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クラシック音楽 _ バロックと古典派の音楽

1:777 :

2022/06/06 (Mon) 20:14:12

クラシック音楽 _ バロックと古典派の音楽


フェルッチョ・ブゾーニ
バッハ 無伴奏ヴァイルリンのためのパルティータ第2番ニ短調
からシャコンヌのピアノ編曲

Hélène Grimaud – Bach: Partita for Violin Solo No. 2 in D Minor, BWV 1004 (Chaconne arr. Busoni)
https://www.youtube.com/watch?v=7IuPcQqhNpU


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共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synæsthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。

例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。 英語名 synesthesia は、ギリシア語で共同を意味する接頭辞 syn- と感覚を意味する aesthesis から名づけられた。感性間知覚。


音に色が見える共感覚

色聴と呼ばれ、日本にも専門の研究者が存在する。

共感覚者であると確証される現在の海外の人物

共感覚者であることを第三者が確証できるほどの極めて具体的な自らの共感覚の例を掲げた著作・芸術作品などの活動が確認できるほか、大学などの研究機関において被験者として検証実験を受けたり、研究者の著作・学術論文中にて引用・言及されており、共感覚者であると確証するに足る人物を挙げる。


エレーヌ・グリモー(Hélène-Rose-Paule Grimaud, 1969年11月7日 - )


アメリカ公共放送PBSとのインタビューで本人が語っている。


Helene Grimaud interviewed by Alexis Bloom for Quick Hits
https://www.youtube.com/watch?v=N_dw9-Bt_sM


いつもCは黒、Bは青、Fは赤、リストの曲は金色がかった色調に感じる。


また、11歳の時にバッハの平均律クラヴィーア曲集Fシャープメイジャー(嬰ヘ長調)のプレリュードを弾いている時に明るい暖かな赤とオレンジの間の色調を感じた。

数字にも色を感じる。2は黄色、4は赤、5は緑。

曲によってはいつも特殊な色の世界を感じる。時によって調性に影響される。

Cマイナー(ハ短調)は黒、Dマイナー(ニ短調)は青。

ベートーヴェンのテンペストソナタは黒、合唱幻想曲は黒、緑、赤、黄色のらせんを感じる。



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狼女=エレーヌ・グリモー


・性別: 女性。
・姓名: エレーヌ・グリモー Helene Grimaud。
・何人?: フランス人。
・何者?: クラシックのピアニスト。
・生年月日: 1969年11月7日生。
・備考: 美人ドキドキ

対称性の強迫


・子供の頃は奇行と奇癖の目立つ問題児。集団生活に馴染めず、いじめられっ子で友達もできなかった。


・幼少時からの対称性の強迫行為。勉強机の上で本の両側に同数の鉛筆が配され、本はノートから等距離に並べられなければならない。靴紐は両足とも同じようになるまで結んでは解いてを何時間も繰り返した(エレーヌ・グリモー『野生のしらべ』p.59)。


・コンサート・ピアニストになってからも強迫行為は暫く続いた。演奏旅行中に投宿したホテルの家具や備品を左右対称に並べ替えないと気が済まない。コンサート後は疲れているにもかかわらず、気を利かせたメイドが凝りに凝った強迫的ディスプレイを元に戻してしまったと確信して、恐れつつ電気も点けずに、ベッドルーム、バスルーム、洗面台と巡り、全てを並べ直して回った(同上。p.59-60)。


・しかし日本を演奏旅行中のある日、ホテルに帰り疲労の極致にあって猶、イルカのプリントされたセーターをその柄が上下左右対称になるよう物差し(!)を使って折り畳んでいた時に、発作的にセーターを窓から投げ捨て、以後強迫症状は止んだ(同上。p.60)。


・楽器の演奏やスポーツ等、完璧の追及が要求される営みには生得的な強迫的性格が必要、とエレーヌ・グリモーは主張する(同上。p.65)。

就眠の儀式


・眠る前にベッドの中で、教理問答で習った祈りを一定の規則で繰り返し声に出して唱える。そうして漸く眠りに就くことができた。言い間違えたり、発音やイントネーションが気に入らないと最初から唱え直し、満足するまで何時間でも続け、時には明け方に疲れ切って眠り込む、ということもあった(同上。p.51-52)。


・後、この儀式は音楽で役立つことになる。音楽学校の試験前夜、課題のシャルパンティエがどうにも退屈で憶える気が起こらず、諦めて床に就いたが、突然祈りの習慣が甦り、無意識的にスキャンされていたシャルパンティエの譜面を全て、かつて祈りを反復したようにリズムとアクセントに満足が行くまで飽くことなく繰り返してイメージ・トレーニングし、翌日試験ではその曲を完璧に弾きこなした(同上。p.52-53)。

自傷行為或いはエンドルフィン嗜癖(?)


・自傷行為が対称強迫の対象となる。6歳の時、母の故郷コルシカの海岸でかかとに傷を負い、麻酔無しで縫合の手術を受けたのだが、その最中に思わず笑みがこぼれるほどの至福感を体験する。たぶんエンドルフィン(*)が大量に分泌されたんだと思う。しかし心配する両親を尻目にめくるめく快感に浸っている自分に対して後ろめたさを感じてしまい、苦痛と涙を装ってことがこじれる。数分後に全ては忘却されたが、これを契機に全ての障害が始まった、とグリモー自身は記している(それが隠蔽記憶でなければね)(同上。p.40-44)。

(*)エンドルフィンについては ↓

「報酬系・ドーパミン・渇望:コルトレーン、ヘロインを断つ その16」
http://ameblo.jp/lm199781/entry-10017910374.html

「練習による依存の適正な代替:コルトレーン、ヘロインを断つ その28」 参照。
http://ameblo.jp/lm199781/entry-10025913975.html


・数年後、砂利道で偶然転んで膝に傷を負い、生を強く実感、エンドルフィン体験が甦る。自傷行為が勃発し、しまいには対称強迫と連動して右手に傷をつけると左手にも傷をつけないではいられなくなる。両手・両膝・両肘に絆創膏を貼った以前にも増して奇妙な子供とグリモーはなってしまう。(同上。p.57-59)。


[覚書: エンドルフィンは自傷行為が習慣化する理由の一つであるかもしれないが、事後的に(或いは発端として)生ずる自罰衝動はエンドルフィンでは説明できない? やはりエンドルフィンだけではタナトスを説明できない? そりゃそうか。]


・7歳の時、情操教育のため(まあ、問題児だったから)両親に音楽教室へ連れて行かれ、女性ピアノ教師が弾くシューマンを聴き、深く魅惑される。

自身の内奥から生ずる魔力、とグリモーは表現するが、それってやっぱエンドルフィンじゃないだろうか(音楽に感動するとエンドルフィンが出ます)。明らかに音楽はグリモーの性に合っていた。以後ピアノにのめり込み、自ら進んで練習する。両親はさらに偏った性格になるのではないかと心配するがもう遅い(*)。音楽という全く別種の刺激に触れて報酬系は新たに賦活され、グリモーを猛烈に駆り立てる。それかあらぬかパリ音楽院に入学した13歳の頃に自傷行為は自然に消えた(**)(強迫性プラス報酬系駆動、というのはコルトレーンの生涯を理解する上でもかなり参考になる)。


(*)この辺はグレン・グールドとちょっと似ている。手袋おやじも子供の頃はむちゃくちゃ練習大好きで、変人になることを危惧した両親から練習時間を日に4時間と制限されていた。そしてグールドもまたグリモー同様友達のできないいじめられっ子だった。しかし性格はちょっと(いやかなり)違う。グールドの場合は強迫じゃなくって分裂病質だとかアスペルガー症候群だとか言われたりしている。ミシェル・シュネデール『孤独のアリア』、宮澤淳一「グールドと精神医学」(KAWADE夢ムック文藝別冊『グレン・グールド』)参照。
(**)『野生のしらべ』p.64, p.59


・エンドルフィン仮説(ドーパミンでもいいけど)をさらに裏付けるのは、くたくたになるまで運動することを好んだ、というエピソード。延々と続く歩行や階段の駆け上り、バーベルや鉄アレイ、ランニング・マシーンを通じての肉体の酷使。この女、疲労を超越した快楽の味を占めているのが見え見えですぜ、ニセ医者の旦那(ちなみに歩行やジョギングといった反復運動はセロトニン神経を活性化する。セロトニンについては後で触れるかも)(同上。p.256-257)。

狼大好き


狼マニア。「狼女」たる由縁の症状。

アメリカ移住後、狼と運命的な出会いを経験、強く嵌り込む。

狼について大学で勉強し、果ては土地を買い込み放し飼いにして狼保護センターを設立するに至る。狼についての生物学的・博物学的な知識は『野生のしらべ』にも惜しみなく投入され、自伝的エピソードのカウンター・メロディを成す。気に入るととことん強迫的(いちず、とルビを振りたい)になるタイプみたいです。狼のために恋人も捨ててしまいました。
http://ameblo.jp/lm199781/entry-10038082588.html



エレーヌ・グリモー 名演集
https://www.youtube.com/results?search_query=Helene+Grimaud





2:777 :

2022/06/06 (Mon) 20:16:17


音の魔術師 レオポルド・ストコフスキー(Leopold Antoni Stanislaw Boleslawowicz Stokowski, 1882年4月18日 - 1977年9月13日)


クラシック音楽には程遠いアメリカの一般大衆向けに特化したストコフスキーだったけど、その才能は凄かった


Disney's Fantasia (1940) HD - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=r7gLlIv4ito

4:10 - Toccata and Fugue - Bach
14:25 - Nutcracker Suite - Tchaikovsky
29:45 - The Sorcerer's Apprentice - Paul Dukas
42:40 - The Rite of Spring - Stravinsky
1:05:28 - Intermission - Meet the Soundtrack (1:09:15)
1:13:50 - The Pastoral Symphony - Beethoven
1:37:02 - Dance of the Hours - Ponchielli
1:50:23 - Night on Bald Mountain and Ave Maria - Schubert

『ファンタジア』(原題: Fantasia)は、1940年のアメリカ映画。アニメーション映画。ディズニー製作、監督はベン・シャープスティーン。

オーケストラによるクラシック音楽をバックとした、アニメーションによる8編の物語集である。一部を除き、台詞は一切用いられていない。

全編にわたっての音楽演奏は、レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団が担当した。

1:「トッカータとフーガ ニ短調」(9:22) - J.S.バッハ
標題音楽ではないこの曲を起用した経緯については、ウォルトが「抽象的な音楽もやってみよう」と提案したことによる。そのため、抽象画の映画を作り、当時アメリカに移住していたオスカー・フィッシンガーの意見を取り入れつつ製作された。

2:組曲「くるみ割り人形」 - チャイコフスキー(14:12)
最初の2曲はカットされ、また曲の順序も一部入れ替わっている。

3:「魔法使いの弟子」 - デュカス(9:17)

4:「春の祭典」- ストラヴィンスキー(22:28)
舞台を人類時代の原始時代から、地球創世期~恐竜の時代に変更している。また、原曲の一部がカットされた上、順番が一部入れ替えられている。
休憩・「サウンド・トラック」[注 3]の紹介。指揮者ストコフスキーが登場し、アニメのミッキーマウスと握手するという趣向を見せる。
この「休憩」と「サウンド・トラック」の紹介は、1990年発売のバージョンおよび、現在日本で発売されているDVDではカットされている。パブリック・ドメインDVDには収録されている。

5:「田園交響曲」 - ベートーヴェン(22:00)
舞台をギリシャ神話の世界に求めている。第4楽章以外は短縮されている。

6:「時の踊り」 - ポンキエッリ(12:13)
担当者は研究のために動物園やバレエ公演に頻繁に通ったり、バレリーナの映像を参考にした上で製作された。

7:「はげ山の一夜」 - ムソルグスキー(7:25)

8:「アヴェ・マリア」 - シューベルト(6:27)

7と8はアニメーションがつなぎ合わされ(「禿山の一夜」の終わりの音と、「アヴェ・マリア」の最初の音が偶然一緒だった)、「光と闇」という壮大なラストを表現している。
歌詞は、本来ドイツ語のものを英語に直している(「アヴェ・マリア」)。


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バッハ : ストコフスキー編曲集

Stokowski's Bach arrangements 1927-74 (6h48mins restored Megamix)
https://www.youtube.com/watch?v=yh2cBy5cVD4


INDEX

Cantata BWV 4: No.4: "Jesus Christus, Gottes Sohn"
0:04 1. Philadelphia Orchestra 05/04/37
3:57 2. Czech Philharmonic Orchestra 7,8/09/72

Chorale Prelude "Ein' feste Burg ist unser Gott" BWV 80/720
8:33 3. Philadelphia Orchestra 28/10/33
10:18 4. Philadelphia Orchestra 20/04/39
14:00 5. London Symphony Orchestra 16,18,19/04/74

Cantata BWV 147: No.10: "Jesu bleibet meine Freude"
16:59 6. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 08/08/50

Cantata BWV 156: Arioso
20:35 7. London Symphony Orchestra 18,19/04/74

Cantata BWV 208: No.9: "Schafe können sicher weiden"
26:53 8. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 08/08/50

"Matthäus-Passion" BWV 244: No.63: "O Haupt voll Blut und Wunden"
32:31 9. Philadelphia Orchestra 28/11/36

"Johannes-Passion" BWV 245: No.58: "Es ist vollbracht"
36:59 10. Philadelphia Orchestra 22/10/34
45:04 11. Philadelphia Orchestra 08/12/40

Christmas Oratorio BWV 248: No.10: Sinfonia: Pastorale
54:14 12. Philadelphia Orchestra 30/04, 01/05/29
1:02:24 13. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 05,07,11,26/02/58

"Komm, süßer Tod" BWV 478
1:12:00 14. Philadelphia Orchestra 28/10/33
1:17:03 15. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 05,07,11,26/02/58

"Mein Jesu, was für Seelenweh" BWV 487
1:23:01 16. Philadelphia Orchestra 28/11/36
1:27:45 17. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 15-17/08/57
1:32:52 18. Czech Philharmonic Orchestra 7,8/09/72 [live]

Prelude and Fugue in g minor BWV 542: "Great Fugue"
1:38:24 19. Philadelphia Orchestra 07/04/34

Trio Sonata for Piano No.1 in E flat major BWV 525: 1st movement
1:44:54 20. Philadelphia Orchestra 27/11/39

Prelude and Fugue No.3 in e minor BWV 555
1:48:17 21. Philadelphia Orchestra 12/12/37

Toccata, Adagio and Fugue in C major BWV 564: Adagio
1:52:24 22. Philadelphia Orchestra 28/10/33

Toccata and Fugue in d minor BWV 565
1:56:54 23. Philadelphia Orchestra 06/04/27
2:05:40 24. Philadelphia Orchestra 26/11/34
2:15:16 25. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 15/02/57

"Little Fugue" in g minor BWV 578
2:24:50 26. Philadelphia Orchestra 17/03/31
2:28:40 27. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 05,07,11,26/02/58

Passacaglia and Fugue in c minor BWV 582
2:32:38 28. Philadelphia Orchestra 28/01, 01/05/29
2:47:00 29. Philadelphia Orchestra 16/11/36
2:59:55 30. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 05,07,11,26/02/58
3:13:49 31. Czech Philharmonic Orchestra 7,8/09/72 [live]

Chorale Prelude "Nun komm der Heiden Heiland" BWV 599
3:29:48 32. Philadelphia Orchestra 07/04/34
3:34:27 33. Philadelphia Orchestra 25/02/60

Chorale Prelude "Ich ruf' zu Dir, Herr Jesu Christ" BWV 639
3:39:52 34. Philadelphia Orchestra 13/10/27
3:43:30 35. Philadelphia Orchestra 27/11/39
3:47:53 36. Philadelphia Orchestra 25/02/60

Chorale Prelude "Wachet auf! ruft uns die Stimme" BWV 645
3:52:01 37. London Symphony Orchestra 16,18,19/04/74

Chorale Prelude "Wir glauben all an einen Gott" BWV 680
3:56:36 38. Philadelphia Orchestra 01/05/29
4:00:14 39. Philadelphia Orchestra 25/02/60
4:03:34 40. Czech Philharmonic Orchestra 7,8/09/72 [live]

Chorale Prelude "Christ lag in Todesbanden" BWV 718
4:07:09 41. Philadelphia Orchestra 04/04/31

Chorale Prelude "Aus der Tiefe rufe ich" BWV 745
4:10:07 42. Philadelphia Orchestra 15/03/30

English Suite No.2 in a minor BWV 807: 5th movement: Bourrée
4:16:43 40. Philadelphia Orchestra 15/01/36
4:19:39 44. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 05,07,11,26/02/58

English Suite No.3 in g minor BWV 808: Sarabande
4:23:08 35. Philadelphia Orchestra 07/04/34

"Das wohltemperierte Klavier": No.2: Prelude and Fugue in c minor BWV 847 » Fugue
4:27:48 36. Philadelphia Orchestra 07/04/34

"Das wohltemperierte Klavier": No.8: Prelude in e flat minor BWV 853
4:29:50 37. Philadelphia Orchestra 12/10/27
4:34:46 38. Czech Philharmonic Orchestra 7,8/09/72 [live]

"Das wohltemperierte Klavier": No.24: Prelude in b minor BWV 869
4:40:09 39. Philadelphia Orchestra 02/05/29

Violin Partita No.1 in b minor BWV 1002: 5th movement: Sarabande
4:44:45 40. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 05,07,11,26/02/58
4:49:29 41. Philadelphia Orchestra 16/11/36

Partita for Violin No.2 in d minor BWV 1004: 5th movement: Ciaccona
4:54:07 42. Philadelphia Orchestra 30/04/34
5:12:18 43. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 25/03/50
5:29:43 44. London Symphony Orchestra 16,18,19/04/74

Violin Partita BWV 1006 in E major: 1st movement: Preludio (= Sinfonia in D major from Cantata BWV 29)
5:47:41 45. All-American Youth Orchestra 20/07/41
5:51:27 46. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 15-17/08/57

Sonata for Violin and Harpsichord No.4 in c minor BWV 1017: 1st movement: Siciliano
5:55:10 47. Philadelphia Orchestra 28/10/33
5:58:46 48. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 25/03/50

Suite No.2 in b minor BWV 1067
6:02:41 49. Leopold Stokowski Symphony Orchestra 12,14/09/50

Suite No.3 in D major BWV 1068: 2nd movement: Air
6:28:40 50. Philadelphia Orchestra 15/01/36
6:34:44 51. All-American Youth Orchestra 11/07/41
ZZZZZZ Leopold Stokowski Symphony Orchestra 26/02/58
6:41:47 52. London Symphony Orchestra 16,18,19/04/74


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バッハ : ストコフスキー編曲集
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/925.html
3:777 :

2022/06/06 (Mon) 20:45:36


オーソン・ウェルズ『審判』(カフカ原作)
『アルビノーニのアダージョ』
https://www.youtube.com/watch?v=R_7weUR0oMY&t=26s


Orson Welles's The Trial (1962) Spanish Subtitles - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x6mofjm


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レモ・ジャゾット 『アルビノーニのアダージョ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/919.html  
4:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:05:32


クラシック音楽のメロディーの美しさはポピュラー音楽とは次元が違う


ヘンリー・パーセル アブデラザール組曲 Z.570
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/939.html

Britten: The Young Person's Guide To The Orchestra, Op. 34 · London Symphony Orchestra · Benjamin Britten
https://www.youtube.com/watch?v=GenWkFVSZXo

『パッヘルベルのカノン』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/920.html  

レモ・ジャゾット 『アルビノーニのアダージョ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/919.html  


最美の音楽は何か? _ バッハ『トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/458.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『小フーガ ト短調 BWV 578』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/461.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番ニ短調 BWV1004 シャコンヌ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/431.html


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最美の音楽は何か? _ ベートーヴェン『バガテル エリーゼのために』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/302.html

ロッシーニ ウィリアム・テル 序曲
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/887.html


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シューベルト 『軍隊行進曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/859.html  

シューベルト 劇付随音楽 『ロザムンデ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/858.html  


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フランツ・リスト 『ラ・カンパネラ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/880.html

最美の音楽は何か? _ ヨハン・シュトラウス2世『美しく青きドナウ 作品314』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/419.html

最美の音楽は何か? _ シューマン『子供の情景 作品15 第7曲 トロイメライ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/355.html


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Les Amants 'Trailer' - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=o0B8LqiReuQ&t=6s

Brahms: Sextet No. 1 in B-flat major - 2. Andante ma moderato
https://www.youtube.com/watch?v=h1AZ8FmIWcI&t=28s


最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ハンガリー舞曲集』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/296.html

最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『パガニーニの主題による変奏曲 作品35』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/303.html


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グリーグ 『ペール・ギュント』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/933.html

グリーグ 『ペールギュント ソルヴェイグの歌』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/932.html

最美の音楽は何か? _ グリーグ『ピアノ協奏曲イ短調 作品16』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/336.html


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チャイコフスキー バレエ音楽 『白鳥の湖』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/941.html

最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『弦楽四重奏曲第1番ニ長調 作品11 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/258.html



最美の音楽は何か? _ ドヴォルザーク『8つのユモレスク 第7番 Op.101-7 B.187 変ト長調』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/253.html



ジュール・マスネ 『タイスの瞑想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/951.html  

ジュール・マスネ 『エレジー』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/954.html

サン=サーンス 『動物の謝肉祭 白鳥』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/911.html  

最美の音楽は何か? _ ドビュッシー『ベルガマスク組曲 月の光』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/191.html

ガブリエル・フォーレ 『夢の中に』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/912.html  



イサーク・アルベニス 『マラゲーニャ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/876.html

イサーク・アルベニス 『アストゥリアス 』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/875.html



ホアキン・ロドリーゴ ギターと管弦楽のための《アランフェス協奏曲》
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/726.html



最美の音楽は何か? _ グスタフ・マーラー 『アダージェット』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/190.html

最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『ツァラトゥストラはかく語りき 作品30』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/414.html



ヴォーン・ウィリアムズ 『グリーンスリーヴスによる幻想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/949.html  


パブロ・カザルス カタルーニャ民謡 『鳥の歌』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/927.html  


最美の音楽は何か? _ グレツキ『交響曲第3番 悲歌の交響曲 作品36』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/641.html
5:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:08:15

ジョスカン・デ・プレ(Josquin Des Prez、1450年/1455年? - 1521年8月27日)

最美の音楽は何か? _ ジョスカン・デ・プレ ミサ曲『祝福された聖処女』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/664.html


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ジョスカン・デ・プレ(Josquin Des Prez 1440年? - 1521)

当時のあらゆる音楽の技法を総合した音楽を創作した当時の音楽の父の存在であり、西洋音楽史上の最大の天才の一人。曲はオケゲムと比較して随分と複雑である。もっと後の時代の作品のように感じる。


「ミゼレレ・メイ・デウス」 "Miserere mei Deus"
4.0点
あまりに悲しくも美しい音楽に心を奪われて、最後まで聞きほれてしまった。ジョスカンの天才ぶりを痛感。


ミサ「フェラーラ公エルコレ」Missa Hercules dux Ferrariae
3.5点
パンジェリンガのような晩年の曲と比較するとシンプルで人間的な響きと感じられて分かりやすい。


ミサ「パンジェリンガ」Missa Pange lingua
3.5点
最晩年の高い完成度で代表作とされているミサ曲。超然としていて複雑で感情的な共感は難しいものの、理屈抜きで究極的にバランスが取れていて美しいと感じる。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
6:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:09:05


ジョン・ダウランド(John Dowland、1563年??月??日 - 1626年2月20日)

ジョン・ダウランド『涙のパヴァーヌ・流れよ、わが涙』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/930.html

7:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:09:57

音楽史上最高の天才モンテヴェルディ、この世の物とは思えない絶美の音楽「ポッペアの戴冠」


クラウディオ・モンテヴェルディ(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi, 1567年5月15日 - 1643年11月29日)


最美の音楽は何か? _ モンテヴェルディ 歌劇「ポッペアの戴冠」
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/169.html


ただ、この曲は演奏が難しい様で、

モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」全曲(3CD)
ヤーコプス(指)コンチェルト・ヴォカーレ、他

1992年2月デジタル録音。ヤーコプスのモンテヴェルディ三大オペラの第1弾で、まさにここからモンテヴェルディが新たな時代に変わった記念碑的な録音。各国のディスク賞を総なめした歴史的大名盤。

ダニエル・ボルスト(ポッペア),
ギュメット・ロランス(ネローネ),
ジェニファー・ラーモア(オッターヴィア),
アクセル・ケーラー(オットーネ),
ミヒャエル・ショッパー(セネカ),ドミニク・ヴィス(乳母),他
ルネ・ヤーコプス(指)コンチェルト・ヴォカーレ
https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%EF%BC%881567-1643%EF%BC%89_000000000019393/item_L-incornazione-Di-Poppea-Jacobs-Concerto-Vocale-Borst-D-visse-Larmore_202423


以外の演奏では良さが全く伝わってきません。
キリスト教の伝統に従って、皇帝ネロを極悪人、ポッペアを妖女と捉えてしまうと、どういう音楽なのか見当が付かなくなってしまいます。

これは青年の「父殺し」の話です:


グレート・マザーとの対決

ユング心理学の中に、
「母親殺し」というドぎつい表現が出てきます。

「えっ、ユングって少年犯罪の心理にも詳しいの?」
…と誤解してしまう方もいらっしゃるかもしれませんよね(笑)。



ユングの言う「母親殺し」は、あくまでも“たとえ”。
実際に母親を殺すわけではありません。



母親殺しが象徴しているのは、人間の「心理的な成長」、
つまり、母親殺し=母離れということになりますね。

人間が心理的に成長していくプロセスにおいて、
一人前になるためにどうしても克服しなければならないテーマを、

ユングは「母殺し」言い方で表現したのです。



このテーマは、実は、世界各国の神話や民話にも登場するエピソード。
後述しますが、日本に伝わる伝承にも、

この“母親殺し”に相当するエピソードが登場します。



それにしてもなぜ、克服すべきテーマを母親になぞらえるのか?
それは、ユングが唱えた「元型論」の

「グレードマザー=太母」が持つ意味に起因しています。
このグレートマザーは、

「無条件で愛を与え、守ってくれる」「受け入れてくれる」…といった
一般的に言われる“母親”のイメージの他に、

「束縛する」「飲み込んでしまう」
といったネガティブなイメージも内包しています。

確かに、母親って、口うるさいところがありますし、ともすれば
過干渉で子どもの可能性をつぶしてしまう存在でもありますからね(汗)



そのため、このグレートマザー=母親と対決をして、
それに勝つ、殺してしまうことが求められるというわけ。

それで初めて「一人前になれる」ということです。

日本人は“母親殺し”が難しい?
前述した通り、日本に伝わる伝承にも、
ユングが言うところの「母親殺し」のエピソードは登場しています。



最もポピュラーなのは、
素戔鳴尊(スサノオノミコト)の八岐大蛇退治。

素戔鳴尊は、八岐大蛇を退治して、
奇稲田姫(くしなだひめ)を救いました。

そして、大蛇の尾から草薙剣(三種の神器)を奪ったのです。



…と、ここまでは、
「素戔鳴尊が男として一人前になるためのエピソードなのね」

「これが、ユングの言う“母親殺し”なんだな」
と、納得しながら読めるのですが、問題はここからです。



彼は、せっかく手に入れた草薙の剣を、
姉である天照大神に献上してしまいます。

“支配者”になるために
「なくてはならないアイテム」であるにも関わらず、です!



しかも、献上した相手、天照大神は、
自分の“母親代理”とも言える存在。

つまり、母離れが完全にはできていなかったということですね(苦笑)



この伝承のエピソードも踏まえ、
ユング心理学の権威である河合隼雄先生は、

「日本の男はみんな永遠の少年だ」
とおっしゃっています。

つまり、いつまでも“母親殺し”ができない
=母離れができない=精神的に一人前になれない!



みなさんの周りにも、いわゆる“マザコン”が多いのでは(笑)?

「父親殺し」との比較
さて、母親殺しは
「成長に不可欠なプロセス」「母離れ」を意味するわけですが、

では、“父親殺し”はどのような意味があるのでしょうか。



これは、ユングよりも
ノイマン(ジョン・フォン・ノイマン。ユング派の心理学者)の

考え方を紹介したほうが分かりやすいでしょう。



ノイマンによれば、
「母殺し」と「父殺し」とでは意味が異なるのだとか。



「母殺し」は太母からの自我の自立を、一方の「父殺し」は、
古い文化を否定して新しい文化を創造する心の働きを

意味しているのだと言います。



確かに、父親や“父性”は古い慣習や伝統、
文化を象徴するものでもありますから、こういった古いものを

打ち破って新しいものを作るという意味で捉えられるのは
あながち不思議な話ではありません。



ちなみに、ユングによれば、「母親殺し」や「父親殺し」は
愛の挫折や愛の倒錯から生まれるのではないとのこと。

つまり、個人的な感情云々から生ずるエピソードではなく、
「より元型的な心のメカニズム」、

誰もが通る道として捉えられています。



ですから、
「うちの子が私に対して攻撃的なのは、育て方が悪かったからだ」

と自分を責める必要はありません。
子どもは自分自身の“内的な成長”ゆえに、必然的な傾向として

母親から自立していこうとするものなのです。
親としては、むしろ喜ぶべきことなのではないでしょうか!
http://j-phyco.com/category1/entry70.html


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因みに、音楽史上最高の天才モンテヴェルディでも死の前年の75歳で書いた 歌劇「ポッペアの戴冠」以前の作品は現代では通用しません。 一応参考に書いておくと


最美の音楽は何か? _ モンテヴェルディ 歌劇「ウリッセの帰還」
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/657.html

最美の音楽は何か? _ モンテヴェルディ 歌劇「オルフェオ」
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/659.html

最美の音楽は何か? _ モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/660.html


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クラウディオ・モンテヴェルディ(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi, 1567 - 1643)

ルネサンスからバロックへの、西洋音楽至上最大の変革の両方の時代に生きた、前期バロック最大の作曲家。彼の時代はまだ異世界音楽という感じであり聞きやすくないが、その中でも強く感情をほとばしらせる力は心に訴えかけるものがある。


聖母マリアの夕べの祈り(1610年)
3.5点
さまざまなバラエティ豊かで充実感がみなぎり滋味もある音楽が続く大作。まだバロック音楽というよりルネッサンス時代の音楽に近く、通常耳にするような音楽と仕組みが違うので、分かりやすくはない。


倫理的、宗教的な森
3.5点
長い曲なので、パロットの抜粋版で聴いた。「聖母マリアの夕べの祈り」同様に古い音楽ではあるが、通奏低音がより明確なラインとなっていて聞きやすいと思うし、敬虔な癒しの音楽という全体的な印象があるとともに、曲集としての総合性を感じる。自分はこちらの方が好みかもしれない。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2


8:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:11:05


ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel, 1653 - 1706)


『パッヘルベルのカノン』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/920.html


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ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel, 1653 - 1706)
この時代の大作曲家の一人であるが、現代はもっぱら「カノン」の作曲家として有名。カノン以外の曲も聴いたことはあるが記憶に残ってない。

カノン
6.0点
「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」の第1曲なのだそうだ。クラシックの器楽曲の中でも最古にして最大の人気曲のひとつだろう。何百回聴いても魅力は尽きない。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%281859%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
9:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:11:59


ヘンリー・パーセル(Henry Purcell、1659 - 1695)


最美の音楽は何か? _ ヘンリー・パーセル『劇付随音楽 アブデラザール、またはムーア人の復讐 Z.570』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/671.html

ヘンリー・パーセル アブデラザール組曲 Z.570
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/939.html


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ヘンリー・パーセル(Henry Purcell、1659 - 1695)

イギリス最高の天才クラシック作曲家は、エルガーやブリテンではなく、パーセルなのだそうだ(ヘンデルは帰化人だから除く)。劇音楽作曲家として非常に評価が高い。自分も確かに天才性は感じられる。


ディド(ダイドー)とアエネアス(エネアス)
4.0点
オペラではなく音楽として聴いただけだが、後半は素晴らしい効果をあげていた。

4声のソナタ集
3.5点
バラエティ豊かで、華やかだったりうら悲しかったり、いろいろな表情を見せてくれる。形式も各国のものを取り入れて豊かなように聞こえた。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9
10:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:12:38


フランソワ・クープラン(François Couperin, 1668 - 1733)


クープラン ; チェロとピアノのための演奏会用小品
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/926.html

11:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:13:29

アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi, 1678 - 1741)


最美の音楽は何か? _ ヴィヴァルディ『ヴァイオリン協奏曲 No. 6 イ短調 RV 356』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/331.html

最美の音楽は何か? _ ヴィヴァルディ『和声と創意の試み 作品8 四季 夏』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/337.html


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アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi, 1678 - 1741)

大バッハも大いに研究したイタリア・バロックの大作曲家。他の同時代のイタリア作曲家と比較すると、輝かしくも複雑で陰影を秘めており、曲の放つ魅力は断然優れている。メロディーセンスもある。


ヴァイオリン協奏曲

作品3 12曲の合奏協奏曲集『調和の霊感』
第1曲
3.0点
素朴でオーソドックスな中に瑞々しい感受性が感じられて素敵。特に2楽章はロマン派の音楽のように感情的である。

第2曲
2.5点
短調で劇的な雰囲気を一応楽しめるが、あまり面白い曲と思わなかった。

第3曲
2.8点
長調と短調を混ぜた構成で工夫は感じるが、曲の良さにはいまいち繋がっていないと思う。

第4曲
3.5点
短調の曲。バロック的な感情的でなくシンプルな短調の響きの美しさをおおいに発揮している。活気があり、バランスが良いため楽しめる。

第5曲
3.5点
1楽章の単純明解な楽しさと、2楽章の大変美しい叙情性の対比が聞き物。3楽章も悪くない。

第6曲
3.3点
短調の魅力を発揮しているが、単純さの中に神がかり的なものを見せるヴィヴァルディの天才が今ひとつきれいに発揮されていない気がする。中間楽章の叙情性は美しい。

第7曲
3.5点
5つの楽章からなり、それぞれ大きく異なる雰囲気のため、バラエティと起伏に富む感じが楽しい。それぞれは素朴ながらも全体として豊かな音楽という印象が強い。

第8曲
3.5点
2楽章が魅力的。同じフレーズの繰り返しが産む美と憂愁の世界が素晴らしい。1楽章や3楽章も短調の美と躍動感を両立して素晴らしい。

第9曲
2.8点
全部の楽章において、雰囲気は悪くないのだが単純すぎて情報量が少なく、物足りなさが残る。

第10曲
3.3点
2楽章は単調だがなぜか楽しめる。3楽章は分厚い音の積み重ねが聴いていて楽しいし、変化もあって楽しめる。

第11曲
3.0点
3楽章のフーガはもの珍しい気分で聴ける。フーガでもヴィヴァルディは華やかなである。4楽章は訴えかけるようなソロが楽しい。

第12曲
3.3点
伸びやかな雰囲気が印象的。後年の協奏曲に通じるものをそれとなく感じる。密度は平均より高いが、もう一つ突き抜けないものがある。



作品8 12曲の協奏曲集『和声と創意への試み』(『四季』を含む)

1曲目「春」
5.0点
一楽章は大変有名な曲だが、やはり主題が大変に魅力的で素晴らしい。中間の嵐を描写した部分もよい対比になっている。3楽章の伸びやかな主題も魅力的。

2曲目「夏」
3.5点
3楽章の嵐の描写が楽しい。1、2楽章は描写的で楽しいものの、ノリが良くない。

3曲目「秋」
3.5点
3楽章のウキウキする感じが楽しい。1楽章も夏の後に続けて聴くとノリと普通のメロディーの曲に戻って楽しい気分になる。

4曲目「冬」
4.0点
2楽章の有名な雪景色のような甘く美しい旋律が素敵。1楽章はノリノリで楽しい。3楽章のレティタティーボのようなフレーズから始まる美しい短調のソロも楽しい。



その他

ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 『ピゼンデル氏のために』 RV.242

フルート協奏曲
作品10の6曲のフルート協奏曲集は史上初のフルートのための協奏曲とのことである。6作中5作は旧作の転用である。

第1番 ヘ長調『海の嵐』 RV.433
2.5点
音階を多用し活発な印象。これが海の嵐を表しているのだろうか。かなりのスピードで演奏が大変そう。

第2番 ト短調『夜』 RV.439
3.3点
6つの楽章がある特殊な楽章構成。3つのラルゴ楽章の夜の雰囲気が素敵。それに挟まっている快速の楽章も効果的。短調が美しい。

第3番 ニ長調『ごしきひわ』 RV.428
3.5点
1楽章や3楽章の活発で伸びやかな中に懐の深さを感じさせる曲や、2楽章の清新で美しく柔らかい曲など、ヴィヴァルディの協奏曲の魅力に溢れている曲。1楽章の鳥の鳴き声の模倣も楽しい。

第4番 ト長調 RV.435
2.8点
活発なヴィヴァルディらしいコンパクトな曲。しかし、ありきたりすぎる。

第5番 ヘ長調 RV.434
3.0点
優美で柔らかく穏やかな曲調。特に2楽章は珍しくドイツ系のよう堅いが哀愁漂う美しさ。どの楽章もフルートのもつ美しさを堪能出来る。

第6番 ト長調 RV.437
3.0点
1楽章のオクターブをトビハネルユニゾンのダイナミックな主題の魅力はなかなか。3楽章の大活躍するフルートがまたダイナミックで楽しい。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2

12:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:14:31

ヘンデルのオペラやオラトリオはどんな曲でもモーツァルトの人気オペラよりも上
モーツァルトのオペラは騒々しくて品が無いからね

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel 1685年2月23日 - 1759年4月14日)


ヘンデル オペラ 『アグリッピナ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/824.html

ヘンデル オラトリオ 『エジプトのイスラエル人』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/825.html

ヘンデル オペラ 『エジプトのジュリアス・シーザー』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/826.html

ヘンデル 音楽劇 『ヘラクレス』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/828.html

ヘンデル オペラ 『フラーヴィオ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/830.html

ヘンデル 音楽劇 『セメレ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/831.html

ヘンデル オラトリオ 『サムソン』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/829.html


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最美の音楽は何か? _ ヘンデル『クラーヴィア組曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/343.html


最美の音楽は何か? _ ヘンデル『合奏協奏曲集 作品6 第4番 イ短調 HWV 322』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/334.html

最美の音楽は何か? _ ヘンデル『合奏協奏曲集 作品6 』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/345.html

最美の音楽は何か? _ ヘンデル『合奏協奏曲集 作品6 第10番ニ短調 HWV 328』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/342.html

最美の音楽は何か? _ ヘンデル『合奏協奏曲集 作品6 第5番ニ長調 HWV 323』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/341.html

最美の音楽は何か? _ ヘンデル『水上の音楽』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/346.html

最美の音楽は何か? _ ヘンデル『アルチーナ組曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/535.html


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ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel, 1685 - 1759)

王家の宮殿に相応しいような輝かしくきらびやかで華やかな音楽を書いた。その点でまさに王者の星の元に生まれた作曲家という印象がある。オペラやオラトリオが創作の中心で器楽曲は多くない。


管弦楽曲

水上の音楽(管弦楽組曲)HWV348-350
5.0点
優雅で宮廷的なきらびやかさにあふれている。使われている和声やメロディーはシンプルなのに、何度聴いても飽きない。素敵な時間が流れる華やかな音楽。

王宮の花火の音楽(管弦楽組曲)HWV351 1748年
5.0点
華やかできらびやか。水上の音楽と同様に何度聴いても飽きない。極上の時間を過ごせる逸品である。



協奏曲

6つの合奏協奏曲集 作品3 HWV312-317 1734年出版
合奏協奏曲第1番 変ロ長調 1710 2bfl,2ob,vn,弦楽,BC Op.3-1
3.3点
爽やかでしなやかな楽曲の雰囲気とソロの掛け合いを楽しめる曲。ヘンデルらしい輝きと音感の良さを楽しめるものの、旋律に印象的なものはないと思う。3楽章が短調で始まるのが意表を突かれた。

合奏協奏曲第2番 変ロ長調 1715-18 2ob,2vn,2vc,弦楽,BC Op.3-2
3.5点
1楽章の華やかな始まり方。2楽章の心を鷲掴みにするような美しいオーボエの独奏のメロディーとチェロの絡みの絶妙さ。3楽章で爽やかに締めくくったようにみせて、4楽章で継続させて5楽章で改めて晴れやかな気分で締めくくる。自在な雰囲気のコントロールと楽章の組み合わせが秀逸。

合奏協奏曲第3番 ト長調 1717-18 fl/ob,vn,弦楽,BC Op.3-3
3.3点
ソロが中心であり音が薄めで軽快なのが楽しい1楽章。華やかさのあるフーガを楽しめる3楽章はどちらも魅力がある。

合奏協奏曲第4番 ヘ長調 1716 2ob,弦楽,BC Op.3-4
3.3点
優しくしなやかな曲。懐の深さがバッハのようだ。爽やかながらも心が温かくなるような癒される曲。目立つ楽章はないが愉しめる。

合奏協奏曲第5番 ニ短調 1717-18 2ob,弦楽,BC Op.3-5
3.3点
短調であり、疾風怒濤を連想させるような激しさのある曲である。運動的な音楽はなかなかの激しさをみせている。ヘンデルの音楽の中では嵐のような曲と言っても過言ではない。しかし、音の輝かしさという特質はここにも残っており、のちの時代の音楽のような徹底したものではない。

合奏協奏曲第6番 ニ長調/ニ短調 1733-34 org/cemb,2ob,fg,弦楽,BC Op.3-6
3.3点
楽章が2つしかなく、2楽章は短調で実質的にオルガン協奏曲という変わり種の曲。1楽章はヘンデルらしい華のある曲なのに、2楽章は唐突に終わる。

12の合奏協奏曲集 作品6 HWV319-330 1739作曲,1740年出版
合奏協奏曲第1番 ト長調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-1 HWV319
3.0点
計算をあまり感じない。勢いでさらっと書いたかのように、即興的に音楽が進む。旋律の魅力もあまりないし、それほど面白くないと感じた。

合奏協奏曲第2番 ヘ長調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-2 HWV320
3.3点
かなり捻りを入れており、低音を充実させたり、荘重な雰囲気を作ったりして、微妙なニュアンスを作っている。対位法を曲のなかに混ぜ込んだり、表情の豊かさとアイデアで楽しませる曲になっている。

合奏協奏曲第3番 ホ短調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-3 HWV321
3.5点
短調の楽章に挟まれた長調の3楽章と4楽章が秀逸だと思う。ヴィヴァルディのような伸びやかさもありつつ、ヘンデルらしい調和のとれた複雑さと充実感を実現している。

合奏協奏曲第4番 イ短調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-4 HWV322
3.5点
短調で始まる。絶妙でありながらも、かなり強いインパクトを聞くものに与える劇的な音楽が並んでいる。爽やかなだけでない強烈さがあるため、ロマン派以降に慣れた耳には曲の個性と存在意義を強く主張する曲に聴こえて愉しめる。

合奏協奏曲第5番 ニ長調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-5 HWV323
3.0点
面白い部分はところどころにはある。しかし、全体としてはまとまりがない、もしくは焦点とストーリーが定まっていない曲に聴こえる。なんとなく納得できないまま終わる。

合奏協奏曲第6番 ト短調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-6 HWV324
3.3点
短調の各楽章もそれなりに魅力があるが、そのなかで3楽章が長調でありモーツァルトの緩徐楽章のような慈愛と優しさと愛おしさに包まれるような曲であるのが強く印象に残る。ここだけなら古典派のような音楽である。

合奏協奏曲第7番 変ロ長調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-7 HWV325
3.3点
瑞々しさと快活さを併せ持ち、そこそこの魅力はありながらも、吹っ切れるところまではいかないと感じる。音楽の構造はバロックなのだが、どこか古典派に近いものを感じる。自分にはどこがそう感じさせるのか分析できなかったが。

合奏協奏曲第8番 ハ短調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-8 HWV326
3.3点
短調が続く曲。曲調にそれほど極端な変化はなく、逆に言えば統一が取れている。控えめの中にバロックらしい音の美しさを存分に生かした内面的なドラマ性があり、心に響くものがある。

合奏協奏曲第9番 ヘ長調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-9 HWV327
3.5点
舞台音楽のような劇的な場面展開と気分の躍動がある。爽やかなバロック音楽なのだが、表情が豊かなためかどこか古典派の音楽に近いように聴こえる。様々な場面の登場に心が踊るものがある愉しい曲。普通の合奏協奏曲とは少し違う。

合奏協奏曲第10番 ニ短調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-10 HWV328
3.3点
悲嘆の色が濃い曲が続き、このまま終わるか思ったら最後は晴れやかに終わる。場面の描写力に優れていて、やはりヘンデルは舞台音楽の作曲家だと思わされるものがある。音の厚みもあって、古楽器でなくても楽しめそうだ。

合奏協奏曲第11番 イ長調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-11 HWV329
3.3点
明るく素朴で平明。ヴィヴァルディからイタリアの暑さを取ってドイツやイギリスの陽気にしたようなものか。心を踊らせる要素が少し足りないが、これはこれで魅力がある。

合奏協奏曲第12番 ロ短調 1739 2vn,vc,弦楽,BC Op.6-12 HWV330
3.8点
1曲目の序奏から始まって場面展開が劇的かつ明確なコントラストで作られており、かなり感情的な部分も強く作られている。ベートーヴェンもしくはバッハの受難曲のようにドラマチックである。3楽章の変奏曲は泣かせるものがある。


オルガン協奏曲集 第1集 作品4 HWV289-294
オルガン協奏曲第1番 ト短調 1736 org,2ob,弦楽,BC オルガン協奏曲集第1巻。Op.4-1
3.5点
華やかな舞台の高揚感を盛り上げるようなエンターテイメントの音楽の魅力が素晴らしい。楽しんで聴ける。1楽章がまず劇場の興奮を追体験できそうな力強い表現に満ちた曲で旋律も良い。4楽章は管弦楽とソロのダイナミックな分担のさせ方に独特の魅力がある。

オルガン協奏曲第2番 変ロ長調 1735 org,2ob,弦楽,BC オルガン協奏曲集第1巻。Op.4-2
3.0点
1番と同系統で楽しい曲ではあるが、はっとするようなアイデアがなく、敷かれたレールの上で音楽が進んでいる感じがする。1楽章は魅力的だが、それ以外があまり感動しない。

オルガン協奏曲第3番 ト短調 1735 org,vn,vc,2ob,弦楽,BC オルガン協奏曲集第1巻。Op.4-3
3.5点
ドラマチックな曲だ。1楽章はソロが全く出てこない悲劇的な序奏。2楽章は名曲と呼べる素晴らしい出来の曲。旋律も構成も天才性を感じるものであり、とても良い。3楽章の間奏が期待を持たせて4楽章に続くが、規模が小さく残念ながら肩透かしをくらってしまう。

オルガン協奏曲第4番 ヘ長調 1735 org,2ob,2vn,BC オルガン協奏曲集第1巻。Op.4-4
3.0点
幕間の間奏の趣の曲が多い。これはこれで悪くないが、単体で聴く分には少し物足らないというのが正直なところ。協奏曲らしい運動性がもう少しほしい。

オルガン協奏曲第5番 ヘ長調 1735 org,2ob,弦楽,BC オルガン協奏曲集第1巻。Op.4-5
3.3点
静かな楽章が多い中で祝典的な4楽章が映える。ウキウキする心が楽しい楽章である。それ以外も1楽章と3楽章は深く聴き入ってしまう音楽であり、2楽章は典型的なバロックらしい音楽であり楽しめる。

オルガン協奏曲第6番 変ロ長調 1736 org,2bfl,2vn,BC オルガン協奏曲集第1巻。Op.4-6
3.0点
ハープ協奏曲のオルガン版。ハープの馥郁とした響きの典雅な魅力はなくなって、大人しいごく普通の曲になってしまっている。オルガン版ならでは魅力はあまり見つけられなかった。

オルガン協奏曲第2集 HWV295-300
以下の2曲以外はオルガンソロのための協奏曲

オルガン協奏曲第13番 ヘ長調『かっこうと夜うぐいす』 1739? org,2ob,弦楽,BC HWV295
3.3点
幻想的で夢幻的な曲。現実感がなくふわふわしたまま場面が展開していく。全般に柔らかくて、感傷的な時も多い。なかなか斬新で描写力豊かな曲だ。意義深い多楽章の曲。

オルガン協奏曲第14番 イ長調 1739? org,2ob,弦楽,BC HWV296
3.3点
13番よりも活気がある正統派に近い曲がだが、やはり幻想的な雰囲気もある。柔らかくて何かの回想をしているような感傷的な感じをはらんでいる。しかし、時にそれを音楽的な力強さが上書きしたりする。それが波のように繰り返すところがある曲。


オルガン協奏曲集 第3集 作品7 HWV306-310

オルガン協奏曲第7番 変ロ長調 1740 org,2ob,2fg,弦楽,BC オルガン協奏曲集第3巻。Op.7-1
3.3点
大規模な1楽章に驚く。パッサカリアだろうか。その後も様々な雰囲気の楽章が続く、全体としてはなかなか大規模な曲。楽章が多いため雑多な印象もあるが、そこそこの満腹感を得られる。

オルガン協奏曲第8番 イ長調 1743 org,2ob,2vn,va,BC オルガン協奏曲集第3巻。Op.7-2
3.3点
全体にクリスマスのような聖なる気分を感じるのは自分だけだろうか?この雰囲気に浸れるだけで十分にこの曲の意義があると思った。最後の楽章が堂々とした大作なのも面白い。3楽章は逆に完全なソロで驚くが、かなり良い。

オルガン協奏曲第9番 変ロ長調 1751 org,2ob,3vn,va,BC オルガン協奏曲集第3巻。Op.7-3
3.0点
エモーショナルではあるが、楽章ごとのメリハリに欠けるように思える。沢山楽章があるのだから、もう少し爆発的ななにかがほしい。爽やかさも悲劇性も歓喜もなく、しんみりとしすぎだと思う。

オルガン協奏曲第10番 ニ短調 1744 org,2ob,2fg,弦楽,BC オルガン協奏曲集第3巻。Op.7- 4
3.5点
非常に重厚で劇的な悲劇性の重たい音楽である1楽章と、それをうけた軽やかな気分の2楽章の対比はすごい。それ以降は余韻に浸りながら聴くことになるが、どの楽章も長大で充実感がある。

オルガン協奏曲第11番 ト短調 1750 org,2ob,3vn,va,BC オルガン協奏曲集第3巻。Op.7-5
3.0点
1楽章はあまり面白くない。2楽章は同じ低音の伴奏に合わせてソロを変奏で演奏していく趣向作。実演奏でヘンデル本人がどう演奏したのか興味深いが、今日聴くにはあまり面白くない。3楽章は普通。4楽章は伴奏のせわしない音の動きに工夫がある独特の曲で面白い。

オルガン協奏曲第12番 変ロ長調 1748-49 org,2ob,3vn,va,BC オルガン協奏曲集第3巻。Op.7-6
3.3点
3楽章の非常に小ぶりな曲。1楽章は隠れエモーショナルなところがあり、わりと良い。2楽章は伴奏なしの独奏であり、3楽章は独奏の活躍が少ないという極端な構成である。3楽章も隠れエモーショナルなおおいなる感動を内包した所が素敵だ。

その他の協奏曲
オルガン協奏曲第15番 ニ短調 1746 org,3vn,va,弦楽,BC HWV304
3.5点
罪の意識に囚われて悩んでいるかのような1、2、4楽章は強く心をとらえるものがある。悲劇的というより、かなり内面的に深堀りされたものである。その間にフーガが挟まる構成も素晴らしい。輝かしさがありつつも、感動的な主題のフーガである。

オルガン協奏曲第16番 ヘ長調 1748? org,2ob,弦楽,BC HWV305a
3.5点
他とは全く雰囲気の違う驚異的な曲。協奏曲らしさは少なく管弦楽とオルガンが一体となって、悟りの境地の風景ような不思議な音楽を奏でる。世にも不思議な世界だと思った。現実感が少なく、これまでの15曲と同じヘンデルの作品とは思えないほどだ。

合奏協奏曲「アレクサンダーの饗宴」HWV318
3.5点
瑞々しい感受性を刺激する活力がかなり魅力的。それとともに神々しい輝かしさもある。1曲目はとくに「いい曲に会えた」という満足感と興奮を得られる曲であり、旋律が魅力的である。

二重協奏曲第1番 変ロ長調 1747-48 HWV332
3.8点
音の分厚さを活用しつつ、ダイナミックに変化に富みながら推進していく音楽がとても楽しい。最初の2つの楽章が興奮する音楽でとても良いし、最後の楽章が名曲だと思う。途中ももちろん良い。

二重協奏曲第2番 ヘ長調 1747-48 HWV333
3.3点
2つの合奏体の分厚い音が産みだす豪華さはなかなかのもの。メロディーに特別感こそないが、心にインパクトを与えるものがある、なかなか愉しめる曲である。

二重協奏曲第3番 ヘ長調 1747-48 HWV334
3.3点
333と同様の魅力がある祝典性の強い曲であるが、より表情が豊かになっている。中間の静かな部分は曲ごとの個性を際立たせて全体を効果的に聴かせている。

ハープ協奏曲 変ロ長調 1736 HWV294a
3.5点
冒頭の一度聴いたら忘れないメロディーがまず印象的。1楽章のこじんまりとした形式と天上的で典雅な音楽。2楽章の陰影ある感動。3楽章の優雅さと高揚感の同居。いずれも素敵だ。ポロロンというハープの音色の魅力を引き出している。

オーボエ協奏曲第1番 変ロ長調 1740 HWV301

オーボエ協奏曲第2番 変ロ長調 1740 HWV302a
3.3点
爽やかで美しいが協奏曲らしい聴きどころの足りない1、2楽章である。しかし、3楽章は有名な楽章でやはりいい旋律だなと聞き惚れる。4楽章も悪くない。

オーボエ協奏曲第3番 ト短調 1707? HWV287
3.3点
2番と異なりオーボエがずっと出ずっぱりの大活躍の曲。曲想にひねりは感じないが、正統派でオーボエを堪能できる作品として楽しめる。3楽章はさすがオラトリオの大家らしい歌心を発揮させる旋律が見事である。



室内楽

作品1
フルートソナタ ホ短調 1727–28 fl,BC Op.1-1a HWV379
フルートソナタ ホ短調 1724 fl,BC Op.1-1b HWV359b
3.5点
とにかく軽快によく音が動く曲という印象。特に最後の楽章は速く動く。難易度が高そうだが、同時にバロックの管楽独奏曲としてかなり優れた曲に聴こえる。他の楽章もなかなか良く出来ていると思う。

フルートソナタ ト短調 1725-26 fl,BC Op.1-2 HWV360
3-3点
どの楽章も素朴な味があって素敵だが、これという売りの点が無いように思えた。よくある範囲での曲だと思うため、聴き応えのような手応えが足りない。

ヴァイオリンソナタ イ長調 1725-26 vn,BC Op.1-3 HWV361
3.0点
規模が大きい分、密度が薄まったり端的な表現の魅力が弱くなった気がする。華やかさも少し足りなく感じる。

フルートソナタ イ短調 1725-26 fl,BC Op.1-4 HWV362
3.8点
素朴な中にフルートの魅力を存分に聴かせてくれて、心が洗われるようだ。なんという魅力だろう。バロックの魅力である。短調だけれど、悲劇的とかそういう何かではなくひたすら音の美しさで楽しめる。特別な魔法はない気がするがなぜかとてと魅力に心が惹かれる。

フルートソナタ ト長調 1711–16 fl,BC Op.1-5 HWV363b
3.5点
様々な曲がありすぎてまとまりがないような気はする。しかしながら半分以上は癒される素朴な美しさに心を惹かれる楽章であり、総じて満足度は高い。また聴きたいと思わせるものがある。

ヴァイオリンソナタ ト短調 1722–24 vn(ob),BC Op.1-6 HWV364a
3.3点
おそろしく美しい短調の陰影と美しさが教会ソナタに見事にマッチしている曲。どの楽章も魅力的。

フルートソナタ ハ長調 1725–26 fl,BC Op.1-7 HWV365
3.3点
ちゃんも確認していないが、聴き覚えがあるからヘンデルの他の曲の編曲のはず。あまりブロックフレーテに合っていない曲ある気がするため編曲として傑作ではないと思うが、全体的には管楽器の力作だろう。

オーボエソナタ ハ短調 1711–12 ob,BC Op.1-8 HWV366
3.8点
素朴な管楽器の魅力。音感の鋭さや美的感覚を素朴な音楽で発揮する困難さを見事に克服して、なんとも心に染み入る素敵な音楽になっている。何度も聴いて癒されたい。

フルートソナタ ニ短調 1725–26 fl,BC Op.1-9 HWV367b
ヴァイオリンソナタ ト短調 ? vn,BC Op.1-10。偽作? HWV368
フルートソナタ ヘ長調 1725-26 fl,BC Op.1-11 HWV369
3.0点
ごくノーマルな曲という印象。特段の長所が見当たらないから、悪い曲ではない以上の感想が出てこない。テンションが上がるものがないと思う。

ヴァイオリンソナタ ヘ長調 ? vn,BC Op.1-12。偽作? HWV370
3.0点
規模が大きくて典型的な美しさはあるものの、天才的な閃きが生む輝きは感じない。

ヴァイオリンソナタ ニ長調 1749-50 vn,BC Op.1-13 HWV371
3.3点
天才的な眩しいほどに輝かしいものを感じる曲。音に強い主張がある気がする。楽章の対比も強烈。

ヴァイオリンソナタ イ長調 ? vn,BC Op.1-14 HWV372
2.8点
これはあまり面白くない。バロックの魅力はあるが、平凡というか1流でない作品だと思う。

ヴァイオリンソナタ ホ長調 ? vn,BC Op.1-15 HWV373
3.0点
明朗で分かりやすいのが美点。鋭さがなくて天才的ではないが、そこそこ楽しめる佳作。

フィッツウィリアム・ソナタ
オーボエソナタ 変ロ長調 1707-10 ob,BC HWV357
3.3点
フィッツウィリアムソナタのどこと無い内向性を打ち消すような力強さを内包するオーボエがよく合っている。3楽章の小ぶりだがまとまっているソナチネとして楽しめる。

ヴァイオリンソナタ ト長調 1707-10 vn,BC HWV358
3.3点
1楽章の快活さがかなり魅力を放っている。2楽章と3楽章もバロックの魅力が詰まってる。

フルートソナタ 変ロ長調 1724–25 fl,BC HWV377
3.3点
3楽章のコンパクトさに凝縮された曲であること自体の魅力が大きい。バランスも良くて、ソナチネの佳作と呼びたくなってしまう。どの楽章もよく出来ているのだが、ただ心を強く打つには至らないのも確かである。

フルートソナタ ニ短調 1725–26 fl,BC HWV367a
3.3点
各楽章の個性が強すぎて、後半は楽章が終わるごとに「曲が終わった」と思ったらまだ違う楽章が続くと感じた。悪いことではないのかもしれないがまとまりは無いと思う。全体にパンチの効いた楽章が多くてそれなりに楽しめるとは言える。


ハレ・ソナタ

フルートソナタ イ短調 ? fl,BC 偽作? HWV374
3.5点
短調のなかでもやや陰鬱さや精神的に疲労したりような暗さを秘めた曲調である。滅びの予感を孕んだ美学とでも呼びたいような音楽。もちろんバロックだから破壊的なものはない。なかなか美しい作品で聴きごたえがある。

フルートソナタ ホ短調 ? fl,BC 偽作? HWV375
フルートソナタ ロ短調 ? fl,BC 偽作? HWV376
3.0点
暗い曲調でありフルートも重く聴こえる。軽やかに動いても、重さが取れない。作曲としての品質は高いが、一つの曲としてはあまり光るところがない気がする。



その他の二重奏曲

ヴァイオリンソナタ ニ短調 1724頃 vn,BC HWV359a
3.3点
短調のバロックらしい美しさが全般に心を打つ曲。最終楽章がとくに好き。

オーボエソナタ ヘ長調 1711–16 ob,BC HWV363a
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 1724 gamb,BC HWV364b
フルートソナタ ニ長調 1707? fl,BC HWV378
アレグロ ハ短調 1725-29 vn,BC HWV408
2.8点
短調と切れ味のある雰囲気をそれなりに楽しめるのだが、後に残るものがなく、良作とは思わない。

412 アンダンテ イ短調 1725-26 vn,BC
2.8点
しなやかで陰影のある雰囲気はよいのだが、徹底しておらず物足りない。単一楽章としては悪くはないが良くもない以上のものがない。

6つのトリオソナタ 作品2
トリオ・ソナタ第1番a ハ短調 1717-19 fl(ob),vn,BC Op.2-1a HWV386a
トリオ・ソナタ第1番b ロ短調 1717-19 fl,vn,BC Op.2-1b HWV386b
トリオ・ソナタ第2番 ト短調 1717-19 2vn,BC Op.2-2 HWV387
トリオ・ソナタ第3番 変ロ長調 1717-19 2vn,BC Op.2-4 HWV388
トリオ・ソナタ第4番 ヘ長調 1717-19 fl,vn,BC Op.2-5 HWV389
トリオ・ソナタ第5番a ト短調 1717-19 vn,va,BC Op.2-6a HWV390a
トリオ・ソナタ第5番b ト短調 1717-19 2vn,vc,cemb(org) Op.2-6b HWV390b
トリオ・ソナタ第6番 ト短調 1717-19 vn,va,BC Op.2-7 HWV391

7つのトリオソナタ 作品5
トリオ・ソナタ第1番 イ長調 1739 2vn,BC Op.5-1 HWV396
3.0点
爽やかな正統派というところ。特別に良い何かはないと思う。

トリオ・ソナタ第2番 ニ長調 1739 2vn,BC Op.5-2 HWV397
3.3点
1番よりもバラエティーに富んでいて面白い。演奏のせいか素朴で土着的な味も感じた。

トリオ・ソナタ第3番 ホ短調 1739 2vn,BC Op.5-3 HWV398
3.3点
短調の物悲しい雰囲気が全体を覆う。しかし、バロックらしい音自体の美しさが活かされており、リズム感を失わないため愉しみながら聴ける。

トリオ・ソナタ第4番 ト長調 1739 2vn,BC Op.5-4 HWV399
3.3点
音に複雑さと生気があり、しなやかさと活気あるリズム感を併せ持っており、合奏する楽しみがありそうな曲。なかなか魅力的だ。

トリオ・ソナタ第5番 ト短調 1739 2vn,BC Op.5-5 HWV400
3.5点
様々な作曲技法を駆使した作品で規模もわりと大きくて聞き応えを感じる。複雑さと素朴さの混ざり方が絶妙だし、雰囲気の作り方に巨匠性を強く感じる。

トリオ・ソナタ第6番 ヘ長調 1739 2vn,BC Op.5-6 HWV401
3.5点
とても魅力的な1曲目だが、そのあとは正統派に進む。とはいえ、音楽としての魅力はどの曲も心をつかむものがある。爽やかなだけでなく、どこかに感動が潜んでいる。

トリオ・ソナタ第7番 変ロ長調 1739 2vn,BC Op.5-7 HWV402
3.3点
しなやかな叙情性がある感情的な曲に聴こえる。どこか名残惜しい気分が全編を統一しているようである。曲集の最後にふさわしい。


クラヴィーア曲

クラヴィーア組曲第1巻
組曲第1番 イ長調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 426
組曲第2番 ヘ長調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 427
組曲第3番 ニ短調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 428
組曲第4番 ホ短調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 429
組曲第5番 ホ長調『調子のよい鍛冶屋』 1720 クラヴィーア組曲第1巻 430
4点
調子の良い鍛冶屋は大好きな曲。命名センスの良さも最高。華やでどこかおどけているかのように諧謔的で、とても楽しい曲。

組曲第6番 嬰ヘ短調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 431
組曲第7番 ト短調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 432
組曲第8番 ヘ短調 1720 クラヴィーア組曲第1巻 433

クラヴィーア組曲第2巻
組曲第9番 変ロ長調 1710?-17 クラヴィーア組曲第2巻第1番 434
シャコンヌ ト長調 1705?-17 クラヴィーア組曲第2巻第2番 435
組曲第10番 ニ短調 1721-26 クラヴィーア組曲第2巻第3番 436
組曲第11番 ニ短調『サラバンド 主題と変奏』 1703-06 クラヴィーア組曲第2巻第4番 437
組曲第12番 ホ短調 1710–17 クラヴィーア組曲第2巻第5番 438
組曲第13番 ト短調 1703–06 クラヴィーア組曲第2巻第6番 439
組曲第14番 変ロ長調 1703–06 クラヴィーア組曲第2巻第7番 440
組曲第15番 ト長調 1703–06 クラヴィーア組曲第2巻第8番 441
組曲第16番 ト長調 1703–06 クラヴィーア組曲第2巻第9番。 442



オラトリオ

メサイア HWV56 1742年

サムソン HWV57 1743年

セメレ HWV58 1744年

ヘラクレス HWV60 1745年

ベルシャザル HWV61 1745年

マカベウスのユダ HWV63 1747年

スザンナ HWV66 1749年

ソロモン HWV67 1749年

テオドーラ HWV68 1750年

ヘラクレスの選択 HWV69 1751年

イェフタ HWV70 1752年


ジョージ2世の戴冠式アンセム 1.司祭ザドク HWV.258

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB

13:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:15:31


バッハを超える宗教音楽は絶対に書けないんだけど、何を書いても宗教音楽になってしまうというのが何かなー

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(独: Johann Sebastian Bach, 1685年 3月31日 - 1750年 7月28日)


最美の音楽は何か? _ バッハ『ミサ曲 ロ短調 BWV 232』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/448.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『マタイ受難曲 BWV.244』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/430.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『ヨハネ受難曲 BWV245』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/447.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『マニフィカト ニ長調 BWV243』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/449.html


▲△▽▼


最美の音楽は何か? _ バッハ『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番ニ短調 BWV1004 シャコンヌ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/431.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『無伴奏バイオリンソナタ 第1番 ト短調 BWV1001』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/450.html


▲△▽▼


最美の音楽は何か? _ バッハ 『2つのヴァイオリンのための協奏曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/171.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/423.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV 1042』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/436.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/425.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『管弦楽組曲 第3番 BWV1068』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/424.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/441.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV1051』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/426.html


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最美の音楽は何か? _ バッハ『インヴェンションとシンフォニア BWV772-801』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/446.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『平均律クラヴィーア曲集』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/435.html


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最美の音楽は何か? _ バッハ『小フーガ ト短調 BWV 578』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/461.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『幻想曲とフーガ ト短調 BWV542』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/457.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV 582』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/455.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/458.html


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最美の音楽は何か? _ バッハ『音楽の捧げもの BWV1079』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/469.html

最美の音楽は何か? _ バッハ『フーガの技法 BWV 1080』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/468.html


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ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685- 1750)

バロック音楽の総決算を行った作曲家の一人。卓越した技法と深々とした味わい深い情緒とスケールの大きさと普遍性の高い音楽で、後世に絶大な影響を与えた。

一部の曲は誰も凌駕出来ない高みに達しているが、一方で仕事としてさらさらと書いたような作品も多い。また、音楽が四角くて一拍の中にタンタタというのを納めたものを並べている感がある部分が多いこと、時として辛気臭く神秘主義であるのは欠点だと思う。


宗教曲

ミサ ロ短調BWV232 Messe h-Moll 1724-49
6点
バッハの宗教音楽の総決算となり、マタイ受難曲ならぶバッハの最高傑作。最高の充実度の曲が27曲で組み上げられた大伽藍を形成していて、何度聴いても飽きない。円熟した技術の粋が込められている。最後は感動的。合唱が主体で聴きやすい。

マニフィカト ニ長調BWV243 Magnificat D-Dur 1728-31
4点


受難曲

マタイ受難曲BWV244 1727-29
6点
この曲こそクラシック史上最もドラマティックな最高の作品だろう。特に二部はバッハの中でも極めつけの名曲揃いで、しかも話が進むにつれ音楽が深くなるという奇跡的な作品。最終合唱は涙を流さずにはいられない。


ヨハネ受難曲BWV245 (Johannes-Passion) 1724/25-29 1746/49年改作
4.5点
マタイに比べれば極めつけの名曲という感はないが、これもバッハの最高級の宗教音楽の一つ。


オラトリオ

クリスマス・オラトリオBWV248 (Weihnachts-Oratorium) 1734
4点
長いし全部が名曲ではないが、クリスマスらしい明るく希望に満ちた音楽でよい。

復活祭オラトリオBWV249(Oster-Oratorium) 1725/35
3.5点
40分程度とコンパクト。冒頭がトランペットを活用して華やか。その後は叙情的なバッハの宗教曲の世界を手軽に楽しめる。



オルガン曲

トリオ・ソナタ第1~6番 変ホ長調BWV525 1730頃 6つのトリオ・ソナタ

トッカータとフーガニ短調BWV565 1704頃
4点
個人的には残念ながら偽作と思っている。あまりに後年のバッハと違うので。有名なイントロから始まるトッカータはいいのだが、フーガはいまいち。

トッカータとフーガ ホ長調BWV566 1706頃
フーガ ト短調BWV578 1703-07 BWV542と比較され、小フーガとも呼ばれる

フーガ ロ短調BWV579 1708-17

パッサカリアとフーガ ハ短調BWV582 1706-12
4点
パッサカリアを重々しく使っていて、何かの儀式でも執り行われるのかというような荘厳さが徹底しているところが魅力的。


クラヴィーア曲

2声のインヴェンションと3声のシンフォニアBWV772 - 801 1720-23
3.5点
初心者が練習する教材として有名だが、観賞用としてもシンプルな中に歌心があるのでそれなりに楽しめる。バッハ得意の半音階で深い世界に旋回しながら降りていくへ短調のように高度な内容の曲もある。


イギリス組曲

イギリス組曲1番BWV806 1717
3.5点
長調の正統派。奥ゆかしく味わい深い叙情を湛えた曲。美しい曲や印象的な曲がいくつもある。

イギリス組曲2番BWV807 1717
3.5点
短調の組曲として、憂いの美が活かされている、なかなかの曲が集まっている。早い曲と遅い曲の組み合わせの効果も良い。1曲目から魅力的だし、遅い曲も暗すぎない。正統派の楽しみを感じる。舞曲としての躍動も良い。

イギリス組曲3番BWV808 1717
3.3点
平凡で一瞬はっとしてもすぐにまた平凡と感じるような曲が並んでいる。短調らしい素朴さのある美しい曲は多あ。時々その美しさに感動してテンションが上がる。メロディーには霊感をあまり感じないが。

イギリス組曲4番BWV809 1717
2.5点
いまいち面白くない曲ばかりで、あまり価値が高くない組曲だと思う。そそられるような魅力がない。バッハならば技術を用いてさらっと書けそうな曲ばかり。

イギリス組曲5番BWV810 1717
3.3点
うら悲しい短調の美しさと、テクニカルな力強さを両立した曲。なかなかのどっしりとした手応えがある曲。

イギリス組曲6番BWV811 1717
3.3点
長大な大作であり、瞑想や情熱を見せたり、様々な表情を見せる。5番同様に聴き応えがあるが、うら悲しい感じはあまりなく、雰囲気はかなり異なる。


フランス組曲

フランス組曲はBWV812 - 817 1715
1番
3.5点
バッハらしい短調に殺文句的なエモーショナルな情念を響かせる曲。バッハとしては典型的な場面も多いが、一方ではっとさせる場面もところどころにあり、概ね感情を揺らされるのを楽しみながら刺激的な音楽として聴ける。

2番
2.8点
1番と比較するとはっとするような感動と発見がかなり少ない。さらさらと音楽が時間とともに流れていく。バッハらしい必殺の響きがなくて、聴き終わったあとにあまり印象に残らない。

3番
3.0点
1番と3番の中間の出来だと思う。ところどころに聴きどころはある。工夫も見られる。突き抜けたインスピレーションはあまりないが、曲想に意図が込められていてそれなりに楽しめる。

4番
3.3点
前半は心の現れるような美しさで素晴らしい。しかし、後半はありきたりの音形をありきたりの変化をつけて繰り返すばかりで面白くない曲が続く。前半の感動が吹き飛んでしまう。

5番
4.0点
この曲は単品で昔から何度も聴いている。他の曲とフェアに比較できないのだが、やはりどの楽章もキラキラとした音の美しさと愛おしい詩情に溢れていて、かなりの名作である。個々の曲の描写が優れているとともに、曲の組み合わせが浮き沈みを演出していて、美しさが心に強く染み渡っていく。そして捨て曲がない。

6番
3.5点
5番と似た曲調だが、ブリリアントな要素がなくて、しなやかで叙情的。これもなかなか心の琴線に触れる美しさをもっている曲だと思う。バッハらしい懐の深さと奥ゆかしさの楽しみもある。


パルティータ

パルティータはBWV825 - 830 1726-31
1番
3.5点
落ち着いた奥ゆかしさと熟成感がたまらない。豊かさに身を委ねてゆったり聴ける楽しみ。熟練した技術に裏打ちされた安心して幸せな時間を過ごせる音楽である。

2番
3.8点
1番と感想はほぼ同じ。短調でも高い品格と音の研ぎ澄まされた感性に従って、安心して幸せな時間を過ごせる。短調の美しさがあって、ロマン派のような情緒も見え隠れするたて1番よりさらに素敵に思えた。

3番
3.3点
1番2番と同じように雰囲気は素晴らしいようでも、どこかにマンネリを感じてしまう。霊感のヒラメキが弱いように思う。中間部分に目新しい場面はあるものの、前半と終わりの方があまり面白く無い。

4番
3.3点
長い曲であり、広大なキャンバスにゆったりとした時間の流れの中で絵を描いていく趣である。スケール感は魅力だが、満足度はそれほど高くない。もどかしい感じを常に感じながら時間が流れていくようであり、一歩間違えれば長いだけの曲になりかねないほどだが、詩情と円熟と洗練された技法はやはりあるため楽しめる。

5番
3.3点
規模が小さくて明快という点でフランス組曲と似た外面を持つものの、やはり熟成感と当たりの柔らかさが違う。特に良いという感じの曲は少ないため心に深く刺さるほどではないが、音に揺られたり、時に舞踏的になる楽しさは充分にある。

6番
3.0点
演奏時間も長いし、最初の辺りではバッハの渾身の大作かと期待する。しかし、悲劇性の強調の仕方が似ている曲が多い。だんだん飽きてくる。そうなると曲が長いのが負の効果を表してくる。対位法的な曲の多さとその中の執拗な繰り返しが悲劇性の一つの表現になっているが、やりすぎである。特に最後の曲は聴いていてしんどい。


その他

フランス風序曲 ロ短調BWV831 1734
3.5点
元はハ短調で出版時に移調されたそうだが、バッハのロ短調らしい独特の線の細い悲哀を帯びた美しさをもつ。特に序曲のフランス風序曲らしい華がありそれが余韻を最後まで保つことがあるため、各種の組曲との比較して聞き映えがして、聴いていて楽しい。

平均律クラヴィーア曲集第1巻BWV846 - 869 1722-23
3.5点
フーガは宇宙の摂理のようにあまりにも客観的であり、高度な内容とはいえ楽しむための音楽という感じではない。前奏曲もフレーズを重ねたものでロマン派の小品のようには楽しめない。ピアニストの旧約聖書などとも言われているが、一般的な鑑賞者にとっての重要性はベートーヴェンのソナタとは比較にならないほど小さい。ピアノ演奏の学習者にとっての重要性は高いのかもしれないが。高度な作曲技術により生み出された高貴で崇高で広大な音楽世界の素晴らしさは、特筆に価する。しかし、神秘主義や辛気臭さが鼻につくところもある。

平均律クラヴィーア曲集第2巻BWV870 - 893 1738-42
3.8点
第1集と比較して、若々しいストレートな伸びやかさが生み出すギラギラした感じが抑えられており、複雑な奥ゆかしさが増すとともに、しなやかさになっている。個人的には、バッハの晩年らしい良さが表れていて、第1集よりも好みである。順番に曲を聞いていくと、森羅万象のような気宇広大な多彩さと深遠さがあり、卓越した作曲技術に基づくエネルギーと伴っているため、激しく精神を翻弄される。あまり類を見ない独特の愉しさがある局集である。とはいえ、基本的には第1集と同様に、宇宙の摂理を音化したような客観的な音楽である。聞くのにある種の覚悟が必要と感じるような敷居の高さが難点。

半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903 1719
4.0点
緊張感が高く激情的な表現、緻密な構成は、バロック期をはるかに越えている。スリリングなフーガはアクション映画を見ているかのようにテンポよく進む。ベートーベンが研究したそうだが、熱情ソナタによく反映されている。

イタリア協奏曲 ヘ長調BWV971 1734
4.5点
バッハファンからすると軽すぎるかもしれないが、ノリノリで楽しい音楽で、一人なのにリズムや音の重ね方の工夫で驚くほど分厚い協奏的な音楽が楽しめる。

ゴルトベルク変奏曲BWV988 1742
5.5点
非常に長大な変奏曲。変化に富んでおり、飽きずに一気に楽しんで聴ける。充実した上品で平穏な音楽がさらさらと流れていく。楽しく幸せになれる曲。しかし短調になったり、さまざまな気分に変化していくところは、物語的でもある。よく調べると1音ずつずれていくカノンなど驚きの仕掛けもある。主題が魅力的であることも大きい。すべての物語が終わって最後にまた再現される時には、なんともいえない万感の想いになる。


室内楽曲

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ、パルティータ

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調BWV1001 1720
4.0点
荘厳な1楽章、無窮動の情熱的な4楽章、全部の楽章がいいが、傑作は2楽章のフーガだろう。主題の魅力と展開と対位法の充実感が半端ない。

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 ロ短調BWV1002 1720
3.5点
バッハ無伴奏ヴァイオリン曲では一番劣ると思う。特に前半は特徴が乏しく並の曲である。後半はやや印象的な曲が続く。

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調BWV1003 1720
4.0点
1番と比較して、1楽章は荘厳な1番が上、2楽章は同レベルの充実した素晴らしいフーガ、3楽章は2番のシチリアーノがかなり好きなので2番が上、4楽章は同レベルだが、単なる無穹動でない2番の方が楽しい。ということで、同じ位素晴らしい曲。

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調BWV1004 1720
シャコンヌ 6点
その他は3.5点
シャコンヌはバッハのみならず独奏器楽曲の最高峰だろう。深々として厳しい精神性の高さ、欲しいところに音がある音感の良さ、主題の素晴らしさと変奏の絶妙さ、音の価値の高さ、中間の感動、後半の絶妙な終わりに向けた動き。その前の5曲はシャコンヌへの前奏曲という感じ。

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調BWV1005 1720
3.8点
2楽章のソナタは主題こそ魅力が足りないものの、新しい主題を加えながら次々と変化していくので楽しく聴ける。しかし3楽章が面白くないし、1、4楽章もいい曲だが傑作とまではいかない。

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調BWV1006 1720
5点
楽しく親しみやすい曲のオンパレードで名作集のような密度であり、満足感が半端ない。ものすごい名作だと思う。


無伴奏チェロ組曲

無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調BWV1007 1717-23
5.0点
オーソドックスで無理が無い音の運びがされており、豊かさと人肌のような温もりや包み込むような父性を感じる。そして根源的な舞曲としての楽しみも味わえる。素晴らしい名曲。

無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調BWV1008 1717-23
4点
瞑想的な一方で汗をかいているような情熱を、低音の渋さをうまく活用して味わうことが出来る。

無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調BWV1009 1717-23
3.3点
ハ長調で広々としたスケールの広がりとかっちりとした構築性を感じる。しかしながら、曲としては1番と比較して霊感が無く、面白くない。有名な5曲目のブーレだけがいい曲と思う。

無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調BWV1010 1717-23
3.5点
前半は3番と似たようなレベルの曲だが、後半の3曲が素晴らしいので、飛び抜けていい曲は無いがトータルでは3番より良い。

無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調BWV1011 1717-23
3.5点
短調の曲として2番ほどメロディーの魅力はないものの、特に前半のレティタティーボのような渋い力強さの魅力が素晴らしい。漆黒のような黒い響きがする。後半はやや普通の曲になる。

無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調BWV1012 1717-23
3.3点
曲の雰囲気はまったりしていて1番と少し似ている。曲想は好きで発想は割と豊かだと思うが、5弦用の曲という事で普通のチェロだとハイポジションが多用されるので聴いていて疲れる。


その他

無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調BWV1013 1720初頭
3.5点
バッハの無伴奏らしい和声の進行を感じさせる手法や、音域の音色の差異で伴奏を代替したりすることや、リズムと旋律が一体化させる手法が活用をされている。無伴奏チェロ曲に似ているが、少し違うフルートならではの音色の良さでバッハを楽しむための曲。良くも悪くも非常にバッハ臭が強いので好みは分かれるかもしれない。休符がないのは素人目にみるとフルート的ではない気がする。

ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ1〜6BWV1014

ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ第1〜3BWV1027 1720-39頃

フルートとチェンバロのためのソナタ第1〜3BWV1030 1735頃

フルートと通奏低音のためのソナタ第1〜3BWV1033 1720頃

2本のフルートと通奏低音のためのソナタ ト長調BWV1039 1720頃



協奏曲

ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調BWV1041 1717-23頃
3.5点
1楽章の跳躍する美しい短調の主題や2楽章の何度も回帰するオーケストラの主題、3楽章のバロックらしいテンポの良さなど聞きどころは多い。

ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調BWV1042 1717-23頃
4.0点
1楽章と3楽章のキャッチーな分かりやすいメロディーは、上品で優雅でバロックらしい楽しさに満ちている。2楽章がやや地味なので弱点になっている。

2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調BWV1043 1718頃
4.5点
1楽章はすぐに覚えてしまう短調らしい印象的な主題で始まり、コンパクトで楽しい曲。2楽章はG線上のアリアにも匹敵しそうな非常に美しい緩徐楽章。3楽章は1楽章と2楽章ほどの圧倒的な素晴らしさは無いが、ヴィヴァルディに似ており活発なダイナミックさを楽しめる。
チェンバロ協奏曲第1〜8BWV1052

2台のチェンバロのための協奏曲第1番BWV1060 1736
2.5点
散逸した協奏曲の編曲もの。曲が冴えなくて陳腐という印象が強い。編曲は頑張っているものの、あまり面白くない。

2台のチェンバロのための協奏曲第2番BWV1061 1736
3.5点
初めからチェンバロ協奏曲として書かれたのに相応しいしっくりとくる感じがよい。明るく華やかな心踊るような独奏の活躍ぶりは、バッハの欠点を表面に出していない。そして裏に隠された抒情が素敵さを演出している。3つの楽章全て良い。

2台のチェンバロのための協奏曲第3番BWV1062
3.0点
本人の名作2台のヴァイオリンのための協奏曲の編曲。しかし、チェンバロは一つの音のみ価値が小さいし音に伸びがないため、この編曲はかなり地味な印象になっている。あまりこの編曲で聴くメリットを感じない。

3台のチェンバロのための協奏曲第1番BWV1063 1733
2.5点
四角い箱に詰め込んで敷き詰めたようなバッハの音楽になってしまっている。協奏曲の楽しみを感じる場面が時々あるなど、4台の協奏曲よりはましだと思うが、あまりいい曲とは思えない。

3台のチェンバロのための協奏曲第2番BWV1064 1733
3.0点
1楽章の音の分厚さを生かした勢いのある豪勢な音楽が良い。うきうきした気分になれる。残りの楽章も、1番や4台用よりも聴き応えがあり、不満は少ない。

4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調BWV1065 1730頃
2.5点
ヴィヴァルディの編曲。4台でもピアノほどの重さはないが、音がよく聞き取れない。そして編曲としてはあまり良さが感じられない。


ブランデンブルグ協奏曲

ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調BWV1046 1717? 2hrn,3ob,fg,vn,弦楽,BC
3.5点
楽器構成が一番大規模なので、管弦楽のように豊富な音を楽しめる。曲は4楽章構成で、曲が終わったと思ったらさらに追加曲があるような印象。内容は四角くかっちりと構築されていて、テンポは遅めでほのぼのしている印象。

ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調BWV1047 1717-18? tp,bfl,ob,vn,弦楽,BC
3.0点
6曲の中では地味な存在。トランペットがいるので音は華やかで明るいが、メロディーに耳を引くものがない。

ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調BWV1048 1711-13頃 3vn,3va,3vc,BC
4.0点
キレの良い1楽章の完成度が高い。3楽章もきびきびしているので、キレのよさがとにかく印象に残る。2楽章がチェンバロだけというのは面白い。早い2つの楽章の間で休憩するための曲になっている。

ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調BWV1049 1720頃? vn,2bfl,弦楽,BC
3.5点
フルートの大活躍が目立つ曲。裏でのヴァイオリンの技巧的な活躍も面白い。メロディーがテンポ良く次々と繰り出されるのを楽しめる。

ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調BWV1050 1720-21頃? fl,vn,cemb,弦楽,BC
1楽章 5.5点
その他 3.5点
1楽章はバッハの多くの作品の中でも突き抜けた奇跡的な完成度と充実した内容の作品。宮殿のようなきらびやかな優雅さと、多くのエンジンを使って前へと進む推進力、豊富で有機的な動機を使っており、大きな作品でありながら構成が完璧である。まさに圧巻であり、類似例を思いつかないほどの完成度である。カデンツァがまた凄い。単体のクラーヴィアでここまで豪華さと推進力を出せるのかと驚く。2楽章と3楽章は並の曲。

ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調BWV1051 1708-10頃? 2va,2Gamb,vc,BC
3.5点
ヴァイオリンが無いので地味ながらも、低音で奏でられる音楽は滋味あふれており『まろやか』で美しい。


管弦楽組曲

管弦楽組曲第1番 ハ長調BWV1066 1717-23頃 2ob,fg,弦楽,BC
4点
着飾った貴婦人が華やかな広間の階段を降りてくる情景をまさに想像するような上品な曲。3番よりも管楽器が活躍し、叙情的な側面もあるし、舞曲の楽しみも満喫出来る。

管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV1067 1730頃 fl,弦楽,BC
4.0点
フルート協奏曲のようにフルートが大活躍する曲。ロ短調の哀しく美しく透明感のある響きに乗せた軽やかなフルートの動きを楽しめる。この美しさは独特だと思う。

管弦楽組曲第3番 ニ長調BWV1068 1729-31頃 3tp,tim,2ob,弦楽,BC
G線上のアリア5.5点
その他 4点
G線上のアリアの豊饒でまろやかで内声の豊かな味わいは素晴らしい。その外の楽章は上品であり、トランペットとティンパニが華やかで外面的な華麗さで、祝典的な雰囲気が楽しい。

管弦楽組曲第4番 ニ長調BWV1069 1717-23頃 3tp,tim,3ob,fg,弦楽,BC
3.5点
管弦楽組曲の中で唯一の地味曲。管弦楽組曲は華やかさを楽しむ曲なので、地味だと聴く順番はどうしても最後になる。といっても、3番までと比較して大きく劣るわけでは無く、あくまで比較しての話であるが。


対位法的作品

音楽の捧げものBWV1079 (Musikalisches Opfer) 1747

フーガの技法BWV1080 (Die Kunst der Fuge) 1742頃-49 未完
4点
バッハのフーガ技術が尽くされており、音楽的にも成熟の限りで充実感がすごい。音楽的にもバッハらしい奥ゆかしい精神世界を存分に楽しむことが出来る。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F



教会カンタータ

1-20番
1 暁の星はいと美しきかな 1725
3.8点
長大な冒頭合唱は、ホルンの明快な信号に乗るように始まり、柔らかさと複雑な豊かさをもった非常に幸福感に満ちた時間を過ごせる曲。同じフレーズの繰り返しでも、全然飽きない。それどころか、終わってももっと聞き続けたいと思わせるものがある。次のアリアも晴れ晴れとした気分と敬虔さの混ざった絶妙な良いもの。しかし最後のアリアは面白くない。コラールで締めくくられる。

2 ああ神よ、天より見たまえ 1724
3.0点
冒頭は変な半音階的な主題のフーガの曲。なんとも分かりにくい、どう聴いたら良いのかピンとこない曲だ。アリアは時々見せる陰影は美しいが、全体としてはまあまあと思う。次のアリアは迫力がある力強い曲で悪くない。

3 ああ神よ、いかに多き胸の悩み 1725
3.3点
冒頭合唱も最初のアリアも、軽いひねりの入った主題であり落ち着かない。感情の没入はしにくい。次のアリアは二重唱であり、これはなかなか音の絡みかたが濃厚で感情の揺れ動きかたが良い曲で聞きごたえがある。伴奏もそれをサポートするよいもので、この曲だけで聞く価値がある。

4 キリストは死の縄目につながれたり 1707/8 1724年改訂
3.3点
レティタティーボがない。8曲ありざわざわとした鋭くて落ち着かない曲や不安感を煽るような曲が連続するため疲れる。その中で3曲目のような柔らかくて癒される曲は本当にオアシスのように感じる。半音階が多用されており、合唱も畳み掛けるような掛け合いが多くて、心が疲れながら落ち着く場所を求めて聴く感じになった。

5 われいずこに逃れゆかん 1724
2.8点
1曲目はあまり感動がない。次のアリアは泣きのフレーズを散りばめていてい悪くないが、強く感動するほどではない。次は男声と輝かしい金管の対比の曲で、これも悪くはないがたいした曲ではないと思う。全体的にあまり楽しめなかった。

6 わがもとにとどまれ、はや夕べとなれば 1725
3.0点
短調の正統派の曲であり、それなりの迫力はある。しかし、強く何か感動を与えるものに到達しておらず、予想を超える何かを見せてくれた印象はなかった。

7 われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり 1724
3.3点
冒頭合唱は繰り返しの運動性のある伴奏の音形と合唱との絡みが心地よいインパクトを与えてくれる。2曲目もチェロの独奏がマタイ受難曲を思い出させるもので、しみじみとした音楽を聴かせる。その曲調は最後まで同様に続き、明るく弾けることなくしんみりと終わる。

8 最愛の神よ、われいつの日に死なん 1724 1735/50年改作
3.5点
冒頭合唱の管楽器の同音連続が与える清冽な印象は素晴らしい。少年合唱の美しさと管楽器の絡みの美しさとあいまって、美的にある到達点まで極まった素晴らしさに到達している。他の楽章はそれなりの出来であり強い印象はない。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F%28%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BF%29


14:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:16:07


ジュゼッペ・タルティーニ(Giuseppe Tartini, 1692 - 1770)


タルティーニ『悪魔のトリル』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/921.html  


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ジュゼッペ・タルティーニ(Giuseppe Tartini, 1692 - 1770)

ヴァイオリンソナタ 悪魔のトリル
3.5点
バロックらしい弦楽器がずっと出ずっぱりで弾きまくる楽しさ、技術的な難易度の高さゆえの複雑さ、デモーニッシュな音楽的刺激で楽しめる曲。バロック音楽におけるヴァイオリン曲の魅力があるが、もっと後の時代の音楽のような内容の豊富さと強烈さがある。
https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2
15:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:16:52


クリストフ・ヴィリバルト・グルック(Christoph Willibald (von) Gluck, 1714年 7月2日 - 1787年 11月15日)


最美の音楽は何か? _ グルック 『 オルフェオとエウリディーチェ 精霊の踊り』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/186.html

最美の音楽は何か? _ グルック『オルフェオとエウリディーチェ 序曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/486.html

最美の音楽は何か? _ グルック『オペラ オルフェオとエウリディーチェ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/485.html


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最美の音楽は何か? _ グルック『アウリスのイピゲネイア 序曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/488.html

最美の音楽は何か? _ グルック『アルチェステ 序曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/487.html
16:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:18:04


ハイドンは、才能はモーツァルトに匹敵するんだけど、オーラが足りないんだね


フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn, 1732 年 3月31日 - 1809年 5月31日)


ハイドンの交響曲で最高の名盤

Bruno Walter / VPO - Haydn : Symphony #100 in G "Military"(1938) 再復刻
https://www.youtube.com/watch?v=WkuLVpQ23F4

Vienna Philharmonic Orchestra
Recorded January 10, 1938

こういう演奏をすれば、ハイドンの方がモーツァルトより名曲になる


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最美の音楽は何か? _ ハイドン『交響曲 第100番ト長調 軍隊』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/206.html

最美の音楽は何か? _ ハイドン『交響曲第96番 ニ長調 Hob.I:96』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/489.html

最美の音楽は何か? _ ハイドン『交響曲第86番 ニ長調 Hob.I:86』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/490.html

最美の音楽は何か? _ ハイドン『交響曲 第104番 ニ長調 Hob. I:104』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/635.html


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最美の音楽は何か? _ ハイドン『ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob. XVIII:11 』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/493.html

最美の音楽は何か? _ ハイドン『弦楽四重奏曲第67番 ニ長調 作品64-5, Hob. III:63 ひばり』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/491.html


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フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn, 1732 - 1809)

モーツァルト、ベートーヴェンと並ぶ古典派の巨人。
2人に比べればキャッチーなメロディーやドラマ性に欠けて地味であるが、実力はほとんど変わらない。多作だが、工夫を凝らされているのでどの曲にも驚きがあり、快活で明るく滋味もあり、晩年は骨太で大変完成度の高い音楽に到達した。短くコンパクトにまとまっていて聴き易い。


交響曲一覧(Hob.I)

ハイドン入門はなんといっても交響曲である。107曲は多いが、だいたいの曲は何かしら聴き所がある。80番以降は傑作の森だし、それ以前もいい曲は多い。とはいえ初期の1764年位までの作品は、ベートーヴェンの1790年代の作品みたいなもので成熟した時代とは別物だし、中期も時々駄作があり1〜2割くらい間引くとちょうどよいとは思う。


交響曲(1番から30番)

交響曲第1番 ニ長調 1757
3.5点
1楽章をはじめとして、どの楽章もエネルギー溢れる音楽でパワーに満ちており、心が躍る。音が非常に活き活きとしており、心を楽しませる度合いはハイドンの交響曲の中でもかなり上位クラスである。記念すべき1番に相応しい名作。

交響曲第2番 ハ長調 1757-59/61以前?-64
3.0点
どの楽章もパワーを感じるものの、1番のような名作感はなく、ごく標準的なレベルの曲である。メロディー重視というより勢い重視であり、高揚感があるため聴いていて楽しい。1番に続き3つの楽章しかなくコンパクト。

交響曲第3番 ト長調 1759/60?-62
3.5点
2番に続き、この曲も同様の楽しみのある曲。メロディーは耳に残らないものの、音の勢いに身を任せるだけでとても楽しい時間を過ごせる。初めての4楽章制で、構成が大きいだけ深みも増している。2楽章の骨太な手応えと陰影の深さにそれを感じる。最後の楽章は対位法の要素があり、ジュピター交響曲を連想する。

交響曲第4番 ニ長調 1760以前?-62
3.0点
3楽章制だが、各楽章はわりと長い。聴く楽しみなど、出来は同年の他の曲と大きくは変わらないが、プラフアルファの良さはあまり感じない。2楽章は短調だが、陰影の深さがあまりない。その代りにバロックのような端正さはあるため、わりと良い曲ではあるけれど。3楽章がメヌエットで終わるのは、優雅ではあるが締めくくりとしては物足らない。

交響曲第5番 イ長調 1760以前?-62
3.5点
1楽章は穏やかな曲。ホルンが美しい情景を演出する大変美しい曲である。このような詩情をハイドンが表現していたとは驚いた。教会ソナタ形式ならではかもしれないが、驚いた。2楽章も派手すぎず、聴きやすくて美しい。ヴァイオリンのソロの使い方も素敵だ。しかし、前半2楽章の素晴らしさと比較して、後半はありきたりであり、あまりトキメキがない。

交響曲第6番 ニ長調『朝』 1761?
3.8点
初期の交響曲。合奏協奏曲と交響曲の間のような曲である。旋律は単純で、和声も単純であまり機能が強くない。しかしながら、合奏的な楽器使いの多彩さが生み出す楽想の豊かさ、薄明のような雰囲気の詩情は驚くべきものがある。初期の曲だが非常に素晴らしい。

交響曲第7番 ハ長調『昼』 1761
3.5点
1楽章はごちゃごちゃした印象を受けてしまった。2楽章はソロの受け渡しがとても効果的で、非常に美しい。田園的な印象であり、様々な楽器のソロが活躍する様は多様な生命の息吹すらも感じさせる。3楽章と4楽章はこの合奏協奏曲らしい複雑さと音の動きの楽しさを存分に楽しませてくれる。ほぼ全ての楽器にソロがあるのは楽しい。

交響曲第8番 ト長調『夕』 1761?
3.5点
『朝』と同様に、バロック的な音の使い方により、活力のある貴族的な華やかさが演出されている。多くの楽器が活躍の場を与えられていて楽しい。素晴らしいのは2楽章。夜の帳の降りた世界で起こる幻想的で美しい情景は、大変美しい。ハイドンの緩徐楽章の中で、もしかしたら屈指の出来かもしれない。

交響曲第9番 ハ長調 1762
3.0点
小さな3楽章制の曲。小さく無難にまとまっているイメージであり、聴いていて楽しさはある。2楽章はフルートが旋律をずっと吹いていて大活躍で楽しい。3楽章は面白くない。

交響曲第10番 ニ長調 1761?-66
3.0点
これも9番と同じくコンパクトな3楽章制。1楽章はありきたりであまり面白くない。2楽章は優美で美しい。シンプルだがけっこう聞き惚れるものがある。3楽章はメヌエットと最終楽章を兼ねたような曲で、作曲者の意図はいちおう成功しているように聴こえる。

交響曲第11番 変ホ長調 1761?-62/(1769?)
2.5点
教会ソナタ。1楽章の雰囲気は素敵であり、空間的な広がり感のおかげで後期に教会ソナタ形式の1楽章を書いたならこう書いたかもと思わせるものがある。しかし、あまりに長すぎて終わるまで我慢が大変である。2楽章以降はその疲れのせいでいまいち頭に入ってこない。実際インパクトが薄く面白くない、ありきたりの曲に聴こえる。

交響曲第12番 ホ長調 1763
2.8点
1楽章はあまり印象的でない。2楽章の短調の憂いを活かして心に入り込んでくる様はなかなか良い。歌謡的な冒頭の旋律が分かりやすくて印象的。分かりやすいためか、ある意味でハイドンには珍しく映画音楽のようでもある。3楽章は普通の最終楽章らしい曲。

交響曲第13番 ニ長調 1763
3.0点
2楽章がチェロ協奏曲のようである。渋い音が気分を静かに盛り上げてくれる素敵な音楽である。3楽章も管楽器が活躍する、少し田園的な情緒がよい。4楽章はジュピターの最終楽章と同じドレファミの動機をふんだんに使っており、たたみかけるように高揚感を煽って盛り上げるところがそっくりである。聴いていてドキっとするのが楽しい。

交響曲第14番 イ長調 1762/63
2.8点
1楽章はハツラツとして元気がよくて良い。2楽章と3楽章はかなりありきたりで楽しくなく、がっかりする。4楽章は盛り上がる最終楽章であり、早いパッセージも登場したりして、楽しめる曲。2、3楽章のがっかり感をある程度挽回してくれる。完全には挽回できていないが。

交響曲第15番 ニ長調 1761
3.0点
1楽章は後年ほどもったいぶってはいない序奏からの、高速な音楽への突入はエンターテイメント的な楽しさ。また序奏の音楽に戻るのは斬新な構成である。ピチカートに乗った楽天的な音楽はオペラの前奏曲のようだ。2楽章の跳ねるリズムのメヌエットも楽天的で華やか。3楽章は普通。4楽章も普通。つまり1楽章の面白さが半分以上の価値を占めている。

交響曲第16番 変ロ長調 1760頃/63?
3.0点
1楽章は執拗な動機の繰り返しや、伴奏とメロディーの関係が珍しくて面白い。2楽章は普通であまり面白くない。3楽章は躍動感とモーツァルト的な力感のある音楽でなかなか良い。

交響曲第17番 ヘ長調 1760頃/62?
3.0点
1楽章は素朴ながらも、優美でありながら一つひとつの音に力強い表現のチカラを持たせているところがモーツァルトっぽい。2楽章も優美でモーツァルトを思い出す。彼よりもっと軽い遊びがあるし、中間の自由闊達さはかなり違うが。3楽章は3楽章制の欠点がモロに出ている。メヌエット風でいかにも物足りなくて満足できない。

交響曲第18番 ト長調 1762頃/64?
2.8点
1楽章はバロックの室内楽のようなごく素朴でのどかな曲調。2楽章も素朴で音の密度が薄く、聴きやすいが充実感がない。3楽章はディベルティメント風。どの楽章も聴きやすいのだが交響曲らしい充実感に欠ける。ただ、つまらないまではいかず、音感の良さで気分よく楽しませてくれるものがある。ただ、内容と比べて冗長だと思う。

交響曲第19番 ニ長調 1757-59頃/60?
3.0点
1楽章は疾走感があり、ダイナミックさが楽しい楽章。2楽章は短調で、歌劇の一幕のような具体的場面を思わせる描写的な音楽であり楽しい。3楽章は威勢の良い音楽であり、1楽章も似たところがあるため、この曲は尖った曲という印象を強くもつ。

交響曲第20番 ハ長調 1757-59頃/63?
2.5点
1楽章はトランペットが鳴り響く派手志向の曲。2楽章は優美さはあるものの、音の絡み方が単純である。3楽章もまた素朴で複雑さが足りないため手応えが足りない。4楽章はある程度の複雑さはあるが、トランペットの華やかさも上手く生かされていないし物足りない。

交響曲第21番 イ長調 1764
3.0点
1楽章は教会ソナタの1楽章としては良い塩梅の雰囲気で心地よい。2楽章のノリと快活さも良い。3楽章は曲としては普通と思うが、何よりアイネ・クライネ・ナハトムジークに冒頭が似ていてドキッとする。4楽章の前のめりさと舞台音楽的な人情を感じる快活さも楽しい。

交響曲第22番 変ホ長調『哲学者』 1764
3.5点
オーボエの代わりに音が5度低いコーラングレを使った渋い音が素敵。特に1楽章のバロック音楽の通奏低音を連続するようなゆったりとして豊かな低音の動きの上で、思索的ともいえるゆったりとした旋律を奏でる所が、哲学者の愛称の由縁になったのも納得の素敵さで魅力的。他の楽章は曲としては標準的に思えるが出来は良く、コーラングレ採用による響きの他との違いで楽しめる。

交響曲第23番 ト長調 1764
3.0点
1楽章は音をふんだんに使って、沸き立つような楽しい気分を演出したもので良い。2楽章もテンポは早くないが、楽しくてコミカル。3楽章と4楽章もコミカルで、特に4楽章は完全に諧謔的な音楽で客を驚かせるのを狙ってやっている。最後に消えるように終わるのはびっくりする。

交響曲第24番 ニ長調 1764
3.3点
1楽章は溢れるかのごとく素敵な光に満ちているような、幸せになれる曲。2楽章は冒頭から最後までフルートのソロが大活躍で、完全に協奏曲である。カデンツァすらある。とても美しく清純で運動性もあるフルートの良さを存分に引き出している曲で素晴らしい。3楽章は1楽章の幸せさと強く相関を感じるメヌエット。4楽章はジュピターの最終楽章を連想する骨太で壮麗な雰囲気で気分を持ち上げる曲。4音の動機も類似している。

交響曲第25番 ハ長調 1761頃
3.3点
1楽章は重厚な前奏に続いて、主要部も重厚さと疾走感を兼ね備えた曲なのが印象的。2楽章は中間の管楽器のソロがピツィカートに乗って奏される部分が楽園的な愉しさで良い。3楽章は普通の4楽章制の最終楽章のような曲調。それなりの聴きがいはある。

交響曲第26番 ニ短調『ラメンタチオーネ』 1768
3.3点
3楽章のメヌエットの独奏が大活躍するところとメロディーがチャーミングで素敵。愉しいなあと耳を奪われる。そのため、それに続く4楽章が存在しないのは非常に物足りなくて残念。また1楽章の激しい感情の表出も悪くない。

交響曲第27番 ト長調 1761頃
3.0点
1楽章は単に爽やかすぎるところがあり、ハイドンではないみたい。2楽章のシチリアーノも爽やかで何かの間奏曲のようだ。3楽章も同一性を保って爽やかであり、緊迫感が希薄な呑気な曲。どの楽章も音の密度が低くハイドンらしい良さは少ないものの、個性的な曲としての愉しみがあることは否定しがたい。

交響曲第28番 イ長調 1765
3.3点
1楽章のリズミカルな音形の支配する音楽は独特の躍動感に心を踊らせる効果があり、なかなか楽しい体験を与えてくれる。2楽章がその反動で低音中心の心が落ち着く曲調なのもよい。一方でリズムが活躍する場面があり一貫性を感じさせてくれる。その対比が楽しめる。3楽章もまたリズミカルさや、対比の鋭さで楽しめる曲。4楽章はコミカルさを内包しつつ、うまく締めくくってくれる曲。

交響曲第29番 ホ長調 1765
3.0点
1楽章は不思議な三拍子のきらびやかな曲であり、音の分解能が低いためメヌエットに似ているが違うという独特の雰囲気をもっている。2楽章は薄い音で掛け合いが続く、これまた不思議な雰囲気。といっても使われる音形はハイドンの手癖のようなものだが。3楽章はメヌエットの部分はなかなかよい。トリオは伴奏だけになってしまうという特殊曲。ハイドン研究室にあるとおり、これが元の作意とはとても思えない。4楽章も他の楽章と同じく、何か音が薄くてテンションが上がりにくい感じがする。

交響曲第30番 ハ長調『アレルヤ』 1765
3.0点
明るく快活な曲。悪くはないが特段の良さは見つからなかった。3楽章制であり、最後をメヌエット楽章で締めくくるところの雰囲気がやや面白い。



交響曲(31番から60番)

交響曲第31番 ニ長調『ホルン信号』 1765
3.8点
冒頭のホルンをはじめとした管楽器の大活躍が愉しい祝典交響曲。一番目立つのはホルンだが、他にも次々と新しい楽器が華々しく活躍する様は、豊かさがあるとともに痛快なエンターテイメントとして、ウキウキした気分になれる。かなり楽しめる。

交響曲第32番 ハ長調 1760頃
3.3点
33番との双生児のような同じ年に書かれた祝典交響曲。2曲はよく似ているのだが、気のせいか32番の方が内容が豊富で楽想も練られており、よく出来ている気がする。どの楽章も手応えを感じるものであり、単に派手なだけでなく品もよく優雅で、かつ中身のある良さを感じる。

交響曲第33番 ハ長調 1760頃
2.8点
祝典交響曲だから派手にトランペットとティンパニが鳴り響く楽しさはある。しかし、あまり深い内容がないため、完全にその場かぎりの音楽になっている。

交響曲第34番 ニ短調 1767以前
3.0点
最初にアダージョで始まる教会ソナタ形式でかなり古臭い印象のある曲。しかし、その音の響き方も含めた古臭さが味となり、新鮮さも演出するため、なんとなく興味を持って聴ける。

交響曲第35番 変ロ長調 1767
2.8点
これといって強い魅力を発見できなかった。1楽章の主題の組み合わせ方は良いなと思うが、特別によく出来ているというほどではない。

交響曲第36番 変ホ長調 1761頃
2.8点
多くの場面にバロックらしい素朴さをまだ残している。特に4楽章。全体に旋律の魅力はあまりない。過渡期を楽しむという点で好奇心を刺激してくれるところはある。

交響曲第37番 ハ長調 1757-59頃
3.3点
1楽章はティンパニがうるさいほど活躍する、祝典的なノリで攻めた曲。2楽章もティンパニが鳴り響き、勢いを抑えてはいるがパワーを持続しているのが面白い。3楽章は弦の冷静ながらも歌心と間合いの良い曲。他の楽章のどんちゃん騒ぎの間だから余計にかもしれないが、とてもよく出来た曲に聞こえる。4楽章は普通。

交響曲第38番 ハ長調『エコー』 1769頃
3.5点
軽妙なキレの良さがあり管楽器が大活躍するバロック的な音の軽さが楽しい。全編その雰囲気で統一されている。2楽章のエコーは楽しい仕掛けであり、ハイドンらしいあっと驚く機知の刺激を味わえる。

交響曲第39番 ト短調 1765頃
3.5点
1楽章はまさに文字通りの疾風怒濤の音楽。2楽章は1楽章の刺激を緩和しつつも、この楽章もまだ刺激的だと思う。なかなか面白い。3楽章は独特の地に足がつかない感じで面白い。4楽章はものすごく激しい曲。嵐のようなあまりの迫力に圧倒されてしまう。同じト短調のモーツァルトの25番との関連性を考えて聴くと面白い。

交響曲第40番 ヘ長調 1763
2.5点
4つの楽章すべて旋律の魅力が乏しく、それに代わる魅力も見つけられない。高揚感などの雰囲気的な良さも少なくて、気分が盛り上がらない。

交響曲第41番 ハ長調 1770頃
3.3点
2楽章の管楽器の活躍。3楽章の神々しいほどの輝かしさ。4楽章のたたみかける高揚感はいずれも愉しさを感じさせるもの。祝典的な交響曲として十分な価値がある。

交響曲第42番 ニ長調 1771
3.0点
1楽章は地味目でピンとこない。2楽章は大人な曲。長すぎるのが気になる。3楽章も、やや落ち着いている印象がある。4楽章がまた落ち着いていて、どうにもワクワク感が足りない。構成を工夫していて豊かさはあるが。

交響曲第43番 変ホ長調『マーキュリー』 1771頃
3.3点
品位と中庸な明るさや滋味や快活さや優美さのバランスに優れた、ハイドンらしい魅力に溢れた曲。上品で典雅な雰囲気が聴いていて心地よい。BGMに使えそうな穏やかな雰囲気である。1楽章からそう感じたが、楽章間の統一感もある。といっても、機会音楽のようなつまらなさわけではなく、交響曲らしい聴き映えはちゃんとある。1楽章のバランスの取れた快活さが特に魅力。4楽章は控えめながらもきっちりワクワクさせてくれる。

交響曲第44番 ホ短調『悲しみ』 1772以前
3.8点
まさに激情的な悲しみに溢れた曲である。そして3楽章は透明な癒しや安らぎに満ちた名曲。ハイドン作曲というのが驚きのドラマチックさである。ロマン派のようだ。そして、普段と違う作風ではあるが、やはり凡百の作曲家とはレベルの違う名作となっている。

交響曲第45番 嬰ヘ短調『告別』 1772
3.8点
1楽章はモーツァルトのト短調を想起させる始まり方。旋律の魅力はモーツァルトには劣るが、第2主題は割と魅力的で第1主題との対比に感動出来る。2楽章と3楽章も短調交響曲としてロマン的な感性すら感じさせる所がモーツァルトと同じである。4楽章の後半の、演奏者が一人ずつ減っていく場面がやはり全曲で一番印象的。この部分は世の中の多くの交響曲の中でも忘れがたい場面の一つ。

交響曲第46番 ロ長調 1772
3.3点
1楽章は短調に頻繁に転じる中間が面白い。メロディーが良いというより多くの変化が面白い。2楽章も短調で始まり、長調と入れ替えながら聴かせるとても美しい感動する曲。4楽章はコミカルな緩急のつけ方で驚かせてくれる面白い曲。

交響曲第47番 ト長調『パリンドローム』 1772
3.0点
標題の由来である回文構造の3楽章は、楽譜を順方向の後に逆方向に演奏するという、興味をそそる仕掛けで面白い。ただ、曲の良さとしては大したことはない。曲として面白いのは、音の動きが活発な1楽章だと思う。4楽章もわりとバランスよく充実している内容である。

交響曲第48番 ハ長調『マリア・テレジア』 1769以前
3.8点
1楽章の一度聴いたら忘れない華麗なファンファーレで始まる元気な祝典的音楽は気持ちよく聴けて愉しい。2楽章の流麗で優美な美しさとバランスの良さは出色の出来。メロディーがなかなか魅力的。3楽章と4楽章も活発さを楽しめる曲で出来は良い。

交響曲第49番 ヘ短調『受難』 1773
3.8点
全編を悲劇的な力強さが覆っているハイドンには珍しい曲。歯切れの良さが重すぎずに重要度の高い音を響かせててきぱきと音楽を進めるため、過度にロマン的な感情は抱かせないが、しかし強く訴えるものと美的感覚のバランスの良さのため、良い曲になっている。

交響曲第50番 ハ長調 1771頃
3.5点
1楽章の序奏のあとは豪快で内容もあり魅力的。2楽章は最後まで延々と2声部なのが面白い。3楽章と堂々として聞き応えがある。4楽章の高揚感も聞き応えがある。どの楽章も聴き所がある曲。

交響曲第51番 変ロ長調 1771頃
3.0点
1楽章は普通。2楽章はホルンやオーボエが大活躍で面白い。3楽章は華やかだがあっさり終わる。4楽章は速度が遅めなのが特色で、華やかさはあるが圧倒感はない。

交響曲第52番 ハ短調 1771頃
3.0点
短調曲。あまり長調に転じない。自分の慣れのせいかもしれないが、交響曲としての短調のこなれた使いこなしていないように感じる。長調曲を短調にしたように感じる場面が多い。最終楽章はわりと気に入ったが。

交響曲第53番 ニ長調『帝国』 1778-79頃
3.5点
祝典交響曲であり、全体に力強い輝かしさに満ちている。1楽章は威風堂々とした曲だが、それだけでない味わいがある。2楽章もくっきりとした力強さと味わい深さがある曲。3楽章は普通。4楽章は英雄的で舞台的なエンターテイメント曲。

交響曲第54番 ト長調 1774頃
3.5点
1楽章のエネルギーに満ちた明るく力強い音楽はかなり魅力がある。2楽章は大編成のオケが合いそうな、音の厚みで荘重に演奏される曲。ヴァイオリンとチェロの長い2重奏が最後に用意されているのが耳を引く。3楽章も華やかできらびやかで魅力的。4楽章はまた大編成が合いそうな音の厚みのある壮麗な輝かしい曲。ベートーヴェンより後の時代の息吹が感じられる曲。どの楽章もよく出来ている。

交響曲第55番 変ホ長調『校長先生』 1774頃
3.5点
軽快で少しコミカルさも感じる雰囲気で、心がワクワクする楽しさがある。メロディーの楽しさが素晴らしい。1楽章はまた聴きたいと思わせるものが強くある。2楽章もウキウキするような気分で聴けてとても楽しい。4楽章が弱いのが惜しい。

交響曲第56番 ハ長調 1774
3.3点
1楽章は祝典気分というだけ。2楽章はかなり美しい。ファゴットのソロが耳を捉える。この時期のハイドンの緩徐楽章の傑作だと思う。しかし、やや長すぎるきらいがある。3楽章は普通だが輝かしさがある。4楽章のぐるぐると音が廻るような運動性が愉しい。

交響曲第57番 ニ長調 1774
3.3点
1楽章は清冽な雰囲気がよい。なかなか聞き応えがあり、聴き入ってしまう。2楽章はピチカートが耳を引く。モーツァルトみたいな柔らかさの曲。3楽章は躍動感がある。4楽章は悪くない。弦がユニゾンで素早く動く部分が聴き応えがある。

交響曲第58番 ヘ長調 1776
2.8点
3楽章までは特段の長所を見つけられなかった。4楽章だけは楽器数などに緩急をつけたダイナミックさの高揚感が楽しい。

交響曲第59番 イ長調『火事』 1766頃
2.8点
初期の単純すぎる音楽の作りが耳についてしまい、不満が残ってしまった。少しおどけた感じやあたふたした感じのコミカルさが楽しめる。

交響曲第60番 ハ長調『うかつ者』 1774
3.3点
全6曲。舞台音楽を使い回したもので、組曲に近い。交響曲らしい構成の楽しみがない。音楽的にはそれなりに面白い。調弦をやり直す場面にはびっくりする。



交響曲(61番以降)

交響曲第61番 ニ長調 1776
3.3点
軽快に跳びはねるような雰囲気が支配的。どの楽章もなかなかの佳作だと思う。強烈な印象こそないものの、よく出来ているなと感じる。

交響曲第62番 ニ長調 1780頃
3.0点
複数の作品をつなぎ合わせて作った急造の作品とのことだが、知らずに聞けば気付くのは容易でないと思う。1楽章や2楽章はなかなか良いと思う。3楽章も活発で楽しめる。4楽章も悪くはないのだが、急造感を感じるので聞き終わった後の印象が良くない。

交響曲第63番 ハ長調『ラ・ロクスラーヌ』 1779頃
3.3点
1楽章はまあまあ。2楽章は面白い。主題が面白いうえに、弦楽器と管楽器の使い方など、舞台音楽のようで、新鮮な感覚がある。短調と長調を行き来するのも面白い。3楽章は主題がいまいちだが、展開に変化を付けて楽しませようとするメヌエット。4楽章は珍しいほど内容が豊富でよく出来ている。

交響曲第64番 イ長調『時の移ろい』 1773?/78以前
3.5点
1楽章も2楽章もしなやかで回想的な雰囲気がよい。特に2楽章は切ない気分にさせられる。3楽章はまあまあ。4楽章のロンドは力強くて充実感がある。

交響曲第65番 イ長調 1771頃
3.3点
爽やかで聴きやすい曲。愛らしくて可愛い。メロディーが良い。特別な工夫や仕掛けの楽しみではなく、純粋になんとなく良い曲だなあと感じるところが良い。最終楽章のホルンの活躍も愉しい。

交響曲第66番 変ロ長調 1775-76頃
3.0点
キラキラとした優美さで聴きやすい曲。工夫で聴かせるのではなく、しなやかな雰囲気で聴かせる。メロディーもなかなか良い。どの楽章もそれで統一出来ているのだから、ハイドンの芸風の広さを感じる。それなりに良い曲ではあるが、特徴が少なくて工夫やメロディーなどに特段の目立つポイントがない。

交響曲第67番 ヘ長調 1775-76頃
3.3点
様々な工夫がされているらしい。2楽章の特殊奏法もおやっと思うし、3楽章のヴァイオリン2本による民族音楽みたいな場面は耳につくかなり印象的な個所だ。曲として旋律が全般にわたりイマイチだし、前述の特殊場面も別に面白いだけで、あまり音楽として効果的とか必然性などは感じなかった。ただし、4楽章は中間で突然慈しみにあふれる室内楽になり、そこから楽器を重ねていく最後の流れはかなり魅力的だ。ここだけで評価が上がる。この時期にしてはかなり長い曲。

交響曲第68番 変ロ長調 1774頃
3.3点
1楽章は普通の出来で楽しめる。2楽章はイマイチ。この曲の特徴は異様に長い特異な3楽章。何度も楽章が終わったと思ってもまだ続く。ごくシンプルな薄い伴奏の上でのメロディーを何度も再現しながら間奏を奏でる。人情を感じる楽想であることもあり、主人公が何度も登場しては退場して脇役が出てくる舞台を観ているかのように楽しめる。4楽章も悪くない。

交響曲第69番 ハ長調『ラウドン』 1775-76頃
3.0点
ティンパニとトランペットを導入して華やかな曲。しかし、ハイドンの標準的な曲が並んでいる印象であり、あまり目立った良さは発見できなかった。メヌエットはつまらない。

交響曲第70番 ニ長調 1778-79頃
3.3点
1楽章は、シンプルで直接的な華麗さのある音楽。2楽章は短調と長調が交互であり、いい感じの哀愁と郷愁の音楽で心を奪われる。3楽章は祝典的。4楽章は冒頭の雰囲気や中間の対位法的な個所など工夫された曲で、再び聞き入ってしまう。終わり方に驚く。楽章構成などいろいろ独特な曲。

交響曲第71番 変ロ長調 1778-79頃/80
3.0点
薄めの音で、細かい所に仕掛けを入れていそうな複雑さがある。自然体で聞いている分には、華やかさがそれなりにあって、この時期らしい成熟感のある曲という印象。

交響曲第72番 ニ長調 1763-65頃
3.0点
番号が大きいが、31番「ホルン信号」と同じ時期の作品。手の込んだ作品群の中に、素朴時代の音楽が紛れ込んでいる印象である。1楽章はホルンが大活躍して派手で楽しいから気付きにくいが、2楽章以降では時代の違いが明白である。とはいえ、そのつもりで聞けば素朴なりに味があり楽しめる。各楽章でソロが活躍し、順番にソロを回すのも楽しい。

交響曲第73番 ニ長調『狩』 1781?/1782以前
3.5点
1楽章の広がりのある主題は印象的。モーツァルトのような活気のあり多くの発想がつまった展開はかなり良い。2楽章もハイドンらしい温かみのある穏やかさが素敵。3楽章は普通。4楽章は突然のティンパニとトランペットでどんちゃん騒ぎで驚く。

交響曲第74番 変ホ長調 1780?/81以前
3.0点
切れがよくてかなり快活であり、この時期らしい成熟感もあり楽しめる曲。そういう点では地味によく出来てる。それ以上のものはないため目立たないが、よく聴くと実は良い曲。

交響曲第75番 ニ長調 1779?-80
3.3点
ティンパニとトランペットが鳴り響く祝典交響曲。はじめの序奏が高める期待値は、ハイドンの中でもなかなかよく出来ていると思う。1、3、4楽章はいずれも、特筆するべきほどのものはないが、華やかで愉しい曲であり、メロディーもそれなりに良くて変化もあり十分に楽しめる。2楽章の変奏曲はお得意のパターンの曲だが、チェロの独奏が活躍するのが面白い。

交響曲第76番 変ホ長調 1782
3.0
この時期としてはいかにも標準的な作品。4楽章の主題に修飾音が多く付いていて、展開でも同様に多いのは、少し目新しさを感じる。全体に悪くはないが、快活さなど諸々の要素がほとほどであり、やや地味な作品。

交響曲第77番 変ロ長調 1782
3.8点
舞台音楽的なダイナミックさと愉悦感が多くの箇所で感じられる良曲。華があり麗しさもあり、モーツァルトの音楽に似ていると思う。他にも例えば弦と管の分担の仕方にも類似を感じる。1楽章はオペラの序曲みたいにも聞こえる。4つの楽章が全部出来が良いし、ワクワク感が感じられて、聴いて良かったと思わせるものがある。

交響曲第78番 ハ短調 1782
3.0点
1楽章は、跳躍する主題などを使って長い短調部分を使って切迫感を演出しているのだが、いかんせんハイドンの音楽の要領の良さのせいで、浸りきれず、心に迫るものがない。2楽章と3楽章は長調であり、これはなかなか良い。特に華やかな3楽章は好き。4楽章はモーツァルトの短調曲の最終楽章に雰囲気が似ていてまた切迫感を演出する主題を繰り返すのだが、魅力がもう一つであり、要領が良すぎるのもありもの足りない。

交響曲第79番 ヘ長調 1783/84
2.5点
4つの楽章に光るものがない。工夫が少なく、ハイドンとしてはありきたりの部類の音楽がずっと続いており、平板で盛り上がりにも欠ける。駄作だと思う。

交響曲第80番 ニ短調 1783/84
3.3点
短調でなかなかの迫力で始まるにも関わらず、のんきな田園的主題が挿入されたり、遊び感覚いっぱいの1楽章が愉しい。2楽章は珍しくモーツァルトにかなり似ている優美で美しい曲。もの悲しい短調を混ぜたり、表情豊かな曲。3楽章は入り口が短調で、その後もうまく短調を混ぜつつ長調主体で面白い。4楽章は控えめな音の厚さでバランスをうまく保っている。

交響曲第81番 ト長調 1783/84
2.8点
1楽章はモーツァルトに似ているがあまり面白くない。2楽章は滋味のある主題と軽快でバラエティーに富む変奏で悪くない。3楽章のメヌエットも明るく弾むような気持ちにさせてなかなか良い。4楽章は再びモーツァルトを連想するが、平凡な曲と思う。

パリ交響曲
交響曲第82番 ハ長調『熊』 1786
4.0点
3楽章までは、ドンドコと威勢がよく快活で愉しい曲だが、内容が充実している感じではない。しかし四楽章の楽しさが数あるハイドンの中の交響曲の素敵なフィナーレの中でも格別。

交響曲第83番 ト短調『めんどり』 1785
3.5点
冒頭いきなり短調に圧倒されるがすぐに明るくなる。一楽章と二楽章がかなり充実している。二楽章は美しい緩じょ楽章で聴き入ってしまう。

交響曲第84番 変ホ長調 1786
3.0点
どの楽章も普通だが歯切れが良いフレーズが多い印象があり、管楽器も活躍するのを楽しめる。

交響曲第85番 変ロ長調『王妃』 1785?
3.0点
概ね普通だが、一楽章の突発的な激情的な短調のフレーズに驚く。あとは三楽章の後半が美しい。

交響曲第86番 ニ長調 1786
3.0点
管弦楽の編成が大きいので分厚い響きを楽しめる。曲としては普通。

交響曲第87番 イ長調 1785
3.0点
フィナーレが高速でなく一楽章のような雰囲気なのが目新しい。

トスト交響曲
交響曲第88番 ト長調『V字』 1787頃
3.5点
やや重たい曲調は現代のオケで演奏すると風格がある。そして音のうちに秘められた叙情性があるのを楽しめる。

交響曲第89番 ヘ長調 1787
3.0点
いつものノリやドンチャン騒ぎが無く、ロマン派の予感も無く、やたらと優雅で大人しい。

ドーニ交響曲
交響曲第90番 ハ長調 1789
2.0点
ありきたりな素材ばかりで、一楽章は少しいいと思う部分もあるがそれ意外はいまいち。

交響曲第91番 変ホ長調 1788
2.0点
1、2も3楽章がありきたりでイマイチ。4楽章の弦の使い方などはそれなりに愉しいのだが、それまでのイマイチ感を打破する程のものではない。

交響曲第92番 ト長調『オックスフォード』 1789
4.0点
それまでの総決算のような充実ぶりでどの楽章も端正でありなヵら内容豊富。

ザロモン交響曲
交響曲第93番 ニ長調 1791
4.0点
主題がどの楽章も魅力的で、快活さと優美さのバランスや楽章間の出来上など、多くの点でバランスが取れたオーソドックスな上質の作品。

交響曲第94番 ト長調『驚愕』 1791
5.0点
一楽章の泉から湧き出るように絶妙な素晴らしい音楽が次から次へと現れる爽快な楽しさ。「びっくり」の二楽章も三楽章のメヌエットも四楽章も全ての楽章のメロディーが優れていて聞きやすく、爽快でありながら美しく詩魂をこめた充実の内容で大変素晴らしい。

交響曲第95番 ハ短調 1791
3.0点
ありきたりの素材しか使っていなくて斬新さが無いのだが、珍しい短調で力強さもありそれなりに聴いて楽しめる。短調の曲だがかなり多くの部分は長調。

交響曲第96番 ニ長調『奇蹟』 1791
3.0点
メロディアスでないのでザロモンの中で聴きやすいほうでない。分厚い音で音に意味をもたせて雄弁に演奏しやすい、ある種のかっちりしたゴツさがある。

交響曲第97番 ハ長調 1792
3.0点
あまり大きな特徴が無いが、一楽章の主題はシンプルながら魅力がそれなりにあるし、二楽章の優美な美しさと陰影も楽しめる。後半は普通。

交響曲第98番 変ロ長調 1792
3.5点
2楽章の優美さな美しさはモーツァルトみたい。他の楽章もしなやかな雰囲気で場面のつなぎがスムーズな所が多くモーツァルトぽい。最後の楽章の最後で協奏曲風になるのが面白い。

交響曲第99番 変ホ長調 1793
3.5点
優美でしなやかで上品な雰囲気を楽しめる。

交響曲第100番 ト長調『軍隊』 1793-94
4.5点
全ての楽章に旋律の美しさと親しみやすさ、柔らかくて瑞々しい感覚がある。後半の遊び心や楽しい気分も好き。軍隊の楽器のドンチャン騒ぎも面白い。

交響曲第101番 ニ長調『時計』 1793-94
4.5点
規模が大きく力強く、モーツァルトのように美しいメロディーが全楽章にあふれていて聴きやすい。有名な時計の楽章はシンプルなのに不思議なくらい素敵だ。

交響曲第102番 変ロ長調 1794
3.5点
100番台で唯一愛称が無いが曲のレベルは同じ。勇壮で豪快で男性的な雰囲気を楽しめる。

交響曲第103番 変ホ長調『太鼓連打』 1795
3.3点
2楽章があまり魅力的でない主題の変奏曲なのに長すぎる。他の楽章も立派だが主題に魅力があまり無いので印象が薄い。愛称付きの100番台の中では、私はワンランク落ちる作品だと思っている。(良い演奏を探すべきなのかもしれない)

交響曲第104番 ニ長調『ロンドン』 1795
4.5点
メロディーの素晴らしさ、前向きさと快活さを保ちつつスケールが大きく、ベートーベンのようにそれぞれのフレーズが意味を持って響く。巨匠的な充実感のある素晴らしい内容に魅せられる。冒頭から心を持って行かれて、その充実の予感を裏切らないスケールの大きさが最後まで続く。94番ほどのメロディーの親しみやすさはないものの、これが最高傑作であるという意見に私も賛成である。


その他の交響曲

協奏交響曲 変ロ長調 (交響曲第105番) 1792
3.3点
1楽章はメロディーの魅力こそあまりないが、たくさんの楽器が大活躍し、多くの音が聞こえてくる充実感はなかなかのもの。2楽章も同様である。もはやベートーヴェンの3番や4番くらいの重厚である広大な空間を沢山の楽器が奏でる音で埋めていく様はすごい聞き映えである。ベートーヴェンにも協奏交響曲を書いて欲しかったなとつよく思った。3楽章もまた同じような感想である。ただ、ここで初めて耳につく旋律が現れる。しかし、ソロの大活躍が主眼になるため、すぐに終わる。歌劇で各楽器が配役のように活躍するような華やかな音楽である。

交響曲 ニ長調 (第106番) 1769?

交響曲 A 変ロ長調 (第107番) 1757/61頃?

交響曲 B 変ロ長調 (第108番) 1757-61頃?


協奏曲

ハイドンの協奏曲はモーツァルトの20代前半の協奏曲みたいなクオリティである。安定して心地よい音楽。モーツァルトと比較すると、独奏の輝かしく縦横無尽な活躍と、芸術として昇華された深みの点では確かに負けている。しかし、耳を愉しませて、心がウキウキするようなら楽しさを提供してくれるハイドンの協奏曲はとても楽しい。モーツァルト以前、バロック以降という立ち位置は独特の価値がある。モーツァルトは協奏曲の作曲において、ベートーヴェンの交響曲のような画期的な意味をもたらしたのだと気付くことが出来た。モーツァルトのピアノ協奏曲20番は、ベートーヴェンの交響曲3番のような位置にある曲なのであろう。ハイドンは協奏曲が不得意という先入観を排除することで、ハイドンの協奏曲を聴くのは驚くほど楽しくて素敵な時間になる。



ヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa)

ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ長調 1761-65頃
2.5点
1楽章は全然面白くない。2楽章は素朴な独奏のメロディーがひたすら続く音楽がでヴィヴァルディよりシンプルなくらい。3楽章は協奏曲らしい活発さを楽しめて、耳を楽しませる点での価値はある。聞く価値があるのはこの楽章だけだが、高い価値とまでは言えない。

ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 1765
紛失

ヴァイオリン協奏曲第3番 イ長調『メルク協奏曲』 1770/71頃
3.0点
オーケストラでなく弦楽合奏での協奏曲ということもあり、通奏低音が鳴っていそうな古臭いバロック風の曲に感じられる。地味ではあるが、温かみのあるハイドンの良さは感じられる。優雅で品の良い雰囲気を楽しめる曲。協奏曲としての面白みとしては、ヴァイオリンの活躍が不十分であり、あまり無いと思う。

ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 1769以前
3.5点
全体にバロック協奏曲の色彩が濃い。1楽章はとても優雅で美しさに感動できる。2楽章はあまり特徴がない穏やかな曲。3楽章がきびきびとした音楽性と協奏曲の相性がよく、純粋に音を聞いていて楽しいと感じられる曲。



チェロ協奏曲(VIIb)

チェロ協奏曲第1番 ハ長調 1760-65?/1780
3.3点
1楽章は活発で楽しめるものの普通。2楽章は優美で美しく、チェロの独奏の歌が素晴らしい。3楽章はきびきびとしたフレーズが魅力。

チェロ協奏曲第2番 ニ長調 1783
3.5点
しなやかさ、優美さがあり、情熱的でもあるが基本は明るい。渋いところはあるが、よくある渋さをフル活用したチェロ協奏曲とは一線を画している。


ホルン協奏曲(VIId)

ホルン協奏曲第1番 ニ長調 1762
3.3点
シンプルで爽やか。モーツァルトほど耳に残るものはなし、内容が豊富という感じでもないのだが、なぜかアドレナリンが分泌されてくるような聴いていて身体の中から楽しさが湧き出てくる感覚はすごいものがある。楽しい気分にさせてくれる娯楽の音楽としては、かなりのレベルである。

ホルン協奏曲第2番 ニ長調 1781以前 偽作?
3.0点
1番よりも表情豊かであり、ホルン独奏の活躍度合いも高い。しかし、1番の不思議な魔法のような部分はないため、同じように良い曲だと思うのだが、単なる古典派の一般的な協奏曲以上のものがないようにも冷静に考えると思われる。


トランペット協奏曲(VIIe)

トランペット協奏曲 変ホ長調 1796
3.5点
トランペットの明朗な音を存分に楽しめるため、何度も聴きたくなる。ハイドンの協奏曲らしい胸の踊るような楽しさに加えて、トランペットの明朗さを活かした空間的な広がりのある音の気持ちよさが素晴らしい。晩年の作品であるため、ベートーヴェンに近いがっちりとした力強い重さや構築感があり、技術的な成熟感による安定感がある。この曲はそれがハイドンの協奏曲らしい魅力をさらに増している。


フルート協奏曲(VIIf)
フルート協奏曲 ニ長調 1780?



2つのリラのための協奏曲(VIIh)
5曲とも爽やかで楽しい。コンパクトにしてコミカル。特別な何かがあるわけではないし、どの曲も似ている。だが、楽しいエンターテイメント曲として、もう一度聴きたいと思わせるものがある。リラ・オルガニザータは生演奏でどのように聞こえるか分からないが、イヤホンで聴いている限りはコミカルで可愛らしい音楽を奏でる楽器に聞こえる。聴いていてついニコっと笑顔になってしまう。

2つのリラのための協奏曲第1番 ハ長調 1786
3.8点
コンパクトにして、古典派らしい爽やかさに満ちている。内容充実。どの楽章も要領よく必要な要素をまとめていて無駄がない。かなり素敵。特に1楽章と2楽章は最高である。

2つのリラのための協奏曲第2番 ト長調 1786
3.5点
1楽章はコンパクトで悪くないがメロディーの魅力が今ひとつ。2楽章は優雅でなかなかよい。3楽章は音が生き生きとしていて優雅さもあり、心がワクワクさせられるような優雅な気分になるような、非常に魅力のある楽章。

2つのリラのための協奏曲第3番 ト長調 1786
3.8点
1楽章の爽やかで心が楽しさでいっぱいになり、気分が良くなる度合いは相当なもの。古典派の素晴らしさを堪能できる。2楽章はモーツァルトを思い出すミューズの神が宿ったような神々しい美しさを端々にみせる。3楽章は凄みこそないが、楽しさ心地よさを十分に魅せている。

2つのリラのための協奏曲第4番 ヘ長調 1786
3.5点
1楽章は他と同様にとてもコミカルでノリノリの楽しい曲。2楽章は優雅さのある楽しい明るい曲。3楽章はおとぎ話を連想するような可愛らしい旋律の曲で1番印象的。どの楽章も高いクオリティー。

2つのリラのための協奏曲第5番 ヘ長調 1786
3.0点
この5曲の中では他とそっくりである同工異曲感がなく、雰囲気が違うものになっている。しかし、明るさと内から湧いてくるような音楽の推進力がなく、それに代わる良さが見つけられず、面白くない曲になってしまったように感じる。



チェンバロ協奏曲(ピアノ協奏曲)(XVIII)

オルガン協奏曲 ハ長調 XVIII-1 1756
3.0点
初期の曲だが、すでに耳と心を楽しませる協奏曲としては良いものになっている。特に3楽章の祝典的な雰囲気はなかなか気分を盛り上がらせる。バロックから一歩進んだ協奏曲としての楽しさがある。

オルガン協奏曲 ニ長調 XVIII-2 1767

チェンバロ協奏曲 ヘ長調 XVIII-3 1765/71以前
3.0点
1楽章は長めの曲なのだが、あまり魅力を見つけられない。2楽章はチャーミングな旋律の魅力がある。3楽章も盛り上げて楽しい気分にさせる、楽想を次々と繰り出してたたみかけるような音楽。ただ、1楽章が面白くなかったのを取り返すほどではない。

チェンバロ協奏曲 ト長調 XVIII-4 1768頃?/82以前 「ピアノ協奏曲」とも
3.3点
1楽章は自由に前面で活躍するチェンバロのがなかなかの聴きもの。原始的なチェンバロ協奏曲として、それなりの出来に聴こえる。2楽章は、旋律に魅力がある、心地よい温かみとある雰囲気が魅力。ただ、冗長だと思う。3楽章はアドレナリンの出るような曲で、旋律やフレーズは普通のようにみえて、なかなか楽しめる。

オルガン協奏曲 ハ長調 XVIII-5 1763

ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲 ヘ長調 XVIII-6 1766
2.3点
鍵盤楽器と弦楽器という組み合わせの二重協奏曲は珍しい。しかし、録音のせいかヴァイオリンは目立たない。チェンバロが常に大活躍。1楽章はまあ普通の曲で強い印象は残らない。2楽章も3楽章もなんら特別感がなく、協奏曲らしい良さもたいしたことがなく、ハイドンには珍しいあまり面白くない曲と思う。

オルガン協奏曲 ハ長調 XVIII-10 1771

チェンバロ協奏曲 ニ長調 XVIII-11 1782「ピアノ協奏曲」として良く演奏される
4.0点
モーツァルトと比べてシンプルだが爽やかで美しく独特の明るい霊感に満ちている。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3%28%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E3%80%81%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%29




弦楽四重奏曲一覧

ハイドンの交響曲は爽快で聴いて楽しい娯楽作品である。一方で弦楽四重奏曲は「ああ、いい曲を聴いたなあ」と感動したり、「驚異的に高レベルな名作である」と唸らせられるような曲が多い。

作品数が非常に多いにも関わらず、初期を除けば駄作がほぼない。ハイドンの練達の技術で次々と名作と呼べる水準の曲しかない。
あまりにもハイレベルで驚異的な作品群であると思う。疾風怒濤期と後期の成熟した作品が多く、作曲時期から見てもハイドンの充実した創作期に書かれている。

その良さはいろいろな語り方ができるだろう。
まずは楽器の用法も楽曲もバランスが良く形式的な安心感がありながらも自由闊達さがある。

リズムと旋律が渾然一体となって合奏の楽しさを感じさせる。そして楽器の絶妙な絡みは耳を満足させるものであり、シンプルながら非常に書法が優れている。

切れ味のよさと心が温まる感じというハイドン音楽の良さが最大に活かされている。

優雅で明るい古典派の良さである、娯楽性と芸術性を高次元で両立させている。喜遊曲のような楽しさでありながら、全く安っぽくない芸術作品になっている。

そして現代の耳では、アダージョの3楽章がロマン派的であると共に温かみと感動を感じさせて「ああ、いい曲を聞いたなあ」と満足させるものである。ハイドンの他のジャンルにはあまりそのような曲はないのだが、弦楽四重奏曲では驚くべきほどそのような曲が多い。後期ロマン派の爛熟したブルックナーの巨大なアダージョと同格なほどの深い精神世界に入り込んでいる曲もある。

それでありながら、他は愉しさにあふれた楽章だったりして、それが見事に1つの楽曲として成立している。

まさに宝の山である。「これを知らないとはクラックファンとして人生損している」と断言できる超名作群である。

ハイドンの評価は弦楽重奏曲の魅力を知っている人と知らない人で全く違うであろう。

弦楽四重奏曲に関してはこのジャンルの最上の作曲家であると思う。


初期の弦楽四重奏曲

Op.1(1755年
1番〜6番と0番。まだ音がスカスカであまり価値はない。

Op.2(1755年?)
7番〜12番。同様に音がスカスカで価値は低い。

Op.9(1771年)
Hob.III.19 弦楽四重奏曲第19番ハ長調
3.3点
1楽章はあまり印象に残らない。旋律がいまいちである。2楽章は精彩があるというほどではないが、聴いていて楽しいものがある。3楽章は美しい成熟したメロディーと雰囲気で、宝物のようなものを産み出している。4楽章は急いでいるような前のめり感が楽しい曲。

Hob.III.20 弦楽四重奏曲第20番変ホ長調
3.5点
1楽章は冒頭の分散和音のメロディーが特殊で驚くが、その後は高い密度の音楽に驚く。1番より書法の成熟を感じる。2学も音の絡まりが心地よい。3楽章はメロディーが歌謡的でとても心に沁みるものがある。美メロディーで忘れ難い印象を残す。4楽章は勢いまかせでない、味のある締めくくり楽章で、フットワークは軽いながらも渋さがあって良い。

Hob.III.21 弦楽四重奏曲第21番ト長調
3.8点
1楽章は躍動感と冷静さが同居して、しかも渋さもある、とても素晴らしい曲。2楽章は品が良い。3楽章は感動的に始まり、心に深く食い込む美しさを見せていて感動させてくれる。なんと美しい音楽だろう。4楽章の品の良い軽快な音楽はスマートに締めくくってくれて素晴らしい。

Hob.III.22 弦楽四重奏曲第22番ニ短調
3.8点
短調の曲。1楽章も2楽章もモーツァルトのような音の流れの良さと、ベートーヴェンのような芯の強固さと、シューベルトのはかないセンチメンタルさを併せ持ったようなバランス。悲劇性を強調しておらず控え目だが、わりと悲しさをもった曲。3楽章はいつものように感動的で、短調の間だけに達観とか打ちひしがれた後の回復のようで素晴らしい。4楽章はやりすぎないながらも嵐のような激しさを内包した内容でよい締めくくり。

Hob.III.23 弦楽四重奏曲第23番変ロ長調
3.3点
1楽章の変奏曲は、単なる音の分解を細かくしていくだけでなく、様々なニュアンスの変化が多彩な表情となり、説得力をもった音楽になっている。2楽章は普通の曲。3楽章は感動的なメロディーで相変わらず素晴らしいのだが、2楽章との対比が効いておらず効果が薄い。4楽章も単体ではよいのだが、他とのつながりがイマイチ。

Hob.III.24 弦楽四重奏曲第24番イ長調
3.0点
1楽章と2楽章はあまり旋律の魅力を感じない。2楽章は休止を多く入れていて、独特の浮遊するような不安定感を感じる。3楽章は単なる感動的メロディーだけでなく、多少の推進力でポジティブに進めていく雰囲気を持っている。なぜか曲に入り込みにくい。4楽章はあっという間に終わる。全体にちょっと取っ付きにくい曲だと思う。

Op.17(1771年)
第一ヴァイオリンが活躍する場面が多い曲集である。美しい音楽が多い魅力的な作品集である。

Hob.III.25 弦楽四重奏曲第25番ホ長調
3.3点
1楽章は中庸な中に磨かれた良さを持つ。2楽章は主張が控えめな曲であるが、シンプルななかに微妙なニュアンスをそれなりに楽しめる。3楽章は艶のある短調の曲で、移りゆく気分を奏でる弦の合奏の響きが美しい。やや長いが聴きがいがある。4楽章は手際が良い系統だが、多くのアイデアを詰め込んでおり充実している。

Hob.III.26 弦楽四重奏曲第26番ヘ長調
3.5点
1楽章は豊穣さと渋さを兼ね備えた内容豊かな曲。2楽章は旋律の穏やかさと愉しさを併せ持ち、中声の音の絡ませ方の美しさがその魅力を高めている。3楽章は沈み込みながらも、水面が見えるあたりを漂う感じで、絶妙な塩梅が楽しい。人生の悲哀を表現しているが、黄昏という感じでなく未来を見ているところが素晴らしい。4楽章は充実感があるものの、旋律の魅力が今一歩だと思う。

Hob.III.27 弦楽四重奏曲第27番変ホ長調
3.3点
1楽章の変奏曲は主題は悪くないものの、変奏が世界を深めていく感覚が弱くて、いまいち心が踊らない。2楽章は普通。3楽章はいつもの素晴らしさで、音の織物が心に折り重なるように触れてきて、深く感じ入るような感動をくれる。ニュアンスも豊富。3楽章のただベストの群に属するものではない。4楽章はそれを上手くうけて、盛り上げすぎでもないいい感じに適切なテンションで締めくくってくれる。

Hob.III.28 弦楽四重奏曲第28番ハ短調
3.5点
1楽章は短調に始まるが、最初だけである。中庸な速度で繰り出される多くのメロディーは、落ち着いて聴けることもありかなりの充実感で満たされる。2楽章は堂々とした主題が魅力的。中間で悲しげな心情にも変化するたて単純でない豊かさである。3楽章は素敵であり、儚い希望と生きる決意を感じさせる感動的な曲である。ただ、本当の深い精神世界まではいかない。4楽章は性急さをすこし含む曲で、内容豊富であり短調らしいしめくくりもあり、なかなか良い。

Hob.III.29 弦楽四重奏曲第29番ト長調
3.5点
1楽章はやや勘所をとらえにくい曲に感じる。内容は多いが、ふわふわと場面が移り変わっていく。2楽章は穏やかで上品な音楽だが、単なるディベルティメントに堕ちず、ほのかな刺激もある。3楽章は短調であり、嘆きの歌とでも呼びたいような悲痛感が覆っている。リズムが少ない詠唱的なアダージョは珍しいと思う。後半のソロにやるレティタティーボは最大限の悲しみに到達している。4楽章は生命感のある音の活発な動きが楽しい。

Hob.III.30 弦楽四重奏曲第30番ニ長調
3.5点
1楽章は刺激や工夫が音楽のつくりに沢山見受けられる。2楽章もまたありきたりでない音の動きで楽しませてくれる。3楽章はリズム感が常に消えないなかで、バロック的な明朗さのあるソロの穏やかな歌が続く。いつものアダージョの沈み込むような魅力はないが、これはこれで強く心に刻み込まれるものがある曲。4楽章は動機を重ねていくのだが、これも統一性があり、単なる勢いでない新鮮さをそれなりに感じる音形である。

Op.20 『太陽四重奏曲』(1772年)
次から次へと湧いてくる楽想の充実と自由闊達さが素晴らしい。
疾風怒濤期の最後の曲集だが、フーガ3曲とか短調2曲など、ハイドンが芸術的な野望を持って書いた作品集ということで、非常に力が入っているのを感じる。その点が、前半での最高傑作の曲集とされる所以だろう。次の作品は10年離れているだけに書法の発達は見られるが、この作品集はそのハイドンの気合を楽しめるものになっている。とはいえ、疾風怒濤期は交響曲の40番台の名作揃いと比べると弦楽四重奏曲は一般的に見ればあのような分かりやすく名作と呼べるものではないかと思う。

Hob.III.31 弦楽四重奏曲第31番変ホ長調
3.3点
かっちりした1楽章、滋味の溢れる2楽章、印象に残るメヌエットの3楽章、快活で楽しい4楽章と、どの楽章も存在感がある。

Hob.III.32 弦楽四重奏曲第32番ハ長調
3.5点
一度聴いただけでは構成が把握しにくい複雑な1楽章、インパクトがある強烈な短調と中間のトリオの対比が鮮明な2楽章、対位法的な4楽章と聴きどころが多い。

Hob.III.33 弦楽四重奏曲第33番ト短調
3.0点
緩徐楽章は素敵。最終楽章はモーツァルト的な性急さがあるものの物足りない。1楽章は短調から入るがすぐに長調になるパターンだが、いまいち分かりにくく、すっきりと音楽に入れない。

Hob.III.34 弦楽四重奏曲第34番ニ長調
3.5点
滋味と複雑さを兼ね備えた1楽章、変奏曲形式で切なく悲しい歌を切々と奏で続けるような2楽章が素晴らしい。3楽章は普通、4楽章のきびきびした音の動きも楽しい。

Hob.III.35 弦楽四重奏曲第35番ヘ短調
4.0点
短調曲で、1楽章はすぐに長調になるパターンではなく、短調が続き悲しい音楽が続く。緩徐楽章や最後のフーガもかなり素晴らしい。旋律がどの楽章も魅力に溢れており、ハイドンの短調の弦楽四重奏の中では傑作である。

Hob.III.36 弦楽四重奏曲第36番イ長調
3.5点
長調だが、単なる明快さや優美さではない複雑で味わい深い魅力がある。緩徐楽章がやはり一番だが、1楽章も味わい深く、4楽章のフーガは緊張感を演出して見事に太陽四重奏を締めくくっている。

Op.33 『ロシア四重奏曲』(1781年)
モーツァルトが衝撃を受けた作品。古典派らしい均整の取れた美しさ楽しめるが、複雑で味わい深いハイドンの多くの弦楽四重奏の中では、単純明快すぎてものたらないと感じる時もある。

Hob.III.37 弦楽四重奏曲第37番ロ短調
3.5点
古典派的な均整の取れたまとまりとシンプルな美しさがあり、はっとするような美しさが随所にあり音楽的に楽しめる。

Hob.III.38 弦楽四重奏曲第38番変ホ長調『冗談』
3.5点
1楽章の古典的な均整美や叙情性や4楽章の軽快さは楽し
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2022/06/06 (Mon) 21:18:43


Hob.III.38 弦楽四重奏曲第38番変ホ長調『冗談』
3.5点
1楽章の古典的な均整美や叙情性や4楽章の軽快さは楽しい。

Hob.III.39 弦楽四重奏曲第39番ハ長調『鳥』
3.0点
歯切れの良さよりしなやかさを重視しているような曲調。2楽章がいまいち。

Hob.III.40 弦楽四重奏曲第40番変ロ長調
3.5点
メヌエット風のスケルツォが珍しく非常に印象的。ラルゴも良い。

Hob.III.41 弦楽四重奏曲第41番ト長調
3.5点
1楽章は凡庸一歩手前だが素敵な曲。2楽章は短調で素晴らしい。4楽章の変奏曲も素敵な楽しめる曲。

Hob.III.42 弦楽四重奏曲第42番ニ長調
3.0点
旋律的な魅力がやや物足らない。特に魅力が強い楽章は無く、どれもそれなりに良いという感じ。

Op.42(1785年)
Hob.III.43 弦楽四重奏曲第43番ニ短調
3.5点
短調の響きを楽しめるコンパクトな作品。1楽章が割と充実し、2楽章も良い。4楽章があっさりしすぎ。
Op.50 『プロシア四重奏曲』(1787年)
かなり古典派らしい内容。シンプルな伴奏とメロディーという素朴さが耳につく曲が多い。

Hob.III.44 弦楽四重奏曲第44番変ロ長調
3.0点
Op54以降と比較すると古典派らしいシンプルな内容。最終楽章が充実している。

Hob.III.45 弦楽四重奏曲第45番ハ長調
3.5点
冒頭から印象的な半音階的なメロディー。前期ロマン派みたい。二楽章も巨匠的で素晴らしい。最終楽章も大きくて相応しい。

Hob.III.46 弦楽四重奏曲第46番変ホ長調
3.0点
あまり特徴が無いが、三楽章が印象に残る。

Hob.III.47 弦楽四重奏曲第47番嬰ヘ短調
3.5点
短調と長調の切り替えが美しい。二楽章はモーツァルトが短調曲の緩じょ楽章でやるような美しさ。最終的のフーガも面白い。

Hob.III.48 弦楽四重奏曲第48番ヘ長調
2.0点
1楽章はメロディーが単純すぎる。二楽章はあまりいい曲でない。3,4楽章も単純すぎて旋律の魅力がなく貧相。

Hob.III.49 弦楽四重奏曲第49番ニ長調『蛙』
3.0点
蛙みたいな四楽章の主題は笑いそうになるくらい面白い。他の楽章は普通の出来だと思う。

Op.51 『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』(1787年)
(もとはオーケストラのための教会音楽をハイドン自身が弦楽四重奏に編曲)

Hob.III.50~56 弦楽四重奏曲第50番-第56番
3.3点
各曲は一楽章構成である。曲自体は当時評判だっただけあって聴き映えのするものだが、編曲ものとして特段この編成ならではの良さは感じない。

Op.54 『第1トスト四重奏曲』(1788年)
古典派らしい素朴さが残っている曲があるが、そこから発展して少し複雑になり始めている。

Hob.III.58 弦楽四重奏曲第57番ト長調
3.5点
一楽章は渋さを兼ね備えた明るい曲。二楽章はかなり美しい。三楽章は生き生きとした良いメヌエット。四楽章も良い。全体に充実して聴き応えがある。

Hob.III.57 弦楽四重奏曲第58番ハ長調
3.5点
2楽章がエレジーと呼びたくなるほどに悲しい短調の曲。四楽章に大きな美しい前奏のような楽想が短いプレストを挟んでほぼ全編という曲で、かなり印象的。

Hob.III.59 弦楽四重奏曲第59番ホ長調
3.0点
1楽章が元気で楽しい。二楽章はモーツァルトみたい。まったりしたシンプルさ。三楽章以降は普通。

Op.55 『第2トスト四重奏曲』(1788年)
Hob.III.60 弦楽四重奏曲第60番イ長調
3.0点
古典派らしいシンプルで伸びやかで明るい曲。

Hob.III.61 弦楽四重奏曲第61番ヘ短調『剃刀』
3.5点
3楽章までは全体を悲痛な雰囲気が覆っているハイドンには珍しい曲。内容は濃い。最終楽章は晴れやか。

Hob.III.62 弦楽四重奏曲第62番変ロ長調
3.0点
古典派らしい颯爽としていて伸びやかな明るい雰囲気が心地いい。
Op.64 『第3トスト四重奏曲』(1790年)
トスト第1、第2より進化して古典派らしさが消えて複雑になりつつあるが、この曲集は駄作がいくつかある。

Hob.III.65 弦楽四重奏曲第63番ハ長調
2.0点
音がスカスカで声部の絡みが悪いし、旋律も魅力がない。しかも全部の楽章がそうなので、かなりイマイチである。

Hob.III.68 弦楽四重奏曲第64番ロ短調
2.5点
一楽章の短調の響きが美しい。冒頭の不思議なフレーズは面白い。二楽章と四楽章は素朴でやや物足りないが悪くない。

Hob.III.67 弦楽四重奏曲第65番変ロ長調
3.5点
活力がある一楽章、歌謡的な二楽章、優美なメヌエットの三楽章はかけ声みたいなフレーズが面白い、生き生きした四楽章と全部の楽章が魅力的。

Hob.III.66 弦楽四重奏曲第66番ト長調
3.0点
前半は素朴でやや薄味で脳天気でさえあるが、三楽章で濃厚ないつもの音楽になる。四楽章の快活さは楽しい。

Hob.III.63 弦楽四重奏曲第67番ニ長調『ひばり』
3.5点
他の曲と比較して、メロディーがはっきりしていて明快な分かりやすさがある。冒頭の雲雀の主題は印象的。この曲は有名だが、ハイドンの中で突出して優れている訳ではないと思う。

Hob.III.64 弦楽四重奏曲第68番変ホ長調
3.3点
一楽章は印象が薄い。二楽章は珍しいほどまさに感動するための音楽。メヌエットもなかなか良い。フィナーレもちょうど良い感じの明るくノリノリの曲。

Op.71 『第1アポーニー四重奏曲』(1793年)
後期らしい完成度になっていて、音使い方がOp76に近づいている。Op76ほどの力を込められた印象はないのだが、音楽的なレベルの高さで言えば同等に近いものになっている。

Hob.III.69 弦楽四重奏曲第69番変ロ長調
3.5点
感動を内に秘める瑞々しい叙情性が印象に残る。しかしあくまで爽やかなのがいい所。前半二楽章が良い。

Hob.III.70 弦楽四重奏曲第70番ニ長調
3.0点
普通の曲。フィナーレが素敵な雰囲気。

Hob.III.71 弦楽四重奏曲第71番変ホ長調
3.5点
1、4楽章の充実感、二楽章の絶妙な伴奏に載せた歌うシンプルながらも素敵なメロディーなど、魅力的な曲。

Op.74 『第2アポーニー四重奏曲』(1793年)
Hob.III.72 弦楽四重奏曲第72番ハ長調
3.0点
全体にしなやかで柔らかい雰囲気が支配的。半音階の動機が多く使われていて所々はっとする。

Hob.III.73 弦楽四重奏曲第73番ヘ長調
3.5点
一楽章は展開部が好き。二楽章がモーツァルト的な美しさ。三楽章は普通。四楽章は軽快で耳に残る。

Hob.III.74 弦楽四重奏曲第74番ト短調『騎士』
3.0点
一楽章は主題の魅力が今ひとつ。二楽章はオーソドックスで温かみがあるが、美しさがもの足りない。四楽章の愛称の由来となった騎士の主題はそれほど強く印象に残らない。
Op.76 『エルデーディ四重奏曲』(1796年-1797年)
声部の絡みや磨かれ方が誰にも届かないほどの完成度になった。構成が大きく立派な大作として書かれたという印象を受ける曲が多い。室内楽的なコンパクトさから交響曲的なスケール感に一歩進んでいる。ハイドン自身も代表作になるだろうと意識して力を入れて書いた力作だったのではないか。

Hob.III.75 弦楽四重奏曲第75番ト長調
4.5点
前半の二つの楽章は大変素晴らしい。4つの楽器が順番に主題を演奏する冒頭部分から始まり、楽しい遊び心と音楽的な充実感を両方兼ね備えている一楽章は、自分としては他にないほどに非常に楽しく聴ける弦楽四重奏曲である。続いて、柔らかく温かい音の世界に包まれるような、感動的な二楽章。後半は普通の曲であるが、前半の良さを損わないできである。Op76で愛称がない作品は少ないが、自分はこの曲が一番好きである。

Hob.III.76 弦楽四重奏曲第76番ニ短調『五度』
3.5点
愛称の由来となった冒頭の主題はややモーツァルトに似た雰囲気を感じる。キビキビとした緊張感が心地よい。それより後半が良い。特にフィナーレは緊密で緊張感があり優れている。

Hob.III.77 弦楽四重奏曲第77番ハ長調『皇帝』
4.0点
1楽章は皇帝を連想するような高貴さとスケールの大きさのある音楽だが、それをいつもの歯切れのよさで実現しており愉しい。二楽章はドイツ国歌のメロディーによる変奏曲だが、旋律自体が大変良い。変奏というより、伴奏と独奏楽器を変えながら何度もメロディーを演奏する感じだが聞きほれる。三楽章はトリオが良い。四楽章は突然の短調の楽章になるので驚くのだが、それを受け入れるとなかなかの出来の楽章である。

Hob.III.78 弦楽四重奏曲第78番変ロ長調『日の出』
4.0点
一楽章のスケールの大きな冒頭からの叙情性と歯切れのよい軽快さに移っていく、バランスの良さと素材の豊富さがベートーヴェン的に充実していると感じる楽章である。二楽章は深く入り込める叙情的な内容。三楽章以降は普通。

Hob.III.79 弦楽四重奏曲第79番ニ長調『ラルゴ』
3.5点
ラルゴ楽章は数あるハイドンの緩徐楽章のなかでは別格というほどではないと思う(Op76の中にも同等の曲がある)のだが、非常に心に響くものがある美しい音楽である。他の楽章もそれぞれ素晴らしい。

Hob.III.80 弦楽四重奏曲第80番変ホ長調
3.5点
大作の二楽章に心惹かれる。最終楽章の盛り上がりもなかなか。日本語では見かけないが海外ではファンタジアという愛称で呼んでいて、2楽章の魅力的なファンタジアを採用しているようだ。

Op.77 『ロプコヴィッツ四重奏曲』(1799年)
Op76で高い完成形に達した後のこのOp77は、極限まで磨き上げられつつも、むしろ自由闊達で肩の力が抜けた感じを受ける。弦楽四重奏曲の代表作として挙げやすいのはOp76の方であり、Op77はその先に進んだ音楽という感じがする。

Hob.III.81 弦楽四重奏曲第81番ト長調
3.8点
音楽の幅広さ、精巧な作り、楽器の声部の活用の豊さなど、多くの点で非の打ち所のないようなハイドン晩年の円熟の技が光る作品。冒頭は少し緊張感がなく始まって「何これ、残念だ」と思ってしまうのだが、それは契機となって音楽が豊かに膨らんでいくのが面白いと思った。

Hob.III.82 弦楽四重奏曲第82番ヘ長調『雲がゆくまで待とう』
4.0点
この作品は内省的で人生の回想を内に秘めたような感動がある。器楽曲でのハイドンの最後の到達点の凄さに痺れる。副題は最近つけられたもののようで海外では呼ばれていないようだが、同名の民謡に似ているというのが命名の由来のようだが、曲の雰囲気に非常に合っていて気に入っている。冒頭のメロディーが感動的である。白眉は3楽章であろう。ここにはロマン派の足音を感じる。人生は長い、ゆったりと楽しく前向きに生きていこう、という気分にさせてもらえるような老熟した大音楽家のメッセージを込められているように感じる。

Op.103(1803年)
Hob.III.83 弦楽四重奏曲第83番ニ短調(未完成)



ピアノ三重奏曲
番号は前半がホーボーケン番号であり、後半がランドン版の番号である。

聴き始めた当初は、ハイドンのピアノ三重奏曲はピアノが主役であり、弦楽器は味付けだけであると感じていた。ベートーヴェン以降とは楽器のバランスがかなり異なっていて、あまり楽器同士が競い合う感じではない。芸術性の高さと娯楽性を高次元で両立させた弦楽四重奏曲などと比較すると、ピアノ三重奏曲は娯楽的で軽い内容である。
しかしながら、聴き慣れてくるとこれがなかなか楽しめるようになる。楽章が2楽章もしくは3楽章とコンパクトであり、楽章構成に多様性がある。鍵盤楽器ならではの躍動感と弦と鍵盤楽器の両方の音色を楽しめるのも良い。後期の作品が多いため、楽曲にありきたりではない充実感もある。


1番から20番まで

ピアノ三重奏曲第1番 ト短調 第5番 1755-60
2.8点
短調の曲。しかもずっと短調の物憂い雰囲気が継続する。ト短調であることもあり、悲劇的な悲しみを持っていてモーツァルトを連想するところがある。とはいえ、やはりハイドンの短調曲の常でメロディーの魅力は今一歩だと思う。

ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 第17番 1772
2.8点
1楽章はごく普通。2楽章の変奏曲は少し面白い。特に延々とピアノとヴァイオリンでユニゾンをするのが新鮮。

ピアノ三重奏曲第3番 ハ長調 ? 偽作

ピアノ三重奏曲第4番 ヘ長調 ? 偽作

ピアノ三重奏曲第5番 ト長調 第18番 1784
3.0点
1楽章は長い前奏のような趣き。2楽章はそこそこ充実した曲。これで終わりでもよさそうだが3楽章が変奏曲として続く。しかし短く終わってしまい、位置付けがよく分からない。順番に聴いていると急に音が成熟して驚く。

ピアノ三重奏曲第6番 ヘ長調 第19番 1784
3.5点
1楽章は健全な普通の曲。 2楽章が素晴らしい。ゆったりとした中での、感情の揺れとか間の使い方が良い。突発的に想いがこみ上げるような場面もあり、かなり心を揺さぶられる。

ピアノ三重奏曲第7番 ニ長調 第20番 1784
3.3点
1楽章は前奏的な曲風だが、変奏曲であり構成が理解しやすい。感傷的な歌の2楽章も、それを受けた適度な運動感のある3楽章もなかなか良い。

ピアノ三重奏曲第8番 変ロ長調 第21番 1784
2.5点
冒頭で重厚な和音に驚かされる。しかし、これ以外は標準以下の出来だと思う。旋律が良くないためあまり面白くない。

ピアノ三重奏曲第9番 イ長調 第22番 1785
2.8点
1楽章は長くて、まったりしているだけでたいした内容ではない。2楽章の手際の良さは気持ちいい。

ピアノ三重奏曲第10番 変ホ長調 第23番 1785
3.0点
1楽章のノリの良さと、2楽章の手際の良さと高揚感。なかなか楽しい曲である。緩徐楽章がない楽しさを味わえる。

ピアノ三重奏曲第11番 変ホ長調 第24番 1788?
3.0点
1楽章は成熟しているが、ごく普通の曲。2楽章も内容的にはしっかりした曲だが、普通の曲という以上のものはないと思う。

ピアノ三重奏曲第12番 ホ短調 第25番 1788/89?
3.3点
1楽章は短調だが長調の色が強い。2楽章はモーツァルト的な歌謡性がありロマンティックさもある。3楽章はかなりピアニスティックで音数が多くて楽しい。晩年にさしかかった充実した音楽の場合は3楽章あった方がバランスが良いと感じる。

ピアノ三重奏曲第13番 ハ短調 第26番 1789?
3.3点
1楽章はピアノ三重奏曲の中では長大な変奏曲。短調と長調を織物のように組み合わせて、優美な主題の魅力とあわせて、なかなか楽しめる。2楽章も適度な快活さと胸の膨らむような広がり感が組み合わされており、なかなか楽しい曲。

ピアノ三重奏曲第14番 変イ長調 第27番 1789/90
3.0点
成熟感のある3楽章の曲。上品にまとまめられている。規模が大きいため時間の使い方が通常と違うこともあり、シューベルトの世界に近付いてきた感がある。しかし、気合いの入った曲というより、ムードをまったり楽しむ音楽という印象。

ピアノ三重奏曲第15番 ト長調 第29番 1789/90?
3.0点
柔らかくて耳あたりはよい雰囲気が続くのだが、印象にのこるような強い主張はない。ディベルティメントのような曲風。

ピアノ三重奏曲第16番 ニ長調 第28番 1789/90?
3.3点
明るく活発な雰囲気が支配していて楽しんで聞けるが、一方で短調に転じる場面も多いので、急に雰囲気が変わってドキッとさせられる時もある。なかなか愉しい曲。2楽章は短調だがしなやかな愛らしさがあり、曲が暗すぎないのがよい。フルート版も聴いたが同様に楽しい。

ピアノ三重奏曲第17番 ヘ長調 第30番 1790?
3.0点
さらっと書かれたような2楽章の曲。可愛らしいコンパクトさがある。

ピアノ三重奏曲第18番 イ長調 第32番 1793/94?
3.3点
安定感を感じる1楽章。2楽章の沈み込むような短調のあとに、飛び跳ね廻るような3楽章。楽章ごとのコントラストが非常にはっきりしていて面白い。

ピアノ三重奏曲第19番 ト短調 第33番 1793/94?
3.3点
1楽章は短調の変奏曲で悪くない。2楽章は歌謡的で美しくて心に響く曲。3楽章はコントロールされた高揚感が心地いい。

ピアノ三重奏曲第20番 変ロ長調 第34番 1793/94?
3.3点
1楽章は少しだけ癖はあるが普通。2楽章は冒頭で異様に長いピアノのソロがある。その後も夜もしくは黎明のような雰囲気で、感動的な雰囲気を持続したままの変奏曲となる。ハイドンにしては非常にロマン的な感情に深く浸ることを主体とした曲。3楽章は激しすぎない音楽で2楽章の気分を壊さないように配慮されている。


21番以降

ピアノ三重奏曲第21番 ハ長調 第35番 1794/95?
3.0点
1楽章は悪くはないが、この時代のハイドンならば当然に出来ることしかしていない。2楽章は優美でなかなか美しい。3楽章は音の躍動感を楽しむ曲。

ピアノ三重奏曲第22番 変ホ長調 第36番 1794/95?
3.3点
モーツァルトのように綺麗にまとめようとする志向と、成熟した雄大さを併せ持った曲を書こうとしたのを感じる。規模の大きさとゆったりとした柔らかい雰囲気を楽しめる。2楽章はロマン派の息吹を感じる。3楽章は立派。この時期のピアノ三重奏曲はみんなそうだが、最後の交響曲と同時期という書法の成熟感と規模感が楽しい。

ピアノ三重奏曲第23番 ニ短調 第37番 1794/95?
3.5点
1楽章は長いし、それほど魅力を感じない。2楽章は非常に美しい。ほとんどショパンに近いほど繊細な冒頭のピアノのソロと、それをうけて展開していく音楽は続く平穏さの中で強くロマンチックに心を動かす。3楽章の音の動きは独特であり、スケルツォのようである。それを軸に構築された曲であり、インスピレーションの強靭さを感じる。

ピアノ三重奏曲第24番 ニ長調 第38番 1794/95?
3.5点
1楽章はなかなか詩的なインスピレーションに溢れた、内容豊かな楽章。控えめななかに素敵な音楽が詰め込まれている。2楽章は動機に近いメロディーを繰り返すハイドンには珍しいタイプの曲であり、アタッカで続けて3楽章も珍しい。3楽章はバッハに影響を受けたかのような、奥ゆかしい対位法的な曲。達観したかのような何か清々しい気分に満ちたハイドンには珍しい曲。感動した。

ピアノ三重奏曲第25番「ハンガリー風」 ト長調 第39番 1794/95?
3.5点
1楽章は耳障りのよい寛いだ雰囲気が支配的。2楽章はモーツァルトのような回想的で感傷的な美メロディーをたっぷり聴かせる。音の間合いの使い方など、モーツァルトを意識していると思われる。狙いがあからさまでもやはり感動してしまう。3楽章のジプシー風はハイドンには珍しい。独特の民族的土着的な音楽はいつもと違うだけにハイドンらしい料理の仕方への興味も湧くし、やはり耳を捉えるものがある。

ピアノ三重奏曲第26番 嬰ヘ短調 第40番 1794/95?
3.3点
1楽章は寛いだ雰囲気で特徴は多くないが、充実感と聞き応えが十分にある。2楽章は普通。3楽章はテンションの上がらない最終楽章らしさの少ない曲。しかし、執拗な動機の繰り返しと短調の切迫感がだんだん感動を増していく不思議な曲。

ピアノ三重奏曲第27番 ハ長調 第43番 1796?
3.3点
1楽章は冒頭こそ素人っぽいがっかり感があるが、そのあとは普通の曲として、一応の労力を感じられる曲になっている。2楽章も作り込みをそれなりに行っているが、主題の魅力がない。3楽章は繊細な軽妙さのある主題が珍しい。ピアノの縦横で派手な活躍ぶりはモーツァルトの協奏曲みたいだ。具体的に似た曲はあまり思いつかないのにモーツァルトを思い出す。しかし、モーツァルトには、この楽章ほど斬新で面白い曲はないと思う。

ピアノ三重奏曲第28番 ホ長調 第44番 1796?
3.5点
1楽章はピツィカートを主題の一部として完全に取り込んでいるのが珍しい。内容は変化を十分に詰め込んでいる。2楽章はまた一段と実験的。無機質なユニゾンから始まり、そのまま異様な伴奏とモノローグのピアノが延々と続くのは完全な異常事態である。これはもう、ハイドンなりの前衛的な音楽だろう。ショスタコーヴィチが乗り移ったかのようだ。後半は3つの楽器が絡み合い、悲しみの歌になる。3楽章はメロディーと感情の力が強くて、聴いていてハイドンであることを忘れてしまう。

ピアノ三重奏曲第29番 ト長調 第45番 1796?
3.3点
1楽章となめらかな中に骨太さのある音楽だが、特別なものがない。ノーマルな音楽がさらっと流れていく印象。2楽章は美メロディー風だが、今ひとつ気分が盛り上がらない。3楽章は3拍子で舞踏性と高揚感を演出するのがとても良い。この楽章は何度でも聴きたくなる。

ピアノ三重奏曲第30番 変ホ長調 第42番 1796?
2.8点
1楽章はベートーヴェン的な清々しさ空間的な広がりの共存が良い。ごく普通の曲ではあるが。2楽章は特筆することはない。BGMのような曲。3楽章も特段の特徴がない。

ピアノ三重奏曲第31番 変ホ短調 第41番 1795
2.8点
1楽章も2楽章と特段の創意工夫を見つけられない。ごく普通の音楽がさらっと書かれているだけで、あまり内容がないように感じる。

ピアノ三重奏曲第32番 ト長調 第31番 1792/93?
3.5点
どこかで耳にすることがある分かりやすいキャッチーなメロディーを前面で推している1楽章は面白い。いきなりピチカートで始まる冒頭は新鮮。2楽章も分かりやすくてメロディーに力がある。いかにもマイナー曲ばかりのピアノ三重奏曲の中ではメジャーになれる属性を持つ曲。

ピアノ三重奏曲第33番 ニ長調 第8番 ?
紛失

ピアノ三重奏曲第34番 ホ長調 第11番 1755-60
3.0点
1楽章がモーツァルトのように優美で愛らしい曲でメロディーが目立つ曲であり印象的。2楽章と3楽章はハイドンらしい楽しい曲。ピアノが中心として活躍する音楽なのは相変わらず。

ピアノ三重奏曲第35番 イ長調 第10番 1755-60
3.0点
1楽章はほとんど全てヴァイオリンとピアノと右手がユニゾンという実験的ともとれる構成で驚く。2楽章は活気あふれるパワーのある曲でかなり素晴らしい。3楽章は可愛らしいさがある普通の曲。

ピアノ三重奏曲第36番 変ホ長調 第12番 1755-60
2.5点
光る楽章が無いのであまり面白くない。あえて言えば3楽章の明快でかっちりとした快活さがいい感じ。

ピアノ三重奏曲第37番 ヘ長調 第1番 1755-60
2.5点
中庸のテンポでしなやかでセンチメンタルな1楽章が始まるのは意外だが、なかなか美しい。
2楽章はテンポが速くなり、活発だが、メロディーの魅力はあと一歩。あまりハイドンぽくない。3楽章は陰影に富む中庸のテンポの曲。この楽章もあと一押しの何かが欲しい。

ピアノ三重奏曲第38番 変ロ長調 第13番 1755-60
3.0点
1楽章の優雅な美しさがなかなか印象的。古典派らしい美しさを堪能出来る。3楽章の快活さもなかなか。バリトン四重奏曲の最終楽章を連想するスピード感の主題が印象に残る。

ピアノ三重奏曲第39番 ヘ長調 第4番 1755-60
2.5点
優雅でくつろいだ雰囲気の楽しい曲。5楽章ある。普通の曲だが、その中にハイドンらしさが感じられる。

ピアノ三重奏曲第40番 ヘ長調 第6番 1755-60
3.0点
1楽章と2楽章のほのぼのとした優雅な雰囲気。3楽章の快活さ。まだ磨かれ方は足りないがハイドンらしい楽しさが現れている。

ピアノ三重奏曲第41番 ト長調 第7番 1755-60
3.0点
珍しい4楽章制。2楽章のトリルの効果が美しくて心を捉えた。他の楽章は中庸でシンプルな普通の曲である。4楽章制であることが高い効果を上げている印象は特にない。


Hob番号外

ピアノ三重奏曲 ハ長調 第2番 1755-60
2.5点
1楽章は主題の魅力はそこそこ。展開部に随分と迫力があり驚いた。2楽章は優雅にまったりだが、よく短調になるので陰影は深い。3楽章は2楽章と雰囲気が似た優雅な変奏曲だが、音を細かく分けて繰り返すだけに聞こえてあまり面白くない。

ピアノ三重奏曲 ヘ短調 第14番 1755-60
2.8点
1楽章も2楽章も短調をたっぷり聴かせる。交響曲のようにすぐに長調にならない。3楽章は大半が明るい。手抜きしていない、きちんとした内容で満たされているのだが、演奏のせいか霊感がいま一つ足りないと感じてしまった。

ピアノ三重奏曲 ト長調 第3番 1755-60
2.0点
ピアノが大変支配的な曲で、他の2つは目立たない。特にチェロは可哀想なくらい。そしてメロディーに魅力がなくて、面白くない。

ピアノ三重奏曲 ニ長調 第9番 ?
紛失

ピアノ三重奏曲 ニ長調 第15番 1755-60
2.0点
とにかくハイドンらしさが無い特殊な曲。本当に真作?と疑問に思う。曲自体もつまらない。

ピアノ三重奏曲 ハ長調 第16番 1755-60
2.3点
まったりした曲。あまり特徴がなく、面白くもない。



ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 Hov.VI[#xa0f11db]

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第1番 ヘ長調
3.0点
チェロは完全に伴奏だけ。1楽章の変奏曲など、手を抜かずちゃんと書いている印象はある。とはいえ、ディベルティメント的な寛いで自分で演奏して楽しむための職人的に書かれた曲である。

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第2番 イ長調
3.3点
1楽章は音の飛び方で耳へのひっかかりを演出している印象。2楽章は短調でハイドンには珍しく音を長く伸ばして存分に聴かせる曲であり、おおっとなる。胸に迫るものがかなりある。3楽章は普通。

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第3番 変ロ長調
2.8点
2番までより少し難易度を上げられているように聴こえるのが最大の特徴。曲としては、特筆するほどの楽章はない。音の飛び方が激しいため、音の動きにスムーズさがない。

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第4番 ニ長調
2.5点
これといった特長のある楽章がない。一貫して平凡であり、聴きどころに欠ける。優雅な音感の良さは一流作曲家の手による作品と分かるものだが、それ以上のものがない。

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第5番 変ホ長調
2.5点
規模が小さくて聴きやすいのはよいが、1楽章の一部を除いてやはり内容が薄く、聴きどころがないと思う。

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第6番 ハ長調
2.5点
2楽章が多少力強い表現になり聴きどころがある箇所がある。それ以外は、さらっと聴ける耳を少し楽しませるだけのディベルティメントである。

バリトン八重奏曲
8声のディヴェルティメント ニ長調 Hob.X1 1775 brt,SQ,2hrn,BC
3.3点
1楽章のキレと活発さが楽しい。2楽章と3楽章はごく標準的なディベルティメントだと思う。

8声のディヴェルティメント ニ長調 Hob.X2 1775 brt,SQ,2hrn,BC
3.5点
バランスがよくて、楽章の統一感もかなり良い。旋律も良いためいい曲だと没入できる。

8声のディヴェルティメント イ短調/イ長調 Hob.X3 1775 brt,SQ,2hrn,BC
3.5点
1楽章の鎮魂的とも言える悲劇的な暗い曲から、2楽章の底抜けに明るい曲に転換し、3楽章はまったりという特殊構成。2楽章が魅力的。1楽章はモーツァルトの最も悲劇的な曲にも匹敵するほどエモーショナルである。

8声のディヴェルティメント ト長調 Hob.X4 1775 brt,SQ,2hrn,BC
3.3点
1楽章も2楽章も穏やかなのが、3番と対比を意図的しているように感じる。古典的な均整の取れた美しさと旋律の良さを楽しめる。

8声のディヴェルティメント ト長調 Hob.X5 1775 brt,SQ,2hrn,BC
3.0点
雰囲気は他と同様だが、旋律が平凡でやや魅力が落ちる。

8声のディヴェルティメント イ長調 Hob.X6 1775 brt,SQ,2hrn,BC
3.3点
2楽章がモーツァルトのように優美さを裏返したような歌謡的な悲しみの音楽。ハイドンにしては珍しいと思う。他の楽章は普通。

8声のディヴェルティメント ト長調 Hob.X12 1775? brt,SQ,2hrn,BC
3.3点
2楽章がまたしてもモーツァルト風の歌謡的な短調。これも良い曲。1楽章の広がりのある曲だがあまり良くない。3楽章のきびきびとした動きは魅力的。

バリトン五重奏曲
ディヴェルティメント(五重奏曲) ニ長調 1767/68 brt,va,2hrn,BC
3.3点
高音が少なくて、父性の強い渋い音になっている。とはいえ、ホルンが2本もあるため華やかさと音の厚みは十分である。ただ、メロディーが地味だし、まったりした雰囲気のためもの珍しさだけで終わってしまう。


バリトン三重奏曲

バリトン三重奏曲
2.5点~3.0点
全126曲。10分程度で3楽章のコンパクトな内容。同工異曲がたくさんあるが、領主に直接演奏してもらうための曲だからかひどい手抜きは無く、どの曲もそれなりのクオリティである。低音ばかりなので聞いていて気分が落ち着くのが良い。全体的にはかなり渋い音楽であり、陳腐な分かりやすいメロディーで済ましていないのは良いが名曲とかおすすめしたいような単品の曲はなさそうだった。順番に聞いていくと、だんだんと複雑な音楽になっていき、エステルハージ公の技量が上がっていくのが分かる。


https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3%28%E5%AE%A4%E5%86%85%E6%A5%BD%29
18:777 :

2022/06/06 (Mon) 21:19:49

クラヴィーア曲

クラーヴィアソナタ
曲名につけている数字は、前半がホーボーケン番号で、後半がランドン版による番号である。

ハイドンのソナタは、モーツァルトのソナタのように個別的な個性があったり、心を虜にするような愛らしさと旋律美のような強烈な魅力があるわけではない。しかし、ハイドンらしい素朴な暖かさや成熟感は魅力があり、地味さに耳が慣れると、なかなか楽しめる佳作が揃っていると思う。


1番から20番まで

ピアノソナタ第1番 ハ長調 第10番 1750-55?
3.5
シンプルな短いソナタ。古典的な簡素さの美に感動する。3楽章もそれなりに良い曲だが、特に1楽章と2楽章が良い。1楽章も3楽章も短調に転じるのが面白い。いずれにせよ、バロック的なシンプルな美しさが素晴らしい。初期の中でも心に響く曲。

ピアノソナタ第2番 変ロ長調 第11番 作曲年不明
3.0点
1番と比べると各楽章が長く感じる。2楽章のモーツァルト顔負けの憂愁。半音階的で驚く。1楽章の滋味。3楽章は急速でなく時計のような歩みの進行であり、ハイドンらしい時計的な詩情を見せる。

ピアノソナタ第3番 ハ長調 第14番 1765?
2.8点
素朴でシンプルなソナタ。バロックの香りを放つ素朴な味わいは悪くないが、それ以上の何かは無い。

ピアノソナタ第4番 ニ長調 第9番 1765頃?-1772
2.5点
6分2楽章の短いソナタ。あまりに簡潔で、音楽的にもあまり目立つ良さは無い。ハイドンらしい良さはこの曲にもあるが、物足りない。

ピアノソナタ第5番 イ長調 第8番 作曲年不明
2.8点
爽やかで内容もそれなりに盛り込まれた短い曲。歯切れの良さが魅力。しかし、旋律の魅力にどことない物足りなさを感じる。

ピアノソナタ第6番 ト長調 第13番
2.8点
いかにもチェンバロ用の曲。4楽章。簡素な曲だが、憂いをたっぷり聴かせる短調の3楽章が独特のバロック的美しさで心に響く。他の楽章は普通。

ピアノソナタ第7番 ハ長調 第2番 1750頃?
2.5点
簡素な曲。特に3楽章はあっという間に終わる。旋律の魅力が足りず、未成熟を感じる。

ピアノソナタ第8番 ト長調 第1番
3.0点
7番同様にものすごく短い曲。7番より歌心を感じて、ピアノフォルテらしい音の動きを楽しめる。

ピアノソナタ第9番 ヘ長調 第3番 1766/1760? 
2.8点
2楽章がやや長くて冗長に感じるが他はシンプル。これもピアノフォルテらしい音の動きを楽しむ曲。

ピアノソナタ第10番 ハ長調 第6番 作曲年不明
2.5点
9番までと比較して長くて構成が大きいのだが、響きを単純に楽しむ素朴さが損なわれている。旋律があまり良くないと音感の良さも微妙なのが気になる。

ピアノソナタ第11番 ト長調 第5番
3.0点
2楽章がなかなか美しい。3楽章はいろいろ詰まっていて楽しく、コンセプトは良いが、大成功とはいかないと思う。1楽章は並。

ピアノソナタ第12番 イ長調 第12番
3.0点
スローテンポから段々早くなる曲。1楽章が美しい。他は並。

ピアノソナタ第13番 ホ長調 第15番 1766/1760?
2.8点
1楽章は重厚な和音が登場して驚く。2楽章などにも、ところどころ初期にはない古典派の後期のような響きが登場する。順番に聴いたら目新しく感じるが、曲としてはいまいち魅力が足りない。

ピアノソナタ第14番 ニ長調 第16番 作曲年不明
2.8点
過渡的という言葉がついよぎってしまう曲。いろいろとピアニスティックではあるが、曲として十分に使いこなせていないように聴こえる。

ピアノソナタ第15番 ハ長調 op.41-3 Divertimento Hob.II:11の編曲。偽作。

ピアノソナタ第16番 変ホ長調 1750-55?

ピアノソナタ第17番 変ロ長調 op.53-1 作曲年不明 近年では、J.G.シュヴァンベルガーによるものであると判明

ピアノソナタ第18番 変ロ長調 第20番 作曲年不明 偽作。

ピアノソナタ第19番 ニ長調 op.53-2 第30番 1767 偽作

ピアノソナタ第20番 ハ短調 op.30-6 第33番 1771
3.8点
1楽章が序奏付き。短調の曲という目新しさがある。モーツァルトの幻想曲のような哀しく切ない歌の音楽。2楽章も深く沈み込むような感じときらめくような美しいに溢れたロマンティックな曲。3楽章もそれをうけた見事な内容。このような特殊な曲を高く評価するのは自分でも良いのか悩むが、感動するのだからしょうがない。




21番から40番まで

ピアノソナタ第21番 ハ長調 op.13-1 第36番 1773
3.3点
1楽章の執拗な跳ねるリズムは、ハイドンにしては非常に特異な音楽である。効果のほどを高く評価したい出来ではないが、とにかく印象に残る。2楽章はオーソドックスだが、なかなか叙情的で美しい歌心のある曲。3楽章もオーソドックスでなかなか楽しくて、ハイドンらしい素朴さが過剰でない演出となりいい味を出している。

ピアノソナタ第22番 ホ長調 op.13-2 第37番
3.3点
1楽章は普通。2楽章はかなり沈み込んだ悲痛の感情に支配された曲。3楽章はそれを受けたしみじみとした晴れやかさのある曲。突発的な激情も挟まれる。ロマン派の息吹を感じる。

ピアノソナタ第23番 ヘ長調 op.13-3 第38番
3.3点
1楽章の活発な運動性や展開力は、それだけで楽しめるもの。短調の2楽章も3楽章の意外性のある音の動きの運動性も楽しい。表現の幅があり、滋味も裏にもっていて成熟感がある。

ピアノソナタ第24番 ニ長調 op.13-4 第39番 1773?
3.0点
1楽章は活発だがいまいちピンとこない曲。2楽章は短調で歌謡的でモーツァルトのように美しい。3楽章は音の動きで押す曲だが、これも旋律としてはあまりピンとこない。

ピアノソナタ第25番 変ホ長調 op.13-5 第40番
3.3点
1楽章は広がり感があるソナタ。多くのものが詰め込まれている、がっちりとしたソナタでハイドンらしい魅力がある。2楽章が非常に短く、そのまま終わるという構成に驚く。

ピアノソナタ第26番 イ長調 op.13-6 第41番 1773
2.8点
1楽章は多くが詰め込まれているが、旋律の魅力をあまり感じない。2楽章もあまり旋律の魅力がない。3楽章はスケール主体であっという間に終わる。

ピアノソナタ第27番 ト長調 op.14-1 第42番 1774-1776?
3.0点
1楽章は音の動きを止めない勢いの良さでソナタを作っている楽しさ。2楽章と3楽章は中庸で特徴が薄い。

ピアノソナタ第28番 変ホ長調 op.14-2 第43番
3.0点
1楽章と2楽章は中庸であり、内容はあるが取り立てた特徴を感じない。3楽章は面白い音の動きでテキパキした雰囲気を楽しめる。

ピアノソナタ第29番 ヘ長調 op.14-3 第44番 1774
2.8点
1楽章はふわっとしたつかみどころの分かりにくい曲。2楽章は古典派らしい素朴さだが、構成は大きくバラエティがある。3楽章がうろうろした感じのとりとめもない音楽。

ピアノソナタ第30番 イ長調 op.14-4 第45番 1774-1776
3.0点
1楽章は冒頭の第一主題の軽快さが魅力だが、それだけでない多様な表情を持つ。2楽章は2声部でごくシンプルだが、陰翳のある示唆的な曲。前奏の役割。3楽章はそのまま2声部で続けて始まる。和音は登場するが、2声部でバロックみたいなのは変わらない。うまく言えないが独特の穏やかな浮遊感のようなものがる変奏曲。

ピアノソナタ第31番 ホ長調 op.14-5 第46番
2.5点
1楽章と2楽章は素朴で穏やかななだけであまり面白くない。3楽章は活発でシンプルにすぐ終わる。

ピアノソナタ第32番 ロ短調 op.14-6 第47番
3.0点
1楽章はしっかり書かれているが、学習用に感じてしまう。2楽章も似た印象。3楽章は短調の切迫感を演出する。モーツァルトの8番のソナタの3楽章を連想する。

ピアノソナタ第33番 ニ長調 op.41-1 第34番 1778以前?
3.0点
オーソドックスでどの楽章も悪くはない。しかし、学習用のシンプルな曲という印象である。

ピアノソナタ第34番 ホ短調 op.42 第53番 1783/84 
3.3点
1楽章は悪魔的な魅力も見せている。3楽章の迫り来る哀愁も良い。モーツァルトのピアノソナタ8番を想起する。

ピアノソナタ第35番 ハ長調 op.30-1 第48番 作曲年不明
3.0点
ソナチネアルバムの曲。教育的な曲の印象が強い。1楽章は三連符の伴奏が珍しくて印象的。2楽章は単純でアルベリティ・バスの上のメロディーが続く。3楽章は軽快な音の動きの曲。コンパクトでよくまとまっていて、難易度が低く、どの楽章もハイドンの中では正統派なのが良いところであり、有名な理由だろう。しかし、ハイドンのソナタの中で特段この曲が優れているというわけではないと思う。自分も昔の学習時に弾いた時は好きだった曲だが、いま観賞用として聴くと代表作とは思わない。

ピアノソナタ第36番 嬰ハ短調 op.30-2 第49番
3.5点
1楽章はきっちりと重厚に書かれた悲しみの表現。2楽章も元気のよいのもよい。感動的なのは3楽章。芸術性の香りの高い、悲しみをこらえるような静謐さが非常に強く心を捉えて離さない。この楽章の順番がマジックを起こしている。

ピアノソナタ第37番 ニ長調 op.30-3 第50番
3.5点
1楽章はピアノ版の祝典曲かと思うほど威勢がよく技巧的で華やかな曲。音の洪水に圧倒される。2楽章はその反動で極めておとなしくて静謐な曲。3楽章は中庸になるわけだが、これもよくできた楽章である。刺激的な動機を使いつつ、詩的な情緒性も感じる。

ピアノソナタ第38番 変ホ長調 op.30-4 第51番 1779-1780
3.5点
1楽章は中庸な速度のソナタとして規模が大きくバランスが取られた立派な曲。2楽章は短調。過度でない程度に感情的なものが盛り込まれており、音の美しさを存分に聴かせる曲。3楽章はそれをうけて悟ったような雰囲気を醸し出す、余韻に浸りながら気分を上昇させていく変奏曲。

ピアノソナタ第39番 ト長調 op.30-5 第52番
3.0点
1楽章はコンパクトで柔らさのある曲。2楽章は穏やかな気分になる。初学者が弾くには良さそう。3楽章は素直で程よい運動性であり、やはり弾くと楽しそう。

ピアノソナタ第40番 ト長調 op.37-1 第54番 作曲年不明
3.3点
穏やかで愛らしさと味のある変奏曲。大きな激しさは瞬間的にしかみせないまま続くが、曲調に身を浸して楽しめる。ただ、少し長すぎるとは思う。2楽章はめまぐるしく活発な音の動きで、それを追いかけていくだけで楽しめる。



41番以降

ピアノソナタ第41番 変ロ長調 op.37-2 第55番
3.0点
ピアノフォルテでなくピアノ的な書法と感じる。1楽章は中庸で悪くないが特徴は少ない。2楽章は非常にめまぐるしさくて楽しい。どちらもメロディーの特徴は少ないが、ソナタを順番に聴くなかでは書法の変化の楽しみがある。

ピアノソナタ第42番 ニ長調 op.37-3 第56番
3.8点
1楽章は非常に雄弁であるとともに、シューベルトのような淡く儚い美しさを感じさせる名曲。主題は非常に美しい。2楽章はごく短く、締めのためだけに存在する。この構成じたいが、ハイドンが1楽章を名曲と考えていた証拠である。

ピアノソナタ第43番 変イ長調 op.41-4 第35番
3.0点
どの楽章も、なんというか普通で特別感がない。とても中庸な安心感はあるのだが、刺激がなさすぎて物足りない。棘のない音楽だし、ありきたりなつまらなさがあるわけではないのだが。

ピアノソナタ第44番 ト短調 op.54-1 第32番
3.3点
1楽章はすぐ長調になってしまう普通の曲だが、シンプルな書法に歌心が忍ばせてあり、なかなかよい。2楽章が短調の美しさを活かしていて、陰影がありながらも冷静で感情に溺れないのがよい。

ピアノソナタ第45番 変ホ長調 op.54-2 第29番 1766
3.3点
素朴な書法でハイドンの中ではミニマルな音という印象である。しかし3楽章は工夫が多くあって、驚きが多く感じられて楽しめる。思わず聴き入ってしまうものがある。

ピアノソナタ第46番 変イ長調 op.54-3 第31番 作曲年不明
3.5点
1楽章は規模が大きい。それに見合った内容があり満足できる。静かでしなやかな感受性に満ちた柔らかい曲。2楽章は非常に美しくて、強い感動に心を揺さぶられる。ここまで深い精神世界にハイドンが入り込んだかと感動する。3楽章は標準的な内容であり、快速にきっちり締める。

ピアノソナタ第47番 ヘ長調 op.55 第57番 1788
3.0点
1楽章は語法や同じ雰囲気が続くところなど、バッハのプレリュードみたいだと思った。2楽章はとても静かで間を使った曲。3楽章も活発だが派手なのは一部であり控えめな曲。

ピアノソナタ第48番 ハ長調 op.89 第58番 1789
3.0点
1楽章は幻想曲のような趣き。自由な心の動きをそのまま音楽でなぞったようだ。ハイドンにしては目新しく感じる。2楽章はほのかな高揚感のある曲であり、展開をそれなりに楽しめる。

ピアノソナタ第49番 変ホ長調 op.66 第59番 1789-90 
3.5点
1楽章はハイドンらしい主題の魅力と構成のがっちりした印象で正統派の良さがある。2楽章も規模が大きく、ベートーヴェンの中期に近い充実感。音の響きかたもベートーヴェンにかなり似ている。静けさと、胸の膨らむような広がり感とパーソナルな領域に入り込む感情を両立している。3楽章も冷静で雰囲気は悪くないが、他の楽章ほどの充実感はない。もっと盛り上げてほしかった。

ピアノソナタ第50番 ハ長調 op.79 第60番 1794-95頃
3.3点
1楽章はピアニスティックな発想で書かれた大規模な曲。2楽章は初期ベートーヴェンみたいな曲で、若々しく新鮮で気持ちが良い 。ピアノの響きを生かしてる緩徐楽章で美しい曲。3楽章はピアノの機能を使うことに主眼がある曲で今までのソナタの最終楽章と音の使い方が違うように感じる。動機の使い方の成熟した自由さがある。

ピアノソナタ第51番 ニ長調 op.93 第61番
3.5点
1楽章はピアニスティックさがありつつも、曲の長さがコンパクトでありよくまとまっていて、聴きやすい。2楽章は適度に活発であり、複雑性も良い感じであり聴きやすい。この楽章もコンパクト。51番は旋律に大きな魅力があるという印象ではないが、50番と52番の大作に挟まれた小さな作品として独自の価値がある。

ピアノソナタ第52番 変ホ長調 op.82 第62番 1794
3.5点
ベートーベン初期やクレメンティを彷彿とさせるクラーヴィア曲のテクニックを豊富に活用し、主題の豊富さとスケールの大きさで聴かせる曲。50番以上に規模の雄大さと、楽器の進化にともなう書法の可能性の探求をさらに進めており、もはや完全にベートーヴェンの世界になっている。ピアノの機能と響きを楽しみ、その可能性を試して音楽を作る方向になって。1楽章は壮大にして雄大なソナタ。2楽章の小さな音の残響の産み出す詩的情緒の美しさは特筆もの。非常に規模が大きい。3楽章はピアニスティックで爽快さと性急さが主体だが、それ一辺倒にならないように構成されて締めくくり感を演出している。1番の驚きは、60歳を過ぎて新しい楽器の機能を理解して、それに適応した構造の語法のそれまでと別世界である音楽を書くことに成功していることである。頭が柔らかいなと思う。



声楽曲

スコットランド民謡集
4.0点
ホーボーケン番号で273曲。これがとにかく素晴らしい。ピアノ三重奏による伴奏による歌心あふれる曲は、癒される度合いは半端ない。素朴な味は心の故郷に帰った気分になる。これこそが歌、これぞ「The 音楽の楽しみ」とまで思ってしまう。聴ききれないほどの大量さで、まさに宝の山である。あまりに良すぎてテンションが上がってしまう。ちなみに後任のベートーヴェンの民謡集は面白くなかった。

ウェールズ民謡集
4.0点
少し聴いただけだが、スコットランド民謡集と同様に素晴らしい。

宗教曲
オラトリオ
オラトリオ『トビアの帰還』 Hob.xxI-1
4.0点
晩年の2大オラトリオとは全然違う。この曲はとても楽しめた。輝かしいコロラトゥーラと、華やかでイタリア的で舞台的なワクワク感は素晴らしい。エンターテイメント曲として楽しめる。ハイドンのオペラを見てみたくなる。次から次へと若々しくて驚くほど楽しい音楽が飛び出すから、心が躍りながら聴ける。モーツァルトのオペラが好きな人はぜひ聴いてみるべきだと思う。3時間は長いが苦痛を感じない。交響曲をたくさん聴き漁るようなものだ。レティタティーボが入っているのが息抜きとして良い。

オラトリオ『天地創造』 Hob.xxI-2
3.5点
ハイドン渾身の大作。ストーリー性のある音楽であり、オペラに近い雰囲気であり、開放的で明るい。個人的にはやはり、ハイドンの芸風と持ち味からすると少し外れた部分を狙った音楽になっていると思う。ハイドンの最良であるいくつかのモノを感じられない。スケール感や機転や温かさなどである。立派な大作であるものの、ヘンデルのオラトリオやモーツァルトのオペラの良さと比較すると少し落ちると思う。これは実力や労力の問題でなく、相性の問題だろう。

オラトリオ『四季』 Hob.xxI-3
3.8点
天地創造よりも壮大で力強くドラマティックであり、良さが分かりやすい。長丁場を面白く聴ける。舞台的ではないが描写的な場面は多い。音楽の活力が、長年で鍛えられた作曲能力をさらに一歩先に進める形で披露されている。古典派の語法で書かれたオラトリオとして、見事な出来である。天地創造より楽しい。大作でありながらどこを切ってもハイクオリティなのが凄い。

十字架上の七つの言葉
4.0点
オラトリオ版。各曲がずっしりと重たく、骨太でがっちりしており、壮大なスケールを持ち、メロディーが充実しており、まさに巨匠に相応しい出来となっている。遅い楽章ばかりで、変化に富んでいるとは言えないが、飽きないための工夫はされており、音楽自体の充実感とあいまって、じっくりと楽しんでは最後まで聞ける作品である。最後のコラールでまた感動。


ミサ曲
ハイドンの後期のミサ曲は気宇広大にして壮大で骨太な音楽の中に詩魂をいかんなく発揮した、すばらしい音楽である。アイデアが沢山詰め込まれていて飽きさせない。室内楽との違いは驚くべきであり、作曲家としてのスケールの大きさを感じる。同じミサ曲でも非常に人間臭くてドラマチックなモーツァルトのそれとはかなり印象が違う。前期はまたぜんぜん違うバロックに近い雰囲気だが、それはそれで非常に素晴らしい。

ミサ曲第1番 ヘ長調 ミサ・プレヴィス Hob.XXII-1
3.3点
各曲が短いため、コンパクトな仕上がりである。そして、素朴すぎて普通の作品とはだいぶ雰囲気が違う。自分だけかもしれないが、シンプルな音使いに前期バロックを連想するほどである。その点で独特で面白いとはおもうが、やはり完成度や質はまだ十分な高みには達していないと思う。とはいえ聞いていて楽しめないレベルでは全然なく、十分に面白い曲として聴ける。

ミサ曲 ト長調
3.5点
非常に短い曲の集合で書かれた曲。全部で8分しかない。とてもコンパクトで聴きやすいし、活力のある様々な曲がある。ダイジェスト版という感じで楽しく聴ける。初期らしい聖なる雰囲気の魅力を他と同様に持っている。短いだけで決して良さは同様だと思う。

ミサ曲第2番 変ホ長調 祝福された聖処女マリアへの讃美のミサ Hob.XXII-4
3.8点
初期のミサ曲の、素朴さと宗教的な雰囲気の魅力はここでも溢れている。クリスマスの音楽かと思うような聖なる雰囲気に満ちていて楽しい。バロックのような素朴な陰影感も楽しめるもの。3番と違い一曲が長い作品だが、聞いていて全然飽きなくて続きが楽しみでしょうがない気分で聴ける。自分で演奏したらどう感じるのか分からないが、音源を聴いている限りは後期の傑作とは違う意味で同じくらいの魅力を感じる。

ミサ曲第3番 ハ長調 聖チェチリア・ミサ Hob.XXII-5
4.0点
ミサ曲の中でこの曲だけ曲数が多い。これはものすごい力作であり、非常に感動的だ。交響曲の感覚では1765年はまだ初期であるが、実際には精神的に充実した一流の作曲家なのだと思い知らされる。バロックの息吹が感じられる響きや音楽の作りがまた素敵だ。バッハやヘンデルを思い起こす場面がある。ミサ曲らしい敬虔さや聖なる雰囲気と、それに加えた高揚感が楽しませる。曲のバラエティーの楽しさもあり、バッハのロ短調ミサ曲の有力な対抗馬とさえ言いたくなるほどだ。

ミサ曲第4番 ト長調 聖ニコライ・ミサ Hob.XXII-6
3.5点
バランスが良くてバラエティーに富んだ曲。バロックに近い素朴さが良い味になっていて、後期とは違う魅力になっている。敬虔さに感動させられる、宗教的な雰囲気が強くてミサ曲らしさがある。最後には強い感動で終わる。

ミサ曲第5番 変ロ長調 小オルガン・ミサ Hob.XXII-7
3.5点
瑞々しい繊細な感受性の表現が光る作品。冒頭から感傷的とも言える繊細さにおおっとなる。後期ほどの音の密度ではないにせよ、魅力でいえば同じくらいあるように感じられる。オルガンが大活躍でしんみりと敬虔な気分にさせるのが、また素敵である。最後の曲までも静謐である。

ミサ曲第6番 ハ長調 マリアツェル・ミサ Hob.XXII-8
3.3点
いい曲ではあるが、やはり後期の高みに登っている感がない。立派だが予想の範囲内であり、立体的な深みがない。とはいえ、対位法など聴きどころは多少はある。明るくて輝かしくて力強い曲。

ミサ曲第7番 ハ長調 戦時のミサ Hob.XXII-9
3.5点
後期のミサ曲の中で、充実度は変わらないが、なんとなくこの後のさらなる成長をみせる名作を予見させる作品というように聴いてしまう。どの曲も良いのだが、これは最高に良いという曲がなく、平均以上が続くように感じられる。濃厚さが少なくて、後期のミサ曲の中では少しだけあっさりしているようにも感じられる。

ミサ曲第8番 変ロ長調 オフィダの聖ベルナルトの讃美のミサ Hob.XXII-10
3.8点
立派で壮大な作品であるが、前半部分はやや立体的な奥深さには欠けるように思った。もちろん、このあとの驚異的な数作と比較しての話だが。そして後半はしなやかで敬虔さにあふれる音楽に変貌して感動に包んで最後を締めくくってくれる。驚くべき名作という聴後感を与えてくれる。構成が見事であり、充実感のある曲。

ミサ曲第9番 ニ短調 ネルソン・ミサ Hob.XXII-11
4.0点
ハイドンにしては非常に劇的であり、ロマンティックささえも感じる作品で、モーツァルトの短調の曲を連想する。それと同時にハイドンらしい格調高い立派さに溢れている。多くの楽想はいずれも素晴らしい表現の力強さに満ちており、確信に満ちた輝かしさも感じる。そのような方向性の作品としては確実にハイドンの作品の中で頭ひとつ抜けた曲だろう。とにかく充実した立派で劇的な作品。

ミサ曲第10番 変ロ長調 テレジア・ミサ Hob.XXII-12
4.0点
壮大に全体を包み込むような大きな包容力、気宇広大さ、敬虔さと優しさ、そういったものに心を委ね、時に圧倒される楽しさに満ちた曲。1曲目から何度も聴いているうちに、すっかり好きになってしまった。旋律も全体的に魅力的であり、多くの楽想が詰まっている。内容の充実感でいえば交響曲よりかなり上という気がする。

ミサ曲第11番 変ロ長調 天地創造 Hob.XXII-13
3.8点
すっきりした壮大さと、明快な明るい感じが全体の雰囲気になっている。しかし、シンプルすぎて深みや陰影がやや欠けるかなとは思う。10番ほどの名作には感じられない。しかし、5曲目と6曲目がしなやかで感傷的な感動的な曲。前半の物足りなさを吹き飛ばしてくれる。

ミサ曲第12番 変ロ長調 ハルモニー・ミサ Hob.XXII-14
3.3点
とても立派なのだが、全体に立派なだけという印象を持ってしまった。心に残る場面は少ない。充実感はもちろんあるが、それだけではやはり満足に限界がある。



宗教曲

テ・デウム ハ長調 Hob.XXIIIc-2

スターバト・マーテル
3.5点
爽やかさと活力のある敬虔さともいうべき雰囲気が楽しめる音楽。正攻法で魅了がある古典派宗教曲の良作だと思う。音楽として楽しいから長さが全然苦にならない。シンプルではあるが、音楽の情報量は十分に多い。どの曲も音の作る雰囲気に心がウキウキしながら聴ける。宗教的すぎないが、十分に敬虔な気持ちにさせるものがあり、そのバランスが良い。

サルヴェ・レジーナ
3.0点
オルガンの活躍が面白い。ハイドンにしてはかなり深刻な音楽。悲しみに満ちている真剣な音楽。しかし、短いせいかもしれないが、なぜか不思議と心を強くは打たなかった。

https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3%28%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%A2%E6%9B%B2%E3%80%81%E5%A3%B0%E6%A5%BD%E6%9B%B2%29


モーツァルト級の名曲を一曲でも作れば永遠に聴かれ続けるけど、いまいちな曲を何百曲作っても誰も演奏しないし、誰も聴かない。

ハイドンは有り余る才能を無駄にしましたね。

ハイドン、愚かなり。



19:777 :

2022/06/07 (Tue) 02:19:47


ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ(Giovanni Battista Viotti, 1755年5月12日 - 1824年3月3日)


ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲 第22番 イ短調
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/922.html  
20:777 :

2022/06/07 (Tue) 15:32:56

モーツァルトは子供の書いた音楽
特に人気オペラは騒々しいだけで品が無い酷い曲

モーツァルトは文部省唱歌と同じ様に懐メロとして聴かれている
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart、1756年1月27日 - 1791年12月5日)


最美の音楽は何か? _ モーツァルト『フィガロの結婚 K.492』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/256.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ K.527』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/255.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ K.588』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/544.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『魔笛 K. 620b』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/254.html


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最美の音楽は何か? _ モーツァルト 『クラリネット協奏曲イ長調K622』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/226.html

モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/975.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421(417b)』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/246.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K.428』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/231.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K. 370 (368b)』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/240.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『フルート四重奏曲 第1番 ニ長調 K. 285』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/241.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/230.html


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最美の音楽は何か? _ モーツァルト 『ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K. 271 ジュノーム』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/465.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K. 459』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/553.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/552.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K. 467』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/551.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K. 482』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/1050.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト 『ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/228.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト 『ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/227.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ協奏曲 第26番 ニ長調 KV 537 戴冠式』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/550.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/549.html


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最美の音楽は何か? _ モーツァルト『幻想曲 ニ短調' K.397/385g』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/554.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト 『ピアノソナタ 第8番 イ短調』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/238.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K.332』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/239.html


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最美の音楽は何か? _ モーツァルト『アダージョとフーガ ハ短調 K.546』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/464.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477(479a)』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/477.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク K. 525』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/243.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K. 334 (320b)』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/242.html


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最美の音楽は何か? _ モーツァルト 『交響曲第25番 ト短調 K. 183 』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/251.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『交響曲第38番 ニ長調 K. 504 プラハ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/250.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『交響曲第39番 変ホ長調 K. 543』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/391.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『交響曲 第40番 ト短調 K.550』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/249.html

最美の音楽は何か? _ モーツァルト『交響曲第41番 ハ長調 K.551 ジュピター』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/244.html


モーツァルトは子供の音楽ですね。 一番評価が高いオペラもヘンデル、モンテヴェルディ、ワーグナーに全然敵いません。
子供の天才は逆立ちしても大人の天才には敵わないのです。

世の中にはモーツァルトばかり聴いている人もいますが、大人の書いた複雑な音楽は理解できないという事ですね。

アメリカ人はドストエフスキーを探偵小説として読んでいる、川端康成の雪国を純愛小説だと思って読んでいる、タルコフスキーの惑星ソラリスをSF映画として見ている。

知的レベルによって、同じものを鑑賞しても捉え方が全然違ってくるのです。
21:777 :

2022/06/07 (Tue) 15:33:10


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756 - 1791)

天才なバランス感覚、歌心を音に込める才能、あらゆる音楽を自分のものとして取り込む柔軟性、職人技を持っている。
顔で笑って、心の底では泣いているような音楽。寂しがったり、はしゃいだり、おどけたり、そんな人間的なところが大きな魅力である。
一方で「悪魔が人間を惑わすためにこの世に送り込んだ音楽」というゲーテの言葉も非常に素晴らしく見事に特別性を言い当てている。
早熟であり、日本の高校生くらいの年齢の曲で既に神が宿ったかのような天才性や別格性を発揮している。


管弦楽曲

交響曲
最後の二曲が最高であるため、モーツァルトの重要なジャンルというイメージがある。しかし、41曲もあるが30曲は18歳までに書かれた作品。それ以降も改編や急造の曲などあり、ピアノ協奏曲と比較するとモーツァルトにとっては主要ジャンルとは言えなかったのでは、という印象である。特に初期は番号付以外にも多くの曲があり、未熟な三品ばかりである。しかし初期にもモーツァルトの成長の過程がはっきりと現れているのを追いかける楽しみがある。ここでは、ごく初期の作品は除外している。

交響曲 ヘ長調 K.75 (1771 旧全集番号では第42番)
2.5点
節回しにハイドンの影響を感じる。全体に元気がよい感じが好印象。モーツァルトらしい特別さはほとんどなく、偽作説に納得ではあるのだが、なぜだか聴きやすい。

交響曲第12番 ト長調 K.110(75b) (1771)
3.3点
冒頭のバロックの息吹を感じる清冽な輝かしいメロディーが、モーツァルトとしては珍しいもので、耳に強く残る。それ以外の部分も輝かしい印象。まだ未熟ではあるが、この爽やかさの魅力は忘れがたいものがある。

交響曲 ハ長調 K.96(111b) (1771? 旧全集番号では第46番)
2.8点
1楽章のオペラの序曲のような明るい始まりと、モーツァルトには珍しい2楽章の古風な同じリズムがずっと続く憂いのある音楽がよい。楽章に個性があり聴き栄えのする曲。

交響曲第13番 ヘ長調 K.112 (1771)
2.8点
爽やかなだけで、特徴が少ないため、単に未熟な発展途上の曲に聴こえる。特に素敵だと思うような箇所はなかった。

交響曲第14番 イ長調 K.114 (1771)
3.5点
1楽章の冒頭の流麗で上品なメロディーの魅力はかなりのものである。彼の特質と天才性を見事に見せつけている。それ以外もどの楽章も後年を彷彿とさせる立派さとメロディーの魅力をふんだんにみせる素晴らしい作品であり、初期の交響曲の傑作と言っていいだろう。

交響曲第15番 ト長調 K.124 (1772)
2.8点
2楽章がしなやかな旋律のなかなか美しい曲だと思う。他の楽章はシンプルすぎてまだまだ未熟感が漂っており、感動には届かない。

交響曲第16番 ハ長調 K.128 (1772)
2.5点
1楽章が3拍子で舞踏性が高いのが面白い。2、3楽章もその雰囲気を受け継いでいる感じがする。とはいえそれだけであり、音の密度が薄い未熟感がまだまだ気になる。

交響曲第17番 ト長調 K.129 (1772)
2.3点
しなやかな雰囲気を楽しむ曲と思う。しかし、内容が薄くて聴き終わっても特に何も残らない。

交響曲第18番 ヘ長調 K.130 (1772)
2.3点
爽やかな中に少しモーツァルトらしい感性の強さが少しずつ表現され始めているようには思えるが、まだまだ非常に微妙なレベルである。

交響曲第19番 変ホ長調 K.132 (1772)
2.3点
規模がかなり大きくなった。しかし、内容がそれに伴った感じではない。あくまで、もっと後の曲のような規模感だけであり、内容は初期の未熟さから卒業できておらず、あまり面白くない。

交響曲第20番 ニ長調 K.133 (1772)
3.0点
祝典交響曲で華やか。2楽章のメロディーなど、聴き栄えのする楽しみのある曲でよい。4楽章のメロディーはハイドンみたいだ。規模感に内容が伴っている。

交響曲第21番 イ長調 K.134 (1772)
2.3点
J.C.バッハやC.P.Eバッハと聴いた印象がかなり近い。主題が単純であり、優美さやバランスの良さもまだ不十分であり他の作曲家を凌駕するものを感じない。唯一3楽章の中間部が耳を捉えた。

交響曲第22番 ハ長調 K.162 (1773)
2.3点
1楽章はメロディーが単純すぎる。2楽章と3楽章はいくぶんましだが、単純明快すぎてやはりあまり楽しめない。

交響曲第23番 ニ長調 K.181(162b) (1773)
3.0点
全3楽章8分で切れ目なく演奏。トランペットの輝かしさにより祝典的で高揚感のある雰囲気が創られている。割と好き。

交響曲第24番 変ロ長調 K.182(173dA) (1773)
2.3点
全3楽章10分の短い曲。この曲はメロディーに魅力がないため、あまり面白い曲ではい。短いため聴き通すのは容易だが、楽しめずに終わる。

交響曲第25番 ト短調 K.183(173dB) (1773)
5.0点
アマデウスの冒頭だが、この曲の燃えるような情熱は素晴らしい。40番より熱気があり心を動かされる。

交響曲第26番 変ホ長調 K.184(166a) (1773)
3.5点
全3楽章で続けて演奏される。これは深みがあり初期の中でも特に注目するべき曲の一つ。1楽章はイタリア風で快活で面白いが、素敵なのは2楽章と3楽章。短調でドラマチックで陰影に富んだ2楽章は晩年の作品以上にロマンチックである。3楽章はその余韻を反映した晴れやかな感情に満ちた曲で感動的。

交響曲第27番 ト長調 K.199(161b) (1773)
2.8点
快活で颯爽とした魅力がある。2楽章の滋味あふれる雰囲気はモーツァルトにしては珍しい。

交響曲第28番 ハ長調 K.200(189k) (1774)
3.0点
初期の一連の交響曲の中で最後に書かれた曲。ティンパニを使用しハ長調の堂々とした曲想が特徴。特殊なことをしている場面は少ないが、憂いがなく華やかで爽やかで輝かしいモーツァルトを楽しめる点で価値がある。

交響曲第29番 イ長調 K.201(186a) (1774)
4.0点
初期の交響曲の中では25番についで有名。明るい瑞々しい感性に支えられた勢いと楽しさ、爽やかさと優美さが、愉しいメロディーとともに奏でられており、それらが巨匠的な完成度で練り上げられて作品化されている。初期らしい汚れのなさと、聞きやすさで、後期の交響曲の中の大半の曲よりも魅力がある。

交響曲第30番 ニ長調 K.202(186b) (1774)
2.5点
初期の最後の交響曲で、それなりの規模と充実感はあるが、ありきたりな素材ばかりである。成熟して立派さが現れてきており、明るくて華やかであるが、深みや新鮮さには欠けると思う。

31番以降(20歳以降の作品)
交響曲第31番 ニ長調 K.297(300a)『パリ』 (1778)
2.5点
この曲は異例なほど推敲を重ねたそうだが、残念ながらその結果が自分にはあまり素晴らしいと感じられない。名曲とまではいかないと思う。

交響曲第32番 ト長調 K.318 (1779)
3.0点
1楽章のような長さの連続した曲の中に3つの楽章があるという特殊構成。印象的な冒頭を始めとして内容が豊富で、30番台前半では一番よい曲だと思う。

交響曲第33番 変ロ長調 K.319 (1779)
2.5点
1楽章は主題に多少の目新しさはあるものの、基本的に普通。2楽章は優美だが、天才性はあまりない。3楽章のメヌエットはごく普通。4楽章はオペラの伴奏みたいで面白くない。

交響曲第34番 ハ長調 K.338 (1780)
2.8点
メヌエットなし。1楽章はごく普通の序曲風の曲。2楽章は半音階を使ったメロディーがやや目新しいものの、全体の印象は普通だし冗長。3楽章は伸びやかで三連符の連続的な使用は目新しく、エネルギッシュで一番聴き所がある。

交響曲第35番 ニ長調 K.385『ハフナー』 (1782 セレナーデからの改変曲。)
3.3点
1楽章はオペラの序曲のように快活。2楽章は優美で呑気で美しく、この曲で一番印象的。3楽章は優美で華やかさのあるメヌエット。4楽章は祝典的。全体に元々がセレナーデとして書かれて改作されただけあり、天才的というほどではないが優美な華やかさを楽しめる。

交響曲第36番 ハ長調 K.425『リンツ』 (1783)
3.5点
どの楽章もオペラの音楽のようだ。登場人物が何かの行動をして物語を進行させているような生き生きとした感じがある。1楽章はオペラの序曲にそのまま使えそうである。たった四日で書かれたのは凄いが、知っていて聴くとやはりどこか仕事の荒さを感じてしまう。

交響曲第38番 ニ長調 K.504『プラハ』 (1786)
4.0点
39番より華やかでありながら叙情的であり各楽章に光る部分がある。特に1楽章は秀逸でメロディーが印象的。最後の3大交響曲はどの曲も特殊さがあるので、この曲は堂々とした正統派の音楽としては最大の交響曲かもしれない。

交響曲第39番 変ホ長調 K.543 (1788)
3.5点
最後の三大交響曲の1作だが、他2作と比べてしまうと地味であり、音楽の複雑度が低くて単純に聞こえるため物足りなく感じる。1楽章の純白の世界は素晴らしいのだが、2楽章と3楽章がもの足らず、4楽章もノリノリで楽しいがメロディーの魅力が足りない。個人的には、40番および41番と同時に書かれたとはいえ、3大交響曲として一括りにするべきでない大きな差があると思う。

交響曲第40番 ト短調 K.550 (1788)
6.0点
1楽章の有名メロディーはやはり非常に印象的であり、第二主題の魅力も全体構成も完璧な出来である。秋の憂愁と人間愛を感じさせる2楽章がまた大変に感動的で、どんなロマン派の曲も凌駕するほどに人間的でロマン的で胸がいっぱいになる。3楽章は3小節区切りなのが面白い。4楽章の性急さはモーツァルトがよく見せるものでやや小ぶりな印象があり、神がかり的とまではいかないが、この名作の締めくくりには十分な出来である。

交響曲第41番 ハ長調 K.551『ジュピター』 (1788)
6.0点
壮麗で神々しくて全世界に君臨する神のような偉大さを感じさせる音楽であり、まさに「ジュピター」の名がピッタリである。特に1楽章はそうなのだが、2楽章や3楽章でさえも、神々しさを発揮しているのが凄い。1楽章は堂々とした開始部分から、人間には及びもつかない神々の領域を感じさせる天上的で壮大で、かつ完璧なバランスで造形されている驚異的な音楽である。最後のフーガ楽章の畳み掛けるような高揚感と圧倒的な充実感の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。


セレナーデ

セレナーデ第1番 ニ長調 K.100(62a) (1769 カッサシオン ニ長調 K.62と同一。)
2.8点
13歳の作品。素朴な音楽の作りは幼さとともに古典派の初期の作曲家達の作品を想起するが、既に十分にセンスが良くて楽しい気分になれるのはさすがである。27分もの大作だが寛いで楽しく聴ける。

セレナーデ第3番 ニ長調 K.185(167a) (1773)
2.8点
45分。1曲目が面白くない。全体に古典派の標準を越えていない単純な書法。しかしだんだん耳が慣れてくるのか、聴き進むにつれてヘンデル的な華やかさや、活力のある音楽が楽しく聴けるようになってきて、聞き終わるとそれなりに満足できる。

セレナーデ第4番 ニ長調 K.203(189b) (1774)
2.8点
この時期のセレナーデにしては、優美で現代の楽器に合っている雰囲気である。快活さが足りないかわりにしっとりしていて、後年において増える雰囲気が出ており、聞きやすい。

セレナーデ第5番 ニ長調 K.204(213a) (1775)
2.8点
K.203からさらに進歩している。書法がこなれてきており、モーツァルト独特の気の利いた場面転換の巧みさが目立つようになっている。物語のような性格があり、オペラを聴くように楽しめるのも特徴。コミカルでドタバタ劇のような雰囲気もある。

セレナーデ第6番 ニ長調 K.239 『セレナータ・ノットゥルナ』 (1776)
3.0点
祝典的な華やかな雰囲気を管楽器を使わずに見事に出していて、なかなか楽しめる。メロディーも耳に残るもの。ティンパニを使っている場面もそれに頼っていない。最後のティンパニ独奏にはびっくりする。

セレナーデ第2番 ヘ長調 K.101(250a) (1776)
2.3点
弦楽合奏の短いセレナーデ。メロディーが地味で幼く聞こえる。あまり良い曲ではないと思う。

セレナーデ第7番 ニ長調 K.250(248b) 『ハフナー』 (1776)
2.8点
オーケストラ曲。全8楽章1時間。和声は単純であり、複雑さはあまり楽しめない。だが、結婚式の前夜祭のための曲というだけあって、貴族的なキラキラした華やかさと祝典的気分に溢れており、その点では楽しめる。また中間の2楽章から4楽章までがヴァイオリン協奏曲のようであり、この独奏は単なる単純明快さだけでない複雑さや音の動きを楽しめる。

セレナーデ第8番 ニ長調 K.286(269a) 『ノットゥルノ』 (1776/77)
2.8点
コンパクトで聞きやすい。変化はあまり多くなくシンプルすぎるため、現代的な意味ではあまり高く評価しにくいところがある。ただ、柔らかく美しい音楽を基調としつつ控えめに適切な快活さなどを取り入れていて、音のつくりはよい。娯楽音楽としてそれなりのレベルにあると思う。

セレナーデ第9番 ニ長調 K.320 『ポストホルン』 (1779)
3.5点
1楽章はオペラの序曲のような堂々とした曲。2楽章は後期の交響曲のメヌエットのような堂々とした曲。3楽章と4楽章は繊細な雰囲気。4楽章の管楽器の活躍は楽しい。5楽章は短調で気分転換。6楽章のポストホルンはラッパの音色が楽しい。7楽章はノリノリ。

セレナーデ第10番 変ロ長調 K.361(370a) 『グラン・パルティータ』 (1781/83-84?)
3.3点
成熟したモーツァルトらしいハルモニームジークの曲であり、初期とは一線を画している。様々な気分を内包しつつ、しなやかさを持った明るい楽しめる音楽を作っているのはさすがだ。しかし、フットワークの軽さ、場面転換の鮮やかさなどの特質が活かせないので、管楽合奏はやはりあまりモーツァルトには向いていないと思う。

セレナーデ第11番 変ホ長調 K.375 (1781, 改訂1782)
2.8点
管楽器の合奏としての楽しみよりも、モーツァルトらしい曲としての楽しみの方がようやく上回った曲だと思う。かなり成熟しており、制約に縛られずに伸び伸びとしたモーツァルトらしい旋律や雰囲気を作れている。ただ、それでも十分にいい曲であるという印象には至っていない。


セレナーデ第12番 ハ短調 K.388 (384a) 『ナハトムジーク』 (1782/83)
3.5点
管楽器の合奏によるハルモニームジーク。弦が無いのに慣れると、音色を楽しめる。

セレナーデ第13番 ト長調 K.525 『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』 (1787)
5.5点
有名曲。簡潔でありながら豊かな内容を持ち、優美で非の打ち所がない完璧な均整が取れている。4楽章がすべてよい出来でありバランスが良い。



ディヴェルティメント

ディヴェルティメント 第1番 変ホ長調 K.113 (1771)
2.5点
音に充実感が出てきたが時代の第1作なのだが、音楽がありきたりで、新鮮な素晴らしさに欠けてあまり面白くないと思う。

ディヴェルティメント K.136(125a) ニ長調 (1772):弦楽四重奏
3.5点
冒頭のメロディーがキャッチーで耳に残る。明るく快活でのびやかな雰囲気が楽しい曲であり、優美さとも両立している。

ディヴェルティメント K.137(125b) 変ロ長調 (1772):弦楽四重奏
3.0点
K.136が直球勝負の曲なのに対して、この曲は冒頭いきなり悲劇的に始まりその後もしばらく穏やかであるなど、変化球の曲である。とはいえ途中の本編からは伸びやかな曲になり、その部分はK.136と同様に素敵である。

ディヴェルティメント K.138(125c) ヘ長調 (1772):弦楽四重奏
3.0点
K.136やK.137と同様の弦楽四重奏によるディベルティメント。優美で中庸なテンポで違いを作っている。メロディーの魅力があと一息であり惜しい印象。所々美しい場面がある。

ディヴェルティメント 第2番 ニ長調 K.131 (1772)
3.0点
30分の大作。既に活き活きとした楽しい音使いで聞き手を楽しませる技を完全にマスターしており、ディベルティメント作曲家としては完成している。若い時代のシンプルな清々しさと音楽のバラエティーを楽しめる。

ディヴェルティメント 第4番 変ロ長調 K.186(159b) (1773)
2.5点
K166と同じくハルモニームジークで印象もほぼ同様。楽しいがごく普通の曲。

ディヴェルティメント 第3番 変ホ長調 K.166(159d) (1773)
2.5点
管楽合奏のハルモニームジーク。初期らしい爽やかさだが、モーツァルトの独自性をあまり感じないごく普通の曲。

ディヴェルティメント 第7番 ニ長調 K.205(167A) (1773)
2.5点
素朴すぎて、モーツァルトの天才性が発揮できていない。ごく普通の曲が並んでいる。

ディヴェルティメント 第8番 ヘ長調 K.213 (1775)
2.8点
モーツァルトらしさ、音楽の充実感において、1773年作のディベルティメントとは雲泥の差である。しかし、まだハルモニームジークの制約により十分な力を発揮出来ていないように聞こえる。

ディヴェルティメント 第9番 変ロ長調 K.240 (1776)
3.0点
この曲ではハルモニームジークの穏やかさとモーツァルトのセンスが融合して、ようやく独自性がある作品として完成レベルに達したという印象。

ディヴェルティメント 第12番 変ホ長調 K.252(240a) (1776)
2.8点
この時期の他の曲と似たようなハルモニームジーク。あと少し何か輝くものが欲しい所。

ディヴェルティメント 第6番 ハ長調 K.188(240b) (1776)
2.5点
2本のフルートと5本のトランペットとティンパニ。広々とした元気な印象を与える編成を楽しめる。曲は普通。

ディヴェルティメント 第10番 ヘ長調 K.247 (1776)

ディヴェルティメント 第11番 ニ長調 K.251 (1776)
2.5点
本当にモーツァルト作のディベルティメントなのか耳を疑ってしまった。バロック的な清澄な響きであり、和声があまり機能していない。モーツァルトらしいフレーズがあまり登場しない。このようなバロック的な音楽の世界はそれはそれで別ジャンルとして好きではあるのだが、やはりモーツァルトらしさに驚くほど欠ける曲である。

ディヴェルティメント 第13番 ヘ長調 K.253 (1776)
3.0点
ハルモニームジーク。1楽章の変奏曲が目新しくて面白い。他の楽章も軽快でなかなか楽しい。

ディヴェルティメント 第14番 変ロ長調 K.270 (1777)
2.8点
ハルモニームジークだが、モーツァルトの管弦楽曲のような優美なメロディーが取り入れられている。ありきたりではないが、必ずしも管楽合奏の良さを活かせているとはいえないと思う。

ディヴェルティメント 第15番 変ロ長調 K.287(271H) (1777)
2.5点
かなり長い曲。全体に平凡でモーツァルトらしい冴えや天才性が感じられなくて、あまり楽しめない。

ディヴェルティメント 第16番 変ホ長調 K.289(271g) (1777) …偽作説が有力。
2.0点
リズムが平板であり、メロディーも面白くなくて、ひどくのっぺりした印象。メロディーの癖にモーツァルトらしさがなく、確実に偽作だと思う。

ディヴェルティメント 第17番 ニ長調 K.334(320b) (1779)
3.3点
弦楽合奏の曲。有名だが長いし演奏を選ぶと思う。曲中では有名なメヌエットがやはり断然輝いてる。他も優雅で充実した娯楽音楽だが、感動を感じるほど素晴らしいとは思わない。

ディヴェルティメント K.563 変ホ長調 (1788):弦楽三重奏
4.0点
何度聴いても飽きない充実の名作。他のディベルティメントよりもはるかに充実したこの曲がたった3つの弦楽器で演奏されるというのが驚異的。


その他

フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477(479a)
4点
迫力ある短調の音楽。

『音楽の冗談』 (2Hr,2Vn,Va,Vc)K.522 (1787)
3.5点
人を馬鹿にしたようなネタが面白すぎ。ホルンが入っていて活発な曲調なので音も楽しめる。面白すぎて初めて聴いた時は声を出して笑ってしまった。特に最後の終わり方。聞いていると映画アマデウスに出てくる人をはしゃいでサリエリを小ばかにするモーツァルトの姿が思い浮かぶ。



協奏曲

協奏交響曲
オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 (1778 偽作?)
聴いた印象では、モーツァルトの手癖と少し違う感じのフレーズが多いと思った。したがって偽作だろうと思う。

ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 (320d) (1779)
2.8点
交響的な音の豊かさを持った曲なのだが、それがモーツァルトらしい独走楽器の伸びやかで自由な活発さという協奏曲のよさをスポイルしてしまっていると思う。特に目立つような良い点はないし、実際のところ決して悪い曲ではないにしても、聴いて楽しいモーツァルトの協奏曲の魅力に欠けているため、あまりお勧めできない。


ピアノ協奏曲
交響曲とは違い20歳以降に沢山の曲を書いている。20番で急に覚醒して、芸術性の高い作品群となる。それまではやはり、美しいものの演奏会用のエンターテイメント曲の粋を出ないと感じる。

ピアノ協奏曲第5番 ニ長調 K.175 (1773)
3.0点
4番までは編曲なのでオリジナル作品のピアノ協奏曲の第一作。爽快であるとともに、トランペットとティンパニの祝典的な雰囲気が楽しい気分にさせる。2楽章の瑞々しさも魅力。バランスが良くて、ピアノがよく歌っており、既に完成度がかなり高い。協奏曲の作曲家としての才能の高さに痺れる。

ピアノ協奏曲第6番 変ロ長調 K.238 (1776)
3.0点
1楽章は5番と同じ位に魅力的でより技巧的に華やかにした感じ。2楽章は5番より陰影が豊かになった。3楽章はメロディーがシンプルすぎていまいち。

ピアノ協奏曲第7番 ヘ長調 K.242『ロドロン』(3台のピアノのための)(1776)

ピアノ協奏曲第8番 ハ長調 K.246『リュツォウ』 (1776)
2.8点
1楽章は定形化の兆しを感じて、あまり面白くない。2楽章は美しいのだが、瑞々しく初々しいようなものが少なくなった。3楽章は悪くないがメロディーの魅力が今一歩。

ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271『ジュノーム』 (1777)
3.3点
冒頭にいきなりピアノが登場するのは先駆的で最初は驚くが、慣れてくると後世の作品と比較すればごく控えめな使われ方であると感じる。清新で瑞々しさがあると共に、充実感が20番以降に匹敵するほどであり、名作の一つである。

ピアノ協奏曲第10番 変ホ長調 K.365(2台のピアノのための) (1779)

ピアノ協奏曲第11番 ヘ長調 K.413 (1782-83)
2.0点
特にこれといった魅力がない。

ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414 (1782)
3.0点
アダージョ楽章が優美でなかなかよい。他楽章もよく、10番台前半の中では音楽に魅力があり聞きほれる。

ピアノ協奏曲第13番 ハ長調 K.415 (1782-83)
2.5点
祝典的雰囲気が少しあり楽しい気分を感じる。

ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 K.449 (1784)
2.5点
ピアノ独奏が華やかさを増して、20番台に近づいた感がある。

ピアノ協奏曲第15番 変ロ長調 K.450 (1784)
2.5点
アダージョの美しさとロンドのノリノリで華やかな感じはなかなか良い。

ピアノ協奏曲第16番 ニ長調 K.451 (1784)
3.0点
20番台に匹敵する充実感を感じられるようになった。

ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453 (1784)
3.0点
優美さを持っており長い作品の中で微妙なニュアンスの移ろいを楽しめる。

ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K.456 (1784)
2.5点
充実感はあるものの、耳をひいたり胸を捉えるような素晴らしい瞬間はあまりない。

ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459 『第二戴冠式』(1784)
3.0点
祝典的な華麗さがあって聴いていて楽しい。

20番以降
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 (1785)
5.5点
内に秘めた情熱と悲しみの第1主題と、そこからの展開として絶妙な心の中で泣いているような第2主題のどちらも良い1楽章。感動を内包する素晴らしく魅力的な静寂の主題と、強烈な対比をみせる激情的な中間のどちらも素晴らしい2楽章。疾走感があるロンドが、カデンツァのあとに最後にパッと雲が消えたように晴れやかに終わる感動的な3楽章。すべてが完璧な大傑作である。

ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467 (1785)
4.5点
いいメロディーが沢山あって聴きやすい。

ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482 (1785)
3.5点
スケールの大きな威勢のいい曲。

ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488 (1786)
5.0点
こじんまりとしているが、非常に愛らしくて可愛らしさに心を奪われる1楽章。歌曲のように憂いのある優れたメロディーを存分に歌わせる2楽章。めまぐるしく新しい主題が出てきて息をつかせない3楽章。どれも素晴らしい。逸品である。

ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491 (1786)
4.0点
ソナタもそうだが短調の二曲目の方はハ短調で少し理屈っぽい。でも慣れると感動的。

ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 (1786)
3.5点
20番台の中では地味でずば抜けた所が無い。それでも10番台よりはいい曲。

ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537『戴冠式』 (1788)
4.0点
華やかな中に独特の美しさが散りばめられている。

ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595 (1791)
4.5点
最後の年の曲であり、透明な純白の曲調。1楽章の気力が衰えた感じの第1主題からして聴いていて悲しくなる。3楽章の三拍子の主題メロディーは、顔で笑って心で泣いている雰囲気の代表的なものであり、感動する。

ヴァイオリン協奏曲
残念ながら19歳で打ち止めなので、ピアノ協奏曲と比較すると見劣りする。

ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207 (1775)
2.5点
書法の未熟さが気になる。あまりに単純なフレーズが多く作曲の初心者のようだ。ただしモーツァルトらしい魅力ほそれなりにある。

ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211 (1775)
2.5点
快活さや優美さに一定の魅力はあるが、オーケストラの四分音符伴奏など内容面で未熟さが気になる。

ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216 (1775)
3.0点
優美でありながら生き生きとした雰囲気は悪くないし、書法に進歩が見られるものの、旋律があまり印象的ではない。

ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218 (1775)
3.3点
明るく優美であり、楽想の繋ぎが流れるようになっている。旋律も少し良くなっている。3番よりも進歩が見られる。

ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調『トルコ風』K.219 (1775)
3.8点
キャッチーなメロディーが多くて聴きやすく楽しめる。どの楽章も耳を楽しませる分かりやすいフレーズのオンパレードである点ではモーツァルトでもかなり上位であり、深みに欠けるものの、かなり楽しめる。明るく快活で、雰囲気が良い。

2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ K.190(186E)
3.0点
コンチェルーネという名称であるが、長い曲である。オーボエの独奏もときどき入っていて目立つ。それほど協奏曲らしい活発さがない、まろやかで柔らかくて大人しい曲。まったりした雰囲気の中で多くの独奏パートがはっとするような刺激をくれるため、娯楽曲としては案外楽しめる。

ヴァイオリンと管弦楽の為のアダージョ ホ長調 K.261
3.3点
単発の曲としては、このアダージョは陰影をもったしみじみとした美しさを堪能できるためK.269よりも楽しめる。ヴァイオリンを存分に歌わせていて、聴き応えがある。

ロンド 変ロ長調 K.269(261a)
2.8点
ヴァイオリン協奏曲の最終楽章としてなら悪くない曲。この時期らしい出来になっている。しかしながら、単発の楽章だけで聴くと深みが足りない。わざわざ聴くべき内容ではない。

ロンド ハ長調 K.373(フルート協奏曲版(K.Anh.184)あり)
3.3点
優雅なロンドのテーマは耳に残るもの。一連のヴァイオリン協奏曲よりも後に書かれたことによる成熟と、優雅な楽しい雰囲気を楽しめる小品。


管楽器のための協奏曲

管楽器の明るく伸びやかで歌心溢れた協奏曲群はモーツァルトの特質が生かされており素晴らしい。

バスーン協奏曲 変ロ長調 K.191(186e) (1774)
3.3点
18歳の作品なので深みはないが、一流の音楽的センスは完成の域に達している。彼のセンスが管楽器の協奏曲においてプラスに働いていており、センスが良く音楽的に楽しめる作品である。

フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299 (297c) (1778)
4点
2楽章の高雅な美しさは知名度どおりの素晴らしさ。これほどまでに雅な音楽は思い当たらないくらい。キラキラした西洋の貴族というよりも平安時代以来の伝統の日本の京都の貴族をイメージするのは自分だけだろうか。しかしながら、1、3楽章はあまり冴えない曲で印象に残らない。

フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313(285c) (1778)
3.0点
フルート協奏曲の2番と比較すると旋律の魅力に欠けており冴えがない。フルートの魅力を生かした良い作品ではあるだが、古典派の中の並みのレベルだと思う。

フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314 (1778)
3.5点
1楽章は伸びやかで明るくて清々しい。軽やかな気持ちなれる曲である。2楽章は優美でフルートの軽やかさと清らかさが活かされてる。3楽章の明るくて快活なところも魅力。全体的に深さはないもののフルート協奏曲として非常に魅力的な曲。

オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314(285d) (1778)
フルート協奏曲2番と同曲(先にオーボエ協奏曲が書かれたものをフルート協奏曲に編曲)

ホルン協奏曲第1番 ニ長調 K.412+K.514(386b)
3.5点
1楽章は柔らかく美しいメロディーが優れている充実した傑作。メロディーセンスが光る。2楽章は1楽章ほどの名曲感はなく普通。この曲はモーツァルトが無くなった年に書かれたのが定説との事だ。その割には晩年の透明感はないが、充実の傑作である。

ホルン協奏曲第2番 変ホ長調 K.417 (1783)
2.5点
ホルンの柔らかさを楽しめるが、わりと当たり前のフレーズばかりで、内容に隙間が多く、印象に残らない。

ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447 (1783)
3.3点
1、2楽章はモーツァルトらしい繊細な流麗さがよく発揮されている。3楽章の快活さもホルン協奏曲なので控えめであるものの楽しい。

ホルン協奏曲第4番 変ホ長調 K.495 (1786)
3.3点
3番と似た感じだが、どことなくより繊細さが増している気がする。この曲に限らずホルン協奏曲全曲に言えるが、フルートなどの他の管楽器の協奏曲とは一味違うホルンらしい温かみを上手く活用した楽しい古典派協奏曲である。

クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 (1791)
5.5点
モーツァルトの協奏曲の最高傑作だと思うし、全作品の中でも屈指の出来栄えだと思う。モーツァルトの協奏曲のフレームワークは他の曲と同様だが、この曲はその中で天才的なバランスを保持しながら、愛おしさ、人恋しさや諦観や未来への希望を歌心いっぱいに表現している。充実感と感動にあふれていて、強く胸を打つ作品になっている。

フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(1778)
3.3点
歌心があり朗らかで牧歌的な主部と、陰影のある中間部。変化もあり中身は濃い。協奏曲の緩叙楽章としては、なかなかの出来だと思う。



室内楽曲

弦楽五重奏曲
30歳を超えて、四重奏よりも力を入れたジャンル。ヴィオラ1本でだいぶ印象が違う。充実作が並ぶ。

弦楽五重奏曲第1番 変ロ長調 K.174 (1773)
2.5点
爽やかで若々しいが、それ以上の魅力はない。とはいえ五重奏の音の充実感は楽しめる。

弦楽五重奏曲第2番 ハ短調 K.406(516b) (1787年 管楽セレナードK.388 (384b) の編曲)
3.5点
管楽セレナードの編曲。短調曲だが、悲痛な感じはあまりなく、美しく短調のメロディーを鳴らすのを楽しめる。どの楽章も内容が充実している。

弦楽五重奏曲第3番 ハ長調 K.515 (1787)
3.5点
1楽章は広々とした旋律で始まるのが印象的。全編が清々しく美しくしなやかで豊かな雰囲気を持っている。二楽章はよくある雰囲気だが美しさに満ちてる。三楽章はいまいち。最終楽章もよくあるロンドだが、美しくて大規模。

弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516 (1787)
4.0点
憂いと悲しみを含んだメロディーが各所で現れる。イントロからして半音階的で悲しい。主要な短調の器楽曲の中で、ここまで憂いの色が濃い曲は無い気がする。アダージョは短調曲でのいつもの魅力を見せているが、その中でも傑作かもしれない。最終楽章がいつもと違いゆっくり始まるのが悲しいが本編は吹っ切れたかのような明るいロンド。

弦楽五重奏曲第5番 ニ長調 K.593 (1790)
4.0点
どの楽章も晩年の透明感を持つ美しさを楽しめる曲として貴重。人恋しさ、現世への儚くも淡い思い出を感じる。かなり名曲。

弦楽五重奏曲第6番 変ホ長調 K.614 (1791)
3.0点
最晩年の曲だが、5番ほど最後の透明な美しさを感じない。割と内容も出来も普通の曲だと思う。


弦楽四重奏曲

モーツァルトのカルテットは聴きやすいものの、ハイドンと比較すると自由闊達さも構築性も足りず、伸びやかさも足りない。どのジャンルでも高レベルな作品を作る彼においては、相対的にみてあまり向いているジャンルではないかもしれない。

弦楽四重奏曲第1番 ト長調「ロディ」 K.80(73f) (1770)
1.5点
まだ完全に未成熟な作品であり、スカスカで内容が無く面白くない。試しに聴いてみる以上の鑑賞価値はない。

弦楽四重奏曲第2番 ニ長調 K.155(134a) (1772)
3.0点
1楽章はメロディーに活き活きとしてかなり魅力的。2楽章は優美でそれなりに魅力がある。3楽章は可もなく不可もない。あっという間に終わる。弦楽四重奏曲の書き方に未熟な感はあるが、1番とは雲泥の差の作品である。

弦楽四重奏曲第3番 ト長調 K.156(134b) (1772、第2楽章改訂1773年)
3.0点
1楽章は愉しい雰囲気、2楽章は短調でともに雰囲気は良いが旋律の魅力としてはあと一息。3楽章は悪くない。4楽章で再びの短調の嘆きの歌で驚く。こちらはなかなか良い。序奏かと思いきや最後まで続く。

弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 K.157 (1772-1773)
2.5点
1楽章は旋律の癖にハイドンの影響を感じる。しかし旋律に幼さを感じていまいち。2楽章は短調。しかし単純すぎて魅力はいまいち。3楽章は舞曲のようで少し面白い。

弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調 K.158 (1772-1773年)
2点
1楽章はスカスカで未熟。2楽章は短調。スカスカでこれまでより劣る。3楽章もスカスカ。未熟な作品。

弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 K.159 (1773)
3点
4番あたりと比較すると成長著しくなかなかいい曲だと思った。

弦楽四重奏曲第7番 変ホ長調 K.160(159a) (1773)
3点
さわやかなディベルティメント風でいいと思った。

弦楽四重奏曲第8番ヘ長調 K.168 (1773)
3.0点
弦楽合奏にも使えそうな雰囲気。いい曲。

弦楽四重奏曲第9番イ長調 K.169 (1773)
3.0点
爽やかさと柔らかさを持っている。

弦楽四重奏曲第10番ハ長調 K.170 (1773)
2.8点
1楽章はしなやかで滋味があるところ、リズム感もハイドンに似ている。2楽章の単純ななかの響きの複雑さはなかなか良い。3楽章のしなやかで伸びやかな緩徐楽章はモーツァルトでは目新しい気がする。4楽章は普通。

弦楽四重奏曲第11番変ホ長調 K.171 (1773)
2.5点
おとなしい楽想。同時期の他曲と比較して少し落ちる気がする。聴く順番は後がいいかも。

弦楽四重奏曲第12番変ロ長調 K.172 (1773)
2.5点
11番同様に同時期の他曲と比較して少し落ちる気がする。ものすごく微妙な違いなので自信は無いが。

弦楽四重奏曲第13番ニ短調 K.173 (1773)
3.0点
初の短調のカルテット。モーツァルトの短調曲らしさがあり、聴く価値あり。


ハイドンセット
長い時間をかけて書かれた作品集。モーツァルトにしては作曲に時間をかけすぎた弊害で息苦しさがある、という意見に自分も賛成である。

弦楽四重奏曲第14番 ト長調『春』 K.387 (1782)
3.5点
一楽章がキャッチー。まさに春が訪れたように、明るく暖かくなりぱっと晴れたような気分になる。二楽章も三楽章も明るくて解りやすい。対位法的な高揚感のある四楽章もよい。全体に力作。

弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421(417b) (1783)
3.0点
ハイドンセット唯一の短調。二、三楽章がもの足らないし、一、四楽章も他の多くの短調の傑作と比べれば凡庸。それなりにいい曲ではあるが。

弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K.428(421b) (1783)
3.5点
人を愛おしく思うような感情が満ちている。柔らかくて優しい音楽。前半の二つの楽章が素晴らしい。

弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調『狩』 K.458 (1784)
3.5点
一楽章は牧歌的で活動的な主題が印象的。確かに狩りのようだ。二楽章も明るくてリズムに乗って主題が演奏されて愉しい。三楽章は美しく、四楽章はノリがよくて聞いていてウキウキする。

弦楽四重奏曲第18番 イ長調 K.464 (1785)
3.0点
ハイドンセットの中では規模は大きいが楽想は一番地味。大人しめの曲であり、それを代償とする際立ったものもない。いい曲ではあるが。

弦楽四重奏曲第19番 ハ長調『不協和音』 K.465 (1785)
3点
なんじゃこりゃ???、と驚く斬新な不協和音の冒頭は面白いアイデアで、ソナタの主題が魅力的になるのに大きな効果を発揮してる。全体に明るく美しさを重視した曲調でまとめられている。

ハイドンセット以降
弦楽四重奏曲第20番 ニ長調『ホフマイスター』 K.499 (1786年)
3.3点
全体にモーツァルトにしてはあまり音は耳触りの良い方ではないし明快さが少ないが、内面的に寂寥感や人恋しさを湛えていて精神面は充実している。4楽章でさえもどこか暗い。


プロシア王四重奏曲

弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K.575 (1789)
3.3点
しなやかで人間愛にあふれた切ない雰囲気が全体を支配している。また弦楽合奏の方が向いていそうな印象もあり、特に2楽章において特に顕著である。平均してどの楽章も充実している。

弦楽四重奏曲第22番 変ロ長調 K.589 (1790)
3.5点
2楽章が感動的。ハイドン後期の弦楽四重奏に近い。晩年らしい胸のうちに秘めた様々な感情が抑えきれずに音楽に現れている感じであり、聴き応えがある。

弦楽四重奏曲第23番 ヘ長調 K.590 (1790年)
3.3点
2楽章が一番良い。雰囲気や内容はプロシア王セットの他の2曲と同様。


弦楽三重奏曲

二つのヴァイオリンと低音楽器のためのアダージョとメヌエット K.266 (1777)
2.5点
かなり音のバランスが悪い特殊構成の曲。中間の音がないため、いわゆるドンシャリのような音がする。2つの楽章があるが、どちらもあまり面白い曲ではない。この曲は、特殊な構成であるという価値しかないと思う。

ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563 (1788)
ディベルティメントの方に記載。


弦楽二重奏曲

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 第1番 ト長調 K.423 (1783)
3.5点
決してキワモノ曲としていい加減に書かれた作品ではなく、随分と内容が充実している立派な作品である。アイデアが豊富につぎ込まれている。たった2声部にも関わらず驚異の充実感であり、アレンジだけでも楽しめる。この2曲において声部の不足に伴う違和感がほとんどないのだから、逆にいえばモーツァルトの音楽が本質的には2声部で書かれているということに他ならないのかもしれない。

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 第2番 変ロ長調 K.424 (1783)
3.5点
1番と同様の感想である。かなりの充実感のある作品である。

ピアノが入った室内楽曲
ピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンのための五重奏曲 変ホ長調 K.452 (1784)
2.5点
1楽章は冴えない。2楽章は優美でなかなか良いが感動する程のものではない。3楽章はいまいち。全体にいまいちだが、ハルモニームジークが好きな人や生演奏なら楽しめるだろう。

ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478 (1785)
4.0点
ピアノ入りの室内楽の中では本格派の曲。1楽章は典型的なモーツァルトのト短調。悲劇性を帯びている情熱的な曲。2楽章はなかなか美しい。ピアノ四重奏のバランスの良さがプラスに働いている気がする。そして何より3楽章が素晴らしい。ピアノ協奏曲のようなピアノと弦のかけあいや、次々とテンポ良くメロディーが移り変わっていく技法が上手い。

ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493 (1786)
3.0点
叙情的で大らかな雰囲気で魅力があり、1番と同様に本格的で響きが豊かで楽しめるが、特別感のある楽章が無く、モーツァルトとしては普通の曲。1、2楽章は割といいが3楽章が面白くない。

ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 K.254 (1776)
2.8点
ハイドンのような、古典派の中でも前期から中期のような素朴な曲と感じる。モーツァルトにしては爽快で快活さを味わう楽しみがある曲であり、成熟してからのピアノ三重奏曲の出来がいまいちなので、それよりむしろ魅力があるかもしれない。名作といはいえないが。

ピアノ三重奏曲第2番 ニ短調 K.442 (1783,90 未完成)

ピアノ三重奏曲第3番 ト長調 K.496 (1786)
2.0点
どの楽章も音がスカスカで聴いていて楽しくない。メロディーが面白くないし、楽器の絡みも面白くない。これはモーツァルトにしては駄作だと思う。

ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 K.502 (1786)
3.3点
2楽章がモーツァルトらしい純粋で切ない、協奏曲のかんじょ楽章のような美しさ。室内楽なのでより穏やかで個人的な切なさが表現される。1楽章と3楽章は名作とはいえはないが前作よりは充実している。

ピアノ三重奏曲第5番 ホ長調 K.542 (1788)
2.5点
3楽章が楽想豊かで快活でなかなか良いものの、全体的にはモーツァルトとしては水準以下。

ピアノ三重奏曲第6番 ハ長調 K.548 (1788)
2.5点
ピアノ三重奏の中ではしっかりした書法で書かれている曲だと思う。とはいえ音の薄さとチェロが有効活用されていないのは相変わらずだし、良いメロディーは無い。

ピアノ三重奏曲第7番 ト長調 K.564 (1788)
3.0点
前半の2楽章はK.548と音楽的レベルはほとんど同じレベルの印象だが、3楽章が最後のピアノ協奏曲27番を連想する晩年らしい純粋さを持った魅力作。

ピアノ、クラリネット、ヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調 K.498『ケーゲルシュタット・トリオ』 (1786)
3.5点
ボーリングの前身に興じながら書いたと言われる割には、随分と穏やかで上品な曲調である。クラリネットとヴィオラとピアノは特殊構成ながら非常にバランスが良く、この構成自体が見事な発明である。名メロディーは無いものの、楽しめるなかなかの佳品。


管楽器が入った室内楽曲

フルート四重奏曲第1番 ニ長調 K.285 (1777)
4.0点
フルートの輝かしい華やかさと優美さを存分に生かしており、快活な1楽章と3楽章が非常に魅力的。また2楽章の情緒的な悲しいメロディーもまた非常に魅力的。短いから聴きやすい。

フルート四重奏曲第2番 ト長調 K.285a (1778)
2.0点
1楽章も2楽章もつまらない。偽作の疑いがもたれているが、出来の悪さや響きの薄さを考えると、偽作の方がしっくりくる。

フルート四重奏曲第3番 ハ長調 K.Anh.171(285b) (1778)
3.0点
1楽章はフルートが出ずっぱりのソナタで、たいした曲ではない。2楽章は変奏曲でそれなりにバラエティーに富んでいるので楽しめる。

フルート四重奏曲第4番 イ長調 K.298 (1788)
3.0点
他の作曲家の歌曲のメロディーを拝借してフルート四重奏に仕立てたもので、オペラのような軽いノリの曲。

オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370 (1782)
2.5点
管の響きを堪能出来る内容だが、曲としては特別な工夫を感じないごく普通の曲でモーツァルトにしてはもの足らない。

オーボエ五重奏曲 ハ短調 K.406 (1782)
弦楽五重奏曲2番のオーボエ五重奏曲への編曲版

ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407(386c) (1782)
3.0点
ほのぼのとしてくつろいだ雰囲気のディベルティメント的な内容。ホルンの柔らかい音色を堪能できる。

クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 (1789)
5.0点
晩年の澄み切った透明感と、クラリネットが弦楽の響きのなかに溶けるようにして歌うことにより醸し出される豊穣さと愛おしさが全編にあふれている、何とも素敵な曲。モーツァルトの室内楽の中では一番わかりやすいし内容も素晴らしい。

2つのクラリネットと3つのバセットホルンのためのアダージョ 変ロ長調 K.411(484a) (1785)
3.3点
モーツァルトのアダージョらしい、柔らかくて温かみのありつつも透明感と憧れのある美しい音楽。オーケストラ曲のような雰囲気を管楽器だけで出せている。小品だが内容が豊かで十分に楽しめる。

グラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロのためのアダージョとロンド K.617 (1791)
3.5点
映画「アマデウス」の雰囲気を彷彿とさせる、不穏さと生の継続への憧れに満ちた独特の雰囲気がすばらしい曲。つい引き込まれてしまう。15分もある大曲。ただし、曲の構成が自由すぎるため、何度も繰り返し聴くような種類の音楽ではないと思う。

バスーンとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292(196c) (1775)
2.8点
低音の2つの楽器という特殊構成のソナタ。しかしバスーンはそれなりに高音のメロディーを吹けるため、それほど低音だけという感じはしない。さすがに特殊すぎてモーツァルトの作曲能力を十分に発揮できているとはいい難いが、バスーンを堪能するという目的ではそれなりに楽しめる。

2つのバセットホルンのための12の二重奏曲 ハ長調 K.487(496a) (1786)
2.8点
モーツァルトには珍しいタイプの曲集である。ごく小さな曲が並んでいる。モーツァルトの原風景の一つとして案外発見がある。とはいえ、習作もしくは練習曲のような内容で、あまり鑑賞する対象となるような音楽とはいえない。12曲もありだんだん飽きてくる。
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ
ベートーヴェン以降のヴァイオリンソナタの感覚で聴こうとすると失敗する。ピアノ主体で、ヴァイオリンはいろどりを添えるような役割となっている。

ヴァイオリンソナタ第24番 ハ長調 K296 (1778)
3.0点
優美で快活というのに尽きる。ごくありきたりの内容なのだが、美しい瞬間もそれなりにあり心地よくて気軽に楽しく聴ける。

ヴァイオリンソナタ第25番 ト長調 K301(293a) (1778)
2.5点
24番と似たような内容だが、快活さが減少して楽しさも減少してありきたりな感が増している。

ヴァイオリンソナタ第26番 変ホ長調 K302(293b) (1778)
2.5点
25番と同様の印象。

ヴァイオリンソナタ第27番 ハ長調 K303(293c) (1778)
2.5点
優美な曲。冒頭の助奏が良いが、その後はごく普通の曲。

ヴァイオリンソナタ第28番 ホ短調 K304(300c) (1778)
3.5点
短調曲であり、物悲しい雰囲気を楽しめる曲。しかし多くの短調曲のような激情や強烈な悲しみはなく、割と淡々とした切なさや物悲しさであること、長調メロディーとの落差もあまり大きくないのが特徴で、それに慣れると楽しめる。

ヴァイオリンソナタ第29番 イ長調 K305(293d) (1778)
3.0点
快活で元気がよいので楽しい。冒頭のユニゾンを始めとして、1楽章は管弦楽曲のようである。

ヴァイオリンソナタ第30番 ニ長調 K306(300l) (1778)
3.5点
生き生きとした魅力的な楽章ばかり。モーツァルトのピアノ入りの室内楽の中ではかなり良い出来だと思う。

ヴァイオリンソナタ第31番 変ロ長調 K372 (1781)
3.0点
優美で愛らしい佳曲。どの楽章もそれなりに良い。

ヴァイオリンソナタ第32番 ヘ長調 K376(374d) (1781)
3.0点
1楽章は音の跳躍や無窮の主題、3楽章は影のあるメヌエット、2楽章は短調の変奏曲と、どの楽章も癖がある。

ヴァイオリンソナタ第33番 ヘ長調 K377(374e) (1781)
3.8点
モーツァルトらしい美しさがコンパクトな編成により引き立つ作品。特別感を感じるほどではないものの、メロディーが良くて、ヴァイオリンソナタらしい愛らしく美しく、可愛らしい音楽を非常に楽しめる名作。

ヴァイオリンソナタ第34番 変ロ長調 K378(317d) (1779)
3.3点
長い前奏のあと突然に短調で主題が始まり驚く。悲劇的で情熱的な雰囲気だが、長調の時間も長いので、それ程短調らしさは強くない。2楽章は変奏曲で時々いいなと思う位。

ヴァイオリンソナタ第35番 ト長調 K379(373a) (1781)
3.0点
どのあまり主題の旋律に魅力が無く、名作という感じはしない。普通の曲。

ヴァイオリンソナタ第36番 変ホ長調 K380(374f) (1781)
未完成の作品

ヴァイオリンソナタ第37番 イ長調 K402(385e) (1782)
未完成の作品

ヴァイオリンソナタ第38番 ハ長調 K403(385c) (1782)
未完成の作品

ヴァイオリンソナタ第39番 ハ長調 K404(385d) (1782)
3.3点
フレーズや管弦楽的、協奏曲的な音楽で演奏時間も長い。規模が大きいのを楽しめるが、オーソドックスな正統派すぎてヴァイオリンソナタらしいコンパクトさの中の才能の輝きは足りない。

ヴァイオリンソナタ第40番 変ロ長調 K454 (1784)
3.3点
前作が正統派なのに比べて、この作品は工夫してありきたりにならないようにしている。2楽章がなかなか美しい。3楽章の変奏曲も主題に魅力があるし、変奏も変化が十分なので楽しめる。

ヴァイオリンソナタ第41番 変ホ長調 K481 (1785)
未完成の作品

ヴァイオリンソナタ第42番 イ長調 K526 (1787)
未完成の作品

ヴァイオリンソナタ第43番 ヘ長調 K547 (1788)
3.0点
純度が高まりややシンプルで、その代わりに輝きや精気がやや失われた感じで、それまでの曲と雰囲気が違う。うまく演奏すればこの雰囲気は活かされるかもしれないが、普通の演奏だとやや面白くない。


器楽曲

特殊楽器作品
自動オルガンのためのアダージョとアレグロ ヘ短調 K.594 (1790)
3.5点
怖いほどの焦燥感に驚く。人生の終わりに何か悪魔のような心がモーツァルトを追い詰めていたのでは?と思わせる。鬼気迫るような曲。

自動オルガンのためのアレグロとアンダンテ(幻想曲)ヘ短調 K.608 (1791)
4.0点
オルガンという楽器の素晴らしさのために、ロマン派の音楽よりもロマンチックな内容となっており素晴らしい。迫力満点になったり表情豊かで、対位法の利用も効果が高い。かなり感動的な名曲。

自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 K.616 (1791)
4.5点
人恋しさや人生に対する名残惜しさのような者が滲み出て、感動が止まらない名曲。冒頭のメロディーは聴いていて本当に泣けてくる。モーツァルトが可哀想という気分になる。オルガンでこのようなメロディーを鳴らした人は他にいただろうか?

グラス・ハーモニカのためのアダージョ K.356(K6.K.617a) (1791)
3.8点
人生の総決算を感じさせるような曲。グラス・ハーモニカの独特な淡くてセンチメンタルな音色が、人生の儚さを驚異的なまでに音楽で演出する。メロディーとして単純であるから、モーツァルトの曲のなかできわめて高レベルとまでは本来ならばいかないのだが、グラス・ハーモニカという特殊楽器のおかげでかなり魅力的な作品となっている。
https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88


22:777 :

2022/06/07 (Tue) 15:33:41

クラヴィーア曲

ピアノソナタ

モーツァルトのピアノソナタは愛らしく可愛らしい曲が多い。単旋律を歌わせることに長けているモーツァルトに向いている分野である。現代ピアノの機能の一部しか使わずスケール感やピアニスティックな楽しみには少々欠けるものの、良作揃いで楽しめる。素直でシンプルな初期や中期の良く、後期の作品は考えすぎの感がありイマイチである。

ピアノソナタ第1番 ハ長調 K.279(189d)
3.5点
どの楽章もオーソドックスな構成や内容で、モーツァルトのソナタの魅力を端的に味わうことが出来る。

ピアノソナタ第2番 ヘ長調 K.280(189e)
3.5点
1、3楽章は1番の方が良いが、2番は二楽章の短調のアダージョの魅力が素晴らしいのでトータルでは同じくらいよい。

ピアノソナタ第3番 変ロ長調 K.281(189f)
3.5点
各楽章いい。コロコロとした曲であり、最終楽章らしい感情に満ちた三楽章は特に魅力的。

ピアノソナタ第4番 変ホ長調 K.282(189g)
3.5点
いきなりアダージョで始まり、その魅力がかなりのもの。他の楽章は並。

ピアノソナタ第5番 ト長調 K.283(189h)
3.0点
イントロは耳を捉える魅力があるが、それ以降は詩的な魅力において1から4番までより少し下がると思う。

ピアノソナタ第6番 ニ長調 K.284(205b)
2.5点
最後の長い変奏曲は聞くのが大変。それ以外も発想の素晴らしさがあまりない。

ピアノソナタ第7番 ハ長調 K.309(284b)
3.5点
オーケストラのようにユニゾンで鳴らすイントロが耳に残る。各楽章が6番までより華やかでどの楽章も魅力がある。

ピアノソナタ第8番 イ短調 K.310(300d)
3.5点
初の短調ピアノソナタ。1楽章と3楽章の悲しみが疾走する感じが良い。

ピアノソナタ第9番 ニ長調 K.311(284c)
3.5点
1楽章がかなり魅力的。2,3楽章はいまいち。

ピアノソナタ第10番 ハ長調 K.330(300h)
3.5点
全部の楽章が魅力的。16番同様にハ長調をやさしく柔らかく詩的に非常に魅力的に鳴らしている。

ピアノソナタ第11番 イ長調 K.331(300i) 『トルコ行進曲付き』
3.5点
一楽章が主題や前半部分は魅力的だが、長い変奏曲なので後半は次の曲にいきたくなる。二楽章は並。三楽章の有名なトルコ行進曲は素晴らしいの一言。

ピアノソナタ第12番 ヘ長調 K.332(300k)
3.5点

一楽章は内容充実。二楽章は伴奏に乗って歌うような曲。三楽章は技巧的フレーズなど工夫あり。短調を活用したり作者の意気込みを感じる。

ピアノソナタ第13番 変ロ長調 K.333(315c)
3.5点
全編がしなやかな瑞々しい美しさにあふれた曲。三楽章にカデンツァがあるのは面白い。

ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457
3.5点

二曲目の短調曲。同じハ短調の協奏曲を思い出す。イントロはベートーヴェンのようだ。二楽章の穏やかさによる対比はモーツァルトの得意技の一つだがやはり素敵。三楽章の性急さを持った悲しみの表現も素敵。で少し理屈っぽい。慣れが必要な曲だが良さが理解できると感動的。

ピアノソナタ第15番 ヘ長調 K.533/494(旧全集では第18番)
3.0点
大作というより長すぎの曲だと思う。モーツァルトのピアノソナタは若いときの発想の瑞々しさがだんだん無くなってそれを技術でカバーされてクオリティーを維持している印象があるのだが、この曲でいよいよ発想の衰えが顕著になって隠しきれなくなった感じがする。

ピアノソナタ第16番 ハ長調 K.545(旧全集では第15番)
4.0点
初心者向けとして有名だし、一般的な観賞用にもトルコ行進曲を除いてもっとも有名な曲。シンプルでコンパクトな中に巧みな作曲技術を生かした絶妙なバランスがあり、他人には真似出来ない不思議なほど耳を捉えて離さない美しさ。

ピアノソナタ第17番 変ロ長調 K.570(旧全集では第16番)
1.5点
モーツァルトのピアノソナタの中でダントツの駄作。冗長で内容も薄い。

ピアノソナタ第18番 ニ長調 K.576(旧全集では第17番)
2.0点
一楽章や三楽章のテクニカルさが楽しむポイントと思うが、発想力の豊さも美しさも足りないと感じる。

4手および2台のピアノのためのソナタ
四手のためのピアノソナタ ハ長調 K.19d
2.0点
9歳の作品。まだお子様の作品で、独奏のソナタでも構わないような単純な部分が大半である。しかしモーツァルトの旋律の癖や優美さなどのセンスが現れ始めているのが興味深い。

-四手のためのピアノソナタ ト長調 K.357(497a)

四手のためのピアノソナタ 変ロ長調 K.358(186c)
2.8点
音感の良さでは悪くはないのだが、冴えている霊感を感じる瞬間がほとんどない地味な曲。4手ピアノの音の厚さもあまり生かせていない。

四手のためのピアノソナタ ニ長調 K.381(123a)
3.3点
序曲風の豪華さがある1楽章。モーツァルトらしい穏やかな優美さを発揮しいる2楽章。オペラのような活力のある3楽章。いずれも管弦楽的で編曲のようであり、華やかさで耳を楽しませてくれる愉しい曲。

四手のためのピアノソナタ ヘ長調 K.497
3.3点
モーツァルトにしては、かっちりとした印象。規模が大きくて、堂々としていて、あまり優美さや愛らしさは感じない。2手用ピアノソナタとも協奏曲などの別ジャンルとも違うし、2人が活発に絡むのとも違う、独特のこの曲だけの音世界の美しさを作っている。若い新鮮さやメロディーの魅力が足りない点は物足りない。

四手のためのピアノソナタ ハ長調 K.521
2.8点
若いときの愛らしい曲調を取り戻している。しかし、音が薄くて4手で演奏する価値が低く、2手でいいのでは?と思ってしまう。メロディーも発想の瑞々しさに乏しい。愛らしいだけで面白くない曲になってしまっている。

2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448(375a)
3.3点
冒頭が非常に印象的。オペラが開幕するような威勢のよい音楽。1楽章はそのまま元気に管弦楽的な豊かさを見せる。2楽章は優美で管弦楽的なまったりした豊かさがある。3楽章は少し印象が薄いが、悪くない。


その他のピアノ曲

アレグロ ト短調 K.312
2.5点
普通のアレグロ曲。特段感動しなかった。ひどい曲というほどではないが。

メヌエット K.355
モーツァルトにしては異様な不協和音に近い響きや半音階的進行を使った部分に驚かされる。しかし、全体に美しさが感じられず、あまり価値が高い曲とは思えない。

プレリュードとフーガ
2.5点
モーツァルト本人のスタイルによる作品というより模倣による習作であるのは明らか。プレリュードといっても普通の曲ではなく、自由な疾風怒濤の激しい幻想曲である。CPEバッハとJSバッハの作品を真似したものとはっきり分かる。フーガは感心するほどの出来ではなかった。

カプリッチョ K.395
2.5点
モーツァルトとは思えないヴィルトゥオーゾ的な即興的パッセージで埋め尽くされた曲。違うCDと間違えたかと思うほど異色の作品で驚いた。たいした曲ではない。

組曲 K.399
3.0点
ヘンデルの組曲の影響を受けた曲。バロック音楽色がかなり強い、異色の曲。アルマンドが素敵だし、他の曲も頑張っている。

アレグロ K.400
3.0点
未完の曲。活発なソナタ形式のアレグロ。将来ソナタにする予定だったため、きっちりとした形式感があるし、かなり華やかな派手さがあるため楽しめる。

フーガ ト短調 K.401
2.8点
バロック風のフーガであり、未完成である。まだ若い時の作品であり、昔の作品を真似しながら書いたように感じた。

行進曲 K.408
3.5点
かなり楽しめる行進曲。規模が大きくて勇壮で、心踊るような元気な楽しさに満ちていて、かなり魅力的。行進曲を書いても一流であることに感服した。管弦楽曲の編曲。

2台のピアノのためのフーガ ハ短調 K.426
3.0点
成熟した内容である。大バッハのフーガにテーマも展開も非常に似ており、伝記に登場するようなモーツァルトのバッハ体験の強烈さを体感できる曲の一つ。

小さな葬送行進曲 K.453a
3.0点
ごく小さな曲であるが、内容はしっかりしており、小品として良い曲である。葬送曲らしさを楽しめる。

主題と2つの変奏曲 K.460
3.0点
愉しいテーマと細かく音を分断して派手にする変奏曲。自筆譜に2つの変奏しか無いそうだ。おかげで短くて聞きやすい小品になっている。

アンダンテと5つの変奏曲 ト長調 K.501 (四手のための)

幻想曲 ハ短調 K.475
3.8点
ハ短調の曲らしく悲劇的で堅い印象。内向的な作品で形式にとらわれない自由なドラマ構築がされている。かなり暗い曲であり、モーツァルトの内に秘めていた熱いものをさらけ出している。堅さはあるものの、悲しみを乗り越えて現実を受け入れるかのようなメロディーは胸をうつ。ドラマティックな場面展開はかなり優れていて、ソナタには無い自由さと長大さを正しく使いこなして、曲を成功させている。

幻想曲 ニ短調 K.397
4.0点
短調の曲における悲劇と悪魔的な雰囲気を最も感じさせるクラヴィーア曲。むしろやり過ぎで、あからさま過ぎなのが気になる。とはいえ、素直に音楽の流れに乗れれば感動できるし、印象的な場面ばかりなのは確か。同じ二短調のピアノ協奏曲と共通点がある。

ロンド ニ長調 K.485
3.5点
愛らしい主題によるロンド。成熟した音楽であり、転調を繰り返しながら、場面展開を繰り返す。ピアノソナタの大半の楽章以上に複雑で充実した作品である。

ロンド イ短調 K.511
3.5点
晩年の諦観の香りがする曲。どこもなく人恋しく寂しい感じのする主題が胸をうつ。書法に他の作品とどこか違う簡素さがあり、モーツァルトのクラヴィーア曲の中で特殊な曲という印象を与える。

小葬送行進曲 ハ短調 K.453a

アダージョ ロ短調 K.540
3.5点
悲しい人生経験を衝動的に表現したくなって書いた事が容易に想像出来る曲。モーツァルトらしい悪魔的な表現、内面的なドラマティックさの塊のような曲であり、切々とした寂しさや悲しみに強く胸を打たれる。これだけ端的にこのような表現をされた曲は珍しい。10分の大作だが、聞き入っているうちにあっという間に終わる。とはいえ、時間をかけて何か特別な用意をした感じの曲ではないので、点数は抑え目にした。

小さなジーグ K.574
2.5点
2分以下の小さな曲。ソナタでは聴かれない特殊な軽快で活発な音楽という点で、モーツァルトの新しい面を聴ける。スケルツォのようでもある。ただ、良い曲という印象はない。

2台のピアノのためのラルゲットとアレグロ変ホ長調
2.8点
2台ピアノの書法に成熟感があり楽しめるだが、メロディーにあまり魅力がないため、全体としてはいまいちな作品である。



声楽作品

ミサ曲

戴冠ミサ ハ長調 K.317
3.3点
華やかで豪華な印象の強い曲。しかし、あまり目立つ良さがない。モーツァルトの良さが十分に生きていないというか、ミサ曲に馴染んでいないと感じる場面が多いのと、メロディーにこれはという感動がない。職人的に書かれた機械音楽の趣が強いと感じる。とはいえ舞台音楽の名手らしい躍動感で音の輝きをみせるし、華やかな聴き栄えの良さはなかなかである。

大ミサ曲 ハ短調 K.427(K6.417a)
4.5点
このような曲を自主的に書き始めるのは、どのような切羽詰まった心境だったのだろうか?冒頭こそ半音階的でバッハのような堅さが目立つが、すぐに音楽は悲しみにくれた心情を露わに表現する音楽が始まる。ロマン派の誰よりも直接的な感情表現の得意なモーツァルトの独壇場となって、次々とシンプルでありながら見事に心を打つメロディーをみせる。その迫力においてやはり非常に価値のある曲と言えるだろう。レクイエムと比較したくなる曲だが、自身で完成している割合がずっと高い点ではこちらの方が素直に楽しめる。ただし長いため最後の方は飽きてしまうが。


合唱音楽・モテット

モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618

カンタータ『悔悟するダヴィデ』K.469
大ミサ曲ハ短調を改作した曲

レクイエム ニ短調 K.626
5.0点
映画アマデウスのイメージが強い。心の叫びのような素晴らしく感動的な曲が並んでいる。本人作は全曲良いが、その中でも特に全部本人が書いた1曲目は素晴らしいし、その後も次々と凄まじい曲が続いて圧倒される。ただし、全てが清算される無に返る超越的な事象である死を受け入れるというより、どちらかというと生への執着と劇的な悲しさを感じてしまう。他人が鎮魂するための曲というより、本人が死と格闘する曲であるかのようだ。
https://classic.wiki.fc2cn.com/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88%28%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%A2%E6%9B%B2%E3%80%81%E5%A3%B0%E6%A5%BD%29



しかし、この感じで作曲を続けていたら、モーツァルトは何時まで経ってもモンテヴェルディ、ヘンデル、バッハやベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナーの域には達しないですね。

子供は住んでいる世界が小さいのです。
子供の天才は絶対に大人の天才には成れません。

国民がバカだから政治家もバカになる、

音楽ファンの精神年齢が低いからモーツァルトみたいな子供の音楽が持て囃される。

情けないですね。


▲△▽▼


モーツァルトは文部省唱歌と同じ様に懐メロとして聴かれている
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14085052
23:777 :

2022/06/07 (Tue) 16:15:53

クラシック音楽の youtube リンクは

阿修羅掲示板 近代史6
http://www.asyura2.com/21/reki6/index.html


に記載しています。 各曲へのリンクの数が多過ぎて ここには貼れません。


▲△▽▼


クラシック音楽 一口感想メモ
https://classic.wiki.fc2cn.com/

音楽関係ブログへのリンク
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/399.html

オーディオ関係ブログへのリンク
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1208.html
24:777 :

2022/07/04 (Mon) 06:10:15

クラシック音楽 _ バロックと古典派の音楽
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009420

クラシック音楽 _ ロマン派の音楽
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009578

クラシック音楽 _ 世紀末の音楽
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009494

クラシック音楽 _ 20世紀の音楽
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009496


△▽


SP時代の演奏家はこんなに凄かった
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14009733

手回し蓄音機はオーディオではない。楽器だ!
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14004305

手廻し蓄音機 と Sogaphon で聴くSP録音の CD復刻盤
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/433.html
25:777 :

2022/07/23 (Sat) 23:07:15

「映画とクラシック音楽の周囲集」_ 映画・音楽に関する最も優れた評論集
https://a777777.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14025561
26:777 :

2023/09/29 (Fri) 18:04:26

あああああ

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