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2022/05/25 (Wed) 18:09:38
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イエジー・カワレロウィッチ『マッダレーナ Maddalena』1971年
監督:イエジー・カワレロウィッチ
原案&脚本:イエジー・カワレロウィッチ
音楽 エンニオ・モリコーネ
テーマ曲 エンニオ・モリコーネ“Chi Mai”
動画
https://www.youtube.com/watch?v=cNXFMaO9blE
https://www.youtube.com/watch?v=UsKDSQowZWA
出演:リザ・ガストーニ エリック・ウーフェ
イヴォ・ガッラーニ パオロ・ボナチェリ
カワレロウィッチ初の海外作品 (キネマ旬報1969年12月下旬号)
ポーランドの第一線監督イエジー・カワレロウィッチがローマにおいて彼の初めての海外作品を撮る。
製作者はジョセフ・フライド。中年女性と僧侶との恋物語を心理学的に扱った「マデレーン」Madaleineという題名の作品で、カワレロウィッチは目下ローマでイタリアのシナリオライター、セルジオ・バッジーニと共同で脚本を執筆している。
現代の一般的風潮と共に、僧院の禁欲生活というものに論議の目を向けたものといわれているが、同監督はとかく規制の多い東欧から自由な西欧に出てきての映画製作を大いに喜んでいる。
「これまで戦争の映画を作りすぎたので、こんどは、もっと身近なドラマを作りたいと思う」といい、また「商業的な映画と芸術的な映画のあいだにギャップは感じない。この二つは手をたずさえてゆくべきもので、私はその両立を信じる」とも語っている。
主演女優には「エヴァの匂い」「太陽の下の18才」などに出演したリザ・ガストーニがえらばれ、主演男優はカワレロウィッチ監督がロンドンへ行ってイギリスのスターから探しだす予定。彼はいっている。
「恋物語を強調するために裸を使う必要は認めない。生のセックスとエロチシズムとは別なもので、エロチックな効果を出すためには、全部脱がさなければならぬと考えるのは愚の骨頂である」
http://b.koroweb.com/pa/patio.cgi?room=sean&mode=view&no=15
官能的な美貌を誇るマッダレーナ。しかし彼女は満たされぬ思いで毎日を過ごしていた。夫は別居しているが離婚に応じてはくれず、彼女は頭の悪い連中とつきあい始め、彼らを自宅に集めては酒に溺れ、騒ぎあうことで憂さを晴らす。いつもの「ちょっとしたパーティ」の最中、彼女は友人がくだらない賭けのためにつれて
来た青年司祭と出会う。マッダレーナは、青年司祭の中に自分の心と体を救ってくれる拠り所を見つけた。
それからは彼女はいかがわしい連中との関係を止め、司祭の自宅、勤務先である教会、街頭と至るところで姿を現すことになる。当惑した青年司祭は勤めていた教会を去り、自動車道路沿いにある小さな教会に移った。けれどもマッダレーナは司祭を探し出し、ふたたび彼を苦しめる。
そんなある日、司祭はボート旅行の中で、マッダレーナがある漁夫を相手に情事にふけっているのを目撃し、彼女と離れようと固く決心する。だが彼女は司祭との結婚を望んでいた。
マッダレーナが夫とのドライブ中、事故が起きた。瀕死の重傷を負った夫を目の当たりにしながらマッダレーナは手助けせず夫を死に至らしめる。その後、司祭に殺人をおかしたことを告白した彼女は、すべてを説明するため彼を砂浜に誘い出す。裸になった彼女は司祭にも同じように脱衣することを要求し、自分の後について海に入るよう誘う。司祭は泳ぎながら自分を失い、外海に消えていく。救われないまま疲れきって独り砂浜に戻ってきたマッダレーナ・・・。
"Maddalena" (1971) はモリコーネ・ファンの間では圧倒的に人気の高い作品。 リーザ・ガストーニ主演によるエロティックなラブ・ロマンス作品。 日本未公開です。 主演のガストーニを筆頭に、ミレイユ・マチューやミルヴァなど様々なアーティストが歌詞をつけてカバーした #2 "Chi Mai" は、とろけるくらいに甘くて官能的な傑作。
この曲に表現される、主人公の女性。 何をしても心が満たされず自分は不幸だと思っていて、そこから救い出されることを願っています。 その救い手を見つけ求めてもその激しさゆえに自虐的な方向に進んでしまう・・・恋は盲目以上の重たさを持つ話だなぁと思います。
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2022/05/25 (Wed) 18:14:29
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エンニオ・モリコーネ Chi Mai
エンニオ・モリコーネ Chi Mai動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Ennio+Morricone+Chi+Mai
Danielle Licari - Mal de toi Ennio Morricone
http://www.youtube.com/watch?v=exIOPViTQxk
モリコーネの最高アンニュイ・サウンド! 『マッダレーナ』
今回ご紹介するのは、モリコーネ作品の中でアンニュイな世界の極めつけ、『マッダレーナ(MADDALENA)』です。
【収録曲】
モリコーネの作品は、日本未公開作品に、内容が素晴らしいものが多いです。このコーナーでご紹介した『ある愛の断層』や『カリファ』がそうですね。この『マッダレーナ』も日本未公開作品ですが、とにかく素晴らしい!
①マッダレーナのように(COME MADDALENA)
http://www.youtube.com/watch?v=Bt0XV2PQvw0&feature=related
静かなオルガンの音色にパーカッションのアンサンブルによる導入部に始まり、やがてエッダ・デル・オルソのかすれ気味のスキャットを筆頭に、チェンバロ、ベース、フリューゲルホルン等が代わるがわる加わり、ストリングスが高まり、イ・カントーリ・モデルニのコーラスが厚みを増し、次第にエッダのボーカルにも力が漲り、荘厳なシンフォニーに発展していく大曲。
まさにモリコーネの真骨頂!同じフレーズの繰り返しながら、官能的なメロディがたたみかけてきます。
ハーモニーも美しい!まさに名曲です!!
② キ・マイ(CHI MAI)
https://www.youtube.com/results?search_query=Ennio+Morricone+Chi+Mai
モリコーネのリリカルな面が最もよく表された、誰もが認める名曲の中の名曲。
この曲はモリコーネ自身もずいぶんとお気に入りのようで、オムニバスアルバムやコンピレーションアルバムには必ずといっていいほど収録されています。ヨーロッパではかなりのスタンダードになっている曲で、カバーバージョンやボーカルバージョンも多い曲ですね。 ベルモンド主演、ジョルジュ・ロートネル監督の『プロフェッショナル』でも使用され、評判になった曲です。
③ 想いでの女(UNA DONNA DA RIORDARE)
http://www.youtube.com/watch?v=jV4T603lD6U
「マッダレーナのように」のスロー・バージョン。夢うつつな揺らぎのあるアレンジ、
モリコーネお得意の電気音がアクセントを加えます。ゆったり、アンニュイ感。
④ 天国の狂気(PAZZA IN CIELO)
http://www.youtube.com/watch?v=H8wgnqhs7_k
土俗的なパーカッションとコーラスがミックスされたアバンギャルドな曲。
つのる恋心が狂気に変わっていく様が表現されている、愛の頂点とも言える曲。
⑤エロティック・ミステリー(EROTICO MISTICO)
http://www.youtube.com/watch?v=h4SmzCsP0zo
「天国の狂気」にエロチックなエッダのあえぎ声を加えた変奏バージョン。
これもモリコーネ独特の世界!
『マッダレーナ』は、モリコーネ作品の中で最高にアンニュイです!!
http://blogs.yahoo.co.jp/rasukaruc/24355399.html
Chi Mai の伊語の読みは「キ・マイ」? 意味は「決して誰でも」?
モリコーネはローマで生まれ、ローマの聖チェチーリア音楽院でゴッフレド・ペトラッシに作曲技法を学んだ後、作曲家としてテレビ・ラジオ等の音楽を担当した。 1950年代末から映画音楽の作曲、編曲、楽曲指揮をしている。 映画音楽家デビューは、『歌え! 太陽』(Appuntamento a Ischia、60年) だと言われていたが、オリジナルのスコアを使用した映画は『ファシスト』(Il Federale、61年、ルチアーノ・サルチェ) であり、こちらがデビュー作だと言われるようになっている。
60年代は映画監督セルジオ・レオーネとのコンビでいわゆる「マカロニ・ウェスタン」作品で存在感を増していった (レオーネとのコンビはレオーネの遺作である84年の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』まで続いた)。 86年ローランド・ジョフィ監督のイギリス映画『ミッション』で、新たな境地を切り開き、それ以後はイタリア以外からも評価が高まり、87年には『アンタッチャブル』でグラミー賞を受賞、89年には『ニュー・シネマ・パラダイス』で世界的にも高い知名度を得た。
『天国の日々』(78年)、『ミッション』(86年)、『アンタッチャブル』(87年)、『バグジー』(91年)、『マレーナ』(00年) でアカデミー賞にノミネートされている。 日本でも、03年に NHK の大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』の音楽を担当している。 07年、第79回アカデミー賞において名誉賞を受賞した。
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"Maddalena" (1971) はモリコーネ・ファンの間では圧倒的に人気の高い作品。 リーザ・ガストーニ主演によるエロティックなラブ・ロマンス作品。 日本未公開です。 主演のガストーニを筆頭に、ミレイユ・マチューやミルヴァなど様々なアーティストが歌詞をつけてカバーした #2 "Chi Mai" は、とろけるくらいに甘くて官能的な傑作。
この曲に表現される、主人公の女性。 何をしても心が満たされず自分は不幸だと思っていて、そこから救い出されることを願っています。 その救い手を見つけ求めてもその激しさゆえに自虐的な方向に進んでしまう・・・恋は盲目以上の重たさを持つ話だなぁと思います。
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Chi Maiのポイントは何といってもメロディ。 ストリングのユニゾンが、ポツリポツリと1音ずつ、8分の6拍子 (多分) の最初の拍を外すように弾いていきます。 音と音を繋げるとメロディが出来上がるのですが、その響きは悲しげで、音のタイミングや音と音の間 から、人がポツリポツリと躊躇いがちに話す仕草、もしくは悲しみで途方に暮れる様子が思い浮かびます。 心の琴線に触れる、とても美しい印象的な曲です。
いろんな方が歌詞をつけてカバーしているだけでなく、モリコーネ自身が別の映画やドラマに「再利用」しています。 自他共に好感度が高いと言えるでしょうか。
「Chi Mai」投稿音楽の中に、珍しく仏語の歌詞で歌う曲「Danielle Licari - Ennio Morricone CHI MAI」があり、名前が懐かしいものだと聞いてみました。 映画「シェルブールの雨傘」で、ヒロインの歌の吹き替えをしていた歌手ダニエル・リカーリです
__投稿説明には Danielle Licari recorded "Mal de Toi" in 1980, we are happy to share this rare recording with the world!! Danielle Licari canta! Ella grabo un punado de canciones con letra, esta es una de ellas. _とありますが、後半はスペイン語らしく意味が不明です。 彼女は歌唱力が弱いのですが、その非力で頼りない歌いぶりがまた一種の魅力ですね。
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"Il Professionista" (1981) ... ジャン=ポール・ベルモンド主演による刑事アクション。
ベルモンドの81年仏の犯罪活劇映画「Le Professionnel」(日本未公開) の最後の場面を見るとベルモンドが狙撃されて死ぬところで終わりとなり、そこにこの哀調の曲 Chi Mai が流れてきます。モリコーネ自身がこの曲を色々な映画で使い回しているらしく、初出は71年の映画「マッダレーナ」と推測します。
映画「Le Professionnel」ですが、西部劇調の拳銃抜き打ち決闘や車の追跡がある別の投稿場面を見て、当時 日本未公開となった理由もなんとなく理解できます__「もうスタイルが古い」のヒトコトなのです。 ベルモンドも髪に白いものが混じり、西部劇ごっこなんかやっているトシじゃなかろうにと思います。 ポスター写真も50~60年代の "西部劇風丸出し" じゃないですか。
ベルモンドはかつてドロンと仏映画界の人気を2分していましたが、この2人は今どうしているやら ... 仏映画の人気は60~70年代までで、その後はとんと聞きませんね。
また当時の仏映画の美女で、今も美女らしいドヌーヴ (「シェルブールの雨傘」のヒロイン) も活躍はさっぱりですね。 10年位前の彼女主演の仏映画_題名も失念_が TV にかかっていましたが、最初の10分ほどでスイッチを切ってしまいました。 彼女は文句無しに相変わらずキレイなんですが ... 要するに映画の進展が面白くなかったからで、見続けるのは苦痛でした。
http://blog.goo.ne.jp/ludwigvb2007/e/f33a734aa06e80fe958c14ebec2d0068
Le Professionnel - Chi Mai
http://www.youtube.com/watch?v=DK8pjN5Q_cM
http://www.youtube.com/watch?v=YWy-Wp24N2s
エンニオ・モリコーネ音楽作品集
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7681577
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7916653
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9016269
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9230987
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11846079