘員の登録リストがアル・カイダであり、そのリストを利用して部隊が編成された。この作戦が行き詰まると、サダム・フセイン政権の軍人を合流させて新たの武装集団ダーイッシュ(ISIS、ISIL、IS、イスラム国などとも表記)を作っている。

 バラク・オバマ政権はダーイッシュを売り出すと同時にアメリカ/NATO軍の介入を目論む。そのため、好戦的な政策に反対していた人びとが排除される。オバマ政権のアル・カイダ支援を批判したマイケル・フリンDIA局長を2014年8月に追い出し、戦争に慎重な姿勢を見せていたチャック・ヘーゲル国防長官やマーチン・デンプシー統合参謀本部議長も解任している。

 デンプシーは2015年9月25日に退役するが、その5日後の30日にロシア軍がシリア政府の要請で介入、ダーイッシュを敗走させた。その結果、ロシア軍の強さとロシア製兵器の優秀さを世界は見ることになる。

 2017年4月にドナルド・トランプ政権は地中海に配備されていたアメリカ海軍の2隻の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて****したものの、6割が無力化されてしまう。2018年4月にアメリカはイギリスやフランスを巻き込み、100機以上の巡航ミサイルをシリアに対して****したが、今度は7割が無力化されてしまう。ロシア軍を脅すつもりだったのだろうが、裏目に出た。

 サウジアラビアのサルマン国王は2017年10月5日にロシアを訪問、ロシア製防空システムS-400を含む兵器/武器の供給をサウジアラビアは購入する意向だと伝えられたが、アメリカの圧力で実現しなかった。当然、サウジアラビアはアメリカによるミサイル攻撃に対し、ロシアの防空システムが有効だという事実を見ている。

 その後、サウジアラビアはイランとイラクを介し、秘密裏に接触しはじめる。イラン側のメッセンジャーがガーセム・ソレイマーニー。イスラム革命防衛隊の特殊部隊とも言われるコッズ軍を指揮していた人物だが、2020年1月3日、バグダッド国際空港でアメリカ軍によって暗殺されてしまう。イスラエルが協力したと言われている。イラクの首相だったアディル・アブドゥル-マフディによると、その時、緊張緩和に関するサウジアラビアからのメッセージに対するイランの返書を携えていた。

 アメリカの恫喝だが、それでもサウジアラビアはイランとの国交修復をやめない。ロシア、中国、イランといった国々だけでなく、サウジアラビアも脅しに屈しなかった。

 ところが、日本は政治家も官僚も学者も記者もアメリカが掲げる旗を必死に追いかけている。大多数の国民も同じだ。明治維新は中国を侵略したいイギリスの私的権力が仕掛けた。明治政権はイギリスやアメリカの外交官に焚き付けられて琉球、台湾、朝鮮半島、そして中国へと攻め込む。

 1904年2月に日本軍は仁川沖と旅順港を奇襲攻撃して日露戦争が始まるが、日本に戦費を用立てたのはロスチャイルド系のクーン・ローブを経営していたジェイコブ・シッフだ。関東大震災の後はアメリカの巨大金融機関JPモルガンが日本の政治経済に大きな影響力を持つようになるが、この金融機関はロスチャイルドの銀行からスピンオフしたものだ。

 1932年のアメリカ大統領選挙で ニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが勝利するとウォール街の大物たちはファシズム体制を樹立するためにクーデターを計画した。その中心的な存在がJPモルガンだ。この米英金融資本による日本支配の仕組みが天皇制官僚体制にほかならない。この体制は現在も続いている。この枠組みから日本人は抜け出せないでいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306110000/
45:777 :

2023/06/17 (Sat) 00:35:37

2023年06月15日18:39
謀略が渦巻くウクライナ戦争 / 硬直した思考と自衛官 (前編)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68934201.html

「兵器解説」なら得意の自衛官

Kakhovka dam 11Russian soldiers 212
(左 : 破壊されたカホフカ・ダム / 右 : 「容疑者」となったロシア軍)

 「詫び状」たる占領憲法、すなわちマッカーサー憲法を後生大事にする日本人は、戦争や軍事一般について恐ろしいほど無知になっている。巷の庶民なら仕方ないが、日本の国防を担う自衛官にも“平和病”が蔓延しているから、日本の病理は深刻だ。

  今月の上旬(6月6日)、ウクライナにあるカホフカ(Kakhovka)水力発電所のダムが爆破される、という事件が起きてしまった。この破壊により、ドニプル川を堰き止めていたカホフカ貯水池の水が流れ出し、あっという間に水位が急上昇した。当然、下流にある住宅地域は水浸しだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は直ちに、「ダムの破壊はロシア軍の仕業だ!」と非難したが、本当にそうなのか? ロシアの国防省も相手方を非難し、ウクライナ側の犯行だ、と反論していた。

  では、日本の反応はどうだったのか? 戦争に疎い大手メディアは、アメリカやヨーロッパの主要メディアが与える映像を垂れ流し、局アナが用意された原稿を朗読するだけだった。しかし、これだけじゃマズいから、一応、「専門家」を呼んで解説をさせていた。とは言っても、「ゲスト解説者」は、いつもの面々。在京テレビ局に招かれるのは、毒舌とは無縁の“凡庸”な御用学者で、プロデューサーの意向を汲むのが得意な人物ばかり。例えば、TBSは東京大学の小泉悠(こいずみ・ゆう)を招き、日本テレビは慶應義塾大学の廣瀬陽子(ひろせ・ようこ)を出演させていた。

  もうウンザリしてしまうが、「どうして慶應大学は、ポンコツばかりを教授にするのか?」と訊きたくなる。廣瀬教授はロシア側とウクライナ側による犯行説を述べていたが、「その他」の説にも言及していた。一つは、「自然説」で、雨量が増したことによりダムのヒビ割れが拡大し、その水量でダムが決壊した、という笑い話。もう一つは、ロシア軍にいる志願兵が勝手に破壊した、という巷の噂話だ。まぁ、大学という病理施設に収容された“年増のお嬢さん”だからしょうがないけど、アメリカやブリテンによる謀略工作に言及してもいいんじゃないか?

  普段は「反日左翼」の民放も、戦争となれば仕方ないのか、嫌いな自衛官を呼ぶことにしている。だが、優秀で鋭い洞察力を持つ将校は危険だから、無難な一般論を丁寧に喋る元自衛官を招くようだ。例えば、参議院の佐藤正久議員は元自衛隊の陸軍大佐*で、「ヒゲの隊長」としても有名だから、ゲスト解説者には適任だ。(*註 / 佐藤議員は退役した「陸自1佐」だが、自衛隊用語は一般の日本人に馴染みがないので、歐米や帝國陸海軍で使用さた階級名を用いることにする。)

  マスコミが今日する他の自衛官といえば、陸上自衛隊出身の松村五郎・元東北方面総監や統合幕僚長を務めたことのある河野克俊(かわの・かつとし)海自大将くらいだ。元東部方面総監の渡部悦和(わたなべ・よしかず)も、よく民放各局に起用されるが、彼の話はそれほど聞く価値はない。まぁ、反軍・反日の民放からすれば、“無害で好都合”な退役将校なんだろう。以前、生物兵器の件で触れたことがあるけど、こんな人物が第二師団長を務めていたんだから、自衛隊幹部の質は段々と劣化しているのかも知れない。

  他方、視聴者の質が高いYouTube番組は、もう少し“まし”な自衛官を招いている。例えば、チャンネル桜は陸自の西部方面総監を務めた持田和仁(もちだ・かずひと)中将とか、陸自小平学校の副校長を務めた矢野義昭(おの・よしあき)少将をスタジオに招き、ロシア軍とウクライナ軍の状況を語らせていた。文化人放送局の方は、陸自中部方面総監を務めた山下裕貴(やました・ひろたか)中将をレギュラー解説者とし、ウクライナ紛争に関する質問を投げかけていた。渡部氏と違って、山下氏は通常の高級将校に思える。

  山下中将もカホフカ・ダムの破壊について述べていたが、彼の解説には首をひねりたくなる部分が幾つかあった。一応、質問を受けた山下氏は、「ロシア側、ウクライナ側のどちらがやったのか、あるいは、誰がやったのか判らない」と断っていたが、状況を考えれば「ややロシアかなぁ~」と漠然的に答えていた。筆者は山下氏の意見に反対しないが、分析の判断基準には頷けない点がある。

  例えば、他の自衛隊将校やロシア専門家も指摘する、ロシア軍がウクライナ軍の渡河作戦を阻止するためにダムを破壊した、という説だ。山下氏は「洪水により、ウクライナ軍は橋を架けられなくなった。ロシア軍はウクライナ側の拒否行動を狙ったのだ」と述べていた。しかし、これは現実的ではない。なぜなら、もしウクライナ軍がドニエプル川を渡って、対岸か中州に橋頭堡を築くとすれば、相当な危険を覚悟せねばならない。当然、ロシア軍は渡河の最中にウクライナ軍を攻撃するだろう。たぶん、ウクライナ兵の損失はかなりの数になるはずだ。

  現場で指揮を執るウクライナ将校にしたら、こうした作戦は無謀に思えてならない。そもそも、「兵員不足」に悩まされるウクライナ軍が、こんな危険をわざわざ冒すのか?ウクライナ軍の戦車部隊は、ロシア軍の防衛線を突破しよとした時、将兵の死亡を少なくするため、意図的にレオポルドやブラッドレー戦車を使っていた。ロシア製のT-60やT-72、T-80といった戦車だと、被弾した時に乗組員が一緒にやられてしまうので、防禦構造がしっかりしている西側の戦車の方が心強い。アメリカ製の戦車なら被弾しても脱出できる。兵員の消耗に敏感なウクライナ軍は、地雷原の突破にも苦慮しているから、強引な突撃で死傷者を増やしたくないのだ。

  もう一つ、山下氏の解説で納得できないのは、「ロシアは自分の領土じゃないから、ヘルソン州に被害を与えても平気なんだ」という意見である。歐米諸国の主流メディアは、圧倒的に「ロシア犯行説」を取っているから、山下氏が同調するのも無理はない。だが、プーチン大統領は狡猾な政治指導者だ。一時的にウクライナ軍の反撃を妨害できたとしても、「極悪非道のロシア軍」とか「テロ行為も辞さない侵略者」という印象が定着すれば、長期的にはロシア側の損益となってしまうだろう。仮に、プーチンが「極秘作戦」を命じたとすれば、必ず結果についても、周到な準備や対策をしているはずである。ところが、今回の破壊行為は汚名を上回るほどの「得」にはなっていないのだ。

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(左 : 洪水で被害を受けた住宅地 / 右 : 救助される住民)

  もし、ロシアがダムを破壊したとなれば、“保護”する住民を苦しめる結果になり、占領地区の住民からも相当な“恨み”を買うはずだ。心理戦を得意とするプーチンからすれば、住民の反感を煽るような極秘作戦は下策で、ロシアの大義名分を損なうだけだ。プーチンからすれば、「ロシア軍は迫害された同胞を助ける救世軍」と宣伝することが肝要である。重要なインフラを破壊してでもウクライナの進軍を阻止すべし、なんて考えたら却って墓穴を掘るだけだ。第一、支配地域を破壊したら、ロシア政府にとっての余計な出費となるし、厄介な後始末で仕事が増えるだけである。また、クリミアの飲料水を確保せねばならぬから、「自作自演」のテロ作戦は利益にならない。

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(左 : 災害を受けたウクライナの住民 / 右 : ロシアに抗議するウクライナ人 )

  ダムの破壊は、ロシアの偽旗作戦なのか、それともウクライナ側のテロ行為なのか判らない。もしかすると、両国以外の勢力による犯罪という可能性だってある。山下氏はダムの警備が厳重なので、ウクライナ軍の特殊部隊がロシアの監視をかいくぐって爆薬を仕掛けるのは不可能だ、と述べていた。また、アメリカの特殊部隊は「土地勘」が無いから、ダムの内部に侵入するのは困難である、とも述べていた。ただし、どうしてもアメリカ軍がやるとなれば、ウクライナとの共同作戦になるだろう、と論じていた。

  しかし、これも硬直した考え方で、土地勘の無いアメリカ人でも、親しい武器商人に頼んで現地に詳しい人物を紹介してもらえばいいし、ウクライナに詳しいユダヤ人を顧問に雇って作戦を練ればいい。何も「合衆国正規軍」の特殊部隊を使う必要は無いし、民間軍事会社の傭兵を使うといった選択肢だってある。ウクライナ人やロシア人の傭兵を使ってダムの内部に侵入させる、という手段だってあるだろう。山下氏はロシア軍の警備が厳重だから無理、と述べていたが、本当に末端のロシア兵が毎日毎日、鷹のような目つきでダムを防禦していたのか?

  なるほど、ロシア人には冷徹で厳格な性格、というイメージがある。しかし、その一方で、“杜撰”かつ“怠惰”な性質もあるから、ロシア軍の行動分析というのは難しい。もし、アメリカの極秘部隊が破壊計画を立てたとすれば、1年前から用意してたとも考えられるし、英米の闇組織が事前に拵えた「シナリオ」の一つとも考えられるのだ。爆破(demolition)の専門チームなら、毎日ダムの警備体制を観察し、「どこに警備の穴があるのか?」や「警備員の盲点や怠慢はどんなものなのか?」といった項目を徹底的に調べるはずだ。それゆえ、一見すると“侵入不可能”なダムでも、意外な“欠点”があったりするから、優秀な工作員は、こうした隙を突くこともある。だいたい、警備員には下っ端の兵卒が多いから、退屈な任務だと“つい”杜撰な警備になりやすい。山下氏は高級幹部の立場からロシア軍を考えているが、庶民のロシア兵がどう行動するのかを考えるのも軍人の務めである。

準備された宣伝戦?

  報道番組に招かれる自衛官には、兵器の性能や戦術に詳しい人が多い。だが、経済政策や国際金融、財閥の世界戦略には疎いから、戦場から遠く離れた世界に目が届かない人もいる。政治プロパガンダや印象操作に関しては、写真家とか映画監督の方が適任で、時たま鋭い指摘でビックリすることがある。昔だとフランク・キャプラ(Frank R. Capra)とかスタンリー・キューブリック(Stanley Kubric)、今だとJ.J.エイブラムズ(Jeffrey Jacob Abrams)とか、ハワード・ゴードン(Howard Gordon)といった映画制作者が様々な映像を分析すれば、意外な点を指摘をするかも知れないぞ。一方、渡部悦和なんかは凡庸な軍事評論家で、彼は『現代戦争論 超「超限戦」』という本を出しているが、「本当に彼は超限戦を学んだのか?」と疑いたくなる。

  実際に被害地域がどうなっているのか、誰がダムの爆破を実行したの判らないが、マスコミの報道を観ていると、プロ左翼みたいな人材が紛れ込んでいるのか判る。例えば、歐米や日本のマスコミは、洪水の被害を受けたウクライナ国民を哀れんでいたが、フリーのジャーナリストや一般人が撮影した映像を色々と調べてみると、時々、眉を顰めたくなる映像に出くわす。

  歐米のマスコミはウクライナ人の抗議活動を伝えるが、こうした「活動家」は何となく怪しい。もちろん、「ロシア軍の非道」を咎め、プラカードを掲げる参加者は本当に怒っているんだろう。しかし、彼らを組織する人物は何となく胡散臭い。抗議活動のウクライナ人は尻まで水に浸かり、“英語”で書かれた看板や国旗を掲げて怒鳴っていた。そして、怒れる住民を率いるリーダーは、ちゃんとメガホンを手に持ち、きれいな英語でロシアを非難していた。

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(写真 / 抗議活動を先導するリーダーと被害者の住民)

  もしかすると単なる抗議活動なのかも知れないが、よくよく考えてみると、「ずいぶん慣れているなぁ~」といった印象を受ける。抗議者の中にはペットの犬を抱いて叫んでいる女性もいたから、よく出来た“演出”の臭いもしてくる。水害を被った住民が激怒するのは理解できるが、実際に被害を受けたウクライナ人が、再び水に浸かって抗議活動に専念するのか? 普通なら、救助隊と一緒に避難所へ赴き、家族と一緒に休息を過ごしたい、と願うはずだ。幼い子供を肩車し、水に浸かってマスコミにアピールする住民なんて、本当に普通の、カタギの、一般的なウクライナ国民なのか?

  ヘルソン州の他の地域でも、困惑した被害者が路上に集まり、役人や救助員に話しかけていた。しかし、ここでも政府や軍に雇われたジャーナリストや活動家の影がちらつく。歐米諸国の世論にアピールしたいのか、正体不明の人道主義者が現れ、飼い主からはぐれた犬を見せびらかしていた。報道によれば、親切なボランティアが、泥まみれのペットを救助していたというが、どうしてあんなに多くの檻を用意できたのか? 

  猫や仔犬を飼っている人なら、携帯用の檻(ケージ)を持っているが、急にたくさん集めるとなれば大変だ。歐米のジャーナリストは、水浸しの家屋に取り残された犬を撮影し、ゴム・ボートに乗った救助員が保護する光景を放送していた。しかし、中には意図的にペットを連れ去り、「ロシア軍はこんなに酷いことをしたんですよ!」と宣伝したウクライナ人もいるだろう。ペルシア湾岸戦争の時もヤラセ報道があり、歐米のマスコミは原油で真っ黒になった水鳥を盛んに放送していた。アメリカの主流メディアは、イラクが石油を流したと非難したが、実際は米軍がイラクの石油精製施設にミサイルを打ち込んだことが原因であった。(1991年1月26日附の朝日新聞も、ペルシア湾に流れ込む原油と油まみれの水鳥を大々的に報じていた。)

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(写真 / 1991年のペルシア湾戦争で油まみれになった水鳥)

  政府の手先となっている歐米のメディアは、ドローンを使って浸水した民家を撮影したが、特に彼らが好んだのは自宅で救援を待つ民間人であった。主流メディアは二階の屋根に登ったり、窓から助けを求める少年を撮したけど、なぜかボートに乗った救援隊を撮さなかった。つまり、孤立無援の憐れなウクライナ人をアピールしたかったので、わざと救援隊を画面から外して報道していたのだ。

  今回のダム破壊は軍事的作戦というよりも、戦争を長引かせるための謀略工作と考えた方が良いのかも知れない。もしかすると、実行犯はロシア軍でもウクライナ軍でもなく、アメリカやブリテンの傭兵部隊なのかも知れないぞ。バイデン政権やスナク内閣の背後にいる連中は、ウクライナ国民がどうなろうがお構いなしだ。ジョー・バイデンがうっかり口にしたように、プーチン政権を打倒することが英米の目的であり、ウクライナ軍の勝利を支援するものではない。

  もちろん、ウクライナ軍が失地を恢復すればいいけど、バイデンのパトロン連中は最初からウクライナ軍の勝利には期待していなかった。以前、当ブログで紹介したように、米国のシンクタンクは経済的にロシアを苦しめる作戦を提言をしていた。裏で戦争を仕掛ける連中は、何年も前から対ロシア戦争を計画していたはずで、軍事や兵站の専門家だけじゃなく、経済学や心理学の専門家を動員して、用意周到なシナリオを考えていた節がある。ウクライナが廃墟になっても、それは「織り込み済みの悲劇」に過ぎない。最近、合衆国政府とCIAは、ノルド・ストリームの破壊はウクライナの特殊部隊が勝手にやった謀略と述べていたが、本当にゼレンスキーが英米に内緒で破壊活動を命じたのか?

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  山下氏は長尾敬・前衆院議員の前でウクライナの状況を解説し、ダムの破壊は国際法でも禁止されているし、「やっちゃいけないテロ」と述べていたが、大儲けした軍需産業やエネルギー業界の大御所達は、どんなテロでも容認するだろう。そもそも、ロシアの打倒を誓うネオコンや銭ゲバのオルガルヒにとっては、泥沼の代理戦争でも単なるビジネス行為だ。ゼレンスキーとバイデンを操る連中は、ウクライナが荒れ地になろうが、放射能汚染で無人の大地になろうが知ったことじゃない。

  戦争は外政の延長であり、利益をもたらす商売だ。戦争になると株式市場が乱高下するので、投資家や金融業者は大喜びだ。ただ、通常のビジネスと違うのは、大量の血が流れ、多くの人々が不幸になることである。それでも、石油やガスの販売、兵器の在庫整理、穀物相場の高騰、天然資源の掠奪などの誘惑には勝てない。

  筆者は前々から言っているけど、ウクライナ人は単なる「消耗品」である。2017年に亡くなったスビグニュー・ブレジンスキー(Zbigniew K. Brzezinski)は、大国のパワー・ゲームを熱心に語っていた。彼は「チェスの大盤(Grand Chessboard)」という本も出版していたが、国際政治は列強の勢力争いという面が強く、陰謀なんて当たり前の手段である。可哀想だけど、ウクライナはアメリカの「手駒」にされ、最初から「捨て駒」扱いになっていた。

  日本の知識人はウクライナの勝利を願っているが、日本に逃れてきたウクライナ難民は、戦争が終わったら祖国に戻るのか? もし、在日ウクライナ人がミサイルで破壊された都市や水浸しになった街、瓦礫になった自宅を目にしたら、渋々ながらでも日本に残る道を選んでしまうだろう。なぜなら、幼い子供を抱えた母親達は、我が子の将来を最優先にするからだ。たとえ故郷が被害を免れたとしても、国全体での貧乏生活が待っているだけで、明るい将来など全く期待できない。

  それに、幼稚園児や小学生の子供は、ウクライナ語よりも日本語の方が段々と得意になってしまうから、ウクライナ人の親は帰国を躊躇ってしまうだろう。本心では他達に帰国したいと考えるウクライナ人でも、子供の将来を考えれば「日本の学校でもいいかなぁ~」と妥協したくなる。子供の教育や安全を計算すれば、やはり日本の方がいいと思ってしまうだろう。もし、多民族主義のアメリカへ移住すると、変態や殺人鬼、半グレのゴロツキ、MS-13のヒスパニック・ギャングが気になってしまうから、子供の日常生活が心配になる。一般のウクライナ人は自分の生活を考えるだけで精一杯だ。

  先週、たまたまYouTubeの 「闇鍋ジャーナル」を観たけど、落語家の居島一平とナザレンコ・アンドリーが酒を飲みながら雑談していた。対談の内容は陳腐なものだが、未だにアンドリー氏が日本に滞在していたことに驚いてしまった。筆者は彼がウクライナに戻り、バフムートかドネツクで従軍している、と思っていたからだ。ウクライナ軍は反転攻勢を仕掛けると豪語していたが、徴兵を強化しても兵員不足に悩んでいた。ところが、健康で若いアンドリー氏はずっと日本に住んでいから、本国の軍部は彼を必要としているはずである。居島氏と酒を飲むのは楽しいけど、祖国の同胞はアンドリー氏をどう思っているのか?「闇鍋ジャーナル」に出演する須田慎一郎が現地取材をすれば、きっと話題になるはずで、何十万もの再生数を稼ぐことができるだろう。須田のオジキ、いっちょう頑張れ!

 後編に続く。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68934201.html
46:777 :

2023/06/17 (Sat) 07:14:54

2023.06.17XML
シャーマン国務副長官の後任がヌランド次官になり、核戦争へ向かうと懸念する声
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306170000/

 ​ウェンディ・シャーマン国務副長官が6月末に退任する予定​だ。その後任としてビクトリア・ヌランド国務次官が昇格するのではないかと言われている。シャーマンだけでなくNSC(国家安全保障会議)で中国担当シニアディレクターを務めてきたローラ・ローゼンバーガー、そして国務副次官補として中国と台湾の問題を担当するリック・ウォーターズも退任すると言われ、ジョー・バイデン政権の好戦的な色彩は強まると可能性が高い。

 ヌランドは父方の祖父母がウクライナからの移民で、夫はネオコンの重鎮であるロバート・ケーガン、義理の弟はフレデリック・ケーガン、フレデリックの妻はISW(戦争研究所)を設立したキンベリー・ケーガン。ヒラリー・クリントンは友人のひとりだという。アメリカ中央軍、ISAF(国際治安支援部隊)司令官、そしてCIA長官を務めたデイビッド・ペトレイアスとキンバリーは親しい。





 2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ってウクライナでクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。このクーデターで中心的な役割を果たしたのはジョー・バイデン副大統領、ビクトリア・ヌランド国務次官補、副大統領の国家安全保障補佐官を務めていたジェイク・サリバンだ。

 現在バイデンは大統領、ヌランドは国務次官、サリバンは国家安全保障問題担当の大統領補佐官。この3人にアントニー・ブリンケン国務長官が好戦的な政策を推進している。そうした中、シャーマンが排除されてヌランドが昇格した場合、その好戦性は強まる。

 シャーマンはビル・クリントン政権時代、1993年5月から96年3月までウォレン・クリストファー国務長官の下で国務次官補を務めていた。1997年1月に国務長官がクリストファーからマデリーン・オルブライトに交代するとクリントン政権はユーゴスラビアへ軍事侵攻する方向へ舵を切った。1997年8月、シャーマンは参事官として国務省へ復帰している。

 オルブライトは1998年秋にユーゴスラビア空爆を支持すると表明、99年3月から6月にかけてNATO軍はユーゴスラビアへの空爆を実施した。4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館も爆撃されている。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後、03年3月にジョージ・W・ブッシュ政権はイラクを先制攻撃するが、泥沼化。そこでバラク・オバマ米大統領は2010年8月にPSD-11を承認してムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を使った体制転覆作戦を始動させ、「アラブの春」が始まる。

 しかし、シリアやリビアに対してはズビグネフ・ブレジンスキーが作り上げた「アル・カイダ」の仕組みが使われる。2011年春に両国に対する攻撃が始まり、同年10月にはムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された。カダフィ本人はその際に惨殺されている。

 そこで戦力をシリアへ集中させるのだが、バシャール・アル・アサド政権は倒れない。そこで軍事支援を強化、登場してきた戦闘集団がダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)。2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはモスルが制圧される。ダーイッシュは残虐さを演出、アメリカに軍事介入させる道を作ろうとしていると考える人もいた。

 その当時、オバマ政権には戦争に消極的な人物がいた。例えばチャック・ヘーゲル国防長官やマーチン・デンプシー統合参謀本部議長は上院軍事委員会で直接的な軍事介入に慎重な姿勢を示し、ヒラリー・クリントン国務長官らと対立している。

 オバマ大統領が主張する穏健派は存在しないとする報告を出したDIAの局長、マイケル・フリンは2014年8月に退役を強いられていたが、それだけでなくヘーゲルは2015年2月に解任、デンプシーは同年9月に再任を拒否されている。オバマ大統領は戦争体制を整えた。

 デンプシーが退役した直後の2015年9月30日にロシアはシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュを含むアル・カイダ系武装集団を敗走させる。

 そこでアメリカはクルドと手を組むのだが、これによってアメリカとトルコの関係が悪化する。現在、アメリカ軍はシリア領内に900名程度の部隊を侵攻させ、10カ所とも20カ所とも言われる数の軍事基地をシリアに建設、不法占領を続けている。

 そして今、バイデン政権はまたホワイトハウスを好戦的な布陣にしようとしている可能性がある。簡単に勝てるという思い込みで始めたロシアや中国に対する戦争だが、ネオコンの思惑は外れた。窮地に陥ったバイデン政権は暴走し始めた。6月12日から23日まで実施されるNATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」が注目されたのはそのためだ。

 ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は6月13日、ロシアから戦術核兵器をすでに受け取っていると語った。自国が攻撃にさらされれば躊躇なく核兵器を使用するとしている。ルカシェンコの要請に基づくとされているが、少なくともロシアは同意している。ネオコンが攻撃してくれば受けて立つという意思表示だろう。

 そうした国際環境の中、日本は夢遊病者のように戦争へと向かっている。すでにアメリカ/NATOはウクライナへ供給する武器弾薬が枯渇、5月には韓国がアメリカ経由でウクライナへ砲弾を提供したと伝えられてるが、ここにきて​アメリカ政府は日本政府と155mm榴弾のウクライナへの供給することで話し合った​という。数少なくなったアメリカ支援国として日本に対する要求は強まってくるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306170000/
47:777 :

2023/06/20 (Tue) 03:27:24

2023.06.20XML
バイデン政権の政治的な事情で戦争の継続を強いられるウクライナ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306200000/

 ウクライナでの戦闘はジョー・バイデン政権の事情で政治的に続けられていると考える人がいる。軍事的にはロシア軍が昨年春の段階で勝利したのだが、米英の政治的な事情で続けられているのだ。そのためにウクライナは破壊され、ウクライナ人は殺されることになる。

 すでにウクライナ軍の戦死者数は数十万人、ロシア軍はその1割と見られ、しかもアメリカ/NATOはウクライナへ供給する武器弾薬が枯渇している。5月に韓国がアメリカ経由でウクライナへ砲弾を提供したと伝えられてるが、ここにきて​アメリカ政府は日本政府と155mm榴弾のウクライナへの供給することで話し合ったという​。この報道が正しいなら、日本に声をかけねばならないほど戦況はアメリカ/NATOにとって悪いということだ。

 ウクライナの内戦は2014年2月にアメリカ/NATOがネオ・ナチを利用してクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権が倒されてから始まる。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民がクーデターを拒否したのだ。

 OSCE(欧州安全保障協力機構)によると、2022年2月17日にウクライナ側からドンバスへの攻撃が激しくなり、18日、19日とエスカレートしていた。その段階でドンバス周辺には親衛隊のほかアメリカやイギリスの特殊部隊やアメリカの傭兵も集結、攻撃態勢が整いつつあることは知られていた。

 2月19日には​ウクライナの議員として議会でクーデター計画の存在を指摘​したことで知られているオレグ・ツァロフが​緊急アピール「大虐殺が準備されている」​を出している。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がごく近い将来、ドンバスで軍事作戦を開始すると警鐘を鳴らしたのだ。

 ツァロフによると、キエフ軍の作戦はロシア語系住民を狙った「民族浄化」を実行、キエフ政権の軍や親衛隊はこの地域を制圧、自分たちに従わない住民を虐殺しようとしていると主張している。またSBU(ウクライナ保安庁)がネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行するともしていた。

 アメリカ/NATOは2014年から8年かけてドンバスを要塞線で囲んでいたと言われている。そこには内務省親衛隊の中核だったアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリ、あるいは岩塩の採掘場があるソレダルも含まれている。

 ドンバスで住民浄化を実行、救援に入ってくるロシア軍を要塞線の中へ誘い込み、そこで身動きが取れない状態にした上でクリミアを別の部隊に攻撃させ、制圧するという計画だったのではないかという見方もある。

 軍事的な緊張が高まる中、ロシア政府の動きは速かった。ツァロフがアピールを出した3日後にロシアのウラジミル・プーチン大統領がドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認、2月24日にロシア軍はウクライナを巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃を開始、航空基地を破壊されたと言われている。​同時にウクライナの生物兵器研究開発施設も狙われた​。

 ​ロシア軍はターゲットを破壊しただけでなく、部隊を派遣して重要文書を回収している​。そうした文書の中には、ゼレンスキーが2022年1月18日に出した指示に基づいて親衛隊のニコライ・バラン上級大将が1月22日に攻撃の指令書へ署名、ドンバスを攻撃する準備が始まっていたことを示すものが含まれていた。2月中に準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたとしている。

 ロシア軍のミサイル攻撃でドンバス周辺に集結していたウクライナ側の部隊が壊滅的な打撃を受け、戦いの勝敗は決した。勿論、ロシア軍の勝利である。それ以降、アメリカ/NATOとロシアの戦いという様相を強めた。

 ロシア軍の第1撃で自国軍が壊滅的な打撃を受けたウクライナ政府は停戦を模索する。イスラエルの​ナフタリ・ベネット​が仲介役になった。その交渉で両国は条件面でほぼ合意している。3月5日にベネットはモスクワでプーチンと数時間にわたって会談、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた。その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。

 ​ウクライナの治安機関SBU(事実上CIAの下部機関)のメンバーがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのはその3月5日だ​。キリーエフを殺害することでアメリカ政府は停戦を許さないという姿勢を示したと言えるだろう。

 ベネットによると、​恐怖から掩蔽壕に隠れていたゼレンスキーはロシア政府がゼレンスキーを殺害しないと保証したことを確認した2時間後にゼレンスキーはオフィスで「私は恐れない」と宣言したという​。

 今年5月3日にクレムリンを2機のドローン(無人機)が攻撃したものの、撃墜されて大きな被害はなかったようだ。その日、​ゼレンスキー大統領はフィンランドを訪問​し、フィンランドのほかスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの首相と会談した。ロシアの報復を恐れて逃げ出したと言う人もいる。


 ロシアのトリー・ペスコフ大統領報道官は5月4日、攻撃目標を決めたのはアメリカ政府であり、ウクライナ政府は命令を実行しただけだと語り、アナトリー・アントノフ駐米露大使は「もしドローン(無人機)がホワイトハウス、議会、あるいは国防総省に突入した場合、アメリカ人はどのように反応するだろうか?」と問いかけ、「罰は厳しく、避けられない。」と語っている。適切と思われる場所と時期に報復する権利を留保するとペスコフは宣言した。

 ​ウクライナのキリーロ・ブダノフGUR(国防省情報総局)局長は「この世界のどこにいてもロシア人を狙い殺し続ける」と語ったと5月6日に伝えられた​。5月28日からロシア軍はキエフに対する大規模な攻撃を実施、GUR本部も破壊されたが、29日からブダノフ局長が姿を見せていない。

 その前からウクライナ軍のバレリー・ザルジニー総司令官やオレクサンドル・シルスキー陸軍司令官に関する情報も途絶え、負傷した、あるいは死亡したという噂も流れている。

 ウクライナではゼレンスキー大統領が掩蔽壕に隠れたり国外へ逃げ、バレリー・ザルジニー総司令官、オレクサンドル・シルスキー陸軍司令官、キリーロ・ブダノフGUR局長は姿を消した。29日に2機のヘリコプターがキエフからポーランドへ向かい、ポーランドからドイツへ第86航空医療後送中隊のC-21Aが重傷者を乗せて飛んだという。この重傷者がブダノフだとも言われている。

 5月3日に行われたクレムリンに対するドローン攻撃後、アメリカ/NATOはウラジミル・プーチン露大統領が姿を消したと宣伝していたのだが、実際はすぐに姿を現わしている。

 最近では​6月13日にさまざまな分野の記者と約3時間にわたって会談​し、15日にはアルジェリアのアブデルマジド・テブン大統領と会談、16日にはSPIEF(サンクトペテルブルク国際経済フォーラム)で基調講演を行っている。

 そうした状況であるにもかかわらず、6月17日にイギリスの「ジャーナリスト」​オーウェン・マシューズはスペクテーター誌に「プーチン大統領はどこにいるのか?ロシアのリーダーはコントロールを失いつつある」というタイトルの記事を書いた​。この人物、取材していないどころか「マトリクス」の中に入り込んでいるようだ。​元CIA分析官のラリー・ジョンソンも指摘​しているように、この記事は現実と乖離しすぎている。

 マシューズは傭兵会社だとされているワグナー・グループを妄想の中心に据えている。この戦闘集団を率いているとされる人物は料理人のエフゲニー・プリゴジン。この人物はセルゲイ・ショイグ国防大臣や2022年7月までロシア国営の宇宙開発会社「ロスコスモス」でCEOを務めていたドミトリー・ロゴージンを批判していたが、軍事組織としては不自然だという見方もある。

 ロシア軍は昨年5月、ウクライナ北東部のハリコフ州から撤退したのだが、これは戦力不足が原因だとされ、西側の有力メディアは「反転攻勢」だと喜んでいた。

 しかし、この地域はステップ(大草原)で、隠れることが困難。ロシア軍は制空権を握り、高性能ミサイルも保有しているため、ウクライナ軍は壊滅的な打撃を受けた。ロシア軍の撤退はトラップだった可能性が高い。ロシア軍はウクライナ軍が地下要塞を築いていたソレダルへ兵力を集中させていた。

 ソレダルやバフムート(アルチョモフスク)で戦ったロシア軍の地上部隊はワグナー・グループが中心。プリゴジンは3月29日、彼らはバフムートを事実上、制圧したと語っているが、5月5日には部隊を5月10日にバフムートから撤退させると宣言した。十分な弾薬が供給されず、多くの死傷者が出ているとしているのだが、すでにロシア軍はその80から90%を制圧したと推測され、ワーグナー・グループの任務は終わろうとしていた。

 そして5月20日にプリゴジンはバフムートの「解放」を宣言、25日から部隊を撤退させると発表した。その際、彼はセルゲイ・スロビキン上級大将とミハイル・ミジンチェフ上級大将に謝意を表している。

 スロビキンは昨年10月、ドンバス、ヘルソン、ザポリージャの統合司令官に任命された軍人であり、ミジンチェフはネオ・ナチのアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊やアゾフ連隊とも言われる)が占領していたマリウポリの解放作戦を指揮していた。

 ミジンチェフは反クーデター派の住民を人質にし、暴行を働き、 虐殺していたネオ・ナチを支持してきた人びとに嫌われている。5月4日からワグナー・グループの副司令官に就任しているが、実際の司令官はミジンチェフだったのではないかという見方もある。

 プリゴジンの発言はアメリカ/NATOを混乱させることが目的だった可能性が高く、それをアメリカ/NATOの政治的な宣伝に利用しているのがマシューズだと言えそうだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306200000/
48:777 :

2023/06/24 (Sat) 05:59:48

2023.06.24XML
ブラックロック:ウクライナの戦争はカネ儲けのチャンス
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306240001/

 ブラックロックは「闇の銀行」のひとつだ。「闇の銀行」とは銀行のような規制は受けない巨大金融機関で、メディアやシリコンバレーのハイテク企業を含むアメリカの主要500社の9割近くを支配している。

 ブラックロックを率いるラリー・フィンクはウクライナとのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とも関係が深い。ウクライナは兵器のほか「復興資金」を西側政府から提供されているが、その資金の使い道に関してアドバイスしているのがブラックロックだという。その​ブラックロックで採用担当者だというセルジュ・バーレーとの話をジェームズ・オキーフのチームは隠し撮りし、その映像を公開した​。

 汚職まみれのゼレンスキー大統領だが、​今年1月、ブラックロックのほか、JPモルガンやゴールドマン・サックスと協力関係にあることを明らかにしている​。アメリカの実業家に対し、軍事だけでなく建設、通信、農業、輸送、IT、金融、そして医療の分野でウクライナと手を組むすべての人が大儲けできると訴えている。

 ウクライナでの内戦は2013年11月から14年2月にかけてアメリカのバラク・オバマ政権が実行したクーデターから始まる。2010年の大統領選挙で当選したビクトル・ヤヌコビッチをネオコンは排除したかったのだ。ウクライナに反ロシア体制を築いてドイツとロシアを分断、両国を弱体化しようとしたのだ。

 ヤヌコビッチが支持基盤にしていた東部と南部はソ連時代にロシアからウクライナへ割譲されたこともあり、住民の7割以上がロシア語を話し、東方正教会の文化圏に属す。1991年12月にソ連が消滅した直後から住民の大半はロシアへ戻ることを望んでいた。ウクライナ語を話し、カトリック文化圏の西部とは別だと考えた方が良いだろう。

 キエフにおけるクーデターでヤヌコビッチを排除することに成功したアメリカ政府だが、資源地帯である東部や軍事的に重要なクリミアの制圧には失敗した。そこで2014年以降、アメリカ/NATOはクーデター体制の戦力を増強、ドンバス周辺に要塞線を建設、攻撃するチャンスを待っていた。昨年春、そのチャンスが到来したとアメリカ/NATOは考えたが、その直前、ロシア軍はウクライナ軍に対するミサイル攻撃を始めている。

 こうした戦略を利用し、西側の大企業は大儲けしてきた。兵器の製造メーカーが儲かることは言うまでもないが、ブラックロックのような金融機関にとってもビジネス・チャンスだ。兵器メーカーに投資しているというだけでなく、穀物をはじめとする商品の相場が大きく動くため大儲けすることができる。不安定な状況はビジネスにとって良いことだとセルジュ・バーレーは語っている。

 オキーフはプロジェクト・ベリタスを創設、有力メディアが触れない権力の闇に切り込んでいたが、ファイザーの研究開発ディレクターだというジョーダン・ウォーカーとの会話を隠し撮りして公表した後にベリタスの幹部と衝突、組織から離れた。幹部は「有給休暇」だとしていたが、オキーフは幹部に辞任を求め、それを受け入れないならば自分が辞めると宣言、辞めた。

 ブラックロックのような巨大資本は戦争がカネになると考えているわけだが、ウクライナではジョー・バイデン政権の思惑が外れ、ロシアが圧倒的に有利な戦況だ。

 勿論、バイデン政権はこうした展開になると予想していなかったはずだ。ロシア軍が攻撃を始めた直後、アメリカの好戦派はロシアが罠にかかったと信じ、喝采していたようだ。西側のメディアはアメリカの好戦派が事前に作成したシナリオに従って「報道」したのだろうが、彼らの作戦通りにロシア軍は動かなかった。

 アメリカ/NATOは2014年から8年かけてドンバスを要塞線で囲んでいたと言われ、その中へロシア軍を誘い込むためにドンバスで住民を虐殺する計画を立てていたことを示す文書がある。要塞線の中にロシア軍を閉じ込め、クリミアを攻撃するという手順だった可能性がある。

 しかし、ロシア政府の動きは早く、ウラジミル・プーチン大統領がドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認した直後にドンバス周辺に集結していたウクライナ軍や外国の部隊をミサイルで攻撃、壊滅させた。しかもロシア軍の地上部隊はドンバスへ入らない。戦ったのは現地部隊、チェチェン部隊、そしてワグナー・グループだ。

 こうした窮地から脱出するひとつの手段として、アメリカ/NATOがF-16を利用した核攻撃、あるいは「汚い爆弾」でウクライナやロシアを放射能まみれにする可能性を指摘する人は少なくない。

 そこで、6月12日から23日まで実施されたNATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」を利用、そのままNATO軍がロシアを攻撃するのではないかと懸念する人もいた。そうした事態になればバイデンの敗北しそうな来年の大統領選挙は消えてしまう可能性がある。

 それに対し、ロシアは局地的な核戦争はありえないと警告、行動でも示してきた。ロシアは新しいフリゲート艦に極超音速ミサイルを搭載、また​戦略ミサイル部隊の約半数がヤースミサイル・システムを装備し、極超音速弾頭アバンガルドを搭載した最新のミサイルシステムによる再武装が進んでいるとウラジミル・プーチン大統領は6月21日に述べた​。アメリカ/NATOはこうしたミサイルのターゲットになるというわけだろう。

 それだけでなく、 ここにきて​チェチェンの指導者ラムザン・カディロフは歩兵機動車ティグルを中国から受け取ったと語った​ようだ。この車両はの乗員は2名で、完全装備の歩兵9名を乗せることがでる。この供与は戦力的に大きな意味はないが、ロシアと中国が軍事同盟を結んでいることを示している。アメリカ/NATOはロシアと中国、どちらかだけと戦争することは不可能ということであり、単なる相場の材料だと考えるべきでもない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306240001/
49:777 :

2023/06/24 (Sat) 21:30:10

【伊藤貫の真剣な雑談】第15回 伊藤貫×水島総特別対談「米ランド研究所も止めるウクライナ戦争、世界大戦を招くネオコンの愚行と卑しさ極まる拝米保守」[桜R5/6/24]
https://www.youtube.com/watch?v=Afu8QgvzWQI

この番組は、米ワシントンに30年以上在住で、外交・国際関係・金融問題に定評のある国際政治アナリストの伊藤貫氏が、月並みな時事解説とは一線を画す真剣な雑談を、毎月1回のペースでお送りいたします。
今回は、久しぶりに日本に帰国された伊藤貫氏をスタジオにお招きし、水島との対談形式でお送りします。

出演: 伊藤貫(国際政治アナリスト)
50:777 :

2023/06/30 (Fri) 04:29:53

2023.06.30XML
ソロスの傀儡だったティモシェンコは2014年3月に核兵器の使用を口にしていた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306300000/

 アメリカのバラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行した。その時に手先として使ったのはネオ・ナチ。その時のため、彼らはNATOの軍事訓練を受けている。そのクーデターを東部や南部の住民は拒否、南部のクリミアはロシアと一体化し、東部のドンバスでは内戦が始まった。

 クーデターの目的は、2010年の大統領選挙で当選したビクトル・ヤヌコビッチを排除すること。西側の私的権力はウクライナを植民地化、ドイツとロシアを分断し、NATO軍を入れてロシアへ軍事侵攻できる態勢を整えようとしていた。これは1991年12月のソ連が消滅した直後からネオコンが目論んできたことだ。

 2010年の大統領選挙でヤヌコビッチと争ったユリア・ティモシェンコは2005年1月から9月まで、そして07年12月から10年3月までウクライナの首相を務めた人物。その当時の大統領は西側が支援していたビクトル・ユシチェンコだ。ユシチェンコを大統領にするため、アメリカの支配層は「オレンジ革命」を実行、ヤヌコビッチを引き摺り下ろした。

 しかし、ユシチェンコ政権が実行した新自由主義的政策によって大多数の国民は貧困化、一部の腐敗勢力が巨万と富を築いてオリガルヒと呼ばれるようになる。ティモシェンコもそうしたオリガルヒのひとりだ。2008年に彼女はジョージ・ソロスからのアドバイスに基づく政策を実行すると発言している。

 ユシチェンコ時代に新自由主義の実態を知ったウクライナの有権者は2010年の選挙でヤヌコビッチを選んだのだが、投票行動は地域によって大きな違いがある。東部と南部は圧倒的にヤヌコビッチであり、西部はティモシェンコ。西側の私的権力や有力メディアが大統領に据えようとしたティモシェンコが負けたため、オバマ政権はクーデターを実行したわけだ。

 アメリカ/NATOやティモシェンコたちはクーデターでウクライナ全土を制圧するつもりだったのだろうが、ソ連時代から自分たちをロシア人だと考えていた東部や南部の住民は抵抗、全土制圧はできず、ティモシェンコは怒る。その怒りを彼女は電話で爆発させた。その電話による会話は2014年3月18日に行われたと言われている。

 その会話を録音、3月24日にインターネットで公開した人物がいる。会話の相手は国家安全保障国防評議会のネストル・シュフリチ元次官。その中で​ティモシェンコはウラジミル・プーチンだけでなく、ウクライナに住む800万人のロシア人を核兵器で殺すべきだと語っている​。ティモシェンコはツイッターで電話が本物であることを認めたが、編集されていると弁明している。

 クーデター後、 ネオ・ナチのグループは街を威圧して歩き、暴力的に脅し回っている。そうした中には議会や検察事務所も含まれていた。そうした中、「選挙」が実施されるが、その直前の5月24日、​マデリーン・オルブライト元国務長官がティモシェンコと会談​している。それだけアメリカの支配層には好かれているティモシェンコだが、その悪事が広く知られていることもあり、西部地域でも嫌われていたようで、選挙では惨敗した。

 しかし、その後もウクライナにおけるネオ・ナチの影響力は弱まらないまま現在に至っている。国民の意思には関係なく、アメリカ/NATOを後ろ盾とするウクライナの権力者はティモシェンコと同じ精神構造をしているようだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306300000/
51:777 :

2023/06/30 (Fri) 11:43:48

『ロシアとシリア』 著・青山弘之
2023年6月29日
https://www.chosyu-journal.jp/review/26975

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2-%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E4%BE%B5%E6%94%BB%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%90%86-%E9%9D%92%E5%B1%B1-%E5%BC%98%E4%B9%8B/dp/4000026089


 ロシアのウクライナ侵攻後、「ウクライナは第二のシリア」という言葉が飛びかうようになった。欧米と日本の政府・メディアは、ウクライナ危機の経緯を顧みることなく、「ロシアは悪、ウクライナは正義」の図式で、ロシア軍による無辜の市民、とくに子どもや母親、病院への無差別攻撃、さらには生物・化学兵器、核攻撃、クラスター爆弾、白燐弾などの使用をためらわない残忍さを喧伝してきた。そして、ロシアのこうしたやり方は、シリアの内戦時とまったく同じだと吹聴している。



 東アラブ地域研究、シリア問題の専門家として知られる著者(東京外国語大学大学院教授)は、ロシアの侵攻を「暴挙」ととらえウクライナの惨状に胸を痛めつつ、こうした西側の一方的で排他的な宣伝こそがシリア内戦当時と酷似していると断じている。シリア内戦も、事実はより複雑で流動的であったにもかかわらず、「勧善懲悪と予定調和の物語」として語られた。「****者、****体制、拷問、弾圧、無差別攻撃、化学兵器、虐殺」といった紋切り型の言葉が、アサド大統領やシリア政府に浴びせられた。



 そして、アサド****政権の打倒をめざす反体制派を、か弱い幼子や女性、罪のない市民を守る「革命家」「自由の戦士」として美化する一方で、これと異なる情報や見解は「フェイク・ニュース」「プロパガンダ」と一蹴され、排除されていった。しかし、欧米諸国がおこなってきたシリア内戦での干渉こそ、ウソと誤認にまみれたものであった。シリアの「化学兵器使用」がねつ造であることが機密文書から発覚したように。



 また、欧米諸国が直接干渉したにもかかわらず、シリア内戦への西側メディアの迫り方は「中東の内部問題」としてなすがままにするなど冷淡を極めた。それは「ウクライナは可哀想だ」と感情移入をまじえた連日の過剰なウクライナ報道とはまったく対照的だった。ここで浮かび上がるのは「青い目をしたウクライナの人々が戦争で悲惨な目にあっている」というヨーロッパ、白人中心のレイシズムと二重基準である。



 事実、シリアでの諸外国の軍事的威嚇はそのほとんどが国際法にふれる違法行為であったが、西側諸国はそれを問題にしなかった。ウクライナ侵攻を前後したシリアで起こったさまざまな爆撃や住民虐殺についても報じないでいる。そして、シリア・中東の難民を煙たがり、無関心と抑圧で対応する一方で、ウクライナの難民には手厚く保護するという具合である。こうした二重基準への反発が、アジア、中東、アフリカ、中南米の多くの国々が西側のロシア制裁、ウクライナ支援になびかない重要な要因となっている。



 そのような制約のもとで、「今世紀最悪の人道的危機」といわれたにもかかわらず、シリア内戦の内実は覆い隠されてきたといえる。また、そのことがロシアのウクライナ侵攻についてありのままに見ることを妨げてきたことがわかる。著者はウクライナへの軍事支援やロシアへの制裁が「集団ヒステリー」のように進められてきたのは、あまり知らないシリアよりも身近に接するウクライナへの感情移入が容易であったこと、さらにシリアへの無知がそれを支えることになったと指摘する。



諸外国の干渉で重層的混乱 シリア内戦の経緯



 本書はシリアが古くから中国とヨーロッパを結ぶ東西交易路(シルクロード)の要衝にあり、多くの国から侵略を受けてきたこと、19世紀の「東方問題」からシオニズムによるイスラエルのゴラン高原占領、ロシア・ソ連との関係などを歴史的にたどっている。そこから、シリア内戦が2,011年の「アラブの春」と呼ばれる一連の政変の波及であったことを浮き彫りにしている。



 シリア内戦では、反体制派を支援する形で「人権」「テロとの戦い」を掲げた欧米諸国が干渉し、それに対抗するアサド政府の支援要請を受けて「主権尊重」「内政不干渉」を掲げたロシアとイランが加わった。本書では、さらにアルカイダ系やイスラム国などのテロ組織、外国の活動家が大挙して押しかけることで、重層的に混乱を極めていった事情をくわしく展開している。



 19世紀半ばのクリミア戦争の発端がシリアでの「聖地管理権問題」であったように、シリアとウクライナは歴史的にイギリス、フランス、アメリカ、そしてロシアの勢力争いや代理戦争の主戦場となってきた。イスラエルの建国をめぐる「パレスチナ問題」や「中東和平」も、西側は中東の内部問題のように扱っているが、欧米列強が引き起こした「力による現状変更」に起因している。



 著者は「ウクライナ侵攻が二国間の戦争というよりはむしろ代理戦争として推移しているという事実は、10年以上におよぶ紛争と混乱の末に、分断と占領を特徴とする“膠着という終わり”を迎えたシリアがたどった悲劇の再来を想起させる」とのべている。西側諸国がウクライナでの戦闘を和平に向けた交渉に向かわせず、意図的に長引かせているのは、「“燃えるがままにせよ”戦略」で火種を残したまま「分断と占領(駐留)という二重苦」を強いたシリアの前例を踏まえたものだという。



 欧米諸国と日本の為政者の言動が示すことはとどのつまり、ウクライナでの戦闘でウクライナの人命がどれだけ奪われ、国土が廃墟と化そうがかまわないというものだ。そのもとで、欧米諸国に直接的な被害が及ばないまま、ロシアを消耗させ弱体化できれば良いのである。



 著者は、ウクライナの「徹底抗戦」を煽り破滅に追いやる狂乱的な風潮は、第二次大戦で日本を覆った「一億玉砕」の空気と酷似していると指摘している。その意味からも、アメリカと中国の狭間に位置する日本を「第二のウクライナ」にする策動がうごめく今、国民が肌身で体験した戦時の苦難と怒りを共有する意義を、本書からくみとることができる。


 (岩波書店発行、四六判・214ページ、2,000円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/26975
52:777 :

2023/06/30 (Fri) 15:59:18

【討論】ウクライナが示す世界の行方[桜R5/6/30]
https://www.youtube.com/watch?v=GDNZ9UNCSfA

パネリスト:
 伊藤貫(国際政治アナリスト)
 川口マーン惠美(作家)※スカイプ出演
 ジェイソン・モーガン (歴史学者・麗澤大学国際学部准教授)
 用田和仁(元陸上自衛隊西部方面総監 陸将)
 ロバート・D・エルドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表)
司会:水島総
53:777 :

2023/07/10 (Mon) 09:59:02

2023.07.10XML
ヨーロッパを破壊しているNATOを自国に引き込もうとしている日本という国
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202307100000/

 ​NATOは東京連絡事務所を2024年中に設置する​とされているが、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はその計画を承認しなかったという。NATOとは北大西洋条約機構を意味するのであり、「北大西洋地域の安全保障」を維持することが目的だという理由からだ。

 すでにNATO軍はユーゴスラビアを攻撃、アフガニスタンへ部隊が派遣されている。東アジアまで手を広げるべきでないという主張なのだろうが、イェンス・ストルテンベルグ事務総長は2020年6月、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言している。

 NATOの初代事務総長でウィンストン・チャーチルの側近だったヘイスティング・ライオネル・イスメイによると、NATOを創設した目的はソ連をヨーロッパから締め出し、アメリカを引き入れ、ドイツを押さえつけることのあった。実際のところ、第2次世界大戦後のヨーロッパをアメリカとイギリスが支配する仕組みだ。

 現在、世界規模でアメリカ離れが進行している。中東やアフリカだけでなく、東アジアやラテン・アメリカでも見られる現象だ。東アジアでは日本、韓国、台湾、フィリピンをアメリカは確保しようとしているものの、日本以外は国内に反対勢力が存在している。

 そこで創設されたのがAUKUS、つまりオーストラリア(A)、イギリス(UK)、アメリカ(US)の軍事同盟だ。2021年9月にオーストラリアがイギリスやアメリカとAUKUSを創設したと発表している。それにともない、アメリカとイギリスはオーストラリアに原子力潜水艦の艦隊を建造させるために必要な技術を提供するとも伝えられた。ジョー・バイデン米大統領はオーストラリアへ売却する3隻のバージニア級原子力潜水艦を2030年代の初めに建造すると語っている。

 NATOはアメリカとイギリスがヨーロッパを支配するために創設されたが、東アジア版はユーラシア大陸の東側を支配する仕組みとして想定されているはずだ。

 しかし、この支配システムはウクライナで破綻した。ロシアを過小評価した結果だ。

 例えば、外交問題評議会(CFR)が発行している定期刊行物「フォーリン・アフェアーズ」の2006年3/4月号に掲載された​キール・リーバーとダリル・プレスの論文​では、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカ軍の先制第1撃で破壊できるようになる日は近いとされている。

 実は、この分析が間違っていることは2008年8月に判明している。イスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が北京で夏季オリンピックが開かれていた期間を狙い、南オセチアを奇襲攻撃したのだが、完膚なきまで叩きのめされた。

 イスラエルは2001年からジョージアに武器/兵器を含む軍事物資を提供、将兵を訓練しはじめている。イスラエルから供給された装備には無人飛行機、暗視装置、防空システム、砲弾、ロケット、電子システムなども含まれていた。

 当時のジョージア政府にはヘブライ語を流暢に話す閣僚がふたりいたことも知られている。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当しているテムル・ヤコバシビリだ。

 そのほか、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣して軍事訓練を実施、同年7月にはコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問している。南オセチアへの奇襲攻撃はその翌月だ。アメリカ政府の承認を受けての奇襲攻撃だったのだろう。

 アメリカはアル・カイダ系武装集団を使い、2011年春にリビアやシリアへ軍事侵攻、13年11月から14年2月にかけてウクライナではクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。このクーデターでアメリカ政府はネオ・ナチを使っている。

 ヤヌコビッチの支持基盤だった東部と南部の住民はクーデターを拒否し、南部のクリミアはロシアの保護下に入り、東部のドンバスでは内戦が始まった。オデッサではクーデターに反対していた住民をネオ・ナチの集団が虐殺している。

 内戦ではドンバス軍が優勢で、アメリカ/NATOはキエフ体制の軍事力を強化する時間が必要だった。そこで結ばれたのがミンスク合意。ドイツやフランスが仲介したのだが、​アンゲラ・メルケル元独首相​は昨年12月7日にツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認め、その直後に​フランソワ・オランド元仏大統領​はメルケルの発言を事実だと語っている。

 その後、8年をかけてアメリカ/NATOはクーデター政権に兵器を供給、兵士を訓練、ドンバスの周辺に要塞線を築いた。アゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリや岩塩の採掘場があるソレダルの要塞は特に有名だ。ここにはソ連時代、核戦争に備えて地下施設が建設されていたという。

 アメリカ/NATOの支援を受けたウクライナ軍は昨年2月、ドンバスに対する軍事侵攻に備えて部隊をドンバス周辺に集結させていた。その部隊が動く直前にロシア軍は集結していたウクライナ軍や軍事施設、そして生物兵器の研究開発施設を攻撃、破壊した。

 その段階でウクライナ軍の敗北は決定的だったのだが、すでにルビコンを渡っていたジョー・バイデン政権はウクライナで勝たなければならない。そこでウクライナ政府にロシア政府と停戦交渉をするなと命令した。この辺の経緯は本ブログでも繰り返し書いてきたので、今回は割愛する。

 そして先月上旬にウクライナ軍は「反転攻勢」を試みる。言うまでもなくアメリカやイギリスの命令だ。ロシア軍はウクライナ軍の攻撃に備えて二重、三重の防衛線を構築していた。地雷原だけでなく、戦車の走行を妨害する障害物、監視施設、砲兵による支援などで構成され、航空兵力も準備されているのだが、これをウクライナ軍が突破するのは困難だと見られていた。実際、その予想通りになっている。

 ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相が言うように、ウクライナの軍事的努力は絶望的であり、これ以上の援助を送ることは死者を増やすだけである。バイデン政権に残された手段のひとつはアメリカが得意とする偽旗作戦を実行し、NATO軍を前面にだしてロシア軍と戦わせる、つまり第3次世界大戦を始めることだが、それに同調するNATO加盟国が多いとは思えない。

 ヨーロッパにおいてNATOは疫病神的な存在だ。その疫病神の連絡事務所を自国に設置させようという日本の政府が正気だとは思えない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202307100000/
54:777 :

2023/07/15 (Sat) 02:27:45

「そりゃあ、ロシアも戦争するわ」(伊藤貫先生オンライン講演会 )
2023/07/14
https://www.youtube.com/watch?v=BimDXef10D0

【ガイド】
 01:02 レーガンとゴルバチョフ
 02:03「NATOを1インチたりとも東に拡大しない」
 03:32 ウクライナから5分で核がモスクワ直撃
 04:08 オリガルヒと銭ゲバがロシアの宝を盗んだ
 07:03 ロシアでの腐敗が報じられなかった理由
 07:36 クリントン政権はロシア人に絶望をもたらした
55:777 :

2023/07/25 (Tue) 07:07:31

ウクライナのゼレンスキー大統領はイギリスの対外情報機関MI-6の命令で動いていた
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14132864




ゼレンスキーの裏の顔 _ 2年で800億儲けたヤバすぎる手法を暴露した『パンドラ文書』の正体
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14071904

70年代に登場してから現在まで対ソ連/ロシア戦争を続けるネオコンの背景
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14047374

ロシアを滅ぼそうとしているジョージ・ソロスの正体
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14006933

ロシアの怪僧 グリゴリーラスプーチン
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14045251
56:777 :

2023/07/26 (Wed) 15:17:35

【最終回】「プーチンは分かっている…執拗にロシアを虐げてきたアメリカが迎えるこの戦争の終着点」西田昌司×伊藤貫 シン・外交安保対談Ⅱ VOL.4
2023/07/25
https://www.youtube.com/watch?v=9AuneFH0OfI
57:777 :

2023/08/05 (Sat) 11:02:15

【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史①】キエフ公国の誕生と滅亡|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/04
https://www.youtube.com/watch?v=RWLD5MkJUHc&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=14&t=355s


【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史②】モンゴル支配とウクライナ・コサック国家の興亡|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/05
https://www.youtube.com/watch?v=NDzjqG3Mua8&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=15


【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史③】帝政ロシアの反ユダヤ主義からロシア革命まで|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/09
https://www.youtube.com/watch?v=kUb629pwFIQ&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=16&t=969s

<目次>
00:00 はじめに
00:27 紛争の度に迫害を受け続けたユダヤ人
08:54 ロシア帝国の崩壊とウクライナ独立宣言
14:15 非道の極み、隠された恐ろしい歴史



【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史④】ロシア革命から第二次世界大戦、ソ連崩壊まで|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/10
https://www.youtube.com/watch?v=Z6CTpwdr3AY&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=17

<目次>
00:00 はじめに
01:59 共産党とユダヤ人の意外な関係
10:54 壮絶なユダヤ人虐殺の真相
15:02 諸外国から見た当時のウクライナ
18:15 クリミア紛争の始まり



【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史⑤】ナチズムとは何か|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/12
https://www.youtube.com/watch?v=T0yVN3iwgMc&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=18

【補足】1:25- 『シオンの賢者の議定書』は、さらにタネ本があります。モーリス・ジョリーの『マキャヴェリとモンテスキューの地獄での対話』(1864)で、フランスのナポレオン3世の****体制を風刺した作品です。このような作品は手を替え品を替え、歴史上何度も現れています。
14:15- 『我が闘争』日本語訳から日本人蔑視部分が削除された、という意味です。



【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史⑥】ロシアがウクライナに侵攻する理由|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/17
https://www.youtube.com/watch?v=O5tn4UQrorE&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=19

【ユダヤから紐解くロシア・ウクライナの歴史⑦】ウクライナ戦争の見方|茂木誠
むすび大学チャンネル
2022/04/23
https://www.youtube.com/watch?v=O08Bc1hbHc0&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=20



特番『茂木誠先生の歴史講義、ロシアとウクライナ、その”悲しみの歴史”を紐解く。その1、キエフ公国~ソビエト連邦建国まで』
https://www.youtube.com/watch?v=H7Y537GyIkc

特番『茂木誠先生の歴史講義、ロシアとウクライナ、 その”悲しみの歴史”を紐解く。その2、第2次世界大戦~現在まで』
https://www.youtube.com/watch?v=0wAcNSxZZq4
58:777 :

2023/08/11 (Fri) 04:22:55

非ユダヤ系アメリカ人にはバカしかいない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14138805



コーカソイドは人格障害者集団 中川隆
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/380.html

白人はなぜ白人か _ 白人が人間性を失っていった過程
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/390.html

アングロサクソンの文化
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14007474

アメリカ人による極悪非道の世界侵略の歴史
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14007480




コロンブスとユダヤの意外な関係|茂木誠
https://www.youtube.com/watch?v=l4XEUj2_b4E&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=21

ユダヤ人の避難所 ニューヨークのはじまり|茂木誠
https://www.youtube.com/watch?v=noZBGbxgiwI&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=22

北米植民地戦争とアメリカ独立/ロスチャイルド家のはじまり|茂木誠
https://www.youtube.com/watch?v=-lDkXUiZcJA&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=23

19世紀アメリカへのユダヤ移民/名前でわかるユダヤ人|茂木誠
https://www.youtube.com/watch?v=JjN31hHSuOI&list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE&index=24



茂木誠 ユダヤの歴史 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE

吉岡孝浩×茂木誠 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLIFjTpVDXkJmF-oB8nr1Ap0kjfBnnHWCZ

茂木誠 _ ゼロからわかる旧約聖書
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14132553

茂木誠 _ ユダヤの古代史&世界史
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14130919

アシュケナージ系ユダヤ人の歴史
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14043502

ユダヤ人は白人美女が大好きで、非白人は人間だと思っていない
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14077515
59:777 :

2023/08/11 (Fri) 18:29:52

ヘンリー・キッシンジャーの教え子で、WEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブは、パンデミックを利用して「資本主義の大々的なリセット」すると宣言した。

 そのWEFはロックダウンが世界の都市を改善しているとツイット。彼らによると、地球に悪い影響を与えてきた人間の活動をロックダウンは緩和したと評価しているのだが、人間にかぎらず、生命活動は生態系へ何らかの影響を及ぼす。どこかで折り合いをつけなければならない。そうでなければ、人類は死滅しなければならないということになる。ビル・ゲーツやテッド・ターナーたちが人口削減を口にするのは必然かもしれない。

 シュワブは資本主義のリセットをすると言っているのだが、資本主義はすでに行き詰まっている。一国ではすぐに行き詰まり、早い段階で国外での略奪に活路を求めた。これが帝国主義だが、侵略を「グローバル化」しても早晩行き詰まる。1970年代から金融操作で誤魔化してきたが、21世紀へ入った頃には限界。新たなシステムを築かなければならないくなっている。そこでのリセットだ。

 そのリセットを実行する主体になりそうな団体が創設された。 リン・フォレスター・ド・ロスチャイルドを中心とする「包括的資本主義会議」で、ローマ教皇庁との連携を謳っている。その中心グループにはロックフェラー財団のラジブ・シャー、フォード財団のダレン・ウォーカー、あるいはイングランド銀行元総裁のマーク・カーニーも含まれている。

 この団体の背後には強大な私的権力のネットワークが存在しているのだが、目指している方向は、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)と同じだろう。こうした協定にはISDS(投資家対国家紛争解決)条項が含まれ、巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制を政府や議会が作ることを事実上、禁止している。強大な私的権力が各国の政府を上回る力を持つ体制だ。

 ウォール街と敵対関係にあったフランクリン・ルーズベルトは大統領時代の1938年4月29日、ファシズムについて語っている。「もし、私的権力が自分たちの民主的国家そのものより強くなることを人びとが許すならば、民主主義の自由は危うくなる」としたうえで、「個人、グループ、あるいは私的権力をコントロールする何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ」としている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104080001/
60:777 :

2023/08/12 (Sat) 18:52:14

2023.08.12XML
予想通りに失敗したウクライナの「反転攻勢」で、より明確になるドイツの崩壊
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308120000/

 西側の有力メディアが宣伝していたウクライナ軍の「反転攻勢」の失敗は明確になった。アメリカ/NATOがロシアを過小評価していたとする解説もあるが、こうした攻勢が始まる前からアメリカでも退役将校や元CIA分析官らは失敗すると見通していた。

 この無謀な「反転攻勢」を命じたのはアメリカのジョー・バイデン政権。イギリスの対外情報機関MI6のエージェントだということが明確になったウラジーミル・ゼレンスキー大統領はバイデン政権の命令に従ってきたが、彼も勝利が不可能だと認識しているようだ。キエフで粛清が始まった理由もその辺にあるかもしれない。

 ​バイデンは大統領に就任して間もない2021年3月16日、ABCニュースのジョージ・ステファノプロスからインタビューを受けているが、その際、インタビュアーからウラジーミル・プーチン露大統領を殺人者だと思うかと問われ、「ええ。そうです」と答えている​。

 バイデンの知能レベルと心配した人も少なくないだろうが、彼の外交政策チーム、つまりジェイク・サリバン国家安全保障顧問、トニー・ブリンケン国務長官、ビクトリア・ヌーランド国務次官のロシアに対する姿勢を反映したものだった。

 ウクライナでの内戦は2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ大統領がネオ・ナチのクーデターで排除されたところから始まる。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の人びとがクーデターを拒否、クリミアでは住民投票を経てロシアと一体化、東部のドンバスでは内戦が始まったのだ。その際、ウクライナの軍や治安機関からネオ・ナチ体制を嫌った約7割が離脱したと言われている。

 クーデターの黒幕だったバラク・オバマ政権は​キエフに誕生した新政権を支えるためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んだ​。​そのほか傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部の作戦に参加した​と伝えられていた。また​2015年からCIAはウクライナ軍の特殊部隊をアメリカの南部で訓練し始めた​ともいう。

 しかし、これでは反クーデター軍に勝つことは難しい。そこで内務省にネオ・ナチを中心とする親衛隊を組織、傭兵を集め、年少者に対する軍事訓練を開始、要塞線も作り始めた。そうした準備のために8年間が必要だったのだろう。

 その時間稼ぎに使われたのがミンスク合意のようだ。合意が成立した当時から西側では「時間稼ぎに過ぎない」と指摘する人がいたが、この合意で仲介役を務めたドイツの​アンゲラ・メルケル​(当時の首相)は昨年12月7日、ツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後に​フランソワ・オランド​(当時の仏大統領)はメルケルの発言を事実だと語っている。

 プーチン大統領はミンスク合意に少しは期待していたようだが、これは大きな間違いだった。アメリカ/NATOに時間を稼がせたことで戦乱は拡大することになったと言える。

 ヤヌコビッチ政権を倒したクーデターで中心的な役割を果たしたのはオバマ政権のジョー・バイデン副大統領、ビクトリア・ヌランド国務次官補、副大統領の国家安全保障補佐官を務めていたジェイク・サリバンだ。バイデン政権をロシアと戦争へと導いているチームと重なる。ネオコン人脈とも言える。

 ヌランドは父方の祖父母がウクライナからの移民で、夫はネオコンの重鎮であるロバート・ケーガン、義理の弟はフレデリック・ケーガン、フレデリックの妻はISW(戦争研究所)を設立したキンベリー・ケーガン。ヒラリー・クリントンは友人のひとりだという。アメリカ中央軍、ISAF(国際治安支援部隊)司令官、そしてCIA長官を務めたデイビッド・ペトレイアスとキンバリーは親しい。

 現在の国務長官、アントニー・ブリンケンの父方の祖父もウクライナ出身。ちなみに、アメリカの反ロシア戦略で重要な役割を果たしたズビグネフ・ブレジンスキーはポーランドの生まれだが、一族の出身地ブゼザニは現在、ウクライナに含まれている。

 サリバンはエール大学出身で、ローズ奨学生としてイギリスのオックスフォード大学へ留学している。ローズ奨学生はオックスフォード大学の大学院生に与えられ、学費を支払うローズ・トラストは1902年にセシル・ローズの意志で創設された。

 ローズはナサニエル・ド・ロスチャイルドの資金でダイヤモンドや金が発見された南部アフリカを侵略して財を築いた人物で、優生学を信奉していた。ローズは1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に書いた『信仰告白』で彼はアングロ・サクソンは最も優秀な人種であり、その居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いことだと主張している。領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務であり、領土の拡大はアングロ・サクソンが増えることを意味するとしている。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877)

 領土拡大の最終目標は世界をアングロ・サクソンが支配することにあるが、それを達成するためにはロシアを占領しなければならないと彼らは考えている。ソ連(ロシア)へ攻め込んだナチスをシティやウォール街、つまり米英金融資本が支援していた理由もここにある。

 ナチスの支配されたドイツは1941年6月、ソ連に対する軍事侵略を開始した。バルバロッサ作戦だ。この作戦で東へ向かったドイツ兵は約300万人、西部戦線に残ったドイツ軍は90万人だけだと言われている。この攻撃の準備には半年から1年は必要だったろう。

 ドイツ軍は1940年9月7日から41年5月11日にかけてロンドンを空襲し、4万人から4万3000名の市民が死亡したという。バルバロッサ作戦の準備をしていたであろう時期と重なる。イギリス攻撃の準備をソ連攻撃に転用したとは考えにくい。おそらく陽動作戦だったのだろう。

 しかし、ソ連軍の抵抗でドイツ軍は苦戦、1942年8月にスターリングラード市内へ突入するのだが、ここでソ連軍に敗北、1943年1月に降伏した。

 この展開を見て慌てたウィンストン・チャーチル英首相は同月、フランクリン・ルーズベルト米大統領とフランスのシャルル・ド・ゴールらとカサブランカで会談、「無条件降伏」という話が出てくる。この条件はドイツの降伏を遅らせる一因になり、米英にはソ連対策を講じるための時間的な余裕ができた。またソ連がナチスに勝ったというイメージを消し去るため、ハリウッド映画が利用されている。

 バルバロッサ作戦はウクライナやベラルーシへの軍事侵攻から始まった。ウクライナがNATO軍が入るということはロシアにとって新たなバルバロッサ作戦の始まりを意味する。ウクライナへの軍事侵攻を許したことからソ連は国土を破壊され、多くの人が殺されることになった。それに対し、プーチンは同じ轍を踏まないと明言している。

 バルバロッサ作戦の際、ウクライナにもナチスと手を組んだ勢力が存在していた。その中心がステパン・バンデラのOUN-B。現在、ウクライナで大きな影響力を持つネオ・ナチはバンデラを信奉している。

 バンデラは1920年代からOUNの幹部だが、この組織は41年3月に分裂、バンデラ派はOUN-Bと呼ばれるようになった。このOUN・Bをイギリスの情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーが雇う一方、バンデラの側近だったミコラ・レベドはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入る。第2次世界大戦後、バンデラはMI6に守られ、レベドはCIAのアレン・ダレスに保護された。MI6やCIAはソ連時代に保護、育成、ソ連が消滅してから「母国」へ送り返している。

 ソ連が消滅した直後の1990年代に旧ソ連圏は破壊され、ロシアも米英資本に支配されて弱体化した。その支配体制を壊し、ロシアを再独立させたのがプーチンのグループにほかならない。彼がロシアで支持され続けているのはそのためだ。

 それを認められないローズ人脈はロシアを再び属国にし、富を奪おうとしているのだが、彼らはロシアが復活しつつあることを認められず、簡単に倒せると信じてきた。

 プーチンが実権を握った頃、イスラエルはジョージアに武器/兵器を含む軍事物資を提供、将兵を訓練しはじめた。ジョージア軍を訓練したのはイスラエル軍のガル・ヒルシュ准将(予備役)が経営する「防衛の盾」で、予備役の将校2名の指揮下、数百名の元兵士が教官としてグルジア入りしていた。イスラエルから供給された装備には無人飛行機、暗視装置、防空システム、砲弾、ロケット、電子システムなども含まれていた。

 そのほか、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣して軍事訓練を実施、同年7月にはコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問している。

 そしてジョージアは2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃するのだが、ロシア軍の反撃で惨敗した。作戦を立てたのはイスラエル軍だとも言われている。

 イスラエルやアメリカはロシア軍を過小評価していたのだが、アメリカの支配層は反省できず、バイデンが大統領になってもそうした状況に変化はなかった。そしてバイデンはプーチンを「人殺し」扱いしたのである。その時、バイデンはルビコンを渡った、つまり回帰不能点を超えたのである。

 オバマ政権がウクライナでクーデターを引き起こした理由のひとつはドイツとロシアを分断、両国を弱体化させることにあった。両国はビジネスで結びついていたのだが、特に重要なファクターが天然ガス。そのエネルギー資源を運ぶパイプランがウクライナを通過していたのだ。

 しかし、両国はウクライナを迂回するルートも建設している。「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」だが、これらが2022年9月26日から27日にかけての間に間に破壊された。

 パイプラインが爆破された1分後にイギリスの首相だったリズ・トラスはiPhoneでアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官へ「やった」というテキストのメッセージを送ったと伝えられている。携帯電話がハッキングされたようだ。

 ドナルド・トランプ政権下の2020年7月には国務長官のマイク・ポンペオがNS2を止めるためにあらゆることを実行すると発言、バイデンが大統領に就任する直前、テッド・クルズをはじめとする上院議員がロシアの安価な天然ガスという政治的脅威を繰り返し主張している。

 大統領がバイデンに交代した後の22年1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官はロシアがウクライナを侵略したらNS2を止めると発言している。2月7日にはバイデン大統領自身がNS2を終わらせると主張し、アメリカはそうしたことができると記者に約束した。

 そして今年2月8日、​調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはアメリカ海軍のダイバーがノルウェーの手を借りてノードストリームを破壊したとする記事を発表​した。

 ハーシュによると、アメリカのジョー・バイデン大統領は2021年後半にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成、その中には統合参謀本部、CIA、国務省、そして財務省の代表が参加している。12月にはどのような工作を実行するか話し合ったという。そして2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申している。

 破壊工作は特殊作戦司令部のメンバーではなく、海軍の深海ダイバーを使ってパイプライン沿いの爆発を誘発する秘密作戦の計画を練り始めたという。特殊作戦司令部の秘密作戦は議会に報告され、上院と下院の指導部に報告されなければならないからだという。そした計画通り、パイプラインはノルウェー政府の協力を得て破壊された。

 そうした中、ドイツで新首相に任命されたオラフ・ショルツが昨年2月、ロシア軍がウクライナをミサイル攻撃する前にアメリカを訪問している。​この時、バイデンが作戦についてショルツ首相に説明し、パイプライン破壊についても事前に警告したのかどうかをシーモア・ハーシュは問題にしている​。

 パイプラインの破壊によって安いロシア産天然ガスを入手できなくなったドイツではエネルギー危機が激化し、低中所得者の生活が厳しい状況に陥っているだけでなく、自動車産業をはじめとする製造業が崩壊の危機にある。

 国内の不満を抑えるために補助金を出しているが、EUでは財政赤字に対する厳しい規制がある。ドイツは補助金をカットして産業を失うのか、補助金を出して赤字規則を破るのか、どちらかを選ばなければならない。2030年頃に「グリーンエネルギー」が主流となるとされているようだが、これも実現できる保証はない。バイデン政権はドイツ企業に対し、アメリカへの移転を働きかけている。

 ドイツをはじめとするEUを苦境へ追い込んだのは誰なのか、皆知っているだろうが、西側の有力メディアは口にしない。

 世界的にヒットしたフィクション「ハリー・ポッター」では、敵役として登場する「ボルデモート」の名を口に出してはならないことになっている。その代わり、「例のあの人」、「名前を言ってはいけないあの人」、「闇の帝王」と呼ばれている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308120000/
61:777 :

2023/08/24 (Thu) 02:45:30

2023.08.24XML
ネオコンに操られ、戦争へと向かう日米韓
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308230000/

 アメリカのジョー・バイデン大統領は8月18日、韓国の尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相をキャンプ・デイビッドに招いて軍事問題について話し合い、その直後にアメリカ軍は自衛隊とオーストラリア軍を引き連れて南シナ海で洋上演習を、また韓国軍と乙支フリーダム・シールドをそれぞれ始めた。8月上旬にはロシアと中国の艦船合計11隻がアラスカ沖や東シナ海をパトロール航行、そこからロシアの艦船は中国を訪問している。

 1972年2月にリチャード・ニクソン大統領が中国を訪問して国交を正常化、同年9月には田中角栄が中国を訪れて日****同声明の調印を実現している。その際、田中は周恩来と尖閣諸島の問題を「棚上げ」で合意した。

 アメリカやイギリスはロシア/ソ連とドイツ、あるいは日本と中国の関係が友好的になることを警戒、戦争などで共倒れにしたいはずだ。そうした意味で、米英支配層は田中の行動を許せなかっただろう。

 その田中はロッキード事件で失脚したものの、日本と中国の関係は改善され、経済的な結びつきを強めていった。その関係を壊したのが菅直人政権にほかならない。

 2010年6月に発足した菅内閣は尖閣諸島に関する質問主意書への答弁で「解決すべき領有権の問題は存在しない」と主張、同年9月に海上保安庁は尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を取り締まり、漁船の船長を逮捕した。

 その時に国土交通大臣だった前原誠司はその月のうちに外務大臣になり、10月には衆議院安全保障委員会で「棚上げ論について中国と合意したという事実はございません」と答えているが、これは事実に反している。これ以降、東アジアの軍事的な緊張は急速に高まっていく。

 ニクソンはウォーターゲート事件で失脚したものの、アメリカは「ひとつの中国」政策を変えず、アメリカと中国との関係は続いた。その関係を壊したのはナンシー・ペロシだ。下院議長を務めていた昨年8月2日に彼女は台湾を訪問、「ひとつの中国」を否定したのである。

 現在、アメリカの外交や軍事をコントロールしているのはネオコンだが、ロシアや中国に対する攻撃を主導してきたのはジョー・バイデン、ビクトリア・ヌランド、ジェイク・サリバン。バイデン政権になってからトニー・ブリンケンが加わった。

 ネオコンが台頭したのは、デタントを打ち出したニクソンが失脚して副大統領から大統領に昇格したジェラルド・フォードの時代。後にネオコンの中核になるメンバーはヘンリー・ジャクソン上院議員の事務所でスタッフとして働いていた。その中にはリチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツ、ダグラス・フェイス、エイブラム・シュルスキーなどが含まれている。

 ジャクソン議員は民主党に所属していたが、1972年の大統領選挙で同党のジョージ・マクガバン候補を落選させる運動で中心的な役割を果たしている。

 マクガバンは戦争に反対していた人物で、彼が民主党の大統領候補に選ばれたことをジャクソン議員だけでなく同党の幹部は容認できなかった。そのため、ジャクソンらは1972年にCDM(民主党多数派連合)を組織している。

 ネオコンの思想的な支柱と言われているレオ・ストラウスは1899年にドイツの熱心なユダヤ教徒の家庭に生まれ、17歳の頃にウラジミール・ヤボチンスキーのシオニスト運動へ接近している。1932年に彼はロックフェラー財団の奨学金でフランスへ渡り、中世のユダヤ教徒やイスラム哲学について学んだ後、プラトンやアリストテレスの研究を始めているが、その段取りをしたのはカール・シュミット。1934年にストラウスはイギリスへ、37年にはアメリカへ渡ってコロンビア大学の特別研究員になり、44年にはアメリカの市民権を獲得、49年にはシカゴ大学の教授になった。

 ストラウスと並ぶネオコンの支柱とされている人物が、やはりシカゴ大学の教授だったアルバート・ウォルステッター。冷戦時代、同教授はアメリカの専門家はソ連の軍事力を過小評価していると主張、アメリカは軍事力を増強するべきだとしていたが、その判断が間違っていたことはその後、明確になっている。

 ネオコンは「元トロツキスト」が多いと言われているが、その原因のひとつはストラウスとも関係があるジェームズ・バーナム。この人物はレオン・トロツキーと親交がある一方、破壊工作を行なっていた秘密機関のOPCともつながっていた。

 ネオコンのウィルフォウィッツは国防次官だった1992年2月にアメリカの国防総省はDPG草案という形で世界制覇プラン、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」を作成した。ドイツや日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れて新たなライバルの出現を防ぐとしている。つまり、旧ソ連圏だけでなく西ヨーロッパや東アジアも彼らの「同盟国」ではない。

 ネオコンはこのドクトリンに基づく侵略戦争を進めようとしたが、支配層の内部にも反対勢力がいた。そうした反対勢力を沈黙させたのが2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎への攻撃、いわゆる「9/11」だ。

 それから22年。ネオコンはユーゴスラビアから始まり、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、レバノン、ソマリア、そしてウクライナで戦争を仕掛けたが、いずれも失敗している。そして今、東アジアに火をつけようとしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308230000/
62:777 :

2023/08/27 (Sun) 08:28:44

イラク戦争の背景

東北学院大学講師・世界キリスト協議会前中央委員
川端 純四郎

 ご紹介いたします。

 先生は1934年のお生まれです。東北大学文学部に学ばれ、博士課程を終えられてから、ドイツのマールブルグ大学に入学されました。帰国後、東北学院大学教員として35年間お勤めになりました。その後ひきつづき講師として、現在も勤務されています。一貫して平和、人権、政治改革の活動に積極的に関わっておいでになりました。

 「9条の会」の講師団メンバーとしても、全国を股にかけて講演なさっており、昨年は1年間で80回以上の講演会を開いておられます。

 先生は今朝8時前に仙台を発ち、はるばる鋸南町においで下さいました。今日の講師としてほんとうにふさわしく、よいお話をうかがえると思います。早速、先生からお話をうかがいたいと思います。 先生、どうぞよろしくお願いいいたします。
                                        安藤

 みなさん、こんにちは。 安房郡の水清き鋸南町に伺って、こうしてお話できることをありがたいと思っています。初めておうかがいしました。木更津まで来たことはあるのですが、今日、電車で君津を過ぎたらとたんに山が美しくなり、あそこまでは東京郊外のなんとまあみっともない風景でしたけれど、あそこから南に来ると一気にほんとうに昔のよき日本の風景がよみがえってくるようでした。ほんとうに嬉しく思いました。

 いま、「さとうきび畑」の朗読と、合唱団のコーラスをお聞きしたのですが、どちらも聞いていて涙が出ました。

 私は、戦争に負けた時小学校6年生でした。仙台で敗戦を迎えましたが、仙台も空襲で全滅いたしました。街の真ん中にいましたから、もちろんわが家も丸焼けでした。忘れられない思い出があります。街の真ん中の小学校でしたから、同級生が一晩で8人焼け死にました。隣の家の、6年間毎日いっしょに学校へ適っていた一番仲の良かった友達も、直撃弾で死にました。今でも時々思い出します。

 今このような歌を聞くと、どうしてもその人のことを思い出します。思い出す私の方はもう70になりますが、記憶に出てくるその三浦君という友達は、小学校6年生のまま出てきます。どうして小学校6年で人生を終わらなければいけなかったのか、生きていてくれたらいろんな事があったのに、と思います。戦争なんて二度としてはいけない、というのが一貫した私の願いです。

 私は牧師の家に生まれました。父はキリスト教の牧師で、教会で生まれ教会で育って、讃美歌が子守歌でした。牧師の中には戦争に反対した立派な牧師さんもおられたのですが、私の父のような多くの普通の牧師は、政治や社会に無関心で魂の救いということしか考えていませんでした。で、私もその親父に育てられましたから、大学を出、大学院に入って博士課程までいって、ずっとキルケゴールや実存哲学という、魂だけ見つめているような学問をやっていて、政治とか経済、社会とかは25歳までいっさい関心がありませんでした。

 25歳の時チャンスがあって、ドイツ政府の招待留学生となってドイツヘ勉強に行くことになりました。1960年のことでした。1960年にドイツへ行ったというだけで、どんなにノンポリだったか分かります。安保改訂問題で日本中が大騒ぎの時、それを尻目に悠々とドイツ留学に行ったのです。幸か不幸かまだ世界は貧しくて、飛行機などというものは贅沢な乗り物で、まだジェット旅客機機はありませんでした。プロペラ機でヨーロッパヘ行くには途中で何遍も何遍も着地し、給油して、今のようにノンストップでシベリヤを越えて、などというのは夢のような話でした。しかもベラ棒に高いのです。船の方があの頃はずっと安かったのです。特に貨物船に乗せてもらうと飛行機よりずっと安いのです。そこで一番安いのを探して、5人だけ客を乗せるという貨物船をみつけました。

 その船で神戸を出航し、インド洋からスエズ運河をぬけ、地中海を渡ってイタリアのジェノバに上陸。そこから煙を吐く蒸気機関車でアルプスを越えて、ドイツのマールブルクという町に着きました。

 実は、飛行機をやめて船で行ったということが、私の人生を大きく変えることになりました。あの時もし飛行機で行ったなら、私は一生、世間知らずの大学に閉じこもって勉強だけしている人間で終わった、と思います。

 ところが船で行ったおかげで、しかも貨物船に乗ったおかげで、私は途中のアジア・インド・アラブの国々をくわしく見ることができました。まっすぐ行けば船でも二週間で行くそうですが、何しろ貨物船ですから、途中港、港に寄って荷物を下ろし、また積んで、一つの港に4日から5日泊まっているのです。おかげでその間、昼間は上陸してそのあたりを見て歩き、夜は船に帰って寝ればいいのですから、東南アジアからアラブ諸国をくまなく見て歩きました。

 1ヵ月かかりました。神戸からジェノバまでのこの船旅。その時見たものが、私の人生を変えたのです。何を見たかはお解りですね。アジアの飢えと貧困という厳しい現実にぶつかったのです。

 降りる港、港で、ほんとうに骨と皮とに痩せせこけた、裸足でボロボロの服を着た子供達が、行く港も行く港、集まって来るのです。船の事務長さんに、「可哀想だが、何もやっては駄目だよ。1人にやると収拾がつかなくなるよ」と言われていました。だから心を鬼にして払いのけて通り過ぎるのですが、その払いのけて通り抜ける時に触った子供の肩、肉などなんにもない、ただ骨と皮だけのあの肩、あの感触が、今でも時々蘇ってきます。

 船に帰って、眠れないのです。明日も、あの子供たちに会う。どうするか。私が考えたことは、「神様を信じなさい。そうすれば救われます」と言えるか、ということでした。

どんなに考えたって、言えるわけがありません。飢えて捨てられた孤児たちに、こちらは着るものを看て、食うものを食っておいて、「神様を信じなさい、そうすれば救われます」などとは、口が裂けても言えないと思いました。牧師館で生まれて、キリスト教しか知らずに育って、キリスト教の学問をして来て、それではお前キリスト教って何なのか、25年お前が信じてきたキリスト教とは、飢えた子供たちに言えないようなキリスト教なのか。とれが私の考えたことでした。

 もし言えるとしたら、ただ一つしかない。そこで船を降りて、服を脱いで、子供たちに分けてやって、食っているものを分けてやって、そこで一緒に暮らす、それなら言える。言えるとしたら、それしかありません。言えるじゃないか、と自分に言い聞かせました。

 それなら、船を降りるか──。くやしいけど、降りる勇気がありませんでした。折角これからドイツヘ勉強に行くという時、ここで降りて、一生インドで暮らすのか、一生アジアで暮らすのか、どうしてもその気にならないのです。
 ですから理屈をこねました。

 「降りたって無駄だ。お前が降りて背広一着脱いだって、何百人人もいる乞食の子に、ほんの布切れ一切れしかゆきわたらないではないか。自分の食うものを分けてやったって、何百人もの子供が1秒だって、ひもじさを満たされる訳がないじゃないか。お前が降りたって無駄だ。それは降りたという自己満足だけで、客観的にはあの子らはなんにも救われない。」

 「だから降りない、勇気がないのではなく、無駄だから降りない。」と自分に言い聞かせるのです。でも、降りなければ「神様を信じなさい」とは言えません。言えるためには降りなければならない、しかし降りても無駄なのだ。

 堂々巡りです。寄る港、寄る港でこの間題に直面しました。毎晩毎晩同じ問題を考え続けて、結局、答えが見つからないまま、閑々として港を後にしました。、出港の時、あの子たちを見捨て自分だけドイツへ行くことに、強い痛みを感じました。これは永く私の心の傷になって残りました。

 このようにして初めて、世の中には飢えた仲間がいるという、当然分かっていなくてはいけない事実に、何ということでしょう、25にもなってやっと気づいたのです。飢えた子供たちがいる、それを知らんぷりしてドイツに行くのか、お前が降りてあの子たちと一緒に暮らすことはあまり意味ないかも知れない、しかしやっぱり船を降りないのだとしたら、せめて世の中に飢えた子供なんか生まれないような社会を作るために、自分で何かしなければいけないのではないか。ただ魂の中だけに閉じこもっていていいのか。

 これが、私がヨーロッパヘ行く1ヵ月の旅で考えたことでした。

 ドイツヘ行って、宗教の勉強をしました。ブルトマンというドイツの大変偉い先生の所に1年いて、いろいろ教わりましたが、結局、私の結論としては、実存哲学だけではだめだということでした。自分が自分に誠実に生きる──これが実存的、ということですが、それだけでは駄目だ。自分が生きるだけでなく、みんなが人間らしく生ることができるような世の中になるために、自分にできる何か小さなことでもしなければいけない。

 こう思うようになって、日本に帰ってきたのです。

 それじゃあ、世の中で、そのように飢えて死ぬような子がいなくなるような社会とは、どうすれば出来るのか。これはやっぱり、飢え、貧困、戦争、差別、そういうものが生まれる原因が分からなければ、除きようがありません。原因を勉強しなければいけない。そのためには社会科学を勉強しなければいけない。特に経済学を勉強しなければいけない──。

 ドイツヘの留学は、大学院の途中で行きましたので、帰国して大学院に復学しました。幸い東北大学は総合大学ですから、中庭をへだてて向こう側が経済学部でした。帰ってきた次の日から、私は、経済学部の講義を経済原論から、授業料を払わずにもぐりで、後ろの方にそっと隠れてずっと聞きました。

 それからもう45年になりますが、ずっと宗教哲学と経済学と2股かけて勉強してきています。今日も、多少経済の話を申し上げるわけですが、やっぱり自分がクリスチャンとして、今もクリスチャンであり続けていますが、同時に、自分の救いということだけ考えていたのでは申し訳ないと思うのです。現実に飢えて死ぬ子がいるのです。ユネスコの統計によると、毎日2万人の子が栄養不足で死んでいるそういう世の中、このままにしておくわけにはいかない、自分でできることは本当に小さいけど、その小さなことをやらなかったら、生きていることにならない──。そう思って45年過ごしてきたわけです。

 キリスト教の中でずっと生きていますので、一般の日本の人よりは外国に出る機会が多いと思います。特に世界キリスト教協議会という全世界のキリスト教の集まりがあります。その中央委員をしていましたので、毎年1回中央委員会に出かけて、1週間か2週間会議に参加しました。世界中のキリスト教の代表者と一つのホテルに缶詰になり、朝から晩までいろいろと情報交換したり論議したりします。そのようなことを7年間やりましたので、世界のことを知るチャンスが多かったと思います。それを辞めてからも、自分の仕事や勉強の都合で、今でも毎年二週間ぐらいはドイツで暮らしています。そうしていると、日本ってほんとうに不思議な国だということが分かってきました。

 日本にいるとなかなか分からないのです。島国ですし、おまけに日本語という特別な言葉を使っています。他の国との共通性がない言葉です。ヨーロッパの言葉はみんな親戚のようなものですから、ちょっと勉強するとすぐ分かります。一つの言葉の、ドイツ弁とフランス弁、ベルギー弁、オランダ弁というようなものです。日本で言えば津軽弁と薩摩弁の違い程度のものです。津軽と薩摩では、お互いに全然通じないとは思いますが、それでも同じ日本語なのです。ヨーロッパの言葉とはそういうものです。ですからお互いに何と無く外国語が理解できるというのは、別に不思議なことではないのですね。ですから、自分の国のことしか知らないという人は、非常に少ないのです。

 新聞も、駅に行けばどんな町でも、ヨーロッパ中の新聞が置いてあります。ドイツのどんな田舎町へ行っても、駅にいけばフランスの新聞もイタリアの新聞も売っていますし、それを読める人がたくさんいるのです。そういう社会ですから、日本人とはずいぶん違います。自分の国を客観的に見られる。他の国と比べて見ることができるのです。

 日本にいると比べられません。そのうえ、日本はマスコミが異常です。ワンパターンのニュースしか流しません。ヨーロッパではいろんなテレビがあって、テレビごとに自由な報道をやっています。バラエティー番組のようなものがなくて、ニューハ番組が充実しています。きちんとした議論をテレビでやっています。ですから日本にいるよりは、比較的自分の国の様子を客観的に見られることになります。ドイツに行く度に、日本とは不思議な国だなあと思うのです。

 例えば、もうだいぶ前、バブルの頃です。日本のある有名なモード会社がミラノに支店を出しました。そしてマーケティング調査をしました。どんな柄が流行っているか、アンケートを集めそれを整理するために、イタリア人女性3人雇ったそうです。アンケートの整理をしていたら5時になりました。あと少ししか残っていなかったので、日本ならの常識ですから、「あと少しだからやってしまおう」と日本人支店長は声をかけました。ところがイタリア人女性3人は、すっと立って「5時ですから帰ります」と言って出て行こうとしました。思わず日本人支店長は怒鳴ったのだそうです。「たったこれだけだからやってしまえ」と。途端にこの日本人支店長は訴えられました。そして「労働者の意志に反する労働を強制した」ということで、即決裁判で数万円の罰金をとられました。

 これがヨーロッパの常識です。つまり9時から5時までしか契約していないからです。5時以後は命令する権利はないのです。9時から5時までの時間を労働者は売ったんであって、5時以降は売っていないのですから、自分のものなんです。会社が使う権利はありません。当たり前の話です。

 その当たり前の話が日本では当たり前ではないのです。残業、課長に言われたので黙ってやる。しかもこの頃は「タダ残業」ですからネ。本当にひどい話です。常識がまるで違うのです。あるいは有給休暇。ドイツのサラリーマンは年間3週間とらねば「ならない」のです。3週間休まなければ罰せられます。日本は有給休暇など殆どとれません。ドイツでは取らないと罰せられます。ですからどんな労働者でも3週間、夏はちゃんと休んで、家族ぐるみイタリアへ行ってゆっくり過ごしてきます。有給になっているからです。或いは日本では1週間40時間労働です。ドイツはもう随分前から36時間です。土日出勤などありえない話で、日本のように表向き40時間労働でも、毎日毎日残業で、その上休日出勤、日曜日には接待ゴルフなど馬鹿なことをやっています。接待ゴルフなど、ドイツには絶対ありません。日曜日は各自が自由に使う時間で、会社が使う権利はないのです。

 そういうところもまるで常識が違います。或いは、50人以上だったと思うのですが、50人以上従業員がいる会社、工場は必ず、労働組合代表が経営会議に参加しなければいけないことになっています。そんなことも、日本では考えられないことです。ですから配置転換とかもとても難しいし、労働者の代表が入っているから、簡単に首は切れません。

 そういういろんな面で、日本の外に出てみるとびっくりするようなことが山ほどあります。日本という国は、高度に発達した資本主義国の中で例外的な国なのです。資本主義が発達した点では、アメリカにもフランスにもドイツにも負けないのですが、資本主義が発達したにしては、労働者が守られていない。或いは市民の権利が守られていない。会社の権利ばかりドンドンドンドン大きくなっているのです。それが日本にいると当たり前のように思われています。外国で暮らしていると、日本は不思議な国だと分かります。特にこの数年それがひどくなってきているのではないでしょうか。

 私たちの暮らしは、戦後50何年かけて、少しずつよくなってきました。例えば年金なんかも少しずつ整備されてきた。健康保険制度も整備されてきた。介護保険も生まれてきた。或いは、労働者も土曜日チャンと休めるようになってきた。ところがこの数年、それが逆に悪くなつてきています。年金は削られる一方、介護保険料は値上がりする、労働者は首切り自由でいくらでも解雇できる。労働者を減らすと政府から奨励金が出る。タダ残業はもう当たり前・・・。

 特にこの数年、構造改革という名前で、日本の仕組みが変わってきています。いま申し上げたように、戦後50年かけてみんなで、少しずつ少しずつ作ってきた、いわば生活の安心と安全を守る仕組み、そういうものが今はっきり壊されかかっているのではないでしょうか。

 小泉首相という人は「自民党をぶっ壊す」といって当選したのですが、この4年間を見ていると、あの人は自民党を壊したのではなく「日本を壊した」のではないかと思われます。これまで日本が戦後50年かけて作ってきた社会の仕組みが、バラバラにされているのです。フリーターとかニートがもう30%でしょう。そうなると当然、この人たちは生きる希望がありません。お先真っ暗。いまさえよければ、ということになる。ですから若者が当然刹那的になる。人生の計画なんて立たない。今さえよければということになっていきます。

 昔なら10年に1回あるかないかのような犯罪が、いま毎日のように起きています。私は仙台にいますが、この正月には赤ん坊の誘拐事件で一躍有名になってしまいました。あんなことが日常茶飯事として起こっています。栃木県で女の子が山の中で殺された事件は、まだ解決されていませんが、こんな事件が今は「当たり前」なのです。世の中がすさんできて、何が善で何が悪なのか、みんなに共通な物差しというものがなくなったというふうに思われます。

 そのような世の中の変化、私は多分、「構造改革」というものがその犯人なのだ、と思っています。

《逆戻りの原因はアメリカの変化》

 その構造改革というのは、どこから来たのか。もちろんアメリカから来たのです。アメリカが変化した、日本はそのアメリカに右ならえをした、それが構造改革です。

 それでは何が変わったのか、これが一番の問題です。この変化の行き着くところが、憲法改悪です。

 社会の仕組み全体がいま変わろうとしているのです。憲法も含めて。いったい何がどう変わるのか。いったいどういう構造をどういう構造に変えるということが構造改革なのか。そこのところがアメリカを見ればよく分かってきます。アメリカがお手本なのですから。

 アメリカはソ連崩壊後変わりました。ソ連とか東ドイツは自由のないいやな国でした。昔1960年に西ドイツヘ留学した折、東ドイツへ何回か行く機会がありました。ふつうはなかなか行けないのですが、幸いキリスト教国なので、ドイツのキリスト教はしっかりしていまして、東ドイツと西ドイツに分裂しても、教会は分裂しなかったのです。東西教会一つのまんまです。ですから、教会の年1回の大会には、西で開く時は東の代表がちゃんと来たし、東で開く時は西の代表が行けたのです。ですから一般の人の東西の往来が難しかった時でも、キリスト教の人だけはかなり自由に行き来ができました。

 私も連れていってもらって、何回か東ドイツへ行って見ました。ご存じのように自由のないいやな国でした。ですからソ連や東ドイツが崩壊したのは当然だし、いいことだと思います。しかしソ連や東ドイツが100%悪かったかというとそんなことはありません。良い部分もありました。何から何まで全部ひっくるめて悪だったというのも間違いです。基本的に自由がない。ですから、ああいう国は長くは続かない。これは当然そうだと思います。滅びたのは当然だと私は思います。

 しかし同時に、良い面はなくしては困るのです。良い面は受け継がなければいけません。最も目につくのは女性の地位でした。これは立派なものでした。いまの日本なんかより遥かに進んでいました。男女の平等が徹底的に保障されていました。専業主婦などほとんど見たことがありません。だれでも自由に外に出て、能力に応じて働いていました。それができるような保障が社会にあるのです。文字通りポストの数ほど保育所があって、子供を預け安心して働きに出られるようになっていました。同一労働同一貸金の原則はきちんと守られていて、女性だから賃金が低い、女性だからお茶汲みだけなどというようなことは一切ありませんでした。これは凄いなと思いました。あれは、日本はまだまだ見習わなければいけないことです。

 もう一つ私がびっくりしたのは、社会保障です。私が初めて東の世界を見たのは、何しろ1960年の頃のことです。日本はまだ社会保障がない時代でした。いま若い方は、社会保障はあるのが当たり前と思っておられる方も多いと思いますが、そんなことはないのです。日本は1972年が「福祉元年」といわれた年です。それまでは、福祉はなかったのです。大企業とか公務員だけは恩給がありましたが、商店の経営者とか家庭の主婦なんか何もありませんでした。健康保険も年金も何もありませんでした。72年からようやく国民皆年金、国民皆保険という仕組みが育ってきたのです。

 もともと資本主義という仕組みには、社会保障という考えは無いのです。自由競争が原則ですから、自己責任が原則です。老後が心配なら、自分で貯めておきなさい。能力がなくて貯められなかったら自業自得でしょうがない。こういうのが資本主義の考え方です。労働者が、そんなことはない、我々だって人間だ、人間らしく生きていく権利がある。だから我々の老後をちゃんと保障しろと闘って、社会保障というものが生まれてくるのです。自然に生まれたのではありません。

 労働者が団結して闘って、止むを得ず譲歩して社会保障が生まれてくるのです。資本主義の世界で最初の社会保障を行ったのはビスマルクという人です。ドイツの傑物の大首相といわれた人です。ドイツの土台を作った人ですが、この首相の頃、何しろマルクス、エンゲルスの生まれた故郷ですから、強大な共産党があり、国会で100議席くらいもっていました。そこで、ビスマルクが大弾圧をやるのです。社会主義取り締まり法という法律を作って共産党の大弾圧をし、片方では飴として労働者保険法という法律で、労働者に年金を作ります。世界で初めてです。辞めた後年金がもらえる仕組み、病気になったら安く治してもらえる仕組みを作った。こうやって鞭と飴で労働運動を抑えこんでいったのです。

 社会保障というのは、そうやって労働者の力に押されてやむを得ず、譲歩として生まれてくるのです。放っておいて自然に生まれてくるものではありません。

 そこへ拍車をかけたのが、ソ連や東ドイツです。ソ連や東ドイツヘいってみて、1960年の時点なのですから、日本にまだ社会保障などなかった時、そう豊かではなかったのですけれども、老後みながきちんと年金をだれでも貰える、そして、病気になればだれでも、医者に行って診察を受けて治療を受けられる。これにはほんとうに驚きました。これが社会主義というものかと、その時は思いました。ただ自由がないのです。例えば、牧師さんの家に泊めてもらうと、こちらがキリスト教徒ということが分かっていますから、牧師さんも信用して内緒話をしてくれるわけです。

外国から来る手紙はみな開封されていると言っていました。政府が検閲して開封されてくる。だから、「日本へ帰って手紙をくれる時は、気をつけて書いてください。政府の悪口など書かれると私の立場が悪くなるから。手紙書くときは開封されることを頭に入れて書いてくれ。」というふうに言われました。こんな国には住みたくないなと思いましたけれど、同時に社会保障という点では驚きました。こういうことが可能な社会の仕組みというのがあるんだなあ、とこう思ったのです。

 その後、スターリン主義というものによって目茶苦茶にされていくのですが、私の行った頃はまだ、東側の社会保障がある程度きちっと生きていた時代です。こうして、ソ連や東ドイツが社会保障というものを始めると、資本主義の国もやらざるをえなくなってきます。そうでないと労働者が、あっちの方がいいと逃げ出してしまいます。ですから西ドイツが一番困りました。地続きですから、何しろ。ですから、東に負けないだけの社会保障をしなければならなかったのです。そうすると、自由があって社会保障があるのですから、こっちの方がいいということになります。いくら向こうは社会保障があっても自由がないのです。こうして西ドイツは大変な犠牲を払って、社会保障先進国になってきました。そのことによって、東ドイツに勝ったのです。

 実際西ドイツの労働者は、別に強制されたわけではありません。自主的に西ドイツを選んだのです。ですからあのような東西ドイツの統一も生まれてきたのです。

 つまり資本主義の国は、ひとつは自分の国の労働者の闘いに押されて。そこへもってきて、ソ連、東ドイツの社会保障という仕組みの外圧で、それに負けるわけにいかないものですから、そういう力があって、社会保障というものを造り出していくのです。しかし社会保障というものは莫大な財源がかかります。


《社会保障をやめて小さな政府へ──構造改革の中身(1)》

 いま日本政府は社会保障をどんどん削っていますけど、それでも国家予算の中で一番多い費目は社会保障です。大変な財源が必要なのです。そこで資本主義の国は、新しい財源を見つける必要ができてきます。

 そこで見つけたのが2つ。1つは累進課税です。それまでの資本主義にはなかった、累進課税という新しい仕組みです。つまり収入の多い人ほど税率が高くなるという仕組みです。日本でも1番高い時は1980年代、1番大金持ちはの税率75%でした。ですから、年収10億あれば7億絵5千万円税金にとられたのです。今から考えれば良く取ったものです。今は35%です。大金持ちは今ほんとうに楽なのです。35%ですむのですから。年収10億の人は3億5千万払えばいいのです。昔なら7億5千万取られたのです、税金で。「あんまり取りすぎではないか、これは俺の甲斐性で俺が稼いだ金。それを取り上げて怠け者のために配るのか。」と彼らはいいました。

 そうすると政府は、「いやそういわないでくれ。そうしないと、資本主義という仕組みがもたない。だから体制維持費だと思って出してくれ。そうでないと社会主義に負けてしまう」と言って、大金持ちからたくさん取ったのです。大企業も儲かっている会社からたくさん税金取った。法人税もずっと高かったのです、以前は。こうやって大金持ち、大企業からたくさん取る累進課税で一つ財源を作ったのです。

 もうひとつは、企業負担です。サラリーマンの方はすぐお分かりですが、給料から社会保障で差し引かれますね。そうすると、差し引かれた分と同額だけ会社が上乗せするわけです。自分が積み立てたものが戻ってくるだけなら、貯金したのと同じです。労働者の負担する社会保障費と同額だけ会社も負担しているのです。倍になって戻ってくるから、社会保障が成り立つわけです。

 これも資本主義の原則からいえば、おかしいことです。いまいる労働者の面倒を見るのは当たり前です。会社は労働者がいるから成り立っているのですから。だけど、辞めてからは関係ないはずです。契約関係がないのですから。辞めた人が飢え死にしようがのたれ死にしょうが、会社の責任ではないはずです。

 だけども一歩ふみこんで、それでは資本主義の仕組みがもたないから、労働者が辞めた後まで面倒みてくれ、そこまで企業負担してくれ、そうしないと資本主義がもたないから、ということになります。

 こうやって、社会保障というものが資本主義の国で成り立っているのです。これは、ただの資本主義ではありません。資本主義の原則に反するような累進課税とか、企業負担というものを持ち込んで、社会主義のよいところを取り入れた資本主義です。これを「修正資本主義」と呼びました。

 資本主義の欠点を修正して、社会主義に負けないようないい仕組みに造り直した資本主義ということです。学者によっては、資本主義の経済の仕組みと社会主義経済を混ぜ合わせた「混合経済」と呼ぶ人もいます。所得再配分機能を政府が果たすということです。もちろん修正資本主義というものは、このような良い面だけではなくて、公共事業という名前で国民の税金を大企業の利益のために大々的に流用するというようなマイナスの面もあることも忘れてはなりません。

 しかし、ともかくこうやって、西側の世界は、自由があって社会保障がある、そういう社会に変わっていくのです。そのことで東に勝ったのです。ところが、そのソ連と東ドイツが居なくなったのです。

 その前にもうひとつ。先進資本主義国というのは或る一種の傾向として、労働者が闘わなくなってきます。これは先進資本主義国の宿命のようなものです。つまり資本主義国というのはご存じのように、地球上の大部分を占めている低開発諸国、貧しい第3世界といわれた世界から、安い原料を買ってきてそれを製品にして高く売っています。そして差額、莫大な差額を儲けている。超過利潤と呼ばれています。だから遅れた国は働けば働くはど貧しくなるのです。一生懸命働いてコーヒー豆作っても、それを安く買われてチョコレートやインスタントコーヒーなどの製品を高く買わされるのですから、結局差額だけ損をすることになります。

 この20年、先進国と遅れた国の格差は開く一方、全然縮まらない。地球上の富を先進国が全部集めちゃって、とびきりぜいたくな生活をやっています。ですから先進国の労働者にも、当然そのおこぼれの分け前に預かるので、低開発国の労働者にくらべれば、ずっと豊かになります。豊かにれば闘わなくなってしまいます。その上、それを推し進めるようなありとあらゆる謀策が講じられているのです。

 資本主義というのは、物を売り続けなければなりたたちません。売ったものをいつまでも使われていたのでは、資本主義は成り立たないのです。早く買い換えてもらわなければなりません。いま、日本の車はよく出来ているので、30年は楽に乗れるのに、30年乗られたら日本の自動車会社はみな潰れます。3年か5年で買換えてもらわなれりばいけません。買い替えてもらうには、自分の車は古いと思ってもらう必要があります。ですからコマーシャルで、朝から晩まで何回も、「あんたは古い、あんたは古い。こんないい車ができてます。こんな新しい車が出ましたよ。もっといいのが出ましたよ」と宣伝して洗脳しいるのです。だから3年も乗ると、どうしても買換えざるをえない心境に引き込まれてしまいます。全てのものがそうです。まだまだ使えるのに新しいものに換えてしまう。そういう仕組みができているのです。

 そうしないと、資本主義はもちません。ですから労働者はどうなるかというと、「次、この車に買換えよう、次、パソコンこっちに買換えよう、次、今度はデジタルテレビに買換えよう、じゃあセカンドハウス、つぎは海外旅行・・・」。無限に欲望を刺激され、自分の欲望を満たす方に夢中になって、社会正義とか人権とか考えている暇がなくなっていくのです。

 いま日本の大部分がそうですね。「もっといい生活を」ということだけ考えています。ほかの人の人権だの社会正義なんて見向きもしない。見事に資本の誘惑にひっかかってしまいます。

 もちろん、欲しいからって、お金がなければ買えません。家がほしい、車がほしい、パソコンほしい・・・。それが、実はお金がなくても買える、なんとも不思議な世の中です。ローンというものがあるのですね。

 フォードという人が見つけたのです。それまでは、「つけ」で何か買うなどということは、労働者にはありませんでした。労働者が「つけ」で買ったのはお酒だけです。酒飲みはお金がなくても飲みたいのです。だから酒屋だけは「つけ」がありました。大晦日に払うか払わないかで夜逃げするかどうかもあったでしょうが、今は家を「つけ」で買う、車を「つけ」で買う、なんとも奇妙な世界になってきました。これをフォードが始めたのです。それまでは、自動車というのは大金持ちのものでした。フォードが、あのベルトコンベアーというのも発明して、大量生産を始めたのです。そうなれば、大量に売らなれりばなりません。大量に売るためには労働者に買ってもらわなくてはなりません。でも労働者にはお金がないのです。そこで、ローンという、とんでもないものを考え出したのです。ローンなら金がなくても買えるんですから、みんな買う。当然な話です。

 そりゃあ豊かなのに越したことはありません。マイホームが欲しくなる。ですからみんなローンで買う。そして「マイホーム」という感じになるのです。でも本当はマイホームではありません。あれは銀行のものです。払い終わるまでは、所有権は銀行のものです。銀行から借りてローン組んだだけなんです。こうして次々と新しいものを買わされていく。そのローンは多くの場合退職金を担保に組みます。一度退職金を担保にローンを組んでしまったら、ストライキはできなくなります。会社と闘って退職金がすっとんだら終わりなのです。家も途中でおしまいになってしまいます。ですから、ローンでマイホームが変えるようになってから労働運動は一気に駄目になりました。みんな闘わない、会社と喧嘩したくない、というふうになります。これはもちろん、向こうは計算済みのことです。

 ですから、高度に発達した資本主義社会というのは、労働者が、ある程度ですが、豊かになり、そして、このような消費社会に組み込まれてしまって、身動きができなくなるのです。

 こうして、いま日本では労働組合も、労働運動もストライキもほとんど力を失いました。そうなれば、政府は社会保障なんて、何も譲歩する必要がはありません。労働者が必死になって運動するから、止むを得ず健康保険とか年金制度とかやってきたのであって、労働者が闘わなければ、その必要はないのです。いま、どんどん社会保障が悪くなってきています。次から次から悪くなる。20年前だったら、いまのように社会保障が悪くなったらたちまち、大ストライキが起こりました。しかし今は何も起きません。労働組合が弱体化している、労働運動が骨抜きという状態です。

 そこへもってきて、ソ連や東ドイツがいなくなったのです。こうなればもう社会保障をやる必要はありません。社会保障は止めます、修正資本主義は止めます、ということになるわけです。修正資本主義にはいろいろな意味があるのですけど、一つの特徴は、大金持ちや大企業からお金を取って、弱い立場の人たちに配るところにあります。所得再分配と言われる働きです。だから政府は大きな政府になります。こういう仕組みが修正資本主義で、いろんなマイナス面もあるのですが、プラスの面も大いにあります。

 この仕組みをやめる、というのが今のアメリカです。もう政府は面倒みません、自分でやりなさい、と自由競争に戻る。自由競争一筋。これが、ソ連が崩壊した後に新しくなったアメリカの仕組みなのです。そして、それに日本が「右へならえ」ということなのです。

 それに対してヨーロッパは、アメリカのいうことを聞かず、「われわれはこれからも、社会保障のある資本主義でいきます。むき出しの裸の自由競争には戻りません」。これがヨーロッパなのです。なぜヨーロッパがそういえるかというと、労働運動が強いからです。先進資本主義国なのになぜ労働運動が弱くならないのか。これはこれで時間をかけて考えなければならない問題なのですが──。

 現実の問題として強い。ヨーロッパだって大企業は社会保障を止めたいにきまっています。しかし止めると大騒ぎになります。労働者が絶対に言うことを聞きません。だからやむを得ず守っているのです。企業負担もうんと高いです。日本の会社の倍以上払っています。ですからトヨタ自動車もフランスに、フランス・トヨタを作っていますけど、日本トヨタの倍以上払っています。それでも儲かっているのです。

 ですから、ヨーロッパでも、社会保障は少しずつ悪くなってきてはいますが、日本に比べれば遥かに違います。このようにして、ヨーロッパはアメリカと別の道を進み始めました。アメリカは剥き出しの資本主義に戻りますが、ヨーロッパは修正資本主義のままでいこうとしています。

 しかし、それでは競争で負けます。アメリカや日本は企業の社会保障負担がうんと減っていますから、利潤が増えています。ヨーロッパは高い社会保障負担でやっていますから、儲けが少ないのです。そこで競争しなくてすむようにEUいうものを作って、枠を閉ざしちゃいました。アメリカや日本の会社がヨーロッパに来るときは、ヨーロッパ並みの負担をしなければ、EUには入れません。だからEUの中でやっている時には、日本にもアメリカにも負ける心配はないのです。

 そういう仕組みを作って、アメリカとは別の道を進み始めました。そのためにユーロという別のお金も作りました。イラク戦争で表面に出てきたのですが、イラク戦争がなくても、ヨーロッパはアメリカとは別の道を進み出していました。もう2度とアメリカとは一緒にならないでしょう。

《規制緩和とグローバリゼーション - 構造改革の中身(2)》

 もう一つ、ソ連、東ドイツ崩壊の結果、アメリカが大きく変化したことがあります。それは何かというと、大企業・大資本を野放しにしたことです。

 ソ連がいる間は、大企業や大資本に、「あなた達は資本主義なんだから儲けたい放題儲けたいだろうけど、それをがまんしてください。あなたたちがやりたい放題にやったら、他の資本主義国はみんな負けてつぶれてしまう。アメリカの資本と競争できるような資本などどこにもありませんから。そうなれば、ソ連の方がましだということになる。だから、やりたい放題は抑えてほしい」と言ってその活動を制限してきました。

 具体的に何を抑えたかというと、為替取引を規制したのです。これが一番大きな規制です。いまではもう、中央郵便局へ行って「ドル下さい」といえば、すぐドルをくれます。「100ドル下さい」といえば「ハイこれ1万2千円」。ユーロでも、「下さい」といえば「100ユーロ・ハイ1万4千円」とすぐくれます。でもこれはごく最近のことです。それまでは、外貨・外国のお金は、日本では勝手に手に入りませんでした。お金を外国のお金と取り替える、つまり為替取引は厳重に規制されていて、個人が勝手にはできなませんでした。外国旅行に行くとか、何か特別な理由が認められた時しか、外国のお金は手に入りません。

いまは何も制限ありません。自由にだれでもいつでもできます。理由など聞きませんから、100ユーロとか千ドルくださいと言えば、そのままくれます。これが為替取引の自由化というものです。これがなかったのです。ソ連が崩壊するまでは、アメリカも厳重に規制していました。それをとっぱらったのです。理屈っぽく言えば、資本の国際移動が自由にできるようになったということです。こうして、アメリカの巨大な金融資本が、世界中を我が物顔にのし歩く時代が来るのです。

 もうソ連も東ドイツもなくなったのですから、「いや永いことお待たせしました。今日からもう儲けたい放題儲けていいですよ。やりたい放題やっていいですよ」ということになったのです。これが規制緩和とことです。規制緩和ということは要するに、大資本が野放しになったということです。そうなったらどうなるか、世界第2の経済大国といわれる日本でさえ、全然太刀打ちできません。アメリカの巨大資本、金融資本・銀行ですね。日本の銀行とは勝負になりません。ボブサップと私が裸で殴り合ぅようなもので、一コロで殺されてしまいます。

 それでもやれというなら、ボブサプは手と足を縛ってもらって、目隠ししてもらって、こちらは金槌でも持たしてもらって、それでやっと勝負になるのです。今まではそうだったのです。それを全部外して自由にする、無条件で自由競争にするというのです。負けないためには、相手に負けない位大きくなるしかないですから、合併、合併、合併。あっという間に30ほどあった都市銀行が3つになってしまったのです。UFJとか「みずほ」とか、元何銀行だったか覚えておられる方おられますか。すぐ言えたら賞金をさし上げてもよろしいのですが、まず、言える方おられないでしょう。合併、合併であっという間に3つになりました。3つにになってやっとなんとか対抗できるというくらいにアメリカの巨大銀行というのは大きいものなのです。それでもダメで、長銀はのっとられてしまいました。北海道拓殖銀行も山一証券ものっとられてしまいました。次々とのっとられています。

 ついこの間は青森県の古牧という温泉がのっとられまし。広くていい温泉なんですけど、驚いたことにゴールドマンサックスでした。世界最大のアメリカの金融投資会社、ハゲタカファンドの代表のようなものです。これがどうして古牧温泉なのかと思ったのですが、テレビで放送していました。古牧だけではありません。他に28ケ所、超有名温泉みんな買い占めちゃったのです、ゴールドマンサックスが。

どうするかというと、従業員みんな首切っちゃってパートにして、腕利きのマネージャーを送り込み、部屋をヨーロッパ、アメリカ向きに整備しなおして、欧米からの観光客をワーツと呼ぼうという作戦なんですね。儲かるようにして高く売るのです。ゴールドマンサックスが経営するのではありません。いま赤字の会社を買い取って、儲かるように造り直してすぐに売っちゃうのです。これが投資銀行のやっていることです。確かに、いわれてみればそのとおりで、日本の温泉ほどいいものはありません。知らないだけで、こんないいものは世界中どこにもありません。だから日本の温泉の良さが分かったら、おそらくヨーロッパ、アメリカからごっそり観光客が来ると思います。そこにゴールドマンサックスが目をつけたのですね。そして近代経営やって外国人が来て楽しめるような設備に変えて、世界中にジャパニーズスパーなんていって売り出す気なのですね。ですから、そのうち皆さんも温泉にいらっしやるとみんな英語で案内され、アメリカのお湯の中に入ることになってしまいます。

 アッという間に日本はアメリカ資本に乗っ取られようとしています。去年のホリエモン合併もそうです。今年から商法改正(改悪)して、乗っ取りを認めるということになったのです。株の等価交換、面倒な仕組みですから詳しいことは申し上げませんが、アメリカ株1億ドル分と日本の株1億ドル分を、等価父換していい、こういっているんです。ところが、アメリカの株の値段が高いのです。ですから1億ドルといっても、株の数からすると、例えば千株位しかない。日本は株が安いですから、同じ1億ドルで1万株位あるのですね。そうすると、千株と1万株で取り替えますから、あっという間にアメリカは大株主になってしまう。この等価父換を認めると、日本の大企業全部乗っ取られてしまう。

 そこで、日本の優良企業が狙われています。超優良企業を株式等価交換で、簡単にアメリカが乗っ取ることができる。今年からそれが可能になるはずだったです。それで去年、実験をやったのですね。ホリエモンにやらせてみたのです。ホリエモンはアメリカのリーマン・ブラザースから借りてやったのです。で、出来そうだなと分かったので、アメリカはお金を引き上げてしまいました。ホリエモンに乗っ取られては困る、いずれ自分が乗っ取るのですからネ。最後の段階で資金引き上げましたたから、ホリエモン降りる外なかった、多分そういう仕組みだったのではないかと思います。

 今年から自由に、日本中の会社をアメリカが乗っ取れるはずだったのですが、あのホリエモン騒動のおかげで日本の大企業が震え上がり、政府に泣きついて、「なんとか商法改正を見送ってくれ」と。それで見送りになりました。ですから、ちょっと一息ついているのです。今年すぐ、乗っ取られるというわけではありません。でも、いつまでも見送りというわけにはいかないでしょう。2・3年後には解禁。そうなれば、日本はほぼアメリカ資本に支配される、ということになるでしょう。

 日本ですらそうなのですから、まして、フィリピンとかタイとかいう国はたまったものではありません。あっという間に乗っ取られてしまいます。アメリカに勝手に経済的属国にされてしまう。それに対して、いやそんなの困るから、アメリカ資本が自分の国の株を買うことを法律で禁止する、というようなことをやろうとすると、アメリカはそれを認めないのです。グローバリゼーションだから地球はは「一つ」だというのです。いくら規制緩和しても相手国が法律で規制してしまったら終わりです。ですから、自分の国だけ勝手に現制することは認めません、地球はひとつですよ、グローバリゼーションですよ、ときます。フメリカの大資本が地球上のどこの国でもアメリカ国内と同じ条件で商売できるようにする、これがグローバリゼーションです。いやだと断ると制裁を加えられます。

 クリントン大統領の時は経済的制裁だけですんだのですが、ブッシュになってから、軍事的制裁になりました。いうことを聞かないと軍事制裁だぞという、これがネオコンという人たちの主張です。イラクを見ればみな震え上がるでしょう。ですから、アメリカの言いなりにグローバリゼーションで国内マーケットを開放して、アメリカ資本に全部乗っ取られてしまう、というのがいま着々と進行しているのです。

《アメリカの孤立》

 そこでどうなったかというと、ヨーロッパと同じように、「そんなの困る。自分の国の経済の独立は自分たちで守りたい」という人たちが手を繋いで、「アメリカに支配され引きずり回されないように、防波堤を作ろう」という動きが始まりました。だいたい5・6年前からです。アセアン(ASEAN東南アジア諸国連合)の動きが始まりました。5つの国です。インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン。元来はアメリカが造らせた組織だったのですが、いつのまにか自主独立を目指す組織に成長しました。

 手を繋ぎ、アメリカに引きずり回されないように、アメリカの資本が勝手に入ってこないように、自分たちの経済は自分たちでやりましょう、と。ところが、ASEANが束になったってアメリカにはとてもかないません。そこで、知恵者がいました。アセアンだけではかなわないので、中国と手を繋いだのです。「アセアン、プラス中国で、アジアマーケットを作り、アメリカにかき回されないようにしよう」しようというのです。確かに、中国が入ったらアメリカはうかつに手が出せません。しかし中国だけ入れると、反米色があまりにも露骨ですから、「アセアン、プラス・スリーでいきましょう。アセアン+日本+韓国+中国、でいきましょう」ということになります。日本はアメリカの51番目の州だといわれているのですから、日本が入れば、アメリカも安心します。

 EUのように、アセアン+スリーで、自分たちの経済は自分たちでやれるように、アメリカに引きずり回されないような自立したアジアマーケットを形成することが目標です

 ただひとつ、日本が具合が悪いのです。日本はそのスリーに入っているのですが、(アセアンの会議に)行く度に「アメリカも入れろ、アメリカも入れろ」というのです。アセアン諸国はアメリカから自立するために作っているのですから、「アメリカを入れろ」といわれたんじゃあ困るので、結局日本は棚上げになってしまいます。実際にはアセアン+中国で、経済交流が進んでいます。いずれ2010年には、東アジア共同体・EACというものを立ち上げる、という動きになっています。

 そうなってくると韓国が困りました。日本・アメリカ側につくのか、中国・アセアン側につくのかで、2・3年前から中国側に大きく傾いています。留学生の数を見ると分かります。中国の北京大学には世界中の留学生が集まります。21世紀は中国と商売しなければメシが食えなくなることが分かっていますから、将釆、中国語がしゃべれる人が自国のリーダーになり、中国の指導者に友達がいないと困ります。それには北京大学に留学するのが一番いいのです。あそこはエリート養成学校です。この前行った時聞いてみたのですが、入学試験競争率5千倍だそうです。超難関です。大学の構内を歩いて見たのですが、広い敷地に6階建てのアパートが36棟ぐらい建っていて、みな学生寮です。全寮制。そばに教職員住宅があって、朝から晩まで共に暮らしながら勉強しています。授業は朝7時からです。ものすごく勤勉に勉強しています。

35年間私は大学の教員でしたが、愛すべき怠け者の学生諸君を教えてきたわが身としては、「あ、これはかなわないなァ、20年もしたら──」と思いました。向こうは国の総力を上げて次の時代の指導者を養成しているのです。日本はもう全然、ニートとかフリーターとかいって、若者の気迫がまるでレベルが違います。これは置いていかれるな、という気持ちになりました。このように世界中の国が、いま一流の学生を北京大学に送り込んでいるのですが、去年、北京大学留学生の中で一番数が多いのが韓国なのです。

 おととしまで韓国の学生は殆どアメリカヘ行っていました。去年あたりから中国へ変わったようです。つまり韓国は、21世紀の自国は、アメリカ・日本ではなく、中国・アセアンと組むことで繁栄を図りたい、と向きを変えたということです。

 それに拍車をかけたのが小泉首相の靖国参拝。これで韓国は怒っちゃってあちらを向いた。そうなると、アセアン、中国、韓国と繋がって、日本だけはずされてしまった、という状況がいま生まれつつあります。

 さらに中国は、数年前からいま、「ふりん政策」を国の方針としています。フリンといっても男女の不倫ではありません。富、隣。隣の国を富ます、隣の国を豊かにする──富隣政策です。隣の国と仲良くする。中国だけ儲けたのでは相手に恨まれてしまいます。英語では「ウィン、ウィン」(win-win)というようです。どっちも勝つ、中国も儲けるけど相手も儲けるような関係を必ず作っておく、ということが基本政策です。

 つまりアメリカは、やっとソ連を倒したと思ったら、今度は中国が出てきたのですから、中国を目の敵にしているのは当然です。中国にすれば、アメリカにやられないためには、単独では対抗できませんから、周りの国と手をつなぐ、ということです。

 アメリカは修正資本主義を止めて自由競争の資本主義に戻りました。その結果大企業・大資本は野放しになりました。そのためにアジアにそっぽを向かれることになりました。アメリカにはついていけない。アメリカに勝手にされては困る。もちろんアメリカと喧嘩をしては駄目ですが、自分の国は自分の国でやれるようにしなければならない──、というふうに変わったのです。

 そして最後に、3年前から南米が変わりました。ようやく日本でも報道されるようになりましたからご存じと思います。ただ日本のマスコミはちょっとしか書きませんから、気づいておられない方もおありかと思います。南米がものすごい勢いでアメリカ離れを始めたのです。

 今まで200年、南米はアメリカの裏庭といわれていました。アメリカはやりたい放題やっていました。チリは世界一の銅の産出国ですが、このチリの銅はすべて、アナコンダというアメリカの銅会社が一手で採掘していました。だからいくら掘ってもチリは豊かにならない。アメリカのアナコンダだけが儲かるのです。

 ブラジルは世界一の鉄の産地です。これもみな掘っているのは欧米の会社で、いくら掘ってもブラジルは豊かにならない。ベネズエラは世界第五位の産油国です。これもみなアメリカの石油資本が持っていく。

 こういう国はこれまで軍事****政権でした。政治家は、 自分の国の資源をアメリカに売り渡し、自国の国民の反発は力で抑えつけ、莫大なリベートを貰って自分たちだけベラボウな贅沢をしてきました。これがアメリカと南米のパターンだったのです。

 それが、3年ほど前から、「おかしいではないか。やっぱりベネズエラの石油はベネズエラ人のものだ。石油を掘ったら、ベネズエラが豊かにならないとおかしいではないか。いくら掘ってもアメリカだけ儲けるのはおかしい。石油をアメリカの石油会社から取り上げて、ベネズエラで掘ることにしよう。国有化しよう」というような政策を訴える大統領が、当選するようになりまし。この3年間で、南アメリカは80%が、このような自主独立派の大統領になりました。アメリカ資本に任せず、自国の経済は自分でやろうという政策を掲げた大統領が、次々と当選したのです。
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2023/08/27 (Sun) 08:36:17

いまでは、南アメリカでアリカの言いなりというのは、多分コロンビアしかないと思います。あとは殆どみな、自分の国は自分でやりましょというふうに変わってきました。ベネズエラのウゴ・チャベスという人がそのチャンピオンです。ご存じですね、時の人です。アメリカはそのチャベスの当選を必死になって妨害したのですが、結局ダメでした。チャベスが圧倒的多数で選出されました。その彼の言い分がふるっているのです。

 「失礼にならないようにアメリカから遠ざかりましょう」というのです。いきなり遠ざかったのではゴツンとやられますから、アメリカを怒らせないように、喧嘩しないように、少しずつ「小笠原流」で遠ざかって自主独立に向かいましょうというのです。

 これがいま世界の合言葉です。「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる。」日本もそうしなければいけない、と私は思っているのですが。絶対にやりません。

 こうやってアメリカは、ソ連や東ドイツがなくなってから、修正資本主義をやめて、いまの言葉でいえば「新自由主義」という仕組みに代わりました。日本はそれに右ならえしたのです。いま申し上げたように、このアメリカの新自由主義経済に無条件で追随しているのは、日本しかありません。あとはみな、「失礼にならないように」距離をおきました。

日本だけが無条件でついていきました。だから「ポチ」だといわれるのですネ、確かにポチと言われてもしょうがないほど、無条件でついていきます。それは恥ずかしいことですが、日本が追随していく。これが構造改革なのです。修正資本主義経済から新自由主義経済に変わるということです。簡単にいえば、弱い人の面倒を政府が見るような仕組みから、もう弱い人の面倒は見ませんという仕組みに、変わっていく──。これが構造改革です。

 だから、社会保障はどんどん悪くなる。自由競争で勝ち組と負け組がある。中には1千万ぐらいのマンション買って落ち着いているのもいる。片方には、国民健康保険料さえ払えなくて医者にも行けない。そういう人がもう全国で膨大な人数出てきている。まさに格差社会です。

 どんどんその格差が広がっています。金持ちからお金を取って弱い人の面倒を見る、というのが修正資本主義なのですが、それを止めてしまいました。野放しなのです。強い人はますます強くなり、弱いものは負けたら自己責任なんですよ。こういう仕組みにいま変わったのですね。

 それがいいか悪いか、止むを得ないのかどうかは、いろいろな立場によって考えが違うのですが、事実はそうなったのです。

 しかしヨーロッパは別の道をとっています。このように別の道もありうるというのも事実なのです。ヨーロッパのように社会保障を止めない資本主義もあり得るのです。

 日本の場合、アメリカほど徹底していませんが、流れとしては「政府はもう弱い人の面倒は見ません」、という方向に大きく動いています。


《憲法改悪の要求》

 こうして、アメリカは新自由主義経済で自国の企業を野放しにして、それを世界中に押しつけようとしたのですが、意外に抵抗が大きかった。ヨーロッパはいうことを聞かない。アジアも聞かない、南米も聞かない。これでは困るので力づくで押しつける。こういうことになるのですね。力づくで押しつける時に、最大の目標・ターゲットはもちろん中国です。やっとソ連を倒して、21世紀はアメリカが王様になれると思ったら、中国が巨大な国になってきて、アレリカの前に立ふさがっいます。このままではアメリカは王様ではいられません。中国を抑え込むことが21世紀へ向けてのアメリカの最大の長期的課題になっています。しかし戦争はできません。中国と戦争したのでは共倒れになります。唯一の道はエネルギーを抑えることです。

 ネオコンという人たちの書いた文章を読むと、非常にはっきり書いてあります。21世紀にアメリカが世界の支配権を握るには、中近東の石油を抑えなければならないというのです。中国は石油の自給ができません。どんどん石油を輸入していますが、殆どいま中近東から輸入しています。アメリカが中近東の石油を抑えれば、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなる。当然でしょうね。

 世界一の産油国サウジ・アラビアはすでにアメリカ側の国です。そこで第二の産油国であるイラクをアメリカは分捕りたいのですが、その理由がありません。そこでアメリカは「大量破壊兵器、テロ応援」という嘘をつきました。プッシュ大統領も、ついにウソであったことを認めました。

 ではなぜイラク戦争をやったのか。本当の理由はまだ公表されていません。しかしネオコンという人たちの文章を読むと、明らかに「石油を抑える。抑えてしまえば中国は言うことを聞かざるをえない」。ここに本当の理由があったことは明白です。そうだとすれば、恐ろしい話ですが、(次に)絶対にイランが狙われます。

 世界第1の産油国サウジアラビアは、昔からアメリカの同盟国です。第2位のイラクは抑えてしまいました。そしてイランは第3位の産油国です。ここを放っておいたのでは意味がないのです。中国はいくらでもイランから石油の輸入ができます。どうしてもイランまで抑えなければならないというのは、アメリカでは、いわば常識です。どんな新聞雑誌でも次はイランだということが堂々と語られています。

 ライス国務長官も3日前、「今イランに対するは軍事力行使の予定はない」と言っていました。「今は」です。イランは核開発やっているというのが理由です。たしかに妙な国ですが、しかし別に悪い国ではありません。あのあたりでは1番民主的な国です。曲がりなりにも選挙で大統領を選んでいますから。女性はみな顔を出していますし、大学へもいっています。イランは近代化した国なのです。サウジアラビアなどの国に比べたら、ずっと民主的な近代国家です。イスラム教のお妨さんが、選挙で選ばれた大統領より偉い、というのだけが変ですが、全員がイスラムですから、他国がとやかく言うことではないです。

 ですから、イランが悪魔の国というのは嘘なのです。イラクがそういわれたのも同じで、要するに悪魔の国と誤解させて、戦争しかけてもやむを得ないと思わせるための宣伝が行われているのです。

 イランはイランで、自分で自分他ちの国を近代化していけばいいのであって、核兵器持つなといっても、隣のパキスタンもインドも持っているのです。こちらのイスラエルもです。イランだけ持つなといっても、聞くわけありません。イランに持たせたくないのなら、「俺も止めるからあんたも」と言わなければなりません。「俺は持っている。お前だけ止めろ」と言ったってイランが聞くわけありません。そんな理屈が通るはずがないのです。実に馬鹿な理屈です。

本当にイラクに核開発をやめさせたいのなら、イギリスもフランスもアメリカも 「先ず自分が止める、だからお前も止めろ」と言うしかありません。お前だけ持つなと言って、聞くと思う方がどうかしています。核開発は現在の大国の論理では抑えられません。イランに言わせれば、「イラクがなぜあんなに簡単に戦争しかけられたかといえば、核兵器を持っていなかったからだ。持っていたら恐ろしくてとても戦争なんか仕掛けられない」ということになります。だからイランはいま核開発を急いでいるのです。核兵器を持たないとアメリカに攻められるから。そう思い込んでいるのです。

 そう思わせるようなことをアメリカはやってきたのですから、イランに核兵器開発を止めさせるためには、イラクから撤収して、中東の平和は中東に任せる、という姿勢を示すしかありません。自分がイラクを分捕って居座ったままで、イスラエルやパキスタンやインドの核兵器には文句をいわずイランにだけ、というのは通じない理屈です。実にゆがんだ国際常識というものが罷り通っている、と思います。

 もしアメリカがイランまで分捕ってしまえば、サウジアラビア、イラン、イラクと合わせて、世界の石油の70%ぐらいになるはずですから、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなります。だからつぎはイランだというのが、ネオコンの論理です。

 ただ問題は、イランに戦争を仕掛けるとしても単独ではできなません。兵隊がたりない。徴兵制ではなく志願兵制度ですから。いま、ありったけの兵隊さんがイラクに行っています。あれ以上いないのです。だからハリケーンが来ても出せなかったのですね。そうすると、イランに出す兵隊なんていないのです。そこで、アメリカの右翼新聞の社説など、堂々と書いています。「イラクにいるアメリカ軍でイランを乗っ取れ。カラッポになったイラクの治安維持は、日本にやらせろ」と。
 アメリカの論理から言えばそうなるのでしょう。自衛隊にイラクの治安維持をといいますが、実際は内乱状態ですから、今も毎日アメリカ兵は毎日5人位殺されています。そんなこと引き受けたら、自衛隊員何人死ぬか分かりません。第一そんなことは、憲法9条があるかぎりできないのです、絶対に。憲法があるおかげで、自衛隊はイラクにいますけれども、ピストル1発撃つことができないのです。憲法9条第2項というのがあるのです。自衛隊は戦力ではない・交戦権はないとなっていますから、不可能なのです。だから給水設備備を作るとか、学校修理とか、そういうことしか出来ません。これじゃあアメリカから見れば役に立たないのです。


《平和憲法こそ 日本生存の大前提》

 そこで、「9条2項を変えて、戦争ができる自衛隊になってくれ」というのがアメリカの強い要求なのです。みんな分かっています。言わないだけです。日本の新聞記者も知っています。しかし、「9条変えろ」がアメリカからの圧力、と書くと首になるから書かないだけです。でも誰も知っています。アメリカのに戦争に参加しなさい、という強い圧力がかかっているのです。

 ここのところをよく見極めておくことが必要です、「9条を守る」ということは、「アメリカの言いなりにならぬ」ということと一つ、なのです。

 アメリカと喧嘩しては駄目ですから、「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる」のが何よりも大切です。仲良くするけれども言いなりにはならない、ということです。ところが、憲法が危ないという、この危機的な状況にもかかわらず、国内で労働運動が弱体化していますから、ストライキも起きない。大きなデモも起きない。大反対運動も起きない──。という状況です。

 ではもう駄目なのでしょうか。そうではないと思います。それには日本の国内だけではなく、世界に目を向ける、アジアに目を向けるこちとが必要のです。ご存じのように、これからの日本は、中国と商売せずには、生きていけなくなりま。いま、大企業だけですけど、多少景気がよくなってきています。全部中国への輸出で持ち直したのです。中国マーケットがなくなったら日本経済はおしまいだ、ということは誰も分かってきています。

 お手元の資料の中の(貿易額の)丸い円グラフは、2003年のもので少し古いのですが、アメリカ20.5%、アジア全体で44.7%、つまり日本にとって一番大事な商売の相手は、アメリカではなくてアジアなのです。

 アジアと仲良くしなかったら、経済が成り立たないところへ、いま既にさしかかっているのです。左隣の棒グラフは2004年ですが、左上から右に折れ線がずうっと下がってくる。これが日本とアメリカの貿易です。点線で右へずうっと上がっていくのが中国との貿易。遂に去年(2つの折れ線が)交差し、中国との貿易の方がアメリカとの貿易額より多くなりました。しかも鋏状に交差していますから、今後この2つは開く一方になってきています。

 つまり、あと2・3年もすれば、日本は中国との商売なしには生きていけない、ということが国民の常識になるということです。いま既に、中国を含めたアジアが、日本の一番大事なお客さんなんです。仲良くしなければいけません。一番大切なお客さんの横っ面ひっぱたいたんじゃ商売は成り立ちません。

 靖国参拝などというものは、一番大事なお客さんの横面ひっぱたくと同じことなのですから、個人の信念とは別の問題です。小泉首相は総理大臣なのですから、個人の心情とは別に日本の国全体の利益を考えて行動しなければいけません。それは総理大臣の責任だと思います。その意味でアジアと仲良ぐできるような振舞いをしてもらわなければ困るのです。

 もう一つ。アメリカとの商売はこれからどんどん縮小していきます。それは、ドルというものの値打ちがどんどん下がっていくからです。これはもう避けられません。

 昔はドルは純金だったのです。1971年まで、35ドルで純金1オンスと取り換えてくれました。だからドルは紙屑ではありませんでした。本当の金だったのです。

 われわれのお札はみな紙屑です。1万円なんて新しくて随分きれいになりましたけど、綺麗にしただけちょっとお金がかかって、印刷費に1枚27円とかかかると聞きました。27円の紙がなぜ1万円なのか。これは手品みたいなものです。あれが5枚もあるとなかなか気が大きくなるのですが、本当は135円しかないのです。それが5万円になるのは、法律で決めているのです。日銀法という法律で、こういう模様のこういう紙質のこういう紙切れは1万円、と決められている。だから、あれを1万円で受け取らないと刑務所に入れられます。法律で決まっているからです。ですから日本の法律の及ぶ範囲でだけ、あれは1万円なのです。その外へ出ると27円に戻ってしまいます。

 金と取り換わらないお札というのは、簡単にいえばその国の中でしか通用しません。他の国へ行ったら、その国の紙屑と取り換えなければ通用しません。ところが、ドルだけは世界で通用しました。純金だからです。

 ところが、1971年にアメリカはドルを金と取り換える能力を失いました。ベトナム戦争という馬鹿な戦争をやって莫大な軍事費を使ったのです。背に腹は代えられなくてお札を印刷し、航空母艦を造ったりミサイル、ジェット機を作ったりしたのです。そのために、手持ちの金より沢山のお札を印刷しちゃったのです。

 その結果、アメリカは、ドルを金と取り換える能力を失ったのです。そこで、71年8月15日、ニクソン声明が出されました。「金、ドル交換停止声明」です。あの瞬間にドルも紙屑になったのです。ドルが紙屑になったということは、ドルがアメリカの国内通貨になったということです。

 ところが、問題はそれ以後なのです。世界で相変わらずドルが適用したのです。皆さんも海外旅行へ行かれる時は、大体ドルを持って行かれますね。どこの国へ行っても大丈夫なのです。金と取り換えられないお札が何故世界で適用するかは本当に不思議で、経済学者にとって最大の難問なのです。いろんな人がいろんな答を言っていますけど、あらゆる答に共通しているのは、ひとつは「アメリカの力の反映」だから、ということです。

 つまり、日本が自動車を作ってアメリカヘ売ります、ドルを貰いますネ。日本は損をしているのです。自動車という貴重なな物質がアメリカへ行って、紙屑が返ってくるのですから。物が減ってお札だけ増えると必ずバブルになります。

 バブルの犯人はそこにあるのです。日本が輸出し過ぎて貿易黒字を作り過ぎているのです。だから日本は、アメリカに自動車を売ったら、「純金で払ってください」と言わなければなりません。ところがそう言うと、ジロッと睨まれてお預けになってしまいます。日本には米軍が5万人います。「アメリカのドルを受け取らないとは、そんな失礼なこと言うなら、在日米軍クーデター起こしますよ」、これで終わりなのです。黙って受け取ってしまう。だから日本は無限に物を提供し、無限に紙屑をもらう。こうしていくら働いても日本人の生活はよくならないのです。しかもその紙屑でアメリカの国債を買っています。アメリカに物を売って、払ってもらった代金をアメリカに貸している。言ってみればツケで輸出しているようなものです、現実に。アメリカにいくら輸出しても日本は豊かにならない仕組みになつています。

 2週間前に『黒字貿易亡国論』という本が出ました。有名な格付け会社の社長さんですが、「貿易黒字を作るから日本は駄目なのだ」、ということを詳しく論じたたいへん面白い(文芸春秋社の)本です。確かにそうだと思います。だからドルは、本当は受取りたくないのです。みんな紙屑なんです。だけど受け取らないと睨まれる。アメリカの軍事力が背景にあるのです。

 その力をバックにして、紙切れのお札を世界に通用させている。例えていえば──餓鬼大将が画用紙に絵をかき1万円と書いて鋏で切り、これ1万円だからお前のファミコンよこせ、とこれを取り上げる──のと同じです。いやだと言ったらぶん殴るのです。怖いから黙って渡して紙屑もらうことになります。その紙屑で、他の人から取り上げればよいのです。「お前のバイクよこせ、よこさなかったらいいつける」。「あの人、あんたの紙屑受け取らない」、するとガキ大将が釆て、ゴツンとやってくれる──。餓鬼大将の力の及ぶ範囲ではそれが通用するのです。

露骨にいえば、ドルがいま世界に適用しているのは、そういう仕組みが一つあります。

 もう一つは、ソ連の存在です。もし紙屑だからアメリカのドルを受け取らないといったら、アメリカ経済は潰れます。アメリカが潰れたらソ連が喜ぶ。だから紙屑と分かっていても受け取ってきた。ソ連に勝たれては困るから──。

 これも確かに一理あります。ということは、ソ連がいなくなって、紙屑は紙屑だということがはっきりしてきたのです。今まではソ連がいるために、紙屑なのに金のように適用したが、今や「王様は裸だ」というのと同じで、「ドルは紙屑だ」といっても構わない時代です。

 ともかくドルが危ないのです。私が言ってもなかなか信用してもらえませんが、経済誌『エコノミスト』、一流企業のサラリーマンなら必ず読んでいる雑誌すが、これの去年9月号が中国“元”の特集でした。その真ん中へんに「プラザ合意20年」という対談がありました。その中で、榊原英資さんは「5年以内にドル暴落」と言っています。

 榊原さんは大蔵省の元高級官僚で日米為替交渉の責任者を10年やりました。円・ドル問題の最高責任者だった人です。「ミスター円」といわれていました。通貨問題に最も詳しい現場の責任者です。停年で大蔵省をやめて今は慶應大学の先生になっています。この人が「5年以内にドルが暴落する」、つまりドルが紙屑だということが明らかになる日が近いと言っているのです。

 ソ連がいる間は隠されていたのですが、いまはもう、ドルは紙屑だから受取りたくないという人たちが増えてきています。これまでは世界通貨はドルしかなかったので、受け取らなければ商売ができなかったのですが、今ではユーロという代わりが出来てしまいました。ドルでなくてユーロで取引する国が増えてきています。そしてユーロの方が下がりにくい仕組みになっています。ドルは下がるのです。

 なにしろアメリカは、永いことドルが世界通貨ということに慣れてきました。だから自動車が欲しければ日本から自動車買って、アメリカは輪転機を回せばよいのです。紙とインクがあればいいのですから。ほかの国はこんなことできません。自動車が欲しければ、一生懸命働いて何か輸出し、その代金で輸入しなければならないのです。アメリカ以外の国は全部そうやっているのです。

 輸入は輸出と一緒です。輸入するためには輸出しなければなりません。ところがアメリカだけは輸出しないで輸入ができるのです。ドルという紙切れが世界通貨ですから。極端に言えば、欲しい自動車や石油を日本やアフリカなどから買って、紙とインクで支払う。実際そうして世界の富がアメリカに集まったわけです。

 71年以降の30年間、この仕組みのために、世界中にドルが溢れ出ました。ドルがどんどん増えますから、当然値打が下がります。こうしてドル下落傾向。(資料の一番下のグラフがそうです。円が上がっていく様子、為替取引だから短期的には上下しますが、長期的には間違いなく円高。ドルがドンドン下がるのは確かです。)これがあるところまでいくと、ガクッと下がります。

 あるところまでいくと、「ドルは信用できない、下がる通貨は持っていたくない」となります。ですからドルを受け取らない、ユーロか何か、別な、下落しない通貨でなければ受け取らないということが出てくる。そうなるとドルは暴落します──。榊原氏がそういっているのです。

 ヨーロッパはユーロでいくでしょう。アジア経済圏はなんといったって元です、中国の。中国は賢いですから、元を押しつけないで、何かアジアの新しい通貨を作るかもしれません。しかし元が中心になることは間違いないでしょう。ドルはアメリカでしか使われなくなる。そうすると、今まで全世界で使われていたドルが、みんなアメリカに集まって来るわけですから、アジア、ヨーロッパで使われいていたドルがみな戻ってきて、簡単にいえばドルの値打が3分の1に下がることになります。

 アメリカの生活は大きく収縮します。一家で3台自動車持っていた家は1台に。1台持っていた家は止めなくればならなくなる、ということです。

 アメリカ経済の収縮。これは大変恐ろしい話なのです。世界経済が大きく収縮し、日本経済は大きな打撃を受けます。しかし避けられない動きなのです。いつのことか分からないが、そう遠くない将来にドルの信用がドンと落ちていく。結果として日本がアメリカにだけ頼っていたら、大変なことになります。

 いまのうちに、アメリカに輸出してドルをもらったらユーロに代えておいた方がいい。ユーロの方は下がらないからです。EUという所は、国家財政が赤字だと加盟できないことになっています。赤字だと穴埋めにお札を出すので乱発ということになって下がるのです。だからユーロは一応下がらない仕組みになっています。乱発できないようになっているのです。ドルは短期的に持つのはかまわないが、3年、4年と長期的に持っていると下がってしまいます。それならユーロにしておいた方がいいとか、これから生まれるかもしれないアジア通貨にしておいた方がよいとかいうことになります。世界の大企業や国家が、決済のために多額のドルを持っていますが、これがユーロに切り替えられるとなると、ドルはもう世界通貨ではなくなります。

 そうなると、アメリカだけに依存している国は、大変苦しくなります。21世紀の日本を考えた時、アメリカと仲良くするのは大切ですが、しかしアメリカ一辺倒では駄目な時代になっているのです。アジアと仲良くしなければいけません。

 しかしアジアと仲良くするのには、無条件ではできません。なぜなら、60年前、アジアに戦争を仕掛けて大変な迷惑をかけた。その後始末がちゃんとできていないのです。仲良くするするためには、60年前のマイナスを埋めるところから始めなければいけません。別に難しいことではないのです。「あの時はごめんなさい。2度とやりませんから、勘弁してください」。これで済むわけです。

 問題は、「2度とやりません」が、信用してもらえるかどうかです。信用してもらうための最大の決め手が「憲法第9条」です。憲法9条第1項、第2項がある限り、日本は2度と戦争はできません。イラクの状態を見ても、自衛隊は鉄砲一発撃てない。(世界中)みんなが見ています。この憲法9条第1、第2項がある限り、日本は戦争はできません。だから安心して日本と付き合うのです。

 もし日本が憲法9条を変えて、もう1回戦争やりますということになったら、アジアの国々は日本を警戒して、日本との付き合いが薄くなってしまいます。いま既にそうなりつつあります。小泉首相は靖国に何度も行く。自民党は憲法9条を変えることを決め、改憲構想まで発表した。アジアの国々は用心します。「そういう国とは、あまり深入りしたくない」。

 小泉首相は「政冷、経熱」でいいじゃないか、といいます。政治は冷たくても経済では熱い関係というのでしょうが、そんなことはできません。中国と日本の経済関係はじわっと縮小しています。統計でもそれははっきり出ている。

 おととしまで中国の貿易のトップはアメリカでした。次が日本、3位はEU。これがひっくり返ってしまいました。去年はトップはEU、2位アメリカ、3位日本です。明らかに中国は日本との商売を少しずつ縮小させている。その分EUに振り替えています。

 去年5月、ショッキングなことがありました。北京・上海新幹線という大計画をEUに取られました。北京~上海って何キロあるのでしょう。日本の本州より長いのではないでしょうか。このとてつもない計画があって、去年、まだ予備調査の段階すが、日本は負けました。ドイツ、フランスの連合に取られました。予備調査で取られたということは、本工事は駄目ということです。中国にすれば、日本にやらせるのが一番便利なのです。近いですし、新幹線技術も進んでいます。まだ1度も大事故を起こしたことがありません。ドイツもフランスも、1回ずつ大事故を起こしたことがあります。技術からいっても資本からいっても、日本にやらせれば一番いいのに、日本が負けました。明らかに政治的意図が働いたと思われます。日本との関係を深くしたくない。いざという時、いつでも切れるようにしておく。いざというとき、切れないようでは困る。そういうことではないでしょうか。

 いまのままアメリカ一辺倒でいいのでしょうか。私は長島さんをよく思い出します。後楽園での引退試合の時、最後に「読売ジャイアンツは永久に不滅です」といったのです。永久に不滅どころか、去年のジャイアンツのサマといったらもう、見ていられない。アメリカもそうなるのではないでしょうか。小泉首相は「アメリカは永久に不滅です」と、いまもいっているのですが、そうではないのではないでしょうか。

 アメリカにさえ付いていれば、絶対大丈夫という時代は終わったのです。アメリカとも仲良くしなければいけませんが、しかしアジアとも仲良くしなければいけない、そういう時代がいま来ているのです。仲良くするのには、憲法9条を守ることが大前提です。これを止めてしまったら、アジアとは仲良くできません。

 憲法9条は、日本にとって“命綱”です。いままでは、憲法9条というと、「理想に過ぎない。現実は9条で飯食えないよ」という人が多く、中には鼻で笑う人もいました。しかしいまは逆です。9条でこそ食える。9条を変えたら、21世紀日本の経済は危ないのです。

 憲法9条を守ってこそ、この世紀の日本とアジアとの友好関係を守り、日本も安心して生きていけるのです。こういう世の中をつくる大前提が憲法9条です。憲法9条は美しいだけではなく、現実に儲かるものでもあります。そのことがやっと分かってきました。

 奥田経団連会長は、去年までは小泉首相を応援して靖国参拝も賛成だったのですが、そんなこといってたらトヨタは中国で売れなくなります。そこで今年の正月の挨拶でついに、「中国との関係を大事にしてほしい」と、向きが変わりました。
 財界が、中国と仲良くしなければ自分たちは商売ができない、となってくれば、日本の政治の向きも変わるだろうと思います。あと3年たてば多分、これは日本の国民の常識になってきます。中国と仲良くしないと経済が駄目になる。それは中国のいいなりになることではないのです。良くないことはきちんという。だけど敵にするのではなく、仲良くする。でなければ、日本の経済は成り立たない。これがみんなの常識になってくるでしょう。

 これまで60年、アメリカベったりだったから、アメリカから離れたら生きていけないと皆思ってきました。しかし現実の数字はそうでなくなっています。一番大事な経済の相手は、もうアメリカではなくアジアなのです。これに気づくのにあと2・3年かかるでしょう。これが世論になれば、もう、憲法を変えるなどということは、絶対にできません。

 しかし、この3年の間に、国民の世論がそのように変わる前に、憲法が変えられてしまったら、どうにもなりません。

 あと3年、必死の思いでがんばって、子供たちに平和な日本を残してやるのが、私たちの務めだと思います。そう思って、私も必死になってかけ回っています。あと3年ぐらいはまだ生きていけるだろうから、なんとしても3年間は9条を守るために全力をつくしたいと決心しています。

 ありがたいことに、9条を変えるには国民投票が必要です。国会で決めただけでは変えられません。国民投票で過半数をとらないと、憲9条は変えられないのです。逆にいえば、これによってこちらが憲法9条を守る署名を国民の過半数集めてしまえばいいことになります。住民の過半数の「9条を守る」署名を3年間で集めてしまう。そうすればもう、変えることは不可能になります。

 そうすれば、子供たちに憲法9条のある日本を残してやれます。2度とアジアと戦争する国にならないようにして、そしてもし長生きできれば、新自由主義という方向、つまりアメリカ言いなりではなく、もっと自主的な経済ができるように、せめてヨーロッパのような修正資本主義、ルールのある資本主義の仕組みにもう一度戻すこともできるでしょう。

 日本中で、飢えている人、因っている人、 貧しい人が、それでも人間らしく生きていけるような、最低限の保障ができる、生きる希望が出る──。そういう社会にすることが大切なのだ、と思います。これは長期的展望です。簡単にはできません。一度、新自由主義になってしまったので、10年位かかるでしょう。国民が賢くなって、正しい要求を政府につきつけていかなければいけません。その中心になる労働運動の再建が必要です。

 結局国民が主権者なんですから、国民の願いがかなうような、そういう日本に作り替えていきたいなと、そういう道を進んでいきたいなと思います。

 鋸南町は合併を拒否なさったというので、日本でも有数な自覚的な町といえます。合併するとまず住民自治がダメになります。大きくなるということは、住民自治が駄目になることでもあります。住民が主人公になる町こそ大切。ぜひこの美しい山と海と禄のある町で、1人1人が主人公であるような地域共同体というものを、みんなが助け合える町になることを私も希望して、講演を終わらせていただきます。
http://kyonannet.awa.or.jp/mikuni/siryo/2006/kawabata-kouen060114.htm
64:777 :

2023/08/29 (Tue) 12:59:34

2023.08.29XML
ロシア人を殺すためにウクライナ人を「総玉砕」させようとしている米英の富豪
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308290000/

 元CIA分析官のラリー・ジョンソンによると、軍情報部にいる彼の友人はアメリカ軍のトップはウクライナ軍が負けていることに気づいていないと語ったという。アメリカ/NATOには供給できる武器弾薬が底を突きつつあり、十分な軍事訓練を受けた兵士はほとんど残っていないのだが、武器弾薬を供給し、「総玉砕」させれば何とかなると考えているようだ。

 現在、ウクライナで繰り広げられている戦闘はバラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したところから始まる。そのヤヌコビッチ大統領を支持していた東部や南部の住民はクーデターを拒否、クリミアはロシアと一体化し、ドンバスでは内戦になるのだ。

 このクーデターをホワイトハウスで指揮していた人物は現アメリカ大統領のジョー・バイデンであり、ウクライナで指揮していたのが国務次官補だったビクトリア・ヌランド。そしてバイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていた人物がジェイク・サリバン。バイデンが大統領になった後、ヌランドは国務次官から副長官代理になり、サリバンは国家安全保障問題担当大統領補佐官だ。ウクライナが、つまりアメリカ/NATOがロシアに勝てないことをこの3名も認めようとしていないようだ。

 ヌランドはクーデターが本格化する直前の2013年12月13日、米国ウクライナ財団主催の会合に登場、アメリカは1991年からウクライナに対して50億ドル以上を投資したと語っている。ウクライナの利権を奪うため、それだけのことをしたというアピールだ。

 アピールしている相手は演壇に示されていた。アメリカの巨大石油会社、エクソンモービルとシェブロンの文字があったのだ。アメリカはエネルギー資源だけでなく耕作地、そして希少金属の利権を手に入れようと画策してきた。

 クーデターの後、ロシアからの支援を失ったウクライナの経済は破綻し、ウクライナ国債の価格は下落する。それを買い占めていたフランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買ったという。このファンドを操っているのはロスチャイルド家だ。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが「ハゲタカ・ファンド」のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 現在、欧米の金融資本はブラックロック、バンガード、ステート・ストリートをはじめとする「闇の銀行」が中心になっている。ウクライナの場合、西側から供給される兵器や「復興資金」の使い道についてアドバイスしているのがブラックロックだという。ブラックロックを率いるラリー・フィンクはウクライナとのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と関係が深い。そのほか、JPモルガンやゴールドマン・サックスともゼレンスキー政権は協力関係にある。

 金融利権ではロスチャイルド、石油利権ではロックフェラーの名前が頭に浮かぶかもしれないが、クーデターが始まる前年である2012年の5月にジェイコブ・ロスチャイルドとデイビッド・ロックフェラーは手を組んでいる。ジェイコブ・ロスチャイルドが率いる投資会社RITキャピタル・パートナーズがデイビッド・ロックフェラーのロックフェラー・ファイナンシャル・サービシズが発行している株式の37%を取得すると発表したのだ。

 WHO(世界保健機関)はデイビッド・ロックフェラーの命令で創設されたと言われている。デイビッドの祖父に当たるジョン・D・ロックフェラーがロックフェラー財閥の祖と言われているが、その父親であるウィリアム・エイブリ・ロックフェラーは興味深い人物だ。

 19世紀のアメリカにはインチキ薬の販売を生業とする人物がいたが、そのひとりがウィリアム・レビングストン。石油をベースにした「万能薬」を売っていた。本人は癌の専門家だと名乗り、その薬は癌にも効くと言っていた。その薬を1瓶25ドル、その当時における平均的な収入の2カ月分に相当する金額で売っていたという。

 偽薬だということがバレると客からリンチされるが、レビングストンはそうした目にあっていない。ところが1849年、少女をレイプしたとして起訴されている。そして男の本名が明らかになった。ウィリアム・エイブリ・ロックフェラーだ。起訴される10年前に生まれた息子がジョン・D・ロックフェラーにほかならない。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308290000/
65:777 :

2023/09/05 (Tue) 05:50:57

9/11 ニューヨーク世界貿易センター・ペンタゴン攻撃はネオコンがやった
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14147381




70年代に登場してから現在まで対ソ連/ロシア戦争を続けるネオコンの背景
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14047374

ロシアを滅ぼそうとしているジョージ・ソロスの正体
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14006933
66:777 :

2023/09/10 (Sun) 05:49:50

2023.09.10XML
ウクライナのNATO加盟に反対と発言したサルコジは自国を米国の従属国にした
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309100000/

 ウラジーミル・ゼレンスキー政権が6月4日に始めた「反転攻勢」は失敗した。ウクライナでは高齢者を街で拉致して戦場へ送り込んでいるが、ここに来て女性を動員の対象にしようとしているとも報道されている。

 ロシアが構築した「スロビキン防衛線」を突破するためにアメリカ/NATOは「総玉砕」戦法を強要、訓練の不十分た部隊に「バンザイ突撃」させてロシアを疲弊させようとしたが、その目的を達成できそうにはない。

 旧日本軍を彷彿とさせる無謀な戦法で突破口を開き、その後で精鋭部隊の第82空挺旅団を中心とする最後の戦略予備軍を投入する計画を立てていたと言われているが、早い段階で投入せざるをえなくなり、精鋭部隊はロシア軍に殲滅されてしまった。

 ウクライナでの内戦はアメリカのネオコンが仕掛けたのだが、その背後にはウォール街やシティを拠点とする巨大金融資本が存在している。その金融資本は現在、ブラックロック、バンガード、ステート・ストリートをはじめとする「闇の銀行」を中心に動いている。

 ウクライナへは膨大な兵器や資金が流入、「URB(ウクライナ復興銀行)」の設立も計画されている。国を破綻させて「民営化」、ウクライナの富を盗もうとしている。その計画の中心はブラックロックやJPモルガンだ。

 ブラックロックは西側から供給される兵器や「復興資金」の使い道についてアドバイス、同社を率いるラリー・フィンクはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と関係が深い。JPモルガンやゴールドマン・サックスともゼレンスキー政権は協力関係にある。

 2013年11月から14年2月にウクライナではクーデターが実行されたが、その後、ロシアからの支援を失ったウクライナの経済は破綻、ウクライナ国債の価格は下落する。それを買い占めていたフランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買ったという。このファンドを操っているのはロスチャイルド家だ。破綻国にIMFが融資、その資金で二束三文になった国債を満額で買い取らせ、IMFが借金の取り立てるという流れができている。

 しかし、約束を守らないアメリカ/NATO/ウクライナとの話し合いをロシアはしないだろう。ミンスク合意と同じように、アメリカやその従属国にとって話し合いは状況が悪い時の時間稼ぎにすぎない。

 ウクライナを占領したうえでロシアを倒し、富を独占することは難しいのだが、ネオコンはウクライナ人を利用してロシアを疲弊させるという計画に執着いている。

 ロシアにウクライナ攻撃を決断させた理由はNATOの東への拡大とネオ・ナチの存在。ここにきてフランスのニコラ・サルコジ元大統領はウクライナがEUやNATOへ加盟することに反対すると表明、モスクワとキエフの和解を求めた。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ロシア政府とウクライナ政府は昨年2月末から3月初めの段階で停戦交渉、ほぼ合意に達していた。

 ​停戦交渉を仲介したひとりはイスラエルの首相を務めていたナフタリ・ベネット​。彼によると、話し合いで双方は妥協に応じ、停戦は実現しそうだった。

 3月5日にベネットはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけ、その足でベネットはドイツへ向かってオラフ・シュルツ首相と会っている。​ゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフがウクライナの治安機関SBUのメンバーに射殺されたのはその3月5日​だ。

 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。​アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と6月17日に会談​しているが、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。

 こうした停戦の動きを破壊したのがアメリカ政府とイギリス政府にほかならない。停戦を実現する上で最大の障害はこのふたつの国だ。

 この2カ国の情報機関、CIAとMI6は第2次世界大戦後、NATOの内部に秘密工作機関のネットワークを築いていた。そのネットワークはフランスのシャルル・ド・ゴール大統領の暗殺を試み、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領を暗殺したと言われている。

 NATOがヨーロッパ支配の道具だと理解していたとみられるド・ゴールは、ケネディ大統領が暗殺されてから3年後の1966年にフランス軍はNATOの軍事機構から離脱させ、翌年にはSHAPE(欧州連合軍最高司令部)をパリから追い出した。フランスがNATOの軍事機構へ一部復帰すると宣言したのは1995年。NATOへの完全復帰は2009年にサルコジ政権が決めている。サルコジはフランスをアメリカの属国にしたわけである。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309100000/
67:777 :

2023/09/11 (Mon) 05:27:22

2023.09.11XML
米政府はクラスター弾に続き劣化ウラン弾をウクライナへ供給、環境汚染は不可避
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309110000/

 アメリカの​ジョー・バイデン政権は9月6日、ウクライナに対する最大で1億7500万ドルに相当する「安全保障」に関する追加支援を発表​した。その中にはM1A1エイブラムス戦車用の120mm劣化ウラン弾が含まれている。ウクライナに引き渡されるエイブラムス戦車は31両だという。クラスター爆弾に続く問題兵器の支援だ。

 劣化ウラン弾は1991年の対イラク攻撃でアメリカ主導軍によって使われている。メディアにリークされたイギリス原子力庁の秘密報告書によると、戦争中、約40トンの劣化ウラン弾が散布されたと推定されている。戦争後に増加した小児がんや謎の腹部腫脹は、少なくとも放射性砲弾が原因の一部であるとされている。

 1999年3月にアメリカ/NATO軍はユーゴスラビアを先制攻撃しているが、その際にも劣化ウラン弾が使われた。ユーゴスラビア攻撃はネオコンが1992年2月に作成した世界制覇プランの幕開けだ。

 1991年12月にはソ連が消滅、アメリカの国務省、国防総省、CIAなどを支配していたネオコンは世界制覇プロジェクトを始動させた。彼らはアメリカが唯一の超大国になったと認識、好き勝手なことができると考えたのである。

 その世界制覇プランは1992年2月にDPG(国防計画指針)草案という形で作成された。この指針は国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に書き上げられたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

 ドクトリンの目的としてまず挙げているのは新たなライバルの出現を防ぐこと。警戒する地域には旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジア、西南アジアが含まれる。そしてドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れ、「民主的な平和地域」を創設するともしている。ドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込むということだ。

 しかし、日本側はそうしたプランに抵抗、細川護煕政権は国連中心主義を掲げたが、1994年4月に倒されてしまう。そして1995年2月、ジョセイフ・ナイは「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表。この報告書を受け入れた段階で日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれた。この年、日本では衝撃的な出来事が続いた。

 アメリカのビル・クリントン政権は当初、旧ソ連圏で戦争を始めることに抵抗していたが、スキャンダル攻勢でホワイトハウスは麻痺状態になる。状況が落ち着くのは、1997年1月に国務長官がウォーレン・クリストファーからマデリーン・オルブライトへ交代する頃から。

 1998年4月にアメリカ上院はソ連との約束を無視してNATOの拡大を承認、その年の秋にオルブライト国務長官はユーゴスラビア空爆を支持すると表明し、有力メディアは攻撃を正当化するために偽情報を広めていた。

 ユーゴスラビアに対する先制攻撃ではスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の自宅を破壊するだけでなく、中国大使館を爆撃している。大使館を空爆したのはB2ステルス爆撃機で、目標を設定したのはCIA。アメリカ政府は「誤爆」だと弁明しているが、3機のミサイルが別々の方向から大使館の主要部分に直撃していることもあり、中国側は「計画的な爆撃」だと主張している。

 アメリカやイギリスがウクライナへ劣化ウラン弾やクラスター爆弾を供給する理由のひとつは、兵器庫に通常の武器弾薬がなくなったからだとも言われている。戦争を推進してきたアメリカやイギリスの政府にとって絶望的な状況なのだが、敗北を認めるわけにはいかない。かれらは「ルビコン」を渡ってしまったのだ。敗北は破滅を意味する。

 劣化ウラン弾で戦況が変わる可能性はないが、使われれば住民の健康に深刻な影響が現れ、 穀倉地帯が汚染で使えなくなる。アメリカ政府はウクライナ人やロシア人を殺すだけでなく、生態系を破壊しようとしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309110000/
68:777 :

2023/09/11 (Mon) 06:19:21

【そうきチャンネル】『ソロスの敗北?』 ヨーロッパ撤退 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき) 23.074 #渡辺惣樹 #わたなべそうき #そうきチャンネル
渡辺 惣樹
2023/08/27
https://www.youtube.com/watch?v=DPn27awDtiY&t=2s
69:777 :

2023/09/11 (Mon) 06:39:36

【そうきチャンネル】『戦争屋』ビクトリア・ヌーランド・ニジェール訪問の屈辱  日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
渡辺 惣樹
2023/08/30
https://www.youtube.com/watch?v=QYFvMOGf168
70:777 :

2023/09/12 (Tue) 02:36:40

大手メディアでは報道されない 米露関係の今【混乱する国際政治と日本①】|伊藤貫
2023/09/11
https://www.youtube.com/watch?v=-lgss-YOuKE
71:777 :

2023/09/12 (Tue) 22:38:37

大手メディアでは報道されないウクライナ戦争【混乱する国際政治と日本②】 |伊藤貫
C2023/09/12
https://www.youtube.com/watch?v=N8a-w7S3s8A
72:777 :

2023/09/15 (Fri) 03:51:53

2023.09.15XML
米国政府の圧力があってもロシアの天然ガスがなければ社会を維持できないEU
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309150000/

 天然資源に関する問題を調査し、キャンペーンを実施しているNGOの「グローバル・ウィットネス」の発表によると、​今年1月から7月までの間にEU諸国がタンカーで輸入したロシア産LNGは昨年の同時期に比べて40%増加した​という。スペインはロシア産LNGの世界第2位の買い手であり、ベルギーがそれに続く。勿論、第1位は中国だ。





 アメリカはウクライナをクーデターで手に入れ、ロシアからEUへ天然ガスを運ぶパイプラインをおさえた。昨年9月26日にはウクライナを迂回する「ノード・ストリーム」と「ノード・ストリーム2」が爆破されたが、アメリカ政府が実行した可能性が高い。スペインのテレサ・リベラ・エネルギー相は4月、EUの制裁協議にロシアのLNGも加わるべきだと語ったようだが、EU市場を必要としないロシアは傷付かず、ロシアの天然資源が必要なEUは壊滅する。

 アメリカのバラク・オバマ政権は2013年11月から翌年の2月にかけてウクライナでネオ・ナチを利用したクーデターを実行、10年の選挙で当選したビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除した。

 しかし、クーデターではヤヌコビッチの支持基盤でロシア語を話し、東方正教会の文化圏にあるクリミアや東部ドンバスを制圧に失敗した。アメリカ/NATO/ウクライナ西部の支配層はかつてパレスチナやユーゴスラビアで行ったように住民を虐殺し、追い出し、自分たちにとって都合の良い人々を移住させるつもりだったようだが、成功していない。ロシアにとってウクライナがNATOの支配地になるということは、ナチスが始めたソ連に対する軍事侵略、「バルバロッサ作戦」の新たなバージョンにほかならない。

 ウクライナのクーデターには別の目的もあった。ロシアとEUを分断し、双方を弱体化させようということだ。ロシアとEUの接近はアメリカやイギリスの支配層にとって脅威である。

 ロシアとEUを結びつける最大の要因は石油や天然ガス。 EUの経済はロシアが供給していた天然資源なしには維持できない。つまり、ロシアの天然資源をEUから取り上げてしまえば、EUは米英資本に従属せざるをえない。

 アメリカでは1970年代から新自由主義を導入、商品の製造を放棄して金融を軸に据えた。金融マジックだが、このマジックは人びとがドルを信仰することで成立する。その信仰を支えてきたのが軍事力と情報力にほかならない。

 1991年12月のソ連消滅で新自由主義を推進していた勢力はアメリカが「唯一の超大国」になったと考え、世界制覇プロジェクトを本格化させた。そのベースが1992年2月に作成された「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。ウォルフォウィッツの仲間であるネオコンはNATOを東へ拡大、旧世代の「タカ派」も懸念する事態になる。そうした旧世代のひとりがリチャード・ニクソンだ。

 ニクソンは1994年の段階でアメリカの傀儡だったボリス・エリツィンの政治的な影響力が低下していると指摘、ロシア議会で反米機運が高まっていると警鐘を鳴らし、そうした機運の高まりはエリツィンの後継者として反欧米の大統領候補を連れてくる可能性があるとしている。そして登場してきたのがウラジミル・プーチンにほかならない。

 2001年9月11日の出来事でアメリカにはそのドクトリンに抵抗する勢力が消滅するのだが、プーチンを中心とする勢力はロシアを再独立させることに成功、状況は一変した。

 アメリカの政策はドイツをはじめとするEUの経済を破壊し、人びとの生活は成り立たなくなる。生産活動を維持できなくなる企業に対し、アメリカは拠点の移動を働きかけているようだ。新自由主義で破壊した自国の製造業をEUの企業で補填しようというのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309150000/
73:777 :

2023/09/17 (Sun) 18:21:49

【そうきチャンネル】【ゼレンスキーのGO邸】・エジプト高級保養地に義母名義で 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)23.080 #渡辺惣樹 #わたなべそうき #そうきチャンネル
渡辺 惣樹 2023/09/17
https://www.youtube.com/watch?v=X8BqUEFjJHg
74:777 :

2023/09/19 (Tue) 03:21:02

2023.09.19XML
「土壇場を迎えたアメリカ帝国主義」
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309190000/


 アメリカの支配層は自由、人権、民主主義という看板を掲げながら国外で侵略戦争を仕掛け、国内では管理体制を強化し、富を独占するための支配システムを世界に広げようとし、その切っ先をロシアや中国の喉元に突きつけています。1991年12月にソ連が消滅、「唯一の超大国」になったアメリカは好き勝手に行動できると考えるようになった結果だと言えるでしょう。その帝国主義的な姿勢が中露の反撃を招き、アメリカの支配層は窮地に陥りました。次回の「櫻井ジャーナルトーク」ではそうした状況について考えたいと思います。

 アメリカにも憲法があり、人びとの権利が定められていますが、憲法の規定を無効にするためのプロジェクトCOGが1982年にスタートしました。ソ連が消滅した直後の1992年にはアメリカが「唯一の超大国」になったという前提で世界制覇プロジェクトが国防総省の「DPG草案」という形で作成され、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれています。

 そのCOGとウォルフォウィッツ・ドクトリンは2001年9月11日から本格的に始動、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナというように火をつけ、今、東アジアの軍事的な緊張を高めています。アメリカはイギリスやオーストラリアとAUKUSなる軍事同盟を組織しましたが、彼らは相手が弱小国でない限り、基本的に自分たちが最前線に出て来ることはなくなっています。ロシアや中国との戦争では日本や韓国が矢面に立たされそうです。

 ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」にしろ、ズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」にしろ、ハルフォード・マッキンダーが1904年に発表した理論に基づいていますが、その理論のベースはイギリスが19世紀に始めた「グレート・ゲーム」、つまりロシア制圧プロジェクトです。

 19世紀の終盤、イギリスは1899年から1902年にかけてのボーア戦争(南アフリカ戦争)で金やダイヤモンドを産出する南アフリカを奪い取ることに成功、アメリカは先住民を虐殺しながら西海岸に到達、1898年のアメリカ・スペイン戦争で南アメリカやフィリピンを奪いました。

 イギリスは1839年から42年にかけて「アヘン戦争」、56年から60年にかけては「第2次アヘン戦争(アロー戦争)」で中国(清)に勝利しますが、内陸部を占領する戦力がありません。イギリスが日本で明治維新を仕掛けた理由はそこにあるのでしょう。

 1853年にマシュー・ペリーが指揮する艦隊を江戸湾に送り込んだアメリカは67年にアラスカを手に入れ、ハワイも占領していますが、アメリカ支配層が最も欲しがっていた場所はカリフォルニアのはるか西にある「新たな西部」、つまり中国東北部だったと言われています。

 ボーア戦争で重要な役割を果たしていたセシル・ローズは1871年にNMロスチャイルド&サンの融資を受けて南部アフリカでダイヤモンド取引に乗り出し、大儲けした人物。そのローズはネイサン・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレットらと支配者グループを形成、アルフレッド・ミルナーはその後継者です。

 ローズは優生学を信奉していました。1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に書いた『信仰告白』で彼はアングロ・サクソンは最も優秀な人種であり、その居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いことだと主張してます。領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務だというのです。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877)

 イギリスでは19世紀にハーバート・スペンサーが適者生存を主張、 競争で強者が生き残ってその才能が開発され、その一方で弱者は駆逐されるとしています。弱者に無慈悲であればあるほど社会にとっては「優しい」のだというのです。イギリスの人類学者、フランシス・ゴルトンは「遺伝的価値の高い者を増やし、遺伝的価値の低い者を減らす」ことで社会を改善できると主張していました。このゴルトンは優生学の創始者とされていますが、彼の従兄弟は『種の起源』で知られているチャールズ・ダーウィンです。

 こうした思想はローズなどイギリスの支配者グループに影響を与え、アメリカの支配層にも影響を及ぼし、カーネギー研究所、ロックフェラー財団、ハリマン家のマリー・ハリマンらの支援を受けて優生学を広める運動が展開されました。そうした運動に感銘を受け、自国で実践したのがアドルフ・ヒトラーにほかなりません。

 アメリカが掲げる自由、人権、民主主義という看板を支えているのはそうした思想なのです。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309190000/
75:777 :

2023/09/23 (Sat) 04:51:57

2023.09.23XML
2025年に米国は中国と戦争になると予想した米空軍AMCのミニハン司令官が弁明
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309230000/

 ​アメリカ空軍のAMC(航空機動軍団)を率いるマイク・ミニハン大将が書いた2月1日付けの覚書の中で、自分の直感では2025年に中国と戦争になると書いている​。アメリカはロシアだけでなく中国を攻撃する準備を進めてきたこともあり、無視できる主張ではない。その覚書が知られるようになり、ミニハンはその内容について弁明した。指揮下の部隊に危機感を持たせることが目的だったというのだ。

 イギリスの金融資本は19世紀後半から帝国主義的な政策、つまり侵略と略奪を本格化させる。いわゆる「グレート・ゲーム」だ。この戦略を進化させ、理論化したのがイギリスの地理学者、ハルフォード・マッキンダー。ユーラシア大陸の周辺部を海軍力で支配し、内陸部を締め上げるというもの。この戦略をアメリカが引き継いだ。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」もズブグネフ・ブレジンスキーが書いた「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論に基づいている。

 この理論をより攻撃的にしたのがネオコン。1991年12月にソ連が消滅、国防総省を支配していたネオコンは92年2月に「DPG(国防計画指針)草案」という形で世界制覇計画を作成した。

 当時の国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。そのウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから、DPGは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。「唯一の超大国」になったアメリカは他国に配慮することなく単独で好き勝手に行動できる時代が来たと考えたのだ。


 そのドクトリンの中でドイツや日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れると宣言、そして「新たなライバル」の出現を阻止するとしている。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、東南アジアにアメリカを敵視する勢力が現れることを許さないというわけだ。

 しかし、アメリカの戦争マシーンに組み込まれることを嫌った細川護煕政権は国連中心主義を掲げる。細川政権は1994年4月に潰されたものの、同年6月に自民党、社会党、さきがけの連立政権が誕生した。

 日本側の抵抗に怒ったネオコンはジョセイフ・ナイ国防次官補に接触し、 同次官補は1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表して戦争マシーンへ日本を誘導する道筋を示した。

 そうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)た。その10日後には警察庁の國松孝次長官が狙撃されている。

 その年の8月には日本航空123便の墜落に自衛隊が関与していることを示唆する大きな記事がアメリカ軍の準機関紙とみなされているスターズ・アンド・ストライプ紙に掲載された。日本政府に対する恫喝になっただろう。

 結局、日本は戦争への道を歩み始め、自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島にも作った。2023年には石垣島でも完成した。

 アメリカの国防総省系シンクタンク​「RANDコーポレーション」が昨年に発表した報告書​によると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけ。その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにする。そしてASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたという。

 日本は軍事拠点を作るだけでなく、高性能兵器の開発にも乗り出していると伝えられている。例えばアメリカと共同で音速の5倍以上で侵入してくるHGV(極超音速滑空体)を迎撃するミサイル技術の研究開発を考え、昨年7月24日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で迎撃ミサイルに必要な速度に到達することが可能だとされるエンジンの飛行試験を初めて実施した。

 極超音速で飛行するミサイル自体も研究だと言われ、HGVではなくエンジンによって推進力を得る極超音速巡航ミサイル(HCM)の開発を目指しているという。2026年には九州や北海道の島々へ配備したいようだ。

 ​政府は国産で陸上自衛隊に配備されている「12式地対艦誘導弾」の射程を現在の百数十キロメートルから1000キロメートル程度に伸ばし、艦艇や戦闘機からも****できるよう改良を進めている​と昨年8月に伝えられているが、その背景にアメリカのGBIRM計画があった。

 ​日本は射程距離が3000キロメートル程度のミサイルを開発し、2030年代の半ばまでに北海道へ配備する計画​だとも伝えられている。それが実現するとカムチャツカ半島も射程圏内だ。

 しかし、ミニハンの「直感」では2025年までに中国やロシアを攻撃するための中距離ミサイルを準備しなければならない。​昨年10月、日本政府が、アメリカ製巡航ミサイル「トマホーク」の購入をアメリカ政府に打診しているとする報道​があったが、日本のミサイル開発を待っていられなくなったのかもしれない。

 岸田文雄政権は昨年12月16日に「国家安全保障戦略(NSS)」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の軍事関連3文書を閣議決定、2023年度から5年間の軍事費を現行計画の1.5倍以上にあたる43兆円に増額し、「敵基地攻撃能力」を保有することを明らかにした。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202309230000/
76:777 :

2023/09/23 (Sat) 04:54:27

大手メディアでは報道されない米露関係の今【混乱する国際政治と日本①】|伊藤貫
2023/09/11
https://www.youtube.com/watch?v=-lgss-YOuKE

大手メディアでは報道されないウクライナ戦争【混乱する国際政治と日本②】|伊藤貫
C2023/09/12
https://www.youtube.com/watch?v=N8a-w7S3s8A

核の傘というアメリカの嘘【混乱する国際政治と日本③】|伊藤貫
2023/09/13
https://www.youtube.com/watch?v=MVtqes-JDQQ&amp;t=0s

日本が今成すべきこと【混乱する国際政治と日本④】|伊藤貫
2023/09/21
https://www.youtube.com/watch?v=YAmRfo2vL7c
77:777 :

2023/10/16 (Mon) 06:51:23

日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか②| 伊藤貫×室伏謙一
2023/10/15
https://www.youtube.com/watch?v=AT3H75BaqOU
78:777 :

2023/10/17 (Tue) 14:10:24

2023.10.17XML
イスラエル建国から続くパレスチナ人に対するアパルトヘイト政策への怒り
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310170000/

 ハマス(イスラム抵抗運動)が10月7日にイスラエルを陸海空から奇襲攻撃、イスラエルはガザに対する激しい攻撃を開始した。イスラエル軍はハマスへの報復と言いながらパレスチナの市民を虐殺している。イギリスやフランスでもイスラエルを批判する抗議活動が展開され、フランスではパレスチナ支持のデモが禁止された。イスラム世界ではイスラエルへの怒りが高まり、ガザで地上戦が始まったなら、怒りが燃え上がると見られている。

 ハマスは1987年12月、シーク・アーメド・ヤシンによって創設された。ヤシンはムスリム同胞団の一員としてパレスチナで活動していた人物で、ガザにおける同胞団の責任者。シン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下、彼はムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を1973年に創設、76年にはイスラム協会を設立している。

 シーモア・ハーシュによると、前回、つまり​2009年に返り咲いた時、ベンヤミン・ネタニヤフはPLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとした​。そのため、ネタニヤフはカタールと協定を結び、カタールは協定に基づいてハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという。

 こうした経緯があるため、今回のハマスによる攻撃はネタニヤフの偽旗作戦ではないかと推測する人も少なくない。ウクライナでロシアに敗北したアメリカ/NATOも、人びとの目を逸らさせる必要があった。

 ウクライナがロシアに敗北したのは昨年2月末のことである。ドンバスに対する大規模な軍事作戦を始めようとしていたウクライナ軍をロシア軍は昨年2月24日にミサイルで攻撃した。ドンバス周辺に集まっていた部隊を一気に叩いたほか、ウクライナ側の航空基地やレーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設を破壊しているのだ。その直後、​イスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役とする停戦交渉が始まり、停戦はほぼ合意に達した​。

 3月5日にベネットはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領を殺害しないという約束をとりつけた。ベネットはその足でドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。​ゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフがウクライナの治安機関SBUのメンバーに射殺されたのはその3月5日​だ。その後、トルコを仲介役とする停戦交渉も行われ、仮調印まで漕ぎ着けている。

 4月9日にはイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事は「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めたのだ。

 この後、ロシアの戦闘相手はアメリカ/NATOになったのだが、この戦闘もロシアが勝った。「ウクライナが勝っている」というプロパガンダを続けていた西側の有力メディアも今年に入り、ウクライナの敗北を認める報道を始めた。​ニューヨーク・タイムズ紙は今年8月、記事の中で約50万人のウクライナ兵が戦死したと書いている​。この数字はほぼ正しいと見られている。なお、ロシア側の推計戦死者はその1割、つまり5万人程度だ。

 ​ベン・ウォレス前英国防相は今年10月1日、テレグラフ紙でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると書いている​。そのうえでウクライナ政府に対し、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。つまり学徒動員、あるいは少年兵の投入を求めている。

 膨大な兵器や資金を投入してきたジョー・バイデン政権に対する批判はアメリカ国内でも高まってきた。これまで「戦意高揚」を目的とするプロパガンダを続けてきたメディアとしても都合の悪い状況だ。もっとも、それでも平然と嘘をついているマスコミも存在するようだが。

 バイデンにとってもネタニヤフにとっても、個人的にはハマスが始めた戦争で助かるだろうが、イスラエルに対する批判は高まっている。イスラエル建国以来、パレスチナ人が歩まされた苦難の道を世界の人びとは知っている。今回の戦闘でもパレスチナの周辺にイスラム世界だけでなく、ロシア、中国、あるいは「グローバル・サウス」が集まりつつある。アメリカに従ったヨーロッパや日本は厳しい状況に陥った。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権は1991年1月、イラクを攻撃した。アメリカ政府の罠に引っかかり、サダム・フセイン政権はクウェートへ軍事侵攻、その報復という名目だった。

 ネオコンはそのままフセイン体制を破壊するつもりだったが、イラクをペルシャ湾岸産油国の防波堤と考えていたブッシュ大統領はフセインを排除しないまま停戦、ネオコンは激怒した。ブッシュが再選されなかった理由のひとつはここにある。

 その年の5月に国防総省を訪れたウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官は国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツから、シリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると聞かされたという。2001年9月11日から10日ほど後に統合参謀本部で攻撃予定国のリストが存在していたともいう。そのリストにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていた。(​3月​、​10月​)

 ソ連が消滅した1991年12月頃にはアメリカの外交や軍事はネオコンが主導権を握り、旧ソ連圏の解体工作をはじめ、ユーゴスラビアを軍事攻撃する。ソ連消滅後、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと考え、ロシアや中国にも簡単に勝てると思い込んでいた。

 フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載された論文はそうした心情を表している。​キアー・リーバーとダリル・プレスはその論文​の中で、アメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てるとしている。

 日米欧のエリートたちは今でもそう考えているかもしれないが、2008年8月、 ジョージア軍は南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で惨敗している。ジョージアの背後にはイスラエルとアメリカが存在、イスラエルは2001年からジョージアへ武器/兵器を含む軍事物資を提供し、将兵を訓練している。アメリカの傭兵会社も教官を派遣していた。奇襲攻撃が行われる前の月にアメリカの国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪問している。

 その後、シリアでロシア軍は戦闘能力の高さ、兵器の優秀さを世界に示したが、それでもアメリカ/NATO軍はロシア軍を軽く見ていた。その見方はウクライナでも変化していない。そして窮地に陥ったのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310170000/
79:777 :

2023/10/19 (Thu) 13:33:16

ガンドラック氏: ウクライナ戦争はアメリカの最高のビジネス
2023年10月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40696

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、Fox Businessのインタビューでアメリカの政府債務と戦争の関係について語っている。

政治家と政府債務

多くの専門家が政府債務について語っている。最近のアメリカの金利上昇は、債券市場に米国債があふれかえっていることが原因だとされているからである。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
しかし何故政府債務は増えるのか。一時的に増えても、同様に減るケースがあってもおかしくない。だが先進国の政府債務は一様に、ほとんど常に増加してゆく。

原因は、それが政治家にとってメリットのあることだからである。政治家にメリットがあり、誰も止めなければ、永遠にそのようになってゆく。

何度も言うが、国民から税金を徴収して票田にばら撒くのが政治家の仕事である。だから政治家は補助金は出しても減税はしない。あるいは減税はしてもそれ以上の支出を増やしてゆく。

そのようなことをしていると国家はどんどん衰退してゆくのだが、国にお金がなくなっても票田への減税が進むと、他の国民への強烈な増税が不可避となる。

日本の莫大な政府債務も、日本人には多額の資産があるから大丈夫だという主張は面白い。政府の借金は徴税によって国民の資産でチャラにできるから政府は破綻しないだろう。確かに大丈夫である。

2つの票田

この状況を批判しない大半の国民をよそに、ヘッジファンドマネージャーにはこうした状況に批判的な人が多い。ガンドラック氏もその1人である。彼は次のように述べている。

多くの人がもううんざりしている。貧富の差の激しい経済で、政治献金を行なう超富裕層と、補助金で生きている貧困層が手を組んでいる。奇妙な結婚だ。

ガンドラック氏が指摘しているのは、政治献金で政治家と直接繋がっている票田と、そうでない票田がいるということである。

そしてアメリカではその貧富の差は極めて大きい。政治献金を行なう富裕層は数としては極めて少ないため、票数を集めるためにはあまり頭の良くない層を取り込んで投票させるしかない。

そのための政策が補助金政策である。ガンドラック氏は次のように述べている。

底辺の人々は降ってくるお金のために投票する。そうするべきではないが、彼らはそうする。

残念ながら、こちらの票田の人々への報酬は、お金が降ってきてリッチになった気分になることだけである。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
何故ならば、量的緩和は資産家しか裕福にせず、現金給付はインフレを引き起こすからである。だから気分はリッチになるが、実際にはどんどん貧しくなってゆく。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
それでも彼らは補助金に投票する。お金が降ってきて努力せずに儲けられるという夢を見たいからだが、その対価はインフレである。市場経済は常にその人にふさわしい対価を与えてゆく。

政治家の債務ビジネス

一方で、政治献金する方の票田はきっちりと報酬を受け取ってゆく。何故ならば、こちらは市場経済ではなく政治を介しているからである。

彼らはどのように報酬を受け取るのか? ガンドラック氏は次のように説明している。

そして上層の人々は世界中で金儲けの仕組みを機能させているが、その1つはウクライナ戦争と呼ばれている。製品を爆発させて新しいのを買わせることほど素晴らしい商売はない。そして値段は自分で決められる。

バイデン氏とその家族がロシアのウクライナ戦争より前からウクライナ政府を補助金漬けにし、そこから利益を得ていたことは以前から報じている。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
最近、アメリカではその事実がどんどん明るみに出、バイデン氏への批判が高まっている。

ウクライナ戦争がバイデン政権において起きたことは偶然ではない。上の記事で書いたが、バイデン氏はロシアの侵攻直前に「アメリカは派兵しない」と主張することでロシアが迷いなく侵攻できるようにした。

また、ハマスのイスラエル攻撃の前には凍結していたイランの資金60億ドルを凍結解除した。ハマスはイランに支援されているので、ほとんどハマスを支援したようなものである。

結論

バイデン氏は政治家としての仕事をきちんと果たしている。ガンドラック氏はあまり大きくは言わないが、この状況をウクライナ戦争開始直後から憂慮していた。彼は次のように述べていた。

ガンドラック氏: 米国は半年以上戦争なしではいられないようだ (2022/3/7)
アメリカ国内の特定の利害グループはどうやらアメリカ国外で半年間戦争をしないことさえ耐えられないようだ。

この問題は解決され得るのか。問題は、インフレや戦争で自分を害するような政策に自分から投票するような愚かな方の票田である。

ガンドラック氏は次のように言う。

わたしの意見では、人々は目を冷まし、この二極化した不平等な経済のために投票するのを止めるべきだ。だが人々はそうしていない。

だがガンドラック氏に言いたいのだが、アメリカの状況はまだましである。アメリカの票田は、インフレも受け取っているが補助金も受け取っているからである。

ちなみに日本の補助金(例えば住民税非課税世帯向け)は高齢者に行っているが、現政権を支持しているのは実は補助金をもらっている高齢者ではない。前の選挙で誰が自民党を支持したかを見ればそれは明らかである。


出典:読売新聞
日本では補助金をもらっている高齢者はむしろ自民党に投票せず、何故か所得税と社会保険で生活費を絶賛吸い取られ中の30代および40代が自民党の支持基盤である。

日本では一番搾取されている層が票田となっている。だが言っておくが、殴られた相手に媚を売る人間は永遠に殴られ続ける。

こうした状況に憤っているのはガンドラック氏だけではない。スタンレー・ドラッケンミラー氏も政治の馬鹿馬鹿しさを批判している。だが状況は変わらない。そういうものである。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40696
80:777 :

2023/10/20 (Fri) 21:28:08

2023.10.20XML
シオニストはパレスチナ人を「人間獣」と考え、ガザで民族浄化を目論んでいる
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310200000/

 ​イスラエルのギラド・エルダン国連大使は10月8日、国連安全保障理事会で「これはイスラエルの9/11だ」と演説​、​ヨアブ・ギャラント国防相はガザを完全包囲するように命じた​と語った。ギャラントによるとパレスチナ人は「人間獣」、つまり人間ではない。躊躇なく殺せるということだろう。彼らにとって病院に対する爆撃は問題なく、「人道的支援」は受け入れ難いはずだ。

 今から50年前の1973年9月11日、チリで軍事クーデターがあった。1970年の選挙で勝利、大統領に就任したサルバドール・アジェンデはアメリカによる帝国主義的な支配に反対していた政治家で、アメリカの巨大資本から敵視されていた。

 その意向を受け、巨大資本の代理人であるヘンリー・キッシンジャーが動く。当時、国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めていたキッシンジャーはアジェンデを排除するための工作をCIAの破壊工作部門に命じた。そして実行されたのがオーグスト・ピノチェトによる軍事クーデターだ。

 これが最初の9/11だが、勿論、エルダン大使が口にした9/11は2001年9月11日の出来事。この日、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃があったのだ。

 攻撃の直後、ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をしないまま「アル・カイダ」が実行したと断定、その「アル・カイダ」を指揮しているオサマ・ビン・ラディンを匿っているという口実でアフガニスタンへの攻撃を始めた。

 その一方、アメリカ国内では「愛国者法」が制定され、基本的人権を報奨した憲法の条項を無力化させ、収容所化を進めた。この法律は340ページを超す文書だが、それを議会は提出されて1週間で承認。つまり議員の大半は内容を読まずに賛成している。

 ブッシュ政権はアフガニスタンだけでなくイラクへ軍事侵攻する計画を立てる。CIAは2002年に対イラク工作を開始、その年の11月に中東全域のCIA支局長がロンドンのアメリカ大使館に集められ、IOG(イラク作戦グループ)から対イラク戦争は決定済みであり、嫌なら辞めろと脅されたという。(James Risen, “State of War,” Free Press, 2006)

 イラクへの先制攻撃を正当化するため、コリン・パウエル国務長官は大量破壊兵器に関する偽情報を国連で宣伝している。パウエルは2003年2月、国連でサダム・フセイン政権が間違いなく生物兵器を開発、生産能力もあると発言しているのだ。

 パウエルの次官だったシャルロット・ビアーズは「マディソン街の女王」と呼ばれる人物で、大手広告会社の会長兼CEOを務めていた。彼女の手法は単純化と浅薄化。イメージが問題なのであり、詳しく丁寧には説明しない。イラクへの先制攻撃をアメリカ政府は「イラクの自由作戦」と命名したが、これもビアーズのアドバイスに従ってのことだという。ブッシュ大統領が「この戦争は平和のため」と発言したのも彼女のアドバイスによる。(Alexander Cockburn & Jeffrey St. Clair, “End Times”, CounterPunch, 2007)

 イラクへの軍事侵攻は1991年、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツが口にしている。ネオコンは1980年代からイラクのサダム・フセイン政権を倒し、親イスラエル体制を樹立させ、シリアとイランを分断、個別撃破する計画を立てていた。

 9/11から10日ほど後、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官は統合参謀本部で攻撃予定国のリストを見ている。そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランが載っていたという。(​3月​、​10月​)

 アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃したのは2003年3月20日早朝のこと。作戦に参加したのは事前にクウェートへ送り込まれていたアメリカ軍兵士24万8000人、イギリス軍兵士4万5000人、オーストラリア軍兵士2000人、ポーランドの特殊部隊GROMの隊員194名、そしてクルドの武装集団ペシュメルガから7万人だという。なお、GROMはアメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォースとイギリスのSAS(特殊空挺部隊)が1990年代に組織、訓練した軍事組織だ。

 イラクに軍事侵攻したアメリカ主導軍は破壊と殺戮を繰り広げ、捕虜に対する拷問も明らかになっている。戦争で死亡したイラク人の数を西側は小さく見積もっているが、100万人程度にはなっている可能性がある。

 例えば、アメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から06年7月までに約65万人のイラク人が殺されたとされている。またイギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人、NGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。

 ウクライナの政治家​オレグ・ツァロフは昨年2月19日に緊急アピール「大虐殺が準備されている」を出し、キエフ政権の軍や親衛隊はこの地域を制圧、自分たちに従わない住民を「浄化」しようとしていると警鐘を鳴らしている​。ドンバスを制圧し、キエフ体制に従わない住民(ロシア語系住民)を「浄化」、CIAの下部機関と化しているSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。

 ​ロシア軍がウクライナ側で回収した文書によると、ゼレンスキーが1月18日に出した指示に基づいて親衛隊のニコライ・バラン上級大将が1月22日に攻撃の指令書へ署名している​。2月中には攻撃の準備が終わり、3月に作戦を実行することになっていたという。

 ドンバスで住民が大量虐殺された場合、ロシア軍が介入してくる可能性が高い。アメリカ/NATO/ウクライナは2014年から8年かけてドンバス周辺にに要塞線を築いていた。ネオ・ナチを中心に編成されたアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリ、あるいは岩塩の採掘場があるソレダルにはソ連時代に建設された地下施設、つまり地下要塞が存在している。地下要塞は全長200キロメートルだという。その要塞線の中へロシア軍を誘い込んで足止めし、その間に別の部隊がクリミアを攻撃するというプランだったと推測する人もいる。

 しかし、ロシア軍はウクライナ軍が動く直前の2022年2月24日にミサイル攻撃を開始、 ウクライナ側の航空基地、レーダー施設、生物化学兵器の研究開発施設などを破壊したほか、ドンバスに対する大規模な攻撃を始めるために集結していたウクライナの軍や親衛隊などを壊滅させている。この段階でウクライナ軍はロシア軍に負けていたのだ。その後も戦闘が続いているのはアメリカ/NATOの命令のため。武器弾薬や資金を提供する一方、ウクライナ人に玉砕攻撃させている。

 ガザで虐殺を行なわれた場合、以前とは違い、イスラム諸国が軍事介入する可能性がある。そうなると中東は戦乱で燃え上がるが、それを利用して「大イスラエル」を実現しようと考えているかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310200000/
81:777 :

2023/11/09 (Thu) 14:50:04

23.11.09XML
西側に見捨てられたゼレンスキー大統領は来年の大統領選挙の実施に反対
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311090000/

 ウクライナでは来年、大統領選挙が実施される予定だが、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はそれに反対している。2022年2月にロシア軍がウクライナに対する攻撃を始めて以来戒厳令下にあり、戦時中の選挙を禁止されているからだが、選挙を実施すれば負けると考えているのだろう。

 大統領の座から降りれば、在任中のさまざまな不正が追及される可能性がある。ロシア語を話す人々への弾圧を継続、厳しい言論統制を実施して政治的な反対勢力を非合法化、正教会を弾圧、その一方でアメリカ支配層のマネーロンダリングや生物兵器の研究開発を容認、西側から得た武器の横流しなどはすでに指摘されている。

 最も大きな問題は、アメリカやイギリスの命令に従ってロシアとの無謀な戦争を続け、ウクライナの若者を死なせてきたことだろう。この戦争が始められたのは2013年11月。アメリカのバラク・オバマ政権がキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で「カーニバル」的な反政府イベントを開始したのだ。

 年明け後、そのイベントは様相を一変、ステパン・バンデラを信奉するネオ・ナチが前面に出てきた。2月に入ると、そのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手に石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出してくる。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像がインターネット上に流れた。

 ユーロマイダンでは2月中旬から無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われる。西側ではこの狙撃はビクトル・ヤヌコビッチ政権が実行したと宣伝されたが、2月25日にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相は逆のことを報告している。​バイデン政権を後ろ盾とするネオ・ナチが周辺国の兵士の協力を得て実行した​というのだ。

 ヤヌコビッチ政権は2月22日に倒され、大統領は国外へ脱出したが、有権者の7割以上がヤヌコビッチを支持していたウクライナの東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施された。投票率は80%を超え、95%以上が賛成する。

 ドネツクとルガンスクでも5月11日に住民投票が実施された。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシアのウラジミル・プーチン政権は動かない。

 それに対し、オバマ政権は動いた。ジョン・ブレナンCIA長官が4月12日にキエフを極秘訪問、22日には副大統領を務めていたジョー・バイデンもキエフを訪れた。バイデンの訪問に会わせるようにしてキエフのクーデター政権は黒海に面した港湾都市オデッサでの工作を話し合っている。そして5月2日、オデッサでクーデターに反対していた住民が虐殺された。

 虐殺は5月2日午前8時に「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。

 広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導されている。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいる。

 その後、外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になる様子は撮影され、インターネット上に流れた。建物へ向かって銃撃する人物も撮られているが、その中にはパルビーから防弾チョッキを受け取った人物も含まれている。

 建物の中は火の海になる。焼き殺された人は少なくないが、地下室で殴り殺されたり射殺された人もいた。その際、屋上へ出るためのドアはロックされていたとする情報もある。会館の中で48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられたが、現地の人の話では多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名に達するという。虐殺の詳しい調査をキエフのクーデター政権が拒否しているので、事件の詳細は今でも明確でない。その後、オデッサはネオ・ナチに占領された。

 オデッサの虐殺から1週間後の5月9日、クーデター政権は戦車部隊をドンバスへ突入させた。この日はソ連がドイツに勝ったことを祝う記念日で、ドンバスの住民も街に出て祝っていた。その際、住民が素手で戦車に立ち向かう様子が撮影されている。そしてドンバスで内戦が始まるのだ。

 しかし、クーデター後、軍や治安機関から約7割の兵士や隊員が離脱し、その一部はドンバスの反クーデター軍に合流したと言われている。そのため、当初は反クーデター軍が戦力的に上回っていた。

 そこでクーデター体制は内務省にネオ・ナチを中心とする親衛隊を組織、傭兵を集め、年少者に対する軍事訓練を始めた。並行して要塞線も作り始めている。その時間稼ぎに使われたのがミンスク合意だ。

 合意が成立した当時から西側では「時間稼ぎに過ぎない」と指摘する人がいたが、この合意で仲介役を務めたドイツの​アンゲラ・メルケル​(当時の首相)は昨年12月7日、ツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後に​フランソワ・オランド​(当時の仏大統領)はメルケルの発言を事実だと語っている。

 ミンスク合意で8年稼いで戦力を強化、昨年初頭からドンバスへの大規模な攻撃が噂されるようになる。ドンバス周辺にキエフ政権が部隊を集結させ、砲撃が激しくなったからだ。

 そうした中、昨年2月24日にロシア軍がドンバス周辺に集結していたウクライナ軍をミサイルで壊滅させ、キエフ側の軍地基地や生物兵器の研究開発施設などをミサイルで攻撃し始める。これでロシア軍とウクライナ軍の戦いはロシア軍の勝利が決まった。その後、戦闘が続いたのはアメリカやイギリスが戦闘の継続を命令、武器や弾薬を供給したからである。

 ​ロシア軍の攻撃が始められてから今年の秋までに約50万人のウクライナ兵が戦死​したと言われ、​ベン・ウォレス前英国防相は10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求​している。「学徒動員」や「少年兵」を前線へ送り出せというわけだ。ロシア軍の戦死者は5万人から10万人と言われている。

 こうした状況であるにもかかわらず、西側の有力メディアは「ウクライナが勝っている」と宣伝していたが、今年の秋にはウクライナ軍は勝てないと書くようになる。ホワイトハウスでも、ジョー・バイデン大統領、ビクトリア・ヌランド国務次官、ジェイク・サリバン国家安全保障補佐官などのグループは孤立しつつあるようだ。

 ウクライナではゼレンスキー大統領の側近が離反し始めていたが、最近ではウクライナ軍のバレリー・ザルジニー最高司令官は西側の有力メディアに対し、戦況が膠着状態にあると語った。(​ココ​や​ココ​)

 そのザルジニー最高司令官の副官を務めていた ゲンナジー・チェスチャコフ少佐が自宅で死亡した。「贈り物の箱」に入っていた手榴弾のピンを自分で引き抜いたと言われている。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311090000/
82:777 :

2023/11/26 (Sun) 16:32:51

2023.11.26XML
オバマ政権が2013年11月にウクライナで戦争を始めてから今年で10年
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311260000/

 アメリカのバラク・オバマ政権がキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)でクーデターの幕を開けたのは2013年11月、今から10年前のことだ。ビクトル・ヤヌコビッチ政権に対する抗議活動ではあったものの、当初はカーニバル的な演出。そうした雰囲気だったこともあり、12月になると集会への参加者は50万人に達したと言われている。

 しかし、年明け後にイベントの様相は一変、ステパン・バンデラを信奉するネオ・ナチのグループが前面に出てきた。2月に入るとそのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手に石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出してくる。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像がインターネット上に流れた。

 クーデターの中核になったネオ・ナチのグループは2004年からバルト3国にあるNATOの訓練施設でアメリカ/NATOの軍事訓練を受けていたと伝えられているが、それだけでなく、ポーランド外務省は2013年9月にクーデター派の86人を大学の交換学生を装って招待、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたって暴動の訓練を受けたとも伝えられていた。アメリカの有力メディアによると、内戦勃発後の2015年からCIAはウクライナの特殊部隊をアメリカの南部にある秘密基地で訓練してきたという。

 EUは混乱を話し合いで解決しようとしたが、オバマ政権で国務次官補を務めていたビクトリア・ヌランドはそうした姿勢に激怒する。ウクライナ駐在アメリカ大使のジェオフリー・パイアットとクーデター後の閣僚人事について電話で話し合った際、「EUなんかくそくらえ」と口にしている。

 その会話がインターネットに漏れて間もない2月中旬、ユーロマイダンでは無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われた。西側ではヤヌコビッチ政権が狙撃を命じたと宣伝されたが、​2月25日にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相は逆のことを報告​している。バイデン政権を後ろ盾とするネオ・ナチが周辺国の兵士の協力を得て実行したというのだ。

 ヤヌコビッチ政権は2月22日に倒され、大統領は国外へ脱出したが、有権者の7割以上がヤヌコビッチを支持していたウクライナの東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施された。投票率は80%を超え、95%以上が賛成する。

 ドネツクとルガンスクでも5月11日に住民投票が実施された。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシアのウラジミル・プーチン政権は動かない。

 それに対し、オバマ政権は動いた。ジョン・ブレナンCIA長官が4月12日にキエフを極秘訪問、22日には副大統領を務めていたジョー・バイデンもキエフを訪れた。バイデンの訪問に会わせるようにしてキエフのクーデター政権は黒海に面した港湾都市オデッサでの工作を話し合っている。そして5月2日、オデッサでクーデターに反対していた住民が虐殺された。

 虐殺は5月2日午前8時に「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導されている。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいる。

 その後、外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になる様子は撮影され、インターネット上に流れた。建物へ向かって銃撃する人物も撮られているが、その中にはパルビーから防弾チョッキを受け取った人物も含まれている。

 建物の中は火の海になる。焼き殺された人は少なくないが、地下室で殴り殺されたり射殺された人もいた。その際、屋上へ出るためのドアはロックされていたとする情報もある。会館の中で48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられたが、現地の人の話では多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名に達するという。虐殺の詳しい調査をキエフのクーデター政権が拒否しているので、事件の詳細は今でも明確でない。その後、オデッサはネオ・ナチに占領された。

 オデッサの虐殺から1週間後の5月9日、クーデター政権は戦車部隊をドンバスへ突入させた。この日はソ連がドイツに勝ったことを祝う記念日で、ドンバスの住民も街に出て祝っていた。その際、住民が素手で戦車に立ち向かう様子が撮影されている。そしてドンバスで内戦が始まるのだ。

 しかし、クーデター後、軍や治安機関から約7割の兵士や隊員が離脱し、その一部はドンバスの反クーデター軍に合流したと言われている。そのため、当初は反クーデター軍が戦力的に上回っていた。

 そこでクーデター体制は内務省にネオ・ナチを中心とする親衛隊を組織、傭兵を集め、年少者に対する軍事訓練を始めた。並行して要塞線も作り始めている。その時間稼ぎに使われたのがミンスク合意だ。

 ドンバスでの戦闘を停止するという名目でドイツやフランスを仲介者とする停戦交渉が行われ、ウクライナ、ロシア、OSCE(欧州安全保障協力機構)、ドネツク、ルガンスクの代表が2014年9月に協定書へ署名している。これが「ミンスク合意」だが、キエフ政権は合意を守らず、15年2月に新たな合意、いわゆる「ミンスク2」が調印された。

 この合意について、アメリカの元政府高官を含む少なからぬ人が時間稼ぎに過ぎないと批判していたが、それが事実だとうことがここにきて明確になった。​アンゲラ・メルケル元独首相​は12月7日にツァイトのインタビューでミンスク合意はウクライナの戦力を増強するための時間稼ぎに過ぎなかったと語ったのだ。メルケルと同じようにミンスク合意の当事者だった​フランソワ・オランド元仏大統領​もその事実を認めた。

 8年かけてアメリカ/NATOはキエフのネオ・ナチ体制の戦力を増強するために武器を供給、兵士を訓練、さらに要塞線を建設した。ソレダルには全長200キロメートルという岩塩の採掘場やアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリには地下要塞ができていた。

 アメリカ/NATOは2022年春、ロシア軍を要塞線の内側へ誘い込んで封じ込め、別働隊にクリミアを攻撃させようとしたのではないかという推測もあるが、その直前にロシア軍はミサイルでドンバス周辺に集結していたウクライナ軍を壊滅させ、航空基地、レーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設を攻撃したとされている。

 出鼻をくじかれた​ウォロディミル・ゼレンスキー政権はイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役として停戦交渉を開始、双方とも妥協して停戦は実現しそうだった​。

 ベネットは2022年3月5日にモスクワへ飛び、プーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた。その足でベネットはドイツへ向かい、シュルツと会うのだが、その​3月5日、ウクライナの治安機関SBUがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺​している。

 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と6月17日に会談しているが、その際、​プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している​。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。

 停戦交渉の進展でロシア軍はウクライナ政府との約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了した。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていない。

 その後、西側の有力メディアはロシア軍が住民を虐殺したとする宣伝を開始、停戦交渉を壊した。実際に住民を殺したのはウクライナ内務省の親衛隊だったと見られている。ロシアに寛容だと判断させた人びとが殺されている。

 その間、4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。

 それ以降、ウクライナでの戦闘はアメリカ/NATO色が濃くなるのだが、ロシア軍有利の戦況に変化はなく、ゼレンスキー政権が6月4日に始めた「反転攻勢」が失敗したことをアメリカの有力紙も認めている。例えば​ワシントン・ポスト紙は自分たちが宣伝していた「反転攻勢」で進展はないことを報道した​。

 ​ロシア軍の攻撃が始められてから今年の秋までにロシアとウクライナの戦死者は約50万人に達するとニューヨーク・タイムズ紙は書いていた​が、その8、9割はウクライナ兵だと見られている。

 ​ベン・ウォレス前英国防相は10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘​、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。「学徒動員」や「少年兵」を前線へ送り出せというわけだ。ロシア軍の戦死者は5万人から10万人と言われている。捕虜になったウクライナ兵の中に妊婦がいることを示す映像も流れている。

 ネオコンにウクライナでのクーデターを決断させた原因は1991年12月のソ連消滅。アメリカが「唯一の超大国」になったと考えたネオコンは1992年2月、DPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇計画を作成した。作成の中心が国防次官のポール・ウォルフォウィッツだったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 ソ連消滅後、ロシアは米英巨大資本の傀儡だったボリス・エリツィンが実権を握っていた。リチャード・ニクソンなど旧世代の「タカ派」でさえ愚策だと指摘していたNATOの東方拡大をネオコンは強硬、第2期目のビル・クリントン政権では主導権を握る。象徴的な出来事はマデリーン・オルブライトの国務長官就任だ。

 そして1999年3月から6月にかけてNATO軍はユーゴスラビアへの空爆を実施、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたあと、世界侵略戦争を本格化させた。

 エリツィン時代のロシアは西側巨大資本に略奪されたが、その手先になったロシア人も巨万の富を手に入れ、オリガルヒと呼ばれるようになる。そのオリガルヒは犯罪組織と一心同体の関係あったが、そうした地下世界で最も有名な人物はセミオン・モギレビチだろう。

 この人物は「ロシア・マフィア」のボスだと言われているが、それ以上の存在だ。1981年1月から87年1月までCIA長官を務めたウイリアム・ケイシーの友人であるブルース・ラッパポートと親しいのだ。

 しかも、モギレビチとラッパポートを引き合わせたのはイスラエル軍の情報機関アマンのために働いていたと言われ、ミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルだ。ロバートの娘であるギスレイン・マクスウェルはジェフリー・エプスタインのパートナー。エプスタインは未成年の女性を世界の有力者に提供、行為の様子を隠し撮りし、その映像はおどしの材料にも使われた。

 モギレビチとロバート・マクスウェルが知り合いになった1988年、 モギレビチはロバートの働きかけでイスラエルのパスポートを入手している。それ以降、モギレビチは年間400億ドルの利益を出すようになったともいう。

 なお、エプスタインは性的な目的で未成年者を売買した容疑で2019年7月6日に逮捕され、8月10日にニューヨーク市にあるメトロポリタン更生センターで「自殺」、ギスレインは20年7月2日に逮捕された。ロバートは1991年11月5日、カナリア諸島沖で自身のヨット「レディ・ギスレイン」の船上から消え、死体となって発見されている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311260000/
83:777 :

2023/12/03 (Sun) 18:05:21

【そうきチャンネル】『広がる反イスラエル感情』・プロパガンダ報道の敗北 
渡辺 惣樹
2023/12/03
https://www.youtube.com/watch?v=D8wEWqRE7CM


【そうきチャンネル】『醜い』ヨーロッパの美人政治家たち・ヨーロッパの女ネオコン 
渡辺 惣樹
12023/04/28
https://www.youtube.com/watch?v=drqJbwGf_Tk
84:777 :

2023/12/08 (Fri) 02:02:56

特番『河添恵子さん登場!世界での紛争状況グローバル勢力の関係を暴く!』ゲスト:ノンフィクション作家 河添恵子氏
2023/12/06
https://www.youtube.com/watch?v=iXQPmaOQY6E&t=2018s
85:777 :

2023/12/10 (Sun) 19:56:44

【そうきチャンネル】 『ウクライナの嘆き』・英国への恨み節
渡辺 惣樹
2023/12/10
https://www.youtube.com/watch?v=dny4rb5dC3c
86:777 :

2023/12/16 (Sat) 14:16:10

2023.12.16XML
米英金融資本の中核、 ブラックロックの影響下にある人物がアルゼンチン大統領に
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312160000/

 アルゼンチンでは12月10日、ハビエル・ミレイが大統領に就任、アメリカの巨大資本と連携して新自由主義的な政策を推進していくと見られている。大学で経済学者のために数学を教えていた人物だが、それ以上に注目されているのは年金会社、マクシマAFJPの主任エコノミストだったという経歴だ。

 ​マクシマAFJPの発行済み株式のうち40%を所有しているのはニューヨーク生命保険が発行する個人向けの変額年金保険(NYLアドバンテージ)​だが、ニューヨーク生命の取締役にバーバラ・ノビックが2021年10月から加わっている。

 ノビックは世界最大の資産運用会社であるブラックロックの共同創業者で、ブラックロックはバンガードやステート・ストリートをなどと同様、銀行のような規制は受けない金融機関、いわゆる「闇の銀行」だ。この3社が大株主になっている会社はアメリカの主要500社の9割に近いという。こうしたことから、ミレイは巨大金融資本の手先だとみなされている。彼は素早くBRICSへの加盟申請を取り下げた。今後、新自由主義的な政策を進めると見られている。

 こうした展開はウクライナでも見られた。2004年11月にウクライナでは大統領選挙があり、西側から自立してロシアとの関係を重視するビクトル・ヤヌコビッチが当選した。そこで西側の支配層は配下のメディアを使い、「不正選挙だった」という宣伝を始め、ヤヌコビッチを引き摺り下ろす。いわゆる「オレンジ革命」である。この当時、ウクライナ駐在アメリカ大使はジョン・E・ハーブスト。この人物がオレンジ革命の指揮者だと見られている。

 オレンジ革命で西側が支援していたビクトル・ユシチェンコは1993年から国立ウクライナ銀行の会長を務めていた人物。1998年に再婚したカテリーナ・チュマチェンコはアメリカで生まれている。

 カテリーナの両親は1956年にアメリカへ移住、61年に本人はシカゴで生まれ、87年にはフロリダ州へ移り住んだ。その後、彼女は国務省へ入り、次官補の特別アシスタントを経験、ロナルド・レーガン政権ではホワイトハウス、ジョージ・H・W・ブッシュ政権では財務省で働いている。ウクライナが独立を宣言した後、米国ウクライナ基金の代表としてウクライナへ渡った。カテリーナがウクライナ国籍を取得したのは2005年、ヤヌコビッチが当選した選挙の翌年だ。

 オレンジ革命の最中、ユシチェンコの顔に異常が現れ、原因はダイオキシンだという話が広まった。ユシチェンコ側は2004年9月5日、イホル・スメシコ治安局長やウォロジミール・サチュク副局長と食事をしたときに毒を盛られたのだと言い張る。

 この件に関し、イギリスやオランダの医師がダイオキシンが原因だと主張していたが、​実際に治療したウィーンの病院で主任医療部長だったロタール・ビッケはそうした説を否定している。2度診察したが、毒を盛られた証拠は見つからなかったという​。

 ​ビッケによると、病院の監督委員会から文書で主張を撤回するように要求された。しかも英語なまりの人物から電話があり、「気をつけろ、おまえの命は危険にさらされている」と脅迫されたと語っている​。その後、ビッケは病院を解雇された。

 ​2009年にはスイスとウクライナの研究者がユシチェンコの血清から通常の5万倍のTCDD(ダイオキシンの一種で、ベトナム戦争でアメリカ軍が使った枯れ葉剤の中にも含まれていた)を検出したとランセットで発表​したが、最初からこれだけのダイオキシンが含まれていれば、すぐにわかったはずだ。

 結局、ユシチェンコが大統領に就任するが、新自由主義に基づく政策を推進、ボリス・エリツィン時代のロシアと同じように一部の人間が不公正な手段で資産を形成し、庶民は貧困化した。そこでヤヌコビッチは2010年の大統領選挙で当選。再びアメリカ政府はヤヌコビッチを排除しようとする。今度はネオ・ナチを使い、クーデターで倒した。

 2013年11月からキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で抗議集会が始まるが、当初は「カーニバル」的なイベントにすぎず、問題はないように見えた。様相が一変するのは年明け後。ネオ・ナチが前面に出てきたのだ。

 ネオ・ナチのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手に石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出してくる。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像がインターネット上に流れた。

 ユーロマイダンでは2月中旬から無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われた。西側ではこの狙撃はヤヌコビッチ政権が実行したと宣伝されたが、2月25日にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相はその翌日、逆のことを報告している。バイデン政権を後ろ盾とするネオ・ナチが周辺国の兵士の協力を得て実行したということだ。

 7割以上の有権者がヤヌコビッチを支持していたウクライナの東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施された。投票率は80%を超え、95%以上が賛成する。

 その一方、オデッサでは反クーデター派の住民がネオ・ナチに虐殺される。そうした中、5月11日にドネツクとルガンスクでも住民投票が実施された。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かない。そして戦闘が始まった。クリミアやドンバス(ドネツクとルガンスク)を制圧できなかったのはアメリカ/NATOにとって大きな誤算だった。

 アルゼンチンの新大統領、ミレイはアメリカとの関係緊密化を主張、ロシアと敵対する姿勢を見せている。ネオコンがロシアと同じように敵視している中国との関係も悪化させる政策を進めると見られている。

 ロシアと中国を中核とするBRICSにアルゼンチンは参加する予定だったが、ミレイの勝利を受け、BRICSへの加盟申請を取り下げた。自国の通貨を放棄、ドル体制に入るつもりのようだが、すでにドルは崩壊し始めている。アルゼンチンに利権を持つブラックロック、そしてその背後の金融資本にとって、ロシアや中国とのビジネスが軌道に乗ることは悪夢だったと言われている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312160000/
87:777 :

2023/12/31 (Sun) 05:15:29

【伊藤貫の真剣な雑談 年末SP】 伊藤貫×水島総「アメリカの偽善主義外交の破綻が 露呈した2023年!!!」[桜R5/12/30]
https://www.youtube.com/watch?v=LOSWGf3my9w
88:777 :

2023/12/31 (Sun) 15:14:31

【ニコニコは概要欄】 【録画】年末特番「激動の2023年!山口敬之さんと語る、揺れる岸田政権の行方は!?政治経済、外交、戦争、米国大統領選挙」松田政策研究所代表 松田学 × ジャーナリスト 山口敬之氏
https://www.youtube.com/watch?v=YCkuXjSrv1M

<出 演>
 松田政策研究所代表 松田学
 ジャーナリスト 山口敬之氏
89:777 :

2023/12/31 (Sun) 17:23:42

年末特別鼎談!その1『中東危機に日本はどう対応すべきか?』ゲスト:歴史家・評論家 八幡和郎氏&著述家 宇山卓栄氏
2023/12/30
https://www.youtube.com/watch?v=Po9lf5G0gTQ

<主な内容>
・中東危機概観 
・中東の歴史とイスラエル建国の正当性
・日本の外交方針
・今後の動向と展望



年末特別鼎談!その2『ウクライナ戦争とプーチン大統領、そして日本』ゲスト:歴史家・評論家 八幡和郎氏&著述家 宇山卓栄氏
2023/12/31
https://www.youtube.com/watch?v=KzTEnGlxjNI

< 主な内容>
・ウクライナ戦争概観
・日本の外交方針
・ロシアの多元外交について
・今後の動向と展望
90:777 :

2023/12/31 (Sun) 20:38:12

【大晦日討論】日本、地獄の季節か?天国か?[桜R5/12/31]
https://www.youtube.com/watch?v=XkxlhStY5rk

パネリスト:
 掛谷英紀(筑波大学システム情報系准教授)
 川口マーン惠美(作家)※スカイプ出演
 ジェイソン・モーガン (歴史学者・麗澤大学国際学部准教授)
 平井宏治(経済安全保障アナリスト・株式会社アシスト)
 用田和仁(元陸上自衛隊西部方面総監 陸将)
 ロバート・D・エルドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表)※スカイプ出演
司会:水島総
91:777 :

2024/01/01 (Mon) 11:13:35

2024.01.01XML
ネオコンの世界制覇計画を引き継いだバイデンがアメリカを破綻させつつある
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202401010000/

 ジョー・バイデンはアメリカ大統領に就任した直後、「ルビコン」を渡った。ロシアと中国を力づくで倒し、アメリカが世界の覇者として君臨しようとしたのだが、その計画が破綻、アメリカを中心とする支配システムが崩れ始めている。

 バイデンの周辺にいたのはネオコンと呼ばれるシオニストの一派で、その背後にはシティやウォール街を拠点とする強大な金融資本、古典的な表現を使うならば帝国主義者が存在している。

 ロシアや中国との戦いで簡単に勝てるとネオコンは信じていたようだが、そうした展開にはなっていない。作戦は全て裏目に出て、アメリカは窮地に陥った。ウクライナでロシアに敗北、ガザではパレスチナ人を「浄化」するどころか、手先のイスラエルは厳しい状況にある。西太平洋で戦争を準備、日本と韓国を利用して中国やロシアを新たな戦争へ引き摺り込もうとしているが、東アジアを破壊するだけで終わるだろう。ウクライナやパレスチナでは計算が狂い、東アジアでもバイデン政権の思惑通りには進みそうもない。

 しかし、「ルビコン」を渡ったバイデン政権は後戻りできない。すでにバイデンを支えている勢力はアメリカ国内で強引なことを始めた。国際問題でも形勢を逆転するため、2024年にはギャンブルに出る可能性がある。

 ウクライナの内戦はバイデンが副大統領を務めていたバラク・オバマ政権が始めた。ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すため、2013年11月から翌年2月にかけてクーデターを仕掛けたのだ。その工作を現地で指揮していたのが国務次官補だったビクトリア・ヌランド、ホワイトハウスで担当していたのがバイデン。当時、バイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていた人物がジェイク・サリバン、現在の国家安全保障補佐官だ。

 ヤヌコビッチ政権の打倒を目指すクーデターが始まるのは2013年11月のこと。首都キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)でカーニバル的な集会が始められ、12月になると集会への参加者は50万人に達したと言われている。

 年明け後、前面に出てきたネオ・ナチはチェーン、ナイフ、棍棒を手にしながら石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーを持ち出す。さらにスナイパーを使って広場にいた警官や住民を射殺するのだが、西側の有力メディアはその責任をヤヌコビッチ政権になすりつけた。

 そうした展開の中、EUは混乱を話し合いで解決しようとしたようだが、これに怒ったアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補はウクライナ駐在アメリカ大使のジェオフリー・パイアットに対し、電話で「EUなんかくそくらえ」と口にしている。アメリカは暴力によって2014年2月22日にヤヌコビッチ政権を倒した。

 こうした強引な方法でロシアとの戦争をネオコンは始めたのだが、その背景には、ソ連の消滅でアメリカが「唯一の超大国」になったという思い込みがあった。

 そうした西側支配層の雰囲気を示す論文がある。米英支配層と深い関係にある外交問題評議会(CFR)が発行している定期刊行物​「フォーリン・アフェアーズ」の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文​では、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカ軍の先制第1撃で破壊できるようになる日は近いとされている。簡単にロシアや中国に勝てるということだ。

 実は、この分析が間違っていることは2008年8月に判明している。イスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が北京で夏季オリンピックが開かれていた期間を狙い、南オセチアを奇襲攻撃したのだが、完膚なきまで叩きのめされた。

 イスラエルは2001年からジョージアに武器/兵器を含む軍事物資を提供、将兵を訓練しはじめている。イスラエルから供給された装備には無人飛行機、暗視装置、防空システム、砲弾、ロケット、電子システムなども含まれていた。

 当時のジョージア政府にはヘブライ語を流暢に話す閣僚がふたりいたことも知られている。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当しているテムル・ヤコバシビリだ。

 そのほか、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣して軍事訓練を実施、同年7月にはコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問している。南オセチアへの奇襲攻撃はその翌月だ。アメリカ政府の承認を受けての奇襲攻撃だったのだろう。

 アメリカはアル・カイダ系武装集団を使い、2011年春にリビアやシリアへ軍事侵攻、13年11月から14年2月にかけてウクライナではクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。このクーデターでアメリカ政府はネオ・ナチを使っている。

 ヤヌコビッチの支持基盤だった東部と南部の住民はクーデターを拒否し、南部のクリミアはロシアの保護下に入り、東部のドンバスでは内戦が始まった。オデッサではクーデターに反対していた住民をネオ・ナチの集団が虐殺している。

 内戦ではドンバス軍が優勢で、アメリカ/NATOはキエフ体制の軍事力を強化する時間が必要だった。そこで結ばれたのがミンスク合意。ドイツやフランスが仲介したのだが、​アンゲラ・メルケル元独首相​は昨年12月7日にツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認め、その直後に​フランソワ・オランド元仏大統領​はメルケルの発言を事実だと語っている。

 その後、8年をかけてアメリカ/NATOはクーデター政権に兵器を供給、兵士を訓練、ドンバスの周辺に要塞線を築いた。アゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリや岩塩の採掘場があるソレダルの要塞は特に有名だ。ここにはソ連時代、核戦争に備えて地下施設が建設されていたという。

 アメリカ/NATOの支援を受けたウクライナ軍は昨年2月、ドンバスに対する軍事侵攻に備えて部隊をドンバス周辺に集結させていた。その部隊が動く直前にロシア軍は集結していたウクライナ軍や軍事施設、そして生物兵器の研究開発施設を攻撃、破壊した。

 その段階でウクライナ軍の敗北は決定的だったのだが、すでにルビコンを渡っていたジョー・バイデン政権はウクライナで勝たなければならない。そこでウクライナ政府にロシア政府と停戦交渉をするなと命令して戦闘を継続させたが、欧米、特にEUが置かれた状況は厳しくなっている。

 こうした状況を作り出したオバマやバイデンは民主党だが、共和党のジョージ・W・ブッシュ政権も世界制覇を目指していたという点は同じであり、政権を支えていたのはネオコンだった。

 ブッシュ政権におけるネオコンの中心人物は副大統領だったリチャード・チェイニー。この人物は「1パーセントでも攻撃される危険性があれば、先制攻撃で相手をたたいてしまえ」と主張していた。

 軍事侵略で世界を制圧するというのだが、この計画を始動させる出来事が2001年9月11日に引き起こされている。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのだ。

 この攻撃についてブッシュ大統領は詳しい調査をせず、「アル・カイダ」が実行したと断定、その「アル・カイダ」を指揮しているオサマ・ビン・ラディンを匿っているという口実でアフガニスタンへの攻撃を始めた。タリバーンはオサマ・ビン・ラディンが攻撃を命令した証拠があれば引き渡すとアメリカ政府に伝えたが、いまだに証拠は示されていない。

 しかも、攻撃の直後、アメリカのネットワーク局CBSは、ビン・ラディンが世界貿易センターやペンタゴンに対するテロを実行していないと主張していると伝えた。

 そもそも「アル・カイダ」なる組織は存在しない。​イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックが2005年7月に明かしたように、「アル・カイダ」はCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだ​。アラビア語でアル・カイダはベースを意味、データベースの訳語としても使われる。

 オサマ・ビン・ラディンはサウジアラビアの建設会社を経営する富豪一族に属し、サウジアラビア王室ともつながりが深く、同国の情報機関を動かしていたトゥルキ・ビン・ファイサル・アル・サウド王子の下で活動していた。

 サウジアラビアの情報機関はジミー・カーター政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めていたズビグネフ・ブレジンスキーが始めたアフガニスタンにおける秘密工作に協力していた。イスラム同胞団やワッハーブ派の人間を戦闘員としてアフガニスタンへサウジアラビアが送り込み、CIAが軍事訓練していたのだ。アフガニスタンを不安定化させ、ソ連軍の介入を誘発してソ連本体を疲弊させようというプランだった。この当時、ブレジンスキーが作り上げた武装集団の戦闘員を「自由の戦士」と西側の有力メディアは呼んでいた。

 戦闘員をアフガニスタンへ送り込む仕事をしていたひとりがオサマ・ビン・ラディンにほかならないのだが、この人物をジハード(聖戦)の世界へ引き込んだのはムスリム同胞団のアブドゥラ・アッザムだと言われている。1984年にアッザムとビン・ラディンはパキスタンにMAK(マクタブ・アル・ヒダマト/礼拝事務局)のオフィスを開設した。このMAKがアル・カイダの源流だと言われている。

 1989年2月にソ連軍がアフガニスタンから撤退、91年にはオサマ・ビン・ラディンもアフガニスタンを離れ、サウジアラビアとパキスタンを経由してスーダンに入った。その際、ビン・ラディンをエスコートしたアリ・アブドゥル・サウド・モハメドはアメリカの特殊部隊と関係が深い。(Peter Dale Scott, “The American Deep State,” Rowman & Littlefield, 2015)

 1992年12月にイエメンの首都でホテルが爆破され、2名が死亡しているが、その現場を調査したアメリカ国務省の外交治安局のスペシャル・エージェントだったスコット・スチュワートによると、CIAの訓練を受けた何者かによって実行されていたという。(Max Blumenthal, “The Management Of Savagery,” Verso, 2019)

 ビン・ラディンは1993年から94年にかけての時期、サラエボで目撃されている。当時、アメリカを含むNATO加盟国の情報機関はジハード傭兵をボスニア・ヘルツェゴビナへ送り込んでいた。セルビアと戦わせることが目的だ。つまり、オサマ・ビン・ラディンもウクライナのネオ・ナチと同じように、アメリカによる軍事侵略の手先だった。2024年を前にして、この構図が崩れ始めている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202401010000/
92:777 :

2024/02/12 (Mon) 08:26:54

2024.02.07XML
好調に見えても中味のないアメリカ経済と実際に好調なロシア経済
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402070000/

 2023年におけるアメリカのGDP(国内総生産)は2.5%だった。西側の有力メディアはこの数字を根拠にしてアメリカが「力強い成長」を続け、景気が「想定外に強い」と主張している。ジョー・バイデン政権の経済政策はうまくいっていると言いたいのだろうかもしれないが、GDI(国内総所得)は1.5%にすぎないとも指摘されている。要するに、大企業や富裕層は儲かっているが、中小企業や庶民は苦しいということにほかならない。

 IMF(国際通貨機関)は定期的にWEO(世界経済見通し)を発表している。悪名高い機関ではあるが、​その数値を見るとアメリカの成長率は今年2.1%。EUや日本の0.9%に比べて高いのだが、ロシアの2.6%よりは低い​。ロシアの数値をIMFは前回の発表より上方に修正した。西側の支配層もロシア経済が好調だということを認めざるをえなくなっている。







 それに対し、​ロシアのウラジミル・プーチン大統領は昨年のGDP成長率は3.5%以上になると予測​、ロシアの経済発展省は2024年のロシアのGDP成長率を2.3%と予想している。賃金の上昇から消費が伸びているようだ。

 冷戦時代、アメリカをはじめとする西側諸国はソ連に対して軍事的な圧力を加えると同時に経済戦争を仕掛けていた。ドイツとの戦争で疲弊していたこともあり、ソ連消滅に繋がったわけだが、21世紀に入ってロシアが再独立すると、西側は基本的に同じ戦術でロシアを攻め始めた。

 アメリカ政府は2013年11月から14年2月にかけて、ネオ・ナチを利用してウクライナでクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。それ以降、クーデター体制は制圧できなかった東部のドンバスに対する攻撃を開始、クリミアを狙う動きも見せた。クーデターの目的はウクライナにアメリカの傀儡体制を築くことだが、経済的にはロシアとEUを結びつけていた天然ガスのパイプラインを止め、EUとロシアを弱体化させることにあった。

 そして2022年2月にロシアがウクライナへの攻撃を始めるとアメリカは経済戦争も本格化させる。ロシアを経済的に破綻させ、国内の不満を高め、ソ連のように潰そうとしたのだが、そうした展開にはならなかった。アメリカがこうしたことを仕掛けてくることを予想、準備していたのである。

 アメリカは基軸通貨を発行する特権を利用し、金融で世界を支配してきた。2022年以降、アメリカはロシアの主要金融機関7行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したが、ロシアはSPFS(金融メッセージ転送システム)を稼働させている。

 ロシアが国外に持っている口座をアメリカは封鎖、資産を略奪しているが、こうした行為はアメリカの金融システムに対する信頼を世界規模で失わせることになった。

 結局、アメリカからの攻撃を想定、準備していたロシアは大丈夫だったが、EUをはじめとする西側諸国は深刻なダメージを

 このクーデターの目的はドイツとロシアを分断することにある。ドイツから安いエネルギー資源の供給源を断ち、ロシアからマーケットを奪うということだ。「経済制裁」のターゲットもドイツを含むEUとロシアだったが、ロシアは準備していたことからダメージは少なかった。それに対し、ドイツなどEUは深刻なダメージを受け、経済的苦境に陥っている。そうなることが分かっていながらアメリカの命令に従っているのがEUだ。日本もアメリカの命令でロシアや中国とのビジネスが細り、経済的に厳しい状況に陥る一因になっている。

 ソ連の消滅でロシア文化の影響下にない国々は米英圏へ移動、 NATOの拡大につながり、ロシアの防衛システムは弱体化したものの、経済的に見るとソ連圏の国々を「養う」必要がなくなり、ロシアは自分たちの稼ぎを自分たちのために使うことができるようになった。ロシアが早いペースで国力を回復できた一因はそこにある。

 ロシアから離れた国のうち、東ドイツはナチスが台頭してからソ連を攻撃する中核になった国の一部であり、チェコの半分は1939年にナチスドイツに吸収されていた。スロバキアの半分はドイツの同盟国で、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアも同様だ。カトリック国のポーランドは歴史的に反ロシア感情が強いことで知られている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402070000/
93:777 :

2024/02/12 (Mon) 09:48:29

2024.02.08XML
タッカー・カールソンがロシアのプーチン大統領にインタビュー
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402080001/

 アメリカのジャーナリスト、タッカー・カールソンが2月6日、 ロシアのウラジミル・プーチン大統領にインタビュー、ジョー・バイデン政権は激怒しているようだ。EUにはカールソンの入国を拒否する動きがあるという。

 カールソンはFOXニュースの人気司会者だったが、昨年4月21日に解雇されている。彼に限らず、アメリカ支配層にとって都合の悪い報道をするジャーナリストはメディアの世界から追い出されてきた。ウクライナやパレスチナでは命が奪われている。

 こうしたことはヨーロッパでも行われてきた。例えば、アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権がイラクを先制攻撃する際、イラクが大量破壊兵器を保有しているという話を作り上げたが、イギリスのトニー・ブレア政権はこのでっち上げに協力している。2009年9月にブレア政権は「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書(9月文書)を作成、メディアにリークして人びとを脅しているのだが、これが嘘だったのだ。

 その事実を2003年5月29日にBBCのアンドリュー・ギリガン記者がラジオで取り上げ、粉飾されていると語った。アラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切り、45分で破滅するという話を挿入したと言ったのだ。

 事実を伝えたBBCはブレア政権から激しく攻撃され、ギリガンはBBCを追い出されるたが、それだけでなく放送局の執行役員会会長とBBC会長は辞任に追い込まれた。この後BBCは単なるプロパガンダ機関になった。

 ギリガンの情報源が国防省の生物兵器防衛部門を統括していたデイビッド・ケリーだということをイギリス政府は探り出して尋問、その名前が7月9日にリークされた。ケリーは15日に外務特別委員会へ呼び出され、17日に変死。手首の傷からの大量出血や鎮痛剤の注入が原因とされたが、手首の傷は小さく、死に至るほど出血したとは考えにくい。しかも彼は古傷のため、右手でブリーフケースを持ったりドアを開けたりすることができなかった。ステーキを切ることもできなかったと言われている。(Miles Goslett, “An Inconvenient Death,” Head of Zeus, 2018)

 現場に駆けつけた救急救命士のバネッサ・ハントによると、ケリーの左の手首には乾いた血がこびりついているだけで傷は見えなかったという。ハントの同僚であるデイビッド・バートレットはケリーの服についていた血痕はジーンズの膝についていた直径4分の1インチ(6ミリメートル)程度のものだけだったと証言している。そのほかにも不可解な点が少なくない。(前掲書)

 日本の有力メディアも単なる宣伝機関になっているが、1960年代にはカールソンのようなジャーナリストもいた。

 例えば、毎日新聞の外信部長だった大森実は1965年9月に北ベトナムの首都ハノイへ入って取材、アメリカ軍がハンセン病の病院を爆撃した事実を伝える。その報道に激怒したアメリカのエドウィン・ライシャワー駐日大使から批判された大森は1966年1月に会社を去った。毎日新聞以外もハノイ入りを狙っていて、朝日新聞の外報部長だった秦正流は大森より少し遅れてハノイ入りしている。

 また、TBSのキャスターを務めていた田英夫は北爆下のハノイを取材し、「ハノイ、田英夫の証言」を1967年10月に制作。当時の日本政府はTBSの社長、担当常務、報道局長を呼びつけて叱責したが、アメリカ政府が怒ったということだろう。その後、田はテレビから追放された。

 勿論、今の日本のマスコミにそうした取材をする記者はいない。権力者のお膳立てに従って動き、指示通りに伝えるだけだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402080001/
94:777 :

2024/02/12 (Mon) 10:47:29

2024.02.10XML
カールソンによるプーチンへのインタビューを米国のエリートが恐怖する理由
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402100000/

 ​タッカー・カールソンが2月6日に行ったウラジミル・プーチン露大統領とのインタビュー映像が公開された​。プーチンが過去に語ったことから逸脱する話はその中になく、「スクープ」があったとは思えない。それでもアメリカでは大騒動だ。

 プーチンはロシアがウクライナに対する軍事作戦を始めた理由を説明するため、中世までの歴史を語った。現在の出来事は過去の出来事の結果であり、歴史は因果の連鎖だ。ロシアとウクライナとの関係を説明するため、中世までさかのぼることは正しい。ちなみに、日本とアメリカの関係を理解するためには戦国時代までさかのぼる必要があると本ブログでは考えている。

 現在ウクライナとされている地域がソ連時代に形作られたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。ソ連消滅後、自分たちがロシア人だと考えているウクライナの東部や南部の人びとは西部から離脱しようとしたが、それは実現しなかった。ウクライナを新自由主義化しようとした西側の巨大資本は黒海に面した南部、そして資源が豊富で穀倉地帯の東部を欲しかったのだ。

 しかし、東部や南部の住民だけでなく、ウクライナ人の多くはロシア人との対立を望んでいなかった。そうした中、ロシアとの関係を重視するビクトル・ヤヌコビッチは2004年11月に行われた大統領選挙で勝利する。そこで始まったのが「オレンジ革命」だ。

 選挙の直後からユシチェンコ陣営は選挙で不正があったと主張し、デモや政府施設への包囲を始めて国内を混乱させて政権奪取に成功したのだ。そしてアメリカは新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領に据えることに成功した。

 ユシチェンコは2005年1月から10年2月まで大統領を務めるが、彼の導入した新自由主義的な政策は一部の腐敗勢力に富を集中させてオリガルヒと呼ばれる富豪を生み出す一方、大多数の庶民を貧困化した。そこで、2010年の大統領選挙でユシチェンコが再び勝利し、大統領に就任した。そこでアメリカ支配層は2013年11月から14年2月にかけてクーデターを実行するのだが、その手先はNATOから訓練を受けたネオ・ナチだった。

 クーデター体制になると軍や治安機関のメンバーのうち約7割が離脱し、東部や南部の住民もクーデターを拒否する。南部のクリミアに住む人びとはロシアの保護下に入り、東部のドンバスでは内戦が始まった。その際、軍や治安機関から離脱した人びとの一部ばドンバスの反クーデター軍へ合流したと言われている。

 そのため反クーデター軍は強く、アメリカはクーデター体制の戦力を増強し、要塞線を築くために時間が必要になった。そこで出てきたのがミンスク合意にほかならない。その合意で仲介役を務めたドイツの​アンゲラ・メルケル​(当時の首相)は2022年12月7日、ツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後に​フランソワ・オランド​(当時の仏大統領)はメルケルの発言を事実だと語った。

 アメリカ/NATOは8年かけてクーデター体制の戦力増強に努める。武器弾薬を供給、兵士を訓練、さらにドンバスの周辺に要塞線を構築したのだ。

 この地域にはソ連時代から地下要塞が作られていた。その中には親衛隊の中核だったアゾフ大隊が拠点にしたマリウポリ、岩塩の採掘場があるソレダル、その中間にあるマリーインカも含まれていた。

 ロシアとの軍事的な緊張を高めると同時に経済封鎖を推進してきた西側の勢力はカールソンのインタビューに激怒している。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、イギリスの支配層は19世紀からロシアを征服しようとしてきた。そのロシアと新興国ドイツを戦わせようとしたのが第1次世界大戦だ。その当時、戦争に反対する大地主と戦争に賛成する資本家が対立、グレゴリー・ラスプーチンとフェリックス・ユスポフがそれぞれの象徴的な存在だった。ユスポフと親しかったスティーブン・アリーとオズワルド・レイナーはイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーであり、ラスプーチンを実際に射殺した拳銃を所持していたのはレイナーだ。

 ラスプーチン暗殺後、ロシアでは「二月革命」で資本家が実権を握るが、それを嫌ったドイツがボルシェビキの指導者を列車でロシアへ運んでいる。そして「十月革命」が起こり、ボルシェビキの体制が成立。ソ連とドイツはナチスが台頭するまで友好的な関係を維持した。

 そのソ連との関係修復を訴えたのがアメリカのジョン・F・ケネディ大統領だ。1963年6月10日、アメリカン大学の卒業式で「平和の戦略」と呼ばれる演説を行い、ソ連と平和共存する道を歩き始めると宣言している。

 その演説の冒頭でケネディ は軍事力で世界に押しつける「パックス・アメリカーナ(アメリカ支配による平和)」を否定、アメリカ市民は「まず内へ目を向けて、平和の可能性に対する、ソ連に対する、冷戦の経過に対する、また米国内の自由と平和に対する、自分自身の態度を検討しはじめるべき」(長谷川潔訳『英和対訳ケネディ大統領演説集』南雲堂、2007年)だと語りかけたのだ。

 ソ連とアメリカとの間で全面戦争が起こればいずれの国も破壊されるとケネディは主張、冷戦の段階でも「両国はともに無知と貧困と病気を克服するためにあてることができるはずの巨額のカネを、大量の兵器に投じている」と警鐘を鳴らし、最後に「われわれは人類壊滅の戦略に向かってではなく、平和の戦略に向かって努力し続けるのです」と語り、演説を終えている。(前掲書)

 その年の11月22日、テキサス州ダラスでケネディ大統領は暗殺され、この戦略が実行に移されることはなくなった。ソ連/ロシアとアメリカが友好的な関係を築くことを恐れている勢力はタッカー・カールソンのインタビューに激怒しているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402100000/
95:777 :

2024/02/15 (Thu) 07:06:36

米国で反ネオコンのFoxニュースのタッカー・カールソンが解雇に
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14107548


【そうきチャンネル】プーチン・インタビューの衝撃① ・ネオコン対タッカー・カールソン 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
渡辺惣樹 2024/02/14
https://www.youtube.com/watch?v=EihcEADz2LI
96:777 :

2024/02/28 (Wed) 11:57:11

2024.02.28XML
ナチスに協力していたウクライナの民族主義者は大戦後、米英情報機関が育成
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402280001/

 ウクライナの現体制はアメリカやイギリスの支配層を後ろ盾にしているが、体制を維持する仕組みを支えているのはステパン・バンデラを信奉するネオ・ナチにほかならない。ウクライナに限らず、第2次世界大戦後にネオ・ナチを保護、育成してきたのはアメリカやイギリスの情報機関だ。

 バンデラは第2次世界大戦の前に組織されたOUN(ウクライナ民族主義者機構)の幹部だった人物。当初、この組織を率いていたのはイェブヘーン・コノバーレツィだが、1938年5月に暗殺された後、内部対立が激しくなる。

 1941年3月にその対立は頂点に達し、アンドレイ・メルニクを中心とするグループ(OUN-M)とバンデラを中心とするグループ(OUN-B)に割れた。ドイツはOUN-Bに資金を提供、バンデラの側近だったミコラ・レベジはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入っている。この年の6月、ドイツはソ連へ軍事侵攻を開始した。バルバロッサ作戦だ。その一方、イギリスの情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーはバンデラ派を雇っている。

 ウクライナのリビウを制圧したドイツ軍はOUNのような排他的なナショナリストとユダヤ人を虐殺しはじめ、6月30日から7月2日にかけて犠牲になった人の数は4000名から8000名だと推測されている。ウクライナ西部全体に拡大すると、7月に殺されたユダヤ人の数は3万8000名から3万9000名に達するという。(Grzegorz Rossolinski-Liebe, “Stepan Bandera,” ibidem-Verlag, 2014)

 レベジと同じようにバンデラの側近だったヤロスラフ・ステツコは仲間とウクライナの独立を宣言、ナチスの親衛隊は7月からOUN-Bのメンバーを次々に逮捕していくのだが、活動が止まったわけではない。8月にレベジたちはOUN-Mの幹部ふたりを射殺している。9月になるとゲシュタポがウクライナのナショナリストを摘発し始め、その年の12月にOUN-Bは1500名のメンバーが逮捕されたと発表している。(Grzegorz Rossolinski-Liebe, “Stepan Bandera,” ibidem-Verlag, 2014)

 1943年1月にドイツ軍はスターリングラードで降伏、ドイツの敗北は決定的になった。その年の春にOUN-BはUPA(ウクライナ反乱軍)として活動し始め、その年の11月には「反ボルシェビキ戦線」を設立。OUNやUPAの幹部のうち半数近くがウクライナの地方警察やナチスの親衛隊、あるいはドイツを後ろ盾とする機関に雇われていたと考えられている。(前掲書)

 UPAはユダヤ人やポーランド人を虐殺しているが、その際、妊婦の腹を引き裂いて胎児や内蔵を取り出すようなこともしている。脅しのために灌木に引っかけるといったことをしたという。1943年から45年の間にOUN-BとUPAが殺したポーランド人は7万人から10万人と言われている(前掲書)

 1945年5月にドイツが降伏した後、OUN-Bの少なからぬメンバーはオーストリアのインスブルックへ逃げ込み、夏になるとバンデラたちはドイツの情報法機関を統轄することになるラインハルト・ゲーレンの機関に匿われていく。

 ゲーレンはドイツ陸軍参謀本部第12課(情報部門)の課長を務めていた軍人で、ドイツの敗北が決定的になっていた1944年にOSSのフランク・ウィズナーを介してアレン・ダレスのグループと接触、ソ連に関する情報を持っていたゲーレンにダレスは興味を持った。そのゲーレンに雇われたバンデラがCIAの指揮下に入るのは必然だ。

 OUN-B が組織した反ボルシェビキ戦線は1946年4月にABN(反ボルシェビキ国家連合)へと発展、APACL(アジア人民****連盟、後にアジア太平洋****連盟に改名)とともにWACL(世界****連盟。1991年にWLFD/世界自由民主主義連盟へ名称変更)の母体になった。WACLはCIAが秘密工作を行う際の道具として機能している。WACL/WLFDの役割は小さくなったが、ウクライナで実権を握っているネオ・ナチは対ロシア戦争の最前線にいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402280001/
97:777 :

2024/03/02 (Sat) 08:35:07

2024.03.02XML
配下の国が思い通りに動かなくなり、核戦争で脅すしかなくなったアメリカ政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403020000/

 アメリカのロイド・オースチン国防長官は下院軍事委員会の公聴会で追加資金の承認を議員に呼びかけた。ウクライナに対する600億ドルの新たな支援策が議会で通らないため、その資金がないとウクライナでロシアが勝利、NATOとロシアが直接軍事衝突すると主張している。アメリカの支援が続かなければ確実に負けると警告したというが、資金や武器弾薬を供給してもウクライナの敗北は決定的である。

 短期的に見るとウクライナにおける戦闘は2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ政権が仕掛けたクーデターから始まるが、その背景には1992年2月にDPG(国防計画指針)草案という形で作成された世界制覇プロジェクトがある。







 その当時、すでに国防総省もネオコンに制圧されていた。国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。ふたりともネオコンだ。そのウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから、DPGは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 そのドクトリンではドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、新たなライバルの出現を防ぐことが謳われている。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、東南アジアにアメリカを敵視する勢力が現れることを許さないとしているのだ。

 しかし、当時の日本政府はアメリカの戦争マシーンに組み込まれることを嫌がる。細川護煕政権が国連中心主義を主張したのはそのためなのだが、そうした姿勢を見てネオコンは怒る。細川政権は1994年4月に倒され、95年2月にはウォルフォウィッツ・ドクトリンの基づく「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」をジョセイフ・ナイは発表した。

 そうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)、それから10日後には警察庁の國松孝次長官が狙撃された。そして8月には日本航空123便の墜落に自衛隊が関与していることを示唆する大きな記事がアメリカ軍の準機関紙とみなされているスターズ・アンド・ストライプ紙に掲載される。

 アメリカではソ連消滅後、有力メディアが旧ソ連圏に対する戦争を煽り始め、その流れに逆らったビル・クリントン大統領はスキャンダル攻勢にあった。

 クリントン政権で戦争を抑える上で重要な役割を果たしていたのは国務長官だったクリストファー・ウォーレンだが、1997年1月にブレジンスキーの教え子でもあるマデリーン・オルブライトへ交代、彼女は98年秋にユーゴスラビア空爆を支持すると表明する。

 そして1999年3月から6月にかけてNATO軍はユーゴスラビアへの空爆を実施、4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館も爆撃された。この空爆を司令部はアメリカ大使館にあり、指揮していたのはブルガリア駐在大使だったリチャード・マイルズだと言われている。






 2000年はアメリカ大統領選挙のある年だったが、1999年の段階で最も人気があった候補者は共和党のジョージ・W・ブッシュでも民主党のアル・ゴアでもなく、立候補を否定していたジョン・F・ケネディ・ジュニア、つまりジョン・F・ケネディ大統領の息子だった。1999年前半に行われた世論調査ではブッシュとゴアが30%程度で拮抗していたのに対し、ケネディ・ジュニアは約35%だったのだ。

 しかし、ケネディが大統領選挙に参加することはなかった。1999年7月、ケネディ・ジュニアを乗せ、マサチューセッツ州マーサズ・ビンヤード島へ向かっていたパイパー・サラトガが目的地へあと約12キロメートルの地点で墜落、ケネディ本人だけでなく、同乗していた妻のキャロラインとその姉、ローレン・ベッセッテも死亡している。

 墜落地点から考えて自動操縦だった可能性が高く、操作ミスだった可能性は小さい。JFKジュニアが乗っていた飛行機にはDVR300iというボイス・レコーダーが搭載され、音声に反応して動き、直前の5分間を記録する仕掛けになっていたが、何も記録されていなかった。また緊急時に位置を通報するためにELTという装置も搭載していたが、墜落から発見までに5日間を要している。

 2000年の上院議員選挙では投票日の3週間前、ブッシュ・ジュニア陣営と対立関係にあったメル・カーナハンが飛行機事故で死んでいる。このカーナハンと議席を争っていたのがジョン・アシュクロフト。ジョージ・W・ブッシュ政権の司法長官だ。ちなみに、選挙では死亡していたカーナハンがアシュクロフトに勝っている。

 選挙の結果、大統領に選ばれたのはブッシュ・ジュニア。大統領に就任した2001年の9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、アメリカは侵略戦争を始める。

 2002年には中間選挙が行われたが、この段階でイラク攻撃に反対する政治家は極めて少なかった。例外的なひとりがミネソタ州選出のポール・ウェルストン上院議員だが、そのウェストン議員は投票日の直前、2002年10月に飛行機事故で死んでいる。

 メディアは「雪まじりの雨」という悪天候が原因だったと報道さしていたが、同じ頃に近くを飛行していたパイロットは事故を引き起こすような悪天候ではなかったと証言、しかも議員が乗っていた飛行機には防氷装置がついていた。しかも、その飛行機のパイロットは氷の付着を避けるため、飛行高度を1万フィートから4000フィートへ下降すると報告している。その高度では8キロメートル先まで見えたという。

 ブッシュ政権はアメリカ主導軍を使い、2003年3月にイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を破壊し、100万人を超すと見られるイラク人を殺している。この数字は複数の調査でほぼ一致している。

 例えば、アメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると2003年の開戦から06年7月までに約65万人のイラク人が殺されたという。イギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人が死亡、またNGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。

 ネオコンは1980年代からフセイン体制を倒し、イランとシリアを分断しようとしていた。そのフセイン体制をペルシャ湾岸の産油国を守る防波堤と考えていた勢力、例えばジョージ・H・W・ブッシュやジェームズ・ベイカーらとネオコンは対立、イラン・コントラ事件が発覚する一因になった。

 結局、イラクではフセインを排除したものの、親イスラエル体制を樹立することには失敗。そこで次のオバマ政権は2010年8月にPSD-11を承認してムスリム同胞団を使った体制転覆作戦を始動させる。そして始まるのが「アラブの春」だ。

 その流れの中でアメリカ、イギリス、フランスを含む国々は2011年春からリビアやシリアに対する軍事侵略を始めた。この戦術はオバマの師にあたるズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代に始めたものだ。

 リビアに対する攻撃は2011年2月に始まり、3月には国連の安全保障理事会がアメリカなどの要請を受けて飛行禁止空域の導入を承認、5月にはNATO軍機が空爆を開始する。そして10月にムアンマル・アル・カダフィは惨殺された。

 その間、地上ではアル・カイダ系武装集団のLIFGがNATO軍と連携して動いていたのだが、その事実が明らかになってしまう。例えば、​反カダフィの武装勢力が拠点にしていたベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられた​。

 ​イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは2005年7月、アル・カイダはCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと指摘している​。アラビア語でアル・カイダは「ベース」を意味、データベースの訳語としても使われる。

 一般的にアル・カイダのリーダーだと言われ、イコンとして扱われていた人物がオサマ・ビン・ラディン。そのビン・ラディンを2011年5月、アメリカ海軍の特殊部隊が殺害したとオバマ大統領は発表している。

 2012年からオバマ政権はシリア侵略に集中、リビアから戦闘員や武器をNATO軍がシリアへ運び、軍事支援を強化するのだが、そうした行為を正当化するためにシリア政府を悪魔化するための偽情報を流した。

 ところがシリア軍は手強く、アル・カイダ系武装勢力では倒せない。そこでオバマ政権は支援を強化するのだが、アメリカ軍の情報機関​DIAは、オバマ政権が支援している武装勢力の危険性を指摘する。その主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、アル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)といったタグをつけているとする報告を2012年8月にホワイトハウスへ提出した​のだ。オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告していた。2012年当時のDIA局長はマイケル・フリン中将だ。

 この警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)という形で現実なった。この武装勢力は同年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧する。その際にトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられ、広く知られるようになった。

 アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、通信傍受、人間による情報活動などで武装集団の動きを知っていたはず。つまりパレードは格好の攻撃対象だが、そうした展開にはなっていない。ダーイッシュが売り出された後、フリンDIA局長は退役に追い込まれた。

 オバマ政権は「残虐なダーイッシュ」を口実に使い、シリアへアメリカ/NATO軍を直接投入しようと目論み、戦争体制を整える。2015年2月に国務長官をチャック・ヘイゲルからアシュトン・カーターへ、9月に統合参謀本部議長をマーティン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代させたのだ。

 ヘイゲルは戦争に慎重な立場で、デンプシーはサラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていた。それに対し、カーターやダンフォードは好戦派だ。

 統合参謀本部議長が交代になった数日後の9月30日にロシアはシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュなど武装勢力の支配地域は急速に縮小していく。アメリカ主導軍と違い、ロシア軍は本当にダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力を攻撃したのだ。

 シリアでの戦闘でロシア軍は戦闘能力や兵器の優秀さを世界に示し、歴史の流れを変えた。アメリカを憎悪しながら沈黙していた国々がロシアの周辺に集まり始めた。そしてウクライナでもロシア軍は戦闘能力や兵器の優秀さを示し、アメリカ/NATO軍は惨めな姿を晒すことになったのである。

 そうした中、​ニューヨーク・タイムズ紙は、CIAがウクライナ領内、ロシアとの国境に近い地域に12の秘密基地を作っていたと伝えている​のだが、特に驚くような話は含まれていなかったが、明らかな偽情報も含まれていたことが指摘されている。CIAの優秀さとロシアの邪悪さを宣伝することが目的だと見られている。米英を中心とした支配システムを維持するため、アメリカ/NATO軍は凄いと人びとに思わせなければならない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403020000/
98:777 :

2024/03/05 (Tue) 06:14:11

2024.03.05XML
ウクライナやガザの問題にも関係していたジェイコブ・ロスチャイルドが死亡
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403050000/

 ジェイコブ・ロスチャイルドが87歳で死亡したと2月26日に発表された。家族によると、ユダヤ教の慣習に従って埋葬されるという。

 ビクター・ロスチャイルドとバーバラ・ハッチンソンの子どもとして1936年4月に生まれた彼はイートン・カレッジを経てオックスフォード大学へ進み、歴史を学んだ。

 1963年からNMロスチャイルドで働き始めるが、投資信託のロスチャイルド・インベストメント・トラスト(その後、RITキャピタル・パートナーズ)の経営権を独立させ、1980年から活動の拠点にしている。彼がファミリー・ビジネスから離れた理由はエベリン・ロバート・ド・ロスチャイルドと経営上の対立が生じたからだという。

 RITキャピタル・パートナーズは2012年5月にロックフェラー・ファイナンシャル・サービシズの発行済み株式のうち37%を取得した。ジェイコブ・ロスチャイルドはデイビッド・ロックフェラーと手を組んだのだ。

 ジェイコブは2006年に倒産したロシアの石油会社ユーコスを所有していたミハイル・ホドルコフスキーの代理人を務めていたことでも知られている。

 ホドルコフスキーは1963年6月、ユダヤ教徒の父親とロシア正教との母親との間に生まれ、ソ連時代に彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務めていた。

 ソ連時代の1989年、ホドルコフスキーはリチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた。ミハイル・ゴルバチョフが始めたペレストロイカ(改革)のおかげなのだろう。この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得するが、違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。

 このビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーはKGB人脈を持っていた。そのコネクションに助けられてビザを入手できたという。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999)

 ソ連は1991年12月に消滅、ボリス・エリツィンが西側支配層の代理人としてロシアを支配するようになる。ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任した。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ユーコスは西側から資金を調達していたが、投資会社のカーライル・グループも調達源のひとつ。この投資会社にはジェームズ・ベイカー元米国務長官をはじめ、フランク・カールッチ元米国防長官、ジョン・メジャー元英首相、ジョージ・H・W・ブッシュなどが幹部として名を連ねていた。

 その一方、彼はジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ財団」をモデルにした「オープン・ロシア財団」を2002年にアメリカで創設、その際にホドルコフスキーとロスチャイルドはこのプロジェクトに共同で資金を提供している。ホドルコフスキーはヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルドを雇い入れている。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしていたが、ウラジミル・プーチンに阻止された。プーチンの動きが少しでも遅れれば、ロシアは米英支配層の植民地になっていたことだろう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 プーチンが実権を握った後、少なからぬオリガルヒはロシアからイギリスのロンドンやイスラエルへ逃亡するが、ホドルコフスキーはロシアに残った。そして2003年10月、彼はノボシビルスクの空港で横領と税金詐欺の容疑で逮捕された。当時『サンデー・タイムズ』紙が報じたところによると、ホドルコフスキーのユーコス株の支配権は、先に結ばれた「取り引き」によってジェイコブ・ロスチャイルドへ渡っている。

 ウクライナでビクトル・ヤヌコビッチ政権がアメリカ政府主導のクーデターで倒された後、同国の経済は破綻し、国債の価格は下落する。フランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買い占めていたが、このファンドを操っているのはロスチャイルド家だと伝えられている。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが西側支配層のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 イスラエルとの関係が深いジェイコブは中東でも暗躍、 2010年にはジーニー・エナジーの株式5%を取得している。この企業はゴラン高原一帯の独占石油採掘権を獲得したIDTコーポレーションの子会社で、取締役にはメディア王ルパート・マードック、ディック・チェイニー元米副大統領、ジェームズ・ウールジー元CIA長官、ヘッジファンド・マネージャーのマイケル・スタインハート、そしてロスチャイルド自身が名を連ねている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403050000/
99:777 :

2024/03/11 (Mon) 21:55:34

【矢野義昭先生】 世界の多極化と日本 グローバリズムの行方 ニコニコ同時配信(全編はニコニコで)2024.03.11.
https://www.youtube.com/watch?v=qXlYp8119Uw

続きはニコ生で
https://live.nicovideo.jp/watch/lv344481579
100:777 :

2024/03/14 (Thu) 17:36:27

ビルダーバーグ会議, アゾフ大隊,NATO…ヒトラーの血を引く現代版「ナチス」の正体
調査報道 河添恵子TV / 公式チャンネル
2024/03/12
https://www.youtube.com/watch?v=3OBIfbzZIeM
101:777 :

2024/03/17 (Sun) 14:30:21

2024.03.15XML
追い詰められたバイデン政権は状況を逆転するギャンブルをするか(その1)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403150000/

 ジョー・バイデンを含むネオコン、つまりアメリカの好戦的なシオニストはウクライナでロシアに敗北、イスラエル軍によるガザでのパレスチナ人虐殺の共謀者として批判されている。この状況を逆転させるためには衝撃的な、ネオコンの表現を借りるならば「新たな真珠湾攻撃のような壊滅的な」出来事が必要だと考える人もいる。「偽旗作戦」だ。

 ベトナムに対する本格的な軍事介入を実現するためにでっち上げられた1964年8月の「トンキン湾事件」も有名である。アメリカの駆逐艦が北ベトナムの魚雷艇に砲撃されたとリンドン・ジョンソン大統領は宣伝して好戦的な雰囲気を高め、1965年2月には「報復」と称して本格的な北爆を始めている。

 ベトナムはフランスの植民地だったが、1954年5月にディエンビエンフーでフランス軍はベトミン軍に降伏しているが、その直前の1月にアメリカの国務長官だったジョン・フォスター・ダレスはNSC(国家安全保障会議)でベトナムにおけるゲリラ戦の準備を提案、国務長官の弟であるアレン・ダレスが率いるCIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成した。

 ところが、ケネディ大統領はアメリカの軍隊をインドシナから撤退させると決断、1963年10月にNSAM(国家安全保障行動覚書)263を出した。1963年末にアメリカの軍事要員1000名を撤退させ、65年12月までに1万1300名を完全撤退させるとされていた。アメリカ軍の準機関紙と言われるパシフィック・スターズ・アンド・ストライプス紙は「米軍、65年末までにベトナムから撤退か」という記事を掲載している。

 言うまでもなく、このNSAM263は実行されていない。ジョンソンは1963年11月26日、つまり前任者が殺されて4日後にNSAM273を、また翌年3月26日にはNSAM288を出して取り消してしまったのだ。(L. Fletcher Prouty, "JFK," Carol Publishing Group, 1996)

 ベトナム駐在のヘンリー・ロッジ大使と「大統領」は11月20日にホノルルで話し合い、「南ベトナムに関する討議」の内容を再検討してNSAM273を作成したとされている。この「大統領」がケネディだということはありえない。

 トンキン湾事件の前にもアメリカ軍は偽旗作戦を計画している。ソ連に対する先制攻撃を国民に容認させる雰囲気を作るために秘密工作を実行しようとしたのだ。

 その計画の中には、キューバのグアンタナモ湾に浮かぶアメリカの艦船を爆破、その責任をキューバに押しつけて非難するほか、マイアミを含むフロリダの都市やワシントンで「爆弾テロ工作」を展開してキューバのエージェントを逮捕、事前に用意していた書類を公表、さらに民間旅客機の撃墜も演出しようとしていた。「ノースウッズ作戦」だ。その先にはソ連に対する先制核攻撃計画が存在している。

 この撃墜作戦で拠点になるのはフロリダ州にあるエグリン空軍基地。CIAが管理している民間機のコピー機をこの基地で作り、本物の航空機は自動操縦できるようにする。その上でコピー機にはCIAの管理下にある人びとをのせて離陸、途中で本物と入れ替え、コピー機はエグリン基地へ降りる。無人機はフライト・プランに従って飛行、キューバ上空で救助信号を出し、キューバのミグ戦闘機に攻撃されていると報告、その途中で自爆するというシナリオになっていた。そのほか、数機のF101戦闘機をキューバに向かって発進させ、そのうち1機が撃墜されたように見せかける計画もあった。(Memorandum for the Secretary of Defense, 13 March 1962)

 この計画をライマン・レムニッツァー統合参謀本部議長は1962年3月に国防長官のオフィスで説明するが、ロバート・マクナマラ長官は拒否(Thierry Meyssan, “9/11 The big lie”, Carnot Publishing, 2002)、その数カ月後にレムニッツァーは大統領を説得するため、キューバにアメリカ軍が軍事侵攻してもソ連は動けないと説明するが、これは無視された。

 そして1962年10月にケネディ大統領はレムニッツァー議長の再任を拒否する。その時、レムニッツァーへ欧州連合軍最高司令官にならないかと声をかけてきたのがシチリア島上陸作戦以降、彼を出世街道へ乗せたハロルド・アレグザンダーだ。イギリスの貴族階級に属する軍人で、イギリス女王エリザベス2世の側近として知られている。

 ケネディ大統領だけでなく議会の中にもこうした好戦的な軍人を懸念する人物がいて、上院外交委員会では軍内部の極右グループを調べはじめる。その中心になっていたのがアルバート・ゴア上院議員(アル・ゴアの父親)だ。調査の結果、そのグループにはレムニッツァーのほかエドワード・ウォーカー少将、ウィリアム・クレイグ准将が含まれていることが判明する。

 ケネディ大統領はイスラエルの核兵器開発には厳しい姿勢で臨んでいたことが知られている。イスラエルのダビッド・ベングリオン首相と後任のレビ・エシュコル首相に対し、半年ごとの査察を要求する手紙をケネディ大統領は送付、核兵器開発疑惑が解消されない場合、アメリカ政府のイスラエル支援は危機的な状況になると警告している。(John J. Mearsheimer & Stephen M. Walt, “The Israel Lobby”, Farrar, Straus And Giroux, 2007)

 言うまでもなく、イスラエルはその後も核兵器の開発を進め、1986年10月5日付けのサンデー・タイムズ紙に掲載された内部告発者のモルデカイ・バヌヌの話よると、イスラエルが保有する核弾頭の数は生産のペースから推計して150から200発。水爆の製造に必要なリチウム6やトリチウム(三重水素)の製造を担当していたバヌヌは水爆の写真を撮影している。また中性子爆弾の製造も始めていたとしている。(The Sunday Times, 5 October 1986)

 ケネディ大統領が1963年11月22日に暗殺された後、副大統領から昇格したジョンソンのスポンサーはアブラハム・ファインバーグ。アメリカン・バンク&トラストの頭取を務める親イスラエルの富豪だ。ジョンソンの中東政策はこの人物のアドバイスに従っていたという。この大統領交代でアメリカ政府のイスラエルに対する姿勢は大きく変わった。

 現在のアメリカ大統領、ジョー・バイデンは自らがシオニストだと言うことを公言、世界ユダヤ人会議から政治的シオニズムの創始者にちなんだ賞を授与されている。​昨年10月にはイスラエルでベンヤミン・ネタニヤフ首相らと会談した際、バイデンは「シオニストであるためにユダヤ人でなければならないとは思わないし、私はシオニストだ」と発言していた​。また2007年には「シャロームTV」のインタビューでも自分はシオニストだと主張、息子のボー・バイデンがユダヤ系のハリー・バーガーと結婚したとも語っている。このジョー・バイデンがイスラエル、そしてベンヤミン・ネタニヤフ政権に厳しい姿勢で臨むことは考えにくい。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403150000/




2024.03.16XML
追い詰められたバイデン政権は状況を逆転するギャンブルをするか(その2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403160000/
 アメリカが中東で侵略戦争を本格化させる切っ掛けは2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃だが、その直前、ジョージ・W・ブッシュを担いでいた勢力は厳しい状況に陥っていた。その状況を9/11が逆転させたのである。

 この攻撃では世界貿易センターの南北ツインタワーだけでなく、攻撃を受けていない7号館(ソロモン・ブラザース・ビル)も爆破解体のように崩壊している。

 このビルで最大のテナントは金融機関のソロモン・スミス・バーニー(1988年にソロモン・ブラザースとスミス・バーニーが合併してこの名称になった)で、47階のうち37階を占めていた。それ以外には国防総省、ニューヨーク市のOEM(緊急事態管理事務所)、シークレット・サービス、CIA、SEC(証券取引委員会)、IRS(内国歳入庁)、FEMA(連邦緊急事態管理局)が入っていた。

 タワーに航空機が激突した直後、7号館の23階に入っていたOEMに人がいないことをニューヨーク市住宅局に勤めるバリー・ジェニングスと弁護士のマイケル・ヘスは確認しているが、その際、ビルの中で正体不明の人物からすぐ立ち去るよう言われたと話している。当日、OEMにいたルドルフ・ジュリアーニ市長によると、南北両タワーが崩壊するという警告が午前8時46分から9時59分の間にあったとABCニュースのインタビューの中で答えている。調査委員会によるとOEMの職員が避難したのは9時30分、NISTによると9時44分頃。ジェニングとヘスの証言が正しいなら、サウス・タワーに旅客機が突入する前にいなくなっていたことになる。

 ジェニングスとヘスのふたりは階段で降り始め、8階にたどり着いたときに大きな爆発があったという。そのとき南北タワーは崩壊していない。その後、ヘスは爆発があったとする当初の証言を取り消し、ジェニングスは2008年9月に直線道路で自損事故を起こして死亡した。

 10時45分にCNNは世界貿易センターで「50階建てビル」が崩壊すると伝え、16時54分になるとBBCのジェーン・スタンドレーは肩越しに7号館が見える状態でそのビルが崩壊したとレポートしている。これは有名な映像で、見たことのある人は少なくないだろう。実際の崩壊は17時20分だ。

 当時、ブッシュ陣営の「財布」的な存在だったエンロンの破綻は不可避の状態で、シティ・グループとワールドコム倒産も表面化していた。そうした問題に関連した文書が7号館で保管されていたのだが、ビルの崩壊で無くなってしまった。金塊も消えたと言われている。

 2001年9月10日にドナルド・ラムズフェルド国防長官は2兆3000億ドルの行方がわからなくなっていると発表しているが、その関連文書はペンタゴンに保管されていた。ラムズフェルドがその発表をした翌日、世界貿易センターとペンタゴンは攻撃されてビルが崩壊、重要資料はなくなっている。

 この頃アメリカでは少なからぬ「イスラエル人美術学生」が逮捕されている。イギリスのテレグラフ紙によると「9/11」の前に140名のイスラエル人が逮捕され(Telegraph, March 7, 2002)、ワシントン・ポスト紙によると事件後にも60名以上が逮捕されている。(Washington Post, November 23, 2001 )合計すると逮捕者は200名に達する。

 捜査が始まる切っ掛けは、2001年1月にDEA(麻薬捜査局)へ送られてきた報告で、イスラエルの「美術学生」がDEAのオフィスへの潜入を試みているとする内容だった。遅くとも2000年にはそうした動きが始まっているとされている。別の報告では、多くのDEA職員の自宅をイスラエル人学生が訪問している事実も指摘されていた。どこかでDEAに関する機密情報がイスラエル側に漏れている疑いが出てきたわけだが、この「美術学生」の正体は不明だ。

 拘束されたイスラエル人の中にはモサドのメンバーも含まれ、ポラード事件以来の重要なスパイ摘発だと言われたが、こうした出来事も9/11によって吹き飛ばされた。

 アメリカのFOXニュースが2001年12月に放送した番組によると、1997年にロサンゼルスで麻薬取引やクレジット・カード詐欺などの捜査が行われた際、捜査官のポケットベル、携帯電話、あるいは自宅の電話が監視されていることが発覚、イスラエル系の電子通信会社アムドクスが疑われた。9/11の後に逮捕されたイスラエル人の1割はアムドクスの社員だったという。

 会社側は情報の漏洩を否定しているものの、1997年にベル・アトランティックがホワイト・ハウスに新しい電話回線を設置した際、アムドクスも協力している。そこで、米政府高官の電話がイスラエルに監視されている可能性がある。

 現在、ガザで繰り広げられている虐殺の序章は昨年4月に始まっている。イスラエルの警察官が4月1日にモスクの入口でパレスチナ人男性を射殺、4月5日には警官隊がそのモスクに突入したのだ。

 ユダヤ教の祭りであるヨム・キプール(贖罪の日/昨年は9月24日から25日)の前夜にはイスラエル軍に守られた約400人のユダヤ人が同じモスクを襲撃し、ユダヤ教の「仮庵の祭り」(昨年は9月29日から10月6日)に合わせ、10月3日にはイスラエル軍に保護されながら832人のイスラエル人が同じモスクへ侵入している。

 そして10月7日にハマスを中心とする武装勢力がイスラエルへ攻め込んだのだが、このハマスはイスラエルがPLOのヤセル・アラファト対策で創設した組織だ。

 ムスリム同胞団のメンバーだったシーク・アーメド・ヤシンは1973年にイスラエルの治安機関であるシン・ベトの監視下、ムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立し、1987年にイスラム協会の軍事部門としてハマスは作られた。

 2004年にヤシンとアラファトは暗殺されているが、​シーモア・ハーシュによると、09年に首相へ返り咲いたネタニヤフはPLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとした​。そのため、ネヤニヤフはカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという。

 その後、ハマスの内部に反イスラエル色の濃いグループも誕生し、昨年10月7日の攻撃の数カ月前、ハマスはヒズボラやイスラム聖戦と会議を開いていたと言われている。こうした組織は戦闘情報を交換していたようだ。

 こうした状況の変化はあるが、ハマスの攻撃をアメリカやイスラエルは事前に知っていたことをうかがわせる動きが見られた。

 例えば武装グループが突入した数時間後に2隻の空母、 ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動しているのだが、事前に情報を持っていなければ、こうした迅速な動きはできなかっただろう。

 また、ガザはイスラエルが建設した事実上の強制収容所。巨大な壁に取り囲まれ、電子的な監視システムが張り巡らされている。人が近づけば警報がなり、地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっている。

 バイデンのシオニスト発言やこうした状況を考えると、10月7日の攻撃の前にバイデン政権とネタニヤフ政権が事前に打ち合わせをしていた可能性も否定できない。彼らには西側の有力メディアという強力なプロパガンダ機関が存在していることもあり、新たな偽旗作戦が用意されているのではないかと推測する人もいるのだ。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403160000/
102:777 :

2024/03/22 (Fri) 10:24:52

矢野義昭 超大物(岸田総理の上の上)に重大な動きアリ! いったい何が始まるのですか・・・・・
https://www.youtube.com/watch?v=9XIGo0V5abo&t=613s

【矢野義昭先生】世界の多極化と日本  グローバリズムの行方 ニコニコ同時配信(全編はニコニコで)2024.03.11.
https://www.youtube.com/watch?v=qXlYp8119Uw
103:777 :

2024/03/23 (Sat) 20:14:28

「ビクトリア・ヌーランド退任の衝撃ー決定的となった ウクライナの敗北と破綻したグローバリズム」矢野義昭 AJER2024.3.22
https://www.youtube.com/watch?v=m8O27__ROOk
104:777 :

2024/03/25 (Mon) 21:22:19

2024.03.25XML
ゾンビ状態のウクライナを使い続ける米英支配層
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403250000/

 ウクライナは2022年3月の段階で戦闘を自力で続けることは難しい状態になっていた。アメリカ/NATOから兵器や資金を投入することで継続してきた。戦死者が膨れ上がり、外部から傭兵を入れていたが、ここにきてフランス、ドイツ、ポーランドの正規軍がキエフ周辺に到着したと伝えられている。ウクライナ軍はゾンビのようの状況なのだが、それでもビクトリア・ヌランドなどネオコンはロシアとの戦争を継続、エスカレートさせようとしている。ルビコンを渡った彼らは後戻りできないのだろう。

 ところで、ソ連消滅後の1999年3月にアメリカはNATOを利用してユーゴスラビアに対する攻撃を開始、ロシア侵略の突破口を築いた。2008年8月に南オセチアをジョージア軍が奇襲攻撃しているが、ロシア軍の反撃で惨敗している。ジョージアは2001年からイスラエルの軍事支援を受けていた。武器/兵器を含む軍事物資を提供するだけでなく、将兵を訓練している。後にアメリカの傭兵会社も教官を派遣した。事実上、イスラエル軍とアメリカ軍がロシア軍に負けたのだが、ここからアメリカはロシアに対する侵略を本格化させ、ウクライナでの戦乱につながった。

 ところで、アメリカは先住の「インディアン」を虐殺し、生き残りを「居留地」へ押し込めて空いたスペースに建設された国だ。1898年にはキューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインの爆沈を口実にしてスペインと戦争を始め、勝利してラテン・アメリカを支配下に収め、アラスカ、プエルトリコ、グアム、フィリピンも手に入れている。

 次に狙われた場所は「新たな西部」、つまり中国東北部。その案が実現したなら、中国東北部にウクライナ、あるいはイスラエルのような国が出現しただろう。なお、のちに日本はそこへ「満州国」を建国している。

 スペインとの戦争を主導したセオドア・ルーズベルトは1880年にハーバード大学を卒業しているが、その2年前に同大学を卒業している金子堅太郎は知人の紹介で1890年に知り合い、親しくなったという。スラブ系のロシアを敵視していたセオドアは日露戦争の後、日本はアメリカのために戦ったと書いている。金子は1904年、ハーバード大学でアンゴロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦っていると演説した。同じことを金子はシカゴやニューヨークでも語っている。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)

 1923年9月1日に東京周辺が巨大地震に襲われた後、日本はアメリカの金融資本、いわゆるウォール街の影響を強く受けるようになる。復興資金を調達するために外債発行を日本政府は決断、ウォール街を拠点とする巨大金融機関のJPモルガンに頼ったのだ。この巨大金融機関と最も深く結びついていた日本人が井上準之助だ。その後、日本の政治経済はJPモルガンからの影響を強く受けるようになる。(NHK取材班編『日本の選択〈6〉金融小国ニッポンの悲劇』角川書店、1995年)

 この支配構造を象徴する人物が1932年から駐日大使を務めたジョセフ・グルーである。グルーのいとこ、ジェーンはジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりJPモルガンの総帥の妻であり、しかもグルーの妻、アリスの曾祖父にあたるオリバー・ペリーは海軍の伝説的な軍人で、その弟は「黒船」で有名なマシュー・ペリーだ。グルーは皇族を含む日本の支配層に強力なネットワークを持っていたが、特に親しかったとされている人物が松岡洋右。秩父宮雍仁もグルーの友人として知られている。

 1941年12月7日に日本軍はハワイの真珠湾を奇襲攻撃、日本とアメリカは戦争に突入、グルーは翌年の6月に帰国した。離日の直前には商工大臣だった岸信介からゴルフを誘われている。(Tim Weiner, "Legacy of Ashes," Doubledy, 2007)

 ニューディール派で反ファシストのフランクリン・ルーズベルト大統領が1945年4月に急死するとホワイトハウスの実権はウォール街が奪還し、豊下楢彦によると、降伏後の日本はウォール街と天皇を両輪として動き始めた。その下で戦後日本の支配構造を作り上げる上で重要な役割を果たしたのがジャパン・ロビーだ。その中核グループであるACJ(アメリカ対日協議会)はウォール街を後ろ盾としてワシントンDCで設立された。その中心人物はジョセフ・グルーにほかならない。戦前も戦後も基本的な支配構造は変化していない。

 大戦後にアメリカではCIAが創設されたが、これは金融資本の強い意向があったからだ。CIAの前身であるOSSはイギリスの情報機関MI6の協力で設立されたが、MI6はイギリスの金融資本と関係が深い。

 1943年1月にドイツ軍がスターリングラードでソ連軍に降伏するとイギリスのウィンストン・チャーチル首相は慌て、その月にフランクリン・ルーズベルト米大統領やフランスのシャルル・ド・ゴールらとカサブランカで会談して善後策を講じた。その際、戦争を引き延ばすために「無条件降伏」が出てきたという。

 そして1944年、イギリスとアメリカの情報機関によって編成されたのがゲリラ戦部隊のジェドバラ。コミュニストを主体とするレジスタンスに対抗するためだった。

 このジェドバラ人脈は大戦後、アメリカでは特殊部隊とOPC(1950年10月にCIAへ吸収された)につながる。OPCは1952年8月にCIAの破壊工作部門「計画局」の中核になった。

 この人脈はヨーロッパに破壊工作機関のネットワークを構築、NATOが創設されると、その秘密部隊として機能し始めた。中でも有名な組織がイタリアのグラディオだ。アメリカ支配層にとって好ましくない勢力を潰すために極左グループを装って1960年代から80年代にかけて爆弾テロを繰り返している。アルド・モロの誘拐殺人、シャルル・ド・ゴールの暗殺未遂、そしてジョン・F・ケネディ暗殺でも名前が出てくる。

 この秘密部隊のネットワークにウクライナのネオ・ナチがつながっていることは本ブログで繰り返し書いてきた。

 ネオ・ナチを率いているひとりのドミトロ・ヤロシュはドロボビチ教育大学でワシル・イワニシン教授の教えを受けたことが切っ掛けになってOUN-B(ステパン・バンデラ派)系のKUN(ウクライナ・ナショナリスト会議)に入る。この人脈はソ連消滅後に国外からウクライナへ戻り、活動を始めている。2007年にヤロシュは指導者になり、そのタイミングでNATOの秘密部隊ネットワークに参加したと言われている。

 ヤロシュはチェチェンやシリアで戦ったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)などイスラム系の武装集団と関係、2007年5月にはウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議で議長を務めた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403250000/
105:777 :

2024/03/27 (Wed) 10:19:30

【徹底解析!】世界で最も危険な女: ビクトリア・ヌーランド辞任の真相
調査報道 河添恵子TV / 公式チャンネル
2024年3月14日
https://www.youtube.com/watch?v=NPcodO4TC3A
106:777 :

2024/03/31 (Sun) 20:39:35

クリントン大統領がエリツィン時代のロシアでやった事

伊藤貫【真剣な雑談】 第17回「アメリカ外交の巨悪と中東の絶望!!!」[桜R6/3/30]
https://www.youtube.com/watch?v=fTXHt0irDKE

特番『伊藤貫先生登場!その1  ~ アメリカ政治の混乱、民主主義という政治イデオロギーの欠陥~』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
2024/03/30
https://www.youtube.com/watch?v=QUPANdUBvUA

特番『伊藤貫先生登場! その2 ~冷戦後のアメリカ軍事外交政策の大失敗、今後の国際政治 構造の変化~』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
2024/03/31
https://www.youtube.com/watch?v=Kh8-JFSx7So


▲△▽▼


ロシア 聖なる我等が国
ロシア 愛する我等が国
固き意志 偉大な栄光や
永久に汝が富ならん

   讃えよ我等が 自由なる祖国
   いざ集え 兄弟よ
   先人が知恵 我等がもとに
   讃えよ 汝が誇りを

新世紀を間近に控えた2000年。プーチン大統領は、それまでの愛国歌からソ連国歌のメロディーに変えました。

ソ連からの独立後のロシアには未来への希望が満ち溢れていました。共産主義の呪縛からの解放、独立、そして自由。しかしエリツィン政権のもとでは共産主義からは逃げられましたが、安定した生活は得られませんでした。そして独立を境にしロシアからは光が失われつつありました。ロシアの大国としての誇りが失われ、犯罪は多発し、誇りである軍隊はほぼ崩壊に近くなりました。

アメリカには頭が上がらなくなり、西欧との生活環境の落差は広がる一方。これらに追い討ちをかけたのが98年の経済危機。帝政ロシア、ソ連を通じ自らの経済を見つめてきた、またロシア人の誇りのルーブルが紙くず同然となりました。

ロシアの人々は現実に打ちのめされました。しかし。ロシアの人々はこんなことではへこたれません。・・ですが、やっぱり自分達の生活には限界が近づいてくるわけです。

エリツィンは何もせず酒ばかりのんでいる。国民の生活の不満は政治に向けられました。そんな中。1999年の大晦日。ロシアと全世界に衝撃が走りました。エリツィンが突如辞任したのです。

後任は元ペテルブルグ市長プーチン。名も知らぬ若き男に大国ロシアは委ねられたのです。国民はあまり期待をしませんでした。「エリツィンよかましなだけだろう」と。

しかし、そんな国民のさめた目を横目に、「強いロシア」を掲げた大統領は次々と改革を断行。経済はだんだんと回復。生活も苦しいながらも徐々に改善。なんと言っても「強いロシア」が現実に感じられるようになったのです。

もう昔の我々ではない。昔の栄光を取り戻そうじゃないか!

ロシアの人々は沸き立ちます。
http://www.medianetjapan.com/10/travel/vladimir/russian_house/russian_anthem.html



アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。この時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらいいだろうかと考えました。

 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシアに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとるでしょう。
 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなことは考えない。これは当然、「ロシアが二度とアメリカに反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」と考えた。

 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改革のやり方」を伝授した
 まず「政府による経済管理の廃止」。貿易が自由化され、西側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業は壊滅した。

 次に「価格の全面自由化」。国内産業が駆逐され、輸入に頼るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハイパーインフレーションに見舞われた。改革がスタートした92年のインフレ率はなんと2600%、GDP成長率はマイナス14.5%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。

 さらに大規模な「民営化」。国有財産はそれを今、手元に持つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者となった。そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど無料で手に入れた。ここから生まれた新興財閥はエリツィン政権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、国家財政は大幅な赤字に転落した。
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html


ロシアと社会主義

11日に発表された、ロシアの世論調査機関が行った国民意識調査によると、ペレストロイカを失敗と見なした人が56%、「1985年以前の体制を続けていれば生活水準は良くなっていたはず」とした
人が48%、「ペレストロイカがなければ超大国の地位を維持できた」と答えた人は36%に上ったという。

一般の日本人から考えると信じられない数字かもしれない。
西側メディアのプロパガンダによって、旧ソ連も人たちも今の北朝鮮の人のような生活を送っていたと考える人が大半なようだが、実情はそんな悪いものではなかったと思う。

確かにモノ=商品は質が悪く、流通量も少なかったが、きちんと働いていれば、生活に困ることはなかったし、老後も安心して過ごせたのだ。病院も学校もタダだった。
今は、1割のお金がある人は良い生活を、残りの9割の人は食うや食わずで1日中働く。
男性の平均寿命を見ると面白い。
85年には63才ぐらいだったものが、10年後には55才を下回ってしまったのだ。

もともと社会主義は競争を否定し、(成長を犠牲にして)平等と共生を重視する理念だった。
しかし、冷戦構造に巻き込まれ、米国と真っ向から世界対立する路線を進んだために、資本主義と競争する羽目になり、戦時態勢をずっと続けるようなことになってしまった。
本来なら2次大戦が終わった時点で、軍事から民生重視に産業を移行するべきだったものができなかった。その辺にソ連崩壊の最大の理由があるのではないか。

24時間仕事と金のことばかり考え、生き馬の目を抜くような人生しか
送れないのが、資本主義社会の本当の姿だと思う。
http://kenuchka.paslog.jp/article/11458.html
107:777 :

2024/04/02 (Tue) 13:11:38

2024.04.02XML
ウクライナやパレスチナで戦乱を引き起こした米英金融資本は苦境に陥っている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404020000/

 ウクライナにしろパレスチナにしろ、戦乱の黒幕はシティとウォール街を拠点とする金融資本であり、東アジアで軍事的な緊張を高めているのも構図は同じ。シティとウォール街を拠点とする金融資本は緊密な関係にあるが、そうした構図を生み出しているのは19世紀にイギリスで作成された世界制覇戦略だ。

 ところが、その戦略が大きく揺らいでいる。ウクライナでは金融資本の手先であるネオ・ナチ体制軍の敗北が決定的。ロシア軍は敵の要塞線を突破し、西へ進んでいる。

 ​イギリスのベン・ウォレス前国防相は昨年10月1日、戦場で戦うウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えているとテレグラフ紙に寄稿した記事の中で指摘​している。前線で戦う兵士の平均年齢は42歳だと言われていたので、この話は正しかったのだろうが、今の状況はさらに悪化しているはずだ。

 ガザではイスラエル軍が建物を破壊、住民を虐殺している。アメリカやイスラエルが「建国」する際に行なったようなことを繰り返しているのだが、ハマスとの戦闘は苦戦しているようだ。ウクライナに軍事支援してウラジミル・プーチン政権を倒し、ガザを原爆が投下された長崎や広島のようにして早く軍事作戦を終わらせろとアメリカのティム・ウォルバーグ下院議員は言っている。それだけ苛立っているのだろう。

 アメリカやイスラエルは先住民を虐殺したり追放した後、自分たちの「国」を建設した。パレスチナに「ユダヤ人の国」をでっち上げたイギリスはアイルランドやスコットランドなどでも住民を虐殺している。

 例えば、ピューリタン革命で実権を握ったオリバー・クロムウェルはアイルランドに軍事侵攻しているが、侵攻前の1641年には147万人だった人口が侵攻後の52年には62万人に減少している。50万人以上が殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」、事実上の奴隷としてアメリカなどに売られたと言われている。

 ピューリタンは1620年にメイフラワー号でアメリカへ渡った。この人たちはピルグリム(巡礼者)・ファーザーズと呼ばれているが、北アメリカでイギリスが植民した地域でピューリタンは「新イスラエル」を建設していると信じていたという。

 ピューリタンの前からヨーロッパ人はアメリカ大陸へ移民している。1492年にはイタリアのジェノバに生まれたクリストバル・コロン(コロンブス)がカリブ海に現れ、グアナハニ島に上陸したが、その当時、北アメリカには100万人とも1800万人とも言われる先住民が住んでいたと推測されている。これだけ数字に幅があるのは、ヨーロッパからの移住者が先住民を何人殺したかが不明だからだ。1890年にウーンデット・ニー・クリークで先住民の女性や子供がアメリカ陸軍第7騎兵隊に虐殺された時には約25万人に減少、生き残った先住民は「保留地」と名づけらた地域に押し込められた。それを「合法化」するため、「強制移住法」が施行されている。

 その間、1776年に「独立宣言」、そして81年に「建国」が宣言された。独立宣言では「すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」と謳っているが、先住民について「年齢・性別・身分を問わない無差別の破壊を戦いの規則とすることで知られる、情け容赦のない野蛮なインディアン」と表現、アメリカ・インディアン虐殺が始まる。

 勿論、先住民でけでなく奴隷も人間として扱われていない。奴隷というとアフリカ系を連想する人が多いだろうが、アイルランドなどから売られてきた奴隷もいる。中国から連れてこられた「苦力」も一種の奴隷だ。アメリカの「民主主義」はその程度の代物だということである。

 アメリカを「建国」していた人びとが敵視していたイギリスの支配層も似たようなもの。19世紀後半のイギリスを動かしていたのは金融の世界に君臨していたナサニエル・ロスチャイルド、その資金を使って南部アフリカを侵略し、ダイヤモンドや金を手にしたセシル・ローズ、そのほかウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット(エシャー卿)、アルフレッド・ミルナー(ミルナー卿)たちだ。

 この中で世界支配の戦略を立てたのは ローズだと言われているが、この人物は1877年にオックスフォード大学を拠点とする秘密結社「アポロ・ユニバーシティ・ロッジNo.357」へ入会、その直後に「信仰告白」を書いている。

 それによると、ローズはアングロ・サクソンが「世界で最も優れた種族」だと主張、そのアングロ・サクソンが住む地域が広ければ広いほど人類にとって良いことだとし、そうした戦略を実現するために秘密結社は必要だとしている。ローズは大英帝国を拡大させ、アングロ・サクソンをひとつの帝国にまとめたいと考え、その目標を実現するためにアメリカも支配したかったのだ。おそらく、その帝国の中にイスラエルも含まれている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404020000/
108:777 :

2024/04/04 (Thu) 09:18:39

2024.04.04XML
言論統制と教育システムの崩壊で知的水準を低下させた米国の時代は終焉へ向かう
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404040000/

 ウクライナの戦闘で手先のネオ・ナチ体制軍がロシア軍に敗北したアメリカ/NATOは戦闘を継続するため、足掻いている。ロシア国内を不安定化させるためにテロを実行したものの、思惑通りには進んでいないようだ。ロシア人を団結させ、ヨーロッパに憧れていた「エリート層」の発言力をさらに低下させたようだ。

 ロシアでは3月15日から17日にかけて大統領選挙があり、現職のウラジミル・プーチンが88%以上の得票率で勝利した。クロッカス・シティ・ホールに対する襲撃が引き起こされたのは選挙が終わり、ロシア国内の警戒態勢が解かれたと思われる3月22日のことだ。銃撃と放火で140名以上が殺され、約200名が負傷している。

 4人の実行犯がウクライナに近いブリャンスクで逮捕され、テロの準備や逃走をサポートしたグループが逮捕されている。モスクワの支援網関係で11名、トルコで戦闘員を募集、訓練し、兵站を準備するなどしていた40名も逮捕されたという。

 西側ではダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)の犯行だと宣伝されているが、逮捕された実行犯4名が敬虔なイスラム教徒だということはない。ダーイッシュやアル・カイダ系の戦闘集団はアメリカやその同盟国が編成した傭兵である。

 ウクライナでネオ・ナチを率いているひとりのドミトロ・ヤロシュは2007年からOUN-B(ステパン・バンデラ派)系のKUN(ウクライナ・ナショナリスト会議)のリーダーになり、NATOの秘密部隊ネットワークに参加した人物だが、チェチェンやシリアで戦ったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)などイスラム系の武装集団と関係があり、2007年5月にはウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議で議長を務めている。

 ロシア当局によると、SBU(ウクライナ安全保障庁)のバシーリー・マリューク長官に関しても逮捕令状を発行できるだけの証拠があるともいうが、このSBUは2014年にクーデターでネオ・ナチ体制が成立して以降、CIAの下部機関と化している。3月22日に実行されたテロの黒幕はアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6だと推測する人が少なくない。

 アメリカをはじめ西側では1970年代からメディアやアカデミーの支配を進め、言論統制を強化、洗脳を進めてきた。並行して新自由主義が導入され、そのひとつの結果として庶民が学ぶ公教育のシステムが崩壊して知的レベルが低下している。

 その実態をアップルのスティーブ・ジョブスは2010年の秋にバラク・オバマ大統領に語ったという。その時、オバマはジョブスに工場をアメリカで建設してほしいと頼んだのだが、拒否されている。

 ジョブスによると、アップルは中国の工場で70万人の労働者を雇っているが、その工場を機能させるためには3万人のエンジニア必要。アメリカでそれだけのエンジニアを集めることはできないというのだ。アメリカで工場を作って欲しいなら、それだけのエンジニアを育てる教育システムが必要だというのだ。生産力が貧弱なら戦争にも勝てない。




 その無惨なアメリカの実態がロシア や中国でも知られるようになり、親欧米派の影響力を低下させている。ロシアではウクライナ戦争の帰還兵を中心とする新たなエリート形成が始まったという。これは欧米からの離脱とアジアへの接近を意味し、中国とロシアの関係を強化することになる。中国でも政策の転換が図られているようだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404040000/
109:777 :

2024/04/04 (Thu) 16:02:47

戦争を引き起こし、報道を操る米組織の正体とは?
調査報道 河添恵子TV / 公式チャンネル
※本動画は2024年3月14日に配信したライブ映像の切り出し動画です
https://www.youtube.com/watch?v=2TS3Z_6wVzA
110:777 :

2024/04/11 (Thu) 18:55:35

特番「山中泉さん登場!急展開するイスラエル・ハマス戦争、米民主党ネタニヤフ非難の背景にトランプの支持率、どうなる露ウク戦争」
2024/04/09
https://www.youtube.com/watch?v=mlLl_6bc_2c

<出 演>
 松田政策研究所代表 松田学
 一般社団法人 IFA代表理事 ファウンテン倶楽部創業者 山中泉氏

<目次>
<前半:無料パート>
〇イスラエル・ハマス戦争の急展開
〇民主党上院最上位チャック・シューマー院内総務がネタニヤフを厳しく非難、退陣要求。
〇シューマーやバイデンさえネタニヤフ非難に動いた真の理由は大統領選での
 スィングステーツでのトランプとの支持率が拡大している背景があること
〇イスラエル軍ガザから一時撤収開始
〇米保守派、元軍人などのイスラエル、露ウク戦争の直近の見方
〇米下院でのウクライナ支援予算の通過状況とジョンソン下院議長の豹変

<後半: 有料パート>
〇過去のユダヤ・ロビーの強大な議員への圧力で絶対の自信を持っていたネタニヤフも
 米国内事情で一気に守勢に追い込まれている背後の事情など
〇モスクワ劇場テロの保守派の分析
〇その他
111:777 :

2024/05/11 (Sat) 13:03:41

「③日本は「トランプ2.0」とウクライナにどう備えるべきか(前半)」宇山卓栄 AJER2024.5.10
https://www.youtube.com/watch?v=J9O5UKmjW8g
112:777 :

2024/05/13 (Mon) 10:42:49

【そうきチャンネル】『米:露中分断作戦』 ブ長官訪中の目論見・受け流す習近平 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
2024/05/12
https://www.youtube.com/watch?v=octZSZkDgaQ
113:777 :

2024/05/27 (Mon) 10:00:10

2024.05.27XML
米/NATOの支援を受けたウクライナが露のICBM関連施設を攻撃、米露戦争の様相
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405270000/

 ウクライナ軍はアメリカのATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)でバロニシュにあるロシア軍のICBM(大陸間弾道ミサイル)レーダー施設を攻撃したと伝えられた。建造物の側面に穴が空いているのだが、損傷は小さく、火災や爆発力の痕跡はない。そこでATACMSによる攻撃ではないと見られているが、早期警戒システムに対する何らかの攻撃があったとは言える。いずれにしろ、こうした攻撃をアメリカ政府が知らなかった可能性は小さい。ウクライナは核戦争の領域へ足を踏み入れたと言えるだろう。

 ウクライナ軍がATACMSを攻撃に使い始めていることは確かなようで、例えば4月17日に12機のATACMSでクリミアのジャンコイ基地を攻撃して防空システムS-400を破壊したという。ウクライナ軍はS-400防空システムのランチャー4機以上を破壊したと主張している。

 5月1日には1機が訓練施設に飛来、16日にはベルベク飛行場で複数の航空機を破壊/損傷させ、22日には5機がドネスクでS-400などを破壊、23日から24日にかけて複数のATACMSがクリミアのアルシュタを攻撃したというが、撃墜の情報も伝えられている。4月20日には10機、4月29日には5機のATACMSがそれぞれ撃墜され、5月13日にはルガンスクで1機を撃墜、15日には10機が撃ち落とされた。

 ATACMSは複数の慣性航法ユニットをソフトウェアで組み合わせて使用しているため、ロシアのECM(電子対抗手段)でGPSを利用したシステムが機能しなくなっても目標に到達しやすいのだが、ロシア軍の別の防空システムによって大半は撃墜されているようだ。ロシアの防空システムが機能していないとは言えない。

 それでもアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官はジョー・バイデン大統領に対し、ウクライナ軍がロシア領深くにある標的へのミサイル攻撃を許可するように求めているというが、そうした主張を彼だけがしているわけではない。例えばマイク・ジョンソン米下院議長。複数の議員も国防長官に対してウクライナ軍がアメリカ製兵器でロシア領内の戦略目標に対する攻撃を許可するように求め、下院外交委員会のマイケル・マッコール委員長は攻撃すべきロシアの標的の地図を示している。アメリカでは気楽に好戦的な主張を政治家が口にしているが、ロシア領内へのミサイル攻撃はロシアに対する宣戦布告を意味する。

 NATO軍は今年1月から7月にかけて「ステッドファスト・ディフェンダー」と名付けられた軍事演習を実施中だが、この演習中、ロシア軍はバルト海周辺で電子戦のテストを実施、さらに非戦略核戦力を実戦で使用する能力を高めるための演習をロシア軍南部軍管区に所属するミサイル部隊は実施した。ロシア側はアメリカ/NATO側の言動をそれだけ深刻に受け止めている。ウクライナでアメリカ/NATO軍が本格的に参加する場合、ロシアは戦術核を本気で使う可能性があることを西側諸国に知らしめる演習だとも言われている。

 本ブログでも繰り返し書いてきたように、アメリカ/NATOは特殊部隊や傭兵を2014年頃からウクライナへ派遣、戦闘に参加していると言われてきた。すでにロシアに対する「超限戦」は始まり、ネオ・ナチだけでなく中東などからアル・カイダ系武装集団も送り込まれ、金融戦争なども始められた。ウクライナの外でテロ活動も行っている可能性が高い。

 ウクライナでも言えることだが、アメリカだけでなくイギリスの動きは目立つことも事実だ。そのイギリスをウクライナの親衛隊で中心的な存在であるアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)のメンバー3名が最近訪問、その際、イギリス議会で3名は歓迎された。​ボリス・ジョンソン元首相はそのメンバーと会った際、アゾフ大隊の旗を手にしながら、イギリス政府はウクライナへさらに武器と資金を送るようにと語っている。​元首相が手にしていた旗は第2次世界大戦中、バッフェンSS師団とドイツ国防軍の部隊が使用していたシンボルをあしらったもの。彼らはナチズムを信奉していることを隠していない。

 アメリカにおける好戦派の中心はシオニストの一派であるネオコン。バラク・オバマ大統領は自分たちの命令に従わないウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すため、2013年11月から14年2月にかけてクーデターを実行した。その際、現場で指揮していたのが国務次官補を務めていたビクトリア・ヌランドだ。

 彼女の場合、父方の祖父母がウクライナからの移民で、夫はネオコンの重鎮であるロバート・ケーガン、義理の弟はフレデリック・ケーガン、フレデリックの妻はISW(戦争研究所)を設立したキンベリー・ケーガンだ。

 ソ連消滅の直後から世界制覇プロジェクトを始動させたネオオンは手始めに旧ソ連圏の制圧に乗り出すが、ビル・クリントン大統領はそのプロジェクトに抵抗する。彼がスキャンダルで攻撃された理由のひとつはそこにあるのだろうが、彼の妻であるヒラリーはヌランドの友人だ。

 ウクライナのおけるクーデターをオバマ政権で指揮していたのはヌランドのほか、副大統領だったジョー・バイデンや副大統領の国家安全保障補佐官を務めていたジェイク・サリバンだ。バイデンが大統領に就任した後からもこのチームがロシア攻撃の中心だった。バイデン政権ではここにブリンケンが加わるが、彼の父方の祖父はウクライナ出身だ。

 ロシア軍の勝利が決定的になる中、5月20日にウォロディミル・ゼレンスキー大統領の任期は選挙が行われないまま切れた。もっとも、ウクライナの現体制は2104年2月にアメリカがネオ・ナチを利用して仕掛けたクーデターで樹立、当初から基本的人権は守られていない。

 クーデターでヤヌコビッチ政権を倒した時点でネオナチはウクライナを自分たちの「縄張り」にしたと考えたのだろうが、クーデター体制に対する反発は強く、ヤヌコビッチの支持基盤だった南部のクリミアはロシアに保護を求め、東部では武装抵抗を始めた。

 クーデター後、軍や治安機関に所属していた人の約7割が離脱、その一部が反クーデター軍へ入ったと言われているが、そのためか、反クーデター軍はクーデター軍の軍事侵攻を阻止した。

 そこでアメリカ/NATOは8年かけてクーデター体制の戦力を増強して東部のドンバスに対して大規模な攻勢をかけようしたのだが、その直前にロシア軍が介入した。ネオコンはロシア軍に楽勝できると考えていたようだが、そうした思惑通りには進んでいない。兵士や兵器の能力もさることながら、国の生産力でロシアはアメリカ/NATOを圧倒している。

 ウクライナがロシアに勝てないことは 西側でも軍事専門家の間では常識だろう。ロシア領内を攻撃しても厳しい反撃があるだけだ。それでも欧米の好戦派がロシアに対する直接的な攻撃をウクライナに命じているのは、少しでもロシアを疲弊させたい、あるいはロシアの弱点を探りたいといった理由からだろう。ウクライナは捨て駒だ。その事実にウクライナ人は気づいている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405270000/
114:777 :

2024/05/27 (Mon) 10:12:12

2024.05.24XML
米大統領選挙の有力候補はいずれもシオニストで、パレスチナ人虐殺を事実上容認
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405240000/

 アメリカでは今年11月に大統領選挙が予定されている。有力とされている候補者は現職で民主党のジョー・バイデン、共和党のドナルド・トランプ前大統領、そしてロバート・ケネディ・ジュニアがいるのだが、いずれもイスラエルのシオニズム体制を支持、つまりパレスチナ人弾圧を容認していると言える。ウクライナ問題や「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」問題でこの3候補の政策は一致していないが、イスラエル問題では一致しているのだ。

 ウクライナをアメリカ/NATOの支配地にするということはロシアにとって新たな「バルバロッサ作戦」にほかならない。ネオコンはロシア相手でも「脅せば屈する」と信じるようになり、結局、体制を危うくすることになった。

 ネオコンの思い込みを危険だとジョージ・ケナン、リチャード・ニクソン、ヘンリー・キッシンジャー、ズビグネフ・ブレジンスキーなど前世代の「タカ派」は警告していたが、ネオコンたちはその思い込みから抜け出せず、その警告通りの展開になり、西側は窮地に陥っている。

 バイデンが副大統領を務めていたバラク・オバマ政権はウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権をクーデターで倒した。2013年11月から14年2月にかけてのことだが、その際に手先として利用したのはネオ・ナチだ。ウクライナを制圧することでロシアとEUをつなぐ天然ガスのパイプラインを抑え、ロシアの喉元にナイフを突きつける計画だった。パイプラインを抑えることでロシアからEUというマーケットを、またEUからロシアというエネルギー資源の供給源を奪うことができる。ロシア征服をアングロ・サクソンの支配層は19世紀から計画している。

 2021年に接種キャンペーンが始まった「COVID-19ワクチン」は短期間に危険性が明確になり、翌年の前半には大半の国で接種は止まった。その中で接種キャンペーンが続いている日本は例外的な「狂気の国」だと言えるだろう。この「ワクチン」を一貫して批判してきたのがロバート・ケネディ・ジュニアだ。

 今回の選挙が1968年や72年の選挙と似ていると言う人がいるようだが、根本的に違う点がある。この2度の選挙には戦争に反対する有力候補者がいたのだが、今回はいない。

 1963年6月10日にアメリカン大学の卒業式で「平和の戦略」と呼ばれる演説を行い、パックス・アメリカーナを否定した上でソ連と平和共存する道を歩き始めると宣言したジョン・F・ケネディ大統領はその5カ月後、11月22日に暗殺され、副大統領のリンドン・ジョンソンが昇格、新大統領はベトナムで本格的な戦争を始める。

 それに対し、1967年4月4日にマーチン・ルーサー・キング牧師はニューヨークのリバーサイド教会でベトナム戦争に反対すると発言している。ロン・ポール元下院議員によると、キング牧師の顧問たちはベトナム戦争に反対するとリンドン・ジョンソン大統領との関係が悪化すると懸念、牧師に対してベトナム戦争に焦点を当てないよう懇願していたというが、牧師はそのアドバイスを無視した。

 ベトナム戦争は泥沼化、1968年2月の「テト攻勢」でアメリカ国民はベトナムでアメリカ軍が苦戦している実態を知ることになるのだが、その2カ月後、リバーサイド教会での演説から丁度1年後の68年4月4日にキング牧師は暗殺された。

 兄のジョン・F・ケネディの意志を引き継いだロバート・ケネディは1968年3月16日、その年の大統領選挙に出馬すると宣言し、有力候補と見られていたが、6月6日に暗殺されてしまう。1968年の選挙は銃弾で破壊された。

 1972年の大統領選挙では現職で共和党のリチャード・ニクソンと民主党のジョージ・マクガバンが争った。マクガバンは民主党の一般党員から支持されていた政治家で戦争に反対、党の幹部から敵視され、足を引っ張られた。反マクガバンの中心になったのはヘンリー・ジャクソン上院議員で、同議員のオフィスにはリチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツ、エリオット・エイブラムズ、ダグラス・フェイス、エイブラム・シュルスキーなど後にネオコンの中心になる人びとがいた。









 結果としてニクソンは再選されるが、デタント(緊張緩和)を打ち出したことで軍や情報機関の好戦派は反発、ニクソンはウォーターゲート事件で失脚し、副大統領のジェラルド・フォードが昇格、デタント派が粛清される。

 この粛清劇の黒幕と言える存在がポール・ニッチェやシカゴ大学のアルバート・ウォールステッター、ONA(国防総省内のシンクタンク)のアンドリュー・マーシャル室長。後にネオコンと呼ばれる人脈だ。

 粛清の中でも特に重要な意味を持つと考えられているのは国防長官とCIA長官の交代だと考えられている。1975年11月に国防長官はジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルドへ、76年1月にCIA長官はウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへそれぞれ交代、またリチャード・チェイニー、ジャクソン議員のオフィスにいたウォルフォウィッツもこの政権で登場してくる。ネオコンが台頭するのはこの時からだ。

 ネオコンはシオニストの一派で、イデオロギー的にはレオ・ストラウスの影響下にある。この人物は1899年にドイツの熱心なユダヤ教徒の家庭に生まれ、17歳の頃に「修正主義シオニズム」の祖であるウラジミル・ヤボチンスキーの運動に加わっている。カルガリ大学のジャディア・ドゥルーリー教授に言わせると、ストラウスの思想は一種のエリート****主義で、「ユダヤ系ナチ」だ。

(Shadia B. Drury, “Leo Strauss and the American Right”, St. Martin’s Press, 1997)

 ストラウスは1932年にロックフェラー財団の奨学金でフランスへ留学し、中世のユダヤ教徒やイスラム哲学について学ぶ。その後、プラトンやアリストテレスの研究を始めた。(The Boston Globe, May 11, 2003)

 1934年にストラウスはイギリスへ、37年にはアメリカへ渡ってコロンビア大学の特別研究員になり、44年にはアメリカの市民権を獲得、49年にはシカゴ大学の教授になる。

 ストラウスと並ぶネオコンの支柱とされている人物が、やはりシカゴ大学の教授だったアルバート・ウォルステッター。冷戦時代、同教授はアメリカの専門家はソ連の軍事力を過小評価していると主張、アメリカは軍事力を増強するべきだとしていた。勿論、この分析は間違い、あるいは嘘だ。

 イスラエルの現首相はベンヤミン・ネタニヤフ。その父親であるベンシオン・ネタニヤフは1910年3月にワルシャワで生まれ、40年にアメリカへ渡り、そこでヤボチンスキーの秘書を務めている。その年にジャボチンスキーは死亡、ベンシオンは第2次世界大戦後にコーネル大学などで教鞭を執った。

 本ブログでは何度か書いたことだが、シオニズムは16世紀にイギリスで出現している。自分たちを古代イスラエルの「失われた十支族」の後継者だと信じる人が現れたのだが、そのひとりがジェームズ6世。自分はイスラエルの王だと信じていた。

 ジェームズ6世の息子、チャールズ1世は「ピューリタン革命(17世紀半ば)」で処刑されたが、その「革命」で重要な役割を果たした人物がオリヴァー・クロムウェル。その私設秘書を務めたジョン・サドラーもジェームズ6世と同じように考えていたという。

 クロムウェルはキリストの再臨を信じ、「道徳的純粋さ」を達成しようと考えたようだ。そのためにユダヤ人は離散した後にパレスチナに再集結し、ソロモン神殿を再建すると考えていたというが、彼の一派は打倒され、国教会の君主制が復活、ユダヤ人のための国家創設提案(シオニズム)は放棄された。それが復活するのは18世紀になってからだ。

 「シオニズム」という語句を最初に使ったのはナータン・ビルンバウムなる人物で、1893年のことだとされている。その3年後に『ユダヤ人国家』という本を出版したセオドール・ヘルツルが近代シオニズムの創設者とされているが、1905年まで「建国」の地をパレスチナだとは定めていない。このヘルツルのほか、モーゼズ・ヘスやレオン・ピンスカーなどのシオニストは当初、聖書には言及していない。

 クロムウェル と同じピューリタンは今でもアメリカの核的な存在だと言われている。アメリカを支配しているとされるWASPのWは白人、ASはアングロ・サクソン、そしてPはプロテスタントを意味していると言われているが、アメリカの友人によると、「P」はプロテスタントではなくピューリタンのイニシャルであり、WASPはクロムウェルの後継者だという。アメリカの支配層とイスラエルの親和性が強いのは必然だ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405240000/
115:777 :

2024/07/03 (Wed) 15:04:11

2024.07.03XML
北京を訪問したドイツの副首相が中国の首相と面会できなかった理由
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407030000/

 ドイツのロベルト・ハベック副首相は6月21日から3日間にわたって中国を訪問、経済摩擦を修復しようと試みたが、中国は李強首相が面会を拒否するなど厳しい姿勢を示した。EV(電気自動車)をめぐる中国とEUとの摩擦が注目されているが、問題の根幹はEUがアメリカやイギリスの反ロシア、反中国勢力に従属していることにある。

 アメリカやイギリスの支配層は基本的にロシアや中国を敵視、世界を制覇しようとしてきた。要するに帝国主義だ。本ブログでは繰り返し書いてきたことだが、その勢力は19世紀に長期戦略を描き、それに基づいて現在も動いている。その帝国主義勢力の中核はシティとウォール街、つまりイギリスとアメリカを拠点にする金融資本だ。

 この金融資本の手先として動いているシオニストのネオコンはソ連が消滅した1991年12月当時、アメリカ国防総省を支配、同省は1992年2月、DPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇計画を作成した。

 当時の大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。そのウォルフォウィッツが中心になって作成されたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

 そのドクトリンの柱は「新たなライバルの出現を許さない」ということであり、ドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込んだともしているが、1990年代前半の日本はアメリカに抵抗、細川護煕政権は国連中心主義を打ち出している。

 そうした細川政権の姿勢にネオコンは怒り、1994年4月に倒すが、同年6月に自民、社民、さきがけの連立政権が誕生、村山富市が首相に就任して抵抗する。

 そうした動きをネオコンのマイケル・グリーンとパトリック・クローニンはカート・キャンベル国防次官補(当時)に訴え、95年2月にジョセイフ・ナイは「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表する。そこには、10万人規模の駐留アメリカ軍を維持し、在日米軍基地の機能を強化、その使用制限は緩和/撤廃されることが謳われていた。

 こうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布された(地下鉄サリン事件)。松本サリン事件の翌月に警察庁長官は城内康光から國松孝次に交代、その國松は地下鉄サリン事件の直後に狙撃された。1995年8月にはアメリカ軍の準機関紙と言われているスターズ・アンド・ストライプ紙に85年8月12日に墜落した日本航空123便に関する記事が掲載された。この旅客機が墜ちる前、大島上空を飛行していたアメリカ軍の輸送機C130の乗組員だったマイケル・アントヌッチの証言に基づく記事で、自衛隊の責任を示唆している。この1995年から日本はウォルフォウィッツ・ドクトリンに書かれている通り、アメリカの戦争マシーンに組み込まれていくのだ。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンはソ連の消滅とロシアの弱体化が前提になっている。そのロシアが21世紀に入って再独立に成功、急速に国力を回復させてドクトリンの前提が崩れた。本来なら軌道修正しなければならないのだが、スラブ人を蔑視しているアングロ・サクソンの支配層はそうした現実を受け入れることができず、世界制覇戦争を本格的に始めた。

 19世紀の後半、イギリスではビクトリア女王にアドバイスしていたネイサン・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット、そしてセシル・ローズらが大きな権力を握っていた。

 NMロスチャイルド&サンの融資を受けて南部アフリカでダイヤモンド取引で成功、大儲けしたセシル・ローズはアングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考えていた人物。彼は1877年6月にフリーメーソンへ入会、『信仰告白』を書いているが、その中でアングロ・サクソンが最も優秀な人種だと主張している。その優秀な人種が住む地域が増えれば増えるほど人類にとって良く、大英帝国の繁栄につながるとしている。秘密結社はそのために必要だというわけだ。そうした思想をローズは1890年にロンドンでナサニエル・ド・ロスチャイルドのほかステッド、ブレットらに説明している。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013)

 ステッドによると、ローズはチャールズ・ダーウィンの信奉者で、トーマス・マルサスの『人口論』から影響を受けたとされている。ダーウィンの従兄弟にあたるフランシス・ゴールトンは優生学の創始者だが、その優生学は人口論と結びつく。人口の爆発的増加を防ぐために「劣等」な人間を削減の対象にしようというわけだ。ハーバート・スペンサーもダーウィンの仮説を社会へ持ち込んだ人物である。ローズも優生学を信奉していた。

 貧困問題の原因を社会構造でなく先天的な知能の問題に求め、産児制限を提唱、フェミニストの運動を支持していたマーガレット・サンガーもマルサスの人口論やゴールトンの優生学を信奉していた。彼女は劣等な人間は生まれつきだと考え、そうした人間が生まれないようにしようということになるからだ。イギリスで生まれ、アメリカで発展した優生思想に魅了されたひとりがアドルフ・ヒトラーにほかならない。

 キャロル・クィグリーによると、1901年まで「選民秘密協会」を支配していたのはローズ。彼以降はアルフレッド・ミルナーを中心に活動した。ミルナーはシンクタンクのRIIA(王立国際問題研究所)を創設した人物としても有名で、「ミルナー幼稚園」や「円卓グループ」も彼を中心に組織されたという。アメリカのCFR(外交問題評議会)はRIIAの姉妹組織だ。

 この優生思想の背景には「失われた十支族」という神話がある。イギリスでは16世紀から自分たちをそうした支族の後継者だと信じる人が現れたのだが、そのひとりがスチュワート朝のジェームズ6世で、自分はイスラエルの王だと信じていたという。ピューリタン革命を指揮したオリヴァー・クロムウェルの私設秘書を務めていたジョン・サドラーもジェームズ6世同じように考えていたようだ。

 クロムウェル自身はキリストの再臨を信じ、「道徳的純粋さ」を達成しようと考えたという。そのため、ユダヤ人をパレスチナへ再集結させてソロモン神殿を再建すると考えていたとされている。

 しかし、彼の一派は打倒され、国教会の君主制が復活、ユダヤ人のための国家創設提案(シオニズム)は放棄された。それが復活するのは18世紀、アメリカにおいてだ。

 18世紀以降、 数秘術などオカルト的な要素が優生学を結びつくことになる。アメリカを支配していると言われている「WASP」は白人、アングロ・サクソン、そしてプロテスタントを意味していると言われているが、アメリカの友人によると、「P」はプロテスタントではなくピューリタンのイニシャルであり、WASPはクロムウェルの後継者だともいう。

 イギリス政府は1838年にエルサレムで領事館を建設、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査し、68年2月から12月、74年2月から80年4月までの期間、イギリスの首相を務めたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収した。買収資金を提供したのは友人のライオネル・ド・ロスチャイルドだ。(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018)

 イギリス、アメリカ、イスラエルの支配層はクロムウェルの妄想を受け継いでいるとも言える。彼らがスラブ人、アラブ人、アメリカ・インディアンに対して行なっていることが似ているのは必然なのだ。虐殺して土地や資源を奪うという手法に変化はない。その手先になっているのがヨーロッパや日本の「エリート」たちだ。そうした実態を中国人も理解している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407030000/
116:777 :

2024/07/04 (Thu) 04:32:23

2024.07.04XML
戦争の相手がアメリカだということを認めたロシア政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407040000/

 ウクライナ軍はクラスター爆弾を搭載したATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)で6月23日、クリミアのセバストポリ近郊の海岸を攻撃した。使われたミサイルは5機で、そのうち4機は途中で無力化されたものの、残りの1機が浜辺の空中でクラスター弾頭を爆発させ、2名の子どもを含む4名が死亡、150名以上が負傷した。

 これまでもATACMSをウクライナ軍は攻撃に使ってきたが、このミサイルは複数の慣性航法ユニットをソフトウェアで組み合わせて使用しているため、ロシアのECM(電子対抗手段)でGPSを利用したシステムが機能しなくなっても目標に到達しやすい。それでも、ロシア軍の別の防空システムによって大半は撃墜されているようだ。

 このミサイルを目標へ到達させるためのオペレーターはミサイルを供給した国が派遣し、偵察衛星からの情報も必要だという。つまり、ミサイルの****場所はウクライナでも、攻撃しているのはアメリカ人である可能性が高い。ロシアは攻撃の詳細を知っているようだ。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はリン・トレーシー米大使をロシア外務省へ召喚、ロシアとアメリカは平和な状態ではなくなったと伝えたと言われている。今後、ロシアはアメリカと同じように、シリア、イラン、朝鮮といった国だけでなく、ハマス、ヒズボラ、アンサール・アッラー(通称、フーシ派)へもロシア製の高性能兵器を提供する可能性が高まった。

 ラブロフの発言が強いものだったと指摘する人もいる。虐殺の責任者であるアメリカは報復されると警告しているように理解できるというのだ。アメリカと違い、ロシアは口にしたことを実行する。このメッセージを出して何もしなかった場合、プーチンやラブロフは国民から激しく非難されることになる。

 ミハイル・ゴルバチョフからウラジミル・プーチンに至るまで、ソ連やロシアの指導者はアメリカやヨーロッパを信頼できる体制だと信じていたようだ。ゴルバチョフはニコライ・ブハーリンを「別の選択肢」として研究していたグループのひとりで、西側の「民主主義」を信じ、アメリカの支配層を信頼していた。

 実権を握ったゴルバチョフはソ連の「改革」に乗り出し、打ち出したのがペレストロイカ(建て直し)だが、これを考え出したのはKGBの頭脳とされ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだと言われている。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 このボブコフは同僚のアレクセイ・コンドーロフと同じようにジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIAのネットワークと連携していたとする情報がある。CIA人脈とKGB中枢が手を組み、ソ連を解体して資産を盗んだというのだ。このクーデターは「ハンマー作戦」と呼ばれている。私利私欲が絡んでいるかどうかはともかく、ソ連の仕組みは機能しないとKGBは考えたのだろう。

 しかし、ソ連が消滅して間もなく、西側が帝国主義体制にすぎず、信頼できない相手だということをロシア人は理解したはずだが、西側幻想を完全に払拭することのできない人もいた。そのひとりがプーチンだろう。

 しかし、西側の私的権力は約束を無視してNATOを東へ拡大させ、隣国のウクライナで2度にわたってビクトル・ヤヌコビッチ政権を転覆させた。アメリカに従属せず中立を主張する政権をネオコンは許せなかった。2004年から05年にかけて抗議活動を演出して倒したのが最初。いわゆるオレンジ革命だ。

 この革命で大統領に就任したビクトル・ユシチェンコは金融資本の手先で、新自由主義に基づく政策を進め、大多数の国民は貧困化した。西側の正体を知ったウクライナ人は2010年の選挙でヤヌコビッチを選ぶのだが、これをネオコンは許さない。そこで2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターを実行したのだが、ヤヌコビッチの支持基盤である東部と南部の住民はクーデター体制を拒否、クリミアはロシアの保護下に入り、ドンバスでは内戦が始まったのだ。

 それでもプーチン政権は穏便な形での解決を目指したが、西側にはそうした姿勢を嘲笑する人がいた。西側を支配している米英仏の金融資本にそうしたことが通じないことを西側の人間なら知っている。

 2014年の段階では軍や治安機関の内部ではネオ・ナチ体制を拒否する人が少なくなく、一部はドンバス軍へ合流したと言われている。そこで西側はロシアと「停戦交渉」するポーズを見せ、ミンスク合意という幻影を見せた。その「交渉」で戦力を増強するために8年稼いだ。そして2022年に入るとキエフ政権はドンバス周辺に部隊を集め、砲撃を激化させ、本格的な軍事攻撃を始める兆候を見せ始めた。

 8年の間に軍事訓練を行なって兵士を育てただけでなく、兵器を供給し、偵察衛星や偵察機で収集した情報をウクライナ軍へ知らせる体制を整えていた。

 また、ドンバス周辺に要塞線を築いている。地下要塞のあったアゾフ大隊が拠点にしたマリウポリ、岩塩の採掘場があるソレダル、その中間に位置するマリーインカ、そしてアブディフカには地下要塞が建設されていたという。ドンバスで住民を虐殺、ロシア軍を要塞線の中へ誘い込み、そこで足止めさせている間にクリミアを別働隊が攻撃して制圧するという作戦だったとも言われている。ロシア軍がキエフへ迫った理由は別働隊の動きを止めることにあったと考えるべきだろう。

 その間、ロシア政府とウクライナ政府はイスラエルやトルコを仲介役として停戦交渉を進め、3月に入ることにはほぼ合意した。ロシア軍は約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了した。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えている。

 市長は虐殺の話をしていないが、ロシア軍が撤退した後に西側のメディアはロシア軍による虐殺という話を流し始める。その後の調査で、ロシア軍が撤退した後に現地へ入ったウクライナの親衛隊が住民を虐殺したと考えられている。

 停戦交渉を止めさせるため、イギリスの首相を務めていた ボリス・ジョンソンは4月9日にキエフへ乗り込む。4月30日にはアメリカのナンシー・ペロシ下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。

 この後、ロシア政府は9月21日に部分的動員を発表したが、本格的な戦闘は始めない。それでもウクライナ軍は壊滅状態になり、NATOの兵器庫は空になった。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407040000/
117:777 :

2024/08/04 (Sun) 07:28:15

2024.08.04XML
ウクライナでもパレスチナでも交渉相手の殺害を後押しするアメリカ政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408040000/

 ハマスのイスマイル・ハニヤの泊まっていた部屋に仕掛けられた爆弾で殺されたとニューヨーク・タイムズ紙は伝えた。仕掛けられたのは2カ月前だというのだが、イラン革命防衛隊(IRGC)は約7kgの爆発物を積んだ短距離****物によると8月3日に発表している。

 ハニヤはイランの新大統領マスード・ペゼシュキアンの就任式に出席するためにテヘランを訪れていたのだが、ペゼシュキアンの前任者であるエブラヒム・ライシは5月19日、搭乗していたアメリカ製のベル212ヘリコプターが墜落、死亡している。ハニヤ暗殺はイスラエルの情報機関がアメリカ政府の承認を受けて実行された可能性が高いのだが、ライシが死亡した直後、イスラエルの情報機関は新大統領の就任式にハニヤが出席することを見通し、そして宿泊する部屋を予見して仕掛け、その後発見されなかったというのだろうか?ニューヨーク・タイムズ紙の「報道」に説得力はない。

 ところで、ハニヤは停戦をめぐり、イスラエル代表団と数カ月にわたる交渉でパレスチナ側の首席交渉官を務めていた。イスラエル政府は停戦交渉を潰したと言えるだろう。

 アメリカはウクライナでも停戦交渉を潰している。2022年に入るとウクライナ軍はドンバスの周辺に部隊を集め、砲撃を激化させていた。ガザと同じようにドンバスへ軍事侵攻して住民を虐殺、ロシア軍を誘い出して要塞線で封じ込めている間に別働隊にクリミアを制圧させる作戦だったと言われているが、その直前にロシア軍はウクライナ軍部隊や軍事基地、生物兵器の開発施設などを攻撃、大きなダメージを与えたと言われている。そこで停戦交渉がすぐに始まった。

 交渉の仲介役はイスラエルとトルコ。​イスラエルの首相だったナフタリ・ベネットによると、話し合いでロシアとウクライナは互いに妥協、停戦はほぼ実現した​。ベネットは3月5日にモスクワでウラジミル・プーチンと数時間にわたって話し合い、ウォロディミル・ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけ、その足でドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。

 ​その3月5日、ウクライナの治安機関SBU(事実上、CIAの下部機関)はキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームの主要メンバーだったデニス・キリーエフを射殺​している。その後、4月9日にボリス・ジョンソンはイギリスの首相としてキエフへ乗り込み、交渉を中止して戦闘を継続するように命じた。黒幕が同じだからなのか、パレスチナでの戦闘でも似た展開になっている。

 ウクライナでアメリカやイギリスの支配層が目論んだのはドイツ軍が実行したバルバロッサ作戦の再現だろう。ロシアを戦争へ巻き込み、勝てなくても疲弊させてソ連のように消滅させると考えていたのではないだろうか。バルバロッサの始まりはウクライナやベラルーシへの軍事侵攻であり、現在のロシア政府がウクライナ情勢に神経質なのはそのためだ。ネオ・ナチが跋扈するウクライナをロシア政府は許せない。

 しかし、パレスチナの場合、シオニストはパレスチナ人の皆殺しを目指している。これは「イスラエル建国」の前からの話だ。

 昨年10月にガザで戦闘が始まった直後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はパレスチナ人虐殺を正当化するため、「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、​「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を引用​している。

 「アマレク人」を家畜ともども殺し、その後に「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたと旧約聖書では記述されている。アメリカやイスラエルの傭兵として活動しているダーイッシュ(IS、ISISなどとも表記)が中東の遺跡を破壊した理由もそこにあるかもしれない。

 アマレク人は歴史の上で存在が確認されていないが、 この民族をイスラエルが敵視している勢力に重ねて見せた。パレスチナ人が生活していた歴史を破壊で消し去るということだろう。

 サムエル記上15章3節には「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだというのだ。

 ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民だ」としたうえで、イザヤの預言を理解しなければならないと主張する。「われわれ」とはイスラエル人、「彼ら」とはパレスチナ人、イスラム教徒、あるいはイスラエル以外の人びとを指しているのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408040000/
118:777 :

2024/08/04 (Sun) 07:33:34

2024.08.03XML
イスラエル政府の思惑通り、米軍を引き摺り込んで中東での大規模な戦争へ向かう
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408030000/

 ​イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8月1日にジョー・バイデン米大統領と電話会談を行い、カマラ・ハリス副大統領も参加した​という。バイデン自身が本当に会談できたのかどうかは不明だが、ホワイトハウスと話し合ったとは言えるだろう。

 その会談で「バイデン」はイスラエルの安全保障に対する「イランからのあらゆる脅威」に関し、アメリカは公約を守ると確認したという。その「脅威」にはハマス、ヒズボラ、フーシ(イエメンのアンサール・アッラー)が含まれるという。イスラエルの防空システムを支援するだけでなく、アメリカ軍の新たな配備も約束した。ネタニヤフが望んでいた展開になっている。

 イスラエルは7月31日、パレスチナ人殲滅作戦を展開しているハマスのイスマイル・ハニヤをテヘランで、またベイルート郊外ではヒズボラの最高幹部のひとり、フア・シュクルがそれぞれ暗殺された。イスラエルは一線を越えたのだが、これらの暗殺をアメリカ政府とイギリス政府は事前に承認していたと推測する人が少なくない。

 アメリカはハニヤが暗殺された時点で強襲揚陸艦ワスプ、 ドック型揚陸艦のニューヨークとオーク・ヒルをレバノンへ向かわせていたが、イギリスも艦隊をレバノンへ向かわせているようだ。

 ところで、イスラエルはシュクル暗殺の理由としてゴラン高原のサッカー場に対する攻撃を主張している。ところが殺されたのはシリア人のドゥルーズ派。攻撃を目撃した住民は、着弾したのはイスラエルの防空システム、アイアン・ドームのミサイルだとしている。いつものことだが、イスラエル政府は嘘をついている可能性が高い。

 イスラエルはイランに対する挑発を繰り返してきたが、これまでイランは効果的ではあるが最小限の報復にとどめてきた。戦争に勝てないことを自覚しているイスラエルはアメリカを引っ張り込むため、事態を悪化させてきた。ガザでも虐殺も絡む今回の暗殺に対し、イランはこれまでとは違い、厳しい報復が予想され、アメリカ軍は中東でも戦争を始めることになるかもしれない。ロシアからの安価な天然ガス購入にブレーキがかかっている日本にとっても中東情勢は重大な問題だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408030000/
119:777 :

2024/08/10 (Sat) 05:04:02

2024.08.10XML 櫻井春彦

 世界情勢は急速に悪化しています。局所的な悪化ではなく、地球規模で同時進行、世界大戦から核戦争への展開も懸念される事態だと言えるでしょう。個別の出来事に囚われていると、世界で何が起こっているのかを理解できません。本来なら全体像を明らかにする書籍を出すべきなのでしょうが、困難な状態です。ブログを利用して全体像を明らかにするしかありません。ブログの支援をよろしくお願い申し上げます。

 アメリカの好戦派は1991年12月にソ連が消滅した段階で自国が唯一の超大国になったと信じました。ロシアは落ちぶれ、自分たちの植民地になったと考えたのです。そう考えた私的権力の代表格がロスチャイルドだと言えるでしょう。

 ソ連消滅後、ボリス・エリツィン時代のロシアではオリガルヒと呼ばれる若い富豪が現れました。そのひとりがミハイル・ホドルコフスキーです。

 この人物はソ連時代の1989年、リチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始め、ソ連消滅後にはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任、1995年にはユーコスなる石油会社を買収、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっています。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしたものの、ウラジミル・プーチンに阻止されています。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 ユーコス株の支配権はホドルコフスキーからジェイコブ・ロスチャイルドへ渡ったとサンデー・タイムズ紙は報じていますが、ホドルコフスキーが彼とジェイコブ・ロスチャイルドとの関係を語った映像が5月22日にインターネットで公開されました。

 ​その映像の中で、モスクワに本社があるルクオイルの真のオーナーはジェイコブだったと明らかにしています​。ロスチャイルドはロシアのあらゆる富を奪うつもりだったのでしょう。その中には穀物、鉱物資源、そして石油や天然ガスが含まれています。

 ロシアを征服して解体、略奪するためにネオコンはNATOを東へ拡大させていきますが、これは新たな「バルバロッサ作戦」にほかならず、ロシアの親欧米派をも怒らせることになりますが、そうした展開になることは予想され、旧世代の「タカ派」も懸念していました。

 例えば、リチャード・ニクソンは1994年の段階でエリツィンの政治的な影響力が低下していると指摘、ロシア議会で反米機運が高まっていると警鐘を鳴らしています。そうした機運の高まりはエリツィンの後継者として反欧米の大統領候補を連れてくる可能性があるとしていましたが、実際、ウラジミル・プーチンを登場させます。

 そのほかジョージ・ケナン、ヘンリー・キッシンジャー、そしてズビグネフ・ブレジンスキーでさえネオコンの政策を危険だと警鐘を鳴らしていましたが、こうした旧世代や非ネオコンの意見を封じ込める出来事が2001年9月11日に引き起こされます。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎が攻撃されたのです。

 これで世界制覇を実現できるとネオコンは考えたのでしょうが、そうした展開にはなりません。2003年3月に始めたイラクへの先制攻撃は思惑通りにならず、2008年8月のジョージア軍による南オセチアへの奇襲攻撃もロシア軍の反撃で失敗しました。2011年春に始めたリビアとシリアに対するアル・カイダ系武装集団を使った軍事介入の場合、リビアは無法地帯と化し、シリアでは西側の傀儡軍が勝利できないことは明白です。2013年11月から14年2月にかけてウクライナではネオ・ナチを利用してクーデターを成功させたものの、東部の反クーデター派と内戦になります。

 アメリカはクーデター体制を支援するため、8年かけて戦力の増強を図り、2022年春に大規模な軍事攻勢を始める計画でしたが、その直前にロシアが軍事介入、NATOが軍事支援を強めたものの、敗北は決定的です。残る手段は核兵器だけでしょう。

 そして2023年にはイスラエルがガザで住民の大量殺戮を始めたのですが、パレスチナの武装勢力に勝つことができず、状況を悪化させてアメリカ軍の介入を誘う事態になっています。

 中東のイスラム世界では イランやイエメンを除き、米英を後ろ盾とするイスラエルと対決しようとする政府はないようですが、反帝国主義を掲げる武装集団はイスラエルと戦う準備ができているようです。現地のアメリカ軍基地も攻撃され始めています。

 世界は歴史の転換期を迎えています。200年ぶり、人によっては500年ぶりだと言います。こうした時代にどのように生きるかを判断するためには状況を理解する必要があります。このブログが状況を理解する一助になればと願っています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408100000/
120:777 :

2024/09/05 (Thu) 15:56:25

2024.09.04XML
ウクライナの耕作地や資源を事実上の担保にして融資した西側の金融資本が苦境に
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409040001/

 ​200億ドルを超える債務再編計画を国際債券保有者が正式に承認したとウクライナ政府が発表したのは今年8月28日のこと​。この債務再編により、キエフ政権は今後3年間で114​​億ドルを節約できる。31日にウクライナ政府は債務返済を一時的に停止することを可能にする法律を発動し、8月からの債務返済を停止する。

 ロシア軍は2022年2月にウクライナ軍を攻撃、8月までにウクライナと債権者は2年間の債務凍結で合意したとされている。今年、その期限が来たわけだ。

 支払い猶予期限が迫ってきたことからウクライナの財務顧問を2017年から務めるロスチャイルド・アンド・カンパニーは会議を設定。ブラックロック、ピムコ、アムンディを含む資産運用会社の代表者、その法律顧問、そして財務顧問が7月16日にパリへ到着し、ウクライナの債務管理局長を務めるユーリー・ブツァ、法律顧問のホワイト・アンド・ケース、そしてロスチャイルドのチームと合流した。

 1990年代のウクライナは中立を掲げ、EUとロシアのどちらにも与しない姿勢を見せていた。ビクトル・ヤヌコビッチもそうした考え方の持ち主だが、ロシア征服を目指す西側の強大な私的権力は戦略上、ウクライナを属国化する必要があり、そうした人物を大統領にするわけにはいかなかった。そこで仕掛けたのが「オレンジ革命」にほかならない。

 しかし、その「革命」で大統領に就任したビクトル・ユシチェンコは西側の傀儡で、新自由主義政策を推進した。必然的に貧富の差が拡大してウクライナ人の怒りを買うことになる。そこで2010年の大統領選挙では再びヤヌコビッチが勝利した。

 ヤヌコビッチを受け入れられないアメリカのバラク・オバマ政権はより強硬な手段に出る。2013年から14年にかけてネオ・ナチを利用したクーデターを実行、西側資本の属国にしたのだ。

 ところがウクライナにはネオ・ナチ体制を拒否する人が少なくなかった。特にロシア語圏でヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部にそうした傾向が強い。

 南部のクリミアではロシアの保護下に入る選択をしたが、そうしたことが可能だったのは住民の圧倒的多数が自分たちをロシア人だと考えていたことだけでなく、駐留していたウクライナ兵の9割近くが新体制を拒否、軍を離脱したからだ。東部のドンバスでも似た状況で、反クーデター軍が編成された。ウクライナ全体でも軍人や治安機関メンバーの7割はネオ・ナチ体制を拒否して離脱、一部はドンバス軍へ合流したと言われている。

 クーデターの前からアメリカがウクライナの石油を奪おうとしていたとビクトリア・ヌランドは語っている。​2013年12月13日、米国ウクライナ財団主催の会合に彼女は登場、アメリカは1991年からウクライナに対して50億ドル以上を投資したと語っている​のだ。アピールしている相手は演壇に示されていた。アメリカの巨大石油会社、エクソンモービルとシェブロンの文字があった。

 クーデターの後、ロシアからの支援を失ったウクライナの経済は破綻し、ウクライナ国債の価格は下落する。​それを買い占めていたフランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買った​という。このファンドを操っているのはロスチャイルド家だ。フランクリン・テンプルトンを設立した人物の息子、ジョン・テンプルトン・ジュニアはバラク・オバマの選挙キャンペーンに多額の寄付をしていたことで知られている。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが「ハゲタカ・ファンド」のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 私的権力の手先はクーデター直後の3月7日深夜、ポリスポリ空港に4輌のトラックと2輌の貨物用のミニバスで乗り付け、40個以上の箱をマークのない航空機へ運び込んだと伝えられている。

 ​車両はいずれもナンバー・プレートが外され、黒い制服を着て武装した15名が警戒する中での作業だった​。作業が終わるとすぐに航空機は飛び立ち、車両も走り去ったという。その箱の中身は金塊だという情報がある。当時、ウクライナ政府42.3トンの金塊を保有していたとされている。

 西側の私的権力は消滅間近のソ連でも暗躍していたが、そのひとりがミハイル・ホドルコフスキー。彼はソ連時代の1989年、リチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた。この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得するが、違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性のだろう。このビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーはKGB人脈を持っていた​。そのコネクションに助けられてビザを入手できたという。

 ソ連が1991年12月に消滅し、ボリス・エリツィンが西側支配層の代理人としてロシアを支配するようになると、ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任。彼は1995年にユーコスなる石油会社を買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしたが、プーチンに阻止された。プーチンの動きが遅れれば、ロシアは米英支配層の植民地になっていたことだろう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 プーチンが実権を握った後、 少なからぬオリガルヒはロシアからロンドンやイスラエルへ逃亡するが、ホドルコフスキーはロシアに残った。そして2003年10月、彼はノボシビルスクの空港で横領と税金詐欺の容疑で逮捕されている。

 ホドルコフスキーのユーコス株の支配権は先に結ばれた「取り引き」によってジェイコブ・ロスチャイルドへ渡ったとサンデー・タイムズ紙は報じていた。​ホドルコフスキーがロスチャイルドとの関係を語った映像が5月22日にインターネットで公開された​。その中で、モスクワに本社があるルクオイルの真のオーナーはジェイコブだったとホドルコフスキーは明らかにしている。

 ロスチャイルドが支配しようとしていたロシアとウクライナは世界有数の穀倉地帯であり、鉱物資源、石油や天然ガスといったエネルギー資源が豊富。こうしたロシアの富を「担保」にしてロスチャイルドのような金融資本は融資したのだろうが、富を盗めなければ不良債権になってしまう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409040001/
121:777 :

2024/09/06 (Fri) 08:15:32

【ウクライナ越境攻撃】ロシアのクルスク州への侵攻について武田邦彦先生が 伊藤貫さんに話を聞いてくれました(虎ノ門ニュース切り抜き)
真相深入り! 虎ノ門ニュース 2024/09/05
https://www.youtube.com/watch?v=Izje6rGAM0s
122:777 :

2024/09/08 (Sun) 00:57:57

2024.09.08XML
チェイニー親子に支持されたことで確認されたカマラ・ハリスの好戦性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409080000/

 ​リチャード・チェイニー​と​リズ・チェイニー​の親子は11月に予定されているアメリカ大統領選挙でカマラ・ハリスに投票すると発言した。この親子はネオコンの中核グループの一員であり、ネオコンに担がれていたジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務め、ネオコンの政策を実現しようとしているハリスを支援するわけで、不思議ではない。





 ハリスは2004年1月から11年1月までサンフランシスコ第27地区検事を、また11年1月から17年1月までカリフォルニア州司法長官を務めているが、​州司法長官だった当時、ハリスは冤罪の可能性が高いと言われているケビン・クーパーという死刑囚のDNA鑑定を求める訴えを退けている​。

 ハリスは自分自身を「進歩派」と称しているが、決して進歩的な検察官ではなく、社会的強者には優しく、弱者には厳しかったと指摘されている。だからこそ副大統領になれ、大統領候補に選ばれたと言えるだろう。

 州司法長官時代のカマラは人びとを刑務所へ入れることに熱心で、不登校の子どもの親も刑務所へ送り込んでいたほか、安い労働力を確保するため、保釈金を引き上げて仮出所を拘束し続けたと伝えられている。

 それに対し、社会的に強い立場の人には寛容で、例えば支払いが滞っている自宅所有者を正当な手続きを経ずに追い出し、その家を競売にかけ、起訴が相当だとされたワンウエストに対する法手続きをハリスのオフィスは拒否している。

 ​支配者たちが隠している秘密を明らかにする手助けをしていたウィキリークスに対してもハリスは厳しい姿勢を見せ、この団体を支持しないと語っている​。

 ディック・チェイニーが表舞台に登場したのはジェラルド・フォード政権の時。リチャード・ニクソンがウォーターゲート事件で1974年8月に辞任、副大統領からフォードは昇格したのだ。

 この政権ではデタント派が粛清されたが、特に注目されたのは国防長官とCIA長官の交代。国防長官は1975年11月にジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルドへ、またCIA長官はウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへ交代している。コルビーは議会でCIAの秘密工作について証言、支配層を激怒させていた。

 この粛正を主導したのはラムズフェルド大統領首席補佐官とリチャード・チェイニー大統領副補佐官だが、その背後にはポール・ニッツェやアルバート・ウールステッターを中心とするグループが存在した。この人脈は後にネオコンと呼ばれるようになる。

 チェイニーはジョージ・H・W・ブッシュ政権で国防長官を務めたが、その下でポール・ウォルフォウィッツ国防次官が中心になり、DPG(国防計画指針)という形で世界征服計画を作成している。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。旧ソ連圏を制圧するだけでなく、ドイツや日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れ、新たなライバルの出現を防ぐと謳っている。その後、政権がかわってもこのドクトリンは維持されてきた。

 2001年1月にジョージ・W・ブッシュが大統領に就任、チェイニーは副大統領になった。この政権では事実上、チェイニーが大統領だったとも言われている。

 その年の9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎が攻撃され、人びとがショックを受けている間にアメリカ政府は侵略戦争を本格化させたのだが、イラクへの侵略戦争で早くも挫折する。しかもロシアが再独立、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの前提が崩れたのだが、ネオコンは計画を修正しなかった。

 ブッシュ・ジュニア政権はアメリカ軍を侵略戦争に投入したが、彼らが信じていたほどアメリカ軍は強くない。思い通りに進まず、次のバラク・オバマ政権は戦術を「チェンジ」した。1970年代にズビグネフ・ブレジンスキーはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を利用して傭兵の仕組みを作ったが、ブレジンスキーの弟子だということもあり、オバマはその戦術を採用した。つまり、アル・カイダを使ったのだ。

 ​アル・カイダはCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだとイギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは2005年7月に書いている​。アラビア語でアル・カイダはベースを意味し、データベースの訳語としても使われる。2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)が生み出されたが、これも同じだ。

 アメリカはロシアに対してウクライナを、パレスチナではユダヤ教シオニストを傭兵として使っている。明治維新以降、東アジアでは日本がアングロ・サクソンの傭兵としての役割を果たしてきた。チェイニーを含むネオコンはハリスを操り、傭兵を使ってウォルフォウィッツ・ドクトリンを進めるつもりだろう。ドナルド・トランプもこのドクトリンから逃れられないと思うのだが、チェイニー親子の発言を聞くと、トランプでは不安なのだろうと思える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409080000/
123:777 :

2024/09/14 (Sat) 06:04:16

2024.09.14XML
ウクライナ乗っ取りのために資金を投入してきた西側の金融資本
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409140000/

 アメリカ政府はソ連が消滅した1991年からウクライナを支配するための工作を開始、2013年までに50億ドルをウクライナに投入したとアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補は2013年12月13日に米国ウクライナ基金の大会で明らかにしている。ヌランドが立った壇上には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。





 それを含め、ウクライナの対外債務は増加し続け、IMFや同国の財務省によると、対外債務は1037億9000万ドル、公的債務の総額は1521億6000万ドルになる。今年7月31日にウクライナ政府は債務返済を一時的に停止することを可能にする法律を発動、8月から債務返済を停止した。2022年7月にウクライナは2年間の支払い猶予が認められたが、その期限が今年8月1日だ。

 ウクライナのクーデター体制は金融資本に支配されている。表に出ているのは「闇の銀行」とも呼ばれている資産運用会社のブラックロック(アメリカ)やアムンディ(フランス)。西側から供給される兵器や資金の使い道についてアドバイスしているのはブラックロックだという。そのほか、JPモルガンやゴールドマン・サックスともゼレンスキー政権は協力関係にある。ちなみに、軍需産業も医療産業も闇の銀行に支配されている。

 債務の支払い猶予期限が来る2カ月前、ロスチャイルド&Coはこうした金融会社とウクライナ政府を直接会談させたと伝えられている。ロスチャイルド資本が金融会社やウクライナ政府に今後の計画を示したのかもしれない。

 西側の金融資本がウクライナへ多額の資金を融資している目的のひとつは言うまでもなくカネ儲けである。穀倉地帯が広がり、豊富な資源を抱えている。例えばチタン、マンガン、鉄鉱石、水銀、石炭など。そうした資源を「担保」にしたレベレッジド・バイアウトを行なっているのだろう。勿論、西側資本は石油も狙っている。だからこそ、ヌランドが立った壇上にシェブロンのマークが飾られていたのだ。

 ウクライナにおける怪しげな工作で中心的な役割を果たしていると見られているのが「ブリスマ」だ。この会社はミコラ・ズロチェフスキーが設立したウクライナのエネルギー会社で、その重役には元ポーランド大統領のアレクサンデル・クファシニェフスキー、元CIA高官のジョセフ・コファー・ブラック、ジョー・バイデン大統領の息子であるハンター・バイデンも名を連ねていた。ブラックはブラックウォーター(後にXe、そしてアカデミに名称変更)の副会長を務めている。

 2014年4月16日、ハンター・バイデンはビジネスパートナーであるデボン・アーチャーとホワイトハウスで会談し、その5日後にはウクライナを訪問、アーチャーは4月22日に、またハンターは5月12日にそれぞれブリスマの取締役会に加わった。2014年11月から15年11月までの期間、ブリスマはハンターやアーチャーが経営するロズモント・セネカ・ボハイなる会社へ350万ドル支払っている。

 アーチャーはサリバンと同じようにエール大学の出身。​そこでルームメートだった人物がジョン・ケリー元国務長官の義理の息子であるクリス・ハインツ​だ。

 アメリカ政府はウクライナを従属させるため、中立政策をとるビクトル・ヤヌコビッチを2度にわたって排除している。最初は2004年から05年にかけての「オレンジ革命」。ジョージ・W・ブッシュ政権は西側の金融資本とつながるビクトル・ユシチェンコを大統領に据えたが、彼の新自由主義政策は国全体の経済力を低下させ、貧富の差を拡大させた。

 そこで、2010年の大統領選挙でもヤヌコビッチが勝利したのだが、その際、WHOはパンデミックを宣言、ウクライナで致死的な豚インフルエンザが発生したとも報道された。そうした実態はなく、戒厳令を発令するための政治的な報道だったと言われている。

 そして2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ政権はクーデターでヤヌコビッチ政権を倒した。手先として動いたのはネオ・ナチ。このクーデターではヤヌコビッチを抹殺する予定だったとも言われている。

 ちなみに、クーデターが始まる前年の 2012年5月にジェイコブ・ロスチャイルドとデイビッド・ロックフェラーは手を組んでいる。ジェイコブ・ロスチャイルド氏が率いる投資会社RITキャピタル・パートナーズがデイビッド・ロックフェラーのロックフェラー・ファイナンシャル・サービシズが発行している株式の37%を取得すると発表したのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409140000/
124:777 :

2024/10/01 (Tue) 18:34:43

【桜さろん・第1部<無料版>】第23回 ゲスト:矢野義昭( 元陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補
https://www.youtube.com/watch?v=CGEBtuKzYB4
125:777 :

2024/10/06 (Sun) 16:41:11

2024.10.06XML
イランがミサイルでイスラエルの軍事基地を攻撃した後、報復に出ないイスラエル
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202410060000/

 イランは10月1日に数百機の弾道ミサイルをイスラエルの軍事基地などに向けて****、イスラエル政府は数日以内に大規模な報復を開始すると主張していたが、レバノンの住民を虐殺しているものの、イランに対する報復は今のところない。

 10月1日の攻撃では、F-35戦闘機を配備するネバティム基地、ハッサン・ナスララをはじめとするヒズボラの指導者を殺害したネツァリム基地、弾道ミサイルのあるテル・ノフ基地、モサドの本部などがターゲットだという。イスラエルは防空システム「アイアン・ドーム」で防御に成功したと宣伝しているが、インターネットで伝えられている映像(例えば​ココ​)を見ると、イランが主張するように大半は命中したようだ。

 イスラエルがイランに対して報復攻撃を実行した場合、イランはイスラエルの基地だけでなく重要なインフラを破壊する可能性が高く、それだけでなく中東全域のアメリカ軍基地やアメリカの影響下にある国の石油施設を攻撃するとも言われている。イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)やイラクやシリアの反シオニスト勢力もアメリカ軍基地を攻撃すると推測されている。

 イスラエルによるパレスチナ人虐殺はアメリカ政府の承認なしには実行できないはずで、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はジョー・バイデン政権のジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官やトニー・ブリンケン国務長官らと連携しているはずだ。

 アメリカ側のグループはウクライナでロシアに戦争を仕掛け、苦境に陥っているが、中東でも厳しい状況になっている。このままイランを攻撃すれば世界は中東の石油を絶たれることになりかねず、抵抗は強くなるだろう。その抵抗を抑えこねなければ、イスラエル政府のカルト集団は攻撃できない。

 形勢を逆転させるため、アメリカの好戦派はウラジミル・プーチン露大統領の暗殺を何度か目論んだようだが、失敗している。最近の例としては、ロシアがサンクトペテルブルクで海軍記念日のパレードを開催した7月28日、要人が揃ったところで暗殺しようと計画したとセルゲイ・リャブコフ外務次官は語っている。

 アメリカ/NATOが残り少なくなったウクライナ軍に外人部隊を合流させてロシアのクルスクへ軍事侵攻したのはその9日後。この攻撃はロシア軍の反撃で壊滅的な状況になった。作戦が無謀だったからだが、これを計画したのは軍人でなく、マイケル・マクフォール元駐露アメリカ大使を含むネオコン一派だと言われている。

 ウクライナで2013年11月から 14年2月にかけてバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターを仕掛けたが、その直前、12年1月には大使としてモスクワに赴任、その3日後に​ロシアの反プーチン派NGOの幹部を大使館へ招き入れ、2月に予定されていたロシアの大統領選挙に対する工作を指示した​と見られている。

 この対プーチン工作は失敗に終わったが、その工作で反プーチン派の人形として使おうとしたのがアレクセイ・ナワリヌイ。この人物はアメリカのエール大学で奨学生として学んでいるが、その手配をしたのはマクフォールにほかならない。

 ムスリム同胞団を使い、中東から北アフリカにかけての地域でアメリカ支配層にとって目障りな体制を転覆させようと目論んでいたオバマ大統領は2010年8月にPSD-11を承認した。その計画を作成したチームのひとりがマクフォールだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202410060000/
126:777 :

2024/10/10 (Thu) 16:09:24

アメリカの軍産複合体が戦争を必要としており、アメリカ政府は戦争を厭わない
2024.10.10
https://blackasia.net/?p=46447

戦争に巻き込まれた人間はただ死んでいくだけだ。しかし、戦争をしかける側は同盟国に武器・弾薬を供給し、それらがどんどん使い捨てで消費されることによって、次から次へと武器・弾薬を売ることができる。軍需産業はフル回転し、どんどんカネが入る……。(鈴木傾城)



中東の戦争はアメリカの戦争でもある
中東情勢が悪化している。イスラエルとハマスの戦争は長期化し、レバノンのヒズボラとの衝突も激化している。

ヒスボラを支援していたのはイランなので、ヒスボラの幹部を根こそぎ暗殺されたことでイランもイスラエルに対して報復攻撃に入り、状況はいっそう混迷を極めるようになった。

ガザ地区では、イスラエル軍の攻撃により多数の民間人犠牲者が出ているのだが、国連によると、避難を強いられた住民は90%を超え、人道危機が深刻化している。

この状況下、アメリカの中東への関与は一層深まっている。アメリカは原子力潜水艦の配備を公表し、空母「ジェラルド・フォード」と「アイゼンハワー」を中東周辺に派遣した。さらに、迎撃ミサイルシステム「THAAD」や地対空ミサイルシステム「パトリオット」の追加配備もおこなった。

さらにアメリカはイスラエルへの軍事支援も強化している。特殊作戦要員の派遣や爆弾、致死性兵器の供与など、多岐にわたる支援をおこない、米海兵隊の中将をイスラエルに派遣して、ガザへの戦術攻撃の策定でも作戦に深く噛んでいる。

中東の戦争は、イスラエルの戦争だけではなくアメリカの戦争でもあるのだ。なぜ、アメリカはここまで「戦争」に加担するのか。それは、アメリカという国家自体が民間にも軍需産業を抱えているからでもある。

アメリカは私たちの想像を絶する数の企業が「軍事」でかかわっている。

アメリカ軍の総本山は「国防総省」、通称ペンタゴンだが、このペンタゴンが直接的に契約している軍事企業「プライム・コンストラクター」と呼ばれる企業群は約2万社ある。そして、この軍事企業がさらに下請け企業や孫請け企業を使っているのだが、それが1万2,000社近くあるのだ。


アメリカという国の中心に軍産複合体が存在する
それだけではない。アメリカの国防総省には他にも多くの民間組織、たとえばグーグル、マイクロソフト、アマゾン、オラクルのようなIT企業、さらに石油企業、各大学、シンクタンク、銀行がかかわっている。

アメリカの軍事関連のビジネスは広く、深く、民間と協力関係を持っており、切り離すことができない。こうした軍事関連の企業集団をすべて合わせたものを「軍産複合体」と呼ぶ。

これがアメリカでもっとも大きな影響力を持つ組織である。

アメリカは戦争が切れない国なのだが、その理由はアメリカという国の中心に軍産複合体が存在しているからでもある。この巨大組織は、兵器を研究し、作り出し、維持し、消費しなければならない。

アメリカはつねに世界を見回し、自分たちの敵を見つけ、積極的に紛争の種をしかけ、そこに深く介入していく。世界中どこの紛争でも、その裏側にはかならずアメリカの影があった。

戦争によって経済をまわす。これを「ウォー・エコノミー」という。日本語でいえば「戦争経済」である。戦争は悲惨な殺し合いであり、街の破壊であり、悲劇を大量に生み出す行為だ。こんなものがなぜ「経済」に結びつくのか。

戦争に巻き込まれた人間はただ死んでいくだけだ。しかし、戦争をしかける側は同盟国に武器・弾薬を供給し、それらがどんどん使い捨てで消費されることによって、次から次へと武器・弾薬を売ることができる。

軍需産業はフル回転し、どんどんカネが入る。兵器・弾薬だけではない。兵士に提供する衣服や食料、輸送、医療、エネルギー。戦争にかかわる企業のすべてが濡れ手に粟の大儲けになる。日本人だけが知らない事実がここにある。

戦争はアメリカにとって「儲かるビジネス」だったのだ。


ウォー・エコノミーは莫大な利益をもたらす
さらに戦争は巨大な破壊を伴うので、戦争が終われば今度は復興事業が潤うことになる。戦勝国の企業は敗戦国に入り込んで、次々と復興事業にかかわってここでも大儲けしていく。

その国に資源があれば、今度はアメリカの資源企業がそこに入り込んで権益を独占する。そして、その資源の独占を通してアメリカという国家もより肥えていく。これが「ウォー・エコノミー」の正体である。

壊す過程で儲け、復興の過程で儲ける。こうした金儲けは「スクラップ・アンド・ビルド」といわれるが、これがうまく当たると、ウォー・エコノミーは莫大な利益をもたらす。

ただ、条件がある。それは「絶対に戦争に勝つこと」である。戦争に負けてしまえば自分たちがスクラップ(破壊)されて、甚大な被害をこうむることになる。

アメリカがベトナム戦争終結後に未曾有の経済不況に陥ったのは、戦争に負けて「スクラップ・アンド・ビルド」が回らなかったからだ。

アメリカが2001年のアフガニスタン戦争、2003年のイラク戦争で泥沼に陥って2008年9月15日のリーマン・ショックで金融崩壊しそうになったのも、「スクラップ・アンド・ビルド」が回らなかったからだ。

アメリカは意気揚々とベトナムやアフガニスタンやイラクのような「小国」に戦争をしかけたのは、負けるわけがないと思ったからである。しかし、アメリカの思惑通りには運ばなかった。

これらの戦争でアメリカは敗北を喫して軍産複合体は儲かっても、アメリカ国家自体は巨大なダメージを受けたので、結果的には政府から仕事をもらう軍産複合体もダメージを受ける。

戦争は勝たなければならないが、アメリカは勝てなかった。それがアメリカに国家的な困難をもたらした。ウォー・エコノミーにはそうした負の側面もある。しかし、アメリカはウォー・エコノミーを回さずには得られない。軍産複合体を抱えているので、戦争が必要な体質になっているからだ。



最終的には中国が最大の標的となっていく
アメリカはドル基軸通貨によって世界を支配している。しかし、ロシアやイスラム諸国や中国などの反米国家はドルのくびきから逃れたい。ドルの支配が続く限り、アメリカのいうことを聞かざるを得ないからである。

そうした反米国家の反米政権を倒すにも軍事力がいる。アメリカから軍産複合体が消えないのは、ウォー・エコノミーと同時にドル基軸通貨の維持のためでもある。

ドル基軸通貨を切り崩そうとしたり、アメリカに対抗できるほどの巨大な軍事力と経済力を持つ国があると、アメリカはかならず叩きつぶすために「戦争」をしかけていく。それがアメリカの繁栄の裏の顔でもある。

アメリカは戦争を恐れていない。しかし、アメリカが戦争に動くのであれば、それはかならず勝てる戦争でなければならず、さらに「スクラップ・アンド・ビルド」がまわる戦争でなければならない。

そのためにアメリカは「どこでどのような戦争をしかければ自分たちが勝って儲かるのか」を虎視眈々と狙っている。

現在、アメリカは中東に注力しているが、アメリカの覇権に挑戦するようになった国として「中国」の存在が巨大化している。もし巨大な「スクラップ・アンド・ビルド」による市場が望める国があるとしたら、中国は申し分のない国である。

アメリカ人は、すでに右から左まで 「中国はアメリカの敵」であることを共通認識として持つようになった。今、アメリカは中国をグローバル経済から切り離しているところだが、そのさらに先は何があるのか。

世界は今、中東に気を取られているかもしれないが、最終的には中国がアメリカの最大の標的となっていくのは間違いない。

アメリカはいつか中国を軍事的に叩きつぶしにいくだろう。アメリカの軍産複合体はウォー・エコノミーを必要としている。アメリカの軍産複合体が戦争を必要としている。そして、アメリカ政府は戦争を厭わない。中国はすでに標的なのだ。
https://blackasia.net/?p=46447
127:777 :

2024/10/20 (Sun) 06:40:56

ディープステートは誰なのか?もはやその存在はバレ始めている!(及川幸久×石田和靖)
【越境3.0チャンネル】石田和靖 2024/10/16
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=16874514

渡辺惣樹『虚像のロシア革命』『ネオコンとは何か? 』
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14147355

ディープステート(ネオコン)とは? ミアシャイマー vs 伊藤貫 - YouTube
「ミアシャイマー」の思想・ネオリアリズムの国際政治学
https://www.youtube.com/watch?v=2VIupJG07UM&t=275s

何が違うのか!? 古典派(伊藤貫) vs ネオリアリスト(ミアシャイマー・ウォルツ) (情緒vs論理、陰謀論vs社会科学) - YouTube
「ミアシャイマー」の思想・ネオリアリズムの国際政治学
https://www.youtube.com/watch?v=ROZP1v146jM

2023-10-31
チャンネル名から伊藤貫氏の名前を外した理由
https://uipkmwvubg9azym.hateblo.jp/entry/2023/10/31/095631



「ミアシャイマー」の思想・ネオリアリズムの国際政治学 - YouTube
https://www.youtube.com/@Mearsheimernishibesusumu/videos


「ミアシャイマー」の思想・ネオリアリズムの国際政治学(YouTube)のブログ
リアリスト学派の国際政治学による日本の外交・国防、国際情勢の分析
https://uipkmwvubg9azym.hateblo.jp/archive


2023-10-31
チャンネル名から伊藤貫氏の名前を外した理由
https://uipkmwvubg9azym.hateblo.jp/entry/2023/10/31/095631

チャンネル名から伊藤氏の名前を外すことになりました。
外した理由は二つあります。

一つ目の理由は、伊藤氏の国際政治学のパラダイム(学派)と、このチャンネルが正しいと考えているパラダイムが違うからです。
このチャンネルは国際政治学のネオリアリズム(攻撃的リアリズム・防御的リアリズム・新古典的リアリズム)という学派が正しいと考えていますが(※この3つのどれが正しいという決めつけはしていません)、伊藤氏のパラダイムは古典的リアリズムです。
そして、このパラダイムが違うと、国際政治に対する分析の結果も、未来予測も違ったものになります。



この二つの違いを簡単に説明すると、ネオリアリズムは、基本的に国際政治の構造によって、国際政治は左右されると考えるのですが、古典的リアリズムは、構造ではなく、その国の性質(例えば、支配欲が強い など)に左右されると考えます。
例えて言えば、地動説と天動説のように、ネオリアリズムと古典的リアリズムは、根本的に違います。
また、国際政治学界での一般的な評価としては、1979年にケネスウォルツが「国際政治の理論」という本を発表し、構造的現実主義の理論(ネオリアリズム)を発表してから、初めて国際政治学は社会科学の域に入ったとされています。
またネオリアリズム以外の学派(リベラル制度主義、コンストラクティビズム)も、ウォルツのネオリアリズムをたたき台にして理論構築しており、古典的リアリズムは学術的には過去の遺物(信憑性のない理論)として葬り去られたという形になっています。
このような経緯を踏まえて考えても、このチャンネルは、ネオリアリズムが正しいと考えています。
具体的な学者としては、ケネスウォルツ、ミアシャイマー、スティーブンウォルト、クリストファーレインなどです。

伊藤氏は、ウォルツなどのネオリアリストの名前を出すことがよくありますが、「支配欲で国際政治は動く」と度々発言しています。
また、それ以外にも、伊藤氏は、過去、「雑誌 表現者」において、「ネオリアリズムと古典的リアリズムを区別していない」と発言していたり、ミアシャイマーを古典派のモーゲンソーと同じ分類に入れるという内容の論考を表現者で発表しています。
これらから考えると、伊藤氏のパラダイムはネオリアリズムではく、古典的リアリズムだというのが客観的な評価です。
伊藤氏のパラダイムは、新古典的現実主義であるという反論があるかもしれませんが、新古典的リアリズムは、安全保障をベースに国家は動くと考えているので、支配欲で国家は動くという伊藤氏とは根本的に違います。

ネオリアリズムと古典派の未来予測の違いについて言えば、例えば、伊藤氏は、「アメリカは中国と戦争まではせずに、あっさり東アジアを見捨てる(投資家が反対するからというのも理由としてあげられている)」と度々発言していますが、ミアシャイマーは、「東アジアの覇権をめぐって、アメリカは中国との戦争も辞さない」という考えなので、まったく予測が違うということになります。
このように予測が異なるのは、古典派は支配欲で国家は動くと考えていますが、ネオリアリズムでは、安全保障を第一にして国家は動くと考えているからです。

二つ目の理由は、伊藤氏が「ディープステート」、「資本家が米外交を支配している」、「ウクライナ戦争はアメリカが企画して、意図的に起こした」など、陰謀論者的発言をしばしば行っているからです。
伊藤氏のこれらの発言をネオリアリズムの学者たちは支持していません。
たとえば、ウォルト教授は、Foreign Policy誌に「DSというようなもの存在しない」という内容の論文を出していたり、ミアシャイマー教授も、「外交を動かしているのは、資本家ではなく、外交エリートたち」という発言をしていて、伊藤氏の言うような陰謀論は否定しています。
このような両者の考え方の違いは、一つ目の理由で説明した両者の根本的な考え方の違い(国家は支配欲で動くのか、安全保障で動くのか)から生まれます。

先ほど、古典派の理論は学術的に見て、非科学的と評価されていると説明しましたが、陰謀論も古典派と同じような思考に基づいたものなので、陰謀論も非科学的という評価になります。

この点についての詳細はケネスウォルツの国際政治の理論を読んでいただきたいのですが、陰謀論も古典的リアリズムも、理論が帰納的であるということです。国際政治はシステムからの影響を無視できない以上、理論は帰納的ではなく、演繹的・体系的なものでなければならないということです。




いわゆる陰謀論は、古典派が全盛だった時代に流行した過去の遺物です。
悪い国が戦争を始めるなどと考える古典派は陰謀論と非常に相性がいいです。

それ以外に、核戦略論についても、伊藤氏は80年代の知識を根拠にしていると発言されていますが、核戦略論は、ここ数十年で大きく変化しており、80年代の知識では正確な分析ができなくなっています。
例えば、核があるから米中は戦争できないという伊藤氏の主張は、現在の核戦略論では否定されています。なぜなら、戦術核において、この数十年で大きな技術革新があり、核兵器の持つ意味合いが80年代とは変化しているからです。

また、伊藤氏は核の傘は嘘と発言されていますが、ミアシャイマーも含め、他のネオリアリストの学者の中で、核の傘を否定している人は一人もいません。
つまり、「核の傘は嘘ではない」ということです。

このチャンネルでは、ある時点まで、「伊藤氏はネオリアリズムに基づいて、国際政治分析をしている」と思っていたのですが、そうではないということに気が付いて、伊藤氏からの伝聞ではなく、自ら国際政治学について一から学び直す必要があると考えました。
そして、このチャンネルでは、去年の終盤から半年程度動画制作を休止して、チャンネルページの投稿欄を利用して、ウォルツの「国際政治の理論」を毎日引用しながら、チャンネルメンバーと一緒に理解していくという作業をしました。
この本は、現在の国際政治学の基本書に位置付けられていて、必読文献になっています。
まだ投稿はそのまま残しているので、チャンネルメンバーになれば誰でも閲覧できます。


www.youtube.com

このチャンネルで過去に作った動画の中には、ネオリアリズムから見ると正しくない内容のものがあります。
そのために、非公開にした動画もありますが、一部が間違っている動画ついては、今後、カットなどの作業が必要だと考えています。

ウォルツの国際政治の理論の日本語版が出たのが、2010年で、まだ10年余しか経過していません。



このことは、ネオリアリズムが日本ではまだ十分に理解されていないということを意味します。
日本で、古典的リアリズムや陰謀論のような非科学的にものを信じている人がまだまだたくさんいるのは、(科学的な)ネオリアリズムについてまだ理解が不十分であることも原因の一つではないかと思います。
また日本の国際政治学者の大多数は、コンストラクティビズムか、リベラル制度主義に属する人たちなのですが、ウクライナ戦争や中国の台頭について、これらの学派は、予測に失敗したので、「国際政治学は信用できない」という間違ったイメージが広がってしまっていることも、陰謀論が流行してしまう原因の一つではないかと思っています。
ネオリアリズムは、ウクライナ戦争の発生リスクや中国の台頭について正確に予測していました。そして、陰謀論と違い、学術的に検証されているものなので、信憑性が確保されています。

とは言っても、伊藤氏のことを全く支持していないという訳ではなく、伊藤氏の哲学の領域での発言については傾聴に値するものがあると考えているので、今後も、教育論などで伊藤氏の発言を取り上げさせていただくことはあると思っています。
しかし、伊藤氏の名前をチャンネルに入れると、陰謀論や古典的リアリズムを支持しているという誤解を与えてしまうため、やむを得ず外すことにしました。

これをお読みの方のほとんどは、伊藤氏の国際政治分析は正しいと考えていらっしゃると思いますが、一度、ウォルツの「国際政治の理論」を読まれてみて、伊藤氏の考え方(古典的リアリズム)との違いを確認されてみたらいかがでしょうか

私がここでいくら説明しても、納得していただくのは難しいと思うからです。
私も、伊藤氏が絶対に正しいと考えていた時は、伊藤氏に対する批判は全て間違いだと思っていたので、その時の自分のことを思い出すと、皆さんが、これを読んで納得するとは思えません。
今から思うと、一種の洗脳状態であったと思います。

私が間違えてしまったのは、「伊藤氏は、ウォルツやミアシャイマーの考え方を正確に伝えてくれているから、彼らの本は読む必要がない」と思い込んでいたことです。



この本を読んでみて、伊藤氏の国際政治分析はネオリアリズムではなく、古典的リアリズムに基づいたものであることが分かりました。

だから、ご自身で国際政治の理論を最後まで読まれて、自ら納得するというプロセスが必要だと思います。
この本は、今の国際政治学の枠組み(土台)を説明しているので、この本の内容を理解できていないと、他の国際政治の理論(この本を土台にして、防御的リアリズム・攻撃的リアリズム・新古典的リアリズムが生まれている)は理解できないです。
ネオリアリズムはリベラル制度主義などと違って、理想や願望を理論に組み込んでいないので、真実性を感じられると思います。
そして、ネオリアリズムを理解した上で、陰謀論と比較すれば、陰謀論がどれほど非科学的な話なのかが分かるでしょう。
ウォルツもこの本の中で、陰謀論を批判しています。
陰謀論を信じている人は、雷が神の仕業だと考えていた原始時代の人と同じです。
原始人は、科学的知識がないから、雷を神の仕業だとしか思えませんでした。
ネオリアリズムを学ばれれば、 今まで陰謀論だと思っていたことが、思い込みに過ぎなかったことが分かるでしょう。

今後、国際政治分析については、 ミアシャイマーらのネオリアリストの学者の見解を論拠にして動画制作をしていく予定です。
ネオリアリズムの学者の間でも(対中政策などで)論争もあり、ミアシャイマーに対する批判もあるので、それも紹介していく予定です。
https://uipkmwvubg9azym.hateblo.jp/entry/2023/10/31/095631
128:777 :

2024/10/29 (Tue) 07:32:42

2024.10.29XML
米国の正体に気づいたジョージア国民が選挙で米国にとって都合の悪い投票
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202410290000/

 ウクライナと同様、アメリカによる内政干渉のターゲットになってきたジョージアで10月26日に議会選挙が実施され、与党である「ジョージアの夢」が過半数を獲得した。その結果を親米派のサロメ・ズラビシビリ大統領は認めず、自分自身を「この国に残された唯一の独立機関」だと称し、抵抗運動で選挙を否定するよう国民に呼びかけている。「カラー革命」、つまりクーデターを扇動しているわけだ。

 ズラビシビリは1952年にフランスのパリで生まれ、1974年にフランス外務省へ入った。2003年から2004年にかけての期間、ジョージア駐在大使を務めているが、2003年11月にジョージアでは「バラ革命」が引き起こされ、アメリカ支配層の手先だったミヘイル・サーカシビリが実権を握っている。

 サーカシビリの経歴を調べると、1994年にコロンビア・ロー・スクールで学び、翌年にはジョージ・ワシントン大学ロー・スクールに通っている。その後、ニューヨークの法律事務所パターソン・ベルクナップ・ウェッブ・アンド・タイラーで働き、そこでエドゥアルド・シェワルナゼの下で働いていた旧友に誘われて政界入りしたとされている。

 2000年10月にサーカシビリはシェワルナゼ政権の司法大臣に就任するがすぐに辞任、2001年10月にUNM(統一国民運動)なる政党を創設。ジョージアでは2003年11月に議会選挙があり、シェワルナゼの政党が勝利するのだが、サーカシビリは選挙に不正があったと主張、混乱がはじまった。

 実は、選挙前にCIA系のUSAIDは投票のコンピュータ化を求め、150万ドルを提供している。コンピュータ化によって投票数の操作が容易になることはいうまでもない。コンピュータ化を求めたのはアメリカが不正選挙を目論んでいたからだと推測する人もいる。

 ​クーデターの黒幕はジョージア駐在のアメリカ大使だったリチャード・マイルズ​。工作資金はCIA系のNEDを経由して配下のNGOなどへ供給されているが、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ・インスティテュートも重要な役割を果たした。

 マイルズはジョージア駐在大使の前にブルガリア駐在大使、1996年から1999年までセルビア・モンテネグロの在外公館長を務めている。その頃、アメリカでは有力メディアがユーゴスラビアに対する先制攻撃を主張、ビル・クリントン政権はそれを拒否していた。

 しかし、国務長官がウォーレン・クリストファーからマデリーン・オルブライトへ交代した後、1998年4月にアメリカ上院はNATOを東へ拡大することを承認、その年の秋にオルブライト国務長官はユーゴスラビア空爆を支持すると表明、99年3月にアメリカ/NATO軍はユーゴスラビアを先制攻撃している。その際、スロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の自宅を破壊し、中国大使館を爆撃した。この攻撃でもマイルズは重要な役割を果たしていたと言われている。

 2001年9月にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、本格的な調査をしないまま「アル・カイダ」の犯行だと断定、そのアル・カイダが弾圧されていたイラクを2003年に先制攻撃した。

 2004年にズラビシビリはジョージア国籍を取得、同国の外務大臣になった。2008年1月にはズラビシビリと同じ従米派のミヘイル・サーカシビリが大統領に就任、その年の8月7日にジョージア軍は南オセチアを奇襲攻撃した。その翌日から北京で夏季オリンピックが開催される予定で、ロシア政府は動きにくいという計算があったと見られている。

 その当時、南オセチアに駐留していた平和維持部隊は軍事的な能力は低く、アメリカやイスラエルの軍事訓練を受けているジョージア軍の前になす術がなかったが、ロシア軍は戦闘車両150両を送り込むなど即座に反撃、ジョージア軍に対する空爆も開始、ジョージア軍を粉砕した。

 この攻撃の約1カ月前、7月10日にアメリカの国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪問、奇襲攻撃から間もない8月15日にもライスはジョージアを訪問、サーカシビリと会談している。

 ジョージア軍の攻撃を無謀だという人もいたが、イスラエルは2001年からジョージアへ武器を提供、それと同時に軍事訓練を行っていた。訓練を担当していたのはイスラエル軍のガル・ヒルシュ准将(予備役)が経営する「防衛の盾」で、予備役の将校2名の指揮下、数百名の元兵士が教官としてジョージアへ入っていた。

 それだけでなく、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズは元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣している。MPRIはユーゴスラビアへの攻撃でも名前が出てきた会社だ。

 イスラエルがジョージアを軍事面から支えてきたことはジョージア政府も認めている事実であり、アメリカのタイム誌によると、訓練だけでなくイスラエルから無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどの提供を受けている。(Tony Karon, “What Israel Lost in the Georgia War”, TIME, August 21, 2008)

 このジョージア軍による南オセチアへの奇襲攻撃はアメリカとイスラエルが入念に準備した作戦であり、しかも衝突した部隊の規模はほぼ同じ。その戦闘でロシア軍は圧勝した。勝利までに要した時間は96時間にすぎない。同じ規模のロシア軍とアメリカ軍が通常兵器で戦った場合、同じ結果になるということである。(Andrei Martyanov, “Losing Military Supremacy,” Clarity Press, 2018)

 ジョージアの近くにあるカスピ海の周辺には石油が存在しているが、それだけではなく、ロシアに対する攻撃の拠点、イランに対する出撃基地として重要な場所だ。

 ズラビシビリは2018年の大統領選挙に出馬するが、彼女がフランス国籍を放棄したのは選挙を2か月後に控えた同年8月23日のこと。そして選挙で勝利、大統領に就任している。任期は今年までだ。アメリカとしては今回の議会選挙を何としてもひっくり返したいだろう。

 自分たちの描いた計画通りにならなかった選挙に 「不正」というタグをつけ、「カラー革命」で政権を奪取するのはアメリカの常套手段である。すでにアメリカの植民地になっている国では軍、検察、警察が手先になっているが、そこまで支配が及んでいなくてもメディアやNGOが手先として利用されている。

 ジョージアでも外国の政府や私的権力が内政干渉のためにNGOが使われている。その活動を透明にするため、同国の議会はアメリカのFARA(外国代理人登録法)をベースにして、外国から一定以上の資金を受け取っている団体は登録し、資金提供者を開示するよう求める法律を制定した。その法律をジョージアのNGOだけでなく、西側諸国が批判している。そうした法律が「カラー革命」を仕掛けづらくするからだろう。
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